JPH1171197A - 表面強化ダイヤモンド及びその製造方法 - Google Patents

表面強化ダイヤモンド及びその製造方法

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JPH1171197A
JPH1171197A JP21840597A JP21840597A JPH1171197A JP H1171197 A JPH1171197 A JP H1171197A JP 21840597 A JP21840597 A JP 21840597A JP 21840597 A JP21840597 A JP 21840597A JP H1171197 A JPH1171197 A JP H1171197A
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crystal
diamond crystal
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マーク・ピー・ディヴェリン
Park Dong-Sail
ドング−サイル・パーク
Thomas R Anthony
トーマス・リチャード・アンソニー
Clifford L Spiro
クリフォード・ローレンス・スパイロ
Meng Yue
ユエ・メング
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮破壊強さの増大したダイヤモンド結晶並
びにその製造方法が要望されている。 【解決手段】 本発明は、ダイヤモンド結晶の中心と表
面との間でドーパント元素不純物の濃度が増加すること
によってダイヤモンド結晶の表面に接線方向圧縮応力が
生じることを特徴とする圧縮破壊強さの増大した元素導
入ダイヤモンド結晶に関する。本発明はまた、かかるダ
イヤモンド結晶の製造方法にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は、高温高圧下で製造されかつ圧
縮破壊強さ(CFS)の増大を示すダイヤモンド組成物
及び製品に関するものである。更に詳しく言えば本発明
は、ダイヤモンド結晶の外面に向かってかつ(あるい
は)外面の付近に特定の元素を不均一に導入することに
よって破壊強さ及び性能を増大させることに関する。本
発明はまた、圧縮破壊強さを増大させる元素で表面冨化
され強化されたダイヤモンド結晶の製造方法にも関す
る。
【0002】
【発明の背景】通例、ダイヤモンド結晶は砥石車、砥石
車用の目直し又は形直し工具、及びのこ刃のごときダイ
ヤモンド工具の製造のために使用されている。上記のご
とき用途において効果的に機能するためには、ダイヤモ
ンド結晶は圧縮破壊強さをはじめとして最高度の強度を
有することが望ましい。圧縮破壊強さはダイヤモンド結
晶にとっての基本的な特性であって、これはかかる用途
におけるダイヤモンドの性能と相関していることが多
い。特に、ロールクラッシャーによって測定される結晶
破壊強さは、石切りのごとき用途におけるダイヤモンド
の性能と相関している。
【0003】圧縮破壊強さは、処理の前後においてダイ
ヤモンド結晶粒の集団を圧縮破壊することによって測定
することができる。ロールクラッシャー法においては、
1対の硬質逆転ローラーと、該ローラーによってそれら
の間を通過する結晶粒に加えられる圧縮力を結晶粒破壊
の瞬間に測定するための手段とを具備した装置が使用さ
れる。すなわち、適当な変換器(たとえば線形差動変圧
器)を用いて一方のローラーの運動を測定することによ
り、該ローラーの振れに比例し、従ってダイヤモンド結
晶粒に加わる圧縮力に比例した電圧信号が発生される。
【0004】ダイヤモンドは脆い固体であって、割れに
よって破壊する。それの弾性定数(ダイヤモンドのヤン
グ率)は高くて、1.143×1012ギガパスカルであ
る。ダイヤモンドの延性・脆性転移温度は約1150℃
である。上記のごとき用途の場合、ダイヤモンドは室温
から約1000℃までの脆性破壊領域において使用され
る。
【0005】ダイヤモンド結晶中に溶解した不純物原子
(たとえば、ホウ素、窒素及び水素)は、それらが引起
こす顕著な格子拡張のために応力を生じる。たとえば、
溶解した窒素、ホウ素及び水素原子は周囲のダイヤモン
ド格子をそれぞれ40%、33.7%及び31%だけ拡
張させる。溶解した窒素、ホウ素又は水素の分布がダイ
ヤモンド結晶中において一様であれば、格子は均一に拡
張するだけであって、長距離応力は生じない。しかる
に、溶解した窒素、ホウ素又は水素の分布が一様でなけ
れば、ダイヤモンド中に不均一なひずみが発生する。か
かる不均一なひずみは大きな長距離応力を生じる。
【0006】現在、合成ダイヤモンド結晶中における不
純物濃度はダイヤモンド結晶の半径の増加と共に減少す
る。これには幾つかの理由が存在する。たとえば、ダイ
ヤモンド結晶を合成するために使用される高温高圧法
(HTHP法)においては、成長するダイヤモンドが融
液から窒素を吸収するため、融液中の窒素濃度が時間と
共に減少する。(融液とは、高温高圧下で黒鉛原料から
成長するダイヤモンド結晶に炭素を輸送するために役立
つ溶融した金属触媒/溶媒を意味する。)もう1つの理
由は、ダイヤモンド結晶の成長速度が半径の増加と共に
減少し、かつ不純物の取込みが成長速度の減少と共に減
少することである。更にまた、ダイヤモンド結晶中にお
ける不純物濃度は成長セクターに依存することもある。
成長セクターとは、成長が起こる(又は起こりつつあ
る)結晶学的方向、及び同じ方向に沿って成長が起こっ
た結晶中の領域を意味する。
【0007】このように半径の増加と共に減少する不純
物濃度(すなわち、負の濃度勾配)は、ダイヤモンドの
表面に接線方向引張応力を生じる。ダイヤモンドは脆い
固体であるから、かかる接線方向引張応力によってそれ
の圧縮破壊強さは低下する。技術の進歩に伴い、次世代
のダイヤモンドはより高い強度を要求することになろ
う。このようなわけで、圧縮破壊強さの増大したダイヤ
モンド結晶が要望されている。また、かかるダイヤモン
ド結晶の製造方法も要望されている。
【0008】
【発明の概要】上記の要望に従って本発明は、ダイヤモ
ンド結晶の中心と表面との間でドーパント元素不純物の
濃度が増加することによってダイヤモンド結晶の表面に
接線方向圧縮応力が生じることを特徴とする圧縮破壊強
さの増大した元素導入ダイヤモンド結晶を提供する。本
