JPH1189277A - リラクタンスモータの制御装置 - Google Patents

リラクタンスモータの制御装置

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JPH1189277A
JPH1189277A JP9243205A JP24320597A JPH1189277A JP H1189277 A JPH1189277 A JP H1189277A JP 9243205 A JP9243205 A JP 9243205A JP 24320597 A JP24320597 A JP 24320597A JP H1189277 A JPH1189277 A JP H1189277A
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康彦 北島
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吉典 山村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リラクタンスモータのコイル電流を、電流セン
サを用いずに正確且つ独立に制御できるようにする。 【解決手段】回転角センサ5で検出されたモータ回転角
とトルク指令値からリラクタンスモータ5の各励磁コイ
ルに対する電流指令値を演算する電流指令値演算回路1
と、この電流指令値とモータ回転角及びモータパラメー
タから各励磁コイルに対する電圧指令値を演算する電圧
指令値演算回路2と、この電圧指令値に基づいてPWM
パルス指令値を作成するPWMパルス指令値作成回路3
と、このPWMパルス指令値に従ったPWMパルス信号
を発生して各励磁コイルへの通電を行う電力変換回路4
とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リラクタンスモー
タの制御装置に関し、詳しくは、電流センサを使用しな
いでモータ電流を制御するリラクタンスモータの制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、リラクタンスモータの駆動原理を
説明する。リラクタンスモータは、回転子と固定子にそ
れぞれ突極を有し、固定子の互いに向かい合う突極を1
組として1本の励磁コイルが巻回されて1相を構成して
いる。この励磁コイルに電流を供給すると、相のリラク
タンスが変化しリラクタンスが最小になる位置に回転子
が吸引される。この吸引力により回転子を回転させる。
【0003】次に、このようなリラクタンスモータの出
力トルクの制御について、一般的な3相の場合について
説明する。リラクタンスモータの出力トルクTは式
(1)で記述される。 T= (1/2) ia2(dLa /dθ)+(1/2) ib2(dLb /dθ) +(1/2) ic2(dLc /dθ)+ia ib(dMab/dθ) +ib ic(dMbc/dθ)+ic ia(dMca/dθ) ・・・ (1) La :a相自己インダクタンス Lb :b相自己インダクタンス Lc :c相自己インダクタンス Mab:ab相相互インダクタンス Mbc:bc相相互インダクタンス Mca:ca相相互インダクタンス ia :a相コイル電流 ib :b相コイル電流 ic :c相コイル電硫 θ:モータ回転角 リラクタンスモータにおいては、通常は自己インダクタ
ンスLは相互インダクタンスMに比べて充分大きく、モ
ータ回転角(回転子位置)に対する自己インダクタンス
の微分値(dL/dθ)も相互インダクタンスの微分値
(dM/dθ)に比べ充分大きいので、相互インダクタ
ンスの項を無視しても問題とならない場合が多く、出力
トルクTは式(2)で近似できる。
【0004】 T= (1/2) ia2(dLa /dθ)+(1/2) ib2(dLb /dθ) +(1/2) ic2(dLc /dθ) ・・・ (2) つまり、リラクタンスモータの出力トルクは、式(3)
に示すようにそれぞれの相で発生するトルクの和の形で
表され、それそれの相で発生するトルクは、式(4)の
ようにモータ回転角に対する自己インダクタンスの微分
値(dL/dθ)とコイル電流の2乗(i2)との積に比
例する。
【0005】 T=ΣTk (0121a 、b 、c ) ・・・ (3) Tk = (1/2)ik2(dLk /dθ)(0121a 、b 、c ) ・・・ (4) 図1(a)に3相4極のリラクタンスモータの回転角と
自己インダクタンスの関係を示す。トルク制御を行う場
合、例えば正のトルクを出力する場合には、a相、b
相、c相の3相の中からモータ回転角θに対する自己イ
ンダクタンスの変化量が正となっている相を選んで電流
を流せば良い。3相のコイルによる合計トルクが指令値
