JPH1174755A - 弾性表面波装置 - Google Patents

弾性表面波装置

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JPH1174755A
JPH1174755A JP23526797A JP23526797A JPH1174755A JP H1174755 A JPH1174755 A JP H1174755A JP 23526797 A JP23526797 A JP 23526797A JP 23526797 A JP23526797 A JP 23526797A JP H1174755 A JPH1174755 A JP H1174755A
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JP
Japan
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acoustic wave
surface acoustic
resin
piezoelectric substrate
wave device
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JP23526797A
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English (en)
Inventor
Atsuhiro Iioka
淳弘 飯岡
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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  • Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 SAWの振動空間への絶縁性樹脂等の入り込
みを完全に阻止でき、特性劣化がなく、しかも薄型化及
び小型軽量化を図ることのできる弾性表面波装置を提供
すること。 【解決手段】 下面に弾性表面波を発生させる励振電極
9を設けた圧電基板1を、励振電極9と接続される導体
パターン4を有する絶縁基板7に載置させるとともに、
圧電基板1と絶縁基板7を光硬化性樹脂から成る枠状体
6で接合されており、さらに、枠状体6の少なくとも外
周面6aに耐湿性の高い保護膜11が被着されてた弾性
表面波S1により、励振電極9が設けられている振動空
間内への絶縁性樹脂の入り込みを防止し、弾性表面波装
置の薄型化・小型化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車電話
及び携帯電話等の移動体無線機器に内蔵される共振器、
及び周波数帯域フィルタに使用される弾性表面波装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の代表的な弾性表面波(Surface Ac
oustic Wave 、以下SAWともいう)装置J1,J2の
概略断面図を図5、6に示す。
【0003】図5において、11は圧電基板、12は入
出力電極のパッド、13はパッケージ表面に形成された
外部の駆動回路,共振回路,接地回路等に接続される電
極パターンのパッド、14はSAW素子用の圧電基板1
1上に形成された櫛歯状電極のIDT(Inter Digital
Transducer)電極、19はパッド12,13を接続する
ワイヤであって、これら部材によりSAW素子が構成さ
れている。また、15〜17はセラミック,樹脂等の絶
縁性材料からなるパッケージ部材、18はセラミック,
金属(コバール、Al、Cu)等からなる蓋体であり、
これら部材によりパッケージが構成され、このパッケー
ジ内にSAW素子が収容されている。
【0004】このように、従来の弾性表面波装置J1
は、パッケージ部材15〜17で囲まれた領域に圧電基
板11を接着剤により載置固定し、パッド12,13を
Al,Au等のワイヤ19により電気的に接続し、さら
に蓋体18をはんだ,接着剤等によりパッケージ部材1
7の上から接着して気密性を保持していた。
