JPH1163879A - 内面溝付伝熱管 - Google Patents

内面溝付伝熱管

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JPH1163879A
JPH1163879A JP22998497A JP22998497A JPH1163879A JP H1163879 A JPH1163879 A JP H1163879A JP 22998497 A JP22998497 A JP 22998497A JP 22998497 A JP22998497 A JP 22998497A JP H1163879 A JPH1163879 A JP H1163879A
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JP
Japan
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fin
heat transfer
metal tube
peripheral surface
tube
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Withdrawn
Application number
JP22998497A
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English (en)
Inventor
Takao Fukatami
崇夫 深民
Tetsuya Kouchi
哲哉 古内
Kokoro Kikuchi
心 菊地
俊▲緑▼ ▲すくも▼田
Toshitsuka Sukumoda
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Shindoh Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Shindoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱交換性能を高めつつ圧力損失を抑えること
ができる内面溝付伝熱管を提供する。 【解決手段】 金属管の内周面に、この内周面の周方向
に連続してジグザグに屈折して延びるフィン2が形成さ
れ、これらフィン2の屈折部の谷側には、金属管内周面
からフィン屈折部の頂点に向けて延びる傾斜部10が形
成されている。傾斜部10は、金属管軸線方向に沿って
延びる傾斜した突条である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属管の内面に、
熱交換効率を高めるためのフィンをジグザグ状に形成し
た内面溝付伝熱管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の内面溝付伝熱管は、空調装置や
冷却装置の熱交換器等において蒸発管または凝縮管とし
て主に使用されるもので、最近では内面の全面に亙って
螺旋状のフィンを形成した伝熱管が広く市販されてい
る。
【0003】現在主流となっている伝熱管は、引き抜き
または押し出し加工により得られたシームレス(継ぎ目
のない)管の内部に、外周面に螺旋溝が形成されたフロ
ーティングプラグを通すことにより、金属管の内周面の
全面に亙ってフィンを転造する方法により製造されてい
る。
【0004】このような螺旋状フィンを形成した内面溝
付伝熱管では、伝熱管の内部下側に溜まる熱媒液体が、
管内を流れる蒸気流に吹き流されて螺旋状フィンに沿っ
て巻き上げられ、管内周面の全面に広がる。この作用に
より、管内周面の全面がほぼ均一に濡れるから、熱媒液
体を気化するための蒸発管として使用した場合には、沸
騰の生じる領域の面積を増して沸騰効率を高めることが
できる。また、熱媒気体を液化するための凝縮管として
使用した場合には、フィン先端が液面から露出すること
により金属面と熱媒気体との接触効率を高め、凝縮効率
を高めることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、螺旋状フィ
ンによる伝熱効率の向上効果は、さらに改善できる余地
を残していることが判明している。そこで、本発明者ら
は、伝熱管の製造に電縫加工法を適用することにより、
伝熱管の溝の展開形状を様々に変化させて多種類の内面
溝付伝熱管を作成し、これらの性能を比較する実験を行
