JPS5816477B2 - レ−ダ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はレーダの繰返し周期の異なる信号を切換えて
送出するレーダ装置の改良に関する。

一般に、パルスレーダにおいては、パルス送信信号の送
信繰返し周期は、目標物の最大探知距離を電波が往復す
るのに要する時間よりも長くなるように選定される。

これは、パルス送信信号の繰返し周期が最大探知距離を
電波が往復するに要する時間よりも短かくなると２次エ
コー現象が生じ目標の距離情報にあいまいさが生ずると
いう理由によるものである。

一方、パルス送信信号の繰返し周期を短かくすれば、ク
ラッタつまり固定目標の抑圧が容易となり、更にはパル
スヒツト数が多くなって多くの反射エコーが得られ情報
収集率が向上するということから、送信繰返し周期を最
大探知距離を電波が往復するのに要する時間よりも短か
くする方式がある。

そこで、実用に当っては、例えば目標物の距離情報を得
るときには、２次エコー現象が生じないようにするため
パルス送信繰返し周期の長いものを用い、また目標角度
追尾を行なうときには所望特性のフィルタを容易に得て
クラッタ抑圧機能を高めるためパルス送信繰返し周期の
短かいものを用いてそれぞれ文旦に切換えることにより
、目標の距離追尾及び角度追尾を行う。

しかし、送信繰返し周期を短かくした場合は、その繰返
し周期の整数倍に相当する各距離地点に反射エコーがあ
った場合、目標物を検出できない盲点が生じる。

また、各繰返し周期以後の短かい区間は近距離のクラッ
タが多いのでその区間内に高次の目標反射信号が入りこ
んだ場合には目標検出率が劣る欠点がある。

そこで従来はそのような距離方向の盲点並びに目標検出
率の劣化を避けるため、送信繰返し周期の短かい送信信
号を２種類用意しこれを切換え使用していた。

以下、従来のレーダ装置を第１図により説明すると、信
号源１からはまず送信繰返し周期が最大探知距離よりも
長い第１の送信繰返し周波数信号ｆ１と、送信繰返し周
期が最大探知距離よりも短かい２種類の第２および第３
の送信繰返し周波数信号ｆ２およびｆ３を導出する。

そこで、第１の送信繰返し周波数信号ｆ１は直接的に時
間ゲート回路２に、また第２、第３の送信繰返し周波数
信号ｆ２．ｆ３は信号切換器３でいずれか一方が選択切
換えられて前記時間ゲート回路２からは、第１の送信繰
返し周波数信号ｆ１または第２、第３の送信繰返し周波
数信号ｆ２．ｆ３のうちいずれかを、ゲート信号発生器
４からのゲート信号によって切換え制御されてレーダ送
信機５に供給される。

レーダ送信機５は時間ゲート回路２からの送信繰返し周
波数信号を受けて、この信号に基づくレーダ送信信号が
生成され、送受切換器６、空中線７を介して空間に放射
される。

目標物からのレーダ反射波は、空中線７、送受切換器６
を介して受信切換器８に供給される。

受信切換器８は前記ゲート信号発生器４からのゲート信
号を受けて前記時間ゲート回路２と対応した切換動作を
行なうもので、第１の送信繰返し周波数信号ｆ１が選択
されているときには距離追尾受信機９へ、第２または第
３の送信周波数信号ｆ２またはｆ３のときは角度追尾受
信機１０へそれぞれ受信信号を切換供給する。

距離追尾受信機９はレーダ反射波を受信し目標と物まで
の距離情報を得てゲート変換器１１に供給する。

ゲート変換器１１は距離追尾受信機９からの目標物まで
の距離情報と信号切換器３からの第２または第３の送信
繰返し周波数信号ｆ２またはｆ３：とを導入し、前記距
離情報を第２または第３の送信繰返し周波数信号ｆ２ま
たはｆ３における最新の繰返し信号に対する目標距離情
報に変換して変換距離情報を出力する。

この変換距離情報は、目標反射信号受信時刻とこの時刻
より前でかつこの・時刻に最も近い送信繰返し周波数信
号ｆ２またはｆ３の導出時刻との時間差を表わすもので
あり、判定回路１２およびゲート記憶器１３に供給され
る。

判定回路１２はゲート変換器１１からの信号を受は前記
変換距離情報が所定値内の小さい値であるかどうか、即
ち目標反射信号とこれ以前の最新の送信繰返し信号との
時間差が所定値内にあるかどうかを判定し、所定値内に
あるとき他の送信繰返し周波数信号に切換えるべく切換
制御信号を信号切換器に供給する。