【0005】また図6において、21は圧電基板、22
は入出力電極のパッド、23はパッド22とパッド24
を電気的に接続するバンプ等の接続体、24は基体27
の表面に形成され外部の駆動回路,共振回路,接地回路
等に接続される電極パターンのパッド、25はSAW素
子用の圧電基板上に形成された櫛歯状電極のIDT(In
ter Digital Transducer)電極、26はSAW素子全体
にモールドされた絶縁性材料からなる保護部材である。
【0006】このように、従来の他の弾性表面波装置J
2は、IDT電極25が設けられた機能面が、基体27
の上面に対面させたフェースダウン構成であり、絶縁性
樹脂から成る保護部材26が機能面が存在するSAWの
振動空間にまで入り込んでいた。
【0007】ここで、図6における接続体23は、A
u,Al等の金属製のワイヤをボールボンディング法に
よりバンプとなるように形成するか、Au,はんだ等か
らなるバンプを蒸着法,印刷法,転写法,無電解メッキ
法又は電解メッキ法等により、パッド22上に形成して
得られる。そして、接続体23を設けた圧電基板21
を、接続体23とパッド24との間で位置合わせし、導
電性接着剤の塗布やはんだのリフロー溶融法により接続
し、基体27上に固定している。
【0008】また、他の従来例として、図6と同様の構
成で、絶縁性樹脂26が振動空間側に入り込まないよう
に、圧電基板21又は基体27の接続体23の振動空間
側に、ダムを設けたものが提案されている(他の従来例
:例えば、特開平5−55303号公報を参照)。
【0009】また、他の従来例として、図5のパッケー
ジ17の内部に、SAW素子をフェースダウンでフリッ
プチップ実装し、SAW素子の外周部を絶縁性樹脂で固
定配置して、絶縁性樹脂が振動空間に入り込まないよう
にしたものも提案されている(他の従来例:例えば、
特開平5−291864号公報を参照)。
【0010】さらに、他の従来例として、図5のパッケ
ージ17の内部にSAW素子をフェースダウンでフリッ
プチップ実装し、SAW素子の裏面を絶縁性樹脂で蓋体
18に接着固定することにより、絶縁性樹脂が振動空間
に入り込まないようにしたものも提案されている(他の
従来例:例えば、特開平6−61778号公報を参
照)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5の
従来例では、ワイヤ19を使用しているため、ワイヤ1
9が存在する横方向と高さ方向の距離だけ弾性表面波装
置全体の体積が大きくなり、小型軽量化,薄型化に不利
である。
【0012】また、ワイヤボンディング装置によりワイ
ヤを1本ずつ接続しているので、製造工程が煩雑とな
る。
【0013】さらに、ワイヤ19の存在により、不要な
インダクタンス成分を付加することになり、SAW装置
の周波数特性が変化し、設計上それを考慮しなければな
らない。
【0014】また、図6の従来例では、絶縁性樹脂26
が振動空間に入り込み、機能面に接しているため、SA
Wの伝搬を阻害しており、弾性表面波装置としての所望
の特性を得るのが困難である。
【0015】また、他の従来例のように、絶縁性樹脂
26が振動空間に入り込まないように、ダム材を設けた
り、SAW伝搬路を囲むように機能面に環状部材を設け
たとしても、絶縁性樹脂26の入り込みを完全に阻止す
るには不十分であった。また、このような環状部材を設
ける場合には、環状部材がシリコーン樹脂等の塗布によ
り形成されるため、環状部材を予めチップ側に形成して
おくので、その形成時に高さを均一に形成することが困
難であった。
【0016】また、他の従来例のように、絶縁基板に
圧電基板をフェースダウンでフリップチップ実装し、圧
電基板の周辺部をシリコン系絶縁性樹脂で気密封止する
弾性表面波装置の場合、絶縁性樹脂のゲル化が熱硬化に
よるものであるため、振動空間内に充満させる不活性ガ
ス又は空気層が熱膨張を起こし、絶縁性樹脂にボイドが
発生するなどして、耐環境性、特に耐湿性に問題があっ
た。また、絶縁性樹脂の塗布部がSAW素子の外周部の
みでバンプ接続体を含まない構造を有する弾性表面波装
置の場合、絶縁基板と圧電材料の応力緩和が不十分であ
