JPS592286Y2 - ヒンジ用カバ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はヒンジ用カバーに係り、たとえば家具の扉など
に使用されるヒンジを被覆するものに関する。

従来、この種のヒンジとして、たとえば、家具本体の側
板のような固定板部に取付ける一方の固着部と、家具本
体の扉板のような可動板部に取付ける他方の固着部とを
複数の可動アームにて回動自在に連結し、９０度以上の
開閉角を可能にした構造のものが知られている。

すなわち、たとえば、第２図に示すように、ヒンジ本体
Ａの一方の固着部としての固定枠１の両端部に支軸２，
３を介して第１および第２の可動アーム４，５の一端部
を回動自在に軸着し、この第１および第２の可動アーム
４，５の他端部に支軸６，７を介して第３および第４の
可動アーム８，９の一端部を回動自在に軸着し、この第
３および第４の可動アーム８，９の他端部に他方の固着
部としての取付片１０を有する固定円盤１１を支軸１２
．１３にて回動自在に軸着し、さらに上記第１および第
４の可動アーム４゜９の交叉部を中間軸１４にて回動自
在に連結した構造となっている。

そして、一方の固定枠１を家具本体の側板１５にその取
付孔１６からねじ１７をねじ込んで関着するとともに、
他方の固定盤１１を家具本体の扉板１８に形成された取
付凹部１９内に埋設し取付片１０のねじ孔２０よりねじ
２１をねじ込んで関着するようになっている。

このようにして家具本体の側板１５に扉板１８を開閉自
在に連結されるが、この場合扉板１Ｂを開閉する際、各
可動アーム４，５，８．９は扉板１Ｂ開閉方向に回動お
よび伸縮しつつ行われるので、したがって、この各可動
アーム４，５，８．９に衣類などが挟持され、衣類等を
損傷するおそれがあるとともに、衣類などを挟持した場
合にはそれによって扉板１５の開閉が困難になるなどの
問題を有している。

本考案はこのような点に鑑みなされたもので、ヒンジ本
体にヒンジ本体の動作をさまたげない形状に形成したカ
バ一体を被嵌することにより、ヒンジ本体を確実に被覆
しヒンジ本体の動作時に衣類などを挟持し衣類などを損
傷することがないようにしたヒンジ用カバーを提供する
ものである。

つぎに本考案を添附図面に示す一実施例について説明す
る。

２５は合成樹脂などにて形成されたカバ一体で、このカ
バ一体２５は一方側にはヒンジ本体Ａの一方の固着部と
しての固定枠１側を収容する収容部２６が形成されてい
る。

この収容部２６には、上面板２７と左右の両側板２Ｂお
よびこの左右の両側板２８の一端部間と上面板２７の一
端部とを閉塞した端面板２９にて下面を開放したほぼ矩
形状に形成され、上記上面板２７の裏面には上記第４の
可動アーム９の上面に穿設されている大小の係止孔３０
，３１に嵌合して係止する大小の係止突起３２．３３が
一体に突設されている。

またカバ一体２５の他方側には上記ヒンジ本体Ａの他方
の固着部としての取付片１０を有する固定円盤１１側を
収容する収容部３４が上記一方の収容部２６と連通して
形成されている。

この収容部３４は、上記上面板２７と一連に形成されか
つ上記第４の可動アーム９の先端部分および第１および
第３の可動アーム４，８を収容可能に上方に大きく突出
された円弧状の上面板３５と上記左右の両側板２Ｂと一
連に形成された左右の両側板３６にて下面を開放したほ
ぼ半円状に形成され、したがって、この他方の収容部３
４は回動かつ伸縮する可動アームを収容できるように上
記−前側の収容部２６より大きく形成されている。

つぎに、カバ一体２５をヒンジ本体Ａに取付ける場合に
は、まず、前記のようにヒンジ本体Ａの一方固定枠１を
家具本体の側板１５にねじ１７にて止着するとともに他
方の固定円盤１１を家具本体の扉板１８の取付凹部１９
内に嵌着し、その取付片１０をねじ２１にて止着する。

ついで、ヒンジ本体Ａに対し、カバ一体２５を被嵌しこ
れを押圧すると、このカバ一体２５の一方側の上面板２
７の裏面に突設した大小の保合突起３２．３３が第４の
可動アーム９の大小の係止孔３０゜３１内に圧入されて
嵌合係止される。

