JPS5857981B2 - 塗装ブ−ス - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、上部にエアチャンバー２を設け、このエアチ
ャンバー２と塗装室３とを全面的に通気性を有する天井
板４にて区画し、該天井板４に単位面積当り略均等な通
気抵抗を有する通気抵抗体１２を前記天井板４の全面に
渡って付設することににより、塗装室内全体にわたって
略均等な風速の空気流れを生じさせ、塗装室内全体を換
気すべく構成しである塗装ブースに関する。

この種塗装ブースでは、塗装室内における塗料の飛遊に
よる被塗装物の色やふりや、塗装室側壁の汚れなどを・
なくすために風速を高めるのが良いが、この様にすれば
大きな送風能力を要求されるために空調器、送風機など
の給気装置が過大となり、設備費、動力費がかさむ欠点
があった。

この様なことに鑑み、特開昭５２年１０８６４８号公報
に示されるように、天井板下部に上部を大口形とし下部
を小口形とした細長い吹出しノズルを設けて、所要箇所
における風速を増大して塗装室内の被塗装物近くを通る
高速風部分を作り、一種のエアカーテン効果により塗料
の室内での飛遊を少なくして、全体としての風速を低く
することが考えられている。

しかし、この様な技術では、吹出ノズル周辺近くにおい
て空気流れに乱れが生じやすく、これによって吹出ノズ
ルの下、側面に飛遊塗料が付着しやすく、これを汚す欠
点が有る。

本発明は、この様な欠点を有する吹出しノズルを使用せ
ずに、天井板からの吹出し空気流に局部的な高風速部分
を作り、もって、天井板の汚れや風速比率の変動を生ず
ることなく、塗装室内の全体の換気を良好に行ない得る
ようにした塗装ブースを提供することを目的とする。

又、上記のような従来の技術では、天井板、又は天井板
上部が、通気抵抗を有せしめるために細かい通気孔を有
する部材を以って、構成されているが、このような部材
が実質的なノイルター機能を有するのが一般的である。

この様な場合時間の経過にともない、目詰りを生じ通気
抵抗を増大して行くのであるが、上記の様な吹出しノズ
ルを設けた箇所ではノズルによる抵抗によって通気性が
悪く目詰りの進行は他の箇所より遅れることとＣなる。

その結果、吹出しノズルからの風速と他の部分での風速
との比率がこの時間経過とともに変動し、適正な比率を
良好に確保することは困難である。

この結果ノズルからの風速が過大となり過ぎ、室内全体
の換気が行ないにくくなってしまう欠点が有った。

本発明は頭記した塗装ブースにおいて、前記通気抵抗体
の所要箇所に、上方に向かって突出させた凹部を設け、
もって、この凹部の下方開口部を高速吹出口にしである
ことを特徴とするが故に、凹部の内周面は凹部の下方開
口部の吹出口面積に比し大きな面積となるので、この凹
部開口部には他の箇所より多量の空気が通過しようとす
る結果、該部分での流速は他の箇所よりも大きくなり、
吹出ノズルなしに局部的な高速流部分を形成しえるよう
になった。

従って、上記の様な吹出ノズルを設けるものに比べ、天
井面からの空気流れに乱れを生じさせる虞れなく、又、
天井面を汚す虞れもなく所要箇所に確実に高速流部分を
作り得るに至り、全体の平均流速を低下させながらも、
飛遊塗料による色かぶりなどの塗装作業への悪影響をな
くし得るに至った。

さらに、凹部内面の空気通過量と他の箇所の空気通過量
とは略同−なので、仮にフィルターとしての機能を有し
ていても、目詰りの進行は単位面積当り同様となり、通
気抵抗の相対的な変動が生じることはなく、凹部かもの
風速と他の箇所での風速比率に変動を生じることはない
。

次に本発明の詳細な説明する。

第１実施例（第１図、第２図参照） 本実施例は、自動車のボディ１を塗装するための塗装ブ
ースを例にして説明する。

第１図はこの塗装ブースの横断面を示す概略図で、２は
塗装ブースの上部に設けた送風チャンバーで、塗装室３
の天井板４である前記チャンバー２０下壁を網体にて構
成しである。

前記チャンバー２には外気を空調器５と送風ファン６を
介して所定温度にして送風すべく構成しである。

前記塗装室３の底部には水洗式洗浄装置７が設けてあり
、この洗浄装置７内を通過した室内空気を排気装置８に
より室外に排出すべく構成しである。

そして、この塗装室３０床板９の横力商略中央部には、
コンベア１０が設けてあって、このコンベア１０に被塗
装物である自動車ボディ１を載置して、塗装室３内を移
送すべく構成しである。

前記床板９は格子状であって下部の洗浄装置８に向って
空気が通過するようにしである。

前記塗装室３の内部の必要個所には図示しないが塗装用
の諸装置が付設しである。

前記天井板４の前記被塗装物１の左右両横側部の上方に
対応する部分には、前記コンベア１０の移送方向に’６
５条状の高速吹出口１１ 、１１’が設けである。

前記天井板４の構成は第２図に拡大して示す通り、次の
構造となっている。

前記網体である天井板４の上側には略均−な厚さと適当
な（一般には１０７ｎ′ＩＬ／Ｈ２０ぐらいであるが必
要に応じて適当な大きさとすれば良い９通気抵抗を有し
、全体として単位面積当りの通気抵抗を略一定としたフ
ェルト状のフィルター１２を設け、前記吹出口１１ 、
１１’相当部分においては、このフィルター１２を上方
に向かって半円状に湾曲突出しである。

