JPH11189693A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

Info

Publication number
JPH11189693A
JPH11189693A JP36947897A JP36947897A JPH11189693A JP H11189693 A JPH11189693 A JP H11189693A JP 36947897 A JP36947897 A JP 36947897A JP 36947897 A JP36947897 A JP 36947897A JP H11189693 A JPH11189693 A JP H11189693A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl chloride
weight
chloride resin
methyl methacrylate
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP36947897A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Tsukamoto
淳 塚本
Toshio Nagase
敏夫 永瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP36947897A priority Critical patent/JPH11189693A/ja
Publication of JPH11189693A publication Critical patent/JPH11189693A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一なセル構造と平滑な表面とを有し、木質
感に富んだ、建材や家具材に適する高発泡の塩化ビニル
系樹脂成形品を与えることのできる塩化ビニル系樹脂組
成物を提供すること。 【解決手段】 (A)塩化ビニル系樹脂100重量部、
(B)平均粒径50〜500μmの木粉20〜150重
量部、(C)エポキシ基を含有し、塩化ビニル樹脂に相
溶性のある熱可塑性樹脂、(D)メチルメタクリレート
単位を60重量%以上含有するメチルメタクリレート系
共重合体および(E)熱分解型発泡剤を含有してなる塩
化ビニル系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木粉を多量に配合し
た塩化ビニル系樹脂組成物に関する。詳しくは、木質感
に富んだ、建材や家具材に適する高発泡の発泡成形品を
与えることができる塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近来、木材に似た外観や触感を現出する
目的で、塩化ビニル系樹脂に木粉を配合して発泡させる
成形法が行われている。しかし、木粉を相当量配合した
塩化ビニル系樹脂発泡成形品は、引張り強さなどの機械
的強度が十分とはいえない問題を有している。
【0003】木目の明瞭化や加工のし易さを改善するた
め、木粉に加えて尿素樹脂を添加した塩化ビニル系樹脂
組成物が提案されている(特開昭60−42007号公
報、特開昭60−73807号公報、特開昭60−73
808号公報)。また、木粉の他にマイカなどの無機充
填剤と、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
またはABS樹脂を添加した塩化ビニル系樹脂組成物
は、線膨張率が小さく、耐衝撃性および成形性に優れる
ことが開示された(特開昭60−192746号公報、
特開昭60−192747号公報)。しかし、これらに
よっても木粉の均一混合性に欠け、かつ、成形品の木質
感の現出が不十分である。無機粉末やプラスチック粉末
を付着させた木粉をプラスチック加工時に配合すること
によって木粉の均一分散性は大幅に改善されるが(特開
平5−177610号、特開平5−261708号)、
単にこのような木粉を塩化ビニル系樹脂に配合するのみ
では、木質感に富んだ成形品を、殊に機械的強度の満足
できる発泡成形品を押出成形することは困難であった。
即ち、塩化ビニル系樹脂100重量部あたりの木粉配合
量が20〜150重量部の木粉高部数配合の発泡成形の
場合、木粉が往々にして樹脂連続層から遊離してしま
い、応力がかかるとき木粉界面に亀裂面を生じやすいの
であった。そのため、木粉高部数配合であって機械的強
度の改良された発泡成形品を与えることのできる塩化ビ
ニル系樹脂組成物の出現が待たれるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の状況に鑑み、本
発明の目的は、木質感に富んだ、窓枠などの建材や家具
材に適する高発泡の発泡成形品を与えることができる塩
化ビニル系樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に対し、塩化ビニル系樹脂に、木粉とともに、特定の
エポキシ基含有重合体と特定のメチルメタクリレート系
共重合体とを併用して発泡成形することにより上記目的
が達成されることを見出し、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)
(A)塩化ビニル系樹脂100重量部、(B)平均粒径
50〜500μmの木粉20〜150重量部、(C)エ
ポキシ基を含有し、塩化ビニル樹脂に相溶性のある熱可
塑性樹脂、(D)メチルメタクリレート単位を60重量
%以上含有するメチルメタクリレート系共重合体および
(E)熱分解型発泡剤を含有してなる塩化ビニル系樹脂
組成物、(2)(A)塩化ビニル系樹脂100重量部、
(B)平均粒径50〜500μmの木粉20〜150重
量部、(C)エポキシ基を0.3〜10重量%含有し、
塩化ビニル樹脂に相溶性のある熱可塑性樹脂を、該エポ
キシ基量が(A)、(B)および(C)の合計量に対し
て0.01〜0.2重量%となる量、(D)メチルメタ
クリレート単位を60重量%以上含有するメチルメタク
リレート系共重合体7〜30重量部および(E)熱分解
型発泡剤0.1〜3.0重量部を含有してなる塩化ビニ
ル系樹脂組成物、および、(3)塩化ビニル樹脂に相溶
性のある熱可塑性樹脂が、平均重合度200〜1,00
0の塩化ビニル共重合体または重量平均分子量20,0
00〜3,000,000のメチルメタクリレート共重
合体もしくはアクリロニトリル−スチレン共重合体であ
る上記(1)または(2)記載の塩化ビニル系樹脂組成
物、を提供するものである。更に、好ましい態様とし
て、(4)メチルメタクリレート単位を60重量%以上
含有するメチルメタクリレート系共重合体が、ガラス転
移点50〜85℃で、かつ比粘度1.5〜4.0のもの
である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の塩化ビニ
ル系樹脂組成物、および、(5)さらに(F)可塑剤1
〜20重量部、(G)金属せっけん0.5〜10.0重
量部および(H)ポリエチレンワックス0.1〜5.0
重量部を含有してなる上記(1)〜(4)のいずれかに
