JPH0331700Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は横長に連設された四側板の一枚に蓋板
が連設されると共に、その側板と対向する側板
に、その側板の内面へ密着状に折り込む補強板が
連接され、他の対向する側板には、内蓋用のフラ
ツプが連設されていて、それら蓋板、補強板、フ
ラツプを折り曲げて箱状に組み立て、宅配便等に
用いるフラツプ付き運送用カートンに関する。

(ロ) 従来技術 上記運送用カートンとしては、従来例えば実開
昭50−19821号公報に開示の如く、補強板をその
補強板が連設されている側板より、幅広くして、
幅広部分を隣接する側板の内面へ折り込み、隅角
部も補強されるようにしたものが知られている。
しかし前記運送用カートンは、包装物が湯沸し器
とか片手なべ等、特殊なものに限つて使用され、
補強板をその補強板が連設されている側板より幅
広くしたため、フラツプがその分幅が狭くなり内
蓋としての役目を果たさない。

従つて補強板の幅とその補強板が連設されてい
る側板との幅を同寸法とするのが一般的である。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 前記従来の一般的なフラツプ付き運送用カート
ンは、フラツプが折り込まれた補強板と干渉して
箱内へ折り込めなくなり、内蓋としての役割を果
す。カートンは配達が完了すれば破棄される運命
にあるが、頑丈で体裁の良いカートンであれば、
あとはおもちや箱等の収納箱として再利用される
場合が多い。ところがその場合、内蓋としてのフ
ラツプがかえつて邪魔になるから、該フラツプを
切り取つたり、或はフラツプを内側へ折り込んだ
りしなければならないが、従来のものは再利用に
ついての配慮がない為、内側へ折り込む場合、前
記の如く該フラツプと補強板との干渉により、容
易に折り曲げるこができない。更に前記引例とし
て挙げたカートンにおいては、フラツプが補強板
と干渉しないものではあるが、内蓋としての機能
を持たず、又内側へ折り込めるが、フラツプの固
定ができず、これもまた上記再利用についての配
慮を持つないものであつた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 そこで本考案は、従来の一般的な運送用カート
ンの再利用を考え、配達が完了した後は、フラツ
プを容易に折り曲げ、且つ内側で固定することが
可能な運送用カートンを提供することを目的とす
るもので、その構成は、フラツプの補強板と干渉
する個所に、少なくともその補強板の厚み分、内
側へ全長にわたつてミシン目を刻設し、且つ連設
部にそのミシン目に達する切り込みを設け、フラ
ツプを箱内へ折り曲げて固定を容易にしたもので
ある。

(ホ) 作用 配達完了後、収容箱として再利用する場合に
は、フラツプを内側へ強く押し込むだけで、補強
板の上縁と重なり合う個所は、切り込みと相俟つ
てミシン目に沿つて曲げられるから、フラツプを
無理やり押し曲げるようなこともなく箱内へ折り
込まれる。又該ミシン目に沿つて曲げられて部分
は、隣設する側板の内面に密着状に固定され、収
容物の出し入れの邪魔にならず、開口部がすつき
りとした収容箱を得ることができる。

(ヘ) 実施例 第１図は、本考案に係る運送用カートンの実施
例を示す斜視図である。第１図において、運送用
カートンＡは、舌片状の蓋板１を有しており、そ
の先端には緊締用の紐１３を具備した円盤状の止
め具１１が２個取り付けられている。一方該止め
具１１に対応し、正面側板３１上方にも前記紐１
３を巻き掛ける円盤状の止め具１２，１２が取り
付けられており、前記紐１３をこれらの止め具に
巻き掛けることにより蓋板１を閉めた状態で固定
することができる。又該カートンは、正面側板３
１がその上端縁で折り返され二重構造となるた
め、正面側板３１の厚みが厚くなり補強の役目を
果たす。

尚、前記蓋板１が連設された背面側板６と、そ
の背面側板６と対向する正面側板３１及び側面側
板３２，３２は横長に連設されている。

２，２は左右の側面側板３２，３２に上縁にそ
れぞれ延設されたフラツプで、該フラツプ２，２
はその側板が他の側板、即ち前記正面側板３１の
上縁に重なり合うようになつている。そしてこれ
らのフラツプ２，２の側縁には、前記正面側板３
１の厚み分だけ内側へ入つた個所にミシン目４，
４が正面側板方向全長にわたり谷折り可能に刻設
され、更にフラツプ基部の折り目付近には、折り
目と平行にミシン目４，４に達する切り込み４
１，４１が刻設されている。

第２図及び第３図は、本考案の他の実施例を示
す。ここに示す段ボール製カートンＡは、蓋板１
の先端を内側へ折り返し、該先端部及び正面側板
３１と折り返された補強板３上方に穿設された孔
１４，１５に、別途用意された固定部材５を嵌着
することによつて蓋体１を固定する構造を有す
る。

尚、第２図及び第３図において第１図と同一の
符号は同一の構成を表わすものとし、その説明を
省略する。

上記の如く構成された輸送用カートンＡは、配
達完了後、収容箱として再利用する場合、フラツ
プ２，２を内側へ折り込むと、正面側板３１の上
縁と重なり合う個所は、切り込み４１，４１と相
俟つてミシン目４，４に沿つて曲げられるから
（第３図）、フラツプを２，２無理やり押し曲げる
ようなこともなくその折曲げ収納が容易となる。
更にミシン目４，４に沿つて折曲げられた部分が
正面側板３１へ押しつけられるように接触するか
ら、フラツプ２，２は内側へ固定され、開口部が
すつきりとした収容箱として多様な活用が可能と
なるのである。

(ト) 考案の効果 以上の如く本考案によれば、フラツプを内側へ
折り込む場合、刻設されたミシン目がきつかけと
なつて容易に折り曲げられ、内側へ固定すること
ができる。従つてフラツプを切り取つたり、無理
やり押し曲げて収容箱として美観を損うこともな
いから、カートンの再利用をも考慮した、活用の
幅の広いリサイクル箱とでき、その実益は多大で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る運送用カートンの実施例
を示す斜視図、第２図は本考案の他の実施例を示
す斜視図、第３図は同開蓋斜視図である。 Ａ……運送用カートン、１……蓋板、２……フ
ラツプ、３……補強板、３１……正面側板、３２
……側面側板、４……ミシン目、４１……切り込
み、６……背面側板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横長に連設された四側板の一枚に蓋板が連設さ
   れると共に、その側板と対向する側板に、その側
   板の内面へ密着状に折り込む補強板が連接され、
   他の対向する側板には、内蓋用のフラツプが連設
   された運送用カートンであつて、前記フラツプの
   補強板と干渉する個所に、少なくともその補強板
   の厚み分、内側へ全長にわたつてミシン目を刻設
   し、且つ連設部にそのミシン目に達する切り込み
   を設けて成る運送用カートン。