JP2922824B2 - 内面溝付伝熱管 - Google Patents

内面溝付伝熱管

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JP2922824B2 JP20711195A JP20711195A JP2922824B2 JP 2922824 B2 JP2922824 B2 JP 2922824B2 JP 20711195 A JP20711195 A JP 20711195A JP 20711195 A JP20711195 A JP 20711195A JP 2922824 B2 JP2922824 B2 JP 2922824B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調装置や冷却装
置の熱交換器等に用いられる内面溝付伝熱管に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の内面溝付伝熱管は、空調装置や
冷却装置の熱交換器等において蒸発管または凝縮管とし
て主に使用されるもので、最近では内面の全面に亙って
螺旋状のフィンを形成した伝熱管が広く市販されてい
る。
【0003】現在主流となっている伝熱管は、引き抜き
または押し出し加工により得られたシームレス(継ぎ目
のない)管の内部に、外周面に螺旋溝が形成されたフロ
ーティングプラグを通すことにより、金属管の内周面の
全面に亙ってフィンを転造する方法により製造されてお
り、一般に使用されている外径10mm程度の伝熱管で
は、フィンの高さは0.15〜0.20mm、フィンの
ピッチ(隣接するフィンの頂点間の距離)は0.45〜
0.55mm、フィン間に形成された溝の底幅は0.2
0〜0.30mm程度とされている。
【0004】このような螺旋状フィンを形成した内面溝
付伝熱管では、伝熱管の内部下側に溜まる熱媒液体が、
管内を流れる蒸気流に吹き流されて螺旋状フィンに沿っ
て巻き上げられ、管内周面の全面に広がる。この作用に
より、管内周面の全面がほぼ均一に濡れるから、熱媒液
体を気化するための蒸発管として使用した場合には、沸
騰の生じる領域の面積を増して沸騰効率を高めることが
できる。また、熱媒気体を液化するための凝縮管として
使用した場合には、フィン先端が液面から露出すること
により金属面と熱媒気体との接触効率を高め、凝縮効率
を高めることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、螺旋状フィ
ンによる伝熱効率の向上効果は、さらに改善できる余地
を残していることが判明している。そこで、本発明者ら
は、伝熱管の溝の展開形状を様々に変化させて多種類の
内面溝付伝熱管を作成し、これらの性能を比較する実験
を行い、その結果、前記軸線に対するフィンの傾斜角度
の正負を前記軸線方向の一定間隔毎に逆になるように形
成した場合に、他の溝形状に比して高い熱交換性能が得
られることを見い出した。また、フィンを周方向へ連続
してまたは多数に分割してジグザグ形状をなすように形
成した場合、あるいはフィンを周方向へ多数に分割して
隣接し合うフィンを互いに同方向へ傾斜させた場合に
は、さらに熱交換性能を向上できることを見いだした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記知見に基づ
いてなされたもので、本発明の第1の内面溝付伝熱管
は、金属管の内周面に、この金属管の軸線方向に対して
傾斜したフィンが多数形成された内面溝付伝熱管であっ
て、前記金属管の内周面は周方向複数の領域に分けら
れ、各領域には、前記金属管の軸線方向に対して傾斜す
る方向に延びる多数のフィンがそれぞれ形成され、隣り
合う各領域に形成されたフィンの傾斜角度は交互に正負
が逆にされるとともに、前記金属管の軸線方向の一定間
隔毎に、各領域におけるフィンの傾斜角度は交互に正負
が逆にされていることを特徴とする。また、本発明の第
2の内面溝付伝熱管は、金属管の内周面に、この金属管
の軸線方向に対して傾斜したフィンが多数形成された内
面溝付伝熱管であって、前記フィンは、前記軸線に対す
