JPH1177480A - 工作機械 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カバー部材の一端部が連結された部材を急激
に移動させた場合でも、そのカバー部材の他端部が周り
の部材に当たってしまうことを極力防止できるようにす
る。 【解決手段】 第１のＸ軸カバー１０は、一端部１０ａ
をキャリッジ６の左側面に連結し、他端部１０ｂを、ベ
ース３の上面から垂れる状態で、ベース３の取付板３４
に２本の鎖部材３５を介して連結していて、キャリッジ
６の上面から側面にかけて覆うように配置している。キ
ャリッジ６をＸ軸方向に急激に移動させた場合に、第１
のＸ軸カバー１０の他端部１０ｂが跳ね上がろうとする
ことがあるが、少なくとも１本の鎖部材３５がそれを規
制するようになり、１本の鎖部材のみで連結した場合に
比べて、その第１のＸ軸カバー１０の他端部１０ｂが跳
ね上がることを極力防止できるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ワークを加工する
際に移動される部材に連結されたカバー部材を備えた工
作機械に関する。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】一般に、工作機械にお
いては、ワークを加工する際に、主軸ヘッドに装着され
た工具をワークに対してＸ，Ｙ，Ｚの３軸方向へ移動さ
せることができる構成となっている。例えば横型のマシ
ニングセンタと称される工作機械においては、固定状態
のベース上にキャリッジが当該ベースに対してＸ軸方向
へ往復移動可能に設けられ、また、このキャリッジ上に
コラムが当該キャリッジに対してＺ軸方向へ往復移動可
能に設けられ、そして、コラムに主軸ヘッドが当該コラ
ムに対してＹ軸方向へ往復移動可能に設けられた構成と
なっている。

【０００３】そして、この種の工作機械においては、例
えばキャリッジの上面側に加工時の切屑などが入ること
を防止するために、キャリッジとコラムとの間にカバー
部材を設けるようにしている。

【０００４】この種のカバー部材を取付けたものとし
て、本出願人は例えば特開平８−２７６３４６号を出願
している。このものは、次のような構成となっている。
すなわち、すだれ状をなすカバー部材は、一端部がコラ
ムに連結され、他端部がキャリッジの上面から垂れる状
態で鎖部材を介して当該キャリッジの固定部に連結され
ていて、キャリッジの上面から側面にかけて覆うように
配置されている。そして、キャリッジに対してコラムが
Ｚ軸方向へ移動することに伴い、カバー部材の一端部が
コラムと共にＺ軸方向へ移動されるようになっている。

【０００５】しかしながら、上記した構成のものでは、
カバー部材の他端部は、これの左右両側においてそれぞ
れ１本の鎖部材を介してキャリッジの固定部に連結され
ているだけであるため、コラムを急激に移動させると、
カバー部材の他端部が跳ね上がるようになって、キャリ
ッジなどに当たってしまうことがあった。

【０００６】本発明は上記した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、カバー部材の一端部が連結され
た部材を急激に移動させた場合でも、そのカバー部材の
他端部が周りの部材に当たってしまうことを極力防止す
ることができる工作機械を提供するにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の工作機械は、上
記の目的を達成するために、ワークを加工する際に移動
される第１の部材と、この第１の部材を移動可能に支持
する第２の部材と、一端部が前記第１の部材に連結され
ると共に他端部が前記第２の部材の上面から垂れる状態
で当該第２の部材の上面から側面にかけて覆うように配
置され、前記第１の部材の移動に伴い移動されるカバー
部材とを備えたものにおいて、このカバー部材の他端部
を、少なくとも２本の条部材を介して前記第２の部材に
連結したことを特徴とするものである。

【０００８】このような構成において、カバー部材の一
端部が連結された第１の部材を急激に移動させた場合
に、カバー部材の他端部が跳ね上がろうとしても、少な
くとも１本の条部材がそれを規制するようになるので、
カバー部材の他端部を１本の条部材のみで連結した場合
に比べて、カバー部材の他端部が跳ね上がることを極力
防止できるようになる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例について
図面を参照して説明する。まず、工作機械の全体の外観
を示す図３において、この工作機械１は、回転テーブル
２上に載置されたワーク（図示せず）に対して水平方向
に切削その他の工作を行う横型マシニングセンタと称さ
れるものである。ワークが載置される回転テーブル２
は、固定状態のベース３上に設けられた回転テーブル用
基台４上に設けられていて、Ｂ軸用モータ５により回転
制御されるようになっている。

【００１０】ベース３上において、回転テーブル２の後
方部分には、キャリッジ６がＸ軸方向（左右方向）へ往
復移動可能に設けられ、このキャリッジ６上にはコラム
７がＺ軸方向（前後方向）へ往復移動可能に設けられ、
このコラム７の前面側に主軸ヘッド８がＹ軸方向（上下
方向）へ往復移動可能に設けられていて、主軸ヘッド８
には、工具９が着脱可能に取り付けられるようになって
いる。