記載の塩化ビニル系樹脂組成物、を提供するものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。本発明の組成物において(A)成分として使用され
る塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルの単独重合体の他、
塩化ビニル単位を50重量%以上、好ましくは70重量
%以上含有する共重合体を含む。ただし、(A)成分と
しての塩化ビニル系共重合体は、エポキシ基を含有しな
いものである。塩化ビニル系共重合体の場合の共単量体
としては、例えば、エチレン、プロピレンなどのオレフ
ィン類;塩化アリル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、
三フッ化塩化エチレンなどのハロゲン化オレフィン類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニ
ルエステル類;イソブチルビニルエーテル、セチルビニ
ルエーテルなどのビニルエーテル類;アリル−3−クロ
ロ−2−オキシプロピルエーテルなどのアリルエーテル
類;アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸
−2−ヒドロキシエチル、メチルメタクリレート、マレ
イン酸モノメチル、マレイン酸ジエチル、無水マレイン
酸などの不飽和カルボン酸、そのエステルまたはその酸
無水物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど
の不飽和ニトリル類;アクリルアミド、N−メチロール
アクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロライドなどのアクリルアミド類;ア
リルアミン安息香酸塩、ジアリルジメチルアンモニウム
クロライドなどのアリルアミンおよびその誘導体類など
を挙げることができる。以上に例示した単量体は、共重
合可能な単量体の一部に過ぎず、近畿化学協会ビニル部
会編「ポリ塩化ビニル」日刊工業新聞社(1988年)
75〜104ページに例示されている各種単量体が使用
可能である。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−ア
クリル酸エチル共重合体、塩素化ポリエチレンなどの樹
脂に、塩化ビニルまたは塩化ビニルと前記した共重合可
能な単量体とをグラフト重合したような樹脂も含まれ
る。
【0007】これらの塩化ビニル系樹脂は、懸濁重合、
乳化重合、溶液重合、塊状重合など、従来から知られて
いるいずれの製造法によって作られてもよい。塩化ビニ
ル系樹脂の平均重合度はJIS K 6721規定の測
定法で400〜1,500が好ましく、より好ましくは
600〜1,100の範囲にあるものを好適に使用する
ことができる。塩化ビニル系樹脂の平均重合度が400
より小さいと、発泡倍率が上がりにくい傾向があり、逆
に1,500より大きいと発泡セルに粗大なものが多く
混在するおそれがある。
【0008】本発明において、(B)成分として、平均
粒径50〜500μmの木粉が、塩化ビニル系樹脂
(A)100重量部あたり30〜150重量部、好まし
くは35〜120重量部、更に好ましくは40〜100
重量部用いられる。該木粉の配合量が30重量部より少
ないと成形品に木質感を発現しにくく、また、150重
量部を越えると成形品が脆弱なものとなる。本発明に用
いられる木粉の樹種は特に限定されず、杉、ツガ、ラワ
ンなどの針葉樹や広葉樹の木材片、鉋屑、鋸屑などの木
材を用い得る。これら木材から本発明の(B)成分を得
るには、例えば、該木材を粉砕機により平均粒径が50
0μm以下の比較的丸味を帯びた木粉とするのが好まし
い。本発明に用いられる木粉は、特開平5−17761
0号公報および特開平5−261708号公報に開示さ
れているような硬い小粒子を表面に付着させた木粉であ
ってもよい。硬い小粒子としては、硬度が木粉より大き
く、平均粒径が木粉の平均粒径より小さい粒子が用いら
れる。具体的には、例えば、金属、金属酸化物および金
属塩、無機化合物ならびにプラスチック粒子などが挙げ
られる。好ましい小粒子は酸化チタン、ニッケル、炭酸
カルシウム、シリカ、マイカなどの無機系または金属系
粒子である。硬い小粒子が木粉表面に付着する態様は、
木粉への硬い小粒子の喰い込みを含む抱き込み結合、喰
い込み結合された複数の硬い小粒子の相互による挟み込
み結合などの、硬い小粒子の木粉表面部に対する押しつ
け外力による付着であってもよいし、あるいは木粉に接
着剤により硬い小粒子を付着させてもよい。この場合は
上記の木粉を硬い小粒子1〜50重量%と共にボールミ
ルなどに仕込み、窒素雰囲気下など粉塵爆発が防止され
た条件下に処理する。本発明に用いられる(B)成分の
平均粒径は50〜500μm、好ましくは30〜100
μmである。ここに平均粒径とは、粉末を篩分析して目
開きに対する累積重量%曲線を得、その50重量%に該
当する目開きの値の読みをいう。(B)成分の平均粒径
が50μmより小さいと嵩比重が小さくなって組成物調
製のための混合操作性が悪くなり、また500μmより
大きいと成形品表面が荒れ、かつ発泡倍率が低下する。
(B)成分中の水分は10重量%以下であることが好ま
しく、より好ましくは5重量%以下である。
【0009】本発明では(C)成分として、(B)成分
の木粉を連続層の塩化ビニル系樹脂(A)になじませる
ための相溶化剤となるエポキシ基含有熱可塑性樹脂を用
いる。エポキシ基の含有量は、好ましくは、該熱可塑性
樹脂の0.3〜10重量%である。エポキシ基含有量が
10重量%を越えると、又、0.3重量%より少いと塩
化ビニル系樹脂との相溶性が低下する危険があり、従っ
て、成形品の機械的強度が低下する虞がある。エポキシ
基が付帯している基盤である熱可塑性樹脂は、(A)成
分の塩化ビニル系樹脂に相溶性があるものでなくてはな
らない。このような熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル
を主成分とする共重合体(以下単に塩化ビニル共重合体
という。以下同様とする。)、メチルメタクリレート共
重合体、エチルアクリレート共重合体、エチルメタクリ
レート共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合
体、塩化ビニリデン共重合体、酢酸ビニル共重合体、プ
ロピオン酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、熱可
塑性ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニルゴム(EV
A)グラフト塩化ビニル共重合体、アクリルゴムグラフ
ト塩化ビニル共重合体、NBR、MBS、MAS等が挙
げられる。これらの熱可塑性樹脂の中で、特に塩化ビニ
ル共重合体、メチルメタクリレート共重合体およびアク
リロニトリル−スチレン共重合体が好ましい。(C)成
分の配合量は(A)、(B)および(C)成分の合計量
に対し、(C)成分に含有されるエポキシ基の量が0.
