JPS58262B2 - 小型モ−タ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は例えば水晶時計等の電気機械変換器として用い
ることのできる小型モータに関する。

従来の小型モータにおいてロータを間に挟んで相対向す
るステータ磁極は、２極モータおよび多極モータを問わ
ず対称形状をしているのが一般的であった。

また特に時計用小型ステップモータにおいては構成が複
雑になり、ロータに対するステータ磁極の相対的位置精
度が厳しく要求されるなどの種々の欠点を有しており、
製造コストの上昇を招来していた。

本発明の特徴は、相対向するステータ磁極の一方を１極
、その他方を２極とし、この両ステータ磁極をＵ字形ま
たはコの字形のヨークの端部に連設されるヨークの脚部
と一直線をなすようにとしたところにある。

そして本発明の目的は、極めて簡素な構成で、製造組立
が容易で、しかも安定した動作を行う時計用小型モータ
を提供することにある。

以下図面を参照して本発明の一実施例について説明する
。

第１図において、１は磁性材料で一体的に形成したステ
ータであり、２は径方向に２極着磁を施しかつロータ真
２ａに固着した永久磁石ロータである。

ステータ１は、はぼＵ字形のヨーク３と、このヨーク二
つの脚片３ａ 、３ａの先端に相対向する位置関係で連
設したステータ磁極４５とからなっている。

６は励磁コイル７を巻回したボビンであり、脚片３ａに
嵌合している。

つぎにステータ磁極４，５についてさらに詳しく説明す
る。

ステータ磁極４は脚片３ａから真直ぐに長く延伸し、ロ
ータ２と対向する面が直線になっている。

一方ステータ磁極５は二つの磁極部５ａ 、５ｂが所定
の開き角をもって突出形成しである。

磁極部５ａ 、５ｂはそれぞれ異なる形状に形成すると
共に、ステータ磁極４のロータ２に対する最短位置Ａと
ロータ２の軸心Ｏとを結ぶ直線１０に対して非対称位置
に形成してあり、さらに磁極部５ａとロータ２とのエア
ーキャップを磁極部５ｂとロータ２とのそれよりも小と
することにより無通電状態においてロータ２が安定的に
停止する静的安定停止線１１と通電状態におけるステー
タの動的磁気中心線１２とにすれ角θ２を生じるように
設計しである。

そこで本発明によるモータの動作を第２図〜第７図を参
照して説明する。

無通電状態においては、ロータ２はそのＮ、Ｓ極かステ
ータ磁極５の磁極部５ａ 、５ｂおよびステータ磁極４
に対して第２図示の状態、すなわち中心線１０から反時
計方向にθ１だけ回転した静的安定停止線１１にロータ
２のＮ、Ｓ極が一致する向きで磁気的にバランスして停
止する。

そこで第２図示の状態において、ステータ磁極４がＮ極
に、ステータ磁極５がＳ極に励磁されたとすると（この
状態を第３図に示す。

）、ロータ２に対する時計回りの回転トルクとしては、
ステータ磁極４がロータ２のＳ極に及ぼす吸引力とロー
タ２のＮ極に及はす反発力、磁極部５ｂがロータ２のＳ
極に及ぼす反発力とロータ２のＮ極に及ぼす吸引力とが
作用し、ロータ２に対する反時計回りの回転力としては
、磁極部５ａがロータ２のＮ極に及ぼす吸引力が作用す
る。

このとき、第３図において時計回りの回転力が反時計回
りの回転力を上回り、ロータ２は第３図示の状態から時
計方向に角度θ２だけ回転し、第４図示のように動的磁
気中心線１２にロータ２のＮ、Ｓ極が一致する位置で磁
気的にバランスして停止し、これ以上回転しない。

コイル７への通電が停止すれば、ロータ２は第２図示の
位置へ再び戻る。

また第２図示の状態において、前記とは逆にステータ磁
極４がＳ極に、ステータ磁極５がＮ極に励磁されると（
この状態を第５図に示す。

）、ロータ２に対する反時計回りの回転力としては、ス
テータ磁極４とロータ２のＮ極との間の吸引力、ステー
タ磁極４とロータ２のＳ極との間の反発力、磁極部５ｂ
とロータ２のＳ極との間の吸引力、磁極部５ｂとロータ
２のＮ極との間の反発力がそれぞれ作用し、ロータ２に
対する時計回りの回転力としては磁極部５ａとロータ２
のＮ極との間の反発力が作用する。