り、バンプ接合において長期信頼性に問題があった。
【0017】さらに、他の従来例のように、バンプと
パッケージ端子とが当接し、封止部材とパッケージ基板
とで形成される空間が封止されるように、封止部材をパ
ッケージ基板に取り付けた弾性表面波装置の場合、蓋体
により封止する構造であるため、蓋体の高さの確保が必
要となり、弾性表面波装置の薄型化において不利な構造
となる。
【0018】そこで、本発明は上記従来の諸問題に鑑み
て完成されたものであり、簡便な構成でSAWの振動空
間への絶縁性樹脂の入り込みを完全に阻止でき、振動空
間を均一な高さ、幅で正確に形成し得、その結果、SA
W装置の特性劣化がなく、また極めて薄型で、小型軽量
化が可能で、さらには低コストで製造可能な弾性表面波
装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の弾性波装置は、
下面に弾性表面波を発生させる励振電極を設けた圧電基
板を、前記励振電極と接続される導体パターンを有する
絶縁基板上に、前記励振電極の振動空間を形成した状態
で載置させるとともに、前記圧電基板と前記絶縁基板と
を光硬化性樹脂から成る接着材で気密封止したことを特
徴とする。
【0020】具体的には、例えば、弾性表面波を発生さ
せる励振電極を設けた圧電基板を、前記励振電極と接続
される導体パターンを有する絶縁基板に載置させるとと
もに、圧電基板と絶縁基板とを光硬化性樹脂から成る枠
状の接着材で気密封止を行う。
【0021】また、この枠状の接着材の少なくとも外周
面に耐湿性の高い保護膜が被着されるようにしてもよ
い。
【0022】なお、上記接着材により形成された励振電
極の振動空間内に不活性ガスを充満させるようにしても
よい。ここで、不活性ガスとはアルゴンガス等の希ガス
だけでなく窒素ガス等を含むものとする。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明に係る実施の形態について
図面に基づき詳細に説明する。図1は弾性表面波装置S
1の一部省略平面図であり、簡単のため圧電基板1と絶
縁基板7との間に介在させる後記する枠状体(接着材)
6の上半分を切断した平面図であり、図2は図1のA−
A線断面図であり、図1においては、省略したSAW素
子を構成する圧電基板1や励振電極であるIDT電極5
等について図示している。
【0024】図2において、1は圧電基板、2は後記す
る励振電極に接続される入出力電極パッド、3はバンプ
等の接続体、4は後記する電極リードパターン8のパッ
ド(導電パターン)、5は励振電極であるIDT電極、
6は光硬化性絶縁性樹脂から成る枠状体(接着材)、1
1はこの枠状体6の少なくとも本体外周面に設けられた
耐湿性の保護膜である。また、7はセラミックス,樹脂
等からなる絶縁性基板、8は外部の駆動回路、共振回
路、接地回路等に接続され絶縁性基板7に設けられた電
極リードパターンである。また、9はIDT電極5の振
動空間である。
【0025】このようにして弾性波装置S1は、下面に
弾性表面波を発生させるIDT電極9を設けた圧電基板
1を、IDT電極と接続される導体パターン4を有する
絶縁基板7に載置させるとともに、圧電基板1の下面外
周部と絶縁基板7の上面とを光硬化性樹脂から成る枠状
体6で接合されており、さらに、枠状体6の少なくとも
外周面6aに耐湿性の高い保護膜11が被着されてい
る。
【0026】SAW素子は、圧電基板1上に設けられ、
互いに噛み合うように形成された少なくとも一対の櫛歯
状電極のIDT電極5等から構成されるが、IDT電極
5は、所望の特性を得るために、複数対の櫛歯状電極
を、直列接続方式,並列接続方式で接続して構成しても
よい。
【0027】絶縁性基板7は、例えば一枚のセラミック
基板、又は、セラミック基板と1枚以上の枠状セラミッ
ク基板とを積層することによって作製し、絶縁性基板7
に設けられる導体パターン4は、電解めっき又は無電解
めっき法によって形成する。
【0028】また、IDT電極5は蒸着法,スパッタリ
ング法又はCVD法等の薄膜形成法により形成する。
【0029】また、接続体3は、Au,Al等の金属の