01〜0.2重量%であることが好ましく、更に好まし
くは0.02〜0.18重量%になる量である。(C)
成分の配合量がそのエポキシ基量として0.2重量%を
越える量用いると相対的に塩化ビニル系樹脂(A)の割
合が低下して発泡成形品の機械的強度が低下する危険性
がある。また0.01重量%より少いと木粉の分布が不
均一になったり、発泡倍率が改善されなかったり、成形
品の強度が向上しなかったりする虞がある。(C)成分
が添加されることにより、木粉(B)が塩化ビニル系樹
脂(A)に均一に分散されるとともに成形加工時の流動
性が改善され、成形品の機械的強度が向上する。
【0010】(C)成分としてのエポキシ基含有塩化ビ
ニル樹脂の平均重合度は、200〜1,000であるこ
とが好ましく、更に好ましくは300〜800である。
平均重合度が1,000より大きいと組成物の混合時の
均一化が困難になる虞があり、また200より小さいと
木粉の機械的強度向上しない可能性がある。メチルエチ
ルケトンやテトラヒドロフランのような溶剤に不溶のゲ
ル分を有するエポキシ基含有塩化ビニル樹脂の使用も可
能であるが、この場合も、ゲル分を除いた重量平均分子
量は、上記範囲にあることが好ましい。エポキシ基含有
メチルメタクリレート共重合体およびエポキシ基含有ア
クリロニトリル−スチレン共重合体にあっては、重量平
均分子量が20,000〜3,000,000であるこ
とが好ましく、更に好ましくは100,000〜1,0
00,000である。重量平均分子量が3,000,0
00より大きい場合、又は20,000より小さい場合
は上記エポキシ基含有塩化ビニル共重合体の平均重合度
が、それぞれ1,000より大又は200より小の場合
と同様な不都合が生じる可能性がある。
【0011】(C)成分としての塩化ビニル共重合体
は、塩化ビニル単量体単位70重量%以上、好ましくは
80重量%以上含有することが好ましい。70重量%よ
り小さいと得られる成形品の引張り強さが低下する可能
性がある。塩化ビニルと共重合するエポキシ基含有単量
体としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、メタ
リルグリシジルエーテルなどの不飽和アルコールのグリ
シジルエーテル類;グリシジルメタクリレート、グリシ
ジルアクリレート、グリシジル−p−ビニルベンゾエー
ト、メチルグリシジルイタコネート、グリシジルエチル
マレート、グリシジルビニルスルホネート、グリシジル
アリルスルホネート、グリシジルメタリルスルホネート
などの不飽和酸のグリシジルエステル類;ブタジエンモ
ノオキサイド、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、
2−メチル−5,6−エポキシヘキセンなどのエポキシ
ドオレフィン類;などを挙げることができる。
【0012】また(C)成分としてのエポキシ基含有塩
化ビニル共重合体は、塩化ビニルおよびエポキシ基含有
単量体の共重合体であるが、更にこれらの単量体と共重
合可能な第2の共単量体を構成成分に含有してもよい。
この第2の共単量体は、該塩化ビニル共重合体の性質、
例えば木粉(B)や他の顔料等の塩化ビニル樹脂(A)
への相溶性や組成物全体の加工性・流動性等を調節する
ために選択して用いることができる。このような第2の
共単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等
のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のオレフ
ィン類;セチルビニルエーテル、ステアリルビニルエー
テル等のビニルエーテル類;メチルメタクリレート、エ
チルアクリレート、マレイン酸モノメチル等の不飽和カ
ルボン酸エステル類;塩化ビニリデン、臭化ビニリデン
等のビニリデン類:アクリロニトリル、メタクリロニト
リル等のシアン化ビニル類;スチレン、α−メチルスチ
レン等の芳香族ビニル類等が挙げられる。
【0013】(C)成分としてのエポキシ基含有メチル
メタクリレート共重合体は、メチルメタクリレート、エ
ポキシ基含有単量体および必要によりこれらと共重合可
能な第2の共単量体との共重合体であり、メチルメタク
リレート単位を60重量%以上含有することが好まし
く、更に好ましくは70重量%以上含有するものであ
る。メチルメタクリレートが60重量%未満であると、
通常塩化ビニル樹脂との相溶性が低下し、成形品の機械
的強度が低下する危険性がある。メチルメタクリレート
と共重合するエポキシ基含有単量体は、前記エポキシ基
含有塩化ビニル共重合体の説明で述べたと同様な単量体
類が挙げられる。また、第2の共単量体も、前記エポキ
シ基含有塩化ビニル共重合体の説明で述べたと同様な単
量体類、但しメチルメタクリレートの代わりに塩化ビニ
ルとする単量体類が挙げられる。
【0014】(C)成分としてのエポキシ基含有アクリ
ロニトリル−スチレン共重合体は、アクリロニトリル、
スチレン、エポキシ基含有単量体およびこれらと共重合
可能な第3の単量体との共重合体である。アクリロニト
リル単量体単位およびスチレン単量体単位の合計含有量
は60重量%以上であることが好ましく、更に好ましく
は75重量%以上含有するものである。アクリロニトリ
ル単量体単位およびスチレン単量体単位の合計量が60
重量%未満であると成形品の機械的強度が低下する傾向
がある。アクリロニトリルおよびスチレンと共重合する
エポキシ基含有単量体としては、前記エポキシ基含有塩
化ビニル共重合体の説明で述べたと同様な単量体類が挙
げられる。また第2の共単量体も、前記エポキシ基含有
塩化ビニル共重合体の説明で述べたと同様な単量体類、
但しアクリロニトリルおよびスチレンを塩化ビニルに置
き換えた単量体類が挙げられる。
【0015】本発明において(D)成分として、メチル
メタクリレート単位を60重量%以上含有するメチルメ
タクリレート系共重合体が用いられる。該共重合体のガ
ラス転移点は50〜85℃であることが好ましい。該共
重合体の分子量の指標となる比粘度は、1.5〜4.0
であることが好ましい。ここで、(D)成分としてのメ
チルメタクリレート系共重合体は、エポキシ基を含有し
ないものである。メチルメタクリレートホモ重合体のガ
ラス転移点は105℃であるので、好ましいガラス転移
点を有する(B)成分の共重合体を得るためには、メチ
ルメタクリレートの共単量体としてこれよりガラス転移
点が十分に低いホモ重合体を与える単量体を選定するこ
