JPS5850782Y2 - 長イモ用容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は長イモ用容器に関し、長イモを緩衝性良好に
収納でき、取扱い容易な輸送、保管に適した容器を得よ
うとするものである。

従来、長イモ（ヤマノイモ）に対する運搬および保管の
ための包装としては、耐水性を有する段ボール箱内ヘオ
ガ屑、モミガラとともに長イモを多数収納していたもの
であるが、オガ屑、モミガラ等は水分を含んでいる場合
があり、非衛生的であり、収集に労力を要するばか在庫
管理が難しいものであった。

また、収納される長イモは水分を６０％程度含んでいて
発汗作用を行なうため、上記袋による収納でしかもオガ
屑、モミガラ内に詰め込んだ状態では発汗作用も充分行
なえず、長イモにとって好適な包装状態ではなくなり、
色変化を起したり、或はその他の品質劣化を生じ易く、
シかもオガ屑、モミガラ管に対するイモの挿入および取
出しが非常に手数のかかるものであった。

また、エアーキャップシートによる包装なども試みられ
たが充分な発汗作用が行ない難かったり段ボール外部か
らの衝撃で長イモの折損が多く発生するなどの欠点があ
った。

そこで、この考案においては上記欠点を解消できる容器
を提供するものであり、その構成としては、全体が熱可
塑性樹脂発泡シートにて形成されてなり、上面側には複
数の長イモ収納用長溝状凹部を並設し、該凹部は開口部
よりも狭小にした内側への傾斜部分を形成し、さらに凹
部下端には長イモの収納部分よりもさらに下方へと突出
した底部を形成し、上面側長手方向の左右周辺に形成さ
れた平坦部は幅を変えて形成してなることを特徴として
いる。

次いで、この考案の実施態様について図を参照から以下
に例示する。

１は長イモ用容器の全体を示しており、熱可塑性樹脂発
泡シートにて形成されていて、上図側には複数の長イモ
収納用長溝状凹部２が平坦部３を間に介して並設されて
あり、該凹部２は開口部より狭小にした内側への傾斜部
分を形成するようシートの下方側への膨出によって形成
されている。

そして、長溝状凹部下端には長イモＡの収納部分よりも
さらに下方へ突出した底部２１が形成されているもので
、凹部２および突出した底部２１の形状としては、例え
ば第１図、第２図に示すＶ字状凹部２の中央を底部２１
として利用する実施例、第３図のように凹部２の下端部
のみにＶ字状の傾斜をつけて下方へ突出した底部２１と
する実施例、さらに第４図は平坦な底面の中央に長手方
向の溝を設けて下方への突出した底部２１を形成した実
施例である。

そのほか突出した底部としては長平方向の全体ではなく
部分的に突出させて実施する場合（図示せず）等種々の
形状にて実施できる。

３１．３２は容器上面側長手方向の左右周辺に形成され
た平坦部３であり左右幅を変えて形成しである。

容器１を形成する熱可塑性樹脂発泡シートとしては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリス
チレン等の樹脂を発泡して得た発泡シートが用いられ、
特に好ましくは緩衝効果および自己支持性、剛性の優れ
たポリスチレンシートが使用される。

そして、この考案による長イモ用容器１は長イモ収納用
長溝状凹部２に長イモＡを個別あるいは複数個収納する
もので、そのとき長イモＡの収納部分よりもさらに下方
に形成され、突出した底部２１を一種の支脚として使用
できるとともに、該底部２１と略丸い断面を持つ長イモ
Ａとの間には空間４が形成されて、緩衝効果を高めると
共に水分および長イモに付着したゴミ等が落ち易く、さ
らに通気性を高めることができる。

なお、長イモ用容器１は単独で使用する場合もあるが、
多くは複数の容器１を積み重ねて使用するのが好適であ
り、この場合には、下になる容器１の各凹部の間および
容器周辺に形成された平坦部３にて、上になる容器１の
突出した底部２１が支承でき得るように、上下の容器１
，１をずらせて積み重ねていくものであるが、容器の左
右周辺に形成された平坦部３１．３２の幅を変えて一定
形状に形成しであるので、上下の容器１，１を１８０°
回転して左右互い違いに積み重ねていけば、上下の容器
１，１の左右端が揃うと共に凹部形状とも相まって長イ
モ収納用空間を多くとることができ、段ボール箱等への
収納および販売時の陳列上好適なものとなる。

