JPS589806B2

JPS589806B2 - 粉末冶金用焼結炉

Info

Publication number: JPS589806B2
Application number: JP52036825A
Authority: JP
Inventors: 丸山正男; 宮脇靖志; 土井良彦; 平山壽一
Original assignee: Sumitomo Electric Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date: 1977-03-30
Filing date: 1977-03-30
Publication date: 1983-02-23
Also published as: DE2813758A1; DE2813758C2; JPS53120611A; US4401297A

Description

【発明の詳細な説明】この発明は、主として炭化タングステン等を主成分とし
た超硬合金、チタニウムカーバイド等を主晟亦としたサ
ーメット、酸化アルミニウム等を主成分としたセラミッ
クなどの粉末冶金法による焼結硬質合金の製造に用いる
焼結炉に関する。

このような合金を製造する場合、一般に、目標とする成
分比率に充分混合粉砕された微粉末を、プレス造形した
後、このプレス体をそのまゝ焼結（本焼結）する方法と
、プレス体を予備焼結しさらにこれを成形加工した後、
本焼結を行なう方法が採られている。

ところで、前記微粉末には、通常、潤滑剤を添加し、プ
レス造形時に発生する粉末間及び粉末と金型間の摩擦を
減少して、寸法精度の向上をはかり、さらには滑り欠陥
が生じないようにしている。

この潤滑剤には、パラフィン、ワックス、カンファ等が
用いられているが、これら潤滑剤は一般に有機物質であ
るため、その含有炭素等が、製品の合金に影響を与えな
い様、予備焼結炉や焼結炉に潤滑剤を除去する機構を設
けておく必要がある。

さらに、このような潤滑剤は、出来るだけ低温度でプレ
ス体から除かれ、かつ除去された潤滑剤が、熱処理室、
炉壁、排気系各部等に残留、析出、蓄積されない様な炉
構造が必要である。

ところが、従来の焼結炉では、潤滑剤を除去する手段に
適当な構造のものがなく、熱処理室の断熱材、炉内壁、
排気系パイプやバルブ等に析出、蓄積し、それらの蓄積
物を除去、掃除するためにコストと時間がかゝり、炉の
稼働率も低下させていた。

さらに、焼結硬質合金の焼結温度は、通常１２００゜Ｃ
以上の高温でないと、高密度で品位の高いものが得られ
ず、また目的とする品質を得ようとすれば、予備焼結や
焼結及び冷却する際の雰囲気が重要となる。

ところが、潤滑剤の除去処理を行なった後、引き続き昇
温しで焼結した場合、前記のように炉壁等に付着してい
る潤滑剤が、炉内雰囲気を悪化せしめ、安定した高品位
の製品を得ることが困難であった。

また、同一炉内で予備焼結、焼結、冷却の処理をガス雰
囲気、真空等の異なった雰囲気中で連続して行なう場合
、それぞれ異なった処理位置に高温下で被処理物を移動
させて処理するのが普通であるが、被処理物を載せるテ
ーブルの移動を、例えばローラの回転によって行なった
り、或はフォークリフトによって行なう場合、精度よく
移動させるのが困難で、リフトの腕や、ローラが熱応力
によって歪んだり、疲労、破損したりする欠点があった
。

この発明は、以上述べたような問題点を全て解消した焼
結炉を提供するものである。

以下、この発明の実施例を、添付図面にもとづいて説明
する。

図において、１０は焼結炉本体であり、この内部には、
断熱材で囲まれた加熱室が設けられており、この加熱室
内には、グラファイト質の加熱要素２１が取り付けられ
ている。

また、前記加熱室２０の一側面は、扉２２になっており
、炉本体の外部から開閉できるようにしてある。

前記加熱室２０の下面は開放されており、この下面に移
動テーブル３０が挿入されるようになっている。

前記移動テーブル３０の下面には、グラファイト質又は
カーボン質のスライド３１が固着されており、同じくグ
ラファイト質又はカーボン質のレール３２上に載置され
、このレールに沿って移動できるようにしてある。

さらに、前記テーブル３０の走行路に沿って、無端チェ
ン３３がスプロケット３４，３４’に掛け渡され、この
チェン３３の一個所を前記テーブル３０に固着して、炉
本体１０の外部に配置したモーク３５で前記スプロケッ
トの一方を駆動することにより、テーブル３０の移動が
行なわれる。

次に、前記の炉本体１０には、真空ポンプ４０に接続さ
れる排気孔４１と、不活性ガスの導入孔４２が設けられ
ており、さらに、加熱室２０の下方には、タンク４４に
接続される潤滑剤排出孔４３が設けられている。

