JPH1192608A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH1192608A
JPH1192608A JP27528297A JP27528297A JPH1192608A JP H1192608 A JPH1192608 A JP H1192608A JP 27528297 A JP27528297 A JP 27528297A JP 27528297 A JP27528297 A JP 27528297A JP H1192608 A JPH1192608 A JP H1192608A
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JP
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weight
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vinyl chloride
methyl methacrylate
copolymer
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JP27528297A
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English (en)
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Toshiya Kobayashi
俊哉 小林
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Zeon Kasei Co Ltd
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Zeon Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木質感に富み、建材や家具材に適する塩化ビ
ニル系樹脂成形品を、薄肉でも加工性良く安定に製造で
きる塩化ビニル系脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)塩化ビニル系樹脂100重量部、
(B)メチルメタクリレート単位を60重量%以上含有
し、共重合体のガラス転移点が50〜85℃で、かつ比
粘度が1.5〜4.0であるメチルメタクリレート系共
重合体7〜30重量部、(C)塩素化ポリエチレン樹脂
0.5〜30重量部、(D)熱分解型発泡剤0.1〜3
重量部および(E)平均粒径50〜500μmの木粉2
0〜150重量部を含有してなる塩化ビニル系樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木粉を多量に配合し
た塩化ビニル系樹脂組成物に関する。詳しくは、木質感
に富み、建材や家具材に適する成形品を与えることがで
き、薄肉の成形においても加工性の良い塩化ビニル系樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木材に似た外観や触感を現出する
目的で、塩化ビニル系樹脂に木粉を配合して成形するこ
とがしばしば行われている。しかし、木粉を相当量配合
した塩化ビニル系樹脂組成物は、引張り強さなどの機械
的強度が大幅に低下することや、いまだ天然の木質感が
実現できていない問題を有している。
【0003】木目の明瞭化や加工のし易さを改善するた
め、木粉に加えて尿素樹脂を添加した塩化ビニル系樹脂
組成物が提案されている(特開昭60−42007号公
報、特開昭60−73807号公報、特開昭60−73
808号公報)。また、木粉の他にマイカなどの無機充
填剤と、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
またはABS樹脂を添加した塩化ビニル系樹脂組成物
は、線膨張率が小さく、耐衝撃性および成形性に優れる
ことが開示された(特開昭60−192746号公報、
特開昭60−192747号公報)。しかし、これらに
よっても木粉の均一混合性に欠け、かつ、成形品の木質
感の現出が不十分である。無機粉末やプラスチック粉末
を付着させた木粉をプラスチック加工時に配合すること
によって木粉の均一分散性は大幅に改善されるが(特開
平5−177610号、特開平5−261708号)、
単にこのような木粉を塩化ビニル系樹脂に配合するのみ
では、木質感に富んだ成形品を、殊に薄肉の成形品を押
出成形することは困難であった。即ち、塩化ビニル計樹
脂100重量部あたりの木粉配合量が30〜150重量
部の高木粉部数配合の場合、加えて厚みが0.5〜3.
5mmの薄肉の成形品を押出成形する際に、往々にして
成形機内の樹脂圧が変動して一定の品質の成形品を安定
に製造することが困難であった。そのため、高木粉部数
配合であって薄肉成形品成形時の樹脂圧変動の少ない状
態で製造することのできる、即ち加工性の良い塩化ビニ
ル系樹脂組成物の出現が待たれるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の状況に鑑み、本
発明の目的は、木質感に富んだ、窓枠などの建材や家具
材に適する成形品を与えることができ、薄肉成形品の成
形においても加工性の良い塩化ビニル系樹脂組成物を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に対し、塩化ビニル系樹脂に、木粉とともに、特定の
メチルメタクリレート系共重合体と塩素化ポリエチレン
樹脂を併用して発泡成形することにより上記目的が達成
されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、(A)塩化ビニル
系樹脂100重量部、(B)メチルメタクリレート単位
を60重量%以上含有し、共重合体のガラス転移点が5
0〜85℃で、かつ比粘度が1.5〜4.0であるメチ
ルメタクリレート系共重合体7〜30重量部、(C)塩
素化ポリエチレン樹脂0.5〜30重量部、(D)熱分
解型発泡剤0.1〜3重量部および(E)平均粒径50
〜500μmの木粉20〜150重量部を含有してなる
塩化ビニル系樹脂組成物を提供するものである。上記塩
化ビニル系樹脂組成物は、上記(A)、(B)、
(C)、(D)および(E)成分の他に、さらに、
(F)可塑剤1〜20重量部、(G)金属せっけん0.
5〜10重量部および(H)ポリエチレンワックス0.
