JPH1174138A - 高圧トランス - Google Patents

高圧トランス

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JPH1174138A
JPH1174138A JP9244749A JP24474997A JPH1174138A JP H1174138 A JPH1174138 A JP H1174138A JP 9244749 A JP9244749 A JP 9244749A JP 24474997 A JP24474997 A JP 24474997A JP H1174138 A JPH1174138 A JP H1174138A
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JP
Japan
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voltage transformer
case
magnetic core
magnetic
secondary coil
Prior art date
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Pending
Application number
JP9244749A
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English (en)
Inventor
Tadashi Kotani
忠 小谷
Masao Ishiwaki
將男 石脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ferrite Electronics Ltd
Original Assignee
Hitachi Ferrite Electronics Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1174138A publication Critical patent/JPH1174138A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高圧トランスの高圧側コイルの絶縁性の向上
を図る。 【構成】 リング状磁心3は、磁路上に空隙6を施し直
流重畳特性を得たものであり、その外装を絶縁樹脂から
なる第1のケース4に覆われ、磁心3を収納した前記ケ
ース4の外装には、2次側コイル2が単層整列巻され、
さらに、前記2次側コイル2は、第2のケース5により
覆われ、該ケース5の外装には1次側コイル1が巻回し
て構成する高圧トランスである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高電圧を必要とす
る冷陰極ランプあるいはメタルハライドランプ等の点灯
に用いられる高圧トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高圧の点灯として一般に知られて
いるのは、パソコンあるいはワープロ等の液晶表示の裏
側に取り付けられている冷陰極ランプがあり、高圧トラ
ンスを使用して数十Vの電圧を数kVに昇圧して冷陰極
ランプを点灯させ、液晶を明るく表示させていた。図1
2が前記高圧トランスの断面図を示したものである。両
端にフランジ56の施された中空穴55を有すボビン5
4は、前記フランジ56間には、低電圧側の1次側コイ
ル51と高圧側の2次側コイル52が巻回され、1次側
コイル51と2次側コイル52間には絶縁壁57aが設
けられ、さらに2次側コイル52は絶縁壁57bにより
分割巻されている。そして、ボビン54の中空穴55に
フェライトからなるコア53を組み込んで高圧トランス
を構成している。
【0003】また近年では、自動車のヘッドライトとし
てメタルハライドランプなる高圧放電灯が登場してい
る。この高圧放電灯は、従来のヘッドライト用ハロゲン
ランプに比べ輝度が高く、明るく照らすことができる
が、点灯始動時の電圧が20kV以上の高電圧を必要と
する。前記高圧放電灯に用いられる高圧トランスとして
は、図13に示す特開平8−130127号公報に開示
された高圧トランスがある。この高圧トランスは、スプ
ール64内に円柱形状のコア63が収納され、2次側コ
イル62が巻かれている。これらをケース65内に収納
し充填樹脂により一体化し、ホルダー状の1次側コイル
61は、ケース65に一体化されたスプール64に巻回