また、冷却用の送風ダクト４５及び排気ダクト４６がそ
れぞれ炉本体に接続されており、これらのダクトの途中
には、熱交換器４７及び送風機４８が設けられている。

なお、炉本体の外周を、ジャケット１１で被覆して、こ
の間に、冷水又は温水を循環させるようにしておくこと
ができる。

この発明の焼結炉は、以上の構成であり、次にその作用
を説明する。

まず、グラファイト質等のケースＡに被処理物を挿入し
、これを加熱室２０の外側で、テーブル３０−に載せ、
加熱室２０の扉２２を開いて、テーブル３０を第１図実
線位置から鎖線位置に移動させ、ケースＡを加熱室２０
内に搬入する。

次に、扉２２を閉じ、真空ポンプ４０によって排気し、
炉本体１０内を真空に保ち、加熱エレメント２１によっ
て徐々に加熱し、温度を約２００℃以上に上昇させると
、被処理物内に含まれた潤滑剤、例えばパラフィンが液
状になって除去され、テーブル３０から滴下して、排出
孔４３からタンク４４に回収される。

潤滑剤の除去が完了した後、ひき続き加熱して、被処理
物を焼結する。

焼結した被処理物を冷却するには、まず加熱室２０の扉
２２を開き、テーブル３０を第１図実線位置まで移動さ
せ、ガス導入孔４２からガスを炉本体１０内に導入し、
ダクト４５のバルブを開いて、送風機を動かして、ガス
を循環させると、熱交換器４７によって冷却される。

なお、炉壁等に潤滑剤が付着して除去が困難な場合には
、ジャケット１１内に、潤滑剤の融点より高い温度の温
液を循環させればよい。

また、焼結後、任意の温度から急冷したい場合にはジャ
ケット１１内に冷液を循環させてもよい。

この発明の焼結炉は、以上の通りであるが、これを潤滑
剤の除去処理だけに用いてよいことは勿論、潤滑剤を既
に除去した被処理物の焼結だけに用いることもできる。

以下、この発明の焼結炉の利点を列挙する。

（１）潤滑剤の除去、予備焼結、焼結、冷却を同一炉内
で連続して行なうことができるので処理効率が高い。

（２）潤滑剤の除去かほゞ完全に行なわれ、かつその回
収率も高いので炉内雰囲気に影響を及ぼすことが少く、
従って高品質の製品が得られる。

（３）潤滑剤の回収率が高く、さらに熱交換器等も炉外
に配置したので、炉壁やその他の機構に潤滑剤が付着す
ることが少なく、メンテナンスの手間を省くことができ
る。

（４）耐熱性に富み、低熱膨張係数で、且つ、低温及び
高温で滑り性に富むグラファイト質又はカーボン質から
成るスライド部材で被処理物を載せたテーブルを移動さ
せるようにしたので、速度管理、位置決め等の精度が高
くなり、移動機構の耐久性も増す。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の焼結炉の縦断面図、第２図は同上の
横断面図である。１０・・・炉本体、１１・・・ジャケット、２０・・・
加熱室、３０・・・テーブル、３１・・・スライド、３
２・・・レーノレ。

Claims

【特許請求の範囲】１炉本体と、この炉本体内に設けられた加熱室と、こ
の加熱室への被処理物の搬入・搬出を行なう搬送手段と
、炉本体外に取り付けられた熱交換器をもつ炉内冷却手
段より成る焼結炉において、前記搬送手段は、被処理物
を載せるテーブルに固着された高融点、低熱膨張係数で
且つ低温及び高温において滑り性に富む材質のスライド
と、炉本体に設けられた同様の材質のレールより成り、
前記スライドとレールの滑動によってテーブルの移動が
行なわれるようにしたことを特徴とする粉末冶金用焼結
炉。２前記スライドとレールは、グラファイト質又はカー
ボン質の素材によって形成されていることを特徴とする
特許請求の範囲第１項に記載の粉末冶金用焼結炉。３前記炉本体は被処理物に含まれた潤滑剤の排出孔及
び（若しくは）不活性ガス導入孔を有することを特徴と
する特許請求の範囲第１項又は第２項に記載の粉末冶金
用焼結炉。４前記炉本体はその周囲に流体の循環通路を有するこ
とを特徴とする特許請求の範囲第１項乃至第３項のいず
れかに記載の粉末冶金用焼結炉。５上記循環路は冷水及び温水を循環可能にしてあやこ
とを特徴とする特許請求の範囲第４項記載の粉末冶金用
焼結炉。