った。その結果、伝熱管内面に周方向へジグザグに延び
る多数のフィンを形成した場合に、単純螺旋状などのフ
ィンに比して高い熱交換性能が得られることを見い出し
た。
【0006】しかしながら、この種のジクザグ状のフィ
ンを形成した場合、各フィンの屈折部の谷側において、
金属管内を流れる流体が進行を妨害されてフィン頂部を
越える際に激しい乱流を生じるため、圧力損失が大きい
という問題があった。圧力損失の増大を緩和するため、
ジグザグ状フィンの各屈折部に切れ目を形成し、これら
切れ目を通して流体を流すことも試みられたが、圧力損
失は幾分か減少するものの、同時に熱交換効率が顕著に
低下し、ジグザグ状フィン本来の高い熱交換効率を得る
ことができない問題を生じる。
【0007】本発明は上記知見に基づいてなされたもの
で、熱交換性能を高めつつ圧力損失を抑えることができ
る内面溝付伝熱管を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る第1の内面溝付伝熱管は、金属管の内
周面に、この内周面の周方向に連続してジグザグに屈折
して延びるフィンが形成され、これらフィンの屈折部の
少なくとも一部には、フィン屈折角度が180゜より小
さい側において、前記金属管の内周面からフィン屈折部
の頂点に向けて上昇しつつ延びる傾斜部が形成されてい
ることを特徴とする。
【0009】また、本発明に係る第2の内面溝付伝熱管
は、金属管の内周面に、この内周面の周方向に連続して
ジグザグに屈折して延びるフィンが形成され、金属管の
軸線方向に隣接したフィン屈折部同士の間には、フィン
の高さの30〜100%の高さを有するリブが掛け渡さ
れて形成されていることを特徴とする。
【0010】さらに、本発明に係る第3の内面溝付伝熱
管は、金属管の内周面に、この内周面の周方向に連続し
てジグザグに屈折して延びるフィンが形成され、これら
フィンの両側面のうち、金属管の上流側に位置する側面
の金属管内周面に対してなす角度は、金属管の下流側に
位置する側面の金属管内周面に対してなす角度よりも小
さいことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]図1は、本発明に係る内面溝付伝熱管
の第1実施形態を示す部分展開した平面図である。この
内面溝付伝熱管1は、一般に銅,銅合金,アルミニウ
ム,アルミニウム合金等の金属で形成されており、その
内周面には、その周方向へ向けてジグザグに延びるフィ
ン2が多数平行に形成され、フィン2同士の間は一定幅
の溝部4とされている。
【0012】図2は金属管の管軸に垂直な断面図であ
り、この図2に示すように、内面溝付伝熱管1の内周面
には、管軸方向へ延びかつ内方へ突出した一本の溶接線
6が全長に亘って形成され、この溶接線6の両側にはそ
れぞれ一定幅の溝無し部分8が形成されて、フィン2が
ここで分断されている。これら溝無し部分8は、板条材
を電縫加工して管状にする際に、板条材の端面に発生す
る溶接電流密度を均一化するために望ましいものであ
る。溶接線6は、フィン2の突出量より突出量が小さい
突条であることが好ましい。
【0013】この実施形態の内面溝付伝熱管1の内周面
は、図1に示すように、その周方向略90゜毎に4つの
帯状をなす領域R1〜R4に区分され、いずれか1つの
領域(この場合R1)から数えて奇数番の領域R1,R
3では、フィン2が伝熱管軸線に対して正の角度αをな
すように形成される一方、偶数番の領域R2,R4で
は、フィン2が伝熱管軸線に対して負の角度βをなすよ
うに形成されている。傾斜角度α,βの正負は逆であっ
てもよく、要はフィン2が全体としてジグザク状になる
ように、所定の長さ毎に伝熱管軸線に対し交互に逆方向
へ傾斜していればよい。
【0014】なお、図1に示したフィン2では、同じ領
域内でフィン2が互いに平行になっているが、これらは
必ずしも平行でなくてもよく、フィン2毎に傾斜角度を
異ならせてもよいし、角度αとβが異なっていてもよ
い。領域R1〜R4の幅は等しくなくてもよく、互いに
異なっていてもよい。
【0015】この実施形態の主たる特徴は、各領域R1
〜R4間の境界に位置する各フィン屈折部の谷側(屈折
角度が180゜より小さい側)に、金属管の内周面から
フィン屈折部の頂点に向けて上昇しつつ延びる傾斜部1
0が形成されていることにある。この実施形態では、フ
ィン2の末端部を除く全てのフィン屈折部に傾斜部10