とが好ましい。そのような単量体としては、メチルアク
リレート(ホモ重合体のガラス転移点8℃)、エチルア
クリレート(同−22℃)、n−プロピルアクリレート
(同−52℃)、n−ブチルアクリレート(同−54
℃)、イソブチルアクリレート(同−24℃)、n−オ
クチルアクリレート(同−65℃)、2−エチルヘキシ
ルアクリレート(同−85℃)、n−ラウリルアクリレ
ート(同15℃)、n−テトラデシルアクリレート(同
20℃)、メトキシエチルアクリレート(同−85
℃)、エトキシエチルアクリレート(同−50℃)、シ
クロヘキシルアクリレート(同15℃)、ベンジルアク
リレート(同6℃)などのアクリレート類;n−アミル
メタクリレート(同10℃)、n−オクチルメタクリレ
ート(同−20℃)、n−デシルメタクリレート(同−
65℃)、n−ラウリルメタクリレート(同−65
℃)、n−セチルメタクリレート(同15℃)などのメ
タクリレート類;ブタジエン、イソプレンなどのジエン
類などが挙げられる。これらの(メタ)アクリレートは
1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よい。特に、n−ブチルアクリレートが好ましい。
【0016】また、(D)成分の共重合体は、メチルメ
タクリレートおよび上記の単量体と共重合可能な単量体
を第三の単量体単位として含有してもよい。このような
共重合可能な単量体としては、スチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系化合物;
(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどの
不飽和ニトリル類;2−ヒドロキシエチルフマレート、
ヒドロキシブチルビニルエーテル、モノブチルマレエー
ト、ブトキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
(D)成分のメチルメタクリレート系共重合体の粒子構
造は、一段階の重合反応で得られる、粒子内がほぼ均一
なポリマー組成であってもよいし、いわゆるコア−シェ
ル構造のように断層毎に異なる重合体組成であってもよ
い。(D)成分のメチルメタクリレート系共重合体の粒
子構造がコア−シェル粒子の場合、コアとシェルの重量
比は1/1〜15/1であることが好ましく、コアとシ
ェルのガラス転移点の差は50℃以下であることが好ま
しい。(D)成分のメチルメタクリレート系共重合体の
ガラス転移点は50〜85℃であることが好ましいが、
60〜83℃であることが更に好ましい。(D)成分の
ガラス転移点が50℃未満であると夏期に倉庫などで保
存中に粉末どうしが固着(ブロッキング)を起し易く、
また、(D)成分のガラス転移点が85℃より高いと重
合反応後の凝固が困難になるほか成形品が発泡不良を起
し易い。本発明において、ガラス転移点の測定は示差熱
分析計で行なうことが好ましい。
【0017】(D)成分として用いられるメチルメタク
リレート系共重合体は、平均分子量の指標として、その
0.2grを溶解したクロロホルム溶液100mlの2
5℃における比粘度が1.5〜4.0であることが好ま
しく、1.8〜3.7の範囲であることが更に好まし
い。上記比粘度の値が1.5未満の場合は成形品の表面
が荒れて発泡倍率が上がらない傾向がある。一方、上記
比粘度の値が4.0を越えると均一溶融化に時間を要す
る。比粘度の調節には、重合反応温度の選定、t−ドデ
シルメルカプタン、四塩化炭素などの連鎖移動剤の使用
などの一般的な方法を採用することができる。(D)成
分のメチルメタクリレート系共重合体は、木粉を塩化ビ
ニル系樹脂に均一に分散させ、発泡セルの膜強度を保持
して破壊され難くする作用を有する。本発明における
(D)成分の配合量は、前記(A)成分の塩化ビニル系
樹脂100重量部当り7〜30重量部であることが好ま
しく、更に好ましくは10〜20重量部である。(D)
成分の配合量が7重量部未満であると、発泡時の膜強度
の保持力が弱くなって発泡セルが破壊され易い。また、
配合量が30重量部を越えると溶融粘度が高くなり、発
熱が大きくなって樹脂の熱劣化を起こしたり、発泡セル
の大きさが不均一になる傾向がある。
【0018】本発明組成物の(E)成分である熱分解型
発泡剤としては、熱分解型有機発泡剤または/および熱
分解型無機発泡剤が用いられる。前者の例としては、
N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,
N′−ジメチル−N,N′−ジニトロソテレフタルアミ
ドなどのニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾ
ビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物;ベンゼンス
ルホニルヒドラジド、p,p′−オキシビス(ベンゼン
スルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジ
ドなどのスルホニルヒドラジド類なとが挙げられる。ま
た、後者の例としては、重炭酸ナトリウム、重炭酸アン
モニウム、炭酸アンモニウムなどが挙げられる。本発明
には、上記の有機または/および無機の熱分解型発泡剤
の群から選択される1種または2種以上を用いることが
できる。
【0019】本発明においては、ブタン、塩化メチル、
トリクロロフルオロメタン、トリフルオロメタン、石油
エーテルなどの低沸点の有機化合物を加熱、揮発させて
発泡剤に用いることは不適当である。発泡セルが粗くな
って成形品が釘止めやビス止めが利き難くなり、建材に
向かないおそれがあるからである。本発明における
(E)成分の熱分解型発泡剤の配合量は、(A)成分の
塩化ビニル系樹脂100重量部当たり0.1〜3.0重
量部が好ましく、より好ましくは0.5〜1.5重量部
である。(E)成分の配合量が0.1重量部未満である
と発泡倍率が小さくて得られる成形品の内部が木質感に
欠ける傾向があり、逆に3.0重量部より多いと成形品
表面が荒れたり、表面硬度が低下する虞がある。
【0020】本発明組成物には、上記の各成分に加え
て、通常の塩化ビニル系樹脂の加工時に用いられる熱安
定剤や可塑剤のほか、滑剤、紫外線吸収剤、耐衝撃強化
剤、顔料、充填剤、帯電防止剤などが適宜添加される。
可塑剤を本発明組成物の一成分に(F)成分として加え
ることが好ましい。可塑剤は、前記(C)成分のエポキ
