JPS585410Y2 - ギア−ドモ−タの潤滑油シ−ル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ギアードモータの潤滑油シール装置に関す
るものである。

この種のものは、モータ軸に連結される変速ギア等のギ
ア群を収納する筐体内に潤滑油を収納しているものであ
る。

したがって、モータ軸と変速ギアとを連結するために筐
体に形成した孔をオイルシールによりシールする必要が
ある。

従来のシール構造は、筐体の孔に通したモータ軸等の入
力軸との間と、孔の周囲の座との両方をシールする構造
のものであるため、オイルシールひとっとっても構造が
複雑化し、コストアップになり、しかも、オイルシール
は高速回転する入力軸にシールされつつ嵌合しているた
め寿命が短かくなる欠点を有している。

この考案は上述のような欠点を解決しうるギアードモー
タの潤滑油シール装置をうろことを目的とするものであ
る。

この考案は、少なくともウオームホイールとそのウオー
ムホイールに回転を伝達するウオームとを潤滑油ととも
に収納する筐体に、その筐体に形成した孔を通じて前記
ウオームに連結されるモータ軸を有するモータを取付け
、前記筐体の前記孔の周囲にシール部材が接合されるシ
ール座を形成し、前記ウオーム又は前記モータ軸にその
ウオームから前記ウオームホイールへの回転伝達時にお
けるそのウオームの推力により前記シール部材を前記シ
ール座に圧接する押圧体を軸方向に固定しつつ設けたも
のである。

すなわち、ウオームからウオームホイールへの回転伝達
時にウオームに推力が作用するが、この推力により押圧
体を介してシール部材を押圧してシール座に圧接し、こ
れにより、筐体の孔からの潤滑油の洩れを確実に防止し
、また、シール部材は、スラスト方向のシールのみを行
えばよいのでウオーム又はモータ軸との間をシールする
必要がなく、これにより寿命を延長するとともに形も単
純な偏平なものでよく、これにより構造を簡略化してコ
ストダウンを図ることができるように構成したものであ
る。

この考案の一実施例を図面に基いて説明する。

１はギア収納部２とモータ収納部３とを有する筐体であ
る。

前記ギア収納部２にはウオームホイール４とこのウオー
ムホイール４に噛合するウオーム５とを含む変速ギア６
が収納されている。

そして、そのギア収納部２と前記モータ収納部３との間
を仕切る仕切壁７には前記ウオーム５を突出させる孔８
が形成されている。

そして、前記モータ収納部３にはモータ９が取付けられ
ている。

また、前記モータ収納部３の両端には、そのモータ軸１
０を軸承する軸受１１を保持するハウジング１２と、そ
のモータ軸１０に連結された前記ウオーム５を軸承する
軸受１３を保持するハウジング１４とが形成されている
。

そして、そのハウジング１４の底部となる前記孔８の周
囲には偏平なゴム材等によるシール部材１５が接合する
シール座１６が形成されている。

また、前記軸受１３は、前記ハウジング１４に軸方向に
移動自在に設けられているが、前記ウオーム５に対して
は軸方向に固定されつつ嵌合されている。

すなわち、この軸受１３は押圧体１７としての機能を兼
ね備えている。

このような構成において、モータ９を駆動すると、その
回転はモータ軸１０、ウオーム５、ウオームホイール４
の順に伝達される。

このとき、ウオーム５には軸方向への推力が作用するが
、その推力が作用する方向を矢印ハの方向に定めるよう
にウオーム５の回転方向イとウオームホイール４の回転
方向口及びそれらのギアの歯の傾斜方向を定めることに
より、ウオーム５の推力により軸受１３つまり押圧体１
７がウオーム５とともに矢印へ方向へ移動してシール部
材１５をシール座１６に圧接する。

これによりシア収納部２内の潤滑油の洩れを完全に防止
する。

このように、シール部材１５はウオーム５の推力により
シール座１６に圧接されるのでシール部材１５に厚みの
変化が生じたり摩耗したとしてもシールを確実に行い、
しかも、シール部材１５を高速回転するウオーム５に接
触させる必要がないのでシール部材１５の寿命も増大す
る。

モータ９を停止してもウオームホイール４を逆方向へ廻
さない限りウオーム５は矢印へと逆方向へ戻ることはな
く、これにより、常時シール状態に維持される。

したがって、シール部材１５はシール座１６との間のス
ラスト方向のシールのみを行えばよく、単純な偏平のも
のでよく、これにより、シール部材１５の構造形状を簡
略化してコストダウンを図ることができる。

なお、押圧体１７として軸受１３を用いたが、ウオーム
５に軸方向の動きを固定しつつ設けた座金等を押圧体と
してもよい。

また、ウオーム５とモータ軸１０とをギア収納部２内で
連結した場合には押圧体をモータ軸１０に設ければよい
。

この場合はモータ軸１０をウオーム５の推力により軸方
向へ移動自在に設ければよい。

この考案は上述のように構成したので、モータ軸とウオ
ームとを連結するために筐体に形成した孔を、ウオーム
からウオームホイールへの回転伝達時に生ずるウオーム
の推力を利用してシール部材をシール座に圧接すること
ができ、これにより、潤滑油の洩れを完全に防止するこ
とができ、また、シール部材が摩耗しても厚みが変化し
てもシール性を損うことがなくかつ回転するウオームや
モータ軸に接触させる必要がないことによりシール部材
の寿命を増大することができ、さらに、シール部材は単
純な偏平形状のものでよくコストダウンを図ることがで
きる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示す一部を切欠した側面図
である。 １・・・・・・筐体、４・・・・・・ウオームホイール
、５・・・・・・ウオーム、８・・・・・・孔、９・・
・・・・モータ、１０・・・・・・モータ軸、１５・・
・・・・シール部材、１６・・・・・・シール座、１７
・・・・・・押圧体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少なくともウオームホイールとそのウオームホイールに
   回転を伝達するウオームとを潤滑油とともに収納する筐
   体に、その筐体に形成した孔を通じて前記ウオームに連
   結されるモータ軸を有するモータを取付け、前記筐体の
   前記孔の周囲にシール部材が接合されるシール座を形成
   し、前記ウオーム又は前記モータ軸にそのウオームから
   前記ウオームホイールへの回転伝達時におけるそのウオ
   ームの推力により前記シール部材を前記シール座に圧接
   する押圧体を軸方向に固定しつつ設けたことを特徴とす
   るギアードモータの潤滑油シール装置。