発明はまた、ダイヤモンド結晶の中心と表面との間に正
のドーパント元素濃度勾配が存在することによってダイ
ヤモンド結晶の表面に接線方向圧縮応力が生じることを
特徴とする圧縮破壊強さの増大した元素導入ダイヤモン
ド結晶から成るダイヤモンド結晶をも提供する。ドーパ
ント元素の実例としては、ホウ素、窒素、水素、リチウ
ム、ニッケル、コバルト、ナトリウム、カリウム、アル
ミニウム、リン及び酸素が挙げられるが、それらのみに
限定されるわけではない。本明細書中においては、ドー
パント元素は不純物原子、不純物元素又は不純物濃度と
呼ばれることもある。不純物のその他の実例は、結晶構
造中における格子間原子(格子間炭素原子を含む)及び
空孔である。
【0009】本発明の別の側面に従えば、本発明のダイ
ヤモンド結晶を含んだ製品(たとえば、のこぎり、砥石
車及び石切り工具)が提供される。本発明の更に別の側
面に従えば、圧縮破壊強さの増大したダイヤモンド結晶
の製造方法が提供される。不均一な不純物濃度又は不純
物分布を生み出すためには、相異なる結晶成長セクター
中に相異なる量の不純物を導入するか、あるいは半径方
向の不純物濃度勾配を生み出すように成長条件を一時的
に変化させるかすればよい。ダイヤモンド中における不
純物の分布は成長条件によって制御されるから、本発明
のダイヤモンドは相異なる成長条件の使用によって強化
することができる。
【0010】本発明の目的の1つは、工具において使用
されるダイヤモンドグリットのごとき合成ダイヤモンド
の圧縮破壊強さを増大させることにある。本発明のもう
1つの目的は、ダイヤモンド中又はそれの表面付近にお
ける不純物原子の濃度を増加させることによって合成ダ
イヤモンドの圧縮破壊強さを増大させることにある。
【0011】本発明の更にもう1つの目的は、合成ダイ
ヤモンド結晶の圧縮破壊強さを増大させるための方法を
提供することにある。本発明のその他の目的は、添付の
図面を参照しながら以下の説明を読めば自ずから明らか
となろう。
【0012】
【発明の詳細な記述】ダイヤモンド格子の拡張を引起こ
す不純物元素の正の半径方向濃度勾配(すなわち、半径
の増大に伴う濃度の増加)はダイヤモンド表面に接線方
向圧縮応力を生じ、それにより強化ガラスと同様にして
ダイヤモンドが強化されることが見出された。かかる不
純物又はドーパント元素の理想的な実例としては、ホウ
素、窒素、水素、リチウム、ニッケル、コバルト、ナト
リウム、カリウム、アルミニウム、リン及び酸素が挙げ
られる。また、結晶中における格子間原子(格子間炭素
原子を含む)及び空孔も不純物と見なすことができる。
ホウ素、水素及び窒素は、成長時においてダイヤモンド
中に容易に導入することができる。ホウ素は、耐酸化性
を向上させるという追加の利点を有している。本発明に
おいては、約0〜1000ppmの局部濃度で窒素を使
用することができ、約0〜1000ppmの濃度で水素
を使用することができ、また約0〜10000ppmの
濃度でホウ素、窒素及び水素の混合物を使用することが
できる。
【0013】天然の同位体存在比のダイヤモンドは、2
種の炭素同位体、すなわち98.9%の12C及び1.1
%の13Cから成っている。1.1%を越える13C同位体
は、天然の同位体存在比のダイヤモンド中における不純
物と見なすことができる。13C同位体はダイヤモンド格
子の収縮を引起こす。それ故、ダイヤモンド結晶中に 13
C同位体の負の濃度勾配を生み出せば、ダイヤモンドの
表面に接線方向圧縮応力が生じることによってダイヤモ
ンドが強化される。
【0014】本発明において使用されるダイヤモンド結
晶は合成ダイヤモンドであって、これはダイヤモンドが
熱力学的に好適な相を成すような炭素のP−T領域内に
おいて約45キロバールを越える圧力と1200℃を越
える温度とを併用することから成る高温高圧法によって
製造されるのが通例である。それにより、各種のダイヤ
モンド結晶を製造することができる。本発明においては
また、ダイヤモンドを製造するために化学蒸着法(CV
D法)を使用することもできる。
【0015】本発明の方法はまた、各種の原料ダイヤモ
ンド結晶(以後は「研磨材粒子」と呼ぶこともある)と
共に使用するためにも適していることを理解すべきであ
る。市販のダイヤモンド研磨材粒子としては、様々な強
度及び靱性のものが入手可能である。ダイヤモンド研磨
材粒子の性質を制御するために使用し得る1つの因子
は、製造時の成長速度を変化させることである。完全な
ダイヤモンド結晶は、より規則正しい劈開及び摩耗を示
す傾向がある。結晶欠陥、双晶化などが生じることもあ
るが、これらはダイヤモンド結晶の性質の変化をもたら
すことがある。
【0016】原料ダイヤモンド結晶は、未被覆の表面を
有することが好ましい。本発明の方法は、工具への取付
けに先立ってダイヤモンドの圧縮破壊強さを増大させる
ために使用されるものである。たとえば、本発明のダイ
ヤモンド結晶は少なくとも公称的には単結晶であるが、
1つ以上の双晶面を有することもある。それが三次元
(3−D)的な小面付きのダイヤモンド結晶である。本
発明のダイヤモンド結晶は、最大約2センチメートル
(2cm)までの直径を有している。かかるダイヤモン
ド結晶は半径の増大に伴って増加する不純物濃度を有し
ていて、それにより結晶の表面に接線方向圧縮応力が生
じる。本発明の実施の一態様に従えば、不純物濃度は結
晶の表面において極大値を示し、半径の縮小と共に減少
し、そしてダイヤモンド結晶の表面から少なくとも約5
マイクロメートルだけ下方の位置で極小値に達する。0
〜50マイクロメートルの最外層部分における不純物濃
度は、約10〜10000ppmの範囲内にある。本発
明はまた、結晶の一部の小面の応力状態を構成する一成
分(すなわち、接線方向成分)が約10〜5000メガ
パスカル(MPa)の範囲内の圧縮応力である三次元的
なダイヤモンド結晶をも含む。接線方向の圧縮表面応力
は最大5000MPaまでのものである。なお、半径方
向の表面応力は常に0MPaである。また、本発明のダ
イヤモンド結晶に加わる接線方向圧縮応力は、該結晶に
加わる既存の接線方向引張応力に重ね合わせることがで
きる。ダイヤモンド結晶において既存の接線方向引張応
力に重ね合わされる接線方向圧縮応力の範囲は、約10
〜5000MPaである。
【0017】以下、ホウ素、窒素及び水素を用いて本発
明を実証しよう。ダイヤモンドの結合エネルギー及び原