に一致し且つ、ピーク電圧が小さくて済むように各相の
電流の時間変化を小さくする電流指令値は、例えば図1
(b)のようになる。ここで、2つの相に電流を流して
いる区間があるが、この区間では2相分のトルクの合計
がモータの出力トルクとなる。出力トルクは式(2)で
示したように、各相の電流の2乗に比例した値の和とな
るので、複数相に電流を流す場合、その合計電流値が同
じでも出力トルクは同じになるとは言えない。つまり、
リラクタンスモータの出力トルクを制御するには、各相
の電流を独立に制御することが必要である。
【0006】ところで、リラクタンスモータの電流を制
御するには、モータ電流を検出する手段を各相毎に設け
電流をフィードバック制卸するのが一般的である。しか
し、電流を検出する手段として用いられる電流センサは
高価でサイズも比較的大きく、特に、小出力のモータの
制御装置では、コスト・サイズの両面から電流センサの
数を低減したいという要求がある。これに対する対策と
して、例えば特開平6−351289号公報で提案され
ているものがある。この例では、1つ電流センサを用い
て3相の合計の電流を検出し、1つの電流制御ループで
各相のコイル電流を制御している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
技術では、電流センサの数を減らしてはいるが、電流セ
ンサを依然使用している。また、3相の合計電流を検出
し、1つの制御ループで電流を制御するものであるか
ら、各相の電流を独立に制御することができない。従っ
て、複数の相に同時に電流を流す時には、出力トルクの
制御精度が低下するという問題点がある。
【0008】本発明はこのような従来技術の問題点に鑑
みてなされたものであり、コイル電流の検出手段を不要
にすると共に、各相の電流を独立に制御することを可能
とするリラクタンスモータの制御装置を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明では、モータの回転角を検出
する回転角検出手段と、検出されたモータ回転角に応じ
て、指令値通りのトルクを出力するように、各相の励磁
コイルへの電流指令値を演算する電流指令値演算手段
と、演算された電流指令値と検出されたモータ回転角及
びモータパラメータとから各相の励磁コイルへの電圧指
令値を演算する電圧指令値演算手段と、演算された電圧
指令値に基づいてPWMパルス指令値を作成するPWM
パルス指令値作成手段と、作成されたPWMパルス指令
値に従ったPWMパルス信号を発生し各相の励磁コイル
への通電を行う駆動手段とを備えることを特徴とする。
【0010】かかる構成のリラクタンスモータの制御装
置では、モータ各相の励磁コイルへの電流指令値に追従
させる為に必要な電圧を、モータ回転角に応じたモータ
パラメータから演算し、この演算された電圧値を各相の
励磁コイルに印加するためのPWMパルス信号の指令値
を作成して、励磁コイルへの通電を制御する。請求項2
に記載の発明では、前記電圧指令値演算手段は、少なく
ともモータ回転角に応じた各相の励磁コイルのインダク
タンスを求めるインダクタンス算出手段と、算出された
インダクタンス値と前記電流指令値演算手段で演算され
た電流指令値とから各相の励磁コイルの磁束指令値を演
算する磁束指令値演算手段と、この磁束指令値から磁束
の目標応答とその時間変化量を演算する磁束指令値変化
量演算手段と、各相の励磁コイルの抵抗値と前記電流指
令値との積と、前記演算された磁束の目標応答の時間変
化量との和を演算して前記電圧指令値を算出する加算手
段とを備える構成とした。
【0011】かかる構成のリラクタンスモータの制御装
置では、電流指令値から磁束の目標応答とその時間変化
量を演算し、また、抵抗による電圧降下を演算し、磁束
目標応答の時間変化量と抵抗による降下電圧の和を求め
て電圧指令値とする。請求項3に記載の発明では、前記
インダクタンス算出手段は、励磁コイルの自己インダク
タンスを算出し、前記磁束指令値演算手段は、励磁コイ
ルの自己インダクタンスと電流指令値とから磁束指令値
を演算するようにした。
【0012】請求項4に記載の発明では、前記インダク
タンス算出手投は、モータ回転角と電流指令値とに応じ
てインダクタンスを算出するようにした。かかる構成の
リラクタンスモータの制御装置では、電圧指令値の計算
に、電流指令値とモータ回転角に応じたインダクタンス
の値を使用するようになる。請求項5に記載の発明で
は、前記PWMパルス指令値作成手段は、前記駆動手段
から発生するPWMパルス信号と励磁コイルに印加され
る印加電圧との関係から、前記電圧指令値と前記印加電
圧とが等しくなるようにPWMパルス指令値を作成する
ようにした。
【0013】請求項6に記載の発明では、前記PWMパ
