JPH1166A - 植物栽培方法及び装置 - Google Patents

植物栽培方法及び装置

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JPH1166A
JPH1166A JP9171180A JP17118097A JPH1166A JP H1166 A JPH1166 A JP H1166A JP 9171180 A JP9171180 A JP 9171180A JP 17118097 A JP17118097 A JP 17118097A JP H1166 A JPH1166 A JP H1166A
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plant
root
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culture solution
air
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JP9171180A
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Shigeo Takayanagi
栄夫 高柳
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II T HAABEST KK
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
    • Y02P60/20Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions in agriculture, e.g. CO2
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、植物の根元まで十分に培養液に
浸して根の発育を促進すると共に、根の発育に必要な酸
素の供給も十分に行える構造の水耕栽培方法及び装置を
提供することを目的とする。 【解決手段】 上記課題を解決するために、この発明は
肥料成分を含有する培養液に植物の根を浸し、植物の栽
培期間中継続的に上記培養液中に炭酸ガス濃度の高い空
気をポンプにより強制的に吹き込みながら植物を生育す
る人工光源を用いた植物栽培方法において、常時植物の
根を根元まで十分に上記培養液に浸した構造を採用して
いる。上記炭酸ガス濃度の高い空気は栽培植物の直下近
辺から気泡を発生させることにより与えられ、前記空気
の炭酸ガス濃度は500ppm以上、好ましくは 1,000〜5,00
0ppmである。前記人工光源として蛍光灯を用い、植物育
成室内の全ての内面を反射層で覆って最小限の光量で植
物を育成している。また、上記栽培中植物を支持する植
物育成台を十分遮光性を有する構造とし、前記人工光源
の光が前記培養液に到達しないようにした植物栽培装置
を用いている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、人工光源によ
り、野菜類や花、草等を水耕栽培する植物栽培方法及び
装置に関する。さらに、この発明は、栽培槽の内部の培
養液に炭酸ガス濃度の高い空気をポンプにより強制的に
吹き込んで腐敗させることなく、きわめて効果的に植物
を生育させることができるようにした植物栽培方法およ
び栽培装置の改良に関するものであって、根の生育が十
分に行われるように工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】天然土壌と太陽光線を利用しないで植物
を生育させる水耕栽培方法及び装置は数々知られてい
る。例えば、特開昭62−55028号公報〜特開昭6
2−55029号公報や、本発明者が開発した特開昭6
3−240731号公報、特公平6−61190号公
報、特開平7−50929号公報、特開平7−5094
1号公報に記載の構成のものが知られている。
【0003】上記した従来の発明は、水耕栽培の光源と
して蛍光灯を使用し、しかも蛍光灯の位置を植物の生育
に伴って移動させ、植物の上端部と蛍光灯の間隔を所定
の範囲内に保つようにしたものである。また、必要に応
じて栽培室内の雰囲気を、炭酸ガスの濃度を500ppm以
上、好ましくは1,000 〜5,000ppmに維持するようにした
ものである(特開平63−240731号公報、特公平
6−61190号公報参照。)。