シ基含有熱可塑性樹脂および(D)成分のメチルメタク
リレート系共重合体とあいまって、多量の木粉が配合さ
れる場合でも木粉が均一に分散し、溶融樹脂の流動性を
一層向上するのに効果がある。本発明において可塑剤
は、従来塩化ビニル系樹脂の加工に可塑剤として慣用さ
れているものであればよく、例えば、ジ−(2−エチル
ヘキシル)フタレート、ジイソノニルフタレート、ジシ
クロヘキシルフタレートなどのフタル酸誘導体;ジ−n
−ブチルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アジペ
ート、ジイソノニルアジペートなどのアジピン酸誘導
体;ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジ−n−
ヘキシルアゼレートなどのアゼライン酸誘導体;ジ−n
−ブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバ
ケートなどのセバシン酸誘導体;ジ−n−ブチルフマレ
ート、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレートなどのフ
マル酸誘導体;トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリ
テート、トリ−n−オクチルトリメリテート、トリイソ
デシルトリメリテート、トリイソオクチルトリメリテー
トなどのトリメリット酸誘導体;アセチルトリエチルシ
トレート、アセチルトリ−(2−エチルヘキシル)シト
レートなどのクエン酸誘導体;トリキシレニルホスフェ
ート、トリス(クロロエチル)ホスフェートなどのリン
酸誘導体;ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプ
ロピレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリ
コールジベンゾエートなどのグリコール誘導体;グリセ
ロールモノアセテート、グリセロールトリアセテート、
グリセロールトリブチレートなどのグリセリン誘導体;
エポキシ化大豆油、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイ
ソデシル、エポキシトリグリセライド、エポキシ化オレ
イン酸オクチル、エポキシ化オレイン酸デシルなどのエ
ポキシ誘導体;アジピン酸系ポリエステル、セバシン酸
系ポリエステル、フタル酸系ポリエステルなどのポリエ
ステル系可塑剤などが例示される。可塑剤は一種用いて
も、または二種以上を組合せ用いてもよい。可塑剤の添
加量は(A)成分の塩化ビニル系樹脂100重量部あた
り1〜20重量部、好ましくは3〜10重量部である。
【0021】滑剤の具体例としては、ステアリン酸リチ
ウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミ
ニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ストロ
ンチウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸カルシウ
ム、ラウリン酸バリウム、2−エチルヘキソイン酸バリ
ウム、リシノール酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ナフ
テン酸亜鉛、ラウリン酸カドミウム、ステアリン酸鉛、
二塩基性フタル酸鉛などの金属せっけん類;n−ブチル
ステアレート、メチルヒドロキシステアレート、多価ア
ルコール脂肪酸エステル、エステル系ワックスなどの脂
肪酸エステル類;ステアリン酸、ヒドロキシステアリン
酸などの脂肪酸類;ステアロアミド、オキシステアロア
ミド、オレイルアミド、ベヘンアミド、メチレンビスス
テアロアミド、エチレンビスステアロアミド、N,N′
−ジステアリルコハク酸アミドなどのアミド化合物;三
塩基性硫酸塩、塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛な
どの無機酸鉛類、ポリエチレンワックスなどが挙げられ
る。特に、本発明の組成物に(G)成分として上記金属
せっけんを塩化ビニル系樹脂100重量部当り0.5〜
10重量部添加すると加工性が良くなるので好ましく、
1.5〜7重量部添加することがより好ましい。これに
加えて、さらに(H)成分としてポリエチレンワックス
0.1〜5重量部添加することは一層加工性を向上し、
かつ成形品の機械的強度が上がるので好ましく、0.3
〜2重量部添加することがより好ましい。
【0022】本発明組成物を調製するには、通常、先ず
(E)成分の熱分解型発泡剤を除く(A)、(B)、
(C)および(D)成分などを一括してヘンシェルミキ
サーなどの混合機に投入して、好ましくは激しく攪拌す
ることによって、混合しつつ120〜160℃に昇温す
る。この混合の過程で木粉に吸収されている水分および
低沸点化合物を揮散させる。上記温度に到達したら混合
物をクーリングミキサーに移して温度が110〜80℃
まで下がった時点で(E)成分の熱分解型発泡剤を添加
して混合しつつ冷却する。通常50〜60℃程度に温度
を下げる。取出された粉末状の混合物をそのまま成形用
のコンパウンドとすることができるが、通常、次いで、
ペレット化する。ペレット作成の好ましい方法として
は、二軸押出機を用い、150〜170℃にて、かつベ
ント孔から木粉中の残留水分を排出しつつペレットを製
造する方法が挙げられる。
【0023】上記の本発明組成物の調製方法において、
ヘンシェルミキサーなどでの当初の混合時に発泡剤を除
く全成分を一括投入して混合することにより、嵩比重が
大きく、また顔料などの添加剤が均一に分散した混合物
を得ることができる。本発明組成物を用いて、天然木材
に似た塩化ビニル系樹脂成形品を得るための成形方法と
しては、特に制限はないが上記の粉末状コンパウンドま
たはペレットを通常押出機にかけて成形する。押出成形
の条件としては、一般の塩化ビニル系樹脂の押出成形と
同様な条件が採られる。
【0024】かくして、得られる押出発泡成形品は均一
に分布した微細なセルを有し、しかも塩化ビニル系樹脂
の連続層が木粉に馴染んでいるので十分に大きな機械的
強度を有する。通常、セルの平均直径は100μm以下
である。また、押出発泡成形品の発泡倍率は2.0〜
3.5であることが好ましい。発泡倍率が低過ぎると木
