JPS5852186Y2 - 取手付カ−トン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は厚紙から作られた紙箱等に付設された取手に関
し、比較的重量のあるもの（例えば洗剤カートン等）に
も使用できる取手付カートンである。

従来、消費者が持ち運びやすいように取手を設けたカー
トン（例えば洗剤カートンなど）が種々考案されてはい
るが、それらのほとんどがカートン用ブランクスに別巾
手材料を貼付加工したものであり、荷重に対する強度的
な欠点のほか材料、加工工程の増加によりコスト高とな
っていた。

本考案は上記欠点に鑑みてなされたものであり、取手を
ブランクス天壁板の板面内に切目あるいはミシン目によ
って一体に設けたことを特徴とし、例えば四角柱状の箱
体天壁部において、天壁板の板面内にほぼ中央に所望の
幅をもって２本の切目あるいはミシン目によって縁部ま
で達する取手板を一体に形成し該縁部に折目を介して側
壁に貼着する貼着片を設け、さらに側壁を形成する前壁
板、後壁板のほぼ上端に弧状の折目あるいはミシン目を
設けたブランクスから成る取手付カートンである。

次に本考案を実施例について図面を用いて詳細に説明す
る。

第１図は天壁部を含む箱体上部を形成するためのブラン
クスを示した展開平面図である。

１は右側壁板、２は前壁板、３は左側壁板、４は後壁板
、５は貼着板であり折目を介して順次連設されており、
さらに上記各板の上部には各々フラップ６、天壁板７、
フラップ８、折込板９が折目を介して設けられている。

天壁板７の両端には側壁に貼り付ける貼着片１０．１１
が折目を介して設けられ、また天壁板７内には両端の折
目まで設けた２本の弧状切込１２．１３によって取手板
１６が設けられており、該取手板１６は握りに適した幅
とし、中央がくびれかつ貼着片１０．１１と連なる両端
が広がった形状を有している。

前壁板２及び後壁板４の上縁には図の如く弧状の折目１
４．１５が各板のコーナ一部まで設けられている。

次に本考案を組立てるには、右側壁板１、前壁板２、左
側壁板３、後壁板４、貼着板５を順次折り曲げ右側壁板
１内面に貼着板５を貼り着けて筒体を形成した後、フラ
ップ６．８を折り込み、ついで折込板９で蓋をすると同
時にフラップ６．８と折込板９を貼着する。

さらに該折込板９の上に天壁板７を折込み、取手板１６
の部分を残して折込板９と貼着させ、両端に連設されて
いる貼着片１０．１１を右側壁板１、左側壁板３に各々
しっかりと貼着する。

以上のようにして組立てた本考案の使用にあたっては、
天壁部の両肩部（すなわち天壁板７の長手方向の縁部）
を押せば、前壁板２、後壁板４の上端に折目１４．１５
によって設けられた三日月形の部分が折目から内側に折
れ、天壁部が弓状にくぼみ取手板１６を第３図の如く取
り出すことができる。

天壁部が凹状にへこみ、取手板１６が凸状に湾曲するた
め、その間隔は広く運搬者は容易に手を入れる取手板１
６を握ることができるのである。

前壁板２及び後壁板４の上部に設けられた折目１４．１
５は、天壁部を弓状にへこませるためのものであり、そ
の形状は弧状のカーブに限らず緩い角型でもよく、また
その長さもコーナーまで設けなくとも、適度に短かくて
もよい。

さらに取手板１６の形状についても第４図のように中央
に折曲片を連設してもよく、この場合には重量があるカ
ートンであっても強度的に充分耐えることができ、また
握りやすいという利点がある。

また第６図の説明図からも明らかなように、従来のカー
トンに取付けられている取手Ａは握り部分に対して貼着
部分が同一平面上に固定されており、使用時には図中矢
印の如く、荷重がかかるため貼着部分が剥れ易かった。

これに対し本考案Ｂは、握り部分に対して貼着部分が垂
直に固定され、すなわち荷重がかかる方向と平行になっ
ているため貼着部分は従来のものに比べてきわめて剥れ
にくくなっている。

したがって、従来のものでは到底耐えられない荷重にも
耐えることができるものであり、そのために紙の斤量を
減らすことができコストダウンも計られる。

従来の洗剤カー）・ン等には、本考案の貼着片１０．１
１に相当するパンビューレン・イヤーと呼ばれる片がつ
いており、主として紛洩れ防止及び補強に使用されてい
るが、本考案ではそのほかにこれら取手の接着部として
利用するものであり、材料が増えることなく、かつブラ
ンクスも複雑になることがないため従来の打抜工程をそ
のまま使用することができる。

さらに他の実施例として第５図の如く、取手板に補強テ
ープ２０（紙・プラスチック・それらの複合体）を貼着
すれば、取手のねじれ等による破断防止に著しい効果を
示し、また該補強テープ２０の貼着は印刷・打抜と同じ
ラインで容易に行なうことができる。

なお、補強テープ２０は、第５図の如く貼着片１０．１
１まで施せばもつとも丈夫な補強となるが、必ずしも貼
着片まで設ける必要はなく、手で握る部分より少し長け
れば十分補強としての役割を果すことができ、また補強
テープ２０の貼着面も取手板の表面あるいは裏面のいず
れかでもよい。

本考案は以上の如き構成を有するためカートン用の取手
として別材料をとりつける必要がなく、かつ従来のカー
トンと同じ材料で、しかも一体に取手を設けることがで
き、取手が突出していないため運搬・保管に至便であり
、さらに取手部の貼着部分を側壁に固定したために貼着
部分が荷重に対して剥れにくく重量のあるカートンの取
手としても使用できるなど洗剤用カートンとしての他、
子供向けの菓子カートン等への応用も可能で極めて実用
性の高いものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであり、第１図はカー
トンの天壁部分を形成するブランクスの展開平面図、第
２図は製函後の部分斜視図、第３図は使用時の状態を示
す斜視図、第４図は取手板形状の他の例を示す平面図、
第５図は補強テープを貼着した実施例を示す説明図、第
６図は、従来の取手Ａと本考案Ｂとの比較説明図である
。 １・・・・・・右側壁板、２・・・・・・前壁板、３・
・・・・・左側壁板、４・・・・・・後壁板、５・・・
・・・貼着板、６・・・・・・フラップ、７・・・・・
・天壁板、８・・・・・・フラップ、９・・・・・・折
込板１０，１１・・・・・・貼着片、１２．１３・・・
・・・切込、１４．１５・・・・・・折目、１６・・・
・・・取手板、２０・・・・・・補強テープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天壁板、該天壁板の下に折込む折込板を有する四角柱状
   の箱体天壁部に取手を設けたカートンであって、天壁板
   の板面内にほぼ中央に所望の幅をもって２本の切目ある
   いはミシン目によって縁部に達する取手板を形成すると
   共に該縁部に折目を介して側壁に貼着する貼着片を設け
   、さらに周壁を形成する前壁板、後壁板のほぼ上端に弧
   状の折目あるいはミシン目を設けたことを特徴とする取
   手付カートン。