JPH1198952A - 油脂含有食品及びその製造方法 - Google Patents
油脂含有食品及びその製造方法Info
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- JPH1198952A JPH1198952A JP9263438A JP26343897A JPH1198952A JP H1198952 A JPH1198952 A JP H1198952A JP 9263438 A JP9263438 A JP 9263438A JP 26343897 A JP26343897 A JP 26343897A JP H1198952 A JPH1198952 A JP H1198952A
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- Japan
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- fat
- oil
- triglyceride
- fatty acid
- sus
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Abstract
(57)【要約】
【課題】チョコレート類,クリーム類等の油脂含有食品
において、油脂の吸収率を抑制する事により、低カロリ
ー食品を提供する事を目的とする。 【解決手段】油脂中に中鎖脂肪酸トリグリセリドを10
〜70%(重量基準、以下同じ)及びSUS型トリグリ
セリドを30〜80%含有する事を特徴とする、油脂含
有食品、及びその製造方法。但し、S:C14〜24の
飽和脂肪酸,U:不飽和脂肪酸,中鎖脂肪酸:C6〜C
10の飽和脂肪酸。
において、油脂の吸収率を抑制する事により、低カロリ
ー食品を提供する事を目的とする。 【解決手段】油脂中に中鎖脂肪酸トリグリセリドを10
〜70%(重量基準、以下同じ)及びSUS型トリグリ
セリドを30〜80%含有する事を特徴とする、油脂含
有食品、及びその製造方法。但し、S:C14〜24の
飽和脂肪酸,U:不飽和脂肪酸,中鎖脂肪酸:C6〜C
10の飽和脂肪酸。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油脂含有食品及びその
製造方法に関し、詳しくは油脂の吸収性を抑制した低カ
ロリーな油脂含有食品及びその製造方法に関する。
製造方法に関し、詳しくは油脂の吸収性を抑制した低カ
ロリーな油脂含有食品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、日本では食生活の飽和化及び欧米
化が進むなかで、平成6年度の国民栄養調査でも欧米諸
国には及ばないが、油脂の摂取エネルギー比率は25%
を越え(25.8%)微増を続けている。また、この傾
向は大都市部及び若年層において顕著であり、今後、油
脂摂取量の抑制及び低カロリー化が求められる事が予想
される。
化が進むなかで、平成6年度の国民栄養調査でも欧米諸
国には及ばないが、油脂の摂取エネルギー比率は25%
を越え(25.8%)微増を続けている。また、この傾
向は大都市部及び若年層において顕著であり、今後、油
脂摂取量の抑制及び低カロリー化が求められる事が予想
される。
【0003】この様な背景より、油脂を含有した食品に
おいて油脂含有量を低減してカロリーを低下させた油脂
含有食品、例えばファットスプレッドや低油分マヨネー
ズ等が市場に出回っているが、油脂含有量の低下により
美味しさやコクが低減される傾向が有る。
おいて油脂含有量を低減してカロリーを低下させた油脂
含有食品、例えばファットスプレッドや低油分マヨネー
ズ等が市場に出回っているが、油脂含有量の低下により
美味しさやコクが低減される傾向が有る。
【0004】一方、油脂の吸収率を低減させる目的とし
て、SUS型トリグリセリドとカルシウム塩を組み合わ
せる方法がチョコレート類にて提案されているが(特公
平7−108188号)、これはクリーム等の水中油型
乳化物の用途では乳化破壊を起こし易く、マーガリン等
の油中水型乳化物の用途では硬くなりすぎる傾向が顕著
な為、実際にはチョコレートの用途に限られるものであ
る。
て、SUS型トリグリセリドとカルシウム塩を組み合わ
せる方法がチョコレート類にて提案されているが(特公
平7−108188号)、これはクリーム等の水中油型
乳化物の用途では乳化破壊を起こし易く、マーガリン等
の油中水型乳化物の用途では硬くなりすぎる傾向が顕著
な為、実際にはチョコレートの用途に限られるものであ
