JPH1176930A - 印刷缶の製造方法 - Google Patents

印刷缶の製造方法

Info

Publication number
JPH1176930A
JPH1176930A JP24435697A JP24435697A JPH1176930A JP H1176930 A JPH1176930 A JP H1176930A JP 24435697 A JP24435697 A JP 24435697A JP 24435697 A JP24435697 A JP 24435697A JP H1176930 A JPH1176930 A JP H1176930A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
printing
varnish
coating
ultraviolet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24435697A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Goto
弘明 後藤
Hiroshi Sasaki
佐々木  洋
Shinya Otsuka
晋也 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP24435697A priority Critical patent/JPH1176930A/ja
Publication of JPH1176930A publication Critical patent/JPH1176930A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速印刷時にもミストの飛散がなく、作業性
に優れており、更に形成される印刷像の光沢性に優れ、
商品価値も向上しており、塗膜の硬度や密着性、更には
ネックイン加工等の加工性にも優れている印刷缶の製造
方法を提供するにある。 【解決手段】 ツーピース缶の印刷方法において、ツー
ピース缶の外面に加熱硬化性インキを用いて印刷を行っ
た後、紫外線硬化性と加熱硬化性とを兼ね備えた仕上げ
ワニスをウエットオンウエット方式で塗装し、次いで紫
外線照射により仕上げワニスの部分硬化を行い、更に加
熱焼き付けによりインキ及び仕上げワニスを完全に硬化
させることを特徴とする印刷缶の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、印刷缶の製造方法
に関するもので、より詳細には、高速印刷時にもミスト
の飛散がなく、作業性に優れており、更に形成される印
刷像の光沢性に優れ、商品価値も向上した印刷缶の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、側面無継目の所謂シームレス缶
(ツーピース缶)としては、アルミニウム板、ブリキ板
或いはティン・フリー・スチール板等の金属素材を、絞
りダイスとポンチとの間で少なくとも1段の絞り加工に
付し、側面に継目のない胴部と該胴部に継目なしに一体
に接続された底部とから成るカップに形成し、次いで所
望により前記胴部に、しごきポンチとしごきダイスとの
間でしごき加工を加えて、容器胴部を薄肉化する缶の製
造方法が知られている。
【0003】また、しごき加工の代わりに、再絞りダイ
スの曲率コーナ部で側壁部を曲げ伸ばしして側壁部を薄
肉化する製法も既に知られている(特開昭56−501
442号公報)。
【0004】スリーピース缶では、予め印刷を施した金
属素材を使用して、継ぎ目を形成させるための製缶を行
うが、前記ツーピース缶の場合には、製缶後の缶胴外面
に塗装及び印刷を行うのが一般的である。
【0005】缶の外面塗装や外面印刷に、紫外線硬化性
樹脂を使用することは古くから知られており、また、紫
外線硬化性と熱硬化性を兼ね備えたものを使用すること
も古くから知られている。
【0006】特開昭47−42974号公報には、
(A)100%反応性のイオン化照射感応性液状物質ま
たは化学光線感応性液状物質と、(B)ポリウレタン、
アルキッド、エポキシ、エポキシエステル及び熱硬化性
アクリルからなる群より選ばれた放射線非感応性熱硬化
性樹脂とからなる混合物にイオン化照射または化学光線
を当てて、該混合物を部分的に硬化させ、次いで該混合
物の未硬化部分を酸化、水分または加熱によって硬化さ
せることを特徴とする高固形分フィルムの製法が記載さ
れている。
【0007】特開昭61−115970号公報には、放
射線硬化性塗料組成物中に熱硬化性樹脂を添加混合して
なるツーピース缶外面用塗料組成物が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ツーピース缶の場合、
上記のような外面塗装も重要であるが、それと同時に缶
詰商品の内容物を表示し、或いは缶詰の出所を示す外面
印刷も、商業上重要である。この印刷インク層の上に
は、一般に仕上げワニス、或いは艶ニスと呼ばれる透明
ラッカーを塗布し、硬化させて、印刷インク層の摩耗を
防止すると共に、印刷像のグロスを向上させるようにし
ている。
【0009】ツーピース缶の製缶速度は、年々高速化し
ており、これに伴って、印刷速度、及び仕上げワニス乃
至艶ニスの塗布速度もますます高速化が要求されてい
る。ところが、高速印刷を行うとワニスからのミスト飛
散が著しくなり、作業環境の汚染や装置の汚れが増大す
ることが分かった。
【0010】更に、印刷インクや仕上げワニス等とし
て、紫外線硬化性インクや紫外線硬化性ワニスを使用
し、ウェットオンウェットで印刷・塗装を行うと、イン
クの膜厚が厚くなると、外表面層がしわしわとなり、印
刷像のグロスが著しく低下することも分かった。この理
由は、紫外線硬化に際して、ニスの硬化速度がインクに
比べて著しく速く、ニスが自らの硬化収縮のためにイン
ク上で縮むことが関係していると思われる。
【0011】従って、本発明の目的は、高速印刷時にも
ミストの飛散がなく、作業性に優れており、更に形成さ
れる印刷像の光沢性に優れ、商品価値も向上しており、
塗膜の硬度や密着性、更にはネックイン加工等の加工性
にも優れている印刷缶の製造方法を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ツーピ
ース缶の印刷方法において、ツーピース缶の外面に加熱
硬化性インキを用いて印刷を行った後、紫外線硬化性と
加熱硬化性とを兼ね備えた仕上げワニスをウエットオン
ウエット方式で塗装し、次いで紫外線照射により仕上げ
ワニスの部分硬化を行い、更に加熱焼き付けによりイン
キ及び仕上げワニスを完全に硬化させることを特徴とす
る印刷缶の製造方法が提供される。本発明において、 1.仕上げワニスが紫外線硬化性成分と、加熱硬化性成
分とを含有するものであること、 2.仕上げワニスが10乃至50重量%の加熱硬化性樹
脂成分を含有する紫外線硬化性塗料であること、 3.仕上げワニスがアミノ樹脂5乃至40重量%を加熱
硬化性成分として含有する紫外線硬化性塗料であるこ
と、 4.仕上げワニスが10重量%以下の溶剤含有量を有す
るものであること、が好ましい。
【0013】
【発明の実施形態】
[作用]本発明では、加熱硬化性インキと、紫外線硬化
性と加熱硬化性とを兼ね備えた仕上げワニスとの組み合
わせを用いるという材料の選択、及び前記インク及び前
記ワニスをウエットオンウエット方式で塗装し、次いで
紫外線照射により仕上げワニスの部分硬化を行い、更に
加熱焼き付けによりインキ及び仕上げワニスを完全に硬
化させるという工程の結合に特徴を有するものである。
【0014】先ず、高速印刷時におけるミスト飛散を防
止するという見地では、用いる仕上げワニスは、紫外線
硬化性を有するものでなければならない。
【0015】添付図面の図1は、固形分37%の仕上げ
ワニスについて、1缶当たりの塗膜量(ウェット)と発