子密度は極めて高いため、ホウ素、窒素及び水素はダイ
ヤモンド中にかなりの程度まで溶解することができる。
とは言え、ホウ素、窒素及び水素の場合であっても、溶
解度は窒素について数百ppm未満までに制限され、ま
たホウ素について1%未満までに制限される。ダイヤモ
ンド中における溶解度が制限されているにもかかわら
ず、溶解した窒素、ホウ素又は水素は応力を発生させる
ことができる。その理由は、それらが引起こす格子の拡
張が大きいことにある。窒素、ホウ素又は水素の分布が
均一でなければ、ダイヤモンド中には不均一なひずみが
生じる。これらの不均一なひずみは大きい長距離応力を
生じる。かかる応力の大きさの概算値は、ダイヤモンド
のヤング率(1012パスカル)と不純物によって発生す
るひずみとを掛けることによって求めることができる。
ダイヤモンド中の窒素に関しては、ダイヤモンド中にお
ける窒素の最大溶解度において最大ひずみが発生する
が、それは4.5×10-4程度である。このようなひず
み量は5×108 パスカルの大きさの応力を生じる。こ
れは実験的なダイヤモンド圧潰強さである0.2→2×
1010パスカルに匹敵している。すなわち、ダイヤモン
ド中における窒素の不均一な分布によって生じる応力は
ダイヤモンドの圧潰強さの2.5〜25%にも上ること
がある。
【0018】ダイヤモンド中における窒素又はホウ素の
不均一な分布は、2つの相異なる原因から生じることが
ある。窒素又はホウ素の不均一な分布の第1の原因は、
ダイヤモンドの結晶成長面に応じてホウ素及び窒素の分
布係数(液相及び固相中における不純物の溶解度の比)
が変化することである。たとえば、窒素の取込みは(1
11)成長セクター中において最も多く、(100)成
長セクター中においてやや少なく、また(113)及び
(110)成長セクター中において更に少ないのが通例
である。通常、窒素の濃度は数百ppmにも達する。典
型的な合成ダイヤモンド結晶の中心を通る断面を作れ
ば、かかる断面は(111)及び(100)成長セクタ
ーを示すのが通例である。(111)成長セクター中に
おいて窒素により引起こされる大きい格子拡張は、窒素
濃度の低い(100)成長セクター中におけるより小さ
い格子拡張と両立し得ない。これらの両立し得ないひず
みは、(100)成長セクター中に引張応力を生じると
共に、(111)成長セクター中に圧縮応力を生じる。
(100)成長セクター中における引張応力は、機械的
な研削及びのこ引き用途に際してダイヤモンド結晶を弱
くすることがある。
【0019】ホウ素もまた、ダイヤモンドの結晶成長面
に依存した分布係数を有する。考察の対象となるホウ素
の高濃度領域においては、宝石ダイヤモンド及びCVD
ダイヤモンドのいずれの場合でも、ホウ素は(111)
成長セクター中に優先的に取込まれる。ホウ素はダイヤ
モンド格子を33.7%も拡張させ、またダイヤモンド
におけるそれの溶解度は0.9%にも達することがあ
る。従って、ホウ素の取込みもまた窒素の場合と同様に
してダイヤモンド結晶中に応力を生じる。ダイヤモンド
中のホウ素に関しては、ダイヤモンド中におけるホウ素
の最大溶解度において最大のひずみが生じるが、それは
3×10-3程度である。このようなひずみ量は3.4×
109 パスカルの大きさの応力を生じ得るが、これは実
験的なダイヤモンド圧潰強さである0.2→2×1010
パスカルに比べて顕著なものである。すなわち、ダイヤ
モンド中におけるホウ素の不均一な分布によって生じる
応力はダイヤモンドの圧潰強さの17〜170%にも達
することがある。
【0020】ダイヤモンド結晶中におけるホウ素又は窒
素の不均一な分布の第2の原因は、結晶の成長に際して
生じる成長セル条件の変化である。圧力、温度、融液中
の不純物濃度、及び(又は)結晶成長速度の一時的な変
化は、結晶中に取込まれるホウ素又は窒素の量を時間の
関数として変化させることがある。このような原因から
生じる不均一性は、結晶中に半径方向の不純物濃度勾配
を生み出す。かかる半径方向の濃度勾配から生じる応力
は、結晶の成長に際して成長セル条件を適宜に変化させ
ることによってダイヤモンド結晶を強化し得ることを示
唆している。
【0021】解析的な回答を得るため、サッカーボール
に似た小面付き形状の等軸ダイヤモンド結晶をダイヤモ
ンド球体によって近似させよう。実際、これは球に近い
形状を持った最高級のダイヤモンドグリットに対する適
度に良好な近似である。更にまた、不純物濃度勾配がも
っぱらダイヤモンド結晶の中心からの半径方向距離Rの
関数である場合のみを詳細に考察しよう。
【0022】任意の小さい球状素子の力学的平衡は、素
子の対向面に加わる微分的な半径方向力の間の釣合いを
要求する。球状素子が2つの接線方向に対して成す角を
φ、半径方向応力をσr 、接線方向応力をσt 、そして
球状素子の半径をRで表わせば、半径方向力の釣合いの
ためには次式が要求される。
【0023】
【数1】
【0024】dR及びdφが0に近づく場合、上記の式
は式(2)に還元される。
【0025】
【数2】
【0026】ダイヤモンド中のひずみは、応力によって
引起こされると共に、ダイヤモンド格子の拡張又は収縮
をもたらす不純物の存在によって引起こされる。不純物
によって引起こされるひずみεi は次式によって与えら
れる。
【0027】
【数3】
【0028】式中、αは不純物に依存する定数、そして
Cは格子中における不純物の原子濃度である。ダイヤモ
ンド中の窒素、ホウ素及び水素に関しては、αはそれぞ
れ0.4、0.337及び0.31である。ダイヤモン
ド中に生じる応力は、フックの法則によってひずみと関
係づけられる。
【0029】
【数4】
【0030】式中、νはポアソン比、Eはダイヤモンド
のヤング率、εr は半径方向ひずみ、そしてεt は接線
方向ひずみである。式4a及び4b中の不純物ひずみε
i は、それぞれ弾性ひずみεr 及びεt から差引かれて
いる。なぜなら、不純物ひずみは弾性応力によって維持
されるものではなく、過大又は過小な大きさの不純物原
子によって引起こされる格子寸法の変化によって生み出
されるものだからである。ダイヤモンドに関して一般に
認められているポアソン比の値は0.07である。配向
方向について平均化されたダイヤモンドのヤング率は
1.143×1012N/m2 である。
【0031】式4a及び4bは、半径方向応力σr 及び
接線方向応力σt について解くことができる。
【0032】
【数5】
