JPH10213085A - スクリュ圧縮機およびそのケーシングの鋳造方法 - Google Patents

スクリュ圧縮機およびそのケーシングの鋳造方法

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JPH10213085A
JPH10213085A JP1382797A JP1382797A JPH10213085A JP H10213085 A JPH10213085 A JP H10213085A JP 1382797 A JP1382797 A JP 1382797A JP 1382797 A JP1382797 A JP 1382797A JP H10213085 A JPH10213085 A JP H10213085A
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JP
Japan
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casing
discharge
rotor chamber
discharge port
forming
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JP1382797A
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Seiji Yoshimura
省二 吉村
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 雄・雌一対のスクリュロータを収納するロー
タ室を有するロータ室ケーシングと、前記ロータ室に連
通する吐出ポート、吐出通路、吐出口と吐出側軸受部と
を有する吐出側ケーシングとが一体形成されてなるスク
リュ圧縮機のケーシングをアルミダイキャスト法で中子
を焼付かせることなく一体鋳造する。 【解決手段】 吐出ポート4のアキシャルポート6の形
状を、理論形状における吐出通路7の幅を超えて側方に
膨出した略三角形状部分を、吐出通路7の幅に一致した
直線部で形成する。 【効果】 さすれば、先端部にアキャシャルポート形成
部分のないロータ室を形成するロータ室形成用中子と、
吐出口8から抜取り可能な吐出ポート・吐出通路・吐出
口を形成する吐出口形成用中子とで、ロータ室ケーシン
グ2と吐出側ケーシング3とが一体形成されてなるケー
シング1を一体鋳造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクリュ圧縮機に
関し、特に雌雄一対のスクリュロータを収納するロータ
室を形成するロータ室ケーシングと、前記ロータ室に連
通する吐出ポート、吐出通路、吐出口と吐出側軸受け部
とを形成する吐出側ケーシングとをアルミダイキャスト
法にて一体鋳造したケーシングを有するスクリュ圧縮機
およびスクリュ圧縮機のケーシングの鋳造方法の技術分
野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来例1に係るスクリュ圧縮機を、特開
昭56−165790号公報において従来例として示さ
れているものを例として、添付図面を参照しながら、同
明細書に記載されている同一名称並びに同一符号を以て
以下に説明する。先ず、上記従来例1に係るスクリュ圧
縮機の構成を、その構造を示す縦断面図の図5(a)
と、図5(a)のC−C矢視図の図5(b)とを参照し
ながら説明すると、このスクリュ圧縮機は、図5(b)
に示すように、交差する2つの円筒形の孔1aおよび1
bからなる作動空間1、この作動空間1に連通する吸込
通路2および吐出通路3を備えたケーシング4と、この
ケーシング4の作動空間1内に収納され、ローブ5aお
よび6a、溝5bおよび6bを有し、互いに噛合って回
転する雄・雌一対のロータ5および6とから構成されて
いる。
【0003】吐出ケーシング7はケーシング4と別体に
作られており、ボルトにより結合されて一体となってい
る。雄ロータ5の軸部は延長されており、その延長部分
に電動機8のロータ9が取付けられてこのスクリュ圧縮
機のロータを駆動するようになっている。雄ロータ5お
よび雌ロータ6の両端は軸受を介してケーシングに支持
されている。このスクリュ圧縮機では、ケーシング4に
ラジアルポート10が設けられ、そして吐出ケーシング
7にアキシャルポート11が設けられている。
