JPS5843624Y2 - ロ−タリピストンエンジンのロ−タハウジング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ロータリピストンエンジンのロータハウジ
ング、特に、トロコイド状の内周面を有する内壁部と外
壁部とを両者間に冷却水を軸方向に貫流する多数の冷却
水通路を保有せしめてリブあるいはボルトボスにて一体
に結合してなるいわゆる軸流式ロータハウジングにおけ
るプラグホール部の冷却通路構造に関する。

一般に、ロータハウジングの冷却方式としては、冷却水
を周方向に貫流させる同流冷却方式と、冷却水を軸方向
に貫流させる軸流冷却方式とがある。

同流冷却方式は閉断面の冷起液通路を設けるため、鋳造
後中子の取出しに多大な工数を要し多量生産に不向きで
あり、この点において軸流冷却方式はダイキャストによ
って多量生産が可能であり好都合である。

しかしながら、軸流冷却方式のロータ・・ウジングすな
わち軸流式ロータハウジングにおいては、その性格から
して内壁部釦よび外壁部の肉厚は軸方向において同一な
いしは中央部から軸方向端部に向って薄くなるようにす
ることはできるが、中央部付近を局部的に薄くすること
はできないという制限がある。

このため、軸流式ロータハウジングに釦いては、最も熱
負荷の高いプラグホール部の冷却性を向上させるにあた
って、プラグホール近傍の内壁部を局部的に薄くするこ
とができず、プラグホールにクラックが生じたり、プラ
グホール近傍の内周面が異常摩耗する等の不具合があっ
た。

この考案は、かかる点に鑑みてなされたもので、プラグ
ホール近傍の内壁部に、内部に空所を有する環状の筒状
部材を鋳ぐるみ、該筒状部材の空所と冷却水通路とを一
端が上記冷却水通路の上流側トよび下流側にそれぞれ開
口する連通路によって連通させ、上記空所と連通路とで
プラグホール部の補助冷却通路を構成することによって
、生産性をむやみに煩雑にすることなく、プラグホール
部の冷却性を向上させ、もって上記不具合を解消しよう
とするものである。

つぎに、図面に基づいてこの考案の一実施例を説明する
。

第１図および第２図にむいて、１は内壁部２と外壁部３
とを両者間に冷却水を軸方向に貫流する多数の冷却水通
路４を保有せしめてリブ５むよびボルトボス６により一
体に結合してなるロータハウジング、７および８はロー
タハウジング１の両側に位置しかつロータハウジング１
の冷却水通路４とそれぞれ連通する冷起水通路９むよび
１０を有するサイドハウジング、１１はロータハウジン
グ１とサイド・・ウジング７，８とで構成するケーシン
グ内を遊星回転運動するロータである。

なお、１２および１３は内壁部２と外壁部３の各端面に
形成したシール溝に介在させたシール部材で、ロータハ
ウジング１とサイドハウジング７．８との接合部からの
水漏れを防止するものである。

上記ロータハウジングにあ−いて、１４はトロコイド状
に形成された鉄板であって、その内周面にはメッキ層が
形成されて釦り、その外周面にはロータハウジングの鋳
造時鉄板１４と母材（アルミ合金）との結合度を高める
ために多数の掻き起し突起（図示せず）が設けられてい
る。

１６はプラグホール１７，１７近傍の内壁部２内に鋳ぐ
るんだ環状の筒状部材で、この筒状部材１６は断面Ｕ字
状の環状溝を有する溝部材１６ａと底部材１６ｂとを一
体に嵌合して形威されてトリ、内部に空所１６ｃｋ有し
ている。

この溝部材１６ａおよび底部材１６ｂは共に銅、１銅合
金等の熱伝導性の高い金属で形成されている。

１γトよび１８はリブ５の両端部を切欠いだ座ぐり部で
、後述する連通路（１９，２０）を形成する際ドリル加
工を容易圧するためのものである。

１９トよび２０は冷却水通路４，９．１０と筒状部材１
６の空所１６ｃとを連通ずる連通路で、この連通路１９
および２０は上記空所１６ｃとでプラグホール付近の内
壁部３を冷却する補助冷却通路を構成する。

以上のように構成されるロータノ・ウジング１は、掻き
起し突起を有する鉄板１４をトロコイド状に湾曲形成し
た後、筒状部材１６を該鉄板１４の外表面に所定の間隙
Ａ（鋳造時溶湯が流れ込むのに十分な間隙）を確保して
ろう付は等によって仮付けし、かかる鉄板１４を金型に
セットして鋳造（ダイキャスト鋳造）し、ついで、リブ
５の両端に座ぐり１７，１Ｂを形威し、この座ぐり１７
゜１８からドリル加工を施こし連通路１９，２１形成す
ることによって完成される。

したがって、かかるロータハウジング１を有するケーシ
ングにおいて、冷却水は、一方のサイドハウジング７の
冷却水通路９から導入されロータハウジング１の各冷却
水通路４を軸方向に貫流して他方のサイドハウジング８
の冷却水通路１０へと流れ、各ハウジングの冷吸に供さ
れるものであるが、この際、ロータハウジング１に導入
される冷却水の一部は連通路１９−空所１６ｃ一連通路
２０の径路で流れプラグポール１７近傍の内壁部２を確
実に冷却する。

なお、以上の実施例においては筒状部材１６の空所１６
ｃと冷却水通路４とを連通ずる連通路をリブ５の端部か
ら穿設しているが、内壁部外周面から直接穿設するよう
にしてもよい。

以上のごとく、この考案は、プラグホール近傍の内壁部
に、内部に空所を有する環状の筒状部材を鋳ぐるみ、該
筒状部材の空所と冷却水通路とを一端が上記冷却水通路
の上流側および下流側にそれぞれ開口する連通路によっ
て連通させ、上記空所と連通路とでプラグホール部の補
助冷却通路を構成することによって、生産性をむやみに
煩雑にすることなくプラグホール部の冷却性を向上させ
ることができるので、プラグホールのクラックの発生を
防止できるだけでなくプラグホール近傍の摺動面の異常
摩耗を確実に防止し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るロータハウジングの要部の正面
図、第２図は第１図の■−■断面図である。 １・・・ロータハウジング、２釦よび３・・・内壁部お
よび外壁部、４・・・冷却水通路、５・・・リブ、６・
・・ボルトボス、１６・・・筒状部材、１６ｃ・・・空
所、１７・・・プラグホール、１９．２０・・連通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トロコイド状の内周面を有する内壁部と外壁部とを両者
   間に冷却水を軸方向に貫流する多数の冷却水通路を保有
   せしめてリブあるいはボルトボス等により一体に結合し
   てなるロータリピストンエンジンのロータハウジングに
   おいて、プラグホール付近の内壁部に、内部に空所を有
   する環状の筒状部材を一体に鋳ぐるみ、該筒状部材の空
   所と上記冷却水通路とを、一端が上記冷却水通路の上流
   側および下流側にそれぞれ開口する連通路によって連通
   させ、該空所と連通路とでプラグホール部の補助冷却通
   路を構成したことを特徴とするロータリピストンエンジ
   ンのロータハウジング。