が形成されており、これら傾斜部10は管軸方向で隣り
合うフィン屈折部へ向けて延びているが、隣り合うフィ
ン屈折部には達していない。
【0016】この実施形態では、フィン2の末端部を除
く全てのフィン屈折部に傾斜部10が形成されている
が、傾斜部10はフィン2を上流側から下流側へ乗り越
える流体の流れを容易化するためのものであるから、フ
ィン2の上流側にのみ形成されていてもよい。また、例
えば、管軸方向に沿って1つおきのフィン屈折部にのみ
形成されていてもよい。
【0017】図3は、傾斜部10の拡大図である。この
実施形態の傾斜部10は稜線10Aを有する断面凸V字
状をなし、フィン2の谷側斜面と一体化されて谷川斜面
との間には、一対の断面V字状をなす谷線10Bが形成
されている。平面視した状態において稜線10Aは管軸
方向に一致しており、管内面に対する稜線10Aの傾斜
角度は限定はされないが、30〜60゜であることが好
ましく、さらに好ましくは40〜50゜とされる。この
ような範囲であると、圧力損失を低下させる効果と熱交
換効率を向上する効果とのバランスが良好であり、製造
も容易である。
【0018】本発明者らの実験の結果、傾斜部10を断
面凸V字状の突条として形成する場合、管軸に対して垂
直な断面での傾斜部10の頂角が30〜120゜、より
好ましくは45〜90゜であると、圧力損失を低下させ
る効果および熱交換効率を向上する効果とのバランスが
良好であることが判明した。傾斜部10が前記角度の頂
角の稜線10Aを有すると、この稜線10Aの存在によ
って流体の撹拌が促進されることによると考えられる。
なお、図示の稜線10Aは直線状であるが、必ずしも完
全な直線でなくてもよい。
【0019】なお、この実施形態では、傾斜部10の頂
点がフィン2の屈折部の頂点に合致しているが、本発明
では必ずしも傾斜部10の頂点とフィン屈折部の頂点が
一致している必要はなく、例えば、傾斜部10の最高点
は、フィン屈折部の頂点よりも若干低い位置に設定され
てもよい。この場合、管内周面から傾斜部10の最高点
までの高さは限定されないが、管内周面からフィン屈折
部の頂点までの高さの30〜100%であることが好ま
しく、より好ましくは60〜100%とされる。30%
よりも低いと、圧力損失を低下させる作用が減少する。
【0020】フィン2の管軸に対する傾斜角度α,βの
絶対値は制限されないが、一般には8〜30゜であるこ
とが好ましく、より好ましくは10〜25゜とされる。
前記絶対値が30゜を越えるとフィン2が流れに対して
垂直に近くなり、流れを遮って圧力損失が大きくなるた
め好ましくない。また、前記絶対値が8゜未満である
と、フィン2が流れに対して平行に近くなり、フィン2
による乱流発生効果が低下する。
【0021】フィン2の断面形状は、三角形状、二等辺
三角形状、頂角が丸く面取りされた三角形状、半円状、
円弧状、台形状、面取りされた台形状などいかなる形状
であってもよいが、この実施形態では、図2に示すよう
に、頂角が丸く面取りされた二等辺三角形状とされてい
る。
【0022】フィン2の管軸方向ピッチ(図3中P)お
よび高さ(図2中H)は、本発明では限定されないが、
一般的な内面溝付伝熱管の場合、フィン2のピッチPが
好ましくは0.1〜0.6mm、さらに好ましくは0.
3〜0.45mmとされる。また、フィン高さHは、好
ましくは0.10〜0.50mm、さらに好ましくは
0.15〜0.30mmとされる。
【0023】上記のように従来よりもピッチが狭く、背
の高いフィン形状を採用した場合には、フィン2による
乱流発生効果が良好であり、内面溝付伝熱管1の熱交換
効率が向上できることが本発明者らの実験から明らかに
なっている。また、このように細く高いフィン2によれ
ば、内面溝付伝熱管1の内面が熱媒液体で覆われた際に
も、フィン2の先端部における排液性が良好になるか
ら、凝縮管として使用した場合にフィン2の先端金属面
が熱媒気体と直接接触しやすく、良好な凝縮性能を得る
こともできる。その一方、背の高いフィン形状を採った
場合には、フィン屈折部における圧力損失が大きいか
ら、本発明の効果が顕著となる。
【0024】フィン2の両側面のなす角度γ(頂角)は
本発明では限定されないが、好ましくは10〜30゜で
あり、さらに好ましくは15〜25゜とされる。このよ
うにフィン2の頂角γが小さい場合には、フィン2の側
面が管内周面から垂直に近い角度で起立するため、フィ
ン2により流体の流れを撹乱して乱流を引き起こす効果
