JPS5817807B2 - 配管の熱処理方法 - Google Patents

配管の熱処理方法

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JPS5817807B2
JPS5817807B2 JP51047229A JP4722976A JPS5817807B2 JP S5817807 B2 JPS5817807 B2 JP S5817807B2 JP 51047229 A JP51047229 A JP 51047229A JP 4722976 A JP4722976 A JP 4722976A JP S5817807 B2 JPS5817807 B2 JP S5817807B2
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JP
Japan
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stress
temperature
piping
piping system
pipe
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JP51047229A
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忠宏 梅本
輝雄 玉井
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IHI Corp
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IHI Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、配管の熱処理方法に係り、特に配管の腐食疲
労・応力腐食割れ等に対する強度を増大させるのに好適
な配管の熱処理方法に関するものである。
従来、原子カプラント、火力プラント、化学プラント等
に用いられて□いる配管は、直管、曲り管等多数を溶接
にて接合し、一本の長い配管を形成しているが、このよ
うな配管においては管溶接時の溶接入熱によってその溶
接部近傍の管内−外面には引張りの残留応力が発生する
一般に鉄鋼材料においては、引張応力と腐食因子とが共
存する場合、引張り方向と垂直な方向に粒界腐食割れが
急速に進行することが知られている。
従って、配管に流れる流体が腐食性流体の場合は前述の
ごとき管内面に存在する引張りの残留応力が、応力腐食
割れや腐食疲労の原因となるのは言うまでもなG)。
特に原子カプラントのオーステナイト系ステンレス配管
の場合、又は、化学プラント、石油精製プラント等の配
管内には腐食流体を流すことから、応力腐食割れはしば
しば実用上の問題となっていた。
前述のごとき問題を解決する手段としては、管の腐食因
子が存在する面、例えば配管に流れる流体が腐食性流体
の場合には管の内面に圧縮の応力を残留させることによ
って、応力腐食割れや腐食疲労を大巾に低減することが
できる。
従来、かかる圧縮の残留応力を発生させる手段としては
ショットピーニング法と呼ばれる小鋼球を物体表面に高
圧空気等で吹付けてその表面に塑性変型を与える加工方
法があるが、この加工方法は平板や短管に利用すれば効
果があるが、配管を組立てた後には適用が非常に困難な
王、管の全周を均一に処理することはとうてい望めない
という欠点がある。
又、リンデ法と呼ばれる溶接部両側をガス炎で加熱し、
溶接部の残留応力を緩和する方法もあるが、この方法に
よっても残留応力を緩和するだけで逆の残留応力を発生
させることができない。
更には一般によ(知られているように処理材を加熱後急
冷することにより熱応力を発生させて残留圧縮応力を得
る方法もある。
ところが、このような従来方法では、わずかな処理条件
の違いによっても得られる残留応力が大きく影響を受け
るために、再現性に乏しく極めて不確実なものである。
この点を次に示す実験によって確認した。
実験方法は304ステンレス鋼管の直管とエルボ管を溶
接接合した円管(第5図示)を加熱した後に水中に浸漬
して冷却し、第5図中のA(直管とエルボ管との溶接部
)とB(直管部)の2位置の応力を測定した。
測定はA、B共管内周面に清って複数個所行なった。
その結果、第6図及び第7図にそれぞれ破線で示すよう
にA、B共に残留引張応力(+側)が発生している個所
がある。
このように、従来の熱応力による残留圧縮応力の付与法
では残留圧縮応力を必ず得られるとは限らず確実性に欠