【0033】半径方向ひずみεr 及び接線方向応力εt
は、半径方向変位uによって表わすことができる。
【0034】
【数6】
【0035】式6a及び6bを式5a及び5bに代入
し、次いで式2に代入すれば、
【0036】
【数7】
【0037】又は
【0038】
【数8】
【0039】が得られるが、これは球座標におけるラプ
ラス方程式である。式7bを積分することによって変位
u(R)が求められる。
【0040】
【数9】
【0041】式中A及びBは積分定数、そしてC(r)
は半径の関数を成すダイヤモンド中の窒素又はホウ素の
濃度である。中実のダイヤモンド球に関しては、対称性
により、R→0の時に変位u→0となり、従ってB=0
となる。式8を式6a、6b、5a及び5bに再代入す
れば、ダイヤモンド中の半径方向応力及び接線方向応力
が求められる。
【0042】
【数10】
【0043】ダイヤモンドの外部自由表面(R=S)に
おける半径方向応力σr は0でなければならない(R=
Sにおいてσr =0)。従って、式9aから定数Aが次
のように求められる。
【0044】
【数11】
【0045】式中、Sはダイヤモンドの半径である。式
9a及び9bに定数Aを導入すれば、次式が得られる。
【0046】
【数12】
【0047】式10aは興味深い物理的解釈を与える。
すなわち、半径方向応力はダイヤモンド全体における平
均不純物濃度(式10a中の第1の積分)と考察の対象
である半径Rまでのダイヤモンド部分における平均不純
物濃度(式10a中の第2の積分)との差に比例するの
である。半径Rまでの平均不純物濃度がダイヤモンド全
体における平均不純物濃度よりも高い場合、格子を拡張
させる不純物に関して言えば、半径方向応力は圧縮応力
となる。
【0048】ここで実証される3つの場合は、不純物濃
度が半径方向に沿って増加する場合、不純物濃度が半径
方向に沿って減少する場合、及び不純物の薄い外殻が存
在する場合である。これらの相異なる不純物分布はダイ
ヤモンド結晶中に相異なる応力状態を生み出し、そして
結晶を強化することがある。以下の考察は、半径方向に
沿って特定の不純物分布状態を有するダイヤモンド結晶
中に生じる応力に関するものである。
【0049】考察すべき第1の場合は、不純物の濃度が
半径に伴って直線的に増加する場合、すなわちr=0か
らr=Sまでの範囲内においてC(r)=Co r/Sと
なるような場合である。式10a及び10b中への代入
によって次式が得られる。
【0050】
【数13】
【0051】以下に述べるのは、αが正である場合、す
なわち不純物がダイヤモンド格子の拡張を引起こす場合
である。半径方向応力は引張応力(すなわち正)であっ
て、それはダイヤモンドの中心において最大値を示し、
そしてダイヤモンドの表面で0になるまで直線的に減少
する。接線方向応力もまたダイヤモンドの中心において
最大値を有していて、そこでは引張応力である。しかる
に、ダイヤモンドの全半径の2/3 に等しい半径において
接線方向応力はゼロとなる。以後、接線方向応力は圧縮
応力(すなわち負)となり、そしてダイヤモンドの表面
で最大圧縮状態に達する。ダイヤモンドの表面における
このような接線方向圧縮応力は、ダイヤモンドの引張状
態での破壊及び割れを起こり難くし、従ってダイヤモン
ドを強化する。
【0052】不純物がダイヤモンド格子の収縮を引起こ
す場合(α<0)には、応力の符号がちょうど逆にな
る。すなわち、半径方向応力は圧縮応力であって、それ
はダイヤモンドの中心において最大絶対値を示し、そし
てダイヤモンドの表面で0になるまで直線的に減少す
る。接線方向応力もまた圧縮応力であって、結晶の中心
において最大絶対値を有する。ダイヤモンドの全半径の
2/3 に等しい半径において接線方向応力は圧縮応力から
引張応力に変化し、そしてダイヤモンドの表面で最大値
に達する。ダイヤモンドの表面におけるこのような接線
方向引張応力は、引張状態での破壊及び微小な掻き傷に
よる割れを起こり易くすることによってダイヤモンドを
弱くすることがある。
【0053】また、剪断降伏強さが温度の上昇に伴って
急速に低下するため、剪断応力も特に高温においてダイ
ヤモンドの破壊を引起こすことがある。半径方向の濃度
勾配を有するダイヤモンド中における最大剪断応力σs
は、半径方向応力σr と接線方向応力σt との差の1/2
によって与えられる。
【0054】
【数14】
【0055】剪断応力は半径と共に増加し、そしてダイ
ヤモンドの表面で最大値に達することに注意されたい。
剪断応力が図3に示されるようなダイヤモンドの剪断降
伏応力Kを越えるとダイヤモンドは破壊するが、その剪
断降伏応力は結晶方向、結晶面及び温度に依存する。図
5には、ホウ素又は窒素のごとき不純物がダイヤモンド
格子を拡張させる場合に関し、不純物の濃度並びに半径
方向応力、接線方向応力及び剪断応力が半径に対してプ
ロットされている。
【0056】(先行技術を実証する)考察すべき第2の
場合は、不純物の濃度が半径に伴って直線的に減少する
場合、すなわちr=0からr=Sまでの範囲内において
C(r)=Co (1−r/S)となるような場合であ
る。式10a及び10b中への代入によって次式が得ら
れる。
【0057】
【数15】
【0058】前述の場合に比べて応力の絶対値は変化せ
ず、それらの符号のみが変化する。濃度式C(r)=C
o (1−r/S)中の第1項(すなわちCo )は一様な
濃度項を表わしているから、それが応力を生じることは
ない。残された−Co r/S項は、符号を別にすれば、
前述の場合と同じ濃度分布を示している。ダイヤモンド
における通常の場合(すなわち、αが正である場合)、
不純物はダイヤモンド格子の拡張を引起こす。半径方向
応力は圧縮応力(すなわち負)であって、それはダイヤ
モンドの中心において最大絶対値を示し、そしてダイヤ
モンドの表面で0になるまで直線的に減少する。接線方
向応力もまたダイヤモンドの中心において最大絶対値を
有していて、そこでは圧縮応力である。しかるに、ダイ
ヤモンドの全半径の2/3 に等しい半径において接線方向
応力はゼロとなる。以後、接線方向応力は引張応力(す
なわち正)となり、そしてダイヤモンドの表面で最大値
に達する。ダイヤモンドの表面におけるこのような接線
方向引張応力は、ダイヤモンドの引張状態での破壊及び
割れを起こり易くし、従ってダイヤモンドを弱くする。
【0059】不純物がダイヤモンド格子の収縮を引起こ