された2次側コイル62およびコア63を覆うように上
方より取り付けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の高圧トランスは、いずれも2次側コイルが分割巻され
層間電圧を低く抑えているものの、高圧側である2次側
コイルの電圧が例えば25KVといったように高くなる
と、それぞれの分割巻線内のコイル電位差が非常に高く
なり、信頼性に欠けるという問題点があった。また、2
次側コイルの分割数を増すことにより分割巻線内のコイ
ル電位差を低くすることはできるが、高圧トランスとし
てのサイズが大きくなるという問題点があった。
【0005】また、図13において、トランスとしての
磁心は円柱形状のコアのみで構成されているため、開磁
路での動作となる。この開磁路構造のため、必要な電圧
を発生させるためにはコイルの巻回数を増加させる、ま
たはコアサイズを大きくしないと必要とする特性を得る
ことができず、どうしても重量および取付面積が大きく
なるという問題点があった。さらに、自動車へのトラン
ス搭載方法は、他素子と一緒にユニットとして組み込ま
れるものであり、前記トランスは開磁路の磁心により構
成されているため、漏れ磁束によってユニット内の他素
子に影響を及ぼすものであった。
【0006】本発明は、以上のことを考慮し小型、軽量
で高電圧に対する信頼性を向上させるとともに、漏れ磁
束の少ない高圧トランスの提供を目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁性材料から
なる磁心と1次側コイルおよび2次側コイルとからなる
高圧トランスにおいて、磁心は金属系磁性材料の開磁路
磁心であって、該磁心は絶縁物に覆われ、該絶縁物の外
装を2次側コイルが巻回し、さらに、前記2次側コイル
は磁心と共に再度絶縁物に覆われ、その外装に1次側コ
イルを巻回してなる高圧トランスである。
【0008】本発明は、磁心の磁路上に1つ以上の空隙
を有すものであって、2つ以上の磁心を組み合わせる場
合は、前記磁心の組み合わせ対向部に空隙を設けた高圧
トランスである。
【0009】本発明は、上記絶縁物が、絶縁樹脂からな
るケース、絶縁テープあるいは絶縁樹脂によるコーティ
ングである高圧トランスである。
【0010】また本発明は、金属系材料磁性からなる磁
心は、微細結晶合金および非晶質合金を材料とし、薄帯
を巻回してなる巻磁心および積層してなる積層磁心、粉
体を成形してなるダストコアである高圧トランスであ
る。また本発明は、金属系材料磁性からなる磁心は、F
e−Al−Ni合金、Mo−P合金、純鉄、Fe−Si
合金を材料とし、薄帯を巻回してなる巻磁心および積層
してなる積層磁心、粉体を成形してなるダストコアであ
る高圧トランスである。
【0011】また本発明は、2次側コイルは2つの巻線
からなり、磁心の対称位置にそれぞれ巻回し、前記2つ
の巻線の巻回方向がそれぞれ逆向きであって、かつ、そ
れぞれの巻線の巻始め、巻終わりを接続してトランスの
2次側コイルとなる高圧トランスである。また本発明
は、2次側コイルが、単層整列で巻線が施されている高
圧トランスである。
【0012】また本発明は、1次側コイルが、平角線、
絶縁被覆を有する電線および同軸構造の電線を用いた高
圧トランスである。
【0013】また本発明は、金属系磁性材料を用いた開
磁路のリング状磁心は、第1のケースに収納され、該第
1のケース外装には、整列巻された対称位置関係の2つ
の巻線からなる2次側コイルが巻回し、該2次側コイル
は、磁心を収納した第1のケースと共に第2のケースに
収納され、第2のケース外装には、平角線および絶縁電
線、同軸構造の電線を用いた1次側コイルが巻回し、さ
らに、該1次側コイル全体を包み込む第3のケースある
いは樹脂によって、トランス全体を絶縁する高圧トラン
スである。
【0014】また本発明は、ケース内に、絶縁あるいは
固定のための絶縁性樹脂がそれぞれ封入され、前記ケー
ス内に封入する樹脂は、ケース毎に異なる材質を封入す
る高圧トランスである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図を用い
て説明にする。図1は、本発明の高圧トランスの断面図
である。リング状の磁心3は、磁路の一部に空隙6が施
され、直流電流に対しインダクタンスを発生されること
のできる直流重畳特性を有す磁心とした。前記リング状
磁心3は、その外装を絶縁樹脂からなる第1のケース4