けるものであった。
また、組立て後の長大な配管系を一度に加熱し一度に冷
却することは実際上不可能である。
以上のごとく、プラント等の配管を組立て後、該配管の
溶接入熱による残留応力を改善する適当な方法はなかっ
たのが現状である。
本発明は、配管系組立て後における配管の溶接部近傍の
腐食因子が存在する側に冷却材を連続的に流して冷却す
ると共に、腐食因子の存在しない側を変態温度より低い
温度でかつ配管系の肉厚方向の温度勾配が定常化するま
での一定時間加熱して、熱処理対象部の両面間に相異な
る方向の降伏点以上の熱応力が生じるような温度差を発
生させ、これを常温まで冷却することによって、腐食因
子が存在する側に均質な残留圧縮応力を確実に発生させ
ると共にその制御性及び再現性を高めることを特徴とす
るものである。
以下本発明の最適一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図および第2図で示すように、配管1の外周には高
出力加熱装置2をその発熱表面が配管1の溶接部外周を
同心でとりまくように配置する。
この時の高出力加熱装置としては、例えば誘導加熱装置
のごときものを使用する方が望ましい。
次いで該加熱装置2によって前記配管1の外面を変態温
度より低い温度でかつ配管系の肉厚方向の温度分布が定
常化するまでの一定時間加熱すると共に、内部に冷却材
3(例えば水)を連続的に流し、配管1の外面と内面と
に温度差を生じさせる。
いま、加熱温度をTo、管内を流れる冷却材3の温度を
Twとすると配管1の内面は冷却材3の温度によって冷
却されTiとなる。
したがって、配管1の内・外画面に生ずる熱応力は、温
度分布を線形と仮定すれば、次式のごとくなる。
σα=σψ−=−E−α・(To −T i )/2
(1−!’ )+ 但し、σα:軸方向応力、σψ:周方向応力、E:ヤン
グ係数、 α:線膨張係数、 シ:ポアソン比、 であり、配管1の内面が正(引張り)の応力、外面が負
(圧縮)の応力に相当する。
この式から配管1の内・外面の温度差が大きい程熱応力
σα及びσψも大きくなることがわかる。
この時の配管1における軸方向の応力分布は第3図に示
すごとくであり、図中σyは降伏応力である。
ちなみに原子カプラント配管を例にとると、該配管はオ
ーステナイト系ステンレス鋼であり、このヤング係数E
は1.9 X 10’kg/m4前後、ポアソン比νは
0.3〜0.5kg/m4位である。
同様、降伏点は温度に′よって異なり、温度が高くなる
程降伏点は低くなるが、平均として20に9前後である
これらの値を前記式に代入することにより、配管1の内
・外面の温度差(To−Ti)は約200℃であること
が導き出される。
したがって降伏点以上の熱応力を配管1の内・外面に発
生させるためには最低でも200℃以上の温度差が必要
であることになる。
この温度差(200℃以上)を得るためには内部を冷却
する冷却材3を配管系内にあるバルブ等によって滞留さ
せるようなことがあっては、冷却材がすぐに高温化して
しまうから、この温度変化に伴って加熱温度をも高めて
いかなければならず、このような制御は実質上極めて困
難である。
本発明のごとく連続的に流すことによつて配管1の内面
温度をほぼ一定に保てば外面加熱温度もほぼ一定に保つ
だけで足り、その制御は極めて容易である。
このようにして配管1の内・外面に温度差を発生させ、
降伏点以上の熱応力を与えた後に、配管1を常温状態に
戻すと、第4図に示すごとく、内面は圧縮の応力、外面
は引張りの応力が残留する。
このようにして発生する残留応力は配管の肉厚方向の温
度分布を定常にすることによりコントロールできる。
そして、本発明では配管肉厚方向の温度分布が定常にな
るまでの一定時間加熱しており、この加熱時間は温度拡
散係数と板厚とから次の関係式によって求めることがで
きる。
2 τ〉−X O,7 t:板厚、a:温度拡散係数、τ:加熱時間従って加熱
時間は配管系の熱処理対象部に応じて容易に設定でき、
発生させる残留応力をコントロールすることができる。
尚、ここにおいても配管系内部を冷却する冷却部材を滞
留させるようにすれば、冷却部材の温度変化により加熱
温度も安定せず、従って上記定常化に至る加熱時間の制
御は不安定であって実際上不可能である。
また他の実施例として、腐食因子が管外面に存在するよ
うなプラントの場合は管の内面を加熱し、外面を冷却す
ることによって、第1の実施例とは逆に管外面に圧縮の
応力を残留させることもできるし、腐食因子が管内・外