生ミスト量との関係を、塗装速度を変化させてプロット
したものである。この図1によると、1缶当たりの塗膜
量(ウェット)が大きくなると、発生ミスト量が増大
し、また塗装速度が大きくなると、発生ミスト量も増大
するが、何れの塗装速度の場合にも、塗膜量が一定の基
準値を超えると、ミストの発生量が急激に増大すること
が理解される。
【0016】図2は、固形分80%の仕上げワニスにつ
いて、1缶当たりの塗膜量(ウェット)と発生ミスト量
との関係を、塗装速度を変化させて同様にプロットした
ものであるが、この場合には、ミストの発生量が図1の
場合に比べて著しく低いレベルに抑制されていると共
に、塗装速度の影響もより少なくなっていることが理解
される。
【0017】紫外線硬化性の仕上げワニスを使用する
と、溶媒の含有量が少なくなるためミスト発生量が少な
くなり、更に固形分が高いため必要な塗膜量(ウェッ
ト)も小さくなり、ミスト発生量を著しく低減でき、優
れた作業環境を維持することができる。
【0018】本発明では、印刷インクとして加熱硬化性
のものを使用すると共に、仕上げワニスとしても紫外線
硬化性と加熱硬化性とを兼ね備えたものを使用する。ウ
エットオンウエットに施された印刷インクと仕上げワニ
スとを紫外線硬化させた場合、印刷インクの膜厚が厚く
なると、硬化塗膜の表面はしわしわになり、印刷像のグ
ロスは著しく低下する。
【0019】これに対して、本発明によれば、印刷イン
ク及び仕上げワニスとして、上記特性を有するものを使
用し、ウエットオンウエットの皮膜について、仕上げワ
ニスの紫外線照射による部分硬化と、加熱焼き付けによ
りインキ及び仕上げワニスの完全硬化とを行わせること
により、外表面のグロスを顕著に向上させることが可能
となるのである。
【0020】即ち、インク及び仕上げワニスの紫外線硬
化では、インク及び仕上げワニスの硬化収縮の影響がそ
のまま現れ、グロスの低下に連なるが、本発明では紫外
線照射による硬化を部分的なものにとどめ、インク及び
仕上げワニスの完全な硬化を加熱により行うため、皮膜
中の樹脂組織の緩和及び再配列が生じ、これがグロス向
上に役立っているものと認められる。
【0021】しかも、形成される皮膜は、鉛筆硬度がH
以上で優れた硬度を有し、缶基体との密着性に優れてい
ると共に、ネックイン加工等にも耐える優れた加工性を
有している。
【0022】本発明に用いる仕上げワニスは、紫外線硬
化性成分と、加熱硬化性成分とを含有するものであるこ
とが好ましい。即ち、この組み合わせでは、紫外線照射
による紫外線硬化性成分の重合硬化と、この重合硬化樹
脂の加熱硬化成分による架橋とが機能分担して確実に行
われることになる。用いる仕上げワニスは、一般に10
乃至50重量%の加熱硬化性樹脂成分を含有するのがよ
い。加熱硬化性成分は、紫外線硬化に対して阻害作用を
有するものであってはならず、この見地からアミノ樹脂
が有利に使用され、その塗料中の濃度は5乃至40重量
%が適当である。
【0023】また、本発明に用いる仕上げワニスは、勿
論無溶剤型のものであってもよいし、また粘度調節等の
目的のために少量の溶剤を含有するものであってもよい
が、ミスティング防止のために、溶剤量は10重量%以
下であるべきである。
【0024】[製造方法の概略]本発明の製造方法の概
略の工程を示す図3において、この方法は、ツーピース
缶の成形工程、加熱硬化型インキ及び紫外線硬化性と加
熱硬化性を有する仕上げワニスを施す印刷工程、仕上げ
ワニス層を紫外線部分硬化させる工程、加熱硬化工程、
及び印刷金属製カップ状容器の開口端上部にネックイン
加工及びフランジ加工を行う加工工程から成る。
【0025】上記成形工程と印刷工程との間には、絞り
加工カップの耳の部分をカットするトリミング工程や、
有機被覆が熱可塑性樹脂である場合、被覆と金属との密
着性を高めるための熱固定工程が追加されることもあ
る。
【0026】この印刷工程及び紫外線硬化工程を説明す
るための図4において、印刷用ターレット1と硬化用タ
ーレット2とが隣接して配置されており、これらターレ
ットの周囲に缶3は回転可能に保持されて、自転と公転
とを行うように保持される。印刷用ターレット1の周囲
に沿って、印刷ユニット4と仕上げワニス塗布ユニット
5とが配置されており、一方硬化用ターレット2の周囲
に沿って紫外線光源6が配置されている。
【0027】成形され、トリミングされたツーピース缶
3は、供給機構7により印刷用ターレット1に供給さ
れ、その側壁外面に印刷ユニット4により加熱硬化型イ
ンキ層が施され、このインキ層の上に仕上げワニス塗布
ユニット5により、ウエット・オン・ウエットの関係
で、仕上ワニス層が施される。印刷済みのカップ3aは
硬化用ターレット2に乗り移り、その周囲に設けられた
紫外線光源6で照射されて、仕上げワニス層の紫外線部
分硬化が行われる。部分硬化されたカップ3bは、コン
ベア8によりガスオーブン9に供給され、ガスオーブン
9において、インク層及び仕上げワニス装置の加熱によ
るの加熱による完全硬化が行われる。
【0028】[ツーピース缶及びその製造の製造工程]
本発明に用いるツーピース缶は、金属素材或いは有機被
覆金属素材の絞り−再絞り加工或いは絞り−しごき加工
等により製造される。有機被覆金属板をカップに成形し
たものでも、金属製カップに後から有機被覆を設けたも
のでもよいが、製造の容易さ及び簡略さの点で、有機被
覆金属板をカップに成形したものが好適である。
【0029】このツーピース缶の断面構造の一例を示す
図5において、このカップ 10は金属基体11とその
内面側表面上に設けられた内面有機被膜12と基体の他
方の表面に設けられた外面有機被膜14とから成ってい
る。断面構造の他の例を示す図6において、断面構造は
図6の場合と同様であるが、金属基体表面と内面有機被
膜12との間、並びに金属基体表面と外面有機被膜14
との間に、それぞれ接着剤層15a,15bが介在され
ている点で構造を異にしている。
【0030】本発明では、金属板としては各種表面処理
鋼板やアルミニウム等の軽金属板が使用される。
【0031】表面処理鋼板としては、冷圧延鋼板を焼鈍
後二次冷間圧延し、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケルメ
ッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面処理の
一種または二種以上行ったものを用いることができる。
好適な表面処理鋼板の一例は、電解クロム酸処理鋼板で
あり、特に10乃至200mg/m2 の金属クロム層と
1乃至50mg/m2 (金属クロム換算)のクロム酸化
物層とを備えたものであり、このものは塗膜密着性と耐
腐食性との組合せに優れている。表面処理鋼板の他の例
は、0.5乃至11.2g/m2 の錫メッキ量を有する
硬質ブリキ板である。このブリキ板は、金属クロム換算
で、クロム量が1乃至30mg/m2 となるようなクロ
ム酸処理或いはクロム酸/リン酸処理が行われているこ
とが望ましい。更に他の例としてはアルミニウムメッ
キ、アルミニウム圧接等を施したアルミニウム被覆鋼板
が用いられる。
【0032】軽金属板としては、所謂純アルミニウム板
の他にアルミニウム合金板が使用される。耐腐食性と加
工性との点で優れたアルミニウム合金板は、Mn 0.
2乃至1.5重量%、Mg 0.8乃至5重量%、Zn
0.25乃至0.3重量%、及びCu 0.15乃至
0.25重量%、残部がAlの組成を有するものであ
る。これらの軽金属板も、金属クロム換算で、クロム量
が20乃至300mg/m2 となるようなクロム酸処理
或いはクロム酸/リン酸処理が行われていることが望ま
しい。
【0033】金属板の素板厚、即ち缶底部の厚み(tB)
は、金属の種類、容器の用途或いはサイズによっても相
違するが、一般に0.10乃至0.5mmの厚みを有す
るのがよく、この内でも表面処理鋼板の場合には、0.