す場合(α<0)には、応力の符号がちょうど逆にな
る。すなわち、半径方向応力は引張応力であって、それ
はダイヤモンドの中心において最大値を示し、そしてダ
イヤモンドの表面で0になるまで直線的に減少する。接
線方向応力もまた引張応力であって、結晶の中心におい
て最大値を有する。ダイヤモンドの全半径の2/3 に等し
い半径において接線方向応力は引張応力から圧縮応力に
変化し、そしてダイヤモンドの表面で最大絶対値に達す
る。ダイヤモンドの表面におけるこのような接線方向圧
縮応力は、引張状態での破壊及び表面欠陥や掻き傷によ
る割れを起こり難くすることによってダイヤモンドを強
化することがある。
【0060】不純物による拡張を収縮に変えた場合に
は、半径方向応力及び接線方向応力の符号が逆転するだ
けであるから、半径方向応力と接線方向応力との差から
導かれる剪断応力は前述の場合と同じである。半径方向
に沿って減少する濃度勾配の場合を示す図4(先行技
術)には、ホウ素又は窒素のごとき不純物がダイヤモン
ド格子を拡張させる場合に関し、不純物の濃度並びに半
径方向応力、接線方向応力及び剪断応力が半径に対して
プロットされている。
【0061】考察すべき第3の場合は、不純物がダイヤ
モンドの外面に隣接する厚さxの薄い外殻中に存在する
場合である。このような場合は、ダイヤモンドが高温下
でホウ素、窒素又は水素に暴露された結果、ホウ素、窒
素又は水素がダイヤモンド結晶の薄い外殻中に拡散する
ことによって生じることがある。同様に、ダイヤモンド
が水素、窒素又はホウ素を含有する高エネルギープラズ
マに暴露された場合、かかる不純物がダイヤモンドの外
面に隣接した薄い外殻中に注入されることもある。
【0062】このような不純物の分布は、数学的には次
のように記述される。すなわち、外殻の厚さをxとすれ
ば、0<R<(S−x)においてC=0、かつ(S−
x)<R<SにおいてC=Co である。式10a及び1
0b中への代入により、薄い外殻の条件(すなわち、x
≪S)に対して次式が得られる。
【0063】
【数16】
【0064】αが正である場合、すなわち不純物がダイ
ヤモンド格子の拡張を引起こす場合、不純物を含有しな
いダイヤモンドの内部区域における半径方向応力は一定
の小さな引張応力である。不純物の外殻を横切る際に半
径方向応力は急速に減少し、そして予測される通りダイ
ヤモンドの表面でゼロに達する。不純物を含有しないダ
イヤモンドの内部区域においては、接線方向応力もまた
小さい引張応力である。しかるに、接線方向応力はダイ
ヤモンドの表面で大きい圧縮応力に変化する。ダイヤモ
ンド表面におけるこのような圧縮応力状態は、ダイヤモ
ンドの引張状態での破壊及び割れを起こり難くし、それ
によってダイヤモンドを強化する。図6には、外面に不
純物の薄い外殻を有するダイヤモンド結晶に関する不純
物濃度分布及び応力分布が示されている。
【0065】不純物がダイヤモンド格子の収縮を引起こ
す場合(α<0)には、応力の符号がちょうど逆にな
る。すなわち、一様なレベルの不純物を含有するダイヤ
モンドにおいて、(たとえば、結晶成長後における不純
物の拡散放出により)外面に隣接する薄い外殻から不純
物が喪失した場合、生じる応力の絶対値は式14a〜1
4dによって表わされるものと同じであるが、全ての応
力の符号は逆になる。
【0066】不純物の薄い外殻によって生み出される剪
断応力σs は、ダイヤモンド中における半径方向応力と
接線方向応力との差によって与えられる。
【0067】
【数17】
【0068】不純物を含有しない領域では、純粋な静圧
引張状態が存在するために剪断応力はゼロである。不純
物の薄い球状外殻を通過すると剪断応力は増加し、そし
てダイヤモンドの表面で最大値に達する。直線的な結晶
成長の速度は成長過程中に低下するのが普通であると共
に、成長媒質中の不純物は操作全体を通じてダイヤモン
ド中に取込まれるのが普通である。ダイヤモンド結晶を
製造するために高温高圧法を使用する本発明の一方法に
おいては、粉末状ホウ素源〔たとえば、炭化ホウ素(B
4 C)、窒化ホウ素(BN)又は元素状ホウ素〕が炭素
によってカプセル封入され、そして成長セルに添加され
る。粉末状ホウ素源のカプセル封入は、メタンの熱分解
によるCVD、コロイド状黒鉛による被覆と乾燥、スパ
ッタリングなどによって達成される。高温高圧下におけ
るダイヤモンド成長の初期段階では、ダイヤモンド結晶
の成長のためにホウ素を利用することはできない。成長
の進行に伴い、炭素被膜は金属溶媒/触媒中に溶解し、
そして最終的にホウ素源を露出させる。この時点におい
て、ホウ素は溶媒/触媒中に溶解し始め、そしてダイヤ
モンド結晶の外側部分に取込まれることになる。ホウ素
導入層のホウ素レベル及び厚さは、成長媒質中における
ホウ素含有粒子の濃度及び粒度並びに炭素被膜の厚さを
変化させることによって制御することができる。
【0069】別の方法は、炭素でカプセル封入された窒
素源(たとえば、Fex N)を使用することにより、正
の半径方向窒素濃度勾配を有する結晶を製造するという
ものである。所望ならば、成長媒質中におけるゲッター
の使用、気孔率の低いコアの使用、又は成長の直前にお
ける成長セルからの空気の排除により、結晶の中心部に
おける窒素レベルを低下させることもできる。
【0070】本発明に基づく別の代替方法は、通常のご
とくにして成長させた低濃度不純物導入又は不純物非導
入ダイヤモンド結晶上にホウ素又は窒素に富む層を形成
するというものである。これを達成するためには、成長
媒質中に十分な量のホウ素、窒素又はそれらの両者を含
有させた第2の高温高圧操作において不純物非導入の結
晶を種晶として使用することにより、該結晶上に不純物
導入エピタキシャル層を形成すればよい。この代替方法
においては、第2の成長操作が必要とされる。とは言
え、厚さ約0.5〜約50マイクロメートルの薄い層し
か要求されないから、成長セル内に収容されるダイヤモ
ンド結晶の数は通常より多くすることができる。
【0071】本発明に基づく更に別の方法は、ホウ素、
窒素又は水素をダイヤモンド結晶中に拡散させるという
ものである。その他の不純物(たとえば、酸素、リチウ
ム、ナトリウム、リン、アルミニウム、ニッケル、コバ
ルト又はそれらの混合物)を拡散させることもできる。
不純物濃度は、ダイヤモンド表面から約0.25〜50
マイクロメートルの範囲内の深さにおいて約10〜10
000ppmであればよい。なお、好適な深さは約0.