質感に乏しいものとなり、逆に、発泡倍率が高過ぎると
発泡セルが粗くなったり機械的強度が低下する傾向があ
る。押出成形品の形態は、建材や家具材などの用途に応
じたものとすればよく、一般に板状、シート状、角柱
状、円柱状、異形などが挙げられる。
【0025】次に本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の発
明の種々の態様を示す。 (1)(A)塩化ビニル系樹脂100重量部、(B)平
均粒径50〜500μmの木粉20〜150重量部、
(C)エポキシ基を含有し、塩化ビニル樹脂に相溶性の
ある熱可塑性樹脂、(D)メチルメタクリレート単位を
60重量%以上含有するメチルメタクリレート系共重合
体および(E)熱分解型発泡剤を含有してなる塩化ビニ
ル系樹脂組成物。 (2)(A)塩化ビニル系樹脂100重量部、(B)平
均粒径50〜500μmの木粉20〜150重量部、
(C)エポキシ基を0.3〜10重量%含有し、塩化ビ
ニル樹脂に相溶性のある熱可塑性樹脂を、該エポキシ基
量が(A)、(B)および(C)の合計量に対して0.
01〜0.2重量%となる量、(D)メチルメタクリレ
ート単位を60重量%以上含有するメチルメタクリレー
ト系共重合体7〜30重量部および(E)熱分解型発泡
剤0.1〜3.0重量部を含有してなる塩化ビニル系樹
脂組成物。 (3)塩化ビニル樹脂に相溶性のある熱可塑性樹脂が、
平均重合度200〜1,000の塩化ビニル共重合体ま
たは、重量平均分子量20,000〜3,000,00
0のメチルメタクリレート共重合体もしくはアクリロニ
トリル−スチレン共重合体である上記(1)または
(2)に記載のの塩化ビニル系樹脂組成物。
【0026】(4)メチルメタクリレート単位を60重
量%以上含有するメチルメタクリレート系共重合体が、
ガラス転移点50〜85℃で、かつ比粘度が1.5〜
4.0のものである上記(1)〜(3)のいずれかに記
載の塩化ビニル系樹脂組成物。 (5)塩化ビニル系樹脂(A)の平均重合度が400〜
1,500である上記(1)〜(4)のいずれかに記載
の塩化ビニル系樹脂組成物。 (6)平均粒径50〜500μmの木粉(D)の含有量
が25〜120重量部である上記(1)〜(5)のいず
れかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 (7)(C)成分の配合量が、(A)、(B)および
(C)成分の合計量に対し、エポキシ基の量が0.02
〜0.18重量%になる量である上記(1)〜(6)の
いずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 (8)メチルメタクリレート系共重合体(D)の比粘度
が1.8〜3.7である上記(1)〜(7)のいずれか
に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 (9)メチルメタクリレート系共重合体(D)のガラス
転移点が60〜75℃である上記(1)〜(8)のいず
れかに記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 (10)上記(A)、(B)、(C)、(D)および
(E)成分の他に、さらに、塩化ビニル系樹脂(A)1
00重量部あたり(F)可塑剤1〜20重量部、(G)
金属せっけん0.5〜10.0重量部および(H)ポリ
エチレンワックス0.1〜5.0重量部を含有する上記
(1)〜(9)のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組
成物。
【0027】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて、本発明の
塩化ビニル系樹脂組成物について具体的に説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。な
お、部数および%は重量基準である。メチルメタクリレ
ート系共重合体を下記製造例に記載の方法により調製し
た。なお、共重合体の特性は下記の方法により評価し
た。
【0028】ガラス転移点 示差熱分析計(SEIKO SSC/520 DSC2
20)にて測定した。 比粘度 共重合体0.2grを溶解したクロロホルム溶液100
mlの25℃における比粘度を求めた。
【0029】凝固性 凝固で得られた粉体50gにカーボン0.05gを添加
し、ロータップ30分の篩分析を行い、下記3等級で評
価する。 A:50重量%通過径が150〜500μmで、かつ1
50メッシュ通過量<1重量% B:50重量%通過径が150〜500μmで、かつ1
50メッシュ通過量 1〜5重量% C:50重量%通過径が150〜500μmで、かつ1
50メッシュ通過量>5重量%
【0030】凝固粉体の固着性 内径が直径77mm、長さ75mmの円筒に凝固粉体を
自然落下にて充満し、その上に荷重を1分間かけて取り
除き、容器を横に倒して1分間以内に粉体のまとまりが
崩れるか否かを観察する。崩れる場合は順次荷重を増
し、粉体が崩れずに固着する荷重を調べ、下記3等級で
評価する。 A:1000gの荷重でも固着しない。 B:500〜1000gの荷重で固着する。 C:500gより小さな荷重で固着する。
【0031】メチルメタクリレート系共重合体製造例1 ステンレス製反応器に水150部を入れて脱気後、メチ
ルメタクリレート85部、n−ブチルアクリレート15
部、炭素数12〜18のアルキル基を有するソジウムア
ルキルサルフェート1部および過硫酸カリウム0.1部
を添加し、攪拌しつつ重合温度55℃にて乳化重合を行
い、少量サンプリングした反応液の固形分濃度により重
合率91%を確認してから反応を終了させ、ラテックス
を得た。得られたラテックスを50℃の1重量%硫酸ア
ルミニウム水溶液に攪拌下で添加し、更に90℃に加熱
して塩析、凝固し、脱水、洗浄してから乾燥して共重合
体aを得た。共重合体aの組成はメチルメタクリレート
単位85%、n−ブチルアクリレート単位15%で、ガ
ラス転移点は83℃、比粘度3.6、凝固性A、固着性
Aであった。
【0032】発泡成形品の特性を下記の方法により調べ
た。 1)発泡セル状態 成形品の切断面を光学顕微鏡にて観察し、下記の4等級
で評価する。 A:セルの径が100μm以下の微細でかつ均一な状態
である。 B:破壊されて粗くなったセルが散見される。 C:破壊されて粗くなったセルが多い。 D:破壊されて粗くなったセルが大部分である。 2)成形品表面性状 成形品の表面から目視および指触し、下記の4等級で評
