JPS5818779Y2 - 和式ふとん - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、和式ふとん特に和式ふとんを構成する表裏
地内に綿層と羽毛を充填してなる羽毛袋を積層させてな
る和式ふとんの改良に関するものでる。

近年和式ふとんにおいても、表裏地の間に綿層と羽毛層
とを積層して封入し、保温性、軽量性にとみ、又、寝返
りによりふとんが飛ばない程度の適度の重量性を附与し
、更に又高価な羽毛のみを封入した場合に比し羽毛の充
填量を少くして、はるかに廉価にして、大衆が購入し易
い価格としたふとんが考えられてきた。

然るに和式ふとんは洋式ふとんと異なり、手縫いにより
製作し、永年使用後表裏地が汚損し、封入した綿層がや
せてきた場合には、ふとんを解体し、表裏地は洗濯或は
新生地と取り替え、綿層は打ち替しをおこなって再びふ
とんに再生しなければならないものであり、それが和式
ふとんの特徴でもある。

そこで綿層に直接羽毛層を封入するときは、羽毛が混入
した綿層の打ち替しは不可能ではないでも、一旦ふとん
内に散乱した羽毛層を回収して綿層に積層することは不
可能である。

（羽毛層は非常に軽く、これを専問家が特殊な手段によ
り合成樹脂袋等に封入しておき、この袋から表裏地によ
り構成される袋状部内に放出して積層するため）。

従って羽毛層と綿層とを直接積層した和式ふとんの再生
には、新たな羽毛袋を購入しなければならず、再生が極
めて高価となるのみならず、素人による再生は不可能で
ある。

そこで羽毛を袋内に封入して羽毛袋を形威し、この羽毛
袋を表裏地により構成される袋状部内において綿層と積
層することが考えられるが、小さな羽毛袋を多数積層し
た場合には、使用中、ふとん内に於て、羽毛製自体が移
動偏寄し、又ふとん内の綿層全面に積層できる大きさの
羽毛袋を積層した場合には、使用中、羽毛袋内の羽毛が
偏寄し、平均した羽毛層の積層が困難であり、ふとんと
しての保温力及クッション性に欠け、寝心地が悪いこと
になる。

これを防止するため表生地、羽毛袋、綿層、裏生地を貫
通する綴じ縫をほどこした場合、羽毛袋を綴じ縫糸によ
り破り、内部に充填された羽毛がふとん内に散乱し、羽
毛袋は再使用に耐えないことになり、これ又前述の羽毛
層を直接綿層に積層した場合と同様の欠点が生ずる。

この考案は、ふとんの表裏地によって構成される袋状部
内に羽毛袋と綿層とを積層封入した和式ふとんにおいて
、上述の欠点を除去し、羽毛袋が移動偏寄することなく
綿層と積層されて、ふとんとしての保温力、クツショリ
性を保持し、寝心地の良好な和式ふとんを提供すると共
に、内部に封入された羽毛袋を損傷することなく保持す
ることを可能にして、和式ふとんの解体再生に際し、高
価な羽毛袋の再使用を可能にし、再生を廉価にし、且素
人により再生をおこなうことができる和式ふとんを提供
することを目的とするものである。

図面に示す実施例について、この考案を説明すれば次の
通りである。

第１図乃至第１１図は羽毛袋の実施例を示すものであっ
て、第１図乃至第４図は第１実施例の羽毛袋１Ａを示す
ものである。

即ち長方形の羽毛袋１Ａの一方に羽毛挿入口２を形成し
、その長手方向の周縁に綴じＲ部分３，４を形成し、羽
毛挿入口２から羽毛５を充填し羽毛挿入口２を閉じる。

羽毛袋１Ａの材質は布、合成樹脂等軟質の薄いものを用
いる。

猶第１図に示す羽毛袋１Ａを構成する場合第２図に示す
ように長方形の上部製構成シート１Ａ′と、同大同形の
下部袋構成シート１Ａ″とを左右縁部３，４を阻酷させ
て重ね合わせ、シール又は接着又は縫着して上下いずれ
か一方の袋構成シートの縁部により左側の綴じＲ部分３
を、他方の袋構成シートの縁部により右側の綴じＲ部分
４を形成して羽毛袋１Ａに形成する場合もあるし、第３
図に示すように上下の長方形の袋構成シートＩＡ’、Ｉ
Ａ“を重ね合わせ長方向の左右縁部３，４をシールし、
接着し、或は縫着することによって綴じＲ部分３，４を
形成して羽毛袋１Ａを形成する場合もある。