ルス指令値作成手段は、前記電流指令値が0である時
に、前記PWMパルス指令値のオンデューテイを0とす
るようにした。
【0014】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、モータ回
転角に応じて所望の出力トルクが得られるように演算し
た電流指令値から、モータのパラメータを用いて電圧指
令値を算出し、この電圧指令値に基づいてPWMパルス
信号を発生して各相の励磁コイル毎に通電を制御するこ
とにより、電流を検出することなく電流指令値に追従す
る電流を各相の励磁コイルに流すことができ、電流セン
サを用いることなくモータ電流を正確に制御でき、しか
も、各相の励磁コイル毎に電流を制御するので、出力ト
クルを精度良く制御できる。
【0015】請求項2に係る発明によれば、励磁コイル
のインダクタンスと電流指令値から励磁コイルの磁束指
令値を演算し、この磁束指令値から磁束の目標応答とそ
の時間変化量を演算し、この目標応答の時間変化量と励
磁コイルの抵抗による降下電圧の和から電圧指令値を算
出するようにしたので、所望の応答性を実現する電圧指
令値を簡単に演算することができるという効果がある。
【0016】請求項3に係る発明によれば、励磁コイル
の自己インダクタンスに基づいて磁束指令値を算出する
ことにより、自己インダクタンス分による磁束に比べ充
分小さい相互インダクタンス分による磁束を含めた複雑
な演算を行わなくて済むので、電圧指令値の演算をより
一層簡単にすることができる。請求項4に係る発明によ
れば、電圧指令値の算出に使用するインダクタンスを算
出する場合に、モータ回転角に加えて電流指令値も用い
ることにより、磁気飽和か生じる領域においても励磁コ
イルに流れる電流を電流電流指令値に追従させることが
できる。
【0017】請求項5に係る発明によれば、駆動回路に
おける励磁コイルの通電を制御するスイッチング素子の
立上がり、立下がりの応答遅れ等による電圧指令値とP
WM電圧とのずれを補正することができる。請求項6に
係る発明によれば、電流指令値が0の場合に、PWMパ
ルス指令値のオンデューティを0にするようにしたの
で、励磁コイルに電流が流れている時には負の最大の電
圧が励磁コイルに印加され、電流が流れていない時には
励磁コイルには電圧が印加されないため、励磁コイルの
電流を素早く電流指令値に追従させることできる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るリラクタン
スモータの制御装置の実施の形態を説明する。図2は、
本発明に係るリラクタンスモータの制御装置の第1実施
形態の全体構成を示したブロック図である。
【0019】図2において、本実施形態の制御装置は、
外部より与えられるトルク指令値T * が得られるよう、
リラクタンスモータ5の回転角θを検出する回転角検出
手段としての回転角センサ6から出力されるモータ回転
角θを用いて各相(本実施形態ではa相、b相、c相)
の電流指令値ia * 、ib * 、ic * を演算する電流指
令値演算回路1と、これらの電流指令値ia * 、ib
* 、ic * とモータ回転角θとからリラクタンスモー
タ5のパラメータを用いて電圧指令値Va * 、Vb *
Vc * を演算する電圧指令値演算回路2と、これらの電
圧指令値Va * 、Vb * 、Vc * と等価的に等しい電圧
を各相の励磁コイルに印加するためのPWMパルス指令
値Vsa* 、Vsb* 、Vsc* を演算するPWMパルス指令
値作成回路3と、PWMパルス指令値Vsa* 、Vsb*
Vsc* に従ってリラクタンスモータ5の各相の励磁コイ
ルへの通電を行う駆動手段としての電力変換回路4とを
備えて構成される。
【0020】次に、本実施形態の電圧指令値演算回路2
について説明する。まず、回路構成を説明する前にリラ
クタンスモータの電圧と電流の関係を説明する。リラク
タンスモータの各相の励磁コイルの電流と電圧の関係は
式(5)〜(7)で記述される。 Va = Ria +[d(La ・ia)/dt]+[d(Mab・ib)/dt] +[d(Mca・ic)/dt] ・・・ (5) Vb = Rib +[d(Lb ・ib)/dt]+[d(Mbc・ic)/dt] +[d(Mab・ia)/dt] ・・・ (6) Vc = Ric +[d(Lc ・ic)/dt]+[d(Mca・ia)/dt] +[d(Mbc・ib)/dt] ・・・ (7) Va :a相印加電圧 Vb :b相印加電圧 Vc ;c相印加電圧 ia :a相電流 ib :b相電流 1c :c相電流 R:巻線抵抗値 式(5)〜(7)において、一般に第1項、第2項は第
3項、第4項と比べて充分大きいので次の式(8)〜
(10)ように近似できる。