1〜5重量部を含有することが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。本発明の組成物において(A)成分として使用され
る塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルの単独重合体の他、
塩化ビニル単位を50重量%以上、好ましくは70重量
%以上含有する共重合体を含む。塩化ビニル共重合体の
場合の共単量体としては、例えば、エチレン、プロピレ
ンなどのオレフィン類;塩化アリル、塩化ビニリデン、
フッ化ビニル、三フッ化塩化エチレンなどのハロゲン化
オレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの
カルボン酸ビニルエステル類;イソブチルビニルエーテ
ル、セチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;ア
リル−3−クロロ−2−オキシプロピルエーテル、アリ
ルグリシジルエーテルなどのアリルエーテル類;アクリ
ル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸−2−ヒド
ロキシエチル、メチルメタクリレート、マレイン酸モノ
メチル、マレイン酸ジエチル、無水マレイン酸などの不
飽和カルボン酸、そのエステルまたはその酸無水物類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニ
トリル類;アクリルアミド、N−メチロールアクリルア
ミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモ
ニウムクロライドなどのアクリルアミド類;アリルアミ
ン安息香酸塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロライ
ドなどのアリルアミンおよびその誘導体類などを挙げる
ことができる。以上に例示した単量体は、共重合可能な
単量体の一部に過ぎず、近畿化学協会ビニル部会編「ポ
リ塩化ビニル」日刊工業新聞社(1988年)75〜1
04ページに例示されている各種単量体が使用可能であ
る。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
メチルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸
エチル共重合体、塩素化ポリエチレンなどの樹脂に、塩
化ビニルまたは塩化ビニルと前記した共重合可能な単量
体とをグラフト重合したような樹脂も含まれる。
【0007】これらの塩化ビニル系樹脂は、懸濁重合、
乳化重合、溶液重合、塊状重合など、従来から知られて
いるいずれの製造法によって作られてもよい。塩化ビニ
ル系樹脂の平均重合度はJIS K 6721規定の測
定法で400〜1,500が好ましく、より好ましくは
600〜1,100の範囲にあるものを好適に使用する
ことができる。塩化ビニル系樹脂の平均重合度が400
より小さいと、発泡倍率が上がりにくい傾向があり、逆
に1,500より大きいと発泡セルに粗大なものが多く
混在するおそれがある。
【0008】本発明において(B)成分として、メチル
メタクリレート単位を60重量%以上含有し、共重合体
のガラス転移点がそれぞれ50〜85℃および50℃以
上であるメチルメタクリレート系共重合体が用いられ
る。該共重合体の分子量の指標となる比粘度は、1.5
〜4.0である。メチルメタクリレートホモ重合体のガ
ラス転移点は105℃であるので、(B)成分の共重合
体を得るためには、メチルメタクリレートの共単量体と
してこれよりガラス転移点が十分に低いホモ重合体を与
える単量体を選定する必要がある。そのような単量体と
しては、メチルアクリレート(ホモ重合体のガラス転移
点8℃)、エチルアクリレート(同−22℃)、n−プ
ロピルアクリレート(同−52℃)、n−ブチルアクリ
レート(同−54℃)、イソブチルアクリレート(同−
24℃)、n−オクチルアクリレート(同−65℃)、
2−エチルヘキシルアクリレート(同−85℃)、n−
ラウリルアクリレート(同15℃)、n−テトラデシル
アクリレート(同20℃)、メトキシエチルアクリレー
ト(同−85℃)、エトキシエチルアクリレート(同−
50℃)、シクロヘキシルアクリレート(同15℃)、
ベンジルアクリレート(同6℃)などのアクリレート
類;n−アミルメタクリレート(同10℃)、n−オク
チルメタクリレート(同−20℃)、n−デシルメタク
リレート(同−65℃)、n−ラウリルメタクリレート
(同−65℃)、n−セチルメタクリレート(同15
℃)などのメタクリレート類;ブタジエン、イソプレン
などのジエン類などが挙げられる。これらの(メタ)ア
クリレートは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。特に、n−ブチルアクリレートが好