【0004】アキシャルポート11は、図5(a)のD
−D矢視図の図6に示すとおりであって、雄ロータ5お
よび雌ロータ6は、時計回り向きの矢印20および反時
計回り向きの矢印21の方向に回転する。このアキシャ
ルポート11は、点12aから点13aに到る一つなが
りの曲線で形成される。このうち、点12aと12bの
間および点13aと13bの間の部分は吐出を開始する
位置にある溝5bおよび6bの縁に合わせて形成され、
ロータの回転に伴って二点鎖線で示す溝5bおよび6b
がこの位置にさしかかった直後から溝5bおよび6bは
吐出通路に開口し、吐出される。曲線12b〜14およ
び曲線13b〜15は、通常それぞれ溝5bおよび6b
の谷底円に等しく形成される。
【0005】アキシャルポート11の点14から点15
までの詳細形状は、図6のE部拡大図の図7に示すとお
りである。即ち、破線で示す閉じた曲線31,32,3
3は、両ロータの理論的な接触点の軌跡をこの面に投影
したものである。これは、圧縮または吐出行程にあって
高圧ガスを閉込めている溝と、吸込行程にあって低圧ガ
スを吸込んでいる溝とをシールする点の軌跡でもあるの
で、通常シールラインと呼ばれている。ロータの吐出端
面においてロータのプロフィールが噛合うことによって
幾つかの閉じた空間が形成されるが、その空間の境界点
は、アキシャルポートの作用説明図の図8,9に示すよ
うに、曲線31,32,33上にくるように構成されて
いる。
【0006】図8において、符号34,35,36,3
7および38は、吐出断面においてロータのプロフィー
ルの噛合いにより形成される空間(作動室)を示してい
る。このうち空間34と35とは連通しており、そして
収縮しつつある空間で、高圧ガスを閉込めている。符号
36は膨張しつつある空間でロータのねじれた溝に沿
い、吸込側の部屋と連通している。符号37は収縮しつ
つある空間で、高圧ガスを閉込めている。符号38は膨
張しつつある空間でロータの捩じれに沿い、吸込側の室
と連通している。ロータの理論的な接触点は符号39,
40,41で示すように、破線で示すシールライン上に
ある。
【0007】図9は図8よりもロータの回転が進んだ状
態を示しており、図8に示した空間37は消滅し、図8
に示す空間36が空間38と連通し、図9に示す空間4
2となっている。図8,9から良く理解されるように、
吐出断面においてシールラインに囲まれる部分は、膨張
する空間、即ち吸込側の室に連通する空間にさらされる
ことがある。従って、ロータの吐出断面に面するこの部
分のケーシング面は閉じられていなければならない。し
かし、一方では吐出抵抗を減少させるため吐出通路はな
るべく大きくすることが望ましい。図8に示す空間37
の場合、吐出端面で開いている部分がシールラインに囲
まれる面積の中にあり、その他の部分もシールライン極
めて接近していて望ましくない。以上の観点から吐出ポ
ートは図7に示すように、シールラインに沿って形成さ
れている。
【0008】図7において、曲線16〜18および17
〜19はそれぞれシールラインの一部に沿っている。本
来ならば、この部分は16〜18〜32〜19〜17の
形とするべきであるが、18〜19のように一部を短絡
させて、18・32・19で囲まれる部分を吐出側の室
に連通させるのが普通である。このようにしているの
は、図8に示す空間37のうち、吸込側の室に連通する
空間の三日月状の開口部が符号32に近い部分では小さ
いので、例えここを開放しても吸込側の室に漏れるガス
量は非常に少なく、実用上問題にならないからである。
なお、ラジアルポート10は、図示省略しているが、ケ
ーシング4が三角形状に切欠かれたように形成されてい
る。
【0009】この従来例1に係るスクリュ圧縮機のラジ
アルポート10は、ケーシング4に設けられ、またアキ
シャルポート11はボルトによりこのケーシング4に結
合される別体の吐出ケーシング7に設けられている。従
って、アキシャルポート11の幅方向の理論曲線の複雑
さの如何を問わず、これらケーシング4と吐出ケーシン
グ7とを極めて容易に鋳造することができる。しかしな
がら、これらケーシング4と吐出ケーシング7とが一体
形成されていると、機械加工工数や組立工数が削減さ
れ、コスト的に有利になるので好ましい。
【0010】ところで、上記従来例1に係るスクリュ圧
縮機と異なり、スクリュロータを収納するケーシング、
つまりロータ室ケーシングと、吐出ケーシングである吐
出側ケーシングとがアルミダイキャスト法にて一体鋳造