る。
【0005】また、油脂自体を低吸収化させる方法とし
て、長鎖脂肪酸と中鎖または短鎖をを含有した新規なト
リグリセリドを合成する方法が提案されているが(特表
平6−506106号,特開平2−1799号)、風味
や耐ブルーム性等の問題について欠点があるのが現状で
ある。
て、長鎖脂肪酸と中鎖または短鎖をを含有した新規なト
リグリセリドを合成する方法が提案されているが(特表
平6−506106号,特開平2−1799号)、風味
や耐ブルーム性等の問題について欠点があるのが現状で
ある。
【0006】一方、全く別のアプローチとして、低吸収
性油脂として、トリグリセリド成分ではない、糖類と脂
肪酸のエステル化物が提案されているが(米国特許第3
600186号,特表平6−503230号)、安全性
等の問題により広範囲への実用化には到っていないのが
現状である。
性油脂として、トリグリセリド成分ではない、糖類と脂
肪酸のエステル化物が提案されているが(米国特許第3
600186号,特表平6−503230号)、安全性
等の問題により広範囲への実用化には到っていないのが
現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本研究者らは
かかる問題に鑑み、チョコレートに限らず広く油脂含有
食品に用いる事が可能であり、美味しくて尚且つ低カロ
リーな油脂含有食品を得る事を目的とした。
かかる問題に鑑み、チョコレートに限らず広く油脂含有
食品に用いる事が可能であり、美味しくて尚且つ低カロ
リーな油脂含有食品を得る事を目的とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、各種用途に適当な物理性状を得る方法とし
て、中鎖脂肪酸トリグリセリドとSUS型トリグリセリ
ドを組み合わせる事で硬さ及び物性の調整を実施し、尚
且つ、カルシウム塩を組み合わせる事により、風味及び
物性を損なうことなく低カロリー化を実現できる事を見
出し、本発明を完成するに至った。
した結果、各種用途に適当な物理性状を得る方法とし
て、中鎖脂肪酸トリグリセリドとSUS型トリグリセリ
ドを組み合わせる事で硬さ及び物性の調整を実施し、尚
且つ、カルシウム塩を組み合わせる事により、風味及び
物性を損なうことなく低カロリー化を実現できる事を見
出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、油脂中に中鎖脂肪酸トリ
グリセリドを10〜70%(重量基準、以下同じ)及び
SUS型トリグリセリドを30〜80%含有する事を特
徴とする油脂含有食品、及び、油脂成分として、油脂中
に中鎖脂肪酸トリグリセリドを10〜70%及びSUS
型トリグリセリドを30〜80%含有する油脂を使用す
る事を特徴とする油脂含有食品の製造方法、を骨子とす
るものである。但し、S:C14〜24の飽和脂肪酸,
U:不飽和脂肪酸,中鎖脂肪酸:C6〜C10の飽和脂
肪酸。
グリセリドを10〜70%(重量基準、以下同じ)及び
SUS型トリグリセリドを30〜80%含有する事を特
徴とする油脂含有食品、及び、油脂成分として、油脂中
に中鎖脂肪酸トリグリセリドを10〜70%及びSUS
型トリグリセリドを30〜80%含有する油脂を使用す
る事を特徴とする油脂含有食品の製造方法、を骨子とす
るものである。但し、S:C14〜24の飽和脂肪酸,
U:不飽和脂肪酸,中鎖脂肪酸:C6〜C10の飽和脂
肪酸。
【0010】以下、この発明について具体的に説明す
る。油脂が体内において消化吸収される機構は、長鎖脂
肪酸トリグリセリドと中鎖脂肪酸トリグリセリドでは異
なる事が知られており、長鎖脂肪酸トリグリセリドの場
合は腸内にて膵臓リパーゼによる分解を受け、2位の脂
肪酸基は結合したモノグリセリドと遊離脂肪酸になり、
体内に吸収される。この場合、SUS型トリグリセリド
を含む油脂を食すると、上述に如く、1,3位に結合し
た飽和脂肪酸基が遊離し、遊離の飽和脂肪酸となって体
内に消化吸収される。
る。油脂が体内において消化吸収される機構は、長鎖脂
肪酸トリグリセリドと中鎖脂肪酸トリグリセリドでは異
なる事が知られており、長鎖脂肪酸トリグリセリドの場
合は腸内にて膵臓リパーゼによる分解を受け、2位の脂
肪酸基は結合したモノグリセリドと遊離脂肪酸になり、
体内に吸収される。この場合、SUS型トリグリセリド
を含む油脂を食すると、上述に如く、1,3位に結合し
た飽和脂肪酸基が遊離し、遊離の飽和脂肪酸となって体
内に消化吸収される。
【0011】ところが、ここにカルシウムイオンが存在