価する。 A:滑らか B:若干鮫肌状 C:鮫肌 D:粒状突起が多い。
【0033】3)真比重および成形品比重 JIS K 7112による水中置換法で測定。 4)成形品発泡倍率 上記測定による比重の値を用い、下式により求める。 発泡倍率=真比重/成形品比重 5)抗張力 JIS K 7113の1号試験片で引張速度10mm
/minで測定する。
【0034】実施例1〜5、比較例1〜2、参考例1〜
2 表1に示す種類と量の各成分をヘンシェルミキサーにて
次の要領でブレンドした。塩化ビニル樹脂、木粉、エポ
キシ基含有熱可塑性樹脂(ただし、比較例2ではエポキ
シ基含有熱可塑性樹脂を添加しない)、メチルメタクリ
レート系共重合体、可塑剤、熱安定剤、滑剤、充填剤お
よび顔料を仕込んで混合しつつ水蒸気を揮発させた。温
度が上昇して140℃になったら混合物をクーリングミ
キサーに移して混合し、100℃に温度が低下した時点
で発泡剤を添加し、60℃まで温度を下げた。得られた
粉末状の混合物は、シリンダー径65mmの一軸押出機
を用いて下記条件にてペレットにした。なお、ベント孔
から木粉に残る水分を揮発させた。 スクリュウ:L/D=24、圧縮比2.5、回転数30rpm 設定温度 :C1 =130℃、C2 =140℃、C3 =150℃ C4 =160℃、ヘッド160℃、ダイス160℃ ダイス :3mmφペレット×12孔 ランド長さ:10mm
【0035】こうして得られたペレットを、シリンダー
径40mmの一軸押出機により下記条件にて押出発泡成
形した。成形品の特性を表1に示す。 スクリュウ:L/D=24、圧縮比2.5、回転数30rpm 設定温度 :C1 =150℃、C2 =160℃、C3 =165℃ C4 =170℃、ヘッド160℃、D1 =160℃ D2 =160℃ ダイス :厚み3mm幅×40mmベルト ランド長さ:5mm
【0036】
【表1】
【0037】注 *1 ZEST700L、新第一塩ビ(株)製、塩化ビ
ニル樹脂、平均重合度680。 *2 酸化チタン粒付着木粉、ミサワテクノ(株)製、
E60−T5−3、酸化チタン含有量5重量%、平均粒
径60μm、含水率5%。 *3 セルユント、(株)シマダ商会製、木粉、平均粒
径80μm、水分5重量%。 *4 塩化ビニル−グリシジルメタクリレート共重合体
(共重合重量比95:5)、平均重合度750、エポキ
シ基含有量1.51重量%。 *5 メチルメタクリレート−グリシジルメタクリレー
ト共重合体(共重合重量比95:5)、重量平均分子量
300,000、エポキシ基含有量1.51重量%。 *6 アクリロニトリル−スチレン−アリルグリシジル
エーテル共重合体(共重合重量比50:45:5)、重
量平均分子量100,000、エポキシ基含有量1.8
9重量%。 *7 塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合
体(共重合重量比88.6:8.5:2.5)、平均重
合度410、エポキシ基含有量0重量%。 *8 ACPE6A、アライドケミカル社製。 *9 三塩基性硫酸鉛/ステアリン酸鉛複合熱安定剤。 *10 炭酸カルシウムCCR、白石カルシウム(株)
製、平均粒径0.08μm。 *11 カーボンブラック(TPH0012、東洋イン
キ製造株式会社製)/縮合アゾレッド(TXH436
0、同社製)/ビスアゾイエロー(TXH2110、同
社製)複合顔料。 *12 (A)成分、(B)成分および(C)成分の合
計重量に占める(C)成分中のエポキシ基の割合(重量
%)。
【0038】厚み3mmの平板を押出成形して各種配合
の組成物を比較評価した。本発明の要件を備えた組成物
を用いて成形した実施例1〜5では、発泡セル状態およ
び表面性状が良好で、大きな発泡倍率を有し、かつ抗張
力の大きな発泡成形品が得られた。また、ジ−2−エチ
ルヘキシルフタレートとステアリン酸バリウムおよびポ
リエチレンワックスを添加すると発泡倍率と抗張力が一
層優れた成形品が得られた(実施例5)。しかし、本発
明の要件を満たさない組成物を用いて成形した比較例で
は、いずれも抗張力の小さな発泡体しか得られなかっ
た。(C)成分のエポキシ基含有熱可塑性樹脂の代わり
にエポキシ基を持たない塩化ビニル−酢酸ビニル−無水
マレイン酸共重合体を配合した比較例1、および(C)
成分またはその代替品をなにも配合しなかった比較例2
は、成形品の発泡倍率が向上せず抗張力も改善されなか
った。
【0039】エポキシ基含有熱可塑性樹脂の配合部数が
少なくて、(A)、(B)および(C)成分の合計重量
に占めるエポキシ基の割合が0.005重量%である参
考例1では、成形品の発泡倍率が充分には向上しなかっ
た。逆に、エポキシ基含有熱可塑性樹脂を多量配合した
参考例2では、成形品の抗張力がやや低下した。
【0040】
【発明の効果】本発明組成物を用いることにより、均一
なセル構造と平滑な表面とを有し、木質感に富んだ、建
材や家具材に適する高発泡の塩化ビニル系樹脂成形品を
製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 33/20 C08L 33/20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)塩化ビニル系樹脂100重量部、
    (B)平均粒径50〜500μmの木粉20〜150重
    量部、(C)エポキシ基を含有し、塩化ビニル樹脂に相
    溶性のある熱可塑性樹脂、(D)メチルメタクリレート
    単位を60重量%以上含有するメチルメタクリレート系
    共重合体および(E)熱分解型発泡剤を含有してなる塩
    化ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)塩化ビニル系樹脂100重量部、
    (B)平均粒径50〜500μmの木粉20〜150重
    量部、(C)エポキシ基を含有し、塩化ビニル樹脂に相
    溶性のある熱可塑性樹脂を、該エポキシ基量が(A)、
    (B)および(C)の合計量に対して0.01〜0.2
    重量%となる量、(D)メチルメタクリレート単位を6
    0重量%以上含有するメチルメタクリレート系共重合体
    7〜30重量部および(E)熱分解型発泡剤0.1〜