ましい。
【0009】また、(B)成分の共重合体は、メチルメ
タクリレート単量体単位を60重量%以上含有し、ガラ
ス転移点が50〜85℃となる範囲であれば、メチルメ
タクリレートおよび上記の共単量体と共重合可能な単量
体を第三の単量体単位として含有してもよい。このよう
な共重合可能な単量体としては、スチレン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系化合
物;(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデンな
どの不飽和ニトリル類;2−ヒドロキシエチルフマレー
ト、ヒドロキシブチルビニルエーテル、モノブチルマレ
エート、グリシジルメタクリレート、ブトキシエチルメ
タクリレートなどが挙げられる。
【0010】(B)成分のメチルメタクリレート系共重
合体の粒子構造は、一段階の重合反応で得られる、粒子
内がほぼ均一なポリマー組成であってもよいし、いわゆ
るコア−シェル構造のように断層毎に異なる重合体組成
であってもよい。(B)成分のメチルメタクリレート系
共重合体の粒子構造がコア−シェル粒子の場合、コアと
シェルの重量比は1/1〜15/1であることが好まし
く、コアとシェルのガラス転移点の差は50℃以下であ
ることが好ましい。(B)成分のメチルメタクリレート
系共重合体のガラス転移点は50〜85℃であることが
必要で、60〜83℃であることが好ましい。(B)成
分のガラス転移点が50℃未満であると夏期に倉庫など
で保存中に粉末どうしが固着(ブロッキング)を起し易
く、また、(B)成分のガラス転移点が85℃より高い
と成形品が発泡不良を起し易い。本発明において、ガラ
ス転移点の測定は示差熱分析計で行なう。
【0011】(B)成分として用いられるメチルメタク
リレート系共重合体は、平均分子量の指標として、その
0.2grを溶解したクロロホルム溶液100mlの2
5℃における比粘度が1.5〜4.0であることが必要
で、1.8〜3.7の範囲であることが好ましい。上記
比粘度の値が1.5未満の場合は成形品の表面が荒れ、
かつ、発泡倍率が上がらない。一方、上記比粘度の値が
4.0を越えると均一溶融化に時間を要する。比粘度の
調節には、重合反応温度の選定、t−ドデシルメルカプ
タン、四塩化炭素などの連鎖移動剤の使用などの一般的
な方法を採用することができる。
【0012】(B)成分のメチルメタクリレート系共重
合体は、木粉を塩化ビニル系樹脂に均一に分散させ、発
泡セルの膜強度を保持して破壊され難くする作用を有す
る。本発明における(B)成分の配合量は、前記(A)
成分の塩化ビニル系樹脂100重量部当り7〜30重量
部が必要で、好ましくは10〜20重量部、より好まし
くは12〜17重量部である。(B)成分の配合量が7
重量部未満であると、発泡時の膜強度の保持力が弱くな
って発泡セルが破壊され易い。また、配合量が30重量
部を越えると溶融粘度が高くなり、発熱が大きくなって
樹脂の熱劣化を起こし易くなったり、発泡セルの大きさ
が不均一になり易い。
【0013】本発明に用いられる(C)成分の塩素化ポ
リエチレン樹脂は、エチレン含有量50重量%以上のポ
リエチレン系樹脂を塩素化した非結晶性のもので、塩素
含有量20〜50重量%のものが好ましく、より好まし
くは25〜45重量%である。塩素含有量が20重量%
未満であると発泡セルが粗大になる傾向があり、45重
量%を越えると発泡セルが破れて成形品にヒケが生じ易
い。ムーニー粘度(MS1+4 100℃)は60〜90が
好ましく、より好ましくは65〜85である。ムーニー
粘度が60未満であったり90を越えるものであると塩
化ビニル系樹脂やメタクリル酸エステル系樹脂との混合
が不均一になる傾向がある。この塩素化ポリエチレン樹
脂は木粉を成形品表面から突出するのを防いで均一分散
させるとともにトルクの低減等成形加工性を向上する作
用を有する。(C)成分の塩素化ポリエチレン樹脂の添
加量は、(A)成分の塩化ビニル系樹脂100重量部当
たり、0.5〜30重量部であり、3〜10重量部が好
ましい。添加量が0.5重量部未満であると成形品表面
がタルクの突出によりザラザラした状態になり易く、ま
た30重量部を越えると線膨張率を大きくする傾向があ
る。
【0014】本発明組成物の(C)成分である熱分解型
発泡剤としては、熱分解型有機発泡剤または/および熱
分解型無機発泡剤が用いられる。前者の例としては、
N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,
N′−ジメチル−N,N′−ジニトロソテレフタルアミ
ドなどのニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾ
ビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物;ベンゼンス
