JPH08333469A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH08333469A
JPH08333469A JP14183595A JP14183595A JPH08333469A JP H08333469 A JPH08333469 A JP H08333469A JP 14183595 A JP14183595 A JP 14183595A JP 14183595 A JP14183595 A JP 14183595A JP H08333469 A JPH08333469 A JP H08333469A
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JP
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vinyl chloride
parts
chloride resin
wood powder
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JP14183595A
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English (en)
Inventor
Hidefumi Morita
英文 森田
Takashi Sawara
敬 佐原
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多量の木質粉末を配合しても、良好な成形
性、賦形性及び発泡性を有し、得られる成形体に良好な
木質感を付与可能な塩化ビニル系樹脂組成物を提供す
る。 【構成】 塩化ビニル系樹脂、60メッシュ通過分が9
5重量%以上であり、かつ250メッシュ不通過分が7
0重量%以上である粒径の木質粉末、熱分解型有機発泡
剤、重量平均分子量250万〜600万である(メタ)
アクリル系樹脂ならびに特定の化合物からなる塩化ビニ
ル系樹脂組成物であって、上記木質粉末と熱分解型有機
発泡剤とが予め予備混合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、合成樹脂組成物に天然木材に近い
特性を付与することによって、木材の代替材料とする種
々の試みがなされている。その方法の一つとして、合成
樹脂に粉末状の木質材料を添加する方法が挙げられる。
このような木質材料の添加によって、合成樹脂本来の性
質に木質材料の性質を効率的に付与できることが知られ
ている。特に、木材に近い感触や軽さを得るためには、
樹脂として塩化ビニル系樹脂を用いて発泡体とし、木質
材料の量を多く添加するほど有効である。現在、木質材
料を含有する塩化ビニル系樹脂成形品として、樹脂10
0重量部に対し木質材料20〜30重量部を含有する発
泡成形品が、巾木等の住宅内装材に用いられている。
【0003】しかしながら、樹脂成形品中の木質材料の
含有量を多くすると、成形性、品質の両面において、幾
つかの問題が生じる。その問題の一つとして、発泡性の
低下が挙げられる。発泡性が低下すると、上述の木材に
近い感触、風合い、軽さを得るのが難しくなるだけでな
く、パリソン表面のサイジングダイへの密着が不十分と
なり、賦形性が悪くなるという問題点があった。
【0004】また、溶融樹脂中で樹脂木質粉末との接着
性が悪いため、木質粉末が凝集し易いことが問題点とし
て挙げられる。その結果、成形品の外観を損ねたり、成
形機中に滞留したり内面にひっかかりが生じ、いわゆる
「ビルドアップ」の原因となるため、成形機内面に傷を
つけたりするという問題点があった。さらに、成形時の
樹脂圧が大きくなること、金型内での樹脂の流れが不均
一になること等が挙げられている。
【0005】これらは、本質的に樹脂中に多量の木質材
料を含有するため、樹脂組成物の溶融時における流れが
悪くなることに起因するものと考えられる。また、木質
材料は、加熱によって木酸と呼ばれる酸性ガスを放出し
て、成形機を腐食して寿命を短くしたり、さらに塩化ビ
ニル樹脂に添加する場合は、木質材料から発生する酸性
のガスが樹脂の劣化反応を促進して成形品を着色すると
いう問題点があった。
【0006】このような着色の解決策として、木質粉末
を配合した塩化ビニル系樹脂の発泡成形用組成物につい
て、アクリル系加工助剤と熱分解性の有機系又は無機系
発泡剤を配合することによって、優れた外観を得る方法
が提示されている。しかしながら、この方法では、木質
粉末の配合量が少ない場合には有効であるが、塩化ビニ
ル系樹脂100重量部に対して木質粉末の配合量が30
重量部以上になると、十分な発泡性や賦形性が得られ難
いという問題点があった。
