JPS5831459Y2 - 田植機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は苗載台を有する植付部を備えた田植機に関する
ものである。

一般に、この種の田植機においては、作業中、苗載台上
の苗が乾燥状態にある時、苗マットと苗載台間の抵抗が
大となって苗載台下方の植付部への苗の送滑か円滑に行
われない欠点があり、この為、作業途中運転者が適宜苗
に水をかけ、苗載台上におけるその苗の植付部への送滑
を円滑に行う様にしていた。

このことは運転者にとって非常に煩わしい詐りでなく、
植付作業をその都度中断させる為、田植作業を極めて能
率の悪いものとしており、特に多条植となる程その苗マ
ツト数も多く顕著なものであった。

また苗載台上面に凸部を形威し、前記凸部によって苗マ
ットを支持し、苗マットの送滑を助長する構造において
、前記凸部に給水して凸部に当接している苗マツト部分
に送水すると、苗マットの凸部当接部分が給水によって
軟弱となって苗マツト自重により変形し、苗マツト下面
が苗載台上面に密着する等の懸念が生じると共に、前記
苗マツト下面の変形を防ぐための給水調節が難しいもの
であった。

そこで本考案は、一方向に傾斜させて支持して此の傾斜
下端方向に苗マツＩ・を摺動下降させる苗載台を装設す
ると共に、苗マツト下面を当接させる複数の凸部・・・
・・・と、前記各凸部間に形成する複数の凹部と、前記
凸部と凹部を連設させる傾斜壁とを苗載台上面で此の縦
方向に備える構造において、前記苗載台に放水孔を介し
て送水する給水装置を備え、前記苗載台下面から此の上
面の凹部に給水する前記放水孔を前記苗載台上端側の傾
斜壁に開設させるもので、前記凹部を樋として用いて苗
載台上面に水を送給し得、前記凹部と苗マツト下面の隙
間を介して苗載台上面の水を速やかに移動及び排出させ
得、過剰給水による苗マットの形崩れ並びに部分的な給
水等を防止し得ると共に、前記凹部に対向する苗マツト
下面の浸水により、前記凸部に当接している苗マツト下
面を此の毛管作用によって適度に湿らせ得、苗マットの
横移動或いは中途切断等をも阻止し得、苗マットの送滑
を良好に保持し得るようにした田植機を提供しようとす
るものである。

以下、本考案を乗用田植機に適用した実施例について詳
述すると、第１図は同田植機の左側面図で、同図中１は
走行車体でこの走行車体］は前部車体２と後部車体３と
、その車体２，３を支える水田走行用前後輪４，４．５
，５等とからなり、前記各車体２，３が互いに相手側の
車体へ向けて延設したブラケット６．７間に枢支ピン８
，８を取り付けて、前記各車体２，３を水平方向に折曲
げ可能に構成したものである。

また、密閉箱型に形成した前部車体２内には走行ミッシ
ョン（図示せず）を内蔵する一方、該車体２の上部に操
作ハンドル９（チルトハンドル）を含むステアリング装
置１０を装設し、さらに、該ハンドル９の後方に運転席
１１を設け、この運転席１１を門型の安全フレーム１２
を介して前部車体２に取り付けている。

一方、密閉箱形に形成した後部車体３には支持台１３を
連結し、この支持台１３上に空冷４サイクルガソリンエ
ンジン１４を搭載し、該エンジン１４を覆うエンジンカ
バー１５の上方域に予備苗を載せる予備苗載台１６を位
置させて、この苗載台１６を回動可能に前記フレーム１
２に取り付けている。

そして、前後両車体２，３間の動力伝達は先に述べた上
下の枢支ピン８，８位置の中間において前後両車体２，
３から突出する２対のバーフィールド型自在継手軸１７
．１８を介して行なうように構成する一方、支持台１３
の後端にはトレーラ等を連結する後ヒツチ１９を設けて
いる。

なお、２０，２１は前後の水田車輪４，５用のフェンダ
である。

前記の走行用前部車体２の前方には３点リンク機構２２
を介して植付装置２３を昇降可能に装設している。

ここで、前記植付装置２３は走行用フロート２４と、植
付伝動ケース２５と、左右に往復移動する前低後高の苗
載台２６と、−株分の苗を取り出して植え付ける植付爪
２７等を備えたものである。