したがって、この保合突起３２．３３によりカバ一体２
５はヒンジ本体Ａに確実に係止され、カバ一体２５の一
方の収容部２６内にはヒンジ本体Ａの一方の固着部側す
なわち、固定枠１、第２および第４の可動アーム５．６
が収容されるとともに、カバ一体２５の他方の収容部３
４内にはヒンジ本体Ａの他方の固着部側すなわち第１お
よび第３の可動アーム４，８が収容される。

したがって、ヒンジ本体Ａにはカバ一体２５が一体的に
セットされ、扉閉塞時には第３図に示すようにヒンジ本
体Ａはカバ一体２５にて確実に被覆され、また扉開放時
には第４図に示すように各可動アーム４，５，８．９は
開放方向に回動しつつ伸長するが、カバ一体２５は最も
内側の第４の可動アーム９とともに動作するので、家具
本体においては各可動アーム５，９はカバ一体２５より
露出することがなく、常に被覆されている状態で動作し
、また開いた扉を閉じる場合も伸長した各可動アーム４
，５，８．９などは上記とは逆方向に回動しつつ収縮し
次第にカバ一体２５の両方の収容部２６゜３４内に収容
される。

したがって、ヒンジ本体Ａはカバ一体２５を伴って回動
かつ伸縮し、その動作を司どる各可動アーム４，５，８
．９は常にカバ一体２５に被覆されている状態で動作す
ることになるので、この各可動アーム４，５，８．９の
動作時に衣類などが挾持されるようなことがない。

なお、実施にあたっては、カバ一体２５の大きい保合突
起３３にタッピングねしをねじ込み、係合突起３３を拡
大することにより通孔３１に対し一層確実に係止するこ
とができる。

本考案によれば、固定板部に取付ける一方の固着部と可
動板部に取付ける他方の固着部とを複数の可動アームに
て回動かつ伸縮自在に連結したヒンジ本体を被覆するカ
バ一体であって、このカバ一体は一方側には上記一方の
固着部側を収容する収容部を形成するとともに、他方側
には上記他方の固着部側を収容する収容部を連通形成し
たので、このカバ一体をヒンジ本体に取付けることによ
りヒンジ本体は確実に被覆され複数の可動アームなどは
露出することがないので、ヒンジ本体の外観性が高めら
れその動作時に衣類などを挟持し、衣類などを損傷する
おそれがなく、またカバ一体の収容部によってヒンジ本
体の動作がさまたげられるようなことがなく、また−前
側の収容部における上面板の裏面に係合突起を突設し、
この係合突起を可動アームの係止孔に係止するようにし
たので、カバ一体をヒンジ本体にかぶせこれを押動する
ことによって係止孔内に保合突起が係止され、カバ一体
を簡単かつ確実にセットすることができ、そして、この
カバ一体はこれを係止した可動アームの動作に追随して
移動するから回動かつ伸縮動作する可動アームを確実に
被覆することができ、また全体的に構造が簡単で製作が
容易であり、したがって開閉角の大きいヒンジ本体の動
作機能をそこねることなくヒンジ本体を被覆できる安全
なカバ一体を安価に提供することができるのである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図はヒンジ用
カバーの一部を切欠いた斜視図、第２図はヒンジ本体の
斜視図、第３図はヒンジ用カバーの取付は状態を示す断
面図、第４図は同上作動状態を示す断面図である。 １・・・・・・一方の固着部、４，５，８．９・・・・
・・可動アーム、１１・・・・・・他方の固着部、Ａ・
・・・・・ヒンジ本体、２５・・・・・・カバ一体、２
６・・・・・・一方の収容部、２７・・・・・・上面板
、３０．３１・・・・・・係止孔、３２．３３・・・・
・・係合突起、３４・・・・・・他方の収容部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定板部に取付ける一方の固着部と可動板部に取付ける
   他方の固着部とを複数の可動アームを介して回動かつ伸
   縮自在に連結したヒンジ本体を被覆するカバ一体におい
   て、上記カバ一体は、一方側には上記一方の固着部側を
   収容する収容部を形成するとともに他方側には上記他方
   の固着部側を収容する収容部を上記−前側の収容部と連
   通形威し上記−前側の収容部における上面板の裏面に上
   記一方の固着部側の可動アームに形成された係止孔に係
   止する係合突起を一体に突設したことを特徴とするヒン
   ジ用カバー