【0007】木質粉末の分散性を高め、摩擦熱の発生を
緩和させる方法として、例えば、特開昭54−7224
7号公報では、木粉に脂肪酸のアルコールエステル等を
含浸する方法が開示されている。しかしながら、この方
法では、作業工程が非常に煩雑になり、それ程大きな改
良効果は認められなかった。
【0008】上記酸性ガスに対する解決策として、例え
ば、特開昭61−2505号公報では、発生する酸性ガ
スを尿素系樹脂で中和処理して無害化する方法が開示さ
れている。しかしながら、この方法では、尿素系樹脂に
由来する臭いが製品に残存し、これを除去するのが困難
であり、作業効率の点からも実用的ではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点に
鑑みてなされたものであり、その目的は、多量の木質粉
末を配合しても、良好な成形性、賦形性及び発泡性を有
し、得られる成形体に良好な木質感を付与可能な塩化ビ
ニル系樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の塩化ビニル系樹
脂組成物は、塩化ビニル系樹脂、木質粉末、熱分解型発
泡剤、(メタ)アクリル系樹脂及び特定の化合物からな
る。
【0011】上記塩化ビニル系樹脂としては、従来から
知られているものを使用することができ、例えば、塩化
ビニルの単独重合体、塩化ビニルと塩化ビニル以外の重
合性単量体との共重合体、塩化ビニル以外の重合体に塩
化ビニルをグラフトさせたグラフト共重合体;これらの
(共)重合体を従来公知の方法で後塩素化して得られた
塩素化塩化ビニル系樹脂;前記(共)重合体及び塩素化
塩化ビニル系樹脂の混合物等が挙げられる。
【0012】上記塩化ビニル以外の重合性単量体として
は、反応性二重結合を有するものであれば特に限定され
ず、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−
オレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビ
ニルエステル類;ブチルビニルエーテル、セチルビニル
エーテル等のビニルエーテル類;メチルアクリレート、
エチルアクリレート等のアクリル酸エステル類;メチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、フェニルメタ
クリレート等のメタクリル酸エステル類;スチレン、α
−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;塩化ビニリデ
ン、ふっ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;N−フェニ
ルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−
置換マレイミド類などが挙げられ、これらは単独で用い
られてもよく、二種以上が併用されてもよい。
【0013】上記グラフト共重合体に使用される上記塩
化ビニル以外の重合体としては、特に限定されず、例え
ば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリウレタン樹脂、
塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂等
が挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、二種以
上が併用されてもよい。
【0014】上記塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、小
さくなると得られる成形体の機械的強度が不足し、大き
くなると成形時の溶融粘度が高くなって成形が困難にな
るので、400〜2,000が好ましく、特に発泡成形
を行う場合は400〜1,000がより好ましい。
【0015】上記木質粉末としては、天然木材、籾殻、
パルプ等の天然セルロース繊維によって構成されるもの
を公知の方法で微粒化したものが挙げられ、天然木材と
しては、例えば、栂、檜、松、ラワン、チーク等一般に
木材として用いられているものが好適に使用される。
【0016】上記木質粉末としては、60メッシュ通過
分が95重量%以上であり、かつ、250メッシュ不通
過分が70重量%以上である粒径を有するものが用いら
れる。上記木質粉末の粒径は、60メッシュ通過分が9
5重量%未満の場合は、成形品の表面の凹凸が激しくな
り、外観が悪くなる。また、木質粉末の粒径は、250
メッシュ通過分が70重量%を超えると、酸性ガスの発
生が抑制されず、成形時に着色が激しくなり、成形品の
