JPS58980B2 - ネジ抜き機構を有するアンダ−カツト用モ−ルド金型 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ネジ抜き機構を有するアンダーカット用モー
ルド金型、詳細にはアンダーカット面に同時にネジ部を
有する製品を射出成形する場合のモールド金型に関する
。

例えば、モールド製品を射出成型金型によって一体成形
するとき、製品の一部にアンダーカット面が存在する場
合は、金型の一部をスライドコア一式にして製品の突き
出しが可能はなるようにすることが一般的に行なわれて
いる。

また、モールド製品を射出成型金型によって一体成形す
るとき、製品の一部にツジ部が存在する場合は、回転機
構によって機械的にネジ抜きを行うことが一般的である
。

そして、モールド製品を射出成型金型によって一体成形
するとき、製品の一部にアンダーカット面とネジ部とが
同時に存在する場合は、スライドコアーに着脱自在のネ
ジコアーを備え、ネジコアーを製品に付着螺合させた状
態でスライドコアーが後退し、製品を突き出した後で作
業者が手作業によってネジコアーを抜き取るという方法
が従来から行なわれていた。

アンダーカット面とネジ部とが同一面に同時に存在する
製品を射出成形する場合、スライドコア一式に回転ネジ
抜き機構を組合せた金型は存在しなかった。

以下、手作業によってネジコアーを抜き取る従来例につ
いて説明をする。

第１図は、モールドで一体成形されるカメラのボディー
を示す斜視図であり、アンダーカット面１にネジ部２を
有する。

第２図は、第１図に示すようなモールド製品を矢印Ａ方
向に突き出して金型から排出する場合の、金型の概略を
示す断面図である。

図において、３は可動側型板、４は固定側型板である。

５はスライドコアーで、アンダーカット面のコア一部５
ａが形成され、該可動側型板３上に摺動可能に保持され
ている。

６はネジコアーで、ネジ６ａが形成され、該スライドコ
アー５に着脱自在に保持されている。

７はモールド製品、８はアンギュラ−ピン、９は突き出
しピンである。

そして、第２図の樹脂の射出が終了した状態からモール
ド製品７を取り出すには、第３図に示す通り、先ず型板
３，４の開き動作に連動してスライドコアー５はアンギ
ュラ−ピン８によって摺動後退し、アンダーカット面用
コア一部５ａが抜き取られる。

この時、ネジコア６はモールド製品７に付着螺合したま
まである。

その後、更に型板３４が開くと、突き出しピン９がモー
ルド製品７を突き出して金型から排出される。

金型から排出されたモールド製品にはネジコアー６が付
着しているので、作業者が手作業によってネジコア６を
回転させて抜き取る。

一方、スライドコア５には、次の射出成型に備えて、同
様に作業者によってネジコア６が嵌合される。

以下、型板の閉じ動作は周知であるので、説明は省略す
る。

しかるに、上述従来例の方法であると、射出成形工程中
に作業者の手作業工程が含まれることになり、一回の成
形サイクルに要する時間が長くなるという欠点があり、
必然的に１個当りのコストがアップするということに繋
っていた。

本発明は上述の欠点に鑑み、アンダーカット面にネジ部
を崩する製品であっても、全自動的に成形できる金型を
提供することを目的とする。

本発明の特徴は、スライドコアーと、ネジコア一部を有
する回転軸とを組合せ、回転軸はスライドコアーに案内
されて回転しながら前進後退が可能であるとともに、ス
ライドコアーの摺動によって一体的に摺動することも可
能である構成としたことにある。

また他の発明の特徴は、回転軸はスライドコアーに案内
されて回転しながら前進後退が可能であるが、スライド
コアーの摺動には影響されない構成としたことにある。

以下図示した一実施例に基づいて本発明を説明する。

第４図は可動側の簡略的断面図であり、樹脂の注入が終
了直前の状態を示す。

図において、Ｍはモールド製品で、アンダーカット面と
ネジ部Ｍａが成形されている。

１０は可動側型板で、その形状は省略されている。

２０はスライドコアーで、アンダーカット面用コア一部
２０ａが形成され、軸受２１、スラスト玉軸受２２、ネ
ジブツシュ２３、皿はね２４、グリースタップ２５、ボ
ールブツシュ２６、押えネジ２７により構成され、該可
動側型板１０上に摺動可能に保持されている。