また、前記の３点リンク機構２２はＩ・ツブリンク２８
とロワーリンク２９．２９とからなり、これらの各１ン
ク２８，２９を介して前部車体２に伝動ケース２５を支
持させると共に、前部車体２に装着した図示しない油圧
装置にリフトアーム３０を連結し、該アーム３０の先端
とロワーリンク２９ 、２９との間に１７トロツク３１
．３１を張架して、植付装置２３全体を昇降させるべく
構成したものである。

さらに、前記車体２内のＰＴＯミッションケースから突
出させたＰＴＯ軸を伸縮自在軸３２を介して植付装置２
３側のギヤケース３３から突出させた入力軸に連動連結
し、植付装置２３の各部へ動力を伝達すべく構成してい
る。

ところで、前記苗載台２６はその苗載置表面を第３図に
示す如く凹凸状に形成していて、この凸部２６ ａ上面
に苗を載置し苗の滑り抵抗を低減して下方の植付部に苗
を送滑させるべく構成している。

また、該苗載台２６の上端延長状には第２図にも示す如
く補助苗載台３４を着脱自在に取付くように備えている
。

次に、第２図乃至第３図を参照して本考案の核心をなす
放水装置３５について説明すると、該装置３５は第４図
にも示す如く前記苗載台２６に取付ける放水部材（いわ
ゆる放水管）３６と、該放水部材３６に適宜送水するた
めの給水装置つまり水タンク３７と、該水タンク３７と
前記放水部材３６とを接続するホース３８の途中間に介
設して、前記タンク３７内の水を放水部材３６に強制送
水させる足踏式ポンプ３９とから構成したもので、前記
放水部材３６は本体をパイプ状に形成していて、苗載台
２６の上端つまり補助苗載台３４の取付は位置より若干
下方位置の苗載台２６の裏面側に止金具４０を介してビ
ス４１止めされている。

さらに、該放水部材３６には前記苗載台２６上面側の凸
部２６ ａに対応する複数の放水口３６ ａを突出状に
設けていて、該放水口３６ ａの先部対向２ケ所に１対
の切欠き４２．４２を穿設し、この放水口３６ ａ先端
部を前記凸部２６ ａ内に若干挿入させるべく構成して
いる。

また、この放水口３６ ａと凸部２６ ａ裏面間には密
封部材４３・・・・・・を介在させており、該部材４３
は前記凸部２６ ａ裏面に嵌着する様にその対向２側面
を凸部２６ ａの傾斜壁２６ ｂ 、２６ ｂに密着さ
せる裁頭四角錐体状に形成したもので、前記放水ＩＴＩ
３６ ａの切欠き４２．４２から、送り出される水を
該部材４３内部に穿孔する流通孔４４を介して前記凸部
２６ａの傾斜壁２６ ｂに穿設する放水孔４５から外側
に放出させる如く構成している。

つまり、前記凸部２６ ａと凸部２６３間に形成される
凹部２６ Ｃに前記放水部材３６の水を漏洩させること
なく流し込みし得る様に構成している。

また、前記放水部材３６に水を適宜強制送水するための
足踏式ポンプ３９は前記運転席１１前方の前部車体２上
に設置していて運転者が運転席１１より足跳して作動し
得る様に構成している。

本考案は」−記の如く構成するものにして、作業中にお
いて前記苗載台２６並びに神助苗載台３４に載置してい
る補給或いは使用中の苗マツ）Ａが乾燥状態にあった前
記苗載台２６の凸部２６１面上を滑動し難い時、作業者
は運転席料で前記足踏式ポンプ３９を本踏俸′□？？４
＝”≦、′抄１結東、運転操作部近辺に設置したタ、、
ンク３７．内の水は前記ポンプ３９により放水部材３６
に坤＄送本され、；の放水部材３６に至った。

