JPS5917626Y2 - カツプ型射出成形蓋用離型装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカップ型射出成形蓋用離型装置、更に詳しくは
成形前の裏面にゲイドロが残り、従ってこれを成形前の
表面に残す場合と異なり、ゲイドロで成形前の表面外観
が損われないカップ型射出成形蓋の射出成形を可能にす
る、エア駆動型でスプリング賦勢元位置復帰型のエゼク
タ−ビンによる、カップ型射出成形蓋用離型装置の提案
に係る。

カップ型射出成形蓋の表面外観をよくするべく、その裏
面にゲイドロを残すようにするには、試着を成形する雄
金型をそれにスプルを形成して射出成形機の射出筒側に
配置することによって目的が達せられる。

しかしこのようにすると成形前がカップ型であるため、
冷却収縮により型開き時に上記射出筒側の雄金型に耐着
して残ることになるので、該雄金型に離型装置を組込む
必要が生ずる。

ところが射出筒側に配置されるカップ型射出成形蓋用雄
金型はスプルの加工や経済性等の関係から比較的薄いも
のにすることを要望され、これに通常のエア駆動型でス
プリング賦勢元位置復帰型のエゼクタ−ビンを組込むに
は問題がある。

即ち、薄い金型ではそれに設けるエゼクタ−ビン、従っ
てその復帰用スプリングを短かくしなくてはならず、高
い底形サイクルを得るのに即した速度でエゼクタ−ビン
を復帰させるには、スプリングを強いものにする必要が
あって、それだけエゼクタ−ビンを駆動する圧縮エアの
圧力を高くする必要がある。

駆動エア圧が高いと、エゼクタ−ビンの前進限度の規制
が困難となり、エゼクタ−ビンの過大突出しで成形前を
傷損することがある。

そこで本考案はカップ型射出成形蓋の表面外観をスプル
口跡で損われるのを避けるべく、カップ型射出成形蓋用
雄金型をそれにスプルを形成して成形機の射出筒側に配
置したものに於て、該雄金型に上記のような問題を伴う
ことなく、エア駆動型でスプリング賦勢元位置復帰型の
エゼクタ−ビンを組込むことを可能にすると共に、この
種エゼクタービンの前進限度の規制を確実にすることを
保証しようというものである。

本考案のカップ型射出成形蓋用離型装置は、スプル２を
有するカップ型射出成形蓋用雄金型１を射出成形機の射
出筒側に配置し、該雄金型１の型面前面から後方へ適当
長さに亘って摺動孔１２を穿設して、これにエゼクタ−
ビン３を嵌挿し、該エゼクタ−ビン３の後端にエア駆動
型でスプリング賦勢元位置復帰型のピストン部４を、上
記雄金型１に該ピストン部４のためのピストン室５をそ
れぞれ形威し、エゼクタ−ビン３の後退位置に対応する
位置に上記ピストン部４があるとき、該ピストン部４の
前端寄り部位の側面に臨んで該ピストン部４側面で閉鎖
され、エア駆動による該ピストン部４のエゼクタ−ビン
突出位置対応位置への変位で開放されるポー）７ａを有
する大気孔７と、上記ピストン室５のエゼクタ−ビン先
端側寄り端部の側面に開通するポー）９ａを有する大気
７Ｌ９と、上記ピストン部４をエゼクタ−ビン突出方向
側へ駆動させる圧縮エアの流入孔６とを上記ピストン室
５に設けたことを特徴としている。

本考案に於ては流入孔６を通じてピストン室５に圧縮エ
アを供給すると、その圧力によりエゼクタ−ビン３がそ
の元位置復帰用スプリング１０の弾力に抗して前方（第
１図の上方）へ駆動され、該ピン先端が雄金型１の型面
より突出される。

斯くして、雄金型１上のカップ型射出成形蓋は上記エゼ
クタ−ビン３により離型される。

このエゼクタ−ビン３は、カップ型射出成形蓋の端部に
対応する個所に備える場合、その複数を試着の周りに沿
って配置することができる。

斯がる配置それ自体は、成形扉の表側にゲート口を持っ
たカップ型射出成形蓋についてのエゼクタ−ビンの場合
に於ける配置と同様である。

この離型操作に際し、本考案に於いてはエゼクタ−ビン
３のピストン部４後端が大気孔７のポー）７ａの個所ま
で移動すると、それまで該ピストン部４側面で閉鎖され
ていた大気孔７のポート７ａが開放され、該大気孔７を
通じピストン室５が大気中に開放されて、その内圧が低
下するので、適当な時点でビス１〜フ部４の圧縮エアに
よる押圧を開放すれば、エゼクタ−ビン３はそれまで圧
縮エアの圧力で蓄勢されていたスプリング１０の弾力に
より復帰される。

従って本考案に於ては上記大気孔７がエゼクタ−ビン３
の前進限度を規制するストッパーとしての働きをする。

しかも本考案に於てはビスＩ・ン室５のエゼクタ−ビン
先端側寄り端部の側面に開通するポート９ａを有する大
気孔９が設けられていて、エゼクタ−ビン３のほぼ全前
進行程中、該大気孔９を通じそのときのピストン室５の
ピストン部４より前方（エゼクタ−ビン先端側）の室８
のエアが外部に排出されるので、ピストン部４に背圧が
かかることがなく、それだけエゼクタ−ビン３駆動用圧
縮エアの圧力が低くてすみ、該エアの過剰高圧によるエ
ゼクタ−ビン３の過大突出の回避をはかり得る。

従って、エゼクタ−ビン３の大気孔７による前進限度規
制を効果的なものとし、これを確実に行なうことを保証
する。

本考案に於てはエゼクタ−ビン３の先端よりやや後方か
ら室８に至る部分の周面に、ぬすみ１１を設けておくこ
とが好ましい。

これによればエゼクタ−ビン３の前進初期に該ぬすみ１
１からも室８内のエアが外部に排出されるので、エゼク
タ−ビン３の前進動の軽快確実性が向上される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例を示す縦断面図である。 第２図は第１図■■−■■線拡大断面図である。１は雄
金型、′２はスプル、３はエゼクタ−ビン、４はピスト
ン部、５はピストン室、６は圧縮エア流入孔、７は大気
孔、７ａは大気孔のポート、１０はエゼクタ−ビン復帰
用スプリング、１２はエゼクタ−ビンの摺動孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スプルを有するカップ型射出成形蓋用雄金型を射出成形
   機の射出筒側に配置し、該雄金型の型面前面から後方へ
   適当長さに亘って摺動孔を穿設して、これにエゼクタ−
   ビンを嵌挿し、該エゼクタ−ビンの後端にエア駆動型で
   スプリング賦勢元位置復帰型のピストン部を、上記雄金
   型に該ピストン部のためのピストン室をそれぞれ形成し
   、エゼクタ−ビンの後退位置に対応する位置に上記ピス
   トン部があるとき、該ピストン部の前端寄り部位の側面
   に臨んで該ピストン部側面で閉鎖され、エア駆動による
   該ピストン部のエゼクタ−ビン突出位置対応位置への変
   位で開放されるポートを有する大気孔と、上記ピストン
   室のエゼクタ−ピン先端側寄り端部の側面に開通するポ
   ートを有する大気孔と、上記ピストン部をエゼクタ−ビ
   ン突出方向側へ駆動させる圧縮エアの流入孔とを上記ピ
   ストン室に設けたカップ型射出成形蓋用離型装置。