ルホニルヒドラジド、p,p′−オキシビス(ベンゼン
スルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジ
ドなどのスルホニルヒドラジド類なとが挙げられる。ま
た、後者の例としては、重炭酸ナトリウム、重炭酸アン
モニウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。本発明
には、上記の有機または/および無機の熱分解型発泡剤
の群から選択される1種または2種以上を用いることが
できる。
【0015】本発明においては、ブタン、塩化メチル、
トリクロロフルオロメタン、トリフルオロメタン、石油
エーテルなどの低沸点の有機化合物を加熱、揮発させて
発泡剤に用いることは不適当である。発泡セルが粗くな
って成形品が釘止めやビス止めが利き難くなり、建材に
向かないおそれがあるからである。本発明における
(D)成分の熱分解型発泡剤の配合量は、(A)成分の
塩化ビニル系樹脂100重量部当たり0.1〜3重量部
が必要で、好ましくは0.5〜1.5重量部である。
(D)成分の配合量が0.1重量部未満であると発泡倍
率が小さくて得られる成形品の内部が木質感に欠ける傾
向があり、逆に3重量部より多いと成形品表面が荒れた
り、表面硬度が低下する傾向がある。
【0016】本発明における(E)成分として、平均粒
径50〜500μmの木粉が、塩化ビニル系樹脂(A)
100重量部あたり30〜150重量部、好ましくは3
5〜120重量部、更に好ましくは40〜100重量部
用いられる。該木粉の配合量が30重量部より少ないと
成形品に木質感を発現しにくく、また、150重量部を
越えると成形品が脆弱なものとなる。本願発明のように
多量の木粉が配合された塩化ビニル系樹脂組成物を用い
て、殊に薄肉の成形品を加工性よく成形するには、上記
のような特定の組成と特定のメチルメタクリレート系共
重合体を配合することと、成形加工時における溶融流動
性をより良くするために(C)成分である塩素化ポリエ
チレン樹脂を特定量配合することが有効である。(C)
成分の添加により、成形時の樹脂圧の変動が少なくな
り、例え薄肉の成形においても、安定して操業性よく製
造することが可能になる。
【0017】本発明に用いられる木粉の樹種は特に限定
されず、杉、ツガ、ラワンなどの針葉樹や広葉樹の木材
片、鉋屑、鋸屑などの木材を用い得る。これら木材から
本発明の(D)成分を得るには、例えば、該木材を粉砕
機により平均粒径が500μm以下の比較的丸味を帯び
た木粉とするのが好ましい。本発明に用いられる木粉
は、特開平5−177610号公報および特開平5−2
61708号公報に開示されているような硬い小粒子を
表面に付着させた木粉であってもよい。硬い小粒子とし
ては、硬度が木粉より大きく、平均粒径が木粉の平均粒
径より小さい粒子が用いられる。具体的には、例えば、
金属、金属酸化物および金属塩、無機化合物ならびにプ
ラスチック粒子などが挙げられる。好ましい小粒子は酸
化チタン、ニッケル、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ
などの無機系または金属系粒子である。硬い小粒子が木
粉表面に付着する態様は、木粉への硬い小粒子の喰い込
みを含む抱き込み結合、喰い込み結合された複数の硬い
小粒子の相互による挟み込み結合などの、硬い小粒子の
木粉表面部に対する押しつけ外力による付着であっても
よいし、あるいは木粉に接着剤により硬い小粒子を付着
させてもよい。この場合は上記の木粉を硬い小粒子1〜
50重量%と共にボールミルなどに仕込み、窒素雰囲気
下など粉塵爆発が防止された条件下に処理する。本発明
に用いられる(E)成分の平均粒径は50〜500μ
m、好ましくは30〜100μmである。ここに平均粒
径とは、粉末を篩分析して目開きに対する累積重量%曲
線を得、その50重量%に該当する目開きの値の読みを
いう。(E)成分の平均粒径が50μmより小さいと嵩
比重が小さくなって組成物調製のための混合操作性が悪
くなり、また500μmより大きいと成形品表面が荒
れ、かつ発泡倍率が低下する。(E)成分中の水分は1
0重量%以下であることが好ましく、より好ましくは5
重量%以下である。
【0018】本発明組成物には、上記の各成分に加え
て、通常の塩化ビニル系樹脂の加工時に用いられる熱安
定剤や滑剤のほか、可塑剤、紫外線吸収剤、耐衝撃強化
剤、顔料、充填剤、帯電防止剤などが適宜添加される。
可塑剤を本発明組成物の一成分に(F)成分として加え
ることが好ましい。可塑剤は、前記(B)成分のメチル
メタクリレート系共重合体および(C)成分の塩素化ポ
リエチレン樹脂とあいまって、多量の木粉が配合される
場合でも木粉が均一に分散し、溶融樹脂の流動性を一層
向上するのに効果がある。本発明において可塑剤は、従
来塩化ビニル系樹脂の加工に可塑剤として慣用されてい
るものであればよく、例えば、ジ−(2−エチルヘキシ
