JPS5826810Y2 - 車輌用ストラット型懸架装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輛用ストラット型懸架装置、とくにピッグテ
ール状コイルスプリングを装備したマツクファーソン型
懸架装置に関する。

一般にショックアプンーバストラットを使用するマツク
ファーソン型懸架装置において、ショックアブソーバと
車体側サスペンションサポートとの間にはコイルスプリ
ングが配設されている。

このスプリングとして、スプリングの下方の端部のコイ
ル径を次第に小さくした所謂ピッグテール状のコイルス
プリングを使用するものが多い。

この目的とするところは、コイルスプリングの端末を小
径形状とすることによって、該スプリングを支承するシ
ョックアブソーバストラット側のスプリングシートを小
型にできることにある。

しかし、この場合、このスプリングシートはコイル径カ
最小である端末のみ支持する大きさしか持たないのが通
例である。

従って、使用中にもしコイルスプリングが折損した場合
、コイルスプリングは当該スプリングシートで支持でき
ずスプリングシートの外側を上部のコイル径がほぼ一定
であるスプリング部分が通過脱落して、２次破損の危険
を生ずる欠点があった。

この欠点を補うためにはスプリングシート本体の径をコ
イル径がほぼ一定であるスプリング部分を支持し得るよ
うに拡大して製作することも考えられるが、かかる場合
にはスプリングシートの縮小化というピッグテール状ス
プリングの利点が失われる。

そこで本考案は、ピッグテール状コイルスプリングの使
用に際して、スプリングシートの小型化という利点を損
なうことなく、シかも折損時には合理的にスプリングの
脱落を防止できる簡易なスプリング支持機構を具備する
車輛用マツクファーソン型懸架装置を提供することを目
的とする。

以下附図を参照しつつ本考案を説明する。

第１図は従来使用されているピンクテール状コイルスプ
リングの支承状態を、また第２図はスプリング折損時の
脱落防止対策の−ｆｌＪを示し、両図において２はスプ
リング１を支承する小径側スプリングシートである。

第１図から判るように、もしスプリングが途中において
折損すれば小径のスプリングシート２はスプリングのコ
イル径がほぼ一定である部分を支持できず、スプリング
１が落下脱離することは容易に理解できる。

この対策例としての第２図の例ではコイルスプリングの
端末の支承部の周縁にコイルスプリングのコイル径がほ
ぼす定である部分を支持し得るフランジを拡張具備せし
めたもので脱落防止の目的は達するがピッグテール状に
した意味が失われろ。

第３図は本考案によるスプリングシートを装備した車輌
用マツクファーンン型懸架装置の構成正面図、第４図は
第３図のロアスプリングシート２およびその近傍の拡大
平面図、第５図は第４図のＡ−Ａ断面図である。

第３図に示すマツクファーソン型前方懸架装置は、その
上端には車体との取付部フロントサスペンションサポー
ト５を具備し、下方には球継手を介してロアアーム１に
よって支持されたショックアブソーバストラット３を有
し、該アブソーバ下端に固着されたナックルアームおよ
び車軸を介してタイヤ６を装着した車輪が組付けられて
いる。

ショックアブソーバストラット上方には普通型アッパス
プリングシート４が具備され、一方ストラット中間部に
はロアスプリングシート２が固着され両者間にコイルス
プリング１が配設されている。

次に、本考案によるロアスプリングシート２の構造を第
４図および第５図に基づいて詳細に説明する。

ロアスプリングシート２のコイルスプリング１を受ける
部分の形状は、コイルスプリング１の終端Ａを受ける終
端支承部分８から始まってコイルスプリング１のコイル
ピッチに沿った螺旋面状をなしている。

そして、その上部外周縁には、複数個（本実施例におい
ては３個）の放射状のつば部１４，１２，１３が設けら
れている。

この放射状のつば部１４，１２，１３の外周縁は、コイ
ルスプリング１の中心を中心とする円弧状をなし、その
半径はコイルスプリング１のコイル径のほぼブ定部のコ
イル外径（＝コイル径十コイル線径）の半分より大きい
値をもつ。

下端取付部１５は溶接等適宜な方法でストラット３に固
着されている。

従って、スプリング１の下面はスプリングシート２のス
プリング支承面Ｌ９ｔ１０ｃ沿って当接しつつ漸次上昇
し次第にその径を増し終にはコイル径がほぼ一定である
部分（Ｂ部）に達する。

この後、スプリング１のコイル径がほぼ一定である部分
はっは部分１２，１３．１４の上方を通過する。

なおロアスプリングシート２において、支承面８．９，
１０およびつば部分１２，１３．１４は下端取付部１５
の端部からのその高さを、ロアスプリングシート２上方
から見て反時計廻りに次第に減じている。

例えばつば部分１４では、第４図に示すＣ線、Ｄ線、Ｅ
線と次第に下端取付部１５の端部からの高さが低くなっ
ている。

つまり、つば部分１４はＣ線から下がる傾斜面をなして
いる。

本実施例では３ケのつば部分１２，１３，１４を具備し
た状態で説明したが、その数は任意に選択できる。

また本考案によるロアスプリングシートは金属薄板のプ
レス加工、あるいは鋳造、その他強度要件を満たし得る
ものであれば非金属材料で製作することもできる。

本考案は以上のように構成されているから、たとえ如何
なる部位においてコイルスプリングが折損してもつば部
分１２，１３，１４いずれかにおいて残余のスプリング
部分を支持しその脱落を防止して、折損に伴う２次損傷
を防護すると同時に、ピッグテール状コイルスプリング
支承部品として無駄のないコンパクトなスプリングシー
トを提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のピッグテールスプリングシート。 第２図は折損脱落防止用スプリングシートの例、第３図
は本考案によるスプリングシートを装備したマツクファ
ーソン型懸架装置構成図、第４図は本考案によるスプリ
ングシートの実施例の拡大詳細図、第５図は第４図のＡ
−Ａ断面図である。 １・−・・・・コイルスフリング、２・・・・・・ロア
スフリングシート ３・・・山ショックアブソーバスト
ラット４・・・・・・アツパスプリンダシート、５・°
・・・・アッパサスペンションサポート、６・・・・・
・タイヤ、？・・・・・・ロアアーム、８，９，１０・
・・・・・スプリング支承面、１１．１２，１３，１４
・・・・・・つば部分、１５・・・・・・スプリングシ
ート取付部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 コイル径がほぼ一定である主部の下端に連らなり、コイ
   ル径が該主部から次第に小さくなる端部を有するコイル
   スプリングを備えた車輛用ストラット型懸架装置におい
   て、 前記端部のコイルスプリング下面と当接する螺旋状のス
   プリング支承部と、該スプリング支承部の上部外周端に
   放射状に突出して前記主部のコイルスプリングを支持し
   得る複数個のっぽ部分とを備えたロアスプリングシート
   を有することを特徴とする車輛用ストラット型懸架装置
   。