る傾斜角度の正負が前記軸線方向の100〜500mm
間隔毎に逆になるように形成され、さらに、前記フィン
の傾斜角度が逆になる箇所には、金属管の周方向に延び
る突条がそれぞれ形成されていることを特徴としてい
る。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る内面溝付伝
熱管の第1の実施形態の展開図である。この内面溝付伝
熱管1は、金属管の内周面に、周方向へジグザグ形状に
延びるフィン2が多数形成されたものであり、これらフ
ィン2は、軸線に対する各傾斜角度α、βの正負が、前
記軸線方向の一定間隔L毎に逆(α→α’→α→α’
…、β→β’→β→β’…)になるように形成されてい
る。隣接するフィン2同士の間は一定幅の溝部4とされ
ており、フィン2の向きが変わる境界部には、内周面の
周方向へ向けて略全周に亙って延びる一定幅の突条6が
形成されている。
【0008】この内面溝付伝熱管1の内周面の一部に
は、軸線方向へ延びる一定幅のフィン無し部分8が全長
に亙って形成され、図3に示すように、このフィン無し
部分8の中心に沿って全長に亙って溶接線10が形成さ
れている。そして、これらフィン無し部分8および溶接
線10によりフィン2が分断されている。溶接線10は
内面溝付伝熱管1の内周側に向けて突出する突条であっ
てもよいが、内面溝付伝熱管1の内径に拡径プラグを挿
入して拡管する際に、拡管プラグが溶接線10に当たら
ないように、フィン2よりも突出量が小さいことが好ま
しい。
【0009】この実施形態の伝熱管1の内周面は、図1
に示すように、周方向90゜毎に4つの領域R1〜R4
にほぼ4等分され、いずれか1つの領域(この場合R
1)から数えて奇数番の領域R1,R3と、偶数番の領
域R2,R4とでは、フィン2と軸線とのなす傾斜角度
(αとβ;α’とβ’)が、互いに正負が逆になるよう
に形成されている。傾斜角度(α,β,α’,β’)の
絶対値は、いずれも10〜25゜であることが好まし
い。傾斜角度の絶対値が25゜を越えるとフィン2が流
れに対して垂直に近くなり、流れを遮って圧力損失が大
きくなるため好ましくない。また、傾斜角度の絶対値が
10゜未満であると、フィン2が流れに対して平行に近
くなり、フィン2による乱流発生効果が低下する。
【0010】傾斜角度αとβの絶対値、並びに傾斜角度
α’とβ’の絶対値はそれぞれ相互に等しくてもよい
が、前記範囲内でありさえすれば異なっていてもよい。
同様に、傾斜角度αとα’の絶対値、並びに傾斜角度β
とβ’の絶対値はそれぞれ相互に等しくてもよいが、前
記範囲内でありさえすれば、異なっていてもよい。ま
た、図1の実施形態では、同じ領域内でフィン2が互い
に平行にされているが、これらは必ずしも平行でなくて
もよく、前記角度範囲内でありさえすれば、フィン1本
毎に傾斜角度を異ならせてもよい。
【0011】フィン2の角度反転の間隔Lは限定される
ものではないが、好ましくは100〜500mm、さら
に好ましくは200〜400mmとされる。100〜5
00mmの範囲であれば、フィン2による熱媒の攪拌効
果を十分に発揮させつつ、フィン2による熱媒の偏りを
是正する効果を得ることができ、両者のバランスが良好
である。
【0012】突条6は、図2に示すように、その断面が
緩やかな凸曲面状をなし、その最大突出量はフィン2よ
りも小さくされている。このような突条6を形成するこ
とにより、フィン2の反転境界部における内面溝付伝熱
管1の平均肉厚を他の部分とほぼ同じにし、フィン2の
境界部分での耐変形強度の低下を防ぐことができる。
【0013】但し、フィン2の境界部分には必ずしも図
2のように突条6を形成しなくてもよく、例えば図5に
示すようにフィン2同士を一定長ずつ重複させて一定幅
の交差部12を形成してもよいし、図6に示すようにフ
ィン2の端部を突き合わせて突き合わせ部14を形成し
てもよいし、図7に示すようにフィン2同士を連続させ
てもよい。これらの場合にも、フィン2の境界部分での
耐変形強度の低下を防ぐことが可能である。
【0014】フィン2の断面形状は、図4に示すよう
に、同じ領域内のフィン2のピッチPが好ましくは0.