水は、数本ロ３６ａ、ｔｐ密封部材４３の流通孔４４を
連層し’＜−に載置２ｄの散水孔４５より外側に放出さ
れる。

つまり、苗載台２６の凹部２６Ｃに流し込まれるもので
、この四部２６ Ｃに流し込まれた水は苗載台２６の下
傾斜に沿って流下すると同時に前記苗マツ）Ａの底加を
濡らし、苗マツＩ・Ａと苗載台２６間の摩擦抵抗を減じ
させて、苗載台２６上の苗マツ）Ａの送滑を円）骨に行
わしめるように作用させるものである。

なお、上記実施例では田植機に水タンク３７を搭載する
構造としでいるが、本考案は第４図仮想線に示す如く、
その水の供給源を圃場内等の貯水池に得て、水タンク３
７に換えてホース３８等にフィルタ付給水口３７ ａを
取付け、この給水口３７ ａを前記貯水池に浸漬させて
放水部材３６に送水する構成としても同様の効果を得る
。

さらに、前記足踏式ポンプ３９をバッテリに電源を得る
電動式ポンプに換え、スイッチ操作による作動構造とし
ても勿論良い。

以上実施例から明らかなように本考案は、一方向に傾斜
させて支持して此の傾斜下端方向に苗マツ）Ａを摺動下
降させる苗載台２６を装設すると共に、苗マツｌ−Ａ下
面を当接させる複数の凸部２６ａ・・・・・・と、前記
各凸部２６ ａ・・・・・・間に形成する複数の凹部２
６ Ｃ・・・・・・と、前記凸部２６ ａ・・・・・・
と凹部２６Ｃ・・・・・・を連設させる傾斜壁２６ ｂ
・・・・・・とを苗載台２６上面で此の縦方向に備える
構造において、前記苗載台２６に放水孔４５・・・・・
・を介して送水する給水装置３７を備え、前記苗載台２
６下面から此の上面の凹部２６ Ｃ・・・・・・に給水
する前記放水孔４５・・・・・・を前記苗載台２６上端
側の傾斜壁２６ ｂに開設させるもので、前記凹部２６
Ｃを樋として用いて苗載台２６上面に水を送給でき、
前記凹部２６ Ｃと苗マツ？−Ａ下面の隙間を介して苗
載台２６上面の水を速やかに移動及び排出させることが
でき、過剰給水による苗マツ１〜Ａの形崩れ並びに部分
的な給水等を防止できると共に前記凹部２６ Ｃに対向
する苗、で。

マツｌ−Ａ乍面の浸水ｌ上、より、前記凸部２６ ａに
当接している苗マツｌ−Ａ下面を此の毛管作用によって
適度に湿らせることができ、苗マットＡの横移動或いは
中途切断等をも阻止でき、苗マツｌ−Ａの送滑を良好に
保持でき、また給水中断時でも苗マットＡの泥土が前記
放水孔４５に詰るのを防止できる等の顕著な効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１゛図は本考案に係る田植機の左側面図、第２図は第
１図の要部拡大側面図、第３図は第２図のＩＩ −ＩＩ
線視説明図、第４図は系統説明図である。 ２６・・・・・・苗載台、２６ａ・・・・・・凸部、２
６ ｂ・・・・・・傾斜壁、２６ Ｃ・・・・・・凹部
、３７・・・・・・給水装置、４５・・・・・・放水孔
、Ａ・・・・・・苗マット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一方向に傾斜させて支持して此の傾斜下端方向に苗マツ
   ）Ａを摺動下降させる苗載台２６を装設すると共に、苗
   マツ）Ａ下面を当接させる複数の凸部２６ ａ・・・・
   ・・と、前記各凸部２６ ａ・・・・・・間に形成する
   複数の凹部２６ Ｃ・・・・・・と、前記凸部２６ ａ
   ・・・・・・と凹部２６ Ｃ・・・・・・を連設させる
   傾斜壁２６ ｂ・・・・・・とを苗載台２６上面で此の
   縦方向に備える構造において、前記苗載台２６に放水孔
   ４５・・・・・・を介して送水する給水装置３７を備え
   、前記苗載台２６下面から此の上面の凹部２６ Ｃ・・
   ・・・・に給水する前記放水孔４５・・・・・・を前記
   苗載台２６上端側の傾斜壁２６ ｂに開設させるように
   構成したことを特徴とする田植機。