ワイヤをボールボンディング法によりバンプとなるよう
に形成するか、Au,はんだ等からなるバンプを蒸着
法,印刷法,転写法,無電解めっき法又は電解めっき法
等により、パッド2上に形成することによって得られ
る。
【0030】枠状体6は絶縁基板7の導体パターン4上
に、ディスペンサーで塗布するか又は印刷法により絶縁
性の光硬化性樹脂を塗布して得られる。
【0031】そして、圧電基板1のIDT電極5が設け
られた主面(機能面)が絶縁基板7の上面に対面するフ
ェースダウン構成として、接続体3を導体パターン4に
導電性接着剤で電気的に導通させて接続し、圧電基板1
を絶縁基板7上に載置固定する。
【0032】その後、枠状体6がIDT電極5が形成さ
れた機能面に入り込まない構成とし、圧電基板1の固定
とIDT電極5が存在する振動空間9の気密を確実にす
るために、枠状体6が圧電基板1の全外周を囲むような
構造とする。
【0033】そして、光硬化性樹脂を側面からの紫外線
照射又はランプ炉を通して硬化させ、弾性表面波装置S
1を完成する。ここで、枠状体6の少なくとも外周面6
aに枠状体6の本体を構成する光硬化性樹脂より耐湿性
の優れた保護膜で覆うように被着させると、振動空間9
内をより気密にすることができるのでよい。
【0034】例えば、枠状体6の本体はアクリル系の光
硬化性樹脂とし、保護膜11をウレタン系の光硬化性樹
脂、もしくはエポキシ系樹脂とする。特に、ウレタン系
とするとアクリル系のような樹脂自体の水素結合による
接着だけでなく、下地との密着性も増す。なお、保護膜
11に所定量の金属粒子を含有させてもよい。また、枠
状体6の本体をアクリル系の光硬化性樹脂とし保護膜1
1を半田材で覆ってもよい。このようにすると、樹脂封
止より気密性が増し、耐湿性も向上する。なお、保護膜
11をエポキシ系樹脂とした場合、エポキシ系樹脂は熱
硬化性ゆえに、熱工程を伴うので、IDT電極に影響を
受けない程度、例えば150℃,30秒の加熱等により
熱硬化させると、圧電基板1に対して急激な温度勾配を
与えることがない。
【0035】次に、実施の他の形態である図3について
説明する。上記と同じ方法で光硬化性樹脂が接続体3を
含み圧電基板1の全外周部を囲む構造とした後、圧電基
板1の裏面全体を覆うようにディスペンサー等で光硬化
性樹脂を塗布し、上部より紫外線照射又はランプ炉を通
して硬化させて、蓋体となる保護部材10を形成し、弾
性表面波装置S2を完成してもよい。
【0036】ここで、枠状体6,保護部材10の主材料
としては、ポリエステルアクリレート,ポリウレタンア
クリレート,エポキシアクリレート,ポリエーテルアク
リレート,オリゴアクリレートなどのアクリル系オリゴ
マーが用いられる。
【0037】特に、ディスペンサーによる塗布、印刷法
による塗布で必要以上に光硬化性絶縁材料が広がらない
ように、添加剤としてチクソ性付与剤を添加したり、フ
ィラーの量で粘度を高目に調整したものが好ましく、S
AW素子の電極腐食が起こらないように不純物イオン濃
度を極力低減したものが好ましい。
【0038】次に、実施のさらに他の形態である図4に
ついて説明する。弾性表面波装置S3のように、絶縁基
板7に後記する凹部7aを形成することにより、励振電
極5の振動空間9を確保するようにしてもよい。すなわ
ち、絶縁基板7の段部7bに形成された導体パターン4
と圧電基板1に形成された入出力電極パッド2とを電気
的に接続し、入出力電極パッド2と電気的に接続された
励振電極5の振動空間を確保するために、励振電極5の
下部に絶縁基板7の凹部7aを形成するようにしてもよ
い。そして、このような場合は接着材6は圧電基板1の
裏面(上面)1aと絶縁基板7の周縁部7cとの間を気
密封止してもよいし、また絶縁基板7の段部7dと圧電
基板1の下面との間を気密封止してもよい。
【0039】上記と同じ方法で光硬化性樹脂が接続体3
を含み圧電基板1の全外周部を囲む構造とした後、圧電
基板1の裏面全体を覆うようにディスペンサー等で光硬
化性樹脂を塗布し、上部より紫外線照射又はランプ炉を
通して硬化させて、蓋体となる保護部材10を形成し、
弾性表面波装置S2を完成してもよい。
【0040】ここで、枠状体6,保護部材10の主材料