ル)フタレート、ジイソノニルフタレート、ジシクロヘ
キシルフタレートなどのフタル酸誘導体;ジ−n−ブチ
ルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、
ジイソノニルアジペートなどのアジピン酸誘導体;ジ−
(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジ−n−ヘキシル
アゼレートなどのアゼライン酸誘導体;ジ−n−ブチル
セバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケートな
どのセバシン酸誘導体;ジ−n−ブチルフマレート、ジ
−(2−エチルヘキシル)フマレートなどのフマル酸誘
導体;トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート、
トリ−n−オクチルトリメリテート、トリイソデシルト
リメリテート、トリイソオクチルトリメリテートなどの
トリメリット酸誘導体;アセチルトリエチルシトレー
ト、アセチルトリ−(2−エチルヘキシル)シトレート
などのクエン酸誘導体;トリキシレニルホスフェート、
トリス(クロロエチル)ホスフェートなどのリン酸誘導
体;ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレ
ングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコール
ジベンゾエートなどのグリコール誘導体;グリセロール
モノアセテート、グリセロールトリアセテート、グリセ
ロールトリブチレートなどのグリセリン誘導体;エポキ
シ化大豆油、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシ
ル、エポキシトリグリセライド、エポキシ化オレイン酸
オクチル、エポキシ化オレイン酸デシルなどのエポキシ
誘導体;アジピン酸系ポリエステル、セバシン酸系ポリ
エステル、フタル酸系ポリエステルなどのポリエステル
系可塑剤などが例示される。可塑剤は一種用いても、ま
たは二種以上を組合せ用いてもよい。可塑剤の添加量は
(A)成分の塩化ビニル系樹脂100重量部あたり1〜
20重量部、好ましくは3〜10重量部である。
【0019】滑剤の具体例としては、ステアリン酸リチ
ウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミ
ニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ストロ
ンチウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸カルシウ
ム、ラウリン酸バリウム、2−エチルヘキソイン酸バリ
ウム、リシノール酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ナフ
テン酸亜鉛、ラウリン酸カドミウム、ステアリン酸鉛、
二塩基性フタル酸鉛などの金属せっけん類;n−ブチル
ステアレート、メチルヒドロキシステアレート、多価ア
ルコール脂肪酸エステル、エステル系ワックスなどの脂
肪酸エステル類;ステアリン酸、ヒドロキシステアリン
酸などの脂肪酸類;ステアロアミド、オキシステアロア
ミド、オレイルアミド、ベヘンアミド、メチレンビスス
テアロアミド、エチレンビスステアロアミド、N,N′
−ジステアリルコハク酸アミドなどのアミド化合物;三
塩基性硫酸塩、塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛な
どの無機酸鉛類、ポリエチレンワックスなどが挙げられ
る。特に、本発明の組成物に(G)成分として上記金属
せっけんを塩化ビニル系樹脂100重量部当り0.5〜
10重量部添加すると加工性が良くなるので好ましく、
1.5〜7重量部添加することがより好ましい。これに
加えて、さらに(H)成分としてポリエチレンワックス
0.1〜5重量部添加することは一層加工性を向上し、
かつ成形品の機械的強度が上がるので好ましく、0.3
〜2重量部添加することがより好ましい。
【0020】本発明組成物を調製するには、通常、先ず
(D)成分の熱分解型発泡剤を除く(A)、(B)、
(C)および(E)成分などを一括してヘンシェルミキ
サーなどの混合機に投入して、好ましくは激しく攪拌す
ることによって、混合しつつ120〜160℃に昇温す
る。この混合の過程で木粉に吸収されている水分を揮散
させる。上記温度に到達したら混合物をクーリングミキ
サーに移して温度が110〜80℃まで下がった時点で
(D)成分の熱分解型発泡剤を添加してから混合しつつ
冷却する。通常50〜60℃程度に温度を下げる。取出
された粉末状の混合物をそのまま成形用のコンパウンド
とすることができるが、通常、次いで、ペレット化す
る。ペレット作成の好ましい方法としては、二軸押出機
を用い、150〜170℃にて、かつベント孔から木粉