に覆われ、磁心3を収納した前記ケース4の外装には、
2次側コイル2が単層整列巻され、さらに、前記2次側
コイル2は、第2のケース5により覆われ、該ケース5
の外装には1次側コイル1が巻回するものである。なお
前記空隙6には、安定した空隙寸法を得るためにスペー
サ7を挿入した。
【0016】一般に高圧トランスは、高電圧側である2
次側コイル2に数kV以上の電圧が発生するため、必ず
前記2次側コイル2に対して他の導電部を絶縁する必要
があり、本発明では図1に示したケース4とケース5に
よって絶縁を図るものである。磁心3をケース4で覆う
ことで、磁心3を収納したケース4の外装に巻回する2
次側コイル2に対して絶縁をとる。また、1次側コイル
1は、2次側コイル2の外方に巻回し、2次側コイル2
を覆うケース5で、該ケース5に巻回する1次側コイル
1を絶縁する。
【0017】すなわち、磁心3と2次側コイル2、2次
側コイル2と1次側コイル1の各間に絶縁物を介在させ
ることにより、高電圧の2次側コイル2の絶縁を図った
ものである。図1のケース4、5は、磁心3および2次
側コイル2を密閉に近い状態で収納する構造である。他
の方法としては、絶縁テープを巻回してそれぞれの全体
を覆う方法、あるいは、コーティングによりそれぞれの
全体を覆う方法があり、これらは、サンプルおよび少量
生産に適した高圧トランスである。
【0018】また、高圧トランスの中には、ランプ点灯
時に必要な高電圧を得、ランプ点灯後は、前記高圧トラ
ンスを流れる直流電流に対してインダクタンスを発生さ
せる直流重畳特性を有す高圧トランスもある。従来のフ
ェライトを使用した高圧トランスでは、Mn系フェライ
トで最大飽和磁束密度が500mT程度であり、そのた
め非常に大きな空隙を設け、直流電流に対する飽和を抑
制したが、そのためコア形状としては、図13に示した
棒状コアとなり、大きな漏れ磁束が発生し、周りの各種
素子に影響を与えていた。本発明の高圧トランスは、金
属系磁性材料を磁心として用いることにより、従来のフ
ェライト材料に比べ、飽和磁束密度が2倍〜4倍程度あ
り、透磁率が高いため、小さな空隙寸法で従来のフェラ
イト材料と同等以上の直流重畳特性を有することがで
き、コア外部への漏れ磁束を少なくすることができる。
しかも、少ない巻回数で高インダクタンスを発生するこ
とができる。
【0019】また、高圧側である2次側コイル2を単層
整列で巻回することで、隣り合う巻線の電位差を最小限
とすることができ、さらに、コイルの巻始めと巻終わり
が明確であるため、前記コイルの端子間絶縁距離を容易
にとることができる。
【0020】また、2次側コイルは、図2に示すよう
に、磁心を内蔵するケース4の対称位置にコイル8とコ
イル9が巻回し、それぞれのコイル8、9は、巻回方向
が逆向きであって、前記それぞれの巻始め8a、9aお
よび巻終わり8b、9bを接続して2次側コイルを形成
する。前記コイル8、9を並列で接続しているので、巻
始め8a、9aあるいは巻終わり8b、9bを起点とし
て、電圧が昇圧あるいは降下するものであって、2次側
コイルの巻始め8a、9aと巻終わり8b、9bをほぼ
180度の位置関係とすることができ、2次側コイルに
おける最大電位差の発生する前記巻始めと巻終わりの距
離を大幅に広げることができる。また、2次側コイル
は、2つのコイル7、8の並列接続で構成するので、そ
れぞれのコイルの線径を小さくでき、巻枠に対するコイ
ル巻回数を増すことができる。なお、図中ではわかりや
すくするため、巻線の巻始めおよび巻終わり同士を接続
したが、実際は、他の導体あるいは端子を用いて接続し
たり、取付回路のパターンによって接続するものであ
る。
【0021】1次側コイルは、2次側コイルに比べ大き
な電流が流れるため、コイルの断面積が大きくなるが、
平角銅線を用いれば、外方に飛び出すことなく巻線でき
るため、高圧トランスとしてサイズが小型化となる。ま
た、1次側コイルは、本発明の高圧トランスの最も外寄
りのため、絶縁チューブを有す電線を用いることによ
り、高圧トランスとしての絶縁性を向上させるものであ
る。また、同軸ケーブルタイプの電線を用いることによ
り、高圧トランスとしての結合を向上させる。
【0022】また、本発明の高圧トランスのそれぞれの
ケース内に樹脂を充填させることにより、ケース内の磁
心あるいはコイル等を固定することができ、しかも、磁
心およびコイルの放熱性を向上させることができる。さ
らに、ケースの勘合部に発生する隙間を前記充填樹脂に