このことは、仮に信号切換器３からその繰返し信号が導
出されても、高次の目標反射信号は各繰返し信号のクラ
ッタ内に埋れてしまい明瞭に目標反射信号をとらえ難く
なるからである。

一方、ゲート変換器１１からの出力はゲート記憶器１３
に供給される。

ゲート記憶器１３は、目標反射信号受信時刻とこの時刻
より前でかつこの時刻に最も近い送信繰返し信号ｆ２ま
たはｆ３の導出時刻との時間差（変換距離情報）を記憶
し、受信信号の角度追尾受信機１０への供給時に、送信
繰返し信号ｆ２またはｆ３と同期しかつ送信繰返し信号
ｆ２またはｆ３とは上記した時間差を有したゲート信号
を送信繰返し信号ｆ２またはｆ３の送信繰返し毎に角度
追尾受信機１０に供給する。

つまり、このゲート信号は、送信繰返し信号ｆ２または
ｆ３のパルス送出時刻よりも上記した時間差だけ遅延さ
れて角度追尾受信機１０に供給される。

これにより、角度追尾受信機１０では受信信号に対し目
標反射信号受信時刻にタイミングを合わせてゲートをか
けることができる。

したがって、角度追尾受信機１０はこのゲート信号によ
り受信信号中から目標反射信号のみを抽出することがで
きる。

角度追尾受信機１０の出力信号はドプラ波検出用のフィ
ルタ１４を介して、空中線制御器１５に供給され、空中
線７が目標物の方位方向を指向するよう制御される。

従って、上記構成のレーダ方式は時間ゲート回路２にお
いて、第２図に示すように、第１の送信繰返し周波数信
号ｆ１が選択される時間ｔ１と第２または第３の送信繰
返し周波数信号が選択される時間ｔ２／３とが切換えら
れ、距離追尾と角度追尾が交互に行なわれる構成をなす
ものであるが第２または第３の送信繰返し周波数信号ｆ
２またはｆ３の信号切換は必ずしも最適に行なわれない
欠点がある。

即ち、第３図に示すように、第２および第３の送信繰返
し周波数信号（ｆ２およびｆ３）をそれぞれ第３図ａ、
ｂに示す。

説明の都合上、第１、第２の送信繰返し周波数信号ｆ１
およびｆ２はそれぞれｆ２１１ ｆ３１において同期し
ているものとして図示しであるが、勿論これらは互いに
非同期状態でもよい。

そこで、上記ｆ２１ ｅ ｆ３１の信号に着目し、この
ｆ２□、ｆ３１により得られる高次エコーのみを第３図
Ｃに示す。

第３図において、第２の送信繰返し周波数信号ｆ２が選
択されているときの目標反射信号例を２次エコー（Ｔ２
１− Ｔ２２ ）、４次エコー（Ｔ２３ ）とし、第３
の送信繰返し周波数信号ｆ３が選択されているときの目
標反射信号を４次工’：：Ｊ （’ｌ’ ３ｓ 。

Ｔａ２）とそれぞれ仮定して示す。

そこで、選択された各送信繰返し周波数信号においては
送信パルス近傍のクラッタ領域での受信を避けるために
、それぞれ初期領域ｒを設定し、この領域１以内に目標
反射信号つまり高次エコーＴ２１．Ｔ２□ｌ Ｔ２３
＋ ’Ｉ’ｓｔ Ｉ Ｔａ２が得られるとすれば互いに
他の送信繰返し周波数信号に切換える。

そこで第３図から明らかなように、各目標反射信号のう
ちＴ２１ ｔ ’ｒ３□は確かに送信繰返し周波数信号
を切換えることによって領域ｒから脱し得るが、Ｔ２□
、Ｔ３□は依然領域ｒ内にあり、しかもより送信パルス
（ｆ３２ ｓ ｆ２ｓ ）方向に近づくことから目標検
出率はさらに悪化し不都合である。

特にＴａ２はｆ２５と重畳し全く検出不可能となる。

またＴ２３は最新の繰返し信号ｆ２４に対して領域ｒ外
の距離１１の位置にあるので送信繰返し周波数信号は伺
ら切換えられないが、この場合には逆に、信号を他方に
切換えた方がその最新の繰返し信号ｆ２３に対し距離Ａ
２（１２＞１．、 ）となり、クラッタの影響をより少
なくすることができ好都合である。