【0004】そして、従来の栽培装置は、「根の発育に
は十分な酸素が必要である」と考えられていたので、図
3に示すように植物を支持する育成台と前記培養液に間
には1〜3cmの空気層Aを設けるのが通常であった。
しかし、この構造は植物の根の部分で空気中にさらされ
ている部分が存在することになり、空気中では根が発育
することは殆どないので植物の根の発育のためには好ま
しくない。根が十分に発育することは植物を丈夫にする
こととなり、植物の葉の生育に大きく影響することとな
るので植物の栽培には重要なことである。
【0005】それにも拘わらず、従来は植物の根を根元
まで浸すと根への酸素の供給が不足するので、根腐れを
起こすと考えられていた。また、前記従来の構造は前記
空気層を設けるため水耕液と育成台の間に若干の距離が
必要となるので、栽培層の側面等において育成台の構造
が人工光源に対する遮光性が十分でないものとなり、前
記培養液中に光が漏れ込んで植物栽培に有害な藻が発生
する欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、植物の根
元まで十分に培養液に浸しても根腐れを起こすことなく
根の発育を促進すると共に、根の発育に必要な酸素の供
給も十分に行え、かつ微生物の発生も抑制される構造の
水耕栽培方法及び装置を提供することを目的とする。ま
た、根元まで培養液に浸せるので根に対する遮光性のよ
い構造を採用することにより、有害な藻の発生を防止す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は肥料成分を含有する培養液に植物の根を
浸し、植物の栽培期間中継続的に上記培養液中に炭酸ガ
ス濃度の高い空気をポンプにより強制的に吹き込みなが
ら植物を生育する人工光源を用いた植物栽培方法におい
て、常時植物の根を根元まで十分に上記培養液に浸した
構成を採用している。そして、前記培養液中に空気を強
制的に吹き込むことにより、栽培植物の直下近辺から気
泡を発生させている。
【0008】前記空気の炭酸ガス濃度は500ppm以上、好
ましくは 1,000〜5,000ppmであり、また前記人工光源と
して蛍光灯を用い、植物育成室内の全ての内面を反射層
で覆って最小限の光量で植物を育成している。さらに、
肥料成分を含有する培養液に植物の根を浸し、植物の栽
培期間中継続的に上記培養液中に空気をポンプにより強
制的に吹き込みながら植物を生育する人工光源を用いた
植物栽培装置において、上記栽培中植物を支持する植物
育成板を十分遮光性を有する構造とし、前記人工光源の
光が前記培養液に到達しないようにした植物栽培装置と
している。
【0009】
【発明の実施の形態】水耕栽培、特に根菜類の水耕栽培
においては、熱障害(チップ・バーン)の発生が問題で
ある。チップ・バーンは、人工照明が強過ぎて葉が縮れ
たようになって枯れてしまう現象であり、全体が枯れな
いまでも部分的にチップ・バーンが起きてしまうと栽培
する根菜類の商品価値がなくなってしまうので、水耕栽
培においては葉の先端部分でさえもチップ・バーンを起
こさないように十分注意することが重要である。
【0010】高圧ナトリューム灯やメタルハロイド灯等
熱発生量の多い人工光源を用いた水耕栽培は、たいてい
この熱障害の発生を解決できず失敗している。チップ・
バーンは、人工光源の熱が葉の表面に蓄積し、この蓄積
された熱の発散が十分行われずに葉の表面が痛むものと
考えられ、自然光(太陽)の場合は生じない水耕栽培特
有の現象である。したがって、上記熱の蓄積が行われな
いように、人工光源の光の植物生育への寄与効率を極力
高くして人工光源による熱の発生(特に輻射熱)を少な
くすると共に、葉の表面からの熱の放散が十分行われれ
ばチップバーンを防止することができる。
【0011】従来、この熱障害を防止するため、植物の
中心に冷気を吹き付ける方法や照射時間を間欠的にし
て、照射を停止する時間(いわゆる、夜)を与えること
が行われている。しかし、前者は電力消費の増大と共に
植物に風を与えることが植物の生育を阻害し、後者の場
合は照射を停止する時間は光合成が行われないので、植
物の成長が遅くなる欠点がある。
【0012】このため発明者は、先に栽培のための生育
室内面の上下左右なるべく多くの表面をアルミ箔等の反
射層で覆い、上記人口光源の光の光合成への寄与率を高
める工夫をしている(例えば、特開平7−50941号
公報)。なお、上記人工光源としては発熱量の少ない蛍