【0021】 Va =Ria +[d(La ・ia)/dt] ・・・ (8) Vb =Rib +[d(Lb ・ib)/dt] ・・・ (9) Vc =Ric +[d(Lc ・ic)/dt] ・・・ (10) リラクタンスモータのa,b,c相の電流指令値をそれ
ぞれia * 、ib * 、ic * 、電圧指令値をVa * 、V
b * 、Vc * とすれば、電流指令値から電圧指令値は、
下記の式(11)〜(13)のように求めることができ
る。
【0022】 Va * =Ria * +[d(La ・ia * ) /dt] ・・・ (11) Vb * =Rib * +[d(Lb ・ib * ) /dt] ・・・ (12) Vc * =Ric * +[d(Lc ・ic * ) /dt] ・・・ (13) 図3は、本実施形態の電圧指令値演算回路2を詳細に示
した図である。図3において、電圧指令値演算回路2
は、a相、b相、c相の電圧指令値Va * 、Vb * 、Vc
* をそれぞれ演算する演算部2A、2B、2Cと、図
1(a)に示すようなモータ回転角θに対する各相の自
己インダクタンスLa 、Lb 、Lc のデータが納められ
ているテーブルマップ2−1とを備えている。尚、各演
算部2A、2B、2Cについては、同じ構成であるの
で、以下ではa相の演算部2Aについてのみ説明する。
【0023】演算部2Aは、回転各センサ6で検出され
た回転角θに応じてテーブルマップ2−1から検索され
たインダクタンスLa と電流指令値ia * とから磁束指
令値φa * を求める乗算器2−2と、磁束指令値φa *
から磁束の目標応答φma* 及びその時間微分値d(φma
* )/dtを求めるフィルタ2−3と、電流指令値ia
* に励磁コイルの抵抗値Rを乗じ、抵抗分の電圧指令値
R・ia * を求める回路2−4と、磁束の目標応答φma
* の時間微分値d(φma* )/dtと抵抗分の電圧指令
値R・ia * との和を求める加算器2−5とを備え、加
算器2−5の算出結果をa相の励磁コイルに対する電圧
指令値Va * として出力する構成である。
【0024】また、図4に本実施形態の電力変換回路4
の構成を示す。図4において、PWMパルス指令値作成
回路3からの各相に対するPWMパルス指令値が駆動回
路11に入力すると、駆動回路11からPWMパルス指
令値に対応するPWMパルス信号を発生し、各相の2個
のスイッチング素子(MOSFET等)19と20、2
1と22、23と24を駆動することで、各相の励磁コ
イル13、14、15に流れる電流値が電流指令値と一
致するように調整する。尚、図4において、12は電
源、16〜18は抵抗、25〜30はダイオードであ
る。
【0025】次に、作用を説明する。外部から与えられ
た出力トルクの指令値T* が得られるよう、モータ回転
角θに応じて電流指令値演算回路1で演算される電流指
令値ia * 、ib * 、ic *に各相のモータ電流を追従
させるには、式(11)〜(13)に示す式に示される
電圧指令値Va * 、Vb * 、Vc * を演算する必要があ
る。そこで、電圧指令値演算回路2では、各演算部2A
〜2Cにおいて、電流指令値演算回路1からそれぞれ入
力する電流指令値ia * 、ib * 、ic * と、検出され
たモータ回転角θに対応してインダクタンスデータのテ
ーブルマップ2−1から検索された各相のインダクタン
スLa 、Lb 、Lc とから各相の磁束指令値φa * 、φ
b * 、φc * を求め、この磁束指令値φa * 、φb *
φc * の目標応答φma *、φmb *、φmc *に対する時間
微分値d(φma* )/dt、d(φmb *)/dt、d
(φmc *)/dtを求め、これを式(11)〜(13)
におけるインダクタンス分の電圧指令値とする。また、
抵抗分の電圧指令値Ria * 、Rib * 、Ric * は、
電流指令値ia * 、ib * 、ic * と抵抗値Rとの積か
ら求める。そして、加算器2−5でこれらの和を演算す
ることにより、各相の励磁コイル13〜15に印加する
電圧指令値Va * 、Vb * 、Vc * を作成する。
【0026】ここで、演算部2A〜2Cの各フィルタに
おけるωc を大きくすれば、磁束の目標応答φma *、φ
mb *、φmc *の時間微分d(φma* )/dt、d(φmb
*)/dt、d(φmc *)/dtは、磁束指令値の時間
微分に近づく。従って、必要な電流の応答性の範囲内で
ωc を大きくしておけば、式(11)〜(13)と等価
であると見なすことができる。このようにすれば、簡単
な制御系で、電流指令値ia * 、ib * 、ic * に各励
磁コイル電流を追従させる電圧指令値Va * 、Vb *
Vc を演算することができる。