このように従来のレーダ装置は必ずしも最適な送信繰返
し周期を選択するとは限らず実用上問題があった。

そこで、本発明は上記のような実情からなされたもので
、常に最適な送信繰返し周期を選択し得るレーダ装置を
提供することを目的とするものである。

以下、・本発明によるレーダ装置の一実施例を第４図な
いし第５図を参照して以下詳細に説明する。

第４図は本発明によるレーダ装置の一実施例を示す構成
図で第１図と同一構成には同一符号を付して詳細な説明
を省略する。

即ち、信号源１からの繰返し周波数信号のうち第１の繰
返し周波数信号ｆ１は時間ゲート回路２に第２、第３の
繰返し周波数信号ｆ２．ｆ３は信号切換器３で選択切換
えられた後前記時間ゲート回路２に供給される。

時間ゲート回路２出力はレーダ送信機５、送受切換器６
、空中線Ｔをそれぞれ介して空間に放射され、目標物か
らの反射信号は空中線７、送受切換器６を介して受信切
換器８に供給される。

受信切換器８は前記時間ゲート回路２と共にゲート信号
発生器４からの信号供給を受け、送信繰返えし周波数信
号に対応して受信信号を切換え、距離追尾受信機９、角
度追尾受信機１０にそれぞれ供給する。

距離追尾受信機９出力は比較回路１６に供給される。

比較回路１６は前記第２、第３の送信繰返し周波数信号
ｆ２．ｆ３に対応して設けた第１、第２ゲート変換器１
６１，１６２と比較器１６３とから構成される装 即ち、距離追尾受信機９からの目標反射信号はそれぞれ
分岐されて、第１および第２ゲート変換器１６１．１６
２に供給される。

第１および第２ゲート変換器１６１，１６２にはそれぞ
れ信号源１からの第２、第３の送信繰返し周波数信号ｆ
２゜ｆ３が供給され、これら送信繰返し周波数信号ｆ２
．ｆ３に対する目標反射信号の距離情報を導出する。

このゲート変換器１６１，１６２それぞれは例えばカウ
ンタで構成することができる。

距離追尾受信機９からの目標距離情報は第１の送信繰返
し周波数ｆ１に対する目標反射波の受信までの時間情報
であるから、ｆｌのタイミングをカウンタのカウントス
タート信号として以後計数し、目標反射波の受信時をカ
ウンタのカウントストップ時とする中で、信号源１から
の信号をカウンタリセット信号とする。

この結果、各ゲート変換器１６１．１６２では目標反射
波の受信信号によってストップされたときのカウンタ計
数値が、目標反射波の到来時刻とこの時刻より前でかつ
この時刻に最も近い各送信繰返し周波数信号ｆ２．ｆ３
の送出時刻との時間差を示す。

このようにして得られた各送信繰返し周波数信号ｆ２．
ｆ３と目標反射信号との時間差関係は比較器１６３に供
給され、前記時間差が長い方の信号に対応する周波数信
号を前記信号切換器３が選択するように制御信号を導出
する。

上記比較回路１６の作動を第５図を参照して更に説明す
るに、第３図と同様に第２および第３の送信繰返し周波
数信号ｆ２およびｆ３をそれぞれ第５図ａ、ｂとし、基
準時刻（ｆ２□ｔ ｆｓｌ）に対する目標反射信号が得
られるタイミングを第５図Ｃに示す。

第５図Ｃに示す各目標反射信号Ｔ１．Ｔ２．Ｔ３゜Ｔ、
、 Ｔ、から得られる送信繰返し周波数信号ｆ１に基
づく距離情報それぞれは、各ゲート変換器１６１．１６
２により送信繰返し周波数信号ｆ２゜ｆ３に基づく距離
情報、すなわち送信繰返し周波数信号ｆ２．ｆ３の繰返
し信号に対する時間差情報に変換される。

比較器１６３は、送信繰返し周波数信号ｆ２．ｆ３に対
して得られた各時間差情報を比較し、時間差の大きい方
の送信繰返し周波数信号を選択するよう信号切換器３に
信号出力する。

例えば目標反射信号Ｔ３（ｆ２．ｆ３に対して２次エコ
ー）がいずれの送信繰返し周波数信号ｆ２゜ｆ３に対し
ても近傍クラッタ領域にあるものとし、各信号ｆ２．ｆ
３の最新の繰返し信号に対応する時間差がそれぞれＴ
ｆｚ ｒ Ｔ ｆｓとすれば、明瞭にＴｆ２〉Ｔｆ３で
あるから第５図ｄに示すように時間差の多いｆ２を選択
する。