光灯、それも実験の結果、スペクトル分布が植物の生育
に最も適していると思われる3波長蛍光灯を用いてい
る。
【0013】多重反射を利用して使用する人工光源の上
記光合成への寄与率を最大限に上げることは相対的に使
用する人工光源の光量(光源の本数)を減らすことにな
り、電力消費を少なくすると共に人工光源からの熱の発
生を極力少なくする効果がある。同時に、光量が少ない
と人工光源の輻射熱の影響が小さいので、該光源を植物
に近接して設けても熱障害を起こさない効果がある。光
源を植物の直ぐ上に設けられることは栽培槽のスペース
もその分小さくできることになる。
【0014】一方、植物は根の発育が十分であると、養
分と共に根から水分をよく吸い上げて葉からの蒸発量も
増えるものと考えられる。葉の表面からの蒸発が多けれ
ば葉の表面の温度が蒸発熱によって低下し、熱障害を回
避することができる。従来、根の発育のためには、根の
部分に対する酸素の供給が必要と考えられ、水耕栽培に
おいては図3に示すように植物の根の上部の部分を空気
層Aに露出する構成が一般的であった。しかし、根の発
育のためには、根の大部分が水中に没している方がよい
ことは明らかである。この場合、根への酸素の供給及び
根腐れ防止が問題となる。
【0015】発明者は、先に培養液中に炭酸ガス濃度の
高い空気をポンプにより強制的に送り込んで培養液の腐
敗を防止する技術を開発した(特公平6−61190号
公報)。この方法を用いると、炭酸ガスと共に酸素も常
時培養液中に供給されるので、根元の部分まで培養液中
に浸っても根への酸素供給は十分に行われる。すなわ
ち、上記炭酸ガス濃度の高い空気といえども根の発育に
必要な酸素を十分含んでいるので、根への酸素供給も十
分行われるのである。
【0016】この発明は、この観点に基づき、培養液中
に炭酸ガス濃度の高い空気をポンプにより常時継続的に
かつ強制的に送り込む水耕栽培方法において、常時植物
の根を根元まで培養液中に浸して根の発育を十分促進さ
せるものである。根の十分な発育によって葉も十分成長
することになり、丈夫な葉はその表面からの水分の蒸発
が活発なので、蒸発熱により葉の表面からの熱の放散が
促進される。これによって、チップ・バーン現象が防止
され、このことはさらに植物をよりよく生育させること
につながるという良循環が機能することになる。
【0017】そして、前記酸素供給がよく行わわれると
共に、根の直下から常に泡状の空気が根の中に浸透する
ので根の活性化が図られる。また、前記炭酸ガス濃度が
濃いためによる水耕液の酸性化や上記泡状空気の攪拌作
用が液中の微生物等の発生を抑制するため、この発明に
よる水耕栽培方法は、前記十分な酸素供給とあいまっ
て、植物の根の部分が根元まで常時水に浸っているにも
拘わらず根腐れを起こすことがない。逆に、前述の如
く、根をどっぷり水耕液中に浸すことにより従来あり得
ないほど根の発育が促進され、このことにより植物の生
育がよくなると共に、根からの水分の吸収、及び葉から
の蒸発が良くなり、熱の放散が促進され、チップ・バー
ンが抑止されることになる。これはさらに、従来苦労し
ていた、葉の表面からの熱の放散の問題を楽にし、従っ
て蛍光灯を植物の直近まで近ずけること(光の有効利用
が図れる)を可能にし、栽培層の多重反射の利用とあい
まって人工光栽培のコストの半分以上を占める電力使用
量を大幅に減らすことに成功した。
【0018】また、根を根元までどっぷり培養液中に浸
す構造を採れば、育成台と根の部分の間の空間が不要と
なるため、育成台の付近の遮光構造が十分なものとなり
培養液中への光の進入が防止できるという副次的効果が
ある。水耕栽培においては、培養液に光が射し込むと不
要な藻の発生が生じ、栄養分が取られると共に枯れた藻
が不純物となって腐敗したりするので植物の生育を妨げ
ることになる。また、光が根の部分に当たること自体も
根の発育に障害となる。
【0019】さらに、栽培室の置かれている環境(通常
はビル内、あるいはコンクリート製工場内)は植物の生
育のためには15〜19℃が好ましいので、該温度に空
調されているが、栽培室は内面が全て反射板で覆われて
いて密閉構造であり、しかも人工光源が内部に設置され
ているので外気より温度が高くなる。別途、同じ出願人
の提案にあるように、この栽培室内の温度上昇を極力防
止するため、栽培槽両側面反射板の上下、及び栽培槽床
および天井反射板の両サイドが若干の隙間が空けてあ
る。前記栽培室内の熱せられた空気は該隙間から自然に