が増す。それにも拘わらず、傾斜部10または傾斜部1
4を形成したことにより、圧力損失の増大を防ぐことが
可能である。また、このようにフィン2の頂角γが小さ
い場合には、凝縮管として使用した際に個々のフィン2
の先端部が露出する傾向が高く、熱媒気体と金属面との
接触面積を増して、高い凝縮効率を得ることができる。
【0025】内面溝付伝熱管1の外径、肉厚、長さ等の
寸法は限定されず、従来から使用されているいかなる寸
法の伝熱管にも本発明は適用可能である。内面溝付伝熱
管1の材質としては一般に銅または銅合金が使用される
が、本発明はそれに限定されることなく、アルミニウ
ム、アルミニウム合金を始めとする各種金属も使用可能
である。さらに、前記実施形態では、内面溝付伝熱管1
の断面形状が円形であるが、本発明は断面円形に限ら
ず、必要に応じて断面楕円形や偏平管状等としてもよ
い。さらに、内面溝付伝熱管1の内部に純水やアルコー
ル、フロン、混合溶媒などの作動液を減圧下で封入して
管の両端を閉じ、ヒートパイプとして使用することも有
効である。
【0026】上記構成からなる内面溝付伝熱管1によれ
ば、内周面の周方向に連続してジグザグに屈折して延び
るフィン2が形成され、これらフィン2の屈折部の少な
くとも一部の谷側に傾斜部10が形成されているから、
伝熱管1内を流れる流体がフィン屈折部に集中して流れ
込んだ際にも、傾斜部10の緩やかなスロープ面に沿っ
てフィン屈折部を乗り越えることができ、フィン屈折部
で高い流体抵抗を発生することがない。しかも、フィン
屈折部に切り込みを形成する構成などに比べて、フィン
屈折部を乗り越えて流れることにより効果的な流体の撹
拌が行われるので、ジグザグ形状のフィン本来の高い熱
交換効率を損なうことが少ない。よって、熱交換効率を
高めつつ圧力損失を低減するという、従来は両立し難か
った効果をバランスよく奏することが可能である。
【0027】また、この実施形態の傾斜部10は稜線1
0Aを有する断面凸V字状のものであるから、フィン屈
折部に集まった流体は2本の谷線10Bに沿って傾斜部
10を駆け上がり、稜線10Aの上方で撹拌される。よ
って、この点からも熱交換効率を高めることが可能であ
る。
【0028】なお、第1実施形態の伝熱管1を製造する
には、図6に示すような溝加工装置を使用して金属条材
の片面にフィン2、溝部4、溝無し部分8、および傾斜
部10を転造した後、この金属条材を周知の電縫加工装
置により管状に丸め、突き合わせた両側縁を溶接すれば
よい。この溶接により伝熱管1の内面に溶接線6が形成
される。
【0029】図6の溝加工装置は、軸部20に一対のフ
ランジ22を介して各2個の溝付ロール24A,24B
を固定したものであり、これら溝付ロール24A,24
Bの外周面には、フィン2を転造するためのフィン形成
溝26が平行かつ螺旋状に形成され、これらフィン形成
溝26は、各溝付ロール24A,24Bの境界面を境と
して面対称になるように位置決めされている。
【0030】さらに、各溝付ロール24A,24Bの両
端面では、図7および図8に示すように、フィン形成溝
26の末端とロール端面とがなす角度が鋭角となる側に
おいて、フィン形成溝26の壁面上端のエッジが面取り
され、面取部28が形成されている。これら面取部28
は溝付ロール24A,24Bの合わせ面において組み合
わされ、傾斜部10と相補的な立体形状をなす凹部が形
成される。この凹部により、金属条材の表面には傾斜部
10が転造されることになる。なお、転造時には溝付ロ
ール24A,24Bと対向して溝無しロールが配置さ
れ、これらロール間に金属条材が通されて転造が行われ
る。
【0031】なお、第1実施形態では、内面溝付伝熱管
1の内面を周方向に4つの領域R1〜R4に分けていた
が、周方向に2つまたは6つの領域に分けてもよく、こ
れらの場合にも第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、伝熱管の外径が大きい場合には、伝熱管の内周面
を8つ以上の領域に区画することも可能である。
【0032】[第2実施形態]図4は、本発明の第2実
施形態を示す拡大図である。この実施形態では、各フィ
ン屈折部の傾斜部10を形成した側とは反対側(山側)
に、平面視した場合に管軸と平行に伸びる第2傾斜部1
2が形成されている。これら第2傾斜部12は、管軸に
対して垂直な断面が凸V字状をなす稜線12Aを有し、