外観が悪くなる。特に、粒径の余りに小さい木質粉末を
排除することにより、酸性ガスの発生を抑制することが
可能となる。
【0017】上記木質粉末の含水率は、多くなると成形
時に水分が発泡して成形体の表面を荒らしたり、成形時
に樹脂の劣化を促進するので、粉末状の樹脂組成物をペ
レット化する際には、2重量%以下が好ましく、できる
限り零に近い方がより好ましい。
【0018】上記塩化ビニル系樹脂組成物において、上
記木質粉末の使用量は、少なくなると天然木材に近い感
触や風合いが得られず、多くなると樹脂の溶融粘度が増
大し成形が困難となるので、塩化ビニル系樹脂100重
量部に対して40〜175重量部に限定される。
【0019】本発明において、上記木質粉末は熱分解型
発泡剤によって予め予備混合される。この予備混合によ
って、該発泡剤から発生する気体が効率的に気泡セルの
形成に寄与し、その結果成形品の発泡性が向上し、木材
に近い比重を効率的に得ることができる。即ち、木質粉
末の表面に予め発泡剤を付着させることによって、発泡
を効率的に行うことが可能となる。
【0020】上記熱分解型有機発泡剤としては、例え
ば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレン
テトラミン、p,p'-オキシビス(ベンゼンスルホニル
ヒドラジッド)等が挙げられ、これらは単独で用いられ
てもよく、二種以上が併用されてもよい。
【0021】上記塩化ビニル系樹脂組成物において、熱
分解型有機発泡剤の使用量は、少なくなると気体発生量
が少ないため低密度成形品を得ることができず、多くな
ると発泡セルが破れたりくっつき合って不均一となり、
成形体の外観が損なわれ、物性が低下するので、塩化ビ
ニル系樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部に限
定される。
【0022】上記塩化ビニル系樹脂組成物において、熱
分解型有機発泡剤と共に発泡剤の分解を促進する発泡助
剤が使用されてもよい。発泡助剤としては、例えば、酸
化亜鉛、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化マグネシウム、
ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、酢酸
亜鉛、サリチル酸、安息香酸、グリセリン、ジエチレン
グリコール等が挙げられる。
【0023】本発明で用いられる(メタ)アクリル系樹
脂としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリレートモノマーの単独重合体;該(メ
タ)アクリルレートモノマーから選ばれた2種以上の共
重合体;該(メタ)アクリルレートモノマーと、スチレ
ン、ビニルトルエン、アクリロニトリル等のビニルモノ
マーとの共重合体などが挙げられる。
【0024】上記(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分
子量は、小さくなると溶融した樹脂に必要な強度が不足
して発泡セルの形成時に発泡セルが壊れるため、均一な
発泡セルが得られず、さらに所定の発泡倍率まで発泡さ
せることができなくなり、大きくなると溶融時の粘度が
高くなって発泡性が低下したり、成形機の損傷を起こす
おそれがあるので、250万〜600万に制限される。
【0025】上記塩化ビニル系樹脂組成物において、上
記(メタ)アクリル系樹脂の使用量は、少なくなると発
泡セルの安定化、樹脂の流れ性や成形体の表面状態を向
上させる効果が十分に発現せず、多くなると樹脂の溶融
時の粘度が高くなって成形性が低下すると共に、難燃
性、機械的強度、耐水性等の低下を招くので、塩化ビニ
ル系樹脂100重量部に対して8〜40重量部に限定さ
れる。
【0026】上記熱分解型有機発泡剤と(メタ)アクリ
ル系樹脂の好ましい添加量は、塩化ビニル系樹脂100
重量部に対して、(メタ)アクリル系樹脂20〜30重
量部、熱分解型有機発泡剤1.5〜3重量部である。
【0027】本発明で使用される特定の化合物は、下記
一般式(a)〜(e)で表される。本発明の樹脂組成物
では、一般式(a)〜(e)で表される特定の化合物の
うち少なくとも1種が用いられる。
【0028】(a)(R1 −CONH)2(CH2)m (b)(R2 −NHCO)2(CH2)m 式(a)及び(b)中、R1 、R2 は、アルキル基又は
その任意の水素が水酸基で置換されたアルキル基を示
す。
【0029】(c)R3 −NHCONH−R4 (d)(R5 −NHCONH)2(CH2)m 式(c)及び(d)中、R3 、R4 、R5 は、アルキル
基又はその任意の水素が水酸基で置換されたアルキル基
