JPS5832439Y2 - 自動車等における配線構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車等に装備されている各種電装品の配線
構造の改良に関するものであり、軽量なアルミ電線を、
心線折れ等を伴なうことなく、高い生産効率と、良好な
電気的性能と、高い耐振性の下に、車体等に強固に、安
定して取付けうる配線構造を提供することを目的として
いる。

アルミ電線が、銅電線に比し、著しく軽量であることに
着目し、車両重量の軽減のため、自動車等の配線用に使
用することが試みられたが、自動車の如く振動が激しい
使用条件の下とか、組付は速度が速い作業条件下では、
アルミ線特有の耐振、屈曲性に劣り、また・・ンダ付け
が困難であったり、酸化しやすい等の欠点のため、使用
し難い欠点があった。

また耐振性を向上さゼるため、心線として撚り合せ心線
の使用も考えられるが、端子等とのハンダ付けの困難を
避けるだめ、カシメ付けを行うと、複数の素線間に間隙
が生じ空気との接触により酸化が進行し、電気的性能が
劣化する欠点を生じている。

本考案は、実用新案登録請求の範囲に記載する構成とす
ることによシ、上述のごとき欠点を伴なうことなく、自
動車等にアルミ電線を使用し２うるようにしたものであ
る。

以下、図示例について、本考案の構成を説明する。

第１図は、カウルサイドパネル１部分に、本考案に係る
配線構造２を適用した実施例であって、電纜３を構成す
る複数本の単心アルミ電線４，５・・・は、端部の端子
６，７・・・により、カウルサイドパネル１に固定され
たジャンクションブロック８のコネク１，１０に嵌着さ
れる。

電纜３は、第２図に示される如く、単心アルミ電憩４，
５・・・が複数本集合され、撚り等にょシ円形断面形状
をなすよう一体化されている。

図中符号１１．１２．１３・・・は絶縁被覆を示してい
る。

個々の単心アルミ電線４，５・・・の端部には、第３図
に示されるごとくプラグたる端子６が、圧着されている
。

図示例では、アルミの心線１４が絶縁被覆１１と共に、
端子６のクランプ部１５で咬持密封され、心線１４の先
１７Ｍ１６が、カシメ部１７で端子６に密接し、かつ外
部に露出することがないよう被覆されている。

再び第１図にかいて、電纜３は、ロッカインナパネル１
８の段部１９に沿って直線状に配線されたのち、前記ジ
ャンクションブロック８方向に向い、屈曲部２０にかい
て、直角に屈曲せしめられている。

本考案においては、屈曲部２０における電纜３に硬質の
プロテクター２１が取シ付けられ、このプロテクター２
１を介して、電纜３は、ロッカインナパネル１８に固定
されている。

第１図に示すプロテクター２１は、ポリアミド、ポリエ
ステルあるいは硬質ポリエチレン等の合成樹脂で成形さ
れたもので、第４図ないし第７図は、その１例であって
、第７図に示される如く断面Ｕ字状をなす電纜収納溝２
２．２３がＬ字状に連続し、各溝先端には耳片２４，２
５が各溝と平行に延出されている。

またプロテクター２１の背面には、下向きのフック２６
が設けられて卦シ、このフック２６は、ロッカインナパ
ネル１８等の端縁２７等に嵌挿シ、プロテクター２１を
固定するものである。

第１図では、フック２６は模型的に拡大して示されてい
る。

筐た、プロテクター２１の一部には舌片２８が形成され
てふ・す、背面側に係止爪２９を突設されている。

この係止爪２９は舌片２８が当接するロッカインナパネ
ル１８等に穿設された小孔に嵌入され、プロテクター２
１を固定するものである。

電纜３は、工場生産ラインにおいて、予めジャンクショ
ンブロック８のコネクタ９，１０から図示を省略した配
線経路の他端に至る長さとされ、更に配線経路中の屈曲
部相当位置においては、屈曲に合致する形状に予め屈曲
され、即ち前述の屈曲部２０においては、略直角に屈曲
され、同じく屈曲部２０の形状に合致するよう成形され
たプロテクター２１を被嵌され、該プロテクター２１の
耳片２４，２５を利用し、合成樹脂テープ等の捲装３０
，３１により固定されている。

勿論、配線経路中の他の屈曲部においても、該屈曲形状
に合致するよう予め成形されたプロテクターが固定され
ている。

従って、自動車の組立てラインにおいては、電纜３を配
線経路に沿って配置し、プロテクター２１等を利用して
車体等の配線部位に固定し、ついでコネクタとの結合を
行えば足り、配線経路に沿わせて屈曲させる必要が無く
なるものである。

また、電纜３を前述の如く、予め成形し、端子等を固着
する際も、ハンダ付は等の作業は全く不必要とされ、屈
曲形状もプロテクター２１等で保形されるので、その生
産作業を著しく高速に遂行しうるものである。

なｐ１プロテクターと電纜との固定手段、該プロテクタ
ーと配線部位との固定手段等は、図示構造に限定される
ものでは無い。

本考案は、上述の構成、作用のものであって、電纜が予
め配線経路に合致するよう屈曲成形されているので、配
線時の急激り屈曲、折曲等に起因する心線折れ等の発生
は皆無となるし、自動車等への組み付けも高能率に行な
いうる効果を奏する。

また屈曲部分においては、プロテクターを介して屈曲形
状を保持され、該プロテクターの配線部位への固定によ
り、電纜も配線経路内へ固定されるので、車体の振動等
に伴なう電纜の振動による単心アルミ電線の折損等もな
く、強固に、安定した配線構造を維持できる効果もある
。

更に、単心アルミ％ｉ線のそれ□□□れの端部には、圧
着、カシメによって端子が固着されているので、・・ン
ダ付けという非能率的な作業を避けうる臥端子取付部の
酸化等による電気的性質の不良化も防止しうるものであ
る。

然して、上述の諸効果を奏しうるため、生産効率の低下
あるいは、苛酷な使用条件下での折損等を伴なうことな
く、アルミ電線を十分に利用しうるので、銅電線に比し
、著しく軽量であるという特性により、車両重量の軽減
に著しく有効となるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、実施の１例の配線構造を示す略示斜面図、第
２図は電纜端部の拡大斜面図、第３甲は端子取付部分た
る単心アルミ電線端部の拡大斜面図、第４図はプロテク
ターの１例の正面図、第、５図はその平面図、第６図は
その側面図、第７図は第４図中■−■線断面図である。 ２・・・配線構造、３・・・電纜、４，５・・・単心ア
ルミ電線、６，７・・・端子、２０・・・屈曲部、２１
・・・プロテクター、２６・・・固定具たるフック、２
９・・・固定具たる係止爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コネクタに収容される端子が、端部に圧着、カシメられ
   ている単心アルミ電線の複数本の集合体よりなる電纜が
   、配線経路にかける屈曲部相当位置において、該屈曲部
   の形状に合致させて成形されている硬質のプロテクター
   により予め屈曲され、かつ被覆されていると共に、該プ
   ロテクターには、配線部位への固定具が取り付けられて
   いることを特徴とする自動車等に釦ける配線構造。