一対の谷線12Bを介して管内面と交差している。
【0033】第2傾斜部12は管内周面からフィン屈折
部の頂点に達している。ただし、傾斜部10と同様、フ
ィン屈折部の頂点より若干低い位置まで伸びているだけ
であってもよい。その場合、管内周面から第2傾斜部1
2の最高点までの高さは、管内周面からフィン屈折部の
頂点までの高さの30〜100%であることが好まし
く、より好ましくは60〜100%とされる。30%よ
りも低いと前記効果が減少する。他の構成は第1実施形
態と同様でよい。また、第2傾斜部12を形成するに
は、前述した図6〜図8の溝加工装置において、面取部
28と反対側のエッジも面取りしたうえで、転造を行え
ばよい。
【0034】このような第2傾斜部12を形成すると、
傾斜部10およびフィン2の屈折部を乗り越えた流体
が、第2傾斜部12に沿って滑らかに下降し、屈折部の
下流側で淀みが生じることはないから、淀みによる熱交
換効率の低下を防止する効果が得られる。これは特に、
前述したように、高く切り立ったフィン2を形成した場
合に顕著となる。
【0035】[第3実施形態]図5は、本発明の第3実
施形態を示す拡大図である。この変形例では傾斜部10
の代わりに、フィン屈折部の谷をなす側のそれぞれに、
平面視して三角形状をなす曲面状または平面状の扇状部
(傾斜部)14を形成したことを特徴としている。これ
ら傾斜部14は、傾斜部10のような稜線10Aは有し
ておらず、管軸に対して垂直な断面が、管内面に対して
ほぼ平行な直線状または曲線状をなすようにされてい
る。
【0036】管軸方向に対する傾斜部14の傾斜角度は
限定はされないが、前述した傾斜部10の稜線10Aの
管軸に対する傾斜角度と同様であることが好ましい。こ
のような範囲であると、圧力損失を低下させる効果と熱
交換効率を向上する効果とのバランスが良好であり、製
造も容易であるからである。なお、この実施形態では傾
斜部14の最高点がフィン2の屈折部の頂点に達してい
るが、必ずしも傾斜部14の頂点とフィン屈折部の頂点
が一致している必要はなく、例えば、傾斜部10と同様
に、フィン屈折部の頂点よりも若干低い位置に設定され
ていてもよい。傾斜部14も、図6〜図8で説明した方
法と同様の方法により形成することが可能である。
【0037】このような傾斜部14を形成した場合に
も、傾斜部10を形成した場合と同様の効果が得られ
る。ただ、扇状部である傾斜部14によれば、稜線10
Aによる撹拌効果は得られなくなるが、傾斜部10より
も体積が小さい分、伝熱管1が軽量化できる。
【0038】[第4実施形態]図9は、本発明の第4実
施形態を示している。この第4実施形態では、フィン屈
折部に傾斜部10,14を形成する代わりに、金属管1
の軸線方向に隣接したフィン屈折部同士の間に、直線状
のリブ30が掛け渡されて形成されていることを特徴と
している。リブ30を除く他の構成は、第1実施形態と
同じであってよい。
【0039】リブ30の両端は、図10および図11に
示すように、フィン2の屈折部とそれぞれ連結されてお
り、リブ30の管内面からの高さH1は、フィン2の管
内面からの高さH2の30〜100%にされている。1
00%を越えてしまうと伝熱管1を拡管加工する際に、
拡管プラグがフィン2に当たらずにリブ30に当たって
しまうため、拡管が均等に行われないおそれがあるから
好ましくない。より好ましくは、リブ30の管内面から
の高さH1は、フィン2の管内面からの高さH2の50
〜70%にされる。フィン屈折部と交わるリブ30の両
端部のみにおいてリブ30の高さを相対的に大きくして
もよい。
【0040】リブ30の管軸と垂直な断面の形状は、凸
V字状、半円状、台形状などいかなる形状であってもよ
いが、好ましくは図11に示すように、凸V字状(三角
形状)にされる。フィン2と同等の高さを得ながら、リ
ブ30の体積を小さくして伝熱管1の軽量化が図れるか
らである。
【0041】リブ30の断面形状を三角形状とした場
合、リブ30の管軸と垂直な断面の角度(頂角)は30
〜120゜であることが好ましく、より好ましくは90
〜120゜とされる。このような角度であると、圧力損
失を低下させる効果と熱交換効率を向上する効果とのバ
ランスが良好であり、製造も容易である。
【0042】このような構成からなる伝熱管1によれ
ば、伝熱管1内を流れる流体がフィン屈折部に集中して
流れ込んだ際にも、リブ30とフィン2との間に形成さ