25〜10マイクロメートルである。不純物を拡散させ
るためには、水素を含有するプラズマ並びに(あるい
は)窒素及びホウ素を含有するガスに暴露すればよい。
ダイヤモンド中における空孔の拡散距離は、1100℃
で1週間のアニール時間において約100ミクロンであ
ると報告されている。ホウ素又は窒素の拡散はより遅い
が、それでも適当な時間スケールで見ればダイヤモンド
結晶の強化を達成するために十分な速さを有している。
気相中における水素の存在は、ダイヤモンド結晶の安定
化を助け、それにより顕著な黒鉛化なしに1000℃を
越える温度下での長時間処理を可能にすることがある。
【0072】ダイヤモンド中に原子を拡散させるための
その他の方法は、約700〜1400℃の温度下で約1
0秒〜約100時間の時間にわたり、不純物原子(たと
えば、水素、ホウ素又は窒素)を含有するガスにダイヤ
モンドを暴露するというものである。ダイヤモンド表面
に不純物原子を拡散させるための更に別の方法は、水
素、ホウ素又は窒素を含有する固体又は液体のフィルム
でダイヤモンド結晶の表面を被覆し、次いで不純物原子
をダイヤモンドの外面に拡散させるのに十分な時間にわ
たって被覆した結晶を約700〜1400℃の温度下で
熱処理するというものである。このような時間は、約1
0秒から約100時間にまでわたり得る。
【0073】更に別の方法においては、不純物非導入又
は低濃度不純物導入結晶を化学蒸着(CVD)装置内に
配置し、そして通常の原料反応体(すなわち、水素、メ
タン及び酸素)にホウ素又は窒素含有ガスを添加しなが
ら不純物導入エピタキシャル層を成長させることができ
る。740℃にほぼ等しいかあるいはそれよりも低い支
持体温度下で成長させた場合、不純物導入ダイヤモンド
層には追加の固有圧縮応力が付与され、従って不純物導
入なしでも本発明の目的を達成することができる。不純
物導入ダイヤモンド層の厚さは約0.25〜50マイク
ロメートルであり、またかかる外層中における導入不純
物の濃度は下地を成すダイヤモンド結晶の最外面におけ
る不純物の濃度である約10〜10000ppmよりも
高い。
【0074】結晶成長条件によってダイヤモンド結晶中
に応力を発生させるための1つの方法は、セル内の圧力
及び温度を時間と共に変動させるというものである。適
当なやり方で制御すれば、かかる変動条件はダイヤモン
ド結晶中に正の半径方向不純物濃度勾配を生み出すこと
ができる。ダイヤモンド格子を拡張させるホウ素、窒素
及び水素のごとき不純物の場合、正の半径方向濃度勾配
はダイヤモンドの表面に圧縮応力状態を生み出し、それ
がダイヤモンドを強化すると共に、引張状態での割れを
起こり難くする。また、ダイヤモンド結晶の成長速度を
半径(時間)の関数として増加させることにより、ダイ
ヤモンド中における不純物の取込量又は濃度を増加させ
ることもできる。更にまた、融液中の不純物濃度を時間
と共に増加させることにより、不純物の濃度を半径に対
して増加させることもできる。
【0075】本発明に従ってCFSの増大したダイヤモ
ンド結晶を得るための更に別の方法は、高温高圧法(H
THP法)によって成長させたダイヤモンド結晶の外面
付近を膨張させるというものである。そのためには、イ
オン又は電子衝撃によって放射線損傷を与えればよい。
かかる放射線損傷は、格子間原子や空孔を生み出すこと
によってダイヤモンド格子の膨張を引起こす。この場
合、格子間原子は炭素原子又は不純物原子あるいはそれ
らの組合せから成り得る。このような格子拡張不純物の
薄い外殻は、ダイヤモンド結晶の表面に圧縮応力状態を
生み出し、それによって割れを起こり難くする。半径方
向濃度勾配によって達成される強化とは異なり、このよ
うな薄い圧縮外殻による防護効果は使用中における結晶
の摩耗によって薄い外殻に穴があくと消失してしまう。
表面にイオン注入又は放射線損傷を受けた三次元的な結
晶は、約1〜10000ppmの範囲内の濃度で不純物
原子、格子間原子及び空孔を含有し得る。
【0076】ダイヤモンド結晶の最外面に不純物を導入
するためのその他の方法としては、熱水成長、電気化学
的成長、液相固体源成長又は溶融塩成長によって不純物
を層状に導入する方法が挙げられる。下記表1は本発明
を実証するものであって、ダイヤモンド結晶の外面にお
ける圧縮破壊強さ(CFS)に対する窒素、ホウ素及び
水素の不純物濃度の影響を示している。
【0077】
【表1】 表 1 表面付近における不均一な不純物濃度 によるダイヤモンド結晶の強度の増加 最大接線方向 最大接線方向 強度の増加 強度の増加 不純物 最大濃度 応力(勾配) 応力(薄層) 率(勾配) 率(薄層) [ppm] [メカ゛ハ゜スカル] [メカ゛ハ゜スカル] 窒素 1,000 123 492 7.7% 30.8% ホウ素 10,000 1,040 4,150 65% 259% 水素 1,000 95 381 5.9% 23.8% 40/45MBSダイヤモンドの強度−1.6ギガパス