【0027】そして、演算された電圧指令値Va * 、V
b * 、Vc からPWMパルス指令値Vsa* 、Vsb* 、V
sc* を作成し、作成されたPWMパルス指令値Vsa*
Vsb * 、Vsc* に基づいて電力変換回路4の駆動回路1
1からPWMパルス信号を発生して、各相の励磁コイル
13〜15に通電がおこなわれる。かかる構成によれ
ば、電流センサを設けることなく、各相毎に励磁コイル
電流を制御でき、複数相に同時に電流を流す時でも出力
トルクを精度良く制御できるようになる。
【0028】尚、本来、電圧と電流の関係は、式(5)
〜(7)のように複雑な式で表される。従って、本実施
形態と同様の手法で、自己インダクタンスのテーブルマ
ップ2−1に加えて相互インダクタンスのデータマップ
も設ければ、式(5)〜(7)に基づいたリラクタンス
モータの制御系を構成することもできる。次に、第2実
施形態について説明する。
【0029】第2実施形態の全体構成は、図2に示す第
1実施形態と同様である。第2実施形態が、第1実施形
態と異なるのは、電圧指令値演算回路2のインダクタン
スデータを納めたテーブルマップであり、図5に第2実
施形態の電圧指令値演算回路を示す。尚、第1実施形態
と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。図5
において、本実施形態のインダクタンスデータを納めた
テーブルマップ2−1′は、モータ回転各θと電流指令
値ia * 、ib * 、ic * とに基づいて自己インダクタ
ンスデータを検索する構成である。
【0030】励磁コイル13〜15の電流が大きくなる
と磁束の飽和が発生する。このような飽和領域では、自
己インダクタンスLa 、Lb 、Lc はモータ回転角θだ
けではなく、電流によっても変化する。従って、本実施
形態の制御系のように、電流指令値ia * 、ib * 、i
c * とモータ回転角θとから、各相の励磁コイル13〜
15の自己インダクタンスLa 、Lb 、Lc のデータを
検索する構成とすれば、磁気飽和が発生する領域におい
ても、電流指令値ia * 、ib * 、ic * と実電流が一
致するようになり、より一層制御精度を高められる。
【0031】次に、第3実施形態について説明する。第
3実施形態の全体構成も、図2に示す第1実施形態と同
様である。第3実施形態では、PWMパルス指令値作成
回路が異なり、本実施形態のPWMパルス指令値作成回
路の動作を図6のフローチャートで説明する。尚、以下
ではa相について説明するが、他のb相、c相について
も同様である。
【0032】まず、電流指令値ia * を読み込む(ステ
ップ(1))。次に、電流指令値ia * が0であるか否
かを判断する(ステップ(2))。電流指令値ia *
0でない場合には、ステップ(3)に進む。ステップ
(3)では、電圧指令Va * を読み込む。次に、電圧指
令値Va * に対するPWMパルス指令値Vsa* のデュー
ティを納めたマップを参照する(ステップ(5))。こ
のマップは、電圧指令値Va * とa相の励磁コイル13
に印加される等価電圧とを一致させるようなPWMパル
ス指令値のデューティが納められており、電圧指令値と
励磁コイルに印加される等価電圧のずれが補正できるよ
うになっている。
【0033】ここで、前記マップに納めるデューティの
データについて詳述する。図7は、PWM指令信号Vsa
* に対するa相励磁コイル印加電圧Vaの関係を示した
図である。励磁コイルに電流が流れている場合、PWM
指令信号がONの時には励磁コイルには電圧Vonが印加
される。一方、OFFの時には、電圧Voff が印加され
る。但し、図4の電力変換回路4を用いた場合前記電圧
Von、Voff は式(14)と式(15)となる。
【0034】 Von=Vdc−2Vmoff ・・・ (14) Voff =一Vdc+2Vdon ・・・ (15) Vdc:電力変換回路直流電源電圧 Vmoff:スイッチング素子ON抵抗 Vdon :ダイオード順方向電圧降下 しかし、スイッチング素子19、20の応答速度の影響
で、立ち上がり、立ち下がりの応答に図7のような遅れ
が生じ、PWMパルス指令値Vsa* と実際の励磁コイル
印加電圧Vaのデューティが異なる。従って、電圧指令
値Va* に対応したPWMパルス指令値Vsa* をそのま
ま出力する励磁コイルに印加される等価電圧が異なつて
しまう。そこで、本実施形態では、スイッチング素子の
立ち上がり、立ち下がりの応答特性を考慮して、例えば
図7のようなずれがある場合には、電圧指令値Va*
対してPWMパルス指令値Vsa* のデューティを小さく
するような工夫を行ってデューティのデータを作成して
マップ化してある。こうすることで、スイッチング素子
の応答特性に起因する電圧指令値と励磁コイルに印加さ