また、平坦部３の上面に、突出した底部２１の下面と嵌
合可能な溝３３を形成しておけば、積み重ね時の位置決
めがし易く、輸送時等に生じるズレを防ぐことができる
（第６図参照）。

さらに変更例として第７図に示す実施は、■字形長溝状
凹部２の深さを長手方向に沿って変えである場合で、一
端から他端へ向って漸次浅くなっていて、凹部２の開口
部が細長三角形になるものであり、先細り形状をなす長
イモＡを個別に収納するのに適した形態であり、隣り合
う凹部２の細長三角形が互に逆になるように配設しであ
るため、全ての凹部２の細長三角形が同じ向きになるも
のに比ベスペースを効率よく利用できるとともに容器１
が傾斜せずに水平に置くことが可能となり、また容器１
を積み重ねる場合、上下の容器１にあって対応する凹部
２細長三角形が互に逆になるように積み重ねれば、上に
なる容器１の下方へと突出部２１を下になる容器１の平
坦部３に載置でき、好適に実施できる。

上述のように構成されたこの考案の長イモ用容器によれ
ば凹部に開口部よりも狭小にした内側への傾斜部分を形
成しているので長イモ収納用凹部に個別あるいは複数個
の長イモを傷めることなく容易且つ安定して収納でき、
しかも凹部下端にあって長イモの収納部分よりもさらに
下方に形成し突出した底部によって容器の衝撃、振動を
緩衝でき、外力による長イモの折傷、損傷や品質劣化を
防ぐことができるほか、長イモの水分、付着ゴミ等が落
ちて収容され易くなり、突出した底部の空間は長イモ収
納下部の通気をも良好にできる長所がある。

また容器を発泡シートにて形成しであるので上記緩衝性
がより一層優れたものとなる。

従って、従来のようなオガ屑等の緩衝材は不要となり、
長イモの発汗作用を阻害することがなくなり、輸送時に
は本考案の容器のまま左右互い違いに積み重ねて段ボー
ルケース等へ収納するだけで充分な長イモ収納空間を保
有した収納が可能となり、販売時には本考案の容器のま
ま陳列しても体裁よく使用でき、また長イモを収納しな
い状態で容器を保管する場合には、多数の容器の凹部を
順次重ね合わせて置けばシート材からなるゆえ非常にコ
ンパクトにまとめておくことが可能となり、また容器の
素材として熱可塑性樹脂発泡シートを使用しているため
非常に軽量であり、しかも製造も簡単で生産コストも安
価であり、特に発泡ポリスチレンシートの場合には一層
軽量化が促進できる。

上記のように、この考案によれば長イモの品質劣化を生
じずに輸送、保管が行なえ、しかも取り扱い製造の簡便
な長イモ用容器を提供できる等、非常に実用的効果の高
いものである。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施態様を例示するものであり、第１図
は一部欠截斜視図、第２図は断面図、第３図および第４
図は変更例の断面図、第５図および第６図は変更例の積
み重ね状態を示す断面図、第７図はさらに変更例を示す
一部欠截斜視図である。 １・・・・・・長イモの容器、２・・・・・・凹部、２
１・・・・・・突出した底部、３，３１．３２・・・・
・・平坦部、Ａ・・・・・・長イモ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 全体が熱可塑性樹脂発泡シートにて形成されてなり、上
   面側には複数の長イモ収納用長溝状凹部を並設し、該凹
   部は開口部よりも狭小にした内側への傾斜部分を形成し
   さらに凹部下端には長イモの収納部分よりもさらに下方
   へと突出した底部を形成し、上面側長手方向の左右周辺
   に形成された平坦部は幅を変えて形成してなることを特
   徴とす。 る長イモ用容器。