されてなるケーシングを有するスクリュ圧縮機がある。
以下、ロータ室ケーシングと吐出側ケーシングとが一体
的なケーシングを有する従来例2に係るスクリュ圧縮機
の前記ケーシングを鋳造する場合を、そのケーシングの
アルミダイキャスト法による鋳造状態を示す模式的側面
断面図の図10を参照しながら説明する。
【0011】即ち、ロータ室ケーシング2と吐出側ケー
シング3とからなるケーシング1の外形を形成する図示
しない外型と、作動空間であるロータ室2aおよび吐出
ポート4のアキシャルポート6を形成する金属からなる
ロータ室・アキシャルポート形成用中子51と、ラジア
ルポート5およびこのラジアルポート5とアキシャルポ
ート6とから吐出される高圧ガスを外方に吐出する吐出
通路7を形成する金属からなる吐出口形成用中子52と
により形成されるキャビティにアルミニウム合金の溶湯
を注湯して鋳造されている。
【0012】なお、ロータ室・アキシャルポート形成用
中子51でアキシャルポート6を形成させるようにして
いるのは、吐出口形成用中子52にアキシャルポート部
分を形成させる部分を設けると、上記のとおり、アキシ
ャルポート6の幅方向の形状が、吐出を開始する位置に
ある雄ロータの溝および雌ロータの溝の縁に合わせて形
成されていて曲線になっているので、この吐出口形成用
中子52を抜取ることができなくなるからである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ロータ室ケーシングと
吐出側ケーシングとが一体的な従来例2に係るスクリュ
圧縮機のケーシングをアルミダイキャスト法により一体
鋳造する場合、キャビティ内の溶湯が凝固した後にロー
タ室・アキシャルポート形成用中子および吐出口形成用
中子を抜取るときには、これら両中子を冷却する必要が
ある。ところが、ロータ室・アキシャルポート形成用中
子の先端部には、上記のとおり、アキシャルポート形成
部分が突設されていて極めて長いので、奥側になるアキ
シャルポート形成部分を冷却するのが困難である。その
ため、場合によってはこのロータ室・アキシャルポート
形成用中子のアキシャルポート形成部分が焼付きを起こ
すことがある。さすれば、焼付きの発生によりケーシン
グのアキシャルポートの内周面に不良が発生するので、
ケーシングの歩留りの向上が難しく、コスト削減が困難
であるという解決すべき課題が生じる。
【0014】従って、本発明の目的とするところは、溶
湯が凝固した後の中子の抜取りに際して、中子が焼付く
恐れの少ない構造のロータ室ケーシングと吐出側ケーシ
ングとが一体鋳造されてなるケーシングを有するスクリ
ュ圧縮機およびスクリュ圧縮機のケーシングの鋳造方法
を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】発明者等は、スクリュ圧
縮機の圧損を少なくするためのアキシャルポートの理論
曲線形状の曲線を無くしたとしても、圧損が高々1%程
度大きくなるだけであって、スクリュ圧縮機の効率がそ
れほど低下せず、実用上殆ど支障がないということを知
見して、本発明をなしたものである。
【0016】従って、上記課題を解決するために、本発
明の請求項1に係るスクリュ圧縮機が採用した手段の特
徴とするところは、雌雄一対のスクリュロータを収納す
るロータ室を形成するロータ室ケーシングと、前記ロー
タ室に連通する吐出ポート、吐出通路、吐出口と吐出側
軸受け部とを形成する吐出側ケーシングとをアルミダイ
キャスト法にて一体鋳造したケーシングを有するスクリ
ュ圧縮機であって、前記吐出ポートのアキシャルポート
形状を、吐出通路の幅に一致した直線部で形成したとこ
ろにある。
【0017】また、上記課題を解決するために、本発明
の請求項2に係るスクリュ圧縮機が採用した手段の特徴
とするところは、請求項1に記載のスクリュ圧縮機にお
いて、前記吐出ポートのアキシャルポート形状を、理論
形状における吐出通路の幅を超えて側方に膨出した略三
角形状部分を、膨出した略三角形の二辺に内接する円弧
に削り出したところにある。
【0018】また、上記課題を解決するために、本発明
の請求項3に係るスクリュ圧縮機のケーシングの鋳造方
法が採用した手段の特徴とするところは、雌雄一対のス
クリュロータを収納するロータ室を形成するロータ室ケ
ーシングと、前記ロータ室に連通する吐出ポート、吐出
通路、吐出口と吐出側軸受け部とを形成する吐出側ケー
シングとからなるケーシングをアルミダイキャスト法に