すると、当該脂肪酸の飽和脂肪酸とカルシウムイオンが
反応して脂肪酸のカルシウム塩を生成し、このカルシウ
ム塩が吸収されることなく体外に***される事を見出し
ている。しかし、この場合、SUS型トリグリセリドと
液状油(通常のサラダ油等)が少なからず混在している
と、カルシウムイオンが存在しても、SUS型トリグリ
セリドの飽和脂肪酸とカルシウム塩の生成効率が低下す
る為に体内への吸収率が上昇する事が判っている。従っ
て、SUS型トリグリセリドの吸収率を低く抑制する為
には従来技術では高SUS型トリグリセリドの比率を保
つ必要があり、チョコレート以外の用途では用いられな
いのが現状である。
すると、当該脂肪酸の飽和脂肪酸とカルシウムイオンが
反応して脂肪酸のカルシウム塩を生成し、このカルシウ
ム塩が吸収されることなく体外に***される事を見出し
ている。しかし、この場合、SUS型トリグリセリドと
液状油(通常のサラダ油等)が少なからず混在している
と、カルシウムイオンが存在しても、SUS型トリグリ
セリドの飽和脂肪酸とカルシウム塩の生成効率が低下す
る為に体内への吸収率が上昇する事が判っている。従っ
て、SUS型トリグリセリドの吸収率を低く抑制する為
には従来技術では高SUS型トリグリセリドの比率を保
つ必要があり、チョコレート以外の用途では用いられな
いのが現状である。
【0012】一方、中鎖脂肪酸トリグリセリドは、腸内
での加水分解及び吸収が極めて早い事が判っており、膵
臓リパーゼが不足する場合にはトリグリセリドの状態で
も直接吸収される事が見出されており、長鎖脂肪酸トリ
グリセリドの吸収と全く異なるものである。従って、中
鎖脂肪酸トリグリセリドとSUSトリグリセリドが腸内
にて混在した状態の場合、中鎖脂肪酸トリグリセリドが
より早く分解、吸収される事でSUSが濃縮される為、
SUSの飽和脂肪酸とカルシウムイオンが効率よく塩を
形成することになり、効率良く体外へ***されるものと
考えられる。
での加水分解及び吸収が極めて早い事が判っており、膵
臓リパーゼが不足する場合にはトリグリセリドの状態で
も直接吸収される事が見出されており、長鎖脂肪酸トリ
グリセリドの吸収と全く異なるものである。従って、中
鎖脂肪酸トリグリセリドとSUSトリグリセリドが腸内
にて混在した状態の場合、中鎖脂肪酸トリグリセリドが
より早く分解、吸収される事でSUSが濃縮される為、
SUSの飽和脂肪酸とカルシウムイオンが効率よく塩を
形成することになり、効率良く体外へ***されるものと
考えられる。
【0013】本発明において、油脂含有食品としては、
チョコレート又はセンタークリーム等の油脂ベースの食
品,クリーム又はアイスクリーム等の様なO/W型の乳
化物,マーガリン等のW/O型の乳化物、フライ又はス
プレー等により油脂を含有させた食品を始め、油脂を含
有した各種食品が例示できる。これらの油脂含有食品
は、油脂及びカルシウム塩を配合、添加する以外は通常
の方法にて製造すればよい。
チョコレート又はセンタークリーム等の油脂ベースの食
品,クリーム又はアイスクリーム等の様なO/W型の乳
化物,マーガリン等のW/O型の乳化物、フライ又はス
プレー等により油脂を含有させた食品を始め、油脂を含
有した各種食品が例示できる。これらの油脂含有食品
は、油脂及びカルシウム塩を配合、添加する以外は通常
の方法にて製造すればよい。
【0014】本発明における中鎖脂肪酸トリグリセリド
は、C6〜C10の脂肪酸を主成分とするトリグリセリ
ドを指し、パーム核油やヤシ油よりの中鎖脂肪酸をトリ
グリセリドに再合成したものが例示できるが、その割合
は油脂中10〜70%が必要である。中鎖脂肪酸トリグ
リセリドが10%未満では物性、食感の面での改良が乏
しく、70%を越えると低カロリー、低吸収としての効
果が小さいものとなる。
は、C6〜C10の脂肪酸を主成分とするトリグリセリ
ドを指し、パーム核油やヤシ油よりの中鎖脂肪酸をトリ
グリセリドに再合成したものが例示できるが、その割合
は油脂中10〜70%が必要である。中鎖脂肪酸トリグ
リセリドが10%未満では物性、食感の面での改良が乏
しく、70%を越えると低カロリー、低吸収としての効
果が小さいものとなる。
【0015】本発明におけるSUS型トリグリセリド
は、ココアバター、パーム油、シア脂、イリッペ脂等の
天然原料及び酵素等を用いたエステル交換技術により合
成された油脂、それらの分画油由来のものが例示できる
が、その割合は油脂中80〜30%が必要であり、80
%以上では物性、食感面での改良が乏しく、30%以下
では低カロリー、低吸収としての効果が小さいものとな