このように本発明のレーダ装置は比較回路１６を設けた
結果、常に時間差の多い方の送信繰返し：周波数信号を
選択することができる。

つまり目標反射信号Ｔ２．Ｔ５はｆ３を、Ｔ３． Ｔ４
はｆ２を選択し、目標反射信号受信時刻とこの受信時刻
以前でかつこの受信時刻に最も近い繰返し信号導出時刻
との時間差が等しい場合はｆ２．ｆ３のいずれを選択し
てもよい。

このことは、信号切換器３で選択される送信繰返し周波
数信号は常に前記時間差の多い方、即ち送信信号付近の
クラッタの影響が少ない方を選択するので、最適な目標
検出状態となり目標検出率は一段と向上する。

次に、比較器１６３の出力は第１図と同様にゲート記憶
器１３に供給され、目標反射信号の抽出用ゲート信号を
角度追尾受信機１０に供給する。

従って、ゲート信号発生器４からの出力タイミングに応
じて得られた角度追尾受信機１０出力信号はフィルタ１
４に供給され移動目標信号を抽出し、その角度情報をも
とに空中線制御器１５を制御する。

なお、本実施例においては信号源１から信号切換器３に
供給される送信繰返し周波数信号を２種類として説明し
たが、３種類以上でもよい。

その場合ゲート変換器の数もこれに対応して増加する。

本発明のレーダ装置は以上のように比較回路を備え互い
に繰返し周期の異なる繰返し信号が導入され目標反射信
号の受信時刻とこの受信時刻前でかつこの受信時刻に最
も近い繰返し信号導出時刻との各時間差を比較して最適
な繰返し信号を選択できるように構成したので、目標物
の検出確率が一段と向上でき実用上の効果は太きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のレーダ装置の構成を示す構成図、第２図
ないし第３図は第１図に示す装置の動作を説明するため
のタイミング図、第４図は本発明によるレーダ装置の一
実施例を示す構成図、第５図は第４図に示す装置のタイ
ミング図である。 １・・・・・信号源、３・・−・・信号切換器、５・・
・・・・レーダ送信機、６・・・・・・送受切換器、７
・・・・・・空中線、９・・・・・・距離追尾受信機、
１６・・・・・・比較回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 所定繰返し周期の第１の繰返し信号及びこの所定繰
   返し周期よりは短くかつ互いに異なる周期の少なくとも
   第３、第３の繰返し信号を発生する信号源と、前記少な
   くとも第２、第３の繰返し信号が供給され外部からの切
   換信号により前記少なくとも第２、第３の繰返し信号の
   うちひとつを選択切換え出力する信号切換器と、この信
   号切換器の出力信号及び前記第１の繰返し信号が供給さ
   れ前記信号切換器の出力信号と前記第１の繰返し信号を
   交互に出力する出段と、この手段からの繰返し信号に対
   応したレーダ送信信号を導出するレーダ送信機と、この
   レーダ送信機に接続された送受切換器と、この送受切換
   器に接続され前記レーダ送信機からのレーダ送信信号を
   放射する空中線と、この空中線および前記送受切換器を
   それぞれ順次弁して得られる目標反射信号を受信し目標
   の距離情報を得る第１の受信機と、前記目標反射信号を
   受信し目標角度情報を得る第２の受信機と、この第２の
   受信機の出力信号が供給され前記空中線を目標方向に指
   向させる空中線制御器と、前記第１、第２の受信機と前
   記送受切換器との間に接続され前記送受切換器からの信
   号を前記レーダ送信信号が前記第１の繰返し信号に対応
   する場合は前記第１の受信機に供給し、前記レーダ送信
   信号が前記信号切換器出力に対応する場合は前記第２の
   受信；機に供給する受信切換器と、前記第１の受信機に
   接続され目標反射情報が供給されるとともに前記少なく
   とも第２、第３の繰返し信号が導入され目標反射情報の
   受信時刻とこの受信時刻前でかつこの受信時刻に最も近
   い繰返し信号導出時刻との各時間差を比較して前記信号
   切換器において前記時間差の大きい方の繰返し信号を選
   択するよう前記切換信号を出力する比較回路と、この比
   較回路から前記時間差の大きい方の時間差情報が供給さ
   れ前記信号切換器出力に対応したレーダ送信信号と・同
   期しかつこのレーダ送信信号とは前記時間差情報の時間
   間隔を有したゲート信号を発生して前記第２の受信機に
   供給するゲート記憶器とを具備するレーダ装置。