カル(109パスカル) E0 =1.143×1012パスカル αN =0.4 αB =0.337 αH =0.31 ν=0.07 1−ν=0.93 E0 /(1.ν)=1.23×1012パスカル E0 /4(1−ν)=3.07×1012パスカル 以下の実施例は本発明を更に例証するためのものであ
る。実施例1 出発原料は、当業者にとって公知の高温高圧法によって
製造された、45/50メッシュの粒度を有する市販の
ジーイー・スーパーアブレイシブズ(GE Superabrasive
s) MBS970結晶(ゼネラル・エレクトリック・カ
ンパニイの製品)であった。未処理結晶中における窒素
の分布は表面に約50MPaの接線方向引張応力を生
じ、それによって結晶を弱くしている。未処理結晶の圧
縮破壊強さ(CFS)をロールクラッシャー装置によっ
て測定したところ、63.5ポンド(lbs) であった。
【0078】(100)結晶面における窒素(N)の濃
度を二次イオン質量分析法(SIMS)によって測定し
たところ、4.2ppm(絶対値ではない)であった。
また、(111)結晶面における窒素(N)の濃度をS
IMSによって測定したところ、29.5ppm(絶対
値ではない)であった。イオン注入ダイヤモンド標準試
料を用いてSIMS信号を濃度に変換した。しかしなが
ら、イオン注入は格子の損傷を引起こすと共に、感度に
影響を及ぼす可能性がある。結晶全体の燃焼分析(LE
CO)によって求めた窒素濃度とSIMSデータとを比
較してみると、SIMSによって測定された濃度は2〜
4倍も低過ぎることがわかる。
【0079】次いで、マイクロ波プラズマ化学蒸着(C
VD)装置内の支持体上にダイヤモンド結晶を配置し
た。処理ガスは、1,000sccmの水素(H2 )、
5sccmのメタン及び10sccmの窒素(N2 )か
ら成っていた。圧力は約70トル(torr)、支持体温度は
約700〜750℃、そしてマイクロ波出力は約3キロ
ワットであった。このようにして、3時間にわたりダイ
ヤモンド結晶の被覆を行った。被膜の成長を中断して結
晶をころがした後、更に3時間にわたり被膜の成長を繰
返すことによって均一な被膜を得た。
【0080】窒素導入CVDダイヤモンド層の厚さは約
5マイクロメートルであった。被覆結晶の圧縮破壊強さ
(CFS)をロールクラッシャー装置によって測定した
ところ、65.9ポンドであったが、これは3.8%の
増加を示している。被覆結晶の(100)面上における
ダイヤモンド層中の窒素濃度をSIMSによって測定し
たところ、62.5ppm(絶対値ではない)であっ
た。また、被覆結晶の(111)面上における窒素
(N)濃度をSIMSによって測定したところ、79.
5ppmであった。
【0081】SIMSによって測定された平均表面濃度
を用いて本発明の理論モデルから予測した場合、かかる
被膜は26.6MPaの接線方向圧縮応力を生じ、それ
によって得られる破壊強さの増加は1.7%となる。し
かるに、SIMSによって測定された表面窒素濃度を前
述のごとく2〜4倍に補正して考察すれば、予測される
破壊強さの増加は3.4〜6.8%となるのであって、
これは3.8%の測定値と良く一致している。
【0082】なお、あばた、表面粗さ(図7及び8参
照)及び被膜層の不均一性(図9参照)のため、得られ
た強化効果は計算値よりもやや低くなっている。実施例2 出発原料は、当業者にとって公知の高温高圧法によって
製造された、45/50メッシュの粒度を有する市販の
ジーイー・スーパーアブレイシブズMBS970結晶
(ゼネラル・エレクトリック・カンパニイの製品)であ
った。未処理結晶中における窒素の分布は表面に約50
MPaの接線方向引張応力を生じ、それによって結晶を
弱くしている。未処理結晶の圧縮破壊強さ(CFS)を
ロールクラッシャー装置によって測定したところ、7
0.6ポンドであった。
【0083】次いで、マイクロ波プラズマ化学蒸着(C
VD)装置内の支持体上にダイヤモンド結晶を配置し
た。処理ガスは900sccmの水素(H2 )から成っ
ていた。圧力は約100トル、支持体温度は約700〜
900℃、そしてマイクロ波出力は約3キロワットであ
った。このようにして、2時間にわたりダイヤモンド結
晶を水素プラズマに暴露した。水素プラズマ操作を中断
して結晶をころがした後、更に各2時間にわたり水素プ
ラズマ操作を2回繰返すことにより、水素プラズマに対
して結晶を均一に暴露した。
【0084】被覆結晶の圧縮破壊強さ(CFS)をロー
ルクラッシャー装置によって測定したところ、75.7
ポンドであったが、これは7.2%の増加を示してい
る。水素プラズマ処理によるダイヤモンド中への水素の
取込みに関する報告文献〔エム・アイ・ランドストラス
(M.I. Landstrass) 等の論文[Appl. Phys. Lett.55, 97
5 (1989)] 、ティー・マキ(T. Maki) 等の論文[Jpn. J.