    3.0重量部を含有してなる塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 塩化ビニル樹脂に相溶性のある熱可塑性
    樹脂が、平均重合度200〜1,000の塩化ビニル共
    重合体または重量平均分子量20,000〜3,00
    0,000のメチルメタクリレート共重合体もしくはア
    クリロニトリル−スチレン共重合体である請求項1また
    は請求項2記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
JP36947897A 1997-12-26 1997-12-26 塩化ビニル系樹脂組成物 Pending JPH11189693A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36947897A JPH11189693A (ja) 1997-12-26 1997-12-26 塩化ビニル系樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36947897A JPH11189693A (ja) 1997-12-26 1997-12-26 塩化ビニル系樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11189693A true JPH11189693A (ja) 1999-07-13

Family

ID=18494526

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36947897A Pending JPH11189693A (ja) 1997-12-26 1997-12-26 塩化ビニル系樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11189693A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9850372B2 (en) 2008-10-14 2017-12-26 Solvay Sa Composition based on a vinyl halide polymer
CN114213591A (zh) * 2022-02-24 2022-03-22 山东三义集团股份有限公司 一种氯化聚乙烯接枝共聚物及其制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9850372B2 (en) 2008-10-14 2017-12-26 Solvay Sa Composition based on a vinyl halide polymer
CN114213591A (zh) * 2022-02-24 2022-03-22 山东三义集团股份有限公司 一种氯化聚乙烯接枝共聚物及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2045290B1 (en) Improved polymer composition
EP2797961B1 (en) Processing aids and polymer formulations containing the same and method for producing the same
US9309397B2 (en) Processing aids and polymer formulations containing the same and method for producing the same
EP0927616B1 (en) Impact-modified poly(vinyl chloride) exhibiting improved low-temperature fusion
JP3728684B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JPH1192608A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP3778651B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
US4373051A (en) Polyvinyl chloride containing vinyl acetate-ethylene copolymer as impact strength modifier
JPH11189694A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP3609917B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JPH10182911A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP3724603B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JPH11189693A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP3321755B2 (ja) 改善した融解性を有する塩化ビニル重合体組成物
US20220403155A1 (en) Functionalized process aid blends for cellular pvc
JP3642097B2 (ja) 発泡成形用塩化ビニル系樹脂組成物
JP3542877B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
KR100487785B1 (ko) 목분함유염화비닐계수지조성물및그제조방법
JPH10231405A (ja) 塩化ビニル樹脂組成物
JPH08302129A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JPH08333469A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP2001240715A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP2003335885A (ja) 木質含有ポリ塩化ビニル系樹脂組成物
JP4882661B2 (ja) 発泡成形用塩化ビニル樹脂組成物および発泡成形品
JPH023815B2 (ja)