又はフェニル基を示し、mは1〜10の整数を示す。
【0030】(e)R6 −NHCONH-(CH2)n −R
7 -(CH2)n −NHCONH−R6 式(e)中、R6 は、アルキル基又はその任意の水素が
水酸基で置換されたアルキル基を、R7 は、フェニレン
基又はその任意の水素がメチル基で置換されたフェニル
基を示す。
【0031】上記一般式(a)〜(d)において、mは
大きくなると特定の化合物の融点が高くなり、塩化ビニ
ル系樹脂と均一に混合され難くなるので、1〜10に制
限される。また、一般式(e)のnについても同様な理
由により、0〜6に制限される。
【0032】また、上記特定の化合物の融点は、低くな
っても高くなってもひけを改善する効果が発揮されなく
なるので、90〜170℃に限定される。
【0033】上記特定の化合物としては、メチレンビス
ステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、
エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリ
ン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エ
チレンビス−1,2−ヒドロキシステアリン酸アミド、
エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステ
アリン酸アミド、ヘキサメチレンビス−1,2−ヒドロ
キシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸
アミド等のビスアミド系化合物;N,N'-ジステアリル
コハク酸アミド、N,N'-ジステアリルアジピン酸アミ
ド、N,N'-ジステアリルセバシン酸アミド等のジアル
キルカルボン酸アミド系化合物;N−ブチル−N'-ラウ
リル尿素、N−ブチル−N'-ステアリル尿素、N−フェ
ニル−N'-ステアリル尿素、N−ステアリル−N'-ステ
アリル尿素、N−ステアリル−N'-ベヘニル尿素、エチ
レンビスステアリル尿素、ヘキサメチレンビスステアリ
ル尿素、ヘキサメチレンビスベヘニル尿素、キシリレン
ビスステアリル尿素等の尿素誘導体などが挙げられる。
【0034】上記塩化ビニル系樹脂組成物において、上
記特定の化合物の使用量は、少なくなると成形性や賦形
性の改善効果が十分に発揮されず、多くなると成形時に
滑性が高くなり過ぎて成形性が悪くなり、十分な混練が
困難となって表面状態の悪化や機械的強度の低下を招く
ので、上記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.
2〜10重量部に限定され、好ましくは0.5〜6重量
部である。
【0035】本発明において、上記木質粉末は、熱分解
型発泡剤ではなく、鉛系化合物及び/又は金属石鹸によ
って予備混合されてもよい。特に、木質粉末の添加量が
多い場合や、木質粉末が酸性ガスを発生し易い樹種であ
る場合は、鉛系化合物及び/又は金属石鹸との予備混合
が好ましい。
【0036】上記鉛系化合物としては、例えば、鉛白、
塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛、
二塩基性亜リン酸鉛、シリカゲル共沈珪酸鉛、ステアリ
ン酸鉛、安息香酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ナフテ
ン酸鉛等が挙げられ、これらは単独で用いられてもよ
く、二種以上が併用されてもよい。
【0037】上記金属石鹸としては、例えば、ステアリ
ン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、リシノール酸カ
ルシウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸
バリウム、ラウリン酸バリウム、リシノール酸バリウ
ム、ステアリン酸カドミウム、ラウリン酸カドミウム、
ナフテン酸カドミウム、2−エチルヘキソイソ酸カドミ
ウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リシノール
酸亜鉛、2−エチルヘキソイソ酸亜鉛等が挙げられ、こ
れらは単独で用いられてもよく、二種以上が併用されて
もよい。
【0038】上記鉛系化合物及び/又は金属石鹸の使用
量は、少なくなると木質粉末の表面を効果的に覆うこと
ができないため樹脂劣化を抑制することが難しくなり、
多くなると樹脂組成物の成形性を損なうと共に、発泡性
や成形品の外観を阻害するので、塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対して1〜10重量部に限定される。