る。なお、本発明においは中鎖脂肪酸トリグリセリドと
SUS型トリグリセリド以外の他のトリグリセリドが少
量、例えば20%以下の割合で含まれていてもよい。
は、ココアバター、パーム油、シア脂、イリッペ脂等の
天然原料及び酵素等を用いたエステル交換技術により合
成された油脂、それらの分画油由来のものが例示できる
が、その割合は油脂中80〜30%が必要であり、80
%以上では物性、食感面での改良が乏しく、30%以下
では低カロリー、低吸収としての効果が小さいものとな
る。なお、本発明においは中鎖脂肪酸トリグリセリドと
SUS型トリグリセリド以外の他のトリグリセリドが少
量、例えば20%以下の割合で含まれていてもよい。
【0016】本発明におけるカルシウム塩としては、炭
酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、リン酸カルシウ
ム、乳清カルシウム、卵殻カルシウム、骨粉、魚粉等が
例示でき、SUS型トリグリセリド1モルに対し、カル
シウム分として0.5モル以上が必要であり、それ未満
ではカロリー低下効果が小さい。上限は特に限定するも
のではないが、余り多量使用すると風味に悪影響を及ぼ
すようになるので実験的に確かめた上で、適宜、決定す
るのが好ましい。概ね、10モル以下,好ましくは5モ
ル以下、さらに好ましくは2モル以下が適当である。
酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、リン酸カルシウ
ム、乳清カルシウム、卵殻カルシウム、骨粉、魚粉等が
例示でき、SUS型トリグリセリド1モルに対し、カル
シウム分として0.5モル以上が必要であり、それ未満
ではカロリー低下効果が小さい。上限は特に限定するも
のではないが、余り多量使用すると風味に悪影響を及ぼ
すようになるので実験的に確かめた上で、適宜、決定す
るのが好ましい。概ね、10モル以下,好ましくは5モ
ル以下、さらに好ましくは2モル以下が適当である。
【0017】以下、中鎖脂肪酸トリグリセリド(以下、
MCTということがある)とSUS型トリグリセリド及
びカルシウム塩を用いた場合の脂肪吸収特性をラットを
用いて確認を行った。
MCTということがある)とSUS型トリグリセリド及
びカルシウム塩を用いた場合の脂肪吸収特性をラットを
用いて確認を行った。
【0018】試験例 試験方法:市販固形食(「オリエンタルCRF−1」オ
リエンタル酵母工業(株))により1週間予備飼育を行
った5週齢のSD系雄ラット(体重120〜140g)
を、各群6匹に群分けし、表−1に示す高油分試験食を
与え、温度23℃±1℃、湿度55%±5%、明暗サイ
クル12時間(7:00−19:00)で1週間飼育し
た。この時各試験群について油脂の吸収率を測定し表−
3に示した。尚、試験群はMCT/SUS(20/8
0),MCT/SUS(40/60)MCT/SUS
(60/40)の油脂群についてCa有り、無しの計6
群を用いた。また、カルシウム塩としては、等モルの炭
酸カルシウムを用いた。一方、MCTは、C8純度95
%のC8トリグリセリド(Unichema社製)を用
いた。
リエンタル酵母工業(株))により1週間予備飼育を行
った5週齢のSD系雄ラット(体重120〜140g)
を、各群6匹に群分けし、表−1に示す高油分試験食を
与え、温度23℃±1℃、湿度55%±5%、明暗サイ
クル12時間(7:00−19:00)で1週間飼育し
た。この時各試験群について油脂の吸収率を測定し表−
3に示した。尚、試験群はMCT/SUS(20/8
0),MCT/SUS(40/60)MCT/SUS
(60/40)の油脂群についてCa有り、無しの計6
群を用いた。また、カルシウム塩としては、等モルの炭
酸カルシウムを用いた。一方、MCTは、C8純度95
%のC8トリグリセリド(Unichema社製)を用
いた。
【0019】SUS油脂の調整 高オレイン酸ヒマワリ油とステアリン酸エチルを混合し
た後、1,3位選択性のあるリパーゼを用いてエステル
交換を行い、反応油を得た。この反応油よりエチルエス
テルを蒸留により留去し、アセトンを用いて溶剤分別を
行い、SUS成分約87%(SOS/66.4%,PO
S/12.0%,SLS/8.5%)の中融点部分(S
US油脂(1) )を得た。
た後、1,3位選択性のあるリパーゼを用いてエステル
交換を行い、反応油を得た。この反応油よりエチルエス
テルを蒸留により留去し、アセトンを用いて溶剤分別を
行い、SUS成分約87%(SOS/66.4%,PO
S/12.0%,SLS/8.5%)の中融点部分(S