外部に放出されて栽培室内の温度上昇が妨げられる。
【0020】また、この発明の装置においては、炭酸ガ
スを含む空気が培養液中から発生して葉の裏部分に向か
って下から上へ気流が発生することになり、葉の表面を
空冷する効果がある。実際、栽培室の温度より、葉の表
面の温度は1〜2℃低いと考えられる。
【0021】以下に本発明を図面の実施例に基づいて詳
細に説明する。図1は本発明に用いられる植物栽培装置
の実施例を示す全体構成図であり、図2は培養液の循環
路を含む栽培槽の外観図、図3は上記構成の従来例の部
分詳細図である。図4は同様に、この発明の場合の上記
構成の部分詳細図であり、図5は上記図4を縦方向から
見た栽培槽の横断面図である。図6はこの発明の栽培槽
装置に用いられる育成台の斜視図である。図1,図2に
おいて、1は塩化ビニール製の長方形箱状の栽培槽であ
る。該栽培槽は、断面半円径の樋状栽培槽でもよい。該
栽培槽は、建物2内に支持台2’によって間隔をおいて
2段重ねで水平に設置されている。図1においては、簡
単のため2段しか図示されていないが、実際の量産化体
制の植物工場では部屋内の床から天井まで置けるだけの
段数が設置されるので、通常は6〜8段となる。3は、
最上段の栽培槽1に培養液を供給する循環ポンプであ
る。
【0022】図3に示される従来例の水耕液の循環は以
下のとおりである。循環ポンプにより供給された培養液
は下段の栽培槽1へサイホン4により自然落下して、ポ
ンプ3によりまた上段の栽培槽に戻る過程を経て栽培槽
内を循環する。栽培槽1内における培養液の水位はサイ
ホン4によって一定に保たれる。循環ポンプ3は連続も
しくは一定時間間隔(例えば、15分)で自動的に運転
させる。ポンプにより培養液が上段栽培槽に送られる
と、図3において、サイホンの上限水位Hまで上段の水
位は上昇し循環ポンプ3は停止する。その後、下限水位
Lにある下段栽培槽に対して培養液の自然排出が生じ、
上段栽培槽の水位がサイホンの調節下限水位Lになる
と、上記排出が停止する。この下限水位になっても根の
根元が培養液中に没しているように水位が調節されてい
る。サイホンを用いないで、1〜2日に上記培養液を全
部交換する方式もある。この全交換方式の方が常時は前
記培養液の動きがないので、根の生育には好ましい。
【0023】この発明における水耕液の供給の一例は以
下のようになる。循環ポンプにより連続的に最上段に供
給された培養液は、図4に示すように、各段において水
位調整用の管51によりオーバーフロー分が下段の栽培
槽へ自然落下して、ポンプ3によりまた上段の栽培槽に
戻る過程を経て栽培槽内を循環する。この発明における
栽培槽1各段内における培養液の深さは図4,図5に示
す如く、育成台10の底部が浸る位の水位に保たれ、こ
の水位は上記水位調整用の管51によって一定に保たれ
る。
【0024】栽培槽1内には、図2に示されるように、
育成台10を移動可能に支える支持片8が設けられてお
り、支持片8は培養液が育成台の底面に浸る位の水位と
なっても該支持片が培養液に没しないようにやや高めの
位置に設けられている。従って、図6に示されるよう
に、育成台10は細長い形状をしていて、長手方向の中
央部がやや凹んだ構造のものが用いられる。栽培槽内で
は、この育成台10が図2に示されるように両端を前記
支持片8に、あるいは図5に示すように栽培槽の上端に
支持されて横方向に自由にスライドできるように隙間を
空けずに配置されている。該育成台10は、上面にステ
ンレス、アルミ等の反射部材13を有する金属や樹脂部
材からなり、苗11を挿入する孔12を有する。例えば
レタスの場合は、上記孔12は育成台に3つ設けられて
いて、双葉から本葉2〜3枚出た状態になった根部上部
をウレタン等(図5の55)で巻き付けて、前記孔に挿
入する。このように、通常は横3列で育成される。
【0025】上記反射部材は人工光源の光を反射し、少
ない光量を有効に活用して電力消費を最小化すると共
に、人工光源の熱の発生を極力少なくしてチップバーン
を防止している。図3に示されるように、育成台10の
下端には光進入防止板14が設けられている。この光進
入防止板14は、苗の根は光が当たって育成障害を起こ
すことや培養液に光が入って培養液中に藻が発生してし
まうことを防止している。
【0026】各栽培槽1、1の上部にはそれぞれ2本の
白色蛍光灯16が傾斜して鎖状の吊り下げ具17によっ
て吊り下げ支持されている。上記蛍光灯16は3波長型
の方が植物の生育に適していることが実験の結果判明し