中の残留水分を排出しつつペレットを製造する方法が挙
げられる。
【0021】上記の本発明組成物の調製方法において、
ヘンシェルミキサーなどでの当初の混合時に発泡剤を除
く全成分を一括投入して混合することにより、嵩比重が
大きく、また顔料などの添加剤が均一に分散した混合物
を得ることができる。本発明組成物を用いて、天然木材
に似た塩化ビニル系樹脂成形品を得るための成形方法と
しては、特に制限はないが上記の粉末状コンパウンドま
たはペレットを通常押出機にかけて成形する。押出成形
の条件としては、一般の塩化ビニル系樹脂の押出成形と
同様な条件が採られる。本発明組成物は加工性が良いの
で、木粉の多い配合の場合や薄肉成形品の成形の場合の
ように、成形ダイ内で溶融組成物が摩擦変動を受けやす
い条件下でも、樹脂圧の変動が少なく、安定した加工操
業を行うことができる。
【0022】かくして、得られる押出発泡成形品は均一
に分布した微細なセルを有する。通常、セルの平均直径
は100μm以下である。また、押出発泡成形品の発泡
倍率は1.8〜2.5であることが好ましい。発泡倍率
が低過ぎると木質感に乏しいものとなり、逆に、発泡倍
率が高過ぎると機械的強度が低下する。押出成形品の形
態は、建材や家具材などの用途に応じたものとすればよ
く、一般に板状、シート状、角柱状、円柱状、異形など
が挙げられる。
【0023】下記(1)に記載される本発明の塩化ビニ
ル系樹脂組成物の好ましい実施態様を下記(2)以下に
示す。 (1)(A)塩化ビニル系樹脂100重量部、(B)メ
チルメタクリレート単位を60重量%以上含有し、共重
合体のガラス転移点が50〜85℃で、かつ比粘度が
1.5〜4.0であるメチルメタクレート系共重合体7
〜30重量部、(C)塩素化ポリエチレン樹脂0.5〜
30重量部、(D)熱分解型発泡剤0.1〜3重量部お
よび(E)平均粒径50〜500μmの木粉20〜15
0重量部を含有してなる塩化ビニル系樹脂組成物。
【0024】(2)塩化ビニル系樹脂(A)の平均重合
度が400〜1,500である上記(1)に記載の塩化
ビニル系樹脂組成物。 (3)メチルメタクリレート系共重合体(B)の比粘度
が1.8〜3.7である上記(1)または(2)に記載
の塩化ビニル系樹脂組成物。 (4)メチルメタクリレート系共重合体(B)のガラス
転移点が60〜75℃である上記(1)〜(3)のいず
れかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 (5)塩素化ポリエチレン樹脂(C)の塩素含有量が2
0〜50重量%である上記(1)〜(4)のいずれかに
記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 (6)塩素化ポリエチレン樹脂(C)のムーニー粘度
(MS1+4 100℃)が60〜90である上記(1)〜
(5)のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 (7)平均粒径50〜500μmの木粉(D)の含有量
が25〜120重量部である上記(1)〜(6)のいず
れかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
【0025】(8)上記(A)、(B)、(C)、
(D)および(E)成分の他に、さらに、塩化ビニル系
樹脂(A)100重量部あたり(F)可塑剤1〜20重
量部、(G)金属せっけん0.5〜10重量部および
(H)ポリエチレンワックス0.1〜5重量部を含有す
る上記(1)〜(7)のいずれかに記載の塩化ビニル系
樹脂組成物。
【0026】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて、本発明の
塩化ビニル系樹脂組成物について具体的に説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。な
お、部数および%は重量基準である。メチルメタクリレ
ート系共重合体A〜IおよびKを下記製造例1〜10に
記載の方法により調製した。なお、共重合体の特性は下
記の方法により評価した。
【0027】ガラス転移点 示差熱分析計(SEIKO SSC/520 DSC2
20)にて測定した。 比粘度 共重合体0.2grを溶解したクロロホルム溶液100
mlの25℃における比粘度を求めた。
【0028】凝固性 凝固で得られた粉体50gにカーボン0.05gを添加
し、ロータップ30分の篩分析を行い、下記3等級で評
価する。 A:50重量%通過径が150〜500μmで、かつ1
50メッシュ通過量<1重量% B:50重量%通過径が150〜500μmで、かつ1
50メッシュ通過量 1〜5重量% C:50重量%通過径が150〜500μmで、かつ1
50メッシュ通過量>5重量%
【0029】凝固粉体の固着性 内径が直径77mm、長さ75mmの円筒に凝固粉体を
自然落下にて充満し、その上に荷重を1分間かけて取り