US油脂(1) )を得た。
【0020】 表−1〔試験食組成〕 ───────────────────────────── 原料 Ca無し Ca有り ───────────────────────────── カゼイン末 *1 20.0 % 20.0 % DL−Met 0.3 0.3 α−コーンスターチ 15.0 15.0 シュクロース 45.0 44.11 試験油 10.0 10.0 セルロースパウダー 5.0 5.0 ミネラルMix *2 3.5 3.5 ビタミンMix *3 1.0 1.0 重酒石酸コリン 0.2 0.2 炭酸カルシウム ─ 0.89 ─────────────────────────────
【0021】注 *1:ビタミンフリー、粗蛋白85%
以上 *2:試験食中1%に相当する必須脂肪酸を確保する含
有量 *3:AIN(American Institute of Nutrition)
以上 *2:試験食中1%に相当する必須脂肪酸を確保する含
有量 *3:AIN(American Institute of Nutrition)
【0022】 表−2〔試験油脂吸収率〕 ─────────────────────────────── SUS MCT SUS Ca 吸収率 (%) 油脂(1)(%) (%) 含量(%) 油脂全体 ─────────────────────────────── a 80 20 69.6 有り 64.1 b 80 20 69.6 無し 70.7 c 60 40 52.1 有り 72.7 d 60 40 52.1 無し 77.3 e 40 60 34.8 有り 80.5 f 40 60 34.8 無し 83.5 ─────────────────────────────── 液状油(%) G 60 40 52.1 有り 74.6 H 60 40 52.1 無し 81.6 ───────────────────────────────
【0023】表−2に認められるように、SUS型油脂
とMCTを組合せた系にて、油脂の吸収率の低下が確認
された。この効果は、カルシウム添加によりより顕著で
あった。また、SUS型油脂にMCTを配合してもステ
アリン酸の吸収率の上昇を引き起こさない事が確認され
た。MCTの替わりに液状油としてハイオレイックヒマ
ワリ油を使用した場合には、吸収率の上昇が認められ
た。
とMCTを組合せた系にて、油脂の吸収率の低下が確認
された。この効果は、カルシウム添加によりより顕著で
あった。また、SUS型油脂にMCTを配合してもステ
アリン酸の吸収率の上昇を引き起こさない事が確認され
た。MCTの替わりに液状油としてハイオレイックヒマ
ワリ油を使用した場合には、吸収率の上昇が認められ
た。
【0024】
【実施例】以下に実施例及び比較例を例示するが、これ
は例示であって本発明の精神がこれらの例示に限定され
るものではない。なお、例中に示す部は重量基準を意味
する。
は例示であって本発明の精神がこれらの例示に限定され
るものではない。なお、例中に示す部は重量基準を意味
する。
【0025】実施例1及び比較例1 以下の配合にてフィリングクリームを試作し、食感、風
味について検討を行なった。 ──────────────────────────── 実施例1(部) 比較例1(部) ──────────────────────────── 全 粉 乳 15.0 15.0 脱脂粉乳 10.0 10.0 砂 糖 41.0 41.0 SUS油脂(1) 18.0 ─ MCT 12.0 ─ ココアバター ─ 30.0 卵殻カルシウム* 4.0 4.0 ──────────────────────────── レシチン 0.4 0.4 バニリン 0.02 0.02 ──────────────────────────── *カルシウム純度:約34〜38%
味について検討を行なった。 ──────────────────────────── 実施例1(部) 比較例1(部) ──────────────────────────── 全 粉 乳 15.0 15.0 脱脂粉乳 10.0 10.0 砂 糖 41.0 41.0 SUS油脂(1) 18.0 ─ MCT 12.0 ─ ココアバター ─ 30.0 卵殻カルシウム* 4.0 4.0 ──────────────────────────── レシチン 0.4 0.4 バニリン 0.02 0.02 ──────────────────────────── *カルシウム純度:約34〜38%
【0026】上記配合のフィリングクリームを常法によ