Appl. Phys. 31,L1446 (1992)]及びジー・ポポビーチ
(G. Popovici) 等の論文[J. Appl. Phys.77, 5103 (199
5)]〕に基づけば、表面水素濃度は1,000ppmに
も達すると推定される。本発明の理論モデルによれば、
拡散導入された水素原子は380MPaもの接線方向圧
縮応力を生じ、それによって得られる破壊強さの増加は
24%に達するという驚くべき結果が予測される。観測
された破壊強さの増加は十分にこの範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】先行技術に関し、成長速度をダイヤモンド結晶
の半径に対してプロットしたグラフである。
【図2】やはり先行技術に関し、窒素不純物レベル(単
位ppm)をダイヤモンド結晶の半径に対してプロット
したグラフである。
【図3】やはり先行技術に関し、ダイヤモンドの塑性降
伏応力(実線)を温度に対してプロットしたグラフであ
る。なお、ダイヤモンド−黒鉛間の平衡線(破線)も示
されている。
【図4】やはり先行技術に関し、負の半径方向線形不純
物濃度勾配を有するダイヤモンド中における半径方向応
力、接線方向応力及び剪断応力を示すグラフである。
【図5】本発明に従って正の半径方向線形不純物濃度勾
配を有するダイヤモンド中における半径方向応力、接線
方向応力及び剪断応力を示すグラフである。
【図6】本発明に従ってダイヤモンドの外面に隣接する
不純物の薄い外殻を有するダイヤモンド中における半径
方向応力、接線方向応力及び剪断応力を示すグラフであ
る。
【図7】ダイヤモンドの表面上に不純物導入被膜を有す
る本発明のダイヤモンド結晶上の(111)結晶面の結
晶構造の顕微鏡写真である。
【図8】ダイヤモンドの表面上に不純物導入被膜を有す
る本発明のダイヤモンド結晶上の(100)結晶面の結
晶構造の顕微鏡写真である。
【図9】本発明のダイヤモンドの被膜厚さ方向の横断面
の結晶構造の顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トーマス・リチャード・アンソニー アメリカ合衆国、ニューヨーク州、スケネ クタデイ、リンウッド・ドライブ、2142番 (72)発明者 クリフォード・ローレンス・スパイロ アメリカ合衆国、ニューヨーク州、ニスカ ユナ、トロイ−スケネクタデイ・ロード、 2801番 (72)発明者 ユエ・メング アメリカ合衆国、オハイオ州、コロンバ ス、ランニング・フォックス・ロード・2 ビー、8125番

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤモンド結晶の表面付近において正
    のドーパント元素濃度勾配を有していて、前記ドーパン
    ト元素がダイヤモンド格子の拡張を引起こしかつそれが
    前記ダイヤモンド結晶の表面に接線方向圧縮応力を生じ
    る結果として圧縮破壊強さの増大を示す元素導入ダイヤ
    モンド結晶から成ることを特徴とするダイヤモンド結
    晶。
  2. 【請求項2】 前記ドーパント元素がホウ素、窒素、水
    素、リチウム、ニッケル、コバルト、ナトリウム、カリ
    ウム、アルミニウム、リン、酸素及びそれらの混合物か
    ら成る群より選ばれる請求項1記載のダイヤモンド結
    晶。
  3. 【請求項3】 前記結晶中における格子間原子、格子間
    炭素原子及び空孔を含む不純物が存在する請求項1記載
    のダイヤモンド結晶。
  4. 【請求項4】 前記ダイヤモンド結晶中の前記ドーパン
    ト元素濃度が前記ダイヤモンド結晶の0〜50マイクロ
    メートルの最外層中において約10〜10000ppm
    の範囲内にある請求項1記載のダイヤモンド結晶。
  5. 【請求項5】 最大2センチメートルまでの直径を有
    し、結晶の最外面に向かってあるいは最外面の付近にお
    いて前記結晶の中心よりも高い濃度を有する不純物を含
    有していて、前記不純物濃度は前記結晶中において半径
    の関数として増加し、かつ前記結晶の一小面において最
    大5000メガパスカルまでの接線方向圧縮応力を有す
    ることを特徴とする三次元的な小面付きのダイヤモンド
    結晶。
  6. 【請求項6】 元素導入ダイヤモンドのフィルムから成
    る厚さ約0.25〜50マイクロメートルの被膜を前記
    ダイヤモンド結晶の外面上に有していて、前記被膜中の
    不純物は下地を成す前記ダイヤモンド結晶の外面におけ
    る不純物濃度である約10〜10000ppmより高い
    濃度で存在する、請求項5記載の三次元的な小面付きの
    ダイヤモンド結晶。
  7. 【請求項7】 不純物濃度が約1〜10000ppmの
    範囲内となるようにイオン注入又は放射線処理を受けた
    表面を有する、請求項5記載の三次元的な小面付きのダ
    イヤモンド結晶。
  8. 【請求項8】 約10〜5000メガパスカルの範囲内
    の接線方向圧縮応力が前記ダイヤモンド結晶中の既存の
    接線方向引張応力に重ね合わされる、請求項5記載の三
    次元的な小面付きのダイヤモンド結晶。
  9. 【請求項9】 結晶の外面から約0.25〜50マイク
    ロメートルの深さで約10〜10000ppmの範囲内
    にある濃度で前記外面を強化する不純物を含有しかつ最
    大約2センチメートルまでの直径を有する三次元的なダ
    イヤモンド結晶を高温高圧法によって成長させる工程を
    含む、一小面において最大約5000メガパスカルまで
    の接線方向圧縮応力を有するダイヤモンド結晶の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 最大約2センチメートルまでの直径を
    有する三次元的な小面付きのダイヤモンド結晶を生成さ
    せる工程と、前記ダイヤモンド結晶の最外面に約10〜
    10000ppmの量の不純物を前記最外面から約0.
    25〜50マイクロメートルの深さまで導入することに
    より、前記結晶の少なくとも1つの小面に最大約500
    0メガパスカルまでの接線方向圧縮応力を発生させる工
    程とを含むことを特徴とする、圧縮破壊強さの向上した
    ダイヤモンドの製造方法。
  11. 【請求項11】 イオン又は電子衝撃による放射線損傷
    が格子間原子、格子間炭素原子及び空孔を生み出すこと
    によって前記ダイヤモンドの最外面の膨張が得られる、
    請求項10記載の圧縮破壊強さの向上したダイヤモンド
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記ダイヤモンド結晶を高温高圧法に
    よって成長させた後、前記ダイヤモンド結晶を高温高圧
    法によって再び成長させることによって不純物の導入さ
    れたダイヤモンド層が最外面に形成される、請求項10
    記載の圧縮破壊強さの向上したダイヤモンドの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 熱水成長、電気化学的成長、液相固体
    源成長又は溶融塩成長によって前記不純物が層状に導入
    される、請求項10記載の圧縮破壊強さの向上したダイ
    ヤモンドの製造方法。
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