【００１１】図４は、図３においてキャリッジ６の左右
両側に配設される、後述する第１及び第２のＸ軸カバー
１０，１１を取り除いた状態を示している。

【００１２】この図４に示すように、キャリッジ６は、
ベース３に設けられたＸ軸ガイド１５に案内されてＸ軸
方向へ移動可能に配置されている。このキャリッジ６の
下部にはＸ軸送りねじナット１６が固着され、このＸ軸
送りねじナット１６にはＸ軸送りねじ１７が螺合されて
おり、このＸ軸送りねじ１７がＸ軸モータ１８により回
転制御されることにより、Ｘ軸送りねじナット１６を介
してキャリッジ６がＸ軸方向へ移動制御される。

【００１３】コラム７は、キャリッジ６に設けられたＺ
軸ガイド２０に案内されてＺ軸方向へ移動可能に配置さ
れている。このコラム７の下部にはＺ軸送りねじナット
２１（図１参照）が固着され、このＺ軸送りねじナット
２１にはＺ軸送りねじ２２が螺合されており、このＺ軸
送りねじ２２がＺ軸モータ２３により回転制御されるこ
とにより、Ｚ軸送りねじナット２１を介してコラム７が
Ｚ軸方向へ移動制御される。

【００１４】主軸ヘッド８は、コラム７に設けられたＹ
軸ガイド２５に案内されてＹ軸方向へ移動可能に配置さ
れている。この主軸ヘッド８の基端部にはＹ軸送りねじ
ナット２６が固着され、このＹ軸送りねじナット２６に
はＹ軸送りねじ２７が螺合されており、このＹ軸送りね
じ２７がＹ軸モータ２８により回転制御されることによ
り、Ｙ軸送りねじナット２６を介して主軸ヘッド８がＹ
軸方向へ移動制御される。また、主軸ヘッド８に装着さ
れる工具９は、主軸モータ２９により回転制御されるよ
うになっている。

【００１５】次に、本発明の主要部である、キャリッジ
６の左側に配置された第１のＸ軸カバー１０部分につい
て、図１及び図２も参照して説明する。この第１のＸ軸
カバー１０は、本発明のカバー部材に相当している。

【００１６】第１のＸ軸カバー１０は、ゴム製のシート
材３１の外面に多数本の棒材３２を平行に並べて装着し
て構成されていて、すだれ状をなしている。なお、各棒
材３２は、シート材３１側の面は平面状であるが、シー
ト材３１とは反対側の外面は曲面状をなしている。そし
て、この第１のＸ軸カバー１０は、これの一端部１０ａ
が第１の部材を構成するキャリッジ６の左側面に固定状
態に連結され、他端部１０ｂは第２の部材を構成するベ
ース３の上面から垂れる状態で、当該ベース３の上面か
ら側面にかけて覆うように配置されている。

【００１７】ベース３には、合成樹脂製のスライドレー
ル３３が前後両側（Ｘ軸方向から見た場合は、左右両
側）に設けられていて、上記第１のＸ軸カバー１０は、
そのスライドレール３３上に摺動可能に支持されてい
る。また、スライドレール３３の前部の下部には金属板
製の取付板３４が設けられていて、第１のＸ軸カバー１
０の他端部１０ｂは、２本の、条部材を構成する鎖部材
３５を介してその取付板３４に連結されている。

【００１８】一方、キャリッジ６の右側に配置された第
２のＸ軸カバー１１（図３参照）は、上記した第１のＸ
軸カバー１０とは構成が異なっている。この第２のＸ軸
カバー１１は、この場合５枚の板材３７をＸ軸方向に伸
縮可能に連結した構成となっていて、キャリッジ６がＸ
軸方向へ移動することに伴い伸縮してベース３の上面の
右部を覆う構成となっている。

【００１９】また、キャリッジ６の前側には、Ｚ軸カバ
ー３８が配設されている。このＺ軸カバー３８は、上記
した第１のＸ軸カバー１０と同様な構成となっていて、
すだれ状をなしている。このＺ軸カバー３８は、これの
一端部３８ａがコラム７の前面下部に固定状態に連結さ
れ、他端部３８ｂがキャリッジ６の上面から垂れる状態
で、当該キャリッジ６の上面から前面にかけて覆うよう
に配置されている。そして、このＺ軸カバー３８の他端
部３８ｂは、これの左右両側部において、それぞれ２本
の、条部材を構成する鎖部材３５を介してキャリッジ６
に連結されている。

【００２０】このＺ軸カバー３８を本発明のカバー部材
として見た場合には、コラム７が第１の部材、キャリッ
ジ６が第２の部材を構成することになる。

【００２１】なお、工作機械１には操作パネル４０が接
続されており、この操作パネル４０には、表示部４１及
びスイッチ４２が設けられている。

【００２２】さて、上記した構成において、回転テーブ
ル２上にセットされたワーク（図示せず）を加工する場
合には、そのワークに対して、キャリッジ６がＸ軸方向
へ、コラム７がＺ軸方向へ、そして主軸ヘッド８がＹ軸
方向へそれぞれ移動されて位置決めされ、その主軸ヘッ
ド８に装着された工具９によりワークの加工が行われ
る。