【0039】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、さ
らに必要に応じて、安定剤、安定化助剤、滑剤、可塑
剤、離型剤、核剤等の配合剤が添加されてもよい。
【0040】上記安定剤としては、例えば、鉛白、塩基
性亜硫酸鉛、二塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛、二塩
基性亜リン酸鉛、シリカゲル共沈珪酸鉛、ステアリン酸
鉛、安息香酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ナフテン酸
鉛等の鉛系化合物;ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類;ジブ
チル錫マレート、ジブチル錫ラウレート、ジオクチル錫
マレート、ジオクチル錫ラウレート等の錫系化合物など
が挙げられる。尚、メルカプト基を有する化合物と鉛系
化合物との併用は、両者が反応して硫化鉛を生成し、成
形体を汚染するので好ましくない。
【0041】上記滑剤としては、例えば、ステアリン酸
等の脂肪酸類、脂肪酸エステル類、オレフィンワックス
等が挙げられ、上記加工助剤としては、例えば、アクリ
ル系樹脂(メチルメタクリレート・ブチルアクリレート
共重合体等)が挙げられる。また、上記充填剤として
は、例えば、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられ、上
記可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート等の
芳香族エステル類が挙げられる。
【0042】上記配合剤の添加順序や添加方法について
は、任意の操作が可能であり、例えば、木質粉末を予
備混合する工程と、予備混合された木質粉末と樹脂及
び他の配合剤を混合して樹脂組成物を得る工程との2工
程で行ってもよい。また、木質粉末を予備混合する工
程と、塩化ビニル系樹脂と他の配合剤とを混合する工
程と、両者(及びの工程で得られたもの)を混合
する工程との3工程で行ってもよい。さらに、必要に応
じて、いくつかの配合剤を木質粉末と予備混合してもよ
い。
【0043】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の製造工
程において、各成分の混合に使用される装置としては、
一般に公知の混合装置が使用可能であり、例えば、混合
槽中で平板型、プロペラ型、ファウドラー型等の攪拌羽
根を回転させる構造の一般的ミキサー;混合槽中で攪拌
ボールを流動させる構造のボールミル;擂潰機;シェイ
カーなどが挙げられるが、製造効率や作業性の面から、
混合槽に高速回転可能な攪拌羽根を備えたヘンシェルミ
キサーが好ましい。
【0044】上記木質粉末と熱分解型有機発泡剤とを予
備混合においてヘンシェルミキサーを使用する場合は、
できるだけ剪断力や衝撃の加わるように高速で攪拌する
のが好ましく、予備混合の時間は、混合する成分や量等
によって異なるが、一般に3分間以上が好ましく、さら
に、水分を除去するために加熱したり吸引する方法も効
果的である。しかし、ヘンシェルミキサー内部の温度が
上がり過ぎると、樹脂が軟化するので、110℃を超え
ない温度が好ましい。
【0045】上記塩化ビニル系樹脂組成物の成形には、
公知の成形方法が使用され、押出成形法により成形する
場合は、押出機として、単軸押出機、二軸押出機等が好
適に用いられる。押出成形の場合は、成形品の品質及び
作業効率の向上のために、一旦ペレット化してから、押
出成形してもよい。成形温度はシリンダー温度として1
10〜190℃、金型温度として130〜190℃が好
ましい。
【0046】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 〔木質粉末の予備混合〕表1に示した所定量の木質粉末
と熱分解型有機発泡剤とを、スーパーミキサー(川田工
業社製、容量100リットル)を用いて、70〜80℃
で10分間予備混合した。木質粉末の種類6及び7は鉛
系化合物を、木質粉末の種類8は金属石鹸をそれぞれ併
用した。尚、表1において下記の成分を使用した。
【0047】(木質粉末) ・(1):建材用の栂材を乾燥、粉砕して含水量を4重
量%以下とした後、65メッシュ篩にかけて不通過分を
除去した。次いで、250メッシュ篩にかけて微少な粒
径分を除去した。250メッシュ篩不通過分を計量する
と75重量%以下であった。 ・(2):建材用の栂材を乾燥、粉砕して含水量を4重
量%以下とした後、200メッシュ篩にかけて通過分の