て一体鋳造するスクリュ圧縮機のケーシングの鋳造方法
であって、前記ロータ室を形成するロータ室形成用中子
と、吐出口から抜取り可能な吐出ポート・吐出通路・吐
出口を形成する吐出ポート形状に対応した頂部およびこ
の吐出ポートに連なる吐出通路・吐出口に対応する基部
からなる吐出口形成用中子とを用いて鋳造するところに
ある。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態1に係
るスクリュ圧縮機を、そのケーシングの模式的側面断面
図の図1(a)(スクリュロータは雄・雌一対である
が、この図では一方だけが示されている。)と、図1
(a)のA−A線断面図(変位図示)の図1(b)と、
図1(a)のB−B線断面図の図1(c)と、そのケー
シングのアルミダイキャスト法による鋳造状態を示す模
式的側面断面図の図2と、縦軸に圧力(P)をとり、横
軸に流速(V)をとって示すスクリュ圧縮機の動力損失
説明グラフ図の図3とを参照しながら説明する。
【0020】但し、本発明の実施の形態に係るスクリュ
圧縮機と、従来例に係るスクリュ圧縮機とは、本実施の
形態に係るスクリュ圧縮機のケーシングが、従来例2と
同様に、ロータ室ケーシングと吐出側ケーシングが一体
鋳造されており、そして横設置式であるのに対して、従
来例に係るスクリュ圧縮機のケーシングが、ロータ室ケ
ーシング(ケーシング)と吐出側ケーシング(吐出ケー
シング)とがボルト結合された2体形であって、かつ縦
設置式であることが相違するが、それらの主要構成は同
等であるから、主として最も構成が相違するアキシャル
ポートについて説明し、他の構成については概要説明に
止める。
【0021】本発明の実施の形態1に係るスクリュ圧縮
機の構成を説明すると、このスクリュ圧縮機のケーシン
グ1は、図1(a)に示すように、雄・雌一対のスクリ
ュロータ9,10が収納されてなるロータ室2aを有す
るアルミニウム合金からなるロータ室ケーシング2と、
このロータ室ケーシング2のロータ室2aに連通する吐
出ポート4、吐出通路7、吐出口8と吐出側軸受部3a
とを有する吐出側ケーシング3とが一体鋳造されてい
る。前記吐出ポート4は、図1(b)に示すように、雄
・雌一対のスクリュロータ9,10の径方向に吐出され
る高圧ガスを吐出するラジアルポート5と、雄・雌一対
のスクリュロータ9,10の軸方向に吐出される高圧ガ
スを吐出するアキシャルポート6とからなっている。
【0022】前記ラジアルポート5は、図1(b)に示
すように、横断断面が三角形状に形成されていて従来と
同形状に形成されているが、前記アキシャルポート6
は、図1(c)に示すように、その幅方向の両側部分
は、吐出を開始する位置にある雄スクリュロータの溝お
よび雌スクリュロータの溝の縁に基づいて定められ、側
方に膨出する略三角形状の理論曲線(一点鎖線で示され
ている。)を持つように形成されておらず、ストレート
になっていてそのまま吐出通路7に連通している。勿
論、これらラジアルポート5およびアキシャルポート6
から吐出通路7の高圧ガスの吐出側になるほど、つまり
吐出口に接近するにつれて横断断面が次第に広くなる抜
き勾配が設けられていても良い。
【0023】以下、実施の形態1に係るスクリュ圧縮機
の上記構成になるケーシング1のアルミダイキャスト法
による鋳造の仕方を説明すると、このケーシング1は、
図2に示すように、このケーシング1の外形を形成する
図示しない外型と、ロータ室ケーシング2のロータ室2
aを形成する金属からなるロータ室形成用中子51と、
上端がロータ室2a内に突出し、吐出側ケーシング3の
ラジアルポートとアキシャルポートとからなる吐出ポー
ト4、吐出通路7、吐出口8を形成する吐出口8から抜
取り可能な金属からなる吐出口形成用中子52とにより
形成されるキャビティにアルミニウム合金の溶湯を注湯
して鋳造される。
【0024】そして、キャビティ内の溶湯が凝固する
と、ロータ室形成用中子51と吐出口形成用中子52と
を抜取るために、これら両中子51,52が冷却される
が、上記説明から良く理解されるように、ロータ室形成
用中子51の先端部分には、従来2に係るケーシングの
鋳造に用いるロータ室・アキシャルポート形成用中子の
ように、アキシャルポートを形成する部分が突設されて
いない。そのため、このロータ室形成用中子51は従来
のものよりも短いのでより容易に冷却することができ
る。一方、吐出口形成用中子52は従来に比較して長く