3〜0.45mm、さらに好ましくは0.33〜0.3
8mmとされ、フィン2の金属管内周面からの高さHは
好ましくは0.15〜0.30mm、さらに好ましくは
0.22〜0.26mmとされる。このように従来より
も背の高いフィン形状を採用した場合には、乱流発生効
果が良好であり、特殊なフィン配置による効果と相まっ
て、伝熱管1の熱交換効率がいっそう向上できる。ま
た、このように細く高いフィン2によれば、金属管1の
内面が熱媒液体で覆われた際にも、フィン2の先端部に
おける排液性が良好になるから、凝縮管として使用した
場合にフィン2の先端金属面が熱媒気体と直接接触しや
すく、良好な凝縮性能を得ることができる。
【0015】フィン2の両側面のなす角度γ(頂角)は
好ましくは10〜25゜、さらに好ましくは15〜20
゜とされる。このようにフィン2の頂角が小さい場合に
は、フィン2の側面が管内周面からほぼ垂直に起立する
ため、少なくともフィン2の熱媒流の上流側から見てV
字状の谷となる部分以外では、伝熱管1内を流れる熱媒
気体の風圧によって熱媒液体がフィン2上へ吹き上げら
れることが少ない。このため、フィン2により熱媒液体
の流れを規制して乱流を引き起こす効果が増すだけでな
く、この伝熱管1を凝縮管として使用した場合には、個
々のフィン2の先端部が露出する傾向が高くなり、熱媒
気体と金属面との接触面積を増して、高い凝縮効率を得
ることができる。また、図示の例ではフィン2の頂点が
断面半円状にされているが、本発明は断面台形状として
も、断面三角形状としてもよい。
【0016】伝熱管1の外径、肉厚、長さ等の寸法は限
定されず、従来から使用されているいかなる寸法の伝熱
管にも本発明は適用可能である。伝熱管1の材質として
は一般に銅または銅合金が使用されるが、本発明はそれ
に限定されることなく、アルミニウムを始めとする各種
金属も使用可能である。なお、この実施形態では伝熱管
1の断面形状が円形であるが、本発明は断面円形に限ら
ず、必要に応じて断面楕円形や偏平管状等としてもよ
い。さらに、熱媒を封入して、ヒートパイプの本体とし
て使用することも有効である。
【0017】このような内面溝付伝熱管を製造するに
は、以下のような方法が採用できる。まず、帯状の金属
板条材を用意し、この板条材を、フィン2および溝部4
とそれぞれ相補形状をなす断面を有する圧延ロールおよ
び受けロールの間に通して圧延することにより、板条材
の表面にフィン2および溝部4を同時に形成する。前記
圧延ロールとしては、フィン2と溝部4を形成するため
の螺旋溝付き圧延ロールを交互に螺旋の向きを逆にして
重ねた積層ロールを使用することもでき、その場合に
は、積層する各ロールを交換することにより、各部の形
状を任意に設定することが可能となる。
【0018】次に、フィン2および溝部4が転写された
金属板条材を、その溝形成面を内面側に向けた状態で電
縫装置にセットし、多段階に成形ロールの間を通して図
3に示すように板条材を幅方向に丸め、最後に突き合わ
せたフィン無し部分8を溶接し円管形に成形し、内面溝
付伝熱管とする。この時、フィン無し部分8の中心に溶
接線10が形成される。電縫装置は通常使用されている
ものでよく、電縫条件も通常の加工と同じでよい。その
後、伝熱管の外周面において溶接部を整形したうえ、伝
熱管をロール状に巻きとるか所定の長さで切断する。
【0019】上記構成からなる内面溝付伝熱管1によれ
ば、内面溝付伝熱管1内を流れる熱媒がフィン2に沿っ
て進行方向を傾けられ、その過程で熱媒の攪拌が生じて
内面溝付伝熱管1と熱媒との熱交換が促進されるうえ、
この攪拌過程で内面溝付伝熱管1内面の一定部位に熱媒
が集中しても、この熱媒がフィン2の傾斜角度が逆転し
ている次の領域で再びフィン2により進行方向を傾けら
れ、その過程で熱媒攪拌が行われる。このように、熱媒
の流れの向きを強制的に変更して攪拌する作用が一定距
離L毎に繰り返されるため、熱交換効率を向上すること
が可能である。
【0020】特に、この実施形態では、内面溝付伝熱管
1の内面に形成されているフィン2が、熱媒流の上流側
に開く2対のV字を構成するように配置されているの
で、熱媒は各V字の突き合わせ部分で衝突して合流し、
これら突き合わせ部分を乗り越えて流れる。この過程に
おいて、熱媒は攪拌されて不規則な乱流が発生するた