除き、容器を横に倒して1分間以内に粉体のまとまりが
崩れるか否かを観察する。崩れる場合は順次荷重を増
し、粉体が崩れずに固着する荷重を調べ、下記3等級で
評価する。 A:1000gの荷重でも固着しない。 B:500〜1000gの荷重で固着する。 C:500gより小さな荷重で固着する。
【0030】メチルメタクリレート系共重合体製造例1 ステンレス製反応器に水150部を入れて脱気後、メチ
ルメタクリレート85部、n−ブチルアクリレート15
部、炭素数12〜18のアルキル基を有するソジウムア
ルキルサルフェート1部および過硫酸カリウム0.1部
を添加し、攪拌しつつ重合温度55℃にて乳化重合を行
い、少量サンプリングした反応液の固形分濃度により重
合率91%を確認してから反応を終了させ、ラテックス
を得た。得られたラテックスを50℃の1重量%硫酸ア
ルミニウム水溶液に攪拌下で添加し、更に90℃に加熱
して塩析、凝固し、脱水、洗浄してから乾燥して共重合
体Aを得た。共重合体Aの組成、ガラス転移点、比粘
度、重量平均分子量、凝固性および固着性を表1に示
す。
【0031】メチルメタクリレート系共重合体製造例2 ステンレス製容器に水150部を入れて脱気し、炭素数
12〜18のアルキル基を有するソジウムアルキルサル
フェート0.8部、ラウリルアルコール0.8部、ラウ
ロイルパーオキサイド0.2部、メチルメタクリレート
65部、2−エチルヘキシルアクリレート35部および
t−ドデシルメルカプタン0.3部を仕込んで室温下で
30分混合後ホモジナイザーで均質処理してステンレス
製反応器に移送した。反応器を昇温して反応温度を55
℃に維持して重合反応を行い、少量サンプリングした反
応液の固形分濃度により重合率90%を確認してから反
応を終え、ラテックスを得た。メチルメタクリレート系
共重合体製造例1と同様に塩析、洗浄、乾燥して樹脂B
を得た。樹脂Bの組成などの試験結果を表1に示す。
【0032】メチルメタクリレート系共重合体製造例3 メチルメタクリレートを90部とし、n−ブチルアクリ
レート15部の代りにエチルアクリレート10部とした
ほかはメチルメタクリレート系共重合体製造例1と同様
に行い、共重合体Cを得た。共重合体Cの組成などの試
験結果を同様に表1に示す。
【0033】メチルメタクリレート系共重合体製造例4 メチルメタクリレートを70部とし、n−ブチルアクリ
レート15部の代りにエチルアクリレート30部とし、
t−ドデシルメルカプタン0.3部を添加したほかはメ
チルメタクリレート系共重合体製造例1と同様に行い、
共重合体Dを得た。共重合体Dの組成などの試験結果を
同様に表1に示す。
【0034】メチルメタクリレート系共重合体製造例5 n−ブチルアクリレートに替えてエチルアクリレートを
用いたほかはメチルメタクリレート系共重合体製造例1
と同様に行い、共重合体Eを得た。共重合体Eの組成な
どの試験結果を同様に表1に示す。
【0035】発泡成形品の特性を下記の方法により調べ
た。 1)発泡セル状態 成形品の切断面を光学顕微鏡にて観察し、下記の4等級
で評価する。 A:セルの径が100μm以下の微細でかつ均一な状態
である。 B:破壊されて粗くなったセルが散見される。 C:破壊されて粗くなったセルが多い。 D:破壊されて粗くなったセルが大部分である。 2)成形品表面性状 成形品の表面から目視および指触し、下記の4等級で評
価する。 A:滑らか B:若干鮫肌状 C:鮫肌 D:粒状突起が多い。
【0036】3)成形時の樹脂圧 シリンダー径40mmの一軸押出機で厚み1mm、幅4
0mmの薄肉ベルトを成形する際の、ダイス先端より1
5mm手前に設置した圧力計(Dyniso社製)を読
む。圧が変動する場合は、その変動する圧力領域を読
む。 4)真比重および成形品比重 JIS K 7112による水中置換法で測定。 5)成形品発泡倍率 上記測定による比重の値を用い、下式により求める。 発泡倍率=真比重/成形品比重 6)抗張力 JIS K 7113の1号試験片で引張速度10mm
/minで測定する。
【0037】実施例1〜5、比較例1〜7 表2に示す種類と量の各成分をヘンシェルミキサーにて
次の要領でブレンドした。塩化ビニル樹脂、メチルメタ
クリレート系共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂(ただ
し、比較例7では塩素化ポリエチレン樹脂を添加しな
い)、木粉、可塑剤、熱安定剤、滑剤、充填剤および顔
料を仕込んで混合しつつ水蒸気を揮発させた。温度が上
昇して140℃になったら混合物をクーリングミキサー
に移して混合し、100℃に温度が低下した時点で発泡
剤を添加し、60℃まで温度を下げた。ただし比較例8
では発泡剤を押出成形時に押出機に注入した。得られた
粉末状の混合物は、シリンダー径65mmの一軸押出機
を用いて下記条件にてペレットにした。なお、ベント孔