なるが、ロータ室形成用中子51に比較して遙に短いの
で冷却には何の支障もない。
【0025】従って、溶湯凝固後の抜取りに際しては、
ロータ室形成用中子51の焼付きが防止され、焼付きの
発生によるケーシング1の不良の発生を少なくすること
ができるので、ケーシング1の歩留りが向上する結果、
従来に比較して大幅にコストを削減することができる。
勿論、上記のとおり、スクリュ圧縮機の動力損失が1%
程度大きくなり、スクリュ圧縮機としての効率が低下す
るが、全く実用上の支障がないことを確認した。
【0026】因みに、この実施の形態1に係るスクリュ
圧縮機では、図3(この実施の形態1に係るスクリュ圧
縮機の動力を実線で示し、従来例に係るスクリュ圧縮機
の動力を破線で示している。)に示すとおり、高圧ガス
の流速がある速度範囲になったときだけ損失が大きくな
るだけであって、しかもスクリュ圧縮機の圧損の差は極
く僅かであるから、この図3からもこの実施の形態1に
係るスクリュ圧縮機の実用上の支障がないことを理解す
ることができる。
【0027】次に、本発明の実施の形態2に係るスクリ
ュ圧縮機を、上記図1(c)に相当するアキシャルポー
トの形状説明図の図4を参照しながら説明すると、この
実施の形態2に係るスクリュ圧縮機のアキシャルポート
が上記実施の形態1に係るスクリュ圧縮機のアキシャル
ポートと相違するところは、同図から良く理解されるよ
うに、それらの幅方向の形状の相違にある。
【0028】より詳しくは、ロータ室形成用中子と吐出
口形成用中子とを抜取った後に、つまり上記実施の形態
1と同様のロータ室形成用中子と吐出口形成用中子とを
用いて鋳造した後に、ケーシング1のガス吸込側からエ
ンドミルを挿入し、アキシャルポート6の左右の幅方向
に、従来例の項において説明したような吐出を開始する
位置にある雄スクリュロータの溝および雌スクリュロー
タの溝の縁に合わせて形成され、理論形状における吐出
通路の幅を超えて相反する方向に膨出する略三角形状の
理論曲線の二辺に内接する径を有するエンドミルによっ
て円弧に削り出し加工を施して、従来例1または2に係
るスクリュ圧縮機のアキシャルポートに近似するように
したものである。
【0029】従って、この実施の形態2に係るスクリュ
圧縮機によれば、上記実施の形態1に係るスクリュ圧縮
機効果に加えて、従来例1または2と同様に、アキシャ
ルポートの幅方向の形状が理論曲線に近似しているの
で、上記実施の形態1と比較してスクリュ圧縮機の動力
損失が少なくなり、従来例1または2と同等の効率を有
するスクリュ圧縮機を実現することができる。
【0030】なお、この場合には、エンドミル加工を施
すから、上記実施の形態1に係るスクリュ圧縮機に比較
してコスト的に若干不利になる。しかしながら、ケーシ
ング1を他の加工機械にセット変えするまでもなく、ロ
ータ室ケーシング2のロータ室2aの内面加工に次い
で、同じ加工機械にエンドミルを取付けることによりそ
のまま加工することができるので、コストアップの程度
は極く僅かで済む。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
または2に係るスクリュ圧縮機および請求項3に係るス
クリュ圧縮機のケーシングの鋳造方法によれば、スクリ
ュロータを収容するロータ室ケーシングのロータ室を形
成するのに、先端部分にアキシャルポートを形成する部
分が突設されていない、従来よりも短いロータ室形成用
中子を用いることができる。従って、冷却され易く、溶
湯凝固後のロータ室形成用中子が焼付く恐れが少なくな
るので、焼付きの発生によるロータ室ケーシングと吐出
側ケーシングとが一体鋳造されてなるケーシングの不良
の発生が少なくなって歩留りが向上する結果、従来に比
較してロータ室ケーシングと吐出側ケーシングとが一体
鋳造されてなるケーシングを有するスクリュ圧縮機を、
より安価に製造することができる。
【0032】さらに、本発明の請求項2に係るスクリュ
圧縮機によれば、理論形状における吐出通路の幅を超え
て側方に膨出する略三角形状の理論曲線の二辺に内接す
る円弧に削り出されていて、従来例に係るロータケーシ
ングのアキシャルポートに近似した形状になっているの
で、従来例に係るスクリュ圧縮機と同等の効率を実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の実施の形態1に係るスク
リュ圧縮機のケーシングの模式的側面断面図で、図1