10乃至0.3mmの厚み、また軽金属板の場合には
0.15乃至0.40mmの厚みを有するのがよい。
【0034】金属基体上に所望により設ける有機被覆
は、熱可塑性樹脂でも、熱硬化性樹脂でも或いはその組
成物であってもよいが、一般には熱可塑性樹脂であるの
が好適である。尚、金属基体がアルミニウム系基体であ
る場合には、外面の樹脂被覆は省略しても差し支えな
い。
【0035】上記金属板上に被覆される熱可塑性樹脂と
しては、結晶性の熱可塑性樹脂が好ましく、その例とし
て、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリルエステル共重合体、アイオノマー等のオレ
フィン系樹脂フィルム;ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート
/イソフタレート共重合体等のポリエステル;ナイロン
6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12等の
ポリアミド;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン等を
挙げることができる。
【0036】上記熱可塑性樹脂の被覆層には、金属板を
隠蔽し、また絞り−再絞り成形時等に金属板へのしわ押
え力の伝達を助ける目的で無機フィラー(顔料)を含有
させることができる。また、このフィルムにはそれ自体
公知のフィルム用配合剤、例えば非晶質シリカ等のアン
チブロッキング剤、各種帯電防止剤、滑剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤等を公知の処方に従って配合すること
ができる。
【0037】無機フィラーとしては、ルチル型またはア
ナターゼ型の二酸化チタン、亜鉛華、グロスホワイト等
の無機白色顔料;バライト、沈降性硫酸バライト、炭酸
カルシウム、石膏、沈降性シリカ、エアロジル、タル
ク、焼成或は未焼成クレイ、炭酸バリウム、アルミナホ
ワイト、合成乃至天然のマイカ、合成ケイ酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム等の白色体質顔料;カーボンブラ
ック、マグネタイト等の黒色顔料;ベンガラ等の赤色顔
料;シエナ等の黄色顔料;群青、コバルト青等の青色顔
料を挙げることができる。これらの無機フィラーは、樹
脂当り10乃至500重量%、特に10乃至300重量
%の量で配合させることができる。
【0038】被覆熱可塑性樹脂の金属板への被覆は、熱
融着法、ドライラミネーション、押出コート法等により
行われ、被覆樹脂と金属板との間に接着性(熱融着性)
が乏しい場合には、例えばウレタン系接着剤、エポキシ
系接着剤、酸変性オレフィン樹脂系接着剤、コポリアミ
ド系接着剤、コポリエステル系接着剤等を介在させるこ
とができる。
【0039】また、熱可塑性樹脂の厚みは、一般に3乃
至50μm、特に5乃至40μmの範囲にあることが望
ましい。フィルムを用いた熱融着の場合、未延伸のもの
でも延伸のものでもよい。
【0040】特に好適なフィルムとして、エチレンテレ
フタレート単位またはブチレンテレフタレート単位を主
体とするポリエステルを、T−ダイ法やインフレーショ
ン製膜法でフィルムに成形し、このフィルムを延伸温度
で、逐次或いは同時二軸延伸し、延伸後のフィルムを熱
固定することにより製造されたフィルムを挙げることが
できる。
【0041】原料ポリエステルとしては、ポリエチレン
テレフタレートそのものも著しく制限された延伸、熱固
定及びラミネート条件下で使用可能であるが、フィルム
の到達し得る最高結晶化度を下げることが耐衝撃性や加
工性の点で望ましく、この目的のためにポリエステル中
にエチレンテレフタレート以外の共重合エステル単位を
導入するのがよい。エチレンテレフタレート単位或いは
ブチレンテレフタレート単位を主体とし、他のエステル
単位の少量を含む融点が210乃至252℃共重合ポリ
エステルの二軸延伸フィルムを用いることが特に好まし
い。尚、ホモポリエチレンテレフタレートの融点は一般
に255〜265℃である。
【0042】一般に共重合ポリエステル中の二塩基酸成
分の70モル%以上、特に75モル%以上がテレフタル
酸成分から成り、ジオール成分の70モル%以上、特に
75モル%以上がエチレングリコールまたはブチレング
リコールから成り、二塩基酸成分の1乃至30モル%、
特に5乃至25モル%がテレフタル酸以外の二塩基酸成
分から成ることが好ましい。
【0043】テレフタル酸以外の二塩基酸としては、イ
ソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳
香族ジカルボン酸:シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環族ジカルボン酸:コハク酸、アジピン酸、セバチン
酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸:の1種
又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレングリコール
またはブチレングリコール以外のジオール成分として
は、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、
1,6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタ
ノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物
等の1種又は2種以上が挙げられる。勿論、これらのコ
モノマーの組合せは、共重合ポリエステルの融点を前記
範囲とするものでなければならない。
【0044】用いるコポリエステルは、フィルムを形成
するに足る分子量を有するべきであり、このためには固
有粘度(I.V.)が0.55乃至1.9dl/g、特に0.
65乃至1.4dl/gの範囲にあるものが望ましい。
【0045】フィルムの延伸は一般に80乃至110℃
の温度で、面積延伸倍率が2.5乃至16.0、特に
4.0乃至14.0となる範囲で行うのがよく、フィル
ムの熱固定は、130乃至240℃、特に150乃至2
30℃の範囲で行うのがよい。
【0046】コポリエステルフィルムは、二軸延伸され
ていることが好ましく、二軸配向の程度は、偏光蛍光
法、複屈折法、密度勾配管法密度等でも確認することが
できる。
【0047】積層に際しては、過度の結晶化を防ぐ目的
で、積層されるフィルムが結晶化温度域を通過する時間
を可及的に短くし、好ましくはこの温度域を10秒以
内、特に5秒以内で通過するようにする。このために、
積層に際して金属素材のみを加熱し、フィルム積層後直
ちに積層体を強制冷却するようにする。冷却には、冷
風、冷水との直接的な接触や強制冷却された冷却ローラ
の圧接が用いられる。この積層に際してフィルムを融点
近傍の温度に加熱し、積層後急冷を行えば、結晶配向度
を緩和させることも可能なことが理解されるべきであ
る。
【0048】接着用プライマーを用いる場合に、フィル
ムへの接着用プライマーとの密着性を高めるために、フ
ィルムの表面をコロナ放電処理しておくことが一般に望
ましい。コロナ放電処理の程度は、そのぬれ張力が44
dyne/cm 以上となるようなものであることが望ましい。
【0049】この他、フィルムへのプラズマ処理、火炎
処理等のそれ自体公知の接着性向上表面処理やウレタン
樹脂系、変性ポリエステル樹脂系等の接着性向上コーテ
ィング処理を行っておくことも可能である。
【0050】ポリエステルフィルムと金属素材の間に所
望により設ける接着プライマーは、金属素材とフィルム
との両方に優れた接着性を示すものである。密着性と耐
腐食性とに優れたプライマー塗料の代表的なものは、種
々のフェノール類とホルムアルデヒドから誘導されるレ
ゾール型フェノールアルデヒド樹脂と、ビスフェノール
型エポキシ樹脂とから成るフェノールエポキシ系塗料で
あり、特にフェノール樹脂とエポキシ樹脂とを50:5
0乃至5:95重量比、特に40:60乃至10:90
の重量比で含有する塗料である。
【0051】接着プライマー層は、一般に0.3乃至5
μmの厚みに設けるのがよい。接着プライマー層は予め
金属素材上に設けてもよく或いは予めポリエステルフィ
ルム上に設けてもよい。
【0052】金属の被覆となるポリエステル層は、二軸
延伸フィルムの形で施す代わりに、所謂押出コートで設
けることもできる。この押出コート法では、加熱された
金属基体の上にダイスから押し出された溶融樹脂のウエ
ッブを供給し、ラミネートロールで圧着した後、直ちに
急冷を行うようにする。
【0053】被覆に用いる熱硬化性樹脂塗料としては、
例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−
ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹
脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデ
ヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマ
レイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性
アクリル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂、或は上記熱
硬化性樹脂と熱可塑性樹脂塗料、例えば、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸共重合
体、塩化ビニル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、ア
クリル重合体、飽和ポリエステル樹脂との組成物等を挙
げることができる。これらの樹脂塗料は単独でも2種以
上の組合せでも使用される。
【0054】上記熱硬化性樹脂塗料の内でも、エポキシ
樹脂(a)とこのエポキシ樹脂に対する硬化剤樹脂
(b)との組み合わせが好ましい。
【0055】これらの硬化剤樹脂の内でも、フェノール
ホルムアルデヒド樹脂、特に多環多価フェノールを含有
するフェノール−アルデヒド樹脂成分を用いることが、
フィルムに対する密着性、腐食成分に対するバリヤー性
及び耐加工性の点で望ましい。
【0056】ツーピース缶(シームレス缶)への成形
は、それ自体公知の手段、例えば絞り−再絞り加工、絞
り−再絞り−しごき加工、絞り−曲げ延ばし再絞り加
工、絞り−曲げ延ばし−しごき加工等で行われる。
【0057】例えば、深絞り成形(絞り−再絞り成形)
によれば、被覆金属板から成形された前絞りカップを、
このカップ内に挿入された環状の保持部材とその下に位
置する再絞りダイスとで保持する。これらの保持部材及
び再絞りダイスと同軸に、且つ保持部材内を出入し得る
ように再絞りポンチを配置する。再絞りポンチと再絞り
ダイスとを互いに噛みあうように相対的に移動させる。
【0058】これにより、前絞りカップの側壁部は、環
状保持部材の外周面から、その曲率コーナ部を経て、径
内方に垂直に曲げられて環状保持部材の環状底面と再絞
りダイスの上面とで規定される部分を通り、再絞りダイ
スの作用コーナー部により軸方向にほぼ垂直に曲げら
れ、前絞りカップよりも小径の深絞りカップに成形する
ことができる。
【0059】更に再絞りダイスの作用コーナー部の曲率
半径(Rd )を、金属板素板厚(tB )の1乃至2.9
倍、特に1.5乃至2.9倍の寸法とすることにより、
側壁部の曲げ引張りによる薄肉化を有効に行うことがで
きる。のみならず、側壁部の下部と上部とにおける厚み
の変動が解消され、全体にわたって均一な薄肉化が可能
となる。一般に、缶胴の側壁部は素板厚(tB )に対す
る薄肉化率(厚みの変動率)を5乃至45%(−5乃至
−45%)、特に5乃至40%(−5乃至−40%)の
厚みに薄肉化することができる。
【0060】深絞り缶の場合、下記式(1) 式中、Dは剪断したラミネート材の径であり、dはポン
チ径である、 で定義される絞り比RD は一段では1.1乃至3.0の
範囲、トータルでは1.5乃至5.0の範囲にあるのが
よい。
【0061】また再絞り或いは曲げ伸ばし再絞りの後方
にしごきダイスを配置して、側壁部に対して、下記式
(2) 式中、tB は素板厚であり、tW は側壁部の厚みである で定義されるしごき率RI が5乃至70%、特に10乃
至60%の厚みになるようにしごきで薄肉化することも
できる。
【0062】絞り成形等に際して、被覆金属板或は更に
カップに、各種滑剤、例えば流動パラフィン、合成パラ
フィン、食用油、水添食用油、パーム油、各種天然ワッ
クス、ポリエチレンワックスを塗布して成形を行うのが
よい。滑剤の塗布量は、その種類によっても相違する
が、一般に0.1乃至10mg/dm2 、特に0.2乃
至5mg/dm2 の範囲内にあるのがよく、滑剤の塗布
は、これを溶融状態で表面にスプレー塗布することによ
り行われる。
【0063】カップへの絞り成形性を向上させるため、
樹脂被覆絞りカップの温度を被覆樹脂のガラス転移点
(Tg)以上、特に熱結晶化温度以下の範囲に予め設定
して、樹脂被覆層の塑性流動を容易にした状態で成形す
ることが有利である。
【0064】成形後の内面側有機被覆金属製カップは、
カップ開口部の耳の部分を切断する、所謂トリミングを
行った後、印刷工程に付する。このトリミング処理に先
立って、成形後のカップを被覆樹脂のガラス転移点(T
g)以上で融点よりも低い温度に加熱して、被覆樹脂の
歪みを緩和しておくことができる。この操作は、熱可塑
性樹脂の場合特に被覆と金属との密着性を高めるために
有効である。
【0065】[印刷インク]本発明では、印刷インクと
して、加熱硬化性のインクを使用する。ツーピース缶へ
の印刷は、一般に平版印刷(オフセット印刷)用の刷版
を用いて行うので、この印刷に適した加熱硬化性のイン
クであれば、何れのインクをも使用できる。
【0066】インク用樹脂としては、フェノール樹脂、
アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、キシレン樹脂、尿
素樹脂、メラミン樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、エポキ
シ樹脂等の1種或いは2種以上の組み合わせが挙げられ
る。この中でも、本発明の目的には、アルキッド型ある
いはポリエステル型ビヒクルを用いたインクが好適であ
る。アルキッド型或いはポリエステル型のビヒクルは、
(i)多価アルコール、例えば グリセリン、ペンタエ
リスリトール、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ソルビトール、マンニトール、トリメチロールプロ
パンの少なくとも1種と、(ii)多塩基酸、例えば無水
フタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、セバ
シン酸、アジピン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、ジ
フェン酸、1,8−ナフタリル酸、テルペン油、ロジン
の少なくとも1種、とを縮重合し、必要により、これを
(iii)脂肪油または脂肪酸、例えばアマニ油、大豆
油、エゴマ油、魚油、桐油、ヒマワリ油、クルミ油、オ
イチシカ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、蒸留脂肪酸、綿
実油、ヤシ油、或いはこれらの脂肪酸、或いは脂肪酸の
モノグリセリドで変性した樹脂であり、この樹脂は更に
ロジン変性、不乾性脂肪酸変性、尿素メラミン樹脂変
性、乾性油脂肪酸変性、石炭酸樹脂変性、マレイン酸樹
脂変性、エステルロジン変性、その他の天然樹脂変性の
形でも使用される。硬化剤としては、鉛、コバルト、亜
鉛、マンガン等の各種金属の金属石鹸、ナフテン酸塩等
が使用される。
【0067】本発明に用いる加熱硬化型インキは、上記
加熱硬化性樹脂組成物に着色顔料及びインク用助剤を配
合したものからなる。その粘度は、一般に剪断速度1s
ec -1で500乃至5000ポイズ(p、20℃)の範
囲にあるのが望ましい。
【0068】着色顔料の適当な例は次の通りである。 黒色顔料 カーボンブラック、アセチレンブラック、ランブラッ
ク、アニリンブラック。 黄色顔料 亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルフ
ァストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルス
イエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、
ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジ
ジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマン
ネントイエローNCG、タートラジンレーキ。 橙色顔料 赤口黄鉛、モリブテンオレンジ、パーマネントオレンジ
GTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、イン
ダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレン
ジG、インダスレンブリリアントオレンジGK。 赤色顔料 ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウ
ム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾ
ロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキ
レッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレー
キ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリア
ントカーミン3B。 紫色顔料 マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレ
ットレーキ。 青色顔料 紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクト
リアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタ
ロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化
物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーB
C。 緑色顔料 クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、
マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーン
G。 白色顔料 亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。 体質顔料 バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイト
カーボン、タルク、アルミナホワイト。 これらの顔料としては、分散性の点でフラッシュ顔料を
用いるのが好ましい。
【0069】インク用配合剤としては、消泡剤としてシ
リコーンオイル等、レベリング剤としてフッ素系界面活
性剤、シリコーン系界面活性剤、アクリル共重合体等、
増粘剤、減粘剤等を用いることができる。
【0070】[紫外線硬化性及び加熱硬化性仕上ワニ
ス]本発明では、仕上げワニスとして、(1)紫外線硬
化性と加熱硬化性とを兼ね備えた塗料或いは(2)紫外
線硬化性を有し且つ紫外線照射により熱硬化性が付与さ
れる塗料を使用する。勿論、このワニスは透明性に優れ
たものでなければならない。以下、その例について説明
する。
【0071】(A)塗料(1)の紫外線硬化性成分:紫
外線硬化性成分(A)としては、分子内に複数のエチレ
ン系不飽和基を有するモノマー乃至プレポリマー或いは
それらの混合物が使用される。その適当な例はエポキシ
アクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエ
ステルアクリレート樹脂、ポリエーテルアクリレート樹
脂、熱硬化型アクリル樹脂、熱硬化型ポリエステル樹脂
等である。
【0072】エポキシアクリレート樹脂としては、ビス
フェノール型エポキシ樹脂とエチレン系不飽和カルボン
酸、例えばアクリル酸、メタアクリル酸との付加物、或
いはこの付加物とエチレン系不飽和多価カルボン酸無水
物、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸等との反応
物等が使用される。
【0073】ウレタンアクリレート樹脂としては、イソ
シアネート末端ポリエステル或いはイソシアネート末端
ポリオールと官能基含有アクリル単量体、例えばアクリ
ル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート等とを反応させて得られたウレタンアクリレート
樹脂が使用される。
【0074】熱硬化型アクリル樹脂としては、1,6 −ヘ
キサンジオールジアクリレート(HDDA)、1,6 −ヘキサン
ジオールジメタクリレート(HDDMA) 、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタ
クリレート、エチレングリコールジアクリレート(EGD
A)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA) 、ポ
リエチレングリコールジアクリレート(PEGMA−A)、ポリ
エチレングリコールジアクリレート(PEGMA) 、ポリプロ
ピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリ
コールジメタクリレート、ブチレングリコールジアクリ
レート、ブチレングリコールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールジアクリレート、1,4 −ブタンジオール
ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタン
テトラアクリレート、N,N, N′,N′−テトラキス(β−
ヒドロキシエチル)エチレンジアミンのアクリル酸エス
テル、2,2−ビス[4−(3−メタクリロイルオキシ
−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン或い
はこれらのプレポリマー等が使用される。
【0075】熱硬化型ポリエステル樹脂としては、分子
中にエチレン系不飽和結合を含むポリエステル、例え
ば、エチレン系不飽和多価カルボン酸、例えばマレイン
酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、テトラ
ヒドロフタール酸、3,6−エンドメチレンテトラヒド
ロ無水フタール酸等と、無水フタール酸、イソフタル
酸、テレフタール酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸、アジピン酸、セバチン酸、重合脂肪酸等の他の酸成
分との組み合わせと、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ネオ
ペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトール、水素化ビスフエノール類、2、2−ビ
ス(4−オキシエトキシフェニル)プロパン、2、2−
ビス(4−オキシプロポキシフェニル)プロパン、ビス
フエノール類等の多価アルコールとを縮合させて得られ
るポリエステル樹脂が使用される。
【0076】上記の多官能性モノマー乃至プレポリマー
は、通常希釈剤ともなる1官能性モノマーと組み合わせ
で使用するのが普通であり、このようなモノマーとし
て、グリシジルアクリレート(GA)、グリシジルメタクリ
レート(GMA) 、カルビトールアクリレート、テトラヒド
ロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメ
タクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、
ジヒドロジシクロペンタジエニルメタクリレート、イソ
ボルニルアクリレート、アクリルアミド(AAm) 、メタク
リルアミド(MAm) 、N−メチロールアクリルアミド(N-M
AM) 、N−ジアセトンアクリルアミド(DAAM)、N−ビニ
ルピロリドン、マレイン酸、イタコン酸、メチルメタク
リレート(MMA) 、エチルアクリレート(EA)、スチレン(S
T)、 アクリロニトリル(AN)、酢酸ビニル(VAc)、ビニルト
ルエン(VT)等。
【0077】更に、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレ
ート(DAP)、ジアリルイソフタレート、ジアリルア
ジペート、ジアリルグリコレート、ジアリルマレエー
ト、ジアリルセバケート、トリアリルフオスフエート、
トリアリルアコニテート、トリメリット酸アリルエステ
ル、ピロメリット酸アリルエステル等の他の多官能性モ
ノマーも使用しうる。
【0078】好適な紫外線硬化性成分は、エポキシアク
リレート樹脂5乃至40重量%、多官能性アクリレート
1乃至40重量%及び単官能性アクリル単量体1乃至3
0重量%を含有するものである。
【0079】(B)塗料(1)の加熱硬化性成分:前記
塗料(1)の加熱硬化性成分(B)としては、前述した
紫外線硬化性成分の樹脂の官能基、水酸基、エポキシ基
等の官能基と反応しうる極性基、例えばメチロール基、
エーテル化メチロール基、エポキシ基等を有する熱硬化
性樹脂、特にアミノ樹脂、エポキシ樹脂等が使用され
る。尚、フェノール樹脂は、紫外線硬化に対して阻害作
用を示すので用いるべきでない。
【0080】アミノ樹脂としては、メラミン−ホルムア
ルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹
脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等が使用される。これ
らの樹脂はエタノール、ブタノール等のアルコール類で
エーテル化されていることが望ましい。このアミノ樹脂
は、相当する含窒素化合物をホルムアルデヒド乃至その
機能誘導体と、アルカリ金属触媒またはアルカリ土類金
属触媒の存在下に反応させ、必要によりエーテル化させ
ることにより得られる。用いるアミノ樹脂は、一般に3
00乃至3000、特に500乃至2000の数平均分
子量を有しているのがよい。
【0081】エポキシ樹脂としては、ビスフェノール
A、ビスフェノールF等のビスフェノール類とエピハロ
ヒドリンとの重縮合により得られたビスフェノール型エ
ポキシ樹脂が好適であり、そのエポキシ当量は一般に40
0 乃至20,000、特に 1,000乃至5,000の範囲及び数平均
分子量は 1,000乃至20,000、特に 2,000乃至13,000の範
囲にあるものが好ましい。
【0082】塗料(1)の組成:本発明に用いる塗料
(1)は、加熱硬化性成分(B)を10乃至50重量%