このとき反時計回りの回転力が時計回りの回転力に打勝
ち、ロータ２は第５図示の状態から第６図示の状態を経
て一気に反時計方向に回転し、第７図示のように動的磁
気中心線１２にロータ２のＮ、Ｓ極が一致する位置で磁
気的にバランスして停止する。

ついで無通電になったとき、ロータ２はさらに角度θ２
だけ反時計方向に回転し、静的に安定する。

そして励磁コイル７に第８図示の如き反転パルス信号を
供給することによって、ロータ２は常に反時計回りに１
８０度ずつ間歇的に回転する。

また本実施例によるモータは、前述のようにステータ磁
極４が脚片３ａから真直ぐに長く延伸し、しかもロータ
２と対向する面が直線になっているという従来にない特
徴的ステータ形状を呈しており、このために、第２図〜
第７図の動作説明図に示す通り、ロータ２とステータ磁
極４間の磁束がロータ２の回転に伴って移動しうる。

すなわちロータ２とステータ磁極４間の磁束は最も効率
の良い磁路を結ぶように移動する。

以上詳細に説明した本発明は、ロータの静的安定停止線
とステータの動的磁気中心線とが異なるような位置関係
のもとに、対向するステータ磁極の一方を２極、他方を
１極としたので、ロータの定方向への自起動部が可能で
ある。

さらにロータとステータ磁極とのエアーギャップが大き
いのでロータとステータとの相対的位置精度および磁束
密度に若干のバラツキを生じても安定的に動作する。

さらに１極としたステータ磁極はロータと対向する面が
一直線に長く延伸しているので、このステータ磁極とロ
ータ間の磁束が最も効率の良い磁路を結ぶように移動し
、したがって駆動効率が向上し、消費電流が少なくなる
。

さらにステータ磁極間の対向間隙が大きいので、組立に
際し先にロータを組込んだ後でも容易にステータを取付
けることができる。

またステータ磁極をＵ字形ヨークの両端に一体的に連設
しステータを１部品で構成しても、前記ヨークの脚片お
よびこれに連設するステータ磁極の一方が真直ぐになっ
ているので、コイルボビンを横からスライドして取付け
ることができ、製造、組立が容易である。

また前記コイルボビンが嵌合する脚片が、１極であるス
テータ磁極と同幅でしかも狭いので、コイルの体積効率
すなわちコイルの体積に対するアンペアターンの比率が
高くなる。

その他低コストで製造できるなど種々の著しい効果を有
している。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すものであって、第１図は
一部断面して示す平面図、第２図〜第７図は動作説明図
、第８図は、駆動信号の波形図である。 １・・・ステータ、２・・・ロータ、３・・・ヨーク、
４・・・１極側のステータ磁極、５・・・２極側のステ
ータ磁極、５ａ、５ｂ・・・磁極部、７・・・コイル、
１１・・・ロータの静的安定停止線、１２０−タの動的
磁気中心線。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ステータとコイルと永久磁石にて形成しかつ２極に
   着磁されたロータとを備えた小型モータにおいて、 上記ステータが、実質的にＵ字形に形成されたヨークと
   その平行な両脚片の端部に一体に連設された二つのステ
   ータ磁極とからなり、 上記両ステータ磁極は、その一方が１極に、その他方が
   ２極に形成され、 １極側のステータ磁極は、それが連設された脚片と直線
   状をなし、 ２極側のステータ磁極の二つの磁極部は、上記ロータの
   中心を通りかつ上記１極側のステータ磁極と直交する直
   線に対してその両側で非対称に位置し、 １極側のステータ磁極が連設されている上記脚片に上記
   コイルが挿入されていること、 を特徴とする小型モータ。 ２２極側のステータ磁極の二つの磁極部は、異なる形状
   をなしている特許請求の範囲第１項に記載の小型モータ ３２極側のステータ磁極の二つの磁極部は、互いに上記
   ロータとのエアーギャップが異なっている特許請求の範
   囲第１項または第２項に記載の小型モータ。