みを回収した。次いで、250メッシュ篩にかけてかけ
て微少な粒径分を除去した。250メッシュ篩不通過分
を計量すると40重量%以下であった。
【0048】(発泡剤) ・アゾジカルボンアミド(永和化成社製「ビニホールA
C#1」、表中、ADCAと表示) ・ジニトロソペンタメチレンテトラミン(永和化成社製
「セルエラーC」、表中、DPTと表示) ・p,p'-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジッ
ド)(永和化成社製「ネオセルボンN#50」、表中、
OBSHと表示)
【0049】(鉛系化合物) ・三塩基性硫酸鉛(堺化学社製「TL7000」) ・ステアリン酸鉛(堺化学社製「SL1000」) (金属石鹸)・ステアリン酸アルシウム(堺化学社製
「SC100」)
【0050】
【表1】
【0051】(実施例1〜14、比較例1〜15)塩化
ビニル単独重合体(重合度800)100重量部、表2
及び3に示した所定量の、上記木質粉末、(メタ)アク
リル系樹脂及び特定の化合物、ならびに、ステアリン酸
鉛4重量部及びステアリン酸カルシウム2重量部をスー
パーミキサー(100リットル、川田工業社製)に入
れ、40〜80℃で30分間混練し、塩化ビニル系樹脂
組成物を得た。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】尚、(メタ)アクリル系樹脂及び特定の化
合物については、以下のものを使用した。 ・(メタ)アクリル系樹脂:メチルメタクリレート−ブ
チルアクリレート共重合体(重量比=70:30)、重
量平均分子量=150万、300万、450万、580
万又は700万
【0055】・特定の化合物: (1)エチレンビスステアリン酸アミド(表中、EBSA
と表示) (2)エチレンビスステアリル尿素(表中、EBSUと表
示) (3)エチレンビスオレイン−1,2−ヒドロキシステア
リン酸アミド(表中、EBHSと表示) (4)N,N'-ジステアリルセバシン酸アミド(表中、D
SSAと表示) (5)キシリレンビスステアリル尿素(表中、XBSUと
表示)
【0056】上記塩化ビニル樹脂組成物を、50mm二
軸異方向斜軸押出機(長田製作所製「SLM50」)に
供給し、下記の成形条件でペレット化した。 〔成形条件〕 1)スクリュー回転数:20rpm 2)成形温度:100〜130℃(バレル部)、140
℃(金型部) 3)カット方式:ホットカット 次いで、上記で得られたペレットを、下記仕様の単軸押
出機(プラスチック工学研究所社製「GT−32−A」
型)に供給し、サイジングダイを装備した冷却槽、引取
機を用いて、金型リップから吐出したパリソンを、水に
より冷却されたサイジングダイを通過させた後、水で満
たした冷却槽で冷却し、発泡成形体を得た。この間、キ
ャタピラ式の引取機で成形体を等速度で連続的に引き取
った。 〔押出機仕様〕 1)シリンダー:直径30mm 2)スクリュー:L/D=28 3)金型:Tダイ、リップ:幅33×厚さ5mm 〔成形条件〕 成形温度:100〜180℃(バレル部)、170℃
(金型部) 〔冷却槽〕 1)サイジングダイ リップ:幅40×厚さ8mm 2)冷却槽:長さ1mm、水容量30リットル、水温1
9〜21℃ 〔引取機〕 引取線速度:60〜70cm/分
【0057】上記で得られた発泡成形体について、下記
の成形性、表面性及び賦形性から押出成形性の評価を行
い、その結果を表4及び5に示した。 (イ)成形性 ペレットを成形する際の押出機のバレルヘッドにおける
溶融樹脂の圧力を測定した。圧力の高いものを成形性が
よくないとした。 (ロ)発泡性 上記発泡成形体の比重を測定し、発泡性を評価した。比
重が1.0未満の場合を、十分な発泡性であると判定し
た。
【0058】(ニ) 表面性 次の「着色」、「滑らかさ」及び「つや」の3点から評
価した。 ・得られた成形体表面の「着色」につき下記の基準で判
定した。 ◎:樹脂組成物の段階と同様な白色〜黄土色 ○:黄土色 △:薄茶色 ×:茶色〜黒色 ・得られた成形体表面の「滑らかさ」につき下記の基準
で判定した。 ○:さらさらした適度な木質感 △:つるつるしたプラスチックらしい感触 ×:ざらざらした感触 ・つや 得られた成形体表面の「つや」につき下記の基準で判定
した。 ◎:明確なつやがある ○:つやが僅かにある ×:つやがない
【0059】(ハ) 賦形性 次の「ひけ」及び「角部の形状」から評価した。 ・ひけ 成形体の上下面間の距離を測定し、下式によってサイジ
ングダイのリップ厚との比を算出し、この値から下記基
準で「ひけ」を評価した。 上下面間の距離(mm)/8(サイジングダイのリップ
厚さ) ○:0.95以上 △:0.8〜0.95未満 ×:0.8未満 ・角部の形状 成形体の角度90度の角部について、下記基準で「角部