の量で含有するのがよい。加熱硬化性成分(B)の含有
量が上記範囲よりも少ない場合には、満足すべき塗膜硬
度が得られない傾向があり、一方上記範囲よりも多い場
合には、仕上げワニスの粘度が高すぎて、塗装が困難と
なる傾向がある。
【0083】本発明では、加熱硬化性成分(B)の少な
くとも一部がアミノ樹脂であることが加熱硬化性の点で
好ましく、アミノ樹脂は塗料中に5乃至40重量%の量
で存在するのが望ましい。アミノ樹脂の含有量が上記範
囲よりも少ない場合には、満足すべき塗膜硬度が得られ
ない傾向があり、一方上記範囲よりも多い場合には、塗
膜の加工性が低下し、ネックイン加工やフランジ加工が
困難となる傾向がある。
【0084】本発明の塗料(1)には、紫外線硬化性や
加熱硬化性を付与する触媒を含有させる。触媒として
は、それ自体公知の触媒が使用される。
【0085】光ラジカル開始剤の代表的なものとして
は、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等
のベンゾイン及びそのアルキルエーテル類;アセトフェ
ノン、2,2-ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メ
チルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−
1−オン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキ
ノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン
類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチ
ルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4
−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン
類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチ
ルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾ
フェノン類またはキサントン類等がある。
【0086】かかる光ラジカル開始剤は、安息香酸系又
は第三級アミン系など公知慣用の光重合促進剤の1種あ
るいは2種以上と組み合わせて用いることが出来る。
【0087】加熱硬化用触媒としては、リン酸や、メタ
ンスルフォン酸、エタンスルフォン酸、ベンゼンスルフ
ォン酸、トルエンスルフォン酸等のスルフォン酸類に代
表されるプロトン酸が使用される。
【0088】光ラジカル開始剤は、塗料中に0.5乃至
10重量%の量で用いるのが適当である。一方、加熱硬
化用触媒は、塗料中に0.1乃至2重量%の量で用いる
のが適当である。
【0089】この塗料(1)には、それ自体公知の塗料
用配合剤、例えば塗装性を向上させるための少量の溶
剤、塗膜の平滑性を向上させるためのレベリング剤、塗
膜に滑り性を付与するための滑剤等を、それ自体公知の
処方に従って含有させることができる。
【0090】塗料(2) タイプ(2)の塗料、即ち紫外線及び熱カチオン重合型
樹脂組成物としては、紫外線カチオン重合性モノマー乃
至プレポリマーと光カチオン重合触媒及び熱カチオン重
合触媒の組み合わせが使用される。
【0091】紫外線カチオン重合性モノマー乃至プレポ
リマーとしては、分子内に脂環族基を有し且つ脂環基の
隣接炭素原子がオキシラン環を形成しているエポキシ樹
脂成分を含有するものであり、例えば分子内に少なくと
も1個のエポキシシクロアルカン基、例えばエポキシシ
クロヘキサン環、エポキシシクロペンタン環等を有する
エポキシ化合物等が単独或いは組み合わせで使用され
る。
【0092】その適当な例は、これに限定されないが、
ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ビニルシクロヘキ
センモノエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシル
メチル−3,4−エポキシシクロヘキサン・カーボキシ
レート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,
5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−
ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)
アジペート等である。
【0093】このカチオン硬化型樹脂組成物には、それ
自体公知のカチオン重合性ビニル単量体、架橋剤、希釈
剤、他のエポキシ樹脂、増感剤等を含有させることがで
きる。
【0094】カチオン重合性ビニル単量体としては、エ
チレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコー
ルモノビニルエーテル、プロピレングリコールジビニル
エーテル、プロピレングリコールモノビニルエーテル、
ブチレングリコールモノビニルエーテル、ヘキサンジオ
ールモノビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビ
ニルエーテル、ネオペンチルグリコールモノビニルエー
テル、グリセロールジビニルエーテル、グリセロールト
リビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエ
ーテル、トリメチロールプロパンモノビニルエーテル、
トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジグリセ
ロールトリビニルエーテル、ソルビトールテトラビニル
エーテル、アリールビニルエーテル、フェニルビニルエ
ーテル等を挙げることができる。
【0095】架橋剤としては、種々のポリオール類、例
えばε−カプロラクトントリオール等を挙げることがで
きる。
【0096】希釈剤としては、フェニルグリシジルエー
テル、メチルフェニルグリシジルエーテル、n-ブチル
グリシジルエーテル、1,2−エポキシヘキサデカン等
が挙げられる。
【0097】変性用の他のエポキシ樹脂としては、前述
したようなビスフェノール型エポキシ樹脂等が使用され
る。
【0098】一方、カチオン性開始剤とは、紫外線によ
って分解し、ルイス酸を放出し、このルイス酸がエポキ
シ基を重合する作用を有するものであり、その例とし
て、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルフォニウム塩、
芳香族セレニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩等が挙げら
れる。
【0099】ジアリルヨードニウム塩としては、例え
ば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネ
ート、ジフェニルヨードニウムヘキサオロホスフェー
ト、4−クロルフェニルヨードニウムテトラフルオロボ
レート、ジ(4−メトキシフェニル)ヨードニウムクロ
ライド、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウ
ム等が挙げられる。
【0100】トリアリールスルホニウム塩としては、例
えば、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレー
ト、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェ
ート、p−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホ
ニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルス
ルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−クロル
フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフ
ェート等が挙げられる。
【0101】トリアリールセレニウム塩としては、例え
ば、トリフェニルセレニウムヘキサフルオロホスフェー
ト、トリフェニルセレニウムヘキサフルオロアンチモネ
ート等が挙げられる。
【0102】その他のカチオン重合開始剤として、
(2,4−シクロペンタジェン−1−イル)[(1−メ
トキシチエチル)−ベンゼン]−アイロン−ヘキサフル
オロホスフェート、ジフェニルスルホニウムヘキサフル
ロアンチモネート、ジアルキルフェニルスルホニウムヘ
キサフルオロアンチモネート、ジアルキルフェニルスル
ホニウムヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス
[ジ(βヒドロキシエトキシ)フェニルスルフォニオ]
フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモー
ネート、4,4-ビス[ジ(βヒドロキシエトキシ)フ
ェニルスルフォニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキ
サフルオロホスフェート等が挙げられる。
【0103】熱カチオン重合開始剤としては、スルホニ
ウム塩系熱重合開始剤、例えば旭電化工業(株)製 C
P−66、CP−77等が使用される。
【0104】増感剤としては、チオキサントン誘導体、
例えば2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイ
ソプロピルチオキサントンが挙げられる。
【0105】カチオン硬化型樹脂組成物の処方の適当な
例は、これに限定されないが、脂環式エポキシ樹脂50
乃至90重量、カチオン性紫外線重合開始剤0.5乃至
5重量部、カチオン性熱重合開始剤0.1乃至2重量
部、希釈剤0乃至20重量部、他のエポキシ樹脂1乃至
20重量部、カチオン重合性ビニル単量体0乃至10重
量部、増感剤0乃至2重量部、架橋剤0乃至30重量部
からなるものである。
【0106】紫外線硬化性を有し且つ紫外線照射により
熱硬化性が付与されるインキ乃至塗料を使用し、しかも
硬化樹脂組成物が重合硬化活性を有する内に熱処理を行
う場合には、前述したカチオン性熱重合開始剤の配合を
省略できることが理解されるべきである。
【0107】仕上げワニスとしては、透明性に優れてい
るものが使用され、その粘度は、一般に100乃至10
00センチポイズ(cp、20℃)の範囲にあるのが望
ましい。
【0108】[印刷、塗装及び硬化]本発明において、
加熱硬化性インキの印刷は、オフセット印刷、平版印
刷、グラビア印刷、スクリーン印刷等のそれ自体公知の
製缶印刷法により行うことができる。一方、紫外線硬化
性及び加熱硬化性の仕上ワニスの塗布は、グラビアロー
ル、アニロックスロール、通常のコーティングロール等
を用いて行うことができる。仕上げワニスの塗布厚みは
一般に3乃至10μmの範囲にあるのがよい。
【0109】仕上げワニス等の部分硬化に使用する紫外
線としては、近紫外領域をも含めて、一般に波長220
乃至420nm、特に250乃至400nmの光線が使
用される。紫外光源としては、メタルハライドランプ、
高圧水銀灯、低圧水銀灯等が使用される。
【0110】仕上げワニスの部分硬化の程度は、ワニス
層表面が未だ粘着性があるが、ワニス層の流動が完全に
抑制されるようなものであり、一般に完全硬化に要する
紫外線量の20乃至80%程度の照射で十分である。仕
上げワニス層の厚みは著しく小さいので、部分硬化に要
するエネルギーはかなり少なくてすむことが利点であ
り、一般に400乃至2000ジュール/m2 等のエネ
ルギーで十分である。
【0111】本発明では、部分硬化後の印刷シームレス
缶を、加熱して、インキ層或いは仕上げワニス層の完全
硬化を行う。加熱温度は、樹脂組成や触媒の種類によっ
ても相違するが、一般に180乃至220℃、特に19
0乃至210℃の範囲が好ましい。加熱時間は温度によ
っても相違するが、0.5乃至2分間程度が適当であ
る。この加熱は、熱風加熱炉、赤外線加熱炉等により行
うことができる。
【0112】本発明において、印刷、塗装及び硬化後の
シームレス缶を、ネックイン加工及びフランジ加工に付
して、最終的な缶詰用缶とする。ネックイン加工は、そ
れ自体公知のネックイン加工法、例えば、ダイ方式、或
はスピンネックイン方式により一段或は複数段で行うこ
とができる。ネックイン加工されたカップは、その開口
端部をフランジングダイと係合させて、フランジ加工を
行い、缶端と二重巻締するためのフランジを形成させ
る。
【0113】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明する。表1に使用した紫外線硬化塗料の配合を示し
た。
【0114】
【表1】
【0115】[2ピース缶の製造] (1)薄肉化深絞り缶 素板厚0.18mm、調質度DR一9の(表面処理被覆
量として金属クロム量120mg/m2 、クロム酸化物
量15mg/m2 とした)の両面に、厚さ20μmの2
軸延伸ポリエチレンフタレート/イソフタレート共重合
体フィルムをフィルムの融点で両面同時に熱接着し、直
ちに水冷することにより有機被覆金属板を得た。この有
機被覆金属板にグラマーワックスを均一に塗布した後、
直径160mmの円板に打ち抜き、常法に従って浅絞り
力ツプを成形した。この絞り工程における絞り比は1.
59である。次いで、第1次、策2次再絞り加工を行
い、薄肉化深絞りカップを得た。再絞り工程の成形条件
及び再紋り成形された深紋りカップの諸特性を以下に示
す。 第1次再絞り比 1.23 第2次再絞り比 1.24 再絞りダイス作用コーナー部曲率半径 0.30mm 再絞りダイス保持コーナー部曲率半径 1.0mm カップ径 66mm 力ップ高さ 130mm 側壁厚み変化率 一40% この後、定法に従ってドーミング成形を行った後、前記
深絞りカップを215℃で1分間熱処理し、フィルムの
加工歪みを取り除くとともに、潤滑剤を揮発させた。次
いで、開口端部の縁切りを行い、高さ123mmの樹脂
被覆薄肉化深絞り缶を得た。
【0116】(2)絞りしごき缶 素板厚0.30mmの缶胴用アルミ合金材(3004一
H39)から直径140mmの円板を打ち抜き、絞り比
1.6でカップを成形後、再絞り(絞り比1.3)とし
ごき成形(3工程、総薄肉化率65%)を行い、内径6
6mmの絞りしごきカップを成形した。この絞りしごき
カップを常法に従ってドーミング成形した後、高さが1
23mmとなるように開口端部の縁切りを行い、常法に
従って、洗浄、処理、乾燥を行い、アルミ絞りしごき缶
を得た。
【0117】[ミスト測定]図3に示す2ピース缶用プ
リンター(ラグスデール社)のアニロックスロールとア
プリケーターロールのカバー部分に重量を計測した17
cm×13cmの紙を貼り、1500缶/分で2分間連
続塗装後に前記紙を外して再度重量測定を行い、この時
の重量から紙自体の重量を減じて、捕集した塗料ミスト
量を求めた。また、上記測定に先立って、ベタロール方
式の塗装シミュレーター(日本曲面印刷研究所(株))
を用いて、スチールロール/ゴムロール間で発生するミ
ストを重量法で計測したが、図1及び2に示すように塗
装速度、塗膜量が多いほど、また塗料の固形分が少ない
ほどミストが発生しやすかった。
【0118】[塗料固形分]予め重量を計測した10c
m×10cmのアルミ板に7〜8μmの厚みで表1に記
載の塗料を塗布し、塗装板の重量を記録した後、200
W/cmのメタルハライドランプで100mJ/cm2
の紫外線を照射して塗膜を部分硬化した。次いで、ガス
オーブンにより塗膜の焼付硬化を行い、空冷後再度塗装
板の重量を測定した。未硬化塗装板とアルミ板との重量
差より湿潤塗膜量を求め、また焼付後の塗装板とアルミ
板との重量差より硬化塗膜量を求めて、硬化塗膜量を湿
潤塗膜量で除すことにより、固形分を算出した。各塗料
の固形分の測定結果は表2に示した。
【0119】実施例1 前記薄肉化深絞り缶に2ピース缶用プリンター〈ラグス
デール社〉を用いて印刷・塗装速度1500缶/分で常
法に従い、熱硬化型の缶用アルキッド系インキで印刷を
行い、次いでインキ皮膜上にいわゆるウエットオンウエ
ット方式により表1の配合1のクリヤー塗料を乾燥塗膜
量が150mg/缶となるように塗装した。塗装は連続
3000缶行ったが、塗料ミストは0mgであった。続
いて、この塗装缶にメタルハライドランプを用いて10
0mJ/cm2 の紫外線を照射した。この状態では、塗
装缶はタックを有しているが、更にガスオーブンによる
通常の焼付を行うことにより、完全に硬化した。焼付後
の塗膜のグロスは良好であり、また塗膜の硬度、密着
性、ネック成形性も良好であった。
【0120】実施例2 前記絞りしごき缶に熱硬化型の缶用アルキッド系インキ
で印刷を行い、次いでインキの湿潤皮膜上に表1の配合
2のクリヤー塗料を乾燥塗膜量150mg/缶となるよ
うに塗装した。塗装は連続3000缶行ったが、塗料ミ
ストは0mgであった。続いて、この塗装缶にメタルハ
ライドランプにより100mJ/cm2 の紫外線を照射
した。この状態では、塗装缶はタックを有しているが、
更にガスオーブンによる通常の焼付を行うことにより、
完全に硬化した。焼付後の塗膜のグロスは良好であり、
また塗膜の硬度、密着性、ネック成形性も良好であっ
た。
【0121】比較例1 配合3の塗料を使用する以外は、実施例1と同様にして
印刷・塗装を行った。塗料ミストは0mgであった。次
いで塗装缶にメタルハライドランプにより100mJ/
cm2 の紫外線を照射した。使用したクリヤー塗料は熱
硬化性成分を含有しないので、紫外線照射により塗膜は
タツクフリー状態となった。この状態ではグロスは非常
に良好てあったが、焼付により印刷部のグロスが著しく
低下し、外観不良となった。焼付後の塗膜の硬度、密着
性、ネック成形性は良好であった。
【0122】比較例2 配合4の塗料を使用する以外は、実施例1と同様にして
印刷・塗装を行った。塗料ミストは0mgであった。次
いでこの塗装缶にメタルハライドランプを用いて100
mJ/cm2 の紫外線を照射した。この状態では、塗装
缶はタックを有しているが、更にガスオーブンによる通
常の焼付を行うことにより、完全に硬化した。熱硬化成