ている。苗の成長に伴って、前記育成台は図面左方に移
動され、植物が大きくなっても植物の上端と蛍光灯16
との間隔D(図3)がほぼ一定になるように保たれる。
このようにして植物への照度が一定に保たれる。この間
隔を1〜10cmとすると蛍光灯16の熱による葉温上
昇がチップバーンを起こさないようにでき、また照度む
らもなく、きわめて迅速な成長が行われる。図1におけ
る右端の幼苗から左端の成長葉になるまで3〜4週間位
で、ほぼ5日間隔で育成台10を左方に移動させ、収穫
ができる。建物2内の温度はエアコン装置により約17
℃に保たれる。このためエアコン装置19が設けられて
いる(図1)。20は圧縮機、21は凝縮機、22は空
冷ファン、23は冷風通路、24は蒸発器、25は送風
ファンである。
【0027】栽培槽1内では、植物の栽培期間中継続的
に、前記培養液中に炭酸ガス濃度の高い空気をポンプ2
6により強制的に吹き込みながら気泡状にして送り込
む。図3の30はこのため従来例で用いられていたエア
ストーンである。この発明においては、図4,図5に示
される如く、栽培槽の培養液中に空気供給チューブ34
が埋設されており、上記炭酸ガス濃度の高い空気が該空
気チューブ34に設けられた小孔から噴き出し、気泡と
なって生じる。空気供給チューブ34の上記噴き出し口
は、植物の根への酸素供給の点からも、また葉の表面へ
の炭酸ガス供給の点や葉の表面への空冷効果の点からも
植物の根の直下近辺に設けられることが有効である。
【0028】各空気吹き込み用チューブ34には、炭酸
ガス発生装置で発生した炭酸ガスがポンプで供給されて
もいいし、別途工場内の一角に炭酸ガス発生用の燃焼装
置を設けて、工場内の環境を前記炭酸ガスの濃度にして
工場内の空気をそのまま供給してもよい。上記炭酸ガス
発生装置は、例えば白金を酸化燃焼触媒としてベンジ
ン、ブタンその他の燃料を燃焼させる接触酸化方式の燃
焼装置を用いることもできる。該装置は燃料を常に一定
状態で燃焼することができ、その燃焼状態により炭酸ガ
スが継続的に安定して発生するものである。工場内の一
角に炭酸ガス発生用の燃焼装置を設けた場合、工場の広
さにもよるが大体植物の消費する炭酸ガスの量と上記燃
焼装置の発生する炭酸ガスの量が同じくらいで環境の炭
酸ガス濃度がほぼ一定になることが確認されている。
【0029】植物の光合成に炭酸ガスは欠かせず、上記
濃度の高い炭酸ガスは栽培槽の炭酸ガス濃度を約1,000p
pm(好ましくは、1,500 〜2,000ppm)に保つ働きをす
る。なお、栽培槽10の培養液に吹き込む空気の炭酸ガ
ス濃度が500ppm以下では培養液の腐敗防止効果がほとん
ど期待できないし、また5,000ppm以上では炭酸ガス濃度
が高過ぎてpH値が低くなり、培養液に含まれる無機の肥
料成分が析出する場合があるので、 1,000〜5,000ppm程
度が好ましい。また、炭酸ガス濃度の高い空気を培養液
に継続的に吹き込む場合には多孔チューブを使用しない
でノズル、その他の構成を採用してもよい。
【0030】この発明の構造は、植物の直下から炭酸ガ
スが気泡の形で供給されるので、従来のように栽培室内
に別途炭酸ガスを満たす方法より、炭酸ガスの吸収効率
が優っている。それと同時に、上記植物の栽培期間中継
続的に前記培養液中に炭酸ガス濃度の高い空気を強制的
に吹き込みながら気泡状にして発生させることにより、
該気泡に含まれる酸素により根への酸素供給も十分なさ
れると共に、上記炭酸ガスが前記培養液を弱酸性にし気
泡の攪拌作用とあいまって、培養液中の微生物や微細な
有機物の腐敗が防止される効果がある。
【0031】さらに、上記気泡は植物の葉の裏から上昇
するので、葉の表面を空冷する効果があり、葉の人工光
源による温度上昇による熱障害(チップバーン)を防止
する効果もある。
【0032】以上の栽培装置を用い、植物としてはレタ
スおよびサラダ菜を用いて栽培実験を行った。苗として
は本葉3〜4枚になったものを用い、育成台に2枚のの
苗を30cm離し、それぞれの孔2に挿入して支持した。
植物11の上端と蛍光灯16の間隔Dを1〜10cmと
し、植物の成長にともなって、5日に1度の割合で植物
育成板を横方向(矢印)に動かし、上記間隔をたもって
3週間育成した。また、培養液の循環ポンプ3は連続運
転し、各段の水位は植物の根元まで浸るようにほぼ一定
に保った。培養液は市販の水耕用肥料を用い、建物2内
の温度は17℃、炭酸ガス濃度は1,000ppm以上、照度は