【００２３】このとき、キャリッジ６がＸ軸方向（左右
方向）のうち、図１中左方向へ移動された場合には、左
側の第１のＸ軸カバー１０は、他端部１０ｂ側の自重及
び鎖部材３５の重量により他端部１０ｂ側が垂れていく
ように移動し（図２参照）、右側の第２のＸ軸カバー１
１は、５枚の板材３７が伸張されるように移動する。キ
ャリッジ６が一定以上左方向へ移動すると、第１のＸ軸
カバー１０の他端部１０ｂ側は、図２に示すように、２
本の鎖部材３５により支持された状態で、Ｕ字状をなす
ようになる。

【００２４】これとは逆に、図２の状態からキャリッジ
６が図２中右方向へ移動された場合には、左側の第１の
Ｘ軸カバー１０は、一端部１０ａがキャリッジ６に引っ
張られて右方向へ移動し（図１参照）、右側の第２のＸ
軸カバー１１は、５枚の板材３７が収縮されるように移
動する。

【００２５】ここで、第１のＸ軸カバー１０の他端部１
０ｂを、２本の鎖部材３５を介してベース３の取付板３
４に連結しているので、この第１のＸ軸カバー１０の一
端部１０ａが連結されたキャリッジ６を急激にＸ軸方向
へ移動させた場合に、第１のＸ軸カバー１０の他端部１
０ｂが跳ね上がろうとしても、少なくとも１本の鎖部材
３５がそれを規制するようになる。このため、カバー部
材の他端部を１本の鎖部材のみで連結した場合に比べ
て、第１のＸ軸カバー１０の他端部１０ｂが跳ね上がる
ことを極力防止できるようになり、当該他端部１０ｂが
周りの部材に当たってしまうことを極力防止できるよう
になる。

【００２６】また、コラム７がＺ軸方向へ移動された場
合には、Ｚ軸カバー３８は、上記した第１のＸ軸カバー
１０と同様な動きをすることになる。従って、このＺ軸
カバー３８の一端部３８ａが連結されたコラム７が急激
にＺ軸方向へ移動された場合に、Ｚ軸カバー３８の他端
部３８ｂが跳ね上がろうとしても、その他端部３８ｂ側
が跳ね上がることを極力防止できるようになり、当該他
端部３８ｂが周りの部材に当たってしまうことを極力防
止できるようになる。

【００２７】本発明は、上記した実施例にのみ限定され
るものではなく、次のように変形または拡張することが
できる。条部材は３本以上としても良く、また、条部材
としては、鎖部材に限られず、紐やバンドなどでも良
い。

【００２８】さらに、本発明は、第２のＸ軸カバー１１
側にも適用しても良く、また、ワークをセットするテー
ブルを直線状に移動させるタイプにおいて、そのテーブ
ル側に設けられるカバー部材に適用することもできる。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、カ
バー部材の他端部を少なくとも２本の条部材を介して第
２の部材に連結した構成とすることにより、カバー部材
の一端部が連結された第１の部材を急激に移動させた場
合に、カバー部材の他端部が跳ね上がろうとしても、少
なくとも１本の条部材がそれを規制するようになるの
で、カバー部材の他端部を１本の条部材のみで連結した
場合に比べて、カバー部材の他端部が跳ね上がることを
極力防止できるようになり、よってそのカバー部材の他
端部が周りの部材に当たってしまうことを極力防止する
ことができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すもので、キャリッジが
図中右方向へ移動した状態の要部の破断正面図

【図２】キャリッジが図中左方向へ移動した状態の要部
の破断正面図

【図３】全体の外観斜視図

【図４】第１及び第２のＸ軸カバーを取り除いた状態の
外観斜視図

【符号の説明】

１は工作機械、３はベース（第２の部材）、６はキャリ
ッジ（第１の部材）、７はコラム、８は主軸ヘッド、９
は工具、１０は第１のＸ軸カバー（カバー部材）、１０
ａは一端部、１０ｂは他端部、３５は鎖部材（条部
材）、３８はＺ軸カバー（カバー部材）、３８ａは一端
部、３８ｂは他端部である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワークを加工する際に移動される第１の
   部材と、 この第１の部材を移動可能に支持する第２の部材と、 一端部が前記第１の部材に連結されると共に他端部が前
   記第２の部材の上面から垂れる状態で当該第２の部材の
   上面から側面にかけて覆うように配置され、前記第１の
   部材の移動に伴い移動されるカバー部材とを備え、 このカバー部材の他端部を、少なくとも２本の条部材を
   介して前記第２の部材に連結したことを特徴とする工作
   機械。