より埋めることができ、絶縁性を向上させるものであ
る。
【0023】また、磁心に用いる材料が応力に弱い場
合、応力による特性劣化を抑えるため、磁心のケース内
には、シリコーン等の柔らかい樹脂を充填し、2次側コ
イルを収納するケースには、エポキシ樹脂等の堅い樹脂
を充填することにより、高圧トランスとしての強度を
得、磁心の特性劣化を防ぐことができる。
【0024】図3から図6を用いて、本発明の高圧トラ
ンスの製造方法を示す。磁心3は、微細結晶合金薄帯を
巻回してなる巻磁心であって、磁路に空隙を施すために
樹脂で固め、その後空隙6を設け、該空隙6に樹脂シー
ト片のスペーサ7を挿入して前記空隙寸法を一定とし
た。この磁心3は、上下方向に位置する2分割構造のケ
ース4a、4bに組み込んで絶縁をとる。この磁心3に
用いた微細結晶合金薄帯は、熱処理により所定の磁気特
性を得たものであって、非晶質合金薄帯を用いた磁心に
ついても同様である。前記微細結晶合金薄帯からなる磁
心3は、透磁率が10000以上、飽和磁束密度1T以
上で、しかも低損失の優れた特性を有す磁心であり、空
隙を設けたことにより、優れた直流重畳特性を有す磁心
を得た。
【0025】また、図3のケース勘合部の絶縁距離は、
ケース肉厚でとるものであるが、他にケース勘合部の外
周及び内周に絶縁テープを巻き付けたり、取り扱いが容
易なシリコーン樹脂をケース内で磁心を包み込むように
充填して絶縁距離をとる方法もある。
【0026】図3によって作製した磁心3を内蔵するケ
ース4に高圧側の2次側コイル2を巻回したのが、図4
である。2次側コイル2は、UEW線を用い単層整列で
巻回し、巻始めおよび巻終わりに絶縁のための端子間距
離を設けた。また、図中の上下に位置するのは、前記2
次側コイル2の外装を絶縁するためのケース5a、5b
である。この2次側コイル2は、1層の整列巻としてい
るので、隣り合う巻線の電位差は、2次側電圧÷2次側
コイル巻回数となり、巻線同士の電位差を最小とするこ
とができた。たとえば、20kVの2次側出力電圧で、
2次側のコイル巻回数が80ターンであれば、隣り合う
巻線の電位差は、250Vとなり、UEW線でも絶縁可
能な電圧である。
【0027】図4の一方のケース5aの平坦面には、2
次側コイル2のリード引き出し用穴10を有する。ま
た、図において、2次側コイル2の巻始めと巻終わり
は、空間のみで端子間距離をとっているが、図5に示す
凸状の仕切11を設けることにより、前記端子間距離を
小さくすることができ、コイル巻枠を広げることができ
る。また、2次側コイル2を収納するケース5a、5b
に、前記ケース4の凸状仕切11を勘合する溝等を設け
ることにより、ケース5a、5b内で2次側コイル2と
ケース4を安定固定させることができる。
【0028】この時、磁心に設けた空隙位置を常に定位
置とすることで、高圧トランスとした時の漏れ磁束の影
響を最小限とすることができ、たとえば、図5における
凸状仕切11と同じ位置、あるいは前記仕切11と18
0度の位置とするなどの方法があり、高圧トランスとし
ての性能を向上させた。
【0029】図6は、本発明の高圧トランスの完成図で
ある。図3および図4によって作製した磁心3および2
次側コイル2を内蔵したケース5の外装に1次側コイル
1を巻回して高圧トランスは完成となる。前記1次側コ
イル1は、チューブ電線を用い、高圧トランスとしての
絶縁性を上げ、かつ、ケース5内の2次側コイル2に対
しても絶縁性を向上させた。また、1次側コイル1は、
巻線が少なくてもケース5に対しスペース巻とすること
で、1次側コイル1による漏れ磁束を最小限に抑えるこ
とができる。また、この1次側コイル1にUEW線ある
いはPEW線等の絶縁皮膜タイプを用いる場合、更に前
記1次側コイル1を収納するケースを取り付たり、外装
絶縁コートをすることにより、高圧トランスの絶縁を強
化することができる。
【0030】試作における本発明の高圧トランスの仕様
と性能を以下に示します。Fe基微細結晶合金薄帯の8
mm幅、18μmを用いて、外径44mm、内径28m
m、高さ8mmの巻磁心を作製し、所定の特性を得る熱
処理をおこない、前記磁心をエポキシ樹脂によって固め
た後、0.5mmの空隙を施して、高圧トランスの磁心
とした。この磁心の外装を、粉体のエポキシコーティン
グにより磁心全体を包み込み、外界と遮断した。2次側
コイルは、図2に示す形態をとり、前記コーティングを
施した磁心の対称位置関係に0.18mmφのUEWを
140ターン単層整列に巻回方向がそれぞれ逆になる巻