から木粉に残る水分を揮発させた。 スクリュウ:L/D=24、圧縮比2.5、回転数30rpm 設定温度 :C1 =130℃、C2 =140℃、C3 =150℃ C4 =160℃、ヘッド160℃、ダイス160℃ ダイス :3mmφペレット×12孔 ランド長さ:10mm
【0038】こうして得られたペレットを、シリンダー
径40mmの一軸押出機により下記条件にて押出発泡成
形した。成形品の特性を表2に示す。 スクリュウ:L/D=24、圧縮比2.5、回転数30rpm 設定温度 :C1 =150℃、C2 =160℃、C3 =165℃ C4 =170℃、ヘッド160℃、D1 =160℃ D2 =160℃ ダイス :厚み1mm幅×40mmベルト ランド長さ:5mm
【0039】
【表1】
【0040】注 MMA :メチルメタクリレート EA :エチルアクリレート n−BA :n−ブチルアクリレート 2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート ST :スチレン
【0041】
【表2】
【0042】注 *1 ZEST700L、新第一塩ビ(株)製、塩化ビ
ニル樹脂、平均重合度680 *2 エラスレン301A、昭和電工(株)製、非結晶
性塩素化ポリエチレン樹脂、塩素含有量30%、ムーニ
ー粘度70(MS1+4 100℃) *3 酸化チタン粒付着木粉、ミサワテクノ(株)製、
E60−T5−3、酸化チタン含有量5重量%、平均粒
径60μm、含水率5% *4 セルユント、(株)シマダ商会製、木粉、平均粒
径80μm、水分5重量% *5 ACPE6A、アライドケミカル社製 *6 三塩基性硫酸鉛/ステアリン酸鉛複合熱安定剤 *7 炭酸カルシウムCCR、白石カルシウム(株)
製、平均粒径0.08μm *8 カーボンブラック(TPH0012、東洋インキ
製造株式会社製)/縮合アゾレッド(TXH4360、
同社製)/ビスアゾイエロー(TXH2110、同社
製)複合顔料
【0043】厚み1mmの薄肉の板を押出成形して各種
配合の組成物を比較評価した。本発明の要件を備えた組
成物を用いて成形した実施例1〜5では、発泡セル状態
および表面性状が良好で十分な発泡倍率を有する成形品
を、成形時の樹脂圧が比較的低い状態でかつ圧力変動も
なく、即ち加工性良く製造された。殊に滑剤としてステ
アリン酸鉛およびポリエチレンワックスを併用すると発
泡倍率と抗張力が一層優れた成形品が得られた(実施例
1および4)。しかし、メチルメタクリレート系共重合
体のガラス転移点が85℃を越える共重合体Cを用いた
比較例2では破壊されて粗くなったセルが多くて鮫肌状
の表面を有する発泡体が得られ、逆に、ガラス転移点が
50℃未満の共重合体Bを用いた比較例1では発泡セル
状態は良好であったが発泡体の表面は鮫肌状で不満足の
結果となった。メチルメタクリレート系共重合体の比粘
度が規定より小さい共重合体Dを用いた比較例3も鮫肌
状の発泡体表面を与えかつ、発泡倍率が低い。逆に、比
粘度が規定より大きい共重合体Eを用いた比較例4は発
泡体のセル状態がやや粗く、表面が粗く、発泡倍率も劣
る結果を与えた。
【0044】メチルメタクリレート系共重合体の配合部
数が規定より小さい比較例5や、規定より大きい比較例
6では、共にセル状態が粗く、かつ表面が荒れた成形品
が得られた。また、塩素化ポリエチレン樹脂を添加しな
い比較例7は発泡セルの殆どが破壊された結果を与え
た。
【0045】
【発明の効果】本発明組成物を用いることにより、薄肉
の成形品の押し出し成形をしても均一微細な発泡セル構
造と平滑な表面とを有し、しかも木質感に富んだ、建材
や家具材に適する塩化ビニル系樹脂成形品を加工性良く
安定に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 23:28 1:00)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)塩化ビニル系樹脂100重量部、
    (B)メチルメタクリレート単位を60重量%以上含有
    し、共重合体のガラス転移点が50〜85℃で、かつ比
    粘度が1.5〜4.0であるメチルメタクリレート系共
    重合体7〜30重量部、(C)塩素化ポリエチレン樹脂
    0.5〜30重量部、(D)熱分解型発泡剤0.1〜3
    重量部および(E)平均粒径50〜500μmの木粉2
    0〜150重量部を含有してなる塩化ビニル系樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 さらに、(F)可塑剤1〜20重量部、
    (G)金属せっけん0.5〜10重量部および(H)ポ
    リエチレンワックス0.1〜5重量部を含有してなる請
    求項1記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
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