6,000 ルックス以上とした。その結果、1枚の重さはサ
ラダ菜で250gづつ5日に1回収穫でき、品質はいず
れも良好であった。
【0033】なお、栽培する植物はレタス、サラダ菜に
限られず、他の根菜類や観賞用の植物、あるいはトマト
やハーブといったもの、さらには米でも可能である。
【0034】
【発明の効果】以上の栽培装置を用い、植物としてはレ
タスおよびサラダ菜を用いて栽培したら、根の発育が従
来の水耕栽培より活発で、葉の成長も十分行われ、しか
もチップバーンが生じないで、無農薬でかつおいしいレ
タス等を収穫することができた。しかも、栽培槽の内面
を全面反射層で覆い多重反射を最大限利用することによ
り、60wの蛍光灯2本という従来の水耕栽培では考え
られない極めて少ない光量で生育でき、また植物の上端
と蛍光灯の間隔を1〜10cmという非常に近接した状
態で用いて葉の表面への光量を増やしても、人工光源
(蛍光灯)による熱障害(チップバーン)をおこすこと
なく、路地栽培のものより柔らかい葉の野菜を栽培でき
た。
【0035】また、栽培室の多重反射や植物への近接照
射を可能としたため人工光源の光量を最大限に活用する
ことにより、水耕栽培のコストの半分以上を占める電力
消費を従来の方法に比較し半分以下にすることができ
た。このコスト低減により、従来の露地物との価格競争
力ができ、しかも無農薬で露地物より柔らかくておいし
い野菜を栽培することができた。さらに、露地物と違っ
て季節や環境に関係なく年中収穫できるので、例えば冬
の北欧のように寒くて日照の殆どない環境や夏の砂漠の
真ん中でも、毎日新鮮な野菜が入手できることになるの
で植物工場として非常に優れた方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に用いられる栽培槽装置の全体図を示
すものである。
【図2】この発明に用いられる栽培槽装置の部分構造図
を示すものである。
【図3】この発明の従来例の場合の、上記栽培槽装置に
おける部分詳細図を示すものである。
【図4】この発明に用いられる栽培槽装置の部分詳細図
を示すものである。
【図5】この発明に用いられる栽培槽装置の横断面図を
示すものである。
【図6】この発明の栽培槽装置に用いられる育成台の斜
視図を示すものである。
【符号の説明】
1 栽培槽 2 建物 3 ポンプ 4 サイホン 5 パイプ 8 支持片 10 育成台 11 苗 12 穴 13 反射部材 14 光進入防止板 15 ウレタン等 16 蛍光灯 19 エアコン装置 26 エアポンプ 28 炭酸ガスボンベ 34 空気供給チューブ 51 水位調節用の管 52 液面 53 気泡 54 水耕液

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 肥料成分を含有する培養液に植物の根を
    浸し、植物の栽培期間中継続的に上記培養液中に空気を
    吹き込みながら植物を生育する人工光源を用いた植物栽
    培方法において、 植物の根を常時根元まで十分に上記培養液に浸したこと
    を特徴とする植物栽培方法。
  2. 【請求項2】 前記培養液中に空気を強制的に吹き込む
    ことにより、栽培植物の直下近辺から気泡を発生させる
    ことを特徴とする前記請求項1記載の植物栽培方法。
  3. 【請求項3】 前記空気の炭酸ガス濃度が500ppm以上、
    好ましくは 1,000〜5,000ppmであることを特徴とする前
    記請求項1または2記載の植物栽培方法。
  4. 【請求項4】 前記人工光源として蛍光灯を用い、植物
    育成室内の全ての内面を反射層で覆って最小限の光量で
    植物を育成したことを特徴とする前記請求項1〜3の内
    いずれか1項記載の植物栽培方法。
  5. 【請求項5】 前記植物が根菜類であることを特徴とす
    る前記請求項1〜4のうち、いずれか1項記載の植物栽
    培方法。
  6. 【請求項6】肥料成分を含有する培養液に植物の根を根
    元まで浸し、植物の栽培期間中継続的に上記培養液中に
    空気を強制的に吹き込みながら植物を生育する人工光源
    を用いた植物栽培装置において、 上記栽培中、植物を支持する植物育成板を十分遮光性を
    有する構造とし、前記人工光源の光が前記培養液に到達
    しないようにしたことを特徴とする植物栽培装置。
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