分の含有量が少なかったので、焼付によりグロスの低下
が発生し、更にアミノ樹脂の含有量が少なかったので塗
膜硬度が低く、仕上げワニスとしては不適当であった。
【0123】比較例3 配合5の塗料を使用する以外は、実施例1と同様にして
印刷、塗装を行った。塗料ミストは0mgであった。次
いでこの塗装缶にメタルハライドランプを用いて100
mJ/cm2 の紫外線を照射した。この状態では、塗装
缶はタックを有しているが、更ににガスオーブンによる
通常の焼付を行うことにより、完全に硬化した。熱硬化
成分が配合されているのでグロスは良好であったが、ア
ミノ樹脂成分が多かったので、塗膜が脆くなりネツク成
形性が低下した。
【0124】比較例4 配合6の塗料を使用する以外は、実施例1と同様にして
印刷、塗装を行ったが、塗料粘度が高〈、塗装できなっ
た。
【0125】比較例5 配合7の塗料を使用する以外は、実施例1と同様にして
印刷、塗装を行った。連続3000缶塗装時の塗料ミス
トは、固形分が低い分湿潤塗膜量が増えたため、107
mgであった。次いでこの塗装缶にメタルハライドラン
プを用いて100mJ/cm2 の紫外線を照射した。こ
の状態では、塗装缶はタックを有しているが、更にガス
オーブンによる通常の焼付を行うことにより、完全に硬
化した。焼付後の塗膜の硬度、密着性、ネック成形性、
グロスはいずれも良好であった。実施例、比較例の結果
を表2にまとめる。
【0126】
【表2】
【0127】以上述べたように、本発明の塗料を使用す
ると固形分が極めて高いため、高速塗装時においても塗
装作業中に塗料ミストにより、概械や周辺部を汚染する
ことがなく、しかも硬度、密着性、加工性、グロス等が
良好な缶を提供することができる。
【0128】
【発明の効果】本発明によれば、加熱硬化性インキと、
紫外線硬化性と加熱硬化性とを兼ね備えた仕上げワニス
との組み合わせを使用し、ウエットオンウエット方式で
印刷塗装層に対して、紫外線照射により仕上げワニスの
部分硬化と、加熱焼き付けによるインキ及び仕上げワニ
スの完全硬化を行わせることにより、固形分の高いワニ
スの使用が可能となり、これにより、高速印刷時にもミ
ストの飛散を防止し、作業環境を改善し、機械の汚れ発
生をも防止して、作業性をも向上させることが可能とな
った。また、前記インクと仕上げワニスの組み合わせ使
用及び二段の効果手段を適用することにより、硬化収縮
によるにグロス低下を抑制し、形成される印刷像の光沢
性を顕著に向上させ、商品価値をも向上させることが可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】固形分37%の仕上げワニスについて、1缶当
たりの塗膜量(ウェット)と発生ミスト量との関係を、
塗装速度を変化させてプロットしたグラフである。
【図2】固形分80%の仕上げワニスについて、1缶当
たりの塗膜量(ウェット)と発生ミスト量との関係を、
塗装速度を変化させてプロットしたグラフである。
【図3】本発明の製造方法の概略の工程を示す工程図で
ある。
【図4】本発明における印刷工程及び紫外線硬化工程を
説明するための側面図である。
【図5】ツーピース缶の断面構造の一例を示す断面図で
ある。
【図6】ツーピース缶の断面構造の他の例を示す断面図
である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ツーピース缶の印刷方法において、ツー
    ピース缶の外面に加熱硬化性インキを用いて印刷を行っ
    た後、紫外線硬化性と加熱硬化性とを兼ね備えた仕上げ
    ワニスをウエットオンウエット方式で塗装し、次いで紫
    外線照射により仕上げワニスの部分硬化を行い、更に加
    熱焼き付けによりインキ及び仕上げワニスを完全に硬化
    させることを特徴とする印刷缶の製造方法。
  2. 【請求項2】 仕上げワニスが、紫外線硬化性成分と、
    加熱硬化性成分とを含有するものである請求項1記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 仕上げワニスが10乃至50重量%の加
    熱硬化性樹脂成分を含有する紫外線硬化性塗料である請
    求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 仕上げワニスがアミノ樹脂5乃至40重
    量%を加熱硬化性成分として含有する紫外線硬化性塗料
    である請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 仕上げワニスが10重量%以下の溶剤含
    有量を有するものである請求項1乃至4の何れかに記載
    の製造方法。
JP24435697A 1997-09-09 1997-09-09 印刷缶の製造方法 Pending JPH1176930A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24435697A JPH1176930A (ja) 1997-09-09 1997-09-09 印刷缶の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24435697A JPH1176930A (ja) 1997-09-09 1997-09-09 印刷缶の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1176930A true JPH1176930A (ja) 1999-03-23

Family

ID=17117489

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24435697A Pending JPH1176930A (ja) 1997-09-09 1997-09-09 印刷缶の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1176930A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004181750A (ja) * 2002-12-03 2004-07-02 Toyo Seikan Kaisha Ltd 缶用胴部材及びその製造方法
JP2007186232A (ja) * 2006-01-13 2007-07-26 Showa Aluminum Kan Kk 白色度に優れた塗膜面を有する金属製容器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004181750A (ja) * 2002-12-03 2004-07-02 Toyo Seikan Kaisha Ltd 缶用胴部材及びその製造方法
JP2007186232A (ja) * 2006-01-13 2007-07-26 Showa Aluminum Kan Kk 白色度に優れた塗膜面を有する金属製容器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3473513B2 (ja) 缶胴への印刷方法
JP4119594B2 (ja) 光輝性に優れた金属缶又は金属製容器蓋のための印刷インキ層
JPH10236483A (ja) 包装容器
JP6742878B2 (ja) 容器およびその製造方法
JP4517538B2 (ja) 印刷インキ、印刷方法及び印刷包装体
KR20060081710A (ko) 수압 전사용 필름 및 수압 전사체
JP2798114B2 (ja) 薄肉化シームレス缶
EP1186638A1 (en) Printing ink, printing method and printed packaging material
JP4949072B2 (ja) 非光沢面を有する塗装金属板及びその製造方法。
JPH11170684A (ja) 曲面体への印刷方法及び曲面印刷体
JPH1176930A (ja) 印刷缶の製造方法
JPH1191031A (ja) 光輝感に優れた缶壁構成積層体及びシームレス缶
JP2760372B2 (ja) 耐食性の向上した印刷シームレス缶の製造方法
JPH10195281A (ja) 紫外線硬化型樹脂組成物、包装容器用外面塗料並びに外面塗装缶
JPH1179174A (ja) 印刷シームレス缶及びその製造方法
JP3899554B2 (ja) シームレス缶及びその製造法
JP3695043B2 (ja) 塗装構造物
JP3468064B2 (ja) 紫外線硬化性樹脂組成物
JPH0931144A (ja) 紫外線硬化型樹脂組成物及びそれを用いた積層体
JPH09103833A (ja) 意匠性に優れた印刷缶の製造方法
JP4379938B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いた包装容器
JP2005246960A (ja) 水圧転写用フィルム及びそれを用いた水圧転写体
JP4885771B2 (ja) 金属製容器蓋及びその製造方法
JP5317519B2 (ja) インモールド用転写フィルム
JP4020113B2 (ja) 水圧転写用フィルム及び水圧転写体