り作製し、テンパリング処理を施したのち、焼菓子(シ
ュー)に充填して常法により冷却し、スナック菓子を試
作した。
り作製し、テンパリング処理を施したのち、焼菓子(シ
ュー)に充填して常法により冷却し、スナック菓子を試
作した。
【0027】実施例1及び比較例1のクリームを充填し
たスナック菓子の食感風味を比較したところ、実施例1
は噛み出しが適度に軟らかく良好な口溶けを持つが、比
較例1は噛み出しが硬くゴリゴリとしてスナック菓子と
しては不適であった。
たスナック菓子の食感風味を比較したところ、実施例1
は噛み出しが適度に軟らかく良好な口溶けを持つが、比
較例1は噛み出しが硬くゴリゴリとしてスナック菓子と
しては不適であった。
【0028】実施例2及び比較例2 以下の配合にて冷菓の試作を行なった。 ─────────────────────────────── 実施例2(部) 比較例2(部) ─────────────────────────────── 脱脂粉乳 10.0 10.0 粉末水飴 5.0 5.0 グラニュー糖 13.0 13.0 SUS油脂(1) 4.8 ─ MCT 7.2 ─ ココアバター ─ 13.0 卵殻カルシウム 2.0 2.0 水 58.0 58.0 乳化剤 注1) 0.3 0.3 安定剤 注2) 0.4 0.4 ─────────────────────────────── 注1)エマルジーMS:理研ビタミン(株)製 注2)サンベストNN−305:三栄源(株)製
【0029】上記配合にて常法(混合→予備乳化→均質
化→冷却→エージング→フリージング→ハードニング)
に従い、冷菓を試作したところ、比較例2ではエージン
グ中に乳化破壊を起こしたのに対し、実施例2では乳化
破壊も起こさず、出来た冷菓も食感口溶けが良好なもの
であった。
化→冷却→エージング→フリージング→ハードニング)
に従い、冷菓を試作したところ、比較例2ではエージン
グ中に乳化破壊を起こしたのに対し、実施例2では乳化
破壊も起こさず、出来た冷菓も食感口溶けが良好なもの
であった。
【0030】
【発明の効果】本発明により得られる油脂含有食品は、
油脂の吸収率が低く、低カロリーであり、且つ食感、風
味において良好で嗜好性の高いものであり、非常に意義
深いものである。
油脂の吸収率が低く、低カロリーであり、且つ食感、風
味において良好で嗜好性の高いものであり、非常に意義
深いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松井 正行 茨城県筑波郡谷和原村絹の台4丁目3番地 不二製油株式会社つくば研究開発センタ ー内 (72)発明者 潮田 利夫 茨城県筑波郡谷和原村絹の台4丁目3番地 不二製油株式会社つくば研究開発センタ ー内 (72)発明者 田代 洋一 茨城県筑波郡谷和原村絹の台4丁目3番地 不二製油株式会社つくば研究開発センタ ー内
Claims (4)
- 【請求項1】油脂中に中鎖脂肪酸トリグリセリドを10
〜70%(重量基準、以下同じ)及びSUS型トリグリ
セリドを30〜80%含有する事を特徴とする、油脂含
有食品。但し、S:C14〜24の飽和脂肪酸,U:不
飽和脂肪酸,中鎖脂肪酸:C6〜C10の飽和脂肪酸。 - 【請求項2】SUS型トリグリセリド1モルに対し、
0.5モル以上の割合にてカルシウム塩を含有する、請
求項1記載の油脂含有食品。 - 【請求項3】油脂成分として、油脂中に中鎖脂肪酸トリ
グリセリドを10〜70%及びSUS型トリグリセリド
を30〜80%含有する油脂を使用する事を特徴とす
る、油脂含有食品の製造方法。但し、S:C14〜24
の飽和脂肪酸,U:不飽和脂肪酸,中鎖脂肪酸:C6〜
C10の飽和脂肪酸。 - 【請求項4】SUS型トリグリセリド1モルに対し、
0.5モル以上の割合にてカルシウム塩を配合する事を
特徴とする、請求項3記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9263438A JPH1198952A (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | 油脂含有食品及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9263438A JPH1198952A (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | 油脂含有食品及びその製造方法 |
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