又図示はしていないが、一枚の袋構成シートを縦方向に
折りその重ね合わされた両縁及び折り返し部分を、シー
ル、接着、或は縫着して綴じＲ部分３，４を形成して羽
毛袋１Ａを形成してもよい。

これらの羽毛袋１Ａは第４図に示すように複数、個の羽
毛袋ＩＡ、ＩＡの綴じＲ部分４，３を重ね合わせて、綿
層と積層する。

第５図、第６図は、第２実施例の羽毛袋１Ｂを示すもの
であって、この羽毛袋は上部製構成シートＩＢ’と下部
製構成シー）ＩＢ”とを重ね合せ、小巾の綴じＲ部分３
，４，４．３を数条形成した羽毛袋を示すものであり、
小巾の綴じＲ部分は上下部袋構成シートＩ Ｂ’、Ｉ
Ｂ”を、シールし、接着し、或は縫着して構成する。

第５図、第６図中、第１図乃至第４図と同一符号は同一
部分を示す。

第７図、第８図は第３実施例の羽毛袋１Ｃを示すもので
あって、羽毛袋１Ｃの上下を貫通して、その平面に於て
縦方向、及び横方向に一定間隔に小円形状縫着部分６，
６・・・・・・を形成し、羽毛袋１Ｃの羽毛挿入口２か
ら羽毛５を充填封入するときは、上記円形状縫着部分６
，６内部は羽毛５が充填されない綴じＲ部分７を形成す
る。

綴じＲ部分７の形状は小円形に限るものではなく三角形
、四角形その他の形状でもよい。

第９図は第４実施例の羽毛袋１Ｄを示すものであって、
小形正方形の羽毛袋１Ｄを示すものであり、第１０図は
第５実施例の羽毛袋１Ｅである小形円形の羽毛袋１Ｅを
示すものであってそのＰＰ、Ｑ−Ｑの断面図は第１１図
に示す通りである。

８は縫着部分、７は綴じＲ部分、９は羽毛充填部分、５
は羽毛である。

第１２図はこの考案によって構成された和式ふとんの１
例である和式ふとんを示すものであって１０は綴じ縁部
分である。

第１３図乃至第２０図は第１２図のＲ−Ｒ部分に相当す
る部分を拡大縦断した本考案和式ふとんの各実施例を示
すものである。

第１実施例・・・・・・第１３図に示す実施例は第１図
乃至第３図に示す羽毛袋を第４図に示すようにその両縁
の綴じＲ部分４，３を重わ合わせ、これを、ふとんの表
裏地１１．１２によって構成される袋状部に置かれた綿
層１４上に置き、その上に更に綿層１３を置き、綴じＲ
部分３又は３，４を貫通するように、表地１１．綿層１
３、綴じＲ部分３又は４或は重ねられた綴じＲ部分３，
４、綿層１４、裏地１２を貫通する綴じ縫をほどこす。

１５は綴じ縫糸である。第２実施例・・・・・・第１４
図は第１３図の実施例において羽毛袋１Ａ一方の面のみ
に綿層１４を積層した実施例を示すものである。

第３実施例・・・・・・第１５図は第５図、第６図に示
す羽毛袋１Ｂを使用して和式ふとんを構成した実施例を
示し、ふとんの表裏地１１．１２によって構成される袋
状部に置かれさ綿層１４上に、第５図、第６図に示す羽
毛袋１Ｂを置き、その上に更に綿層１３を置き、綴じＲ
部分３，３及び４，４を貫通するように、表地１１．綿
層１３、綴じＲ部分３，３及び４，４、綿層１４、裏地
１２を貫通する綴じ縫をほどこす。

１５は綴じ縫糸である。

第４実施例・・・・・・第１６図は第１５図の実施例に
おいて羽毛袋１Ｂの一方の面のみに綿層１４を積層した
実施例を示すものである。

第５実施例・・・・・・第１７図は第７図、第８図に示
す羽毛袋１Ｃを使用して和式ふとんを構成した実施例を
示すものであって、その構成は第１５図と同様である。

又同一符号は第１５図と同一部分を示すものである。

第６実施例・・・・・・第１８図は第１７図の実施例に
おいて羽毛袋１Ｃの一方の面のみに綿層１４を積層した
実施例を示すものである。

第７実施例・・・・・・第１９図に示す実施例は、第９
図、第１０図、第１１図に示す羽毛袋１Ｄ又は１Ｅをふ
とんの表裏地１１．１２によって構成される袋状部に置
かれた綿層１３上に多数並べて載置し、その上に他の綿
層１４を置き綴じ代部分７を貫通するように表地１１．
綿層１３、綴じ代部分７、綿層１４、裏地１２を貫通し
て綴じ縫をほどこすものであり、１５は綴じ縫糸である
。