れた緩やかな谷線30Bの両側のスロープ面に沿って、
流体がフィン屈折部を乗り越えることができ、フィン屈
折部で高い流体抵抗を発生することがない。しかも、フ
ィン屈折部に切り込みを形成する構成などに比べて、フ
ィン屈折部を乗り越えて流体が流れることにより効果的
な流体の撹拌が行われるので、ジグザグ形状のフィン本
来の高い熱交換効率を損なうことが少ない。
【0043】また、この実施形態のリブ30は稜線30
Aを有する断面凸V字状のものであるから、フィン屈折
部に集まった流体は2本の谷線30Bに沿って駆け上が
り、稜線30Aの上方で撹拌される。よって、この点か
らも熱交換効率を高めることが可能である。
【0044】なお、このようなリブ30を形成するに
は、図12に示すように、溝付ロール24A,24Bの
両端部の外周エッジを面取り加工してリブ形成用面取部
32を形成しておき、これらに対向して溝無しロールを
配置したうえ、これらロール間に金属条材を通して転造
を行い、さらに電縫加工を行えばよい。
【0045】[第5実施形態]図13は、本発明の第5
実施形態を示している。この第5実施形態では、フィン
屈折部に傾斜部やリブを形成するのではなく、フィン4
0の断面形状そのものを変更したことを特徴としてい
る。すなわち、図14に示すように、フィン40屈折部
の両側面のうち、伝熱管1の上流側に位置する側面40
Aの金属管内周面に対してなす角度rは40〜70゜、
より好ましくは50〜60゜とされており、下流側に位
置する側面40Bの金属管内周面に対してなす角度Sは
50〜75゜、より好ましくは60〜70゜とされてい
る。他の構成は、第1実施形態と同様でよい。
【0046】このような構成からなる伝熱管1によれ
ば、伝熱管1内を流れる流体がフィン屈折部に集中して
流れ込んだ際にも、上流側に位置する緩斜面40Aに沿
って流体がフィン屈折部を乗り越えることができ、フィ
ン屈折部で高い流体抵抗を発生することがない。しか
も、フィン屈折部を乗り越えて流れた流体が急斜面40
B側で効果的に撹拌されるので、フィン屈折部に切り込
みを形成する構成などに比べて、ジグザグ形状のフィン
本来の高い熱交換効率を損なうことが少ない。
【0047】なお、図13に示した例では、フィン2の
断面形状はフィン2の全長に亘って一定にされている
が、前記角度r,sの設定はフィン2の交差部について
のみであってよく、フィン2の他の部分に関しては通常
のフィンと同様の対称な断面形状を有していてもよい。
その場合、フィン2の本来の撹拌性能を発揮できて好都
合である。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る内面
溝付伝熱管によれば、伝熱管内を流れる流体がフィン屈
折部に集中して流れ込んだ際にも、フィン屈折部に形成
された緩やかな傾斜面に沿ってフィン屈折部を乗り越え
ることができるから、フィン屈折部で高い流体抵抗を発
生することがない。しかも、フィン屈折部に切り込みを
形成する構成などに比べて、フィン屈折部を乗り越えて
流れることにより効果的な流体の撹拌が行われるので、
ジグザグ形状のフィン本来の高い熱交換効率を損なうこ
とが少ない。したがって、熱交換効率を高めつつ圧力損
失を低減するという、従来は両立し難かった効果をバラ
ンスよく奏することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る内面溝付伝熱管の第1実施形態
を示す内面を一部展開した平面図である。
【図2】 第1実施形態の断面図である。
【図3】 第1実施形態のフィン屈折部を示す拡大図で
ある。
【図4】 第2実施形態のフィン屈折部を示す拡大図で
ある。
【図5】 第3実施形態のフィン屈折部を示す拡大図で
ある。
【図6】 第1実施形態を製造するための転造装置の要
部を示す正面図である。
【図7】 転造装置の溝付ロールの拡大斜視図である。
【図8】 転造装置の溝付ロールの拡大平面図である。
【図9】 内面溝付伝熱管の第4実施形態を一部展開し
た平面図である。
【図10】 第4実施形態のフィン屈折部を示す拡大図
である。
【図11】 図10中のXI−XI線断面図である。
【図12】 第4実施形態を製造するための転造装置の
要部を示す正面図である。
【図13】 内面溝付伝熱管の第5実施形態を一部展開
した平面図である。
【図14】 第5実施形態のフィン屈折部を示す断面拡
大図である。
【符号の説明】