１３は前記フィルター１２の凹部１４の内面を支える金
網である。

そして、前記高速吹出口１１ 、１１’には空気流を下
方に向けて案内する整流板１５が複数並置しである。

この様にフィルター１２を適当な通気抵抗のあるものと
し、この吹出口１１ 、１１’上方周辺のフィルター１
２０表面をこの吹出口１１ 、１１’の面積に比べ大き
くしたことによって、吹出口ＩＬ１１’の部分の単位面
積当りの通過空気量を、天井板４の他の部分よりも大き
くし、吹出口１１ 、１１’部分からは、他の部分より
も速い風速の空気流を下方に向けは吹出させるようにし
である。

なお、第２図にて下方に向かう矢印は風速ベクトルを示
す。

第２実施例（第３図参照） 第３図に示す通り、凹部１４の口部の左右両側の規制板
１６ 、１６’を設け、口部である高速吹出口１１．１
１’の断面積を小さくすべく構成しである。

その他は第１実施例の構造と同様とする。

第３実施例（第４図参照） 第４図に示す通り、塗装室３はコンベア１０の移送方向
に長く形成されており、この移送方向において複数の塗
装装置が配置されて、塗装位置を長手方向に複数並置し
である。

この様な構造において、塗装位置間の天井板４に、この
天井板４を横断する条件の第２高速吹出口１７が設けで
ある。

この様にして、自動車ボディ１の前後にあるボンネンＨ
ａやトランクリッド１ｂを開いて塗装するに当り、この
ボンネット１ａやトランクリッド１ｂの上面に清って移
送方向に向かって飛散する塗料をこの第２高速吹出口１
７からの高速空気流で隣なる塗装位置に位置する自動車
のボディに至らないようにし、色かふりなどが生じない
ようにする。

その他は、前記第１実施例又は第２実施例と同様とする
。

なお、本実施例においては、第１実施例にて説明したコ
ンベア移送方向に’＆５条状の高速吹出口１７を設げな
いものでも良い。

又、同一の隣なる塗装位置間において、前記第２高速吹
出口１７を二条又はこれ以上の複数条並置するのも良い
。

以上の諸実施例において、以下の１つ又は複数の組合せ
による構造の変更も可能である。

■ 前記高速吹出口１１ 、１１’、 １７における天
井板４を除去したもの。

■ 前記整流板１５のないもの。

■ 天井板４並びに金網１３とをパンチングメタルとす
ること。

■ フィルター１２はフェルト状に限らず、略一様で、
適当な抵抗を有するものであれば、スポンジ状不織布状
又は織布状のものでも良い。

■ フィルター１２は天井板４の全体にわたって一連の
ものでも、又、方形、六角形又は、四角形、三角形など
形状のものを複数枚しき詰めるものでも良い。

■ 又、天井板４は天井バリ間にかげわたされるパネル
状のものでも良い。

■ 凹部１４の断面形状は必ずしも半円状に限らず、部
分円状、三角形、台形、四角形、多角形あるいは部分楕
円形などの種々の形状とすること。

■ 前記整流板１５を有するものでは、この整流板１５
によって、直下方に限らず多少傾斜した方向に風を向け
ること。

■ 前記チャンバー２内には前記フィルター１２の外に
、空気吹込口に主フィルターを設けること。

［相］ 前記フィルター１２とは別にチャンバー２内に
設けたフィルターよりも目が大きく、実質的に天井板４
に付設したフィルター１２においては除塵作用を発揮し
ないものでも良く、全体の機能としてはフィルターとし
ての役目を有しないものであっても適当な通気抵抗を有
するものであれば良い。

この様な意味を含め特許請求の範囲第１項においては通
気抵抗体との名称を使用した。

０ 本発明の塗装ブースは自動車ボディー用に限らず、
従来周知の被塗装物を塗装するブースであれば良い。

＠ 前記高速吹出口１１，１１’、１７は、直線条状め
場合には塗装ブースの壁面に任意の角度で設けたもので
も良く、又前記の様な直線条状に限らず、所定の塗装位
置における被塗装物の四辺上方に対向する位置に円環状
や楕円環状又は四角枠状の条状に形成しておくのも良い
。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る塗装ブースの実施の態様を例示し、
第１図は第１実施例を示す縦断正面図、第２図は第１実
施例の要部を示す拡大正面図、第３図は第２実施例の要
部を示す正面図、第４図は第３実施例を示す縦断側面図
である。 ２・・・・・・エアチャンバー、３・・・・・・塗装室
、４・・・・・・天井板、１２・・・・・・通気抵抗体
、１４・・・・・・凹部、１１．１１’、１７・・・・
・・高速吹出口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上部にエアチャンバー２を設け、このエアチャンバ
   ー２と塗装室３とを、全面的に通気性を有する天井板４
   にて区画し、該天井板４に単位面積当り略均等な通気抵
   抗を有する通気抵抗体１２を前記天井板４の全面に渡っ
   て付設するとともに、前記通気抵抗体１２０所要箇所に
   、上方に向かって突出させた凹部１４を設け、もって、
   この凹部１４の下方開口部を高速吹出口ＩＬ１１’、１
   ７にしである塗装ブース。 ２ 前記抵抗体１２はフェルト状のフィルターである特
   許請求の範囲第１項に記載の塗装ブース。 ３ 前記天井板４は網状体で構成しである特許請求の範
   囲第１項又は第２項に記載の塗装ブース。 ４ 前記凹部１４は長細状の塗装室３の長手方向に沿５
   条状に形成し、かつ、前記塗装室３内をその長手方向に
   沿って移動すべく設けであるコンベア１０に載置された
   被塗装物１の横側上方に略対向する位置に設けである特
   許請求の範囲第１項乃至第３項のいずれか一項に記載の
   塗装ブース。 ５ 前記凹部１４は塗装室３の長手方向に対し直交する
   方向に長い条状に形成しである特許請求の範囲第１項乃
   至第４項のいずれか一項に記載の塗装ブース。