JPS5855189Y2 - 長イモ用包装体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は長イモ用包装体に関し、長イモを緩衝性良好
に収納でき、取扱い容易で輸送、保管に適した包装体を
得ようとするものである。

従来、長イモ（ヤマノイモ）に対する運搬および保管の
ための包装としては、耐水性を有する段ボール箱内へ、
オガ屑、モミガラとともに長イモを多数収納していたも
のであったが、オガ屑、モミガラ等は水分を含んでいる
場合があり、非衛生的であり、収集に労力を要するほか
、在庫管理が難しいものであった。

また、収納される長イモは水分を６０％程度含んでいて
発汗作用を行なうため、オガ屑、モミガラ内に詰め込ん
だ状態では発汗作用も充分行なえず、長イモにとって好
適な包装状態ではなくなり、色変化を起したり、或はそ
の他の品質劣化を生じ易く、シかもオガ屑、モミガラ等
に対する長イモの挿入および取出しが非常に手数のかか
るものであった。

またエアキャップシートによる包装なども試みられたが
、充分な発汗作用が行ない難かったり、段ボール箱外部
からの衝撃で長イモの折損が多く発生するなどの欠点が
あった。

そこで、この考案においては上記従来の欠点および不便
を解消する長イモ用包装体を提供するものであり、その
構成としては、全体が発泡樹脂シートにて板状に形成さ
λｔでなり、上面側へ起立状態が断面略台形をなす複数
の中空状突条部を適宜間隔をあけて並設し、該突条部間
に長イモを挟装状態で収納可能に構成してなることを特
徴としている。

次いで、この考案の実施態様について図を参照しながら
以下に例示する。

１が長イモ用包装体の全体であり、発泡ポリスチレンシ
ート等の発泡樹脂シートにて板状に形成されている。

そしてこの長イモ用包装体１の上面側へ突出するように
複数の中空状突条部２が並列に膨出形成されている。

この突条部２の形状としては、図示したごとく起立状態
が断面略台形をなすものが、成形が容易で強度も大きく
、また長イモＡを収納する場合の保持状態も良好となり
好適なものである。

なお、第４図に示す変更例は突条部２の側壁２０を曲線
的に凹ませたもので、長イモＡの収納および保持がより
良好になる。

このような形状を有し、隣接する２本の突条部２の間に
長イモＡを押し込むことにより、突条部２の側壁２０が
長イモＡの形状に従って変形し、長イモＡを安定して収
納できるものであり特に突条部２の側壁２０のうち両端
附近については比較的剛性が強く変形は少ないが、中央
部分についてはかなり大きな変形も可能であり、曲がっ
た長イモＡの場合にも充分対応できることになる。

この際長イモは全部が突条部２と接して挟装される必要
はなく、部分的に挟装されていれば比較的揺動なく収納
できる。

上記長イモ用包装体１の素材となる発泡樹脂シートとし
ては、発泡ポリスチレンシートが緩衝性および１己支持
性等に優れ、成形が容易でコスト的にも安価となる等、
好適なものである。

その化ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル
等の樹脂からなる発泡シートも用いられる。

次にこの考案の長イモ用包装体１を実際に長イモＡの輸
送に使用するには、長イモ用包装体１の各突条部２間に
長イモＡを収納した後、バッキングケースとなる段ボー
ル箱Ｂに重ねて収納し梱包するものであり、段ボール箱
Ｂとしては従来のオガクズ等を詰めて使用していたもの
と同一でよい。

この場合、段ボール箱Ｂの内寸が例えば７６５ ｘ ２
５４ ｘ１５０ｍｍの場合、１枚の長イモ用包装体１に
１５〜７Ｑｍｍφ位の範囲内にある３本の長イモＡを収
納できるよう突条部２を４本程度形威して実施する。

この長イモ用包装体１を複数段例えば３段に積み重ねて
段ボール箱に収納し梱包するものである。

（第５図参照）。なお、この時積み重ねる長イモ用包装
体１の間に緩衝シート３として柔軟な合成樹脂シート等
を敷けば、長イモ用包装体１に収納した長イモＡの上部
が、上に積み重ねられた長イモ用包装体１の底に当った
すせず、容器の緩衝性を向上させ、輸送中の振動や衝撃
から長イモＡを保護するために一層効果的となる。

また、上記緩衝シート３として柔軟な合成樹脂シート３
０と段ボール紙３１とが積層されたものを使用し、長イ
モＡに接触する下側に柔軟な合成樹脂シート３０がくる
ようにして積み重ねていれば、上記同様の柔軟な合成樹
脂シート３０による諸効果とともに、比較的剛性の大き
く強度に優れた段ボール紙３１の付加による一層の緩衝
性の向上とともに段ボール箱全体の剛性を高めるために
も有効なものである（第６図参照）。

なお柔軟な合成樹脂シー） ３０としては、発泡ボッエ
チレン、発泡ポリプロピレン等からなるシートが当触感
良好で柔軟性に富み、緩衝性にも優れたものであるが、
その他の樹脂からなる発泡シートあるいは非発泡シート
も利用でき、また段ボール紙３１としては、Ｅフルート
の片面段ボールが非較的薄くてしかも強度が大きく好適
なものとなる。

上記のごとく構成された、この考案の長イモ用包装体に
よれば、形状寸法が不規則で非常にバラツキの多い長イ
モを、起立状態が断面略台形をなす多数の中空状突条部
間に挟装状態（部分的当触で可）で収納することによっ
てできる丈長イモの揺動阻止を果すと共に長イモ収納空
間を確実に保有できることになり、緩衝性よく収納でき
、輸送および保管中の切損や品質の劣化を防止するほか
、長イモの収納や取出しについても非常に簡単で作業能
率の改善に役立つ。

また長イモ用包装体をそのまま販売時の陳列に使用して
も体裁が良好である。

従って従来のようなオガ屑等のパツキン材を用いずども
緩衝性良好に長イモを収納することができ、しかも長イ
モの収納空間を確実に保有し、長イモ周囲に空間を大き
く取れるため、長イモの発汗作用等を阻害することなく
鮮度を良好に保つことができ、また包装体自体が非常に
軽量であって持ち運びも容易であり、長イモの収納およ
び取り出しに際してもオガ屑の除去等に比べ手間がかか
らず、衛生的にも優れたものであり、この考案の長イモ
用包装体をそのまま販売時の陳列用として使用すること
もできる。

また長イモ用包装体をス１〜ツクしておく場合にはシー
ト材からなるものゆえ、突条部を順次重ね合せば比較的
場所を取らず便利である。

しかも、突条部は起立状態が断面略台形をなし、また包
装体の素材は発泡樹脂シートであるので、製造が簡単で
生産コストも安価であり、発泡シー１−特有の軽量性、
緩衝性とも相まって非常に実用的効果の高いものとなる
。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施態様を例示するものであり、第１図
は斜視図、第２図は平面図、第３図は拡大断面図、第４
図は変更例の斜視図、第５図は段ボール箱への収納状態
を示す断面図、第６図は緩衝シートの変更例を示す断面
図である。 １・・・・・・長イモ用包装体、２・・・・・・突条部
、３・・・・・・緩衝シート、Ａ・・・・・・長イモ、
Ｂ・・・・・・段ボール箱。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 全体が発泡樹脂シートにて板状に形成されてなり、上面
   側へ起立状態が断面略台形をなす複数の中空状突条部を
   適宜間隔をあけて並設し、該突条部間に長イモを挟装状
   態で収納可能に構成してなることを特徴とする長イモ用
   包装体。