回し、前記コイルの巻始めおよび巻終わり同士を接続し
て2次側コイルとなる。
【0031】前記2次側コイルの外装絶縁は、PBT樹
脂からなる図4に示したケース5a、5bでおこなっ
た。この時、ケース対向部の隙間による絶縁距離を稼ぐ
ために、ケース内にシリコーン樹脂を全体に充填して、
前記ケース対向部の隙間を埋めるとともに2次側コイル
より発生する熱の放熱性を良くすることができた。ま
た、1次側コイルは、高圧トランスとしての寸法を抑え
るために5mm幅、0.05mmtのポリエステルコー
トされた平角銅線を2ターン巻回して本発明の高圧トラ
ンスの完成となった。なお、前記1次側コイルは巻回に
よる漏洩磁束を極力抑えるためにスペース巻とした。
【0032】上記試作による高圧トランスの性能として
は、容積は、47mm×47mm、高さ12mmの薄型
とすることができ、特性は、入力電圧400V(1次
側)として、2次側で20kVの出力電圧を得ることが
でき、また、2次側コイルの無負荷時のインダクタンス
が2mH、1Aの直流電流通電時に1.7mHのインダ
クタンスを発生することのできる優れた直流重畳特性を
有す高圧トランスを作製できた。また、2次側コイルの
隣り合う巻線の電位差を、約142Vと小さくすること
ができた。
【0033】図7は、本発明の高圧トランスに用いる磁
心およびコイルを収納するケースの部分断面図であり、
ケースの内部と外部の絶縁は、ケース勘合部の空間距離
と沿面距離によって決まるもので、空間距離は図6に示
すケース肉厚Bによって決まるものであるが、沿面距離
は、ケース勘合部における凸凹数を増したり、垂直方向
の勘合寸法Aを長くすることにより、ケース肉厚Bが薄
くても数十kVの電圧に対して十分な絶縁距離をとるこ
とができ、本発明の高圧トランスに用いるケースを小型
化できた。
【0034】図8から図11は、本発明の高圧トランス
に用いる磁心を示したものである。高飽和磁束密度、良
好な温度特性を有する微細結晶合金薄帯および非晶質合
金薄帯を本発明に用いる場合、リング状に巻回してなる
巻磁心、図8の略楕円状の巻磁心あるいは図9に示す積
層した枠型とすることができる。
【0035】図8は、金属系磁性薄帯を略楕円状とし
て、磁路の一部に空隙6を施したものである。この略楕
円状磁心は、薄帯巻回時に楕円状とするほかに、リング
状の巻磁心を変形させて構成することもできる。
【0036】図9は、金属系磁性薄帯を打ち抜き等によ
り作製したシート状の薄帯を積層して枠状磁心とした。
なお、組み合わせられる枠状磁心は、あらかじめコ字状
のシートを積層する方法、または、枠状シートを積層し
た後、切断して分割する方法がある。
【0037】また、更に直流重畳特性を必要とする高圧
トランスの磁心としては、金属系磁性材料を粉末状にし
て成形した図10、図11に示すダストコアがある。
【0038】図10は、リング状磁心がスペーサ7のよ
り、コア対向部に空隙を施したもである。このスペーサ
7は、磁心をエポキシ樹脂等で外装に絶縁コート処理し
た場合、前記スペーサ7は、図2に示した2つの巻線か
らなる2次側コイルのコイル間仕切の役割を果たすもの
である。
【0039】また図11は、磁性体の粉体からなるU型
12とI型13を組み合わせてなる枠状のダストコアで
ある。このダストコアの2次側コイルは、コアの側脚に
それぞれ配置し並列接続して構成するものであり、それ
ぞれのボビン14に単層整列で巻回方向が逆向きの巻線
15および巻線16で2次側コイルを形成する。なおU
型12とI型13の外装には、薄い絶縁コーティーング
を施し、磁心と2次側コイル15、16の絶縁性を向上
させるとともに、2次側コイルのボビン肉厚を薄くする
ことができた。
【0040】ダストコアの材料としては、Fe−Al−
Ni合金、Mo−P合金、純鉄、Fe−Si合金等があ
り、また上記に説明した、微細結晶合金および非晶質合
金も粉体とすることで、容易にダストコアとなる。
【0041】
【発明の効果】本発明の高圧トランスは、磁心およびコ
イル毎で樹脂によって、ほぼ密封状態での絶縁を可能と
し、信頼性を向上させた。また、磁心を金属系磁性材料
を用いたことにより、従来に比べ小型化を可能とし、か
つ、小さな空隙で直流重畳特性を有すことができ、漏れ
磁束の少ない高圧トランスを得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高圧トランスの断面図
【図2】本発明の高圧トランスの別の2次側コイル仕様