としては、ポリエステルアクリレート,ポリウレタンア
クリレート,エポキシアクリレート,ポリエーテルアク
リレート,オリゴアクリレートなどのアクリル系オリゴ
マーが用いられる。
【0041】特に、ディスペンサーによる塗布、印刷法
による塗布で必要以上に光硬化性絶縁材料が広がらない
ように、添加剤としてチクソ性付与剤を添加したり、フ
ィラーの量で粘度を高目に調整したものが好ましく、S
AW素子の電極腐食が起こらないように不純物イオン濃
度を極力低減したものが好ましい。
【0042】、図1〜図4において、振動空間9内に低
湿度の空気を封入し密閉するようにしてもよい。これに
より、IDT電極5の酸化等による劣化を抑制でき好ま
しい。また、空気の代わりに、窒素ガス,アルゴンガス
などの不活性ガス等を封入し密閉すれば、より好ましい
効果が得られる。
【0043】本発明において、IDT電極5はAlある
いはAl合金(Al−Cu系、Al−Ti系等)からな
り、特にAlの場合は励振効率が高く、材料コストが低
いため好ましい。また、IDT電極5の形状は、互いに
噛み合うように形成された櫛歯状であるが、複数の電極
指を平行に配列した反射器のようなスリット型のものに
も適用でき、それらを併用したタイプであってよい。
【0044】そして、IDT電極5の対数は50〜20
0、電極指の幅は0.1〜10.0μm、電極指の間隔
は0.1〜10.0μm、電極指の交差幅は10〜80
μm、IDT電極5の厚みは0.2〜0.4μmとする
ことが、共振器あるいはフィルタとしの所期の特性を得
るうえで好適である。また、IDT電極5のSAWの伝
搬路の両端に、SAWを反射し効率よく共振させるため
の反射器を設けてもよく、さらには、電極指間にZn
O、AlO等の圧電材料を成膜すれば、SAWの共振効
率が向上し好適である。
【0045】圧電基板1としては、36°Yカット−X
伝搬のLiTaO3 単結晶,64°Yカット−X伝搬の
LiNbO3 単結晶,45°Xカット−Z伝搬のLiB
4 7 単結晶は、電気機械結合係数が大きく且つ群遅延
時間温度係数が小さいため好ましい。また、圧電基板の
厚みは0.3〜0.5mm程度がよく、0.3mm未満で
は圧電基板が脆くなり、0.5mm超では材料コストが
大きくなる。
【0046】かくして、本発明は、SAWの振動空間9
への絶縁性樹脂の入り込みを完全に阻止できる。また、
圧電基板1の焦電性によるSAW素子の損傷が起きない
ので、特性劣化を極力防止できる。また、振動空間9を
均一な高さ、幅で正確に形成できるので薄型化や小型化
が可能である。さらに、作製時に加熱工程を実施しない
ので、封止用絶縁材料にボイド等の欠陥が発生すること
がないので、長期信頼性を確保することができる。
【0047】なお、本発明は上記の実施形態に限定され
るものではなく、上記例のように接続体3を枠状体6の
内部に含ませるようにしなくともよく、接続体3の外周
部を枠状体6でもって取り囲んで、圧電基板1と絶縁基
板7とを接合するようにしてもよく、また、例えば、振
動空間9内の絶縁基板7の上面に枠状のダム材を設けた
り、凹部等を形成することにより、枠状体6を形成する
ための光硬化性樹脂の入り込みを極力防止するようにし
てもよく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変
更は何等差し支えない。
【0048】
【実施例】次に、図2に基づいて本発明の具体的な実施
例について説明する。図2に示すように、圧電基板1と
して36°Yカット−X伝搬のLiTaO3結晶を用
い、そのチップサイズは、1.1mm×1.5mmであ
った。また、実装基板として3.0mm×3.0mm、
厚さ500μmのアルミナ基板を用いた。アルミナ基板
には合計1μm膜厚のAu及びNiを無電解めっきにて
形成した。
【0049】接続体3は、Auのワイヤーをボールボン
ディング法によりバンプとなるように形成した。バンプ
径は70μm、高さは50μmであった。
【0050】絶縁基板7には接続体3が当接する位置
に、予め変成アクリレート系の紫外線硬化樹脂をディス
ペンサーにより塗布した。塗布した樹脂の線幅は、約1