の形状」を評価した。 ○:シャープな角部が形成されている △:かすかに丸みを帯びている ×:明らかに丸みを帯びている
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、上
述の構成であり、木質粉末が予め熱分解型有機発泡剤、
該発泡剤から発生する気体が効率的に発泡セルの形成に
寄与し、加工助剤である(メタ)アクリル系樹脂を含有
することにより、木質粉末が多量に配合されている場合
でも、十分な発泡性を発現し、その結果、成形品に木質
代替材料として適度な軽さ、木質感触を付与することが
できる。また、塩化ビニル系樹脂と適度な相溶性を有
し、かつ高温下で高い流動性を発現する特定の化合物を
含有することにより、木質粉末が高充填された場合でも
一定の流れ性が保持され、成形性と成形品の表面状態を
向上させることができる。さらに、鉛系化合物及び金属
石鹸の配合によって、木質粉末から酸性ガスが発生する
のを抑制することができ、成形品の着色を防止し表面状
態を向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 33/08 LJA C08L 33/08 LJA 97/02 LSW 97/02 LSW

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系樹脂100重量部、60メッ
    シュ通過分が95重量%以上であり、かつ250メッシ
    ュ不通過分が70重量%以上である粒径の木質粉末40
    〜175重量部、熱分解型有機発泡剤0.1〜5重量
    部、重量平均分子量250万〜600万である(メタ)
    アクリル系樹脂8〜40重量部ならびに下記一般式
    (a)〜(e)で表され、かつ、その融点が90〜17
    0℃である特定の化合物の少なくとも1種0.2〜10
    重量部からなり、上記木質粉末と熱分解型有機発泡剤と
    が予め予備混合されていることを特徴とする塩化ビニル
    系樹脂組成物。 (a)(R1 −CONH)2(CH2)m (b)(R2 −NHCO)2(CH2)m 〔式(a)、(b)中、R1 及びR2 は、アルキル基又
    はその任意の水素が水酸基で置換されたアルキル基を示
    し、mは1〜10の整数を示す〕 (c)R3 −NHCONH−R4 (d)(R5 −NHCONH)2(CH2)m 〔式(c)、(d)中、R3 、R4 及びR5 は、アルキ
    ル基又はその任意の水素が水酸基で置換されたアルキル
    基又はフェニル基を示し、mは1〜10の整数を示す〕 (e)R6 −NHCONH-(CH2)n −R7 -(CH2)n
    −NHCONH−R6〔式(e)中、R6 は、アルキル
    基又はその任意の水素が水酸基で置換されたアルキル基
    を、R7 は、フェニレン基又はその任意の水素がメチル
    基で置換されたフェニル基を示し、nは0〜6の整数を
    示す〕
  2. 【請求項2】塩化ビニル系樹脂100重量部、60メッ
    シュ通過分が95重量%以上であり、かつ250メッシ
    ュ不通過分が70重量%以上である粒径の木質粉末40
    〜175重量部、熱分解型有機発泡剤0.1〜5重量
    部、重量平均分子量250万〜600万である(メタ)
    アクリル系樹脂8〜40重量部ならびに請求項1記載の
    特定の化合物の少なくとも1種0.2〜10重量部なら
    びに鉛系化合物及び/又は金属石鹸1〜10重量部から
    なり、上記木質粉末と鉛系化合物及び/又は金属石鹸と
    が予め予備混合されていることを特徴とする塩化ビニル
    系樹脂組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100487785B1 (ko) * 1996-04-02 2005-06-16 제온 가세이 가부시키가이샤 목분함유염화비닐계수지조성물및그제조방법
JP2008519119A (ja) * 2004-11-08 2008-06-05 ロンザ インコーポレイテッド 滑剤を含むセルロース繊維−プラスチック組成物
CN101942158A (zh) * 2010-09-09 2011-01-12 鞍山大地建材科技发展有限公司 木塑建筑模板
US9850372B2 (en) 2008-10-14 2017-12-26 Solvay Sa Composition based on a vinyl halide polymer

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