尚、該ネジブツシュ２３は、該モールド製品Ｍのネジ部
Ｍａのリードと同一のリードを有するネ１ジ２３ａが形
成され、キーによって回転は阻止されているがスライド
コアー２０の摺動方向に移動可能である。

しかし通常は皿はね２４によって抑圧抑止されている。

３０はネジコアーで、該モールド製品Ｍのネジ声部Ｍａ
に相当するネジ部３０ａが形成され、後述の回転軸３１
に一体的に保持されている。

本実施例の場合は、交換可能とするためにノックピン等
によって固定保持されている。

３１は回転軸で、該ネジブツシュ２３のネジ部２３ａに
螺合するネジ部３１ａ１スラスト方向のキー溝３１ｂが
形成され、ボールブツシュ２６゜４６によって回転及び
摺動可能に保持されている。

４０はギヤーボックスで、歯車列４１，４２゜４３．４
４、モータ４５、ボールブツシュ４６、スラスト玉軸受
４７，４８、ナツト４９、座金５０より構成され、該可
動側型板１０と一体的である。

尚、該歯車４４は前記回転軸３１のキー溝３１ｂとキー
４４ａによって連結されている。

５１はスライドブロックで、当り面５１ａを形成し、ガ
イド５２に案内されて紙面垂直方向に摺動可能である。

続いて上述構成の動作について説明をする。

第４図は樹脂の注入が終了する直前の状態を示すもので
、スライドコアー２０は固定側型板の斜面（二点鎖線で
示す）によって押圧され、回転軸３１は端部でスライド
ブロック５１の当り面５１ａによって押圧されている。

従って、樹脂の注入圧に対抗することができ、正確なキ
ャビティが形成維持できる。

その後、注入が終了すると、その終了信号によってモー
タ４５が作動し、歯車列４１，４２゜４３．４４、キー
４４ａ１キー溝３１ｂを介して回転軸３１が回転をする
。

従って、第５図に示す通り、ネジコアー３０と回転軸３
１はネジブツシュ２３によって回転しながら後退し、ネ
ジコアー３０のネジ部３０ａはモールド製品Ｍから抜き
取られる。

このとき、スライドブロック５１は図示しないプランジ
ャー等の動作に連動して、モータ４５が作動する前に紙
面垂直下方に摺動退避させられている。

ネジ抜きが終了すると金型が開き始め、これに連動して
第６図に示す通り、スライドコアー２０は後退してアン
ダーカット面用コア一部２０ａが抜き取られる。

そしてこのスライドコアー２０の摺動に連動して、回転
軸３１はキー溝３１ｂとキー４４ａ１ボールブツシユ４
６に案内されてスラスト方向に摺動する。

スライドコアー２０の後退摺動はネジ２３ａ、３１ａの
螺合係合によって回転軸３１に連動される。

その後、更に金型が開くことにより、突き出しピンがモ
ールド製品Ｍを突き出して排出し、一回の成形サイクル
は終了する。

尚、上述の成形サイクル中に、例えばネジコア−３０端
面に作用する樹脂圧や熱によって回転軸３１がスラスト
方向に移動させられたり、膨張したりして、ネジブツシ
ュ２３と回転軸３１のネジ部がかじったり、破損したり
する事態が生じそうになると、ネジブツシュ２３が皿ば
ね２４の圧力に抗して摺動し、これらの事態の発生を防
止することができる。

以上は一般的にネジ抜き後にアンダーカット面が抜き取
られる場合の構成であるが、次にネジ抜きとアンダーカ
ット面の抜き取りが同時に行なわれるようにした他の発
明について説明する。