め、前記効果と相まって攪拌効果がいっそう高く、熱媒
の流れの中に温度勾配が生じることが防止でき、熱媒と
金属面との熱交換を促進して伝熱効率を高めることが可
能である。
【0021】[第2実施形態]図8は、本発明に係る内
面溝付伝熱管の第2実施形態を示す内面の展開図であ
る。この実施形態では、フィン2がジグザグ状に屈折せ
ず、単純な螺旋状をなしている点が第1実施形態と異な
り、他の構成は前記実施形態と同様でよい。このような
内面溝付伝熱管1によれば、管内を流れる熱媒が一定距
離L毎に反転する螺旋状のフィン2によって交互に逆方
向へ回転させられるので、単純な螺旋状フィンを形成し
た伝熱管とは異なり、熱媒が特定箇所をまとまって流れ
ることが無く、高い攪拌効果が得られる。したがって、
熱交換効率を向上することが可能である。
【0022】[第3実施形態]図9は、本発明に係る内
面溝付伝熱管の第3実施形態を示す内面展開図であり、
この実施形態ではフィン2をV字状に形成した点が第1
実施形態と異なる。すなわち、この実施形態では、管内
周面が周方向へ2つの領域R1,R2に区画され、これ
ら領域R1,R2のそれぞれにおいて軸線とフィン2と
のなす角度α,βが互いに正負が逆にされている。ま
た、各領域R1,R2における傾斜角度α,βは管軸線
方向の一定間隔L毎に正負が逆(α→α’→α…,β→
β’→β…)になるように形成されている。他の構成は
第1実施形態と同様でよい。
【0023】このような内面溝付伝熱管1によれば、管
内部を流れる熱媒が、V字状をなすフィン2の谷部に向
けて集中する傾向を有し、熱媒流は各V字の谷部で衝突
して合流するが、次にフィン2の向きが逆転するため、
熱媒流はフィン2により左右にかき分けられて、再び周
方向の反対側に位置する谷部へ集められる。このような
サイクルを一定距離L毎に繰り返すことにより、熱媒と
内面溝付伝熱管1との熱交換効率が高められ、高い伝熱
性能が得られる。
【0024】[第4実施形態]図10は、本発明に係る
内面溝付伝熱管の第4実施形態を示す内面展開図であ
り、この実施形態では、フィン2の展開形状を、管内周
面の周方向へ5回屈折する「VVV」形状にした点が第
1実施形態と異なる。すなわち、この実施形態では、管
内周面が周方向へ6つの領域R1〜R6に区画され、こ
れら領域R1〜R6のそれぞれにおいて軸線とフィン2
とのなす角度α,βが互いに正負が逆にされている。ま
た、各領域R1,R2における傾斜角度α,βは管軸線
方向の一定間隔L毎に正負が逆(α→α’→α…,β→
β’→β…)になるように形成されている。他の構成は
第1実施形態と同様でよい。このような内面溝付伝熱管
1によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることが
できる。
【0025】なお、領域の分割数はあまり多くなるとフ
ィン2による流液抵抗が大きくなりすぎるので、伝熱管
1の外径が10mm程度以下の場合には2〜6程度が好
ましい。また、領域の分割数は偶数のみに限定されず、
奇数でも効果にはあまり影響がない。
【0026】[第5実施形態]図11は、本発明に係る
内面溝付伝熱管の第5実施形態を示す内面展開図であ
り、この実施形態では、図9に示したV字状フィン2の
中央部に、間隙20を形成したことを新たな特徴として
いる。すなわち、この内面溝付伝熱管1では、管内面の
周方向に2本の傾斜したフィン2が、互いに間隔を開け
て千鳥状に配列されている。傾斜角度やその他の構成に
関しては、第1実施形態と同様でよい。
【0027】間隙20の幅Cは限定されるものではない
が、一般的な外径10mm程度の伝熱管の場合、好まし
くは0.05〜0.5mmとされる。この値は後の実施
形態でも共通である。このような範囲であると、優れた
熱交換性能を得ながら、熱媒の流液抵抗を低減する効果
が顕著となる。間隙20の深さは、溝部4と同じ深さで
あるほうが流液抵抗を低減する効果に優れるが、場合に
よっては、溝部4よりも浅くてもよい。例えば、なだら
かな凹部としてもよい。
【0028】このような構成からなる第5実施形態によ
れば、各フィン2の側面により集められた熱媒体はV字
の突き合わせ部分で衝突して合流し、さらに間隙20を
通り抜け、その過程で熱媒が攪拌される。したがって、
フィン2による熱媒攪拌効果を殆ど損なうことなく、伝
熱管1内を