00μmであった。
【0051】接続体3と導電パターン4との接続は、A
g−Pd合金を含む熱硬化性のエポキシ系の導電性接着
剤を接続体3に転写塗布し、窒素雰囲気中でSAW素子
と絶縁基板7をフェースダウンでアライメントした後、
側面より80mW/cm2の照度で30秒間、紫外線を
照射して変成アクリレート光硬化性樹脂を硬化させて枠
状体6を形成した。
【0052】さらに、この光硬化性樹脂の外周面6aに
ビスフェノール型エポキシ樹脂をディスペンサーにて塗
布し、アニール炉や、クリーンオーブン、ホットプレー
ト上で150℃,30秒間、加熱硬化させた。
【0053】以上の工程で、振動空間9の内部まで光硬
化性樹脂が入り込まず、振動空間9を充分に確保するこ
とができ、さらに接続体3を含んだSAW素子チップの
外周部のみを光硬化性絶縁樹脂で封止した構造の弾性表
面波装置を作製することができた。また、弾性表面波装
置の高さは1.0mm程度であった。
【0054】このようにして、従来のワイヤボンディン
グ工程が不要となり、ワイヤの横方向の空間及びワイヤ
の高さ方向のサイズを縮小でき、小型化・薄型化を図る
ことができた。
【0055】
【発明の効果】本発明の弾性表面波装置によれば、光硬
化性樹脂を常温で光硬化させて励振電極が形成された空
間を気密にすることができるので、圧電基板に対して急
激な温度勾配を与えることがなく、圧電基板の焦電性に
よる励振電極のオープン不良等の問題が発生することが
ない。
【0056】また、接着材の内側領域に形成されたSA
W素子の振動空間を形成する気体層の熱膨張が生じない
ので、従来のように封止樹脂のボイド発生が無く、長期
信頼性に優れ特性の劣化のない弾性表面波装置を提供で
きる。
【0057】また、接着材の光硬化性樹脂はゲル化が比
較的容易に進行することができ、短時間且つ簡便な工程
で弾性表面波装置を作製することが可能である。
【0058】また、光硬化性樹脂をバンプ等の接続体を
含めて塗布し硬化させると、よりいっそう堅固に圧電基
板を絶縁基板に対して接合固定することができ、絶縁基
板とSAW素子を形成する圧電基板の線膨張係数差によ
る応力を分散緩和させることができる。
【0059】さらに、本発明によれば十分な薄型化及び
小型化を図ることが可能な弾性表面波装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る弾性表面波装置の一実施形態を説
明する一部省略平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明に係る他の弾性表面波装置の一実施形態
を説明する断面図である。
【図4】本発明に係る他の弾性表面波装置の一実施形態
を説明する断面図である。
【図5】従来の弾性表面波装置を説明する断面図であ
る。
【図6】従来の他の弾性表面波装置を説明する断面図で
ある。
【符号の説明】
1:圧電基板 2:入出力電極パッド 3:接続体(バンプ) 4:導体パターン 5:IDT電極(励振電極) 6:枠状体(接着材) 7:絶縁基板 8:電極リードパターン 9:振動空間 10:保護部材 S1,S2:弾性表面波装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下面に弾性表面波を発生させる励振電極
    を設けた圧電基板を、前記励振電極と接続される導体パ
    ターンを有する絶縁基板上に、前記励振電極の振動空間
    を形成した状態で載置させるとともに、前記圧電基板と
    前記絶縁基板とを光硬化性樹脂から成る接着材で気密封
    止したことを特徴とする弾性表面波装置。
JP23526797A 1997-08-29 1997-08-29 弾性表面波装置 Pending JPH1174755A (ja)

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JP23526797A JPH1174755A (ja) 1997-08-29 1997-08-29 弾性表面波装置

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