第７図は他の発明の一実施例の簡略的断面図で、１００
は可動側型板である。

１２０はスライドコアーで、アンダーカット面用コア一
部１２０ａが形成されている。

１３１は回転軸で、ネジコア一部１３１ａ、該ネジコア
一部１３１ａと同一のり一ドのネジ１３１ｂ、キー溝（
図示せず）が形成されている。

１２３はネジブツシュで、ネジ１３１ｂと螺合するネジ
１２３ａが形成されている。

１２４は皿ばね、１２２はスラスト玉軸受、１２６はボ
ールブツシュ、１２７はナツトであり、ギヤーボックス
１４０の一側に配置されている。

尚、ギヤーボックス１４０の構成は省略されているが、
第４図と同一構成である。

上述構成の動作はほぼ第４図の構成の動作と同じである
が、スライドコアー１２０と回転軸１３１とはネジ結合
されていないので、各々独立して動作させることができ
る。

従って、注入終了の信号と同時に金型を開いてスライド
コアー１２０を後退摺動させ、同時にモータを回転させ
てネジ抜きを行うことができる。

本発明は以上の如く、スライドコア一式とネジ抜き機構
を組合せた構成であるから、スライドコアー面とネジ部
とが同時に存在するモールド製品であっても、全自動的
に成形することができる。

従って、一回の成形サイクルを短縮することが可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はアンダーカット面にネジ部を有するモールド製
品の斜視図、第２図は従来例の金型の概略を示した断面
図、第３図は第２図の作動説明図、第４図は本発明に係
る金型の簡略的断面図、第５図、第６図は第４図の作動
説明図、第７図は他の発明に係る金型の一部省略した簡
略的断面図である。 Ｍ、Ｍ’…モールド製品、１０，１００…可動側型板、
２０．１２０…スライドコアー、２０ａ。 １２０ａ…アンダ一カツト面用コア一部、２３゜１２３
…ネジブツシユ、３０…ネジコアー、３１゜１３１…回
転軸、１３１ａ…ネジコア一部、４０゜１４０…ギヤー
ボツクス、４５…モータ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 固定側型板と、 可動側型板と、 該両型板の開閉動作に連動して該開閉動作と直交する方
   向に往復摺動可能であって、且つアンダーカット面用コ
   ア一部及び該摺動方向と平行な貫通孔が形成されており
   、該貫通孔にはモールド製品のネジ部と同一のリードの
   ネジ部が形成されているスラスト方向移動自在のネジブ
   ツシュが設けられているスライドコアーと、 該スライドコアーを有する側の該型板に保持されていて
   歯車列を有する回転駆動源と、 先端のネジコア一部及び該スライドコアーの該ネジブツ
   シュと螺合するネジ部を形成していて、該スライドコア
   ーの該貫通孔を貫通しており、且つ該歯車列を構成する
   歯車の回転に連動可能及びスラスト方向に移動可能に保
   持されている回転軸と、からなり、 該歯車列に連動して該回転軸が回転することによって、
   先ず該ネジコア一部が回転しながら後退して抜き取られ
   、その後読スライドコアーの後退摺動によってアンダー
   カット用コア一部が抜き取られることを特徴とするネジ
   抜き機構を有するアンダーカット用モールド金型。 ２ 固定側型板と、 可動側型板と、 該両型板の開閉動作に連動して該開閉動作と直交する方
   向に往復摺動可能であって、且つアンダーカット面用コ
   ア一部及び該摺動方向と平行な貫通孔が形成されている
   スライドコアーと、該スライドコアーを有する側の該型
   板に保持されていて該スライドコアーの該貫通孔と同窓
   の貫通孔が形成されており、該貫通孔にはモールド製品
   のネジ部と同一のリードのネジ部が形成されているスラ
   スト方向移動自在のネジブツシュが設けられている部材
   と、 該スライドコアーを有する側の該型板に保持されていて
   歯車列を有する回転駆動源と、 先端のネジコア一部及び該部材のネジブツシュと螺合す
   るネジ部を形成していて、該スライドコアー及び該部材
   の両方の該貫通孔を貫通しており、且つ該歯車列を構成
   する歯車の回転に連動可能及びスラスト方向に移動可能
   に保持されている回転軸と、から成り、 該スライドコアーの摺動後退によるアンダーカット面用
   コア一部の抜き取りと、該回転軸の回転後退による該ネ
   ジコア一部の抜き取りとが同時に作動可能なことを特徴
   とするネジ抜き機構を有するアンダーカット用モールド
   金型。