【図3】本発明の高圧トランスの磁心組み込み図
【図4】本発明の高圧トランスのコイル組み込み図
【図5】本発明の高圧トランスの別の磁心収納ケースの
外観図
【図6】本発明の高圧トランスの完成図
【図7】本発明の高圧トランスに用いるケース部分断面
【図8】本発明の高圧トランスに用いる別の磁心形状
【図9】本発明の高圧トランスに用いる別の磁心形状
【図10】本発明の高圧トランスに用いる別の磁心形状
【図11】本発明の高圧トランスの2次側コイル組み込
み図
【図12】従来の高圧トランスの断面図
【図13】別の従来例の高圧トランスの分解斜視図
【符号の説明】
1 1次側コイル 2 2次側コイル 3 磁心 4 ケース 5 ケース 6 空隙 7 スペーサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01F 30/00 H01F 31/00 H 31/06 501G

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性材料からなる磁心と1次側コイルお
    よび2次側コイルとからなる高圧トランスにおいて、磁
    心は金属系磁性材料の開磁路磁心であって、該磁心は絶
    縁物に覆われ、該絶縁物の外装に2次側コイルが巻回
    し、さらに、前記2次側コイルは磁心と共に再度絶縁物
    に覆われ、その外装に1次側コイルを巻回してなること
    を特徴とする高圧トランス。
  2. 【請求項2】 磁心は磁路上に1つ以上の空隙を有すも
    のであって、2つ以上の磁心を組み合わせる場合は、前
    記磁心の組み合わせ対向部に空隙を設けたことを特徴と
    する請求項1の高圧トランス。
  3. 【請求項3】 絶縁物は、絶縁樹脂からなるケースであ
    ることを特徴とする請求項1記載の高圧トランス。
  4. 【請求項4】 絶縁物は、絶縁テープあるいは絶縁樹脂
    によるコーティングであることを特徴とする請求項1記
    載の高圧トランス。
  5. 【請求項5】 金属系磁性材料からなる磁心は、微細結
    晶合金および非晶質合金を材料とし、薄帯を巻回してな
    る巻磁心および積層してなる積層磁心、粉体を成形して
    なるダストコアであることを特徴とする請求項1、2記
    載の高圧トランス。
  6. 【請求項6】 金属系磁性材料からなる磁心は、Fe−
    Al−Ni合金、Mo−P合金、純鉄、Fe−Si合金
    を材料とし、薄帯を巻回してなる巻磁心および積層して
    なる積層磁心、粉体を成形してなるダストコアであるこ
    とを特徴とする請求項1、2記載の高圧トランス。
  7. 【請求項7】 2次側コイルは2つの巻線からなり、磁
    心の対称位置にそれぞれ巻回し、前記2つの巻線の巻回
    方向がそれぞれ逆向きであって、かつ、それぞれの巻線
    の巻始め、巻終わりを接続してトランスの2次側コイル
    となることを特徴とする請求項1記載の高圧トランス。
  8. 【請求項8】 2次側コイルは、単層整列で巻線が施さ
    れていることを特徴とする請求項1、7記載の高圧トラ
    ンス。
  9. 【請求項9】 1次側コイルは、平角線、絶縁被覆を有
    する電線および同軸構造の電線を用いることを特徴とす
    る請求項1記載の高圧トランス。
  10. 【請求項10】 金属系磁性材料を用いた開磁路のリン
    グ状磁心は、第1のケースに収納され、該第1のケース
    外装には、整列巻された対称位置関係の2つの巻線から
    なる2次側コイルが巻回し、該2次側コイルは、磁心を
    収納した第1のケースと共に第2のケースに収納され、
    第2のケース外装には、平角線および絶縁電線、同軸構
    造の電線を用いた1次側コイルが巻回し、さらに、該1
    次側コイル全体を包み込む第3のケースあるいは樹脂に
    よって、トランス全体を絶縁することを特徴とする高圧
    トランス。
  11. 【請求項11】 ケース内には、絶縁あるいは固定のた
    めの絶縁性樹脂がそれぞれ封入されていることを特徴と
    する請求項3、10記載の高圧トランス。
  12. 【請求項12】 ケース内に封入する樹脂は、ケース毎
    に異なる材質を封入することを特徴とする請求項11記
    載の高圧トランス。
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