1 内面溝付伝熱管 2 フィン 4 溝部 6 溶接線 8 溝無し部分 R1〜R4 区切られた領域 10,14 傾斜部 10A 稜線 10B 谷線 12 第2傾斜部 24A,24B 溝付ロール 26 フィン形成溝 28 面取部 30 リブ 30A 稜線 30B 谷線 40 フィン 40A 緩斜面 40B 急斜面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲すくも▼田 俊▲緑▼ 福島県会津若松市扇町128の7 三菱伸銅 株式会社若松製作所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属管の内周面に、この内周面の周方向
    に連続してジグザグに屈折して延びるフィンが形成さ
    れ、これらフィンの屈折部の少なくとも一部には、フィ
    ン屈折角度が180゜より小さい側において、前記金属
    管の内周面からフィン屈折部の頂点に向けて上昇しつつ
    延びる傾斜部が形成されていることを特徴とする内面溝
    付伝熱管。
  2. 【請求項2】 前記傾斜部は、前記金属管の内周面から
    前記金属管の軸線方向に沿ってフィン屈折部の頂点に向
    けて延びる傾斜した突条であることを特徴とする請求項
    1記載の内面溝付伝熱管。
  3. 【請求項3】 前記傾斜部は、前記フィン屈折部の谷を
    なす側に形成された扇状部であることを特徴とする請求
    項1記載の内面溝付伝熱管。
  4. 【請求項4】 前記フィンのフィン長手方向に対して垂
    直な方向に沿う断面の頂角は30〜120゜であり、前
    記傾斜部の金属管軸線方向に沿う断面の角度は30〜6
    0゜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の内面溝付伝熱管。
  5. 【請求項5】 フィンの屈折部の少なくとも一部には、
    フィン屈折角度が180゜より大きい側において、金属
    管の軸線方向に延びる第2傾斜部が形成されていること
    を特徴とする請求項記載1〜4のいずれかに記載の内面
    溝付伝熱管。
  6. 【請求項6】 金属管の内周面に、この内周面の周方向
    に連続してジグザグに屈折して延びるフィンが形成さ
    れ、金属管の軸線方向に隣接したフィン屈折部同士の間
    には、フィンの高さの30〜100%の高さを有するリ
    ブが掛け渡されて形成されていることを特徴とする内面
    溝付伝熱管。
  7. 【請求項7】 金属管の内周面に、この内周面の周方向
    に連続してジグザグに屈折して延びるフィンが形成さ
    れ、これらフィンの屈折部の両側面のうち、金属管の上
    流側に位置する側面の金属管内周面に対してなす角度
    は、金属管の下流側に位置する側面の金属管内周面に対
    してなす角度よりも小さいことを特徴とする内面溝付伝
    熱管。
  8. 【請求項8】 前記フィンの両側面のうち、金属管の上
    流側に位置する側面の金属管内周面に対してなす角度は
    60〜90゜であり、金属管の下流側に位置する側面の
    金属管内周面に対してなす角度は70〜100゜である
    ことを特徴とする請求項7記載の内面溝付伝熱管。
  9. 【請求項9】 前記フィンの屈折数は、金属管の周方向
    に2,4,6のいずれかであることを特徴とする請求項
    1〜8のいずれかに記載の内面溝付伝熱管。
JP22998497A 1997-08-26 1997-08-26 内面溝付伝熱管 Withdrawn JPH1163879A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001038812A3 (en) * 1999-11-19 2002-05-10 Mitsubishi Shindo Kk Heat exchanger tube with grooved inner surface, tube expansion method therefor, and device for manufacture thereof
JP2016157579A (ja) * 2015-02-24 2016-09-01 ダイキョーニシカワ株式会社 発熱体の冷却構造

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