第８実施例・・・・・・第２０図に示す実施例は第１９
図に示す実施例において羽毛袋１Ｄ又は１Ｅの一方の面
のみに綿層１４を積層した実施例を示すものである。

猶以上述べた実施例において、和式ふとんの表裏地１１
．１２から羽毛袋の綴じ代部分を探るには押してみれば
その部分が凹入しているから容易に発見できる。

本考案は、以上述べたように羽毛を充填してなる羽毛袋
の一部に、羽毛が充填されない綴じ代部分を形成し、ふ
とんの表裏地によって構成される袋状部内に、前記羽毛
袋と綿層とを積層して封入し、ふとんの表裏地を貫通す
る綴じ縫糸が前記羽毛袋の綴じ代部分を貫通して形成さ
れるように綴じ縫を施して和式ふとんを構成したため羽
毛袋がふとん内で移動偏寄することなく、又羽毛袋内の
羽毛も偏寄することなく、ふとん内に、綿層と羽毛袋と
が偏寄することなく平均して積層され保温効果、寝心地
共に良好な和式ふとんが得られる。

又本考案に於ては羽毛袋は、羽毛が充填されていない綴
じ代部分を綴じ縫糸が貫通するようにして、綴じ縫を施
すため、綴じ縫糸が羽毛充填部分を貫通することなく、
従ってふとんの表裏地によって構成される袋状部内に綿
層ど積層されて挿入された羽毛袋が綴じ縫糸によって破
損し、羽毛袋内に収容された羽毛がふとん内の綿層に散
乱することなく、従って和ふとんの解体、再生の場合に
は、高価な羽毛袋を新調することなく再び使用すること
ができるから、廉価に羽毛大和ふとんを再生することが
できるばかりでなく素人による再生も可能である等の効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の和ふとんに使用する羽毛袋の第１実
施例の平面図、第２図、第３図は第１図ＸＸ線の縦断面
図、第４図は第１実施例の羽毛袋の使用状態を示す拡大
縦断面図、第５図は羽毛袋の第２実施例の平面図、第６
図は第５図Ｙ−Ｙ線の拡大縦断面図、第７図は羽毛袋の
第３実施例の一部の平面図、第８図は第７図Ｚ−Ｚ線の
拡大縦断面図、第９図は羽毛袋の第４実施例の平面図、
第１０図は羽毛袋の第５実施例の平面図、第１１図は第
９図のＰ−Ｐ線長第１０図のＱ−Ｑ線の縦断面図、第１
２図はこの考案の和式ふとんの１例を示す一部の平面図
、第１３図は第１実施例の和式ふとんの第１図ＸＸ線部
分の拡大縦断面図、第１４図は同じく第２実施例の拡大
縦断面図、第１５図は同じく第３実施例の拡大縦断面図
、第１６図は同じく第４実施例の拡大縦断面図、第１７
図は同じく第５実施例の拡大縦断面図、第１８図は同じ
く第６実施例の拡大縦断面図、第１９図は同じく第７実
施例の拡大縦断面図、第２０図は同じく第８実施例の拡
大縦断面図である。 Ｉ Ａ、Ｉ Ｂ、Ｉ Ｃ，Ｉ Ｄ、Ｉ Ｅ・・・・・・
羽毛袋、３，４．７・・・・・・羽毛袋の羽毛が充填さ
れない綴じ代部分、１１・・・・・・ふとんの表地、１
２・・・・・・ふとんの裏地、１３．１４・・・・・・
線層、１５・・・・・・綴じ縫糸、１６・・・・・・ネ
ット。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １０羽毛を充填した羽毛袋の一部に、羽毛が充填されな
   い綴じ代部分を形成し、ふとんの表裏地によって構成さ
   れる袋状部内に、前記羽毛袋と綿層とを積層して封入し
   、ふとんの表裏地を貫通する綴じ縫糸が前記羽毛袋の綴
   じ代部分を貫通して形成されるように、綴じ縫を施して
   戊る和式ふとん。 ２、ふとんの表裏地によって構成される袋状部内に、羽
   毛袋に積層されて封入される綿層を、羽毛袋の上下両面
   に積層してなる実用新案登録請求の範囲第１項記載の和
   式ふとん。 ３、ふとんの表裏地によって構成される袋状部内に、羽
   毛袋に積層されて封入される綿層を、羽毛袋の片面のみ
   に積層してなる実用新案登録請求の範囲第１項記載の和
   式ふとん。