(b)は図1(a)のA−A線断面図で、図1(c)は
図1(a)のB−B線断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るスクリュ圧縮機の
ケーシングのアルミダイキャスト法による鋳造状態を示
す模式的側面断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係り、縦軸に圧力
(P)をとり、横軸に流速(V)をとって示すスクリュ
圧縮機の動力損失説明グラフ図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係るスクリュ圧縮機の
上記図1(c)に相当するアキシャルポートの形状説明
図である。
【図5】従来例1に係り、図5(a)はスクリュ圧縮機
の構造を示す縦断面図であり、図5(b)は図5(a)
のC−C矢視図である。
【図6】図5(a)のD−D矢視図である。
【図7】図6のE部拡大図である。
【図8】従来例1に係るスクリュ圧縮機のアキシャルポ
ートの作用説明図である。
【図9】従来例1に係り、図8よりロータの回転が進ん
だ状態を示すスクリュ圧縮機のアキシャルポートの作用
説明図である。
【図10】従来例2に係るスクリュ圧縮機のアルミダイ
キャスト法によるケーシングの鋳造状態を示す模式的側
面断面図である。
【符号の説明】
1…ケーシング 2…ロータ室ケーシング,2a…ロータ室 3…吐出側ケーシング,3a…吐出側軸受部 4…吐出ポート 5…ラジアルポート 6…アキシャルポート 7…吐出通路 8…吐出口 9,10…スクリュロータ 51…ロータ室形成用中子 52…吐出口形成用中子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雌雄一対のスクリュロータを収納するロ
    ータ室を形成するロータ室ケーシングと、前記ロータ室
    に連通する吐出ポート、吐出通路、吐出口と吐出側軸受
    け部とを形成する吐出側ケーシングとをアルミダイキャ
    スト法にて一体鋳造したケーシングを有するスクリュ圧
    縮機であって、前記吐出ポートのアキシャルポート形状
    を、吐出通路の幅に一致した直線部で形成したことを特
    徴とするスクリュ圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記吐出ポートのアキシャルポート形状
    を、理論形状における吐出通路の幅を超えて側方に膨出
    した略三角形状部分を、膨出した略三角形の二辺に内接
    する円弧に削り出したことを特徴とする請求項1に記載
    のスクリュ圧縮機。
  3. 【請求項3】 雌雄一対のスクリュロータを収納するロ
    ータ室を形成するロータ室ケーシングと、前記ロータ室
    に連通する吐出ポート、吐出通路、吐出口と吐出側軸受
    け部とを形成する吐出側ケーシングとからなるケーシン
    グをアルミダイキャスト法にて一体鋳造するスクリュ圧
    縮機のケーシングの鋳造方法であって、前記ロータ室を
    形成するロータ室形成用中子と、吐出口から抜取り可能
    な吐出ポート・吐出通路・吐出口を形成する吐出ポート
    形状に対応した頂部およびこの吐出ポートに連なる吐出
    通路・吐出口に対応する基部からなる吐出口形成用中子
    とを用いて鋳造することを特徴とするスクリュ圧縮機の
    ケーシングの鋳造方法。
JP1382797A 1997-01-28 1997-01-28 スクリュ圧縮機およびそのケーシングの鋳造方法 Pending JPH10213085A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010275931A (ja) * 2009-05-28 2010-12-09 Hitachi Plant Technologies Ltd オイルフリースクリュー圧縮機
JP2012505343A (ja) * 2008-10-07 2012-03-01 イートン コーポレーション 高効率スーパチャージャ出口
JP2013189925A (ja) * 2012-03-14 2013-09-26 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd スクリュー圧縮機

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