れる等価電圧とのずれが補正できる。
【0035】そして、ステップ(5)で得られたPWM
パルス指令値を電力変換回路4に出力する(ステップ
(6))。一方、電流指令値ia * が0の場合には、P
WMパルス指令値のデューティを0にする(ステップ
(4))。このように、PWMパルス指令値のデューテ
ィを0にすれば、電流が流れている場合には式(15)
の電圧Voff が励磁コイルに印加され、電流は最も速く
減衰する。電流が0になれば、励磁コイルに印加される
電圧は0となる。従って、電流の追従性が良く、且つ無
駄なスイッチングが無くて済む。
【0036】そして、ステップ(6)に進んで、ステッ
プ(4)で演算されたデューティ0のPWMパルス指令
値を出力する。
【図面の簡単な説明】
【図1】リラクタンスモータの回転角と自己インダクタ
ンス・電流指令値の関係を示す図
【図2】本発明の制御装置の第1実施形態の全体構成図
【図3】第1実施形態の電圧指令演算回路の構成図
【図4】電力変換回路の構成図
【図5】本発明の第2実施形態の電圧指令演算回路の構
成図
【図6】本発明の第3実施形態のPWMパルス指令値作
成回路の動作フローチャート
【図7】PWM指令信号に対する励磁コイル印加電圧の
関係を示す図
【符号の説明】
1 電流指令値演算回路 2 電圧指令値演算回路 3 PWMパルス指令値作成回路 4 電力変換回路 5 リラクタンスモータ 6 回転角センサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータ回転角を検出する回転角検出手段
    と、 検出されたモータ回転角に応じて、指令値通りのトルク
    を出力するように、各相の励磁コイルへの電流指令値を
    演算する電流指令値演算手段と、 演算された電流指令値と検出されたモータ回転角及びモ
    ータパラメータとから各相の励磁コイルへの電圧指令値
    を演算する電圧指令値演算手段と、 演算された電圧指令値に基づいてPWMパルス指令値を
    作成するPWMパルス指令値作成手段と、 作成されたPWMパルス指令値に従ったPWMパルス信
    号を発生し各相の励磁コイルへの通電を行う駆動手段
    と、 を備えることを特徴とするリラクタンスモータの制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記電圧指令値演算手段は、少なくともモ
    ータ回転角に応じた各相の励磁コイルのインダクタンス
    を求めるインダクタンス算出手段と、算出されたインダ
    クタンス値と前記電流指令値演算手段で演算された電流
    指令値とから各相の励磁コイルの磁束指令値を演算する
    磁束指令値演算手段と、この磁束指令値から磁束の目標
    応答とその時間変化量を演算する磁束指令値変化量演算
    手段と、各相の励磁コイルの抵抗値と前記電流指令値と
    の積と、前記演算された磁束の目標応答の時間変化量と
    の和を演算して前記電圧指令値を算出する加算手段とを
    備えることを特徴とする請求項1記載のリラクタンスモ
    ータの制御装置。
  3. 【請求項3】前記インダクタンス算出手段は、励磁コイ
    ルの自己インダクタンスを算出し、前記磁束指令値演算
    手段は、励磁コイルの自己インダクタンスと電流指令値
    とから磁束指令値を演算することを特徴とする請求項2
    記載のリラクタンスモータの制御装置。
  4. 【請求項4】前記インダクタンス算出手投は、モータ回
    転角と電流指令値とに応じてインダクタンスを算出する
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のリラクタンス
    モータの制御装置。
  5. 【請求項5】前記PWMパルス指令値作成手段は、前記
    駆動手段から発生するPWMパルス信号と励磁コイルに
    印加される印加電圧との関係から、前記電圧指令値と前
    記印加電圧とが等しくなるようにPWMパルス指令値を
    作成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つ
    に記載のリラクタンスモータの制御装置。
  6. 【請求項6】前記PWMパルス指令値作成手段は、前記
    電流指令値が0である時に、前記PWMパルス指令値の
    オンデューテイを0とすることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれか1つに記載のリラクタンスモータの制御装
    置。
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