共に存在する場合には管自体に通電し、管内・外面を冷
却すればよい。
要するに本発明によれば腐食因子が存在する側に圧縮の
応力を残留させることができる。
次に上記実施例を確認するために行なった実験例を示す
実験方法は第5図に示すものと同様のL字状の円管(3
04ステンレス鋼管の直管とエルボ管を溶接接合したも
の)を用い、測定する位置の管外周面に高周波加熱装置
の加熱コイルを巻き付け、管内部に連続通水して管内面
を冷却しながら加熱コイルに所定時間通電した。
測定位置は第5図中のAとBの2位置でそれぞれ管内周
方向に沿って複数個所測定した。
尚、本実験では8位置は直管と直管とが溶接接合された
溶接部になっている。
高周波加熱装置による加熱条件は表1に示す通りである
この実験結果を前述した従来の結果と比較すべく第6図
及び第7図に実線で示す。
図から明らかなようにすべての測定点で残留圧縮応力が
発生している。
このように、本発明による熱処理方法によれば所望の場
所に確実に残留圧縮応力を得ることができ、その信頼性
は従来のものに比べて格段に優れている。
なお、配管組立時の溶接入熱によって残留した応力が配
管系全体に分布している場合があり、配管系全体に亘っ
て応力改善する必要がある場合でも本発明による実施が
可能である。
本発明は前述のとおり、配管の腐食因子が存在しない方
の一面を変態温度より低く加熱すると共に、該配管の他
の一面に冷却材を連続的に流し、前記配管の内・外面に
大きな温度差(降伏点を越える熱応力が発生するのに必
要な温度差)を与え、それによって配管の腐食因子が存
在する側の面に残留圧縮応力を発生させようとするもの
であるから、配管系組み立てのときに溶接入熱によって
発生する残留引張応力を必要に応じて改善子ることがで
きるので、腐食性流体が存在しても応力腐食割れ等の配
管損傷を回避することができると共に、管径の小さいも
のや長尺のものにも適用できる。
また上記残留圧縮応力を確実に発生させるには配管内外
面に前記所定の大きさの温度差を付与すること及び配管
肉厚方向の温度分布が好ましい残留圧縮応力が得られる
ように定常化するまでの一定時間加熱を継続することが
不可欠であるが、管表面を冷却する冷却材が流れの状態
に置かれるから、冷却面の温度分布が均一かつ一定とな
り然もその温度を冷却材供給側で制御できることになっ
て、前記温度差確保、加熱時間の制御が極めて容易とな
り、しかも発生させる応力をコントロールすることがで
きる。
従って、従来の熱応力による残留圧縮応力付与法(加熱
後に冷却する方法)に比べて再現性、信頼性の面で格段
に優れている。
また、プラント等の運転後に配管が劣化したような個所
を補修した後にも適用できるという従来にない優れた効
果を有している。
更には、加熱により相変態を伴なわない例えばオーステ
ナイト系ステンレス管等の腐食条件下で有用な管材にも
適用できる等極めて実用効果の大きいものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例をあられした説明図、第2図
は第1図のA=A矢視図、第3図及び第4図は配管内・
外面における応力分布図、第5図は実験に使用した管材
を示す図、第6図及び第1図は測定部の管材周方向の応
力分布図である。 1・・・・・・配管、2・・・・・・加熱装置、計・・
・・・冷却材。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 腐食因子が存在する条件下で使用されるプラント等
    の配管系を熱処理する方法において、前記配管系組立て
    後、該配管系の溶接部近傍の腐食因子が存在する側の一
    面に冷却材を連続的に流すと共に腐食因子が存在しない
    側の一面を変態温度より低い温度でかつ配管系の肉厚方
    向の温度分布が定常化するまでの一定時間加熱して前記
    溶接部近傍の両面間に相異なる方向の降伏点以上の熱応
    力が生じるような大きな温度差を発生させた後、前記溶
    接部近傍を常温に戻すことによって、配管系の溶接部近
    傍の腐食因子が存在する側の面に残留圧縮応力を、腐食
    因子が存在しない側の面に残留引張応力をそれぞれ発生
    させることを特徴とする配管の熱処理方法。
JP51047229A 1976-04-27 1976-04-27 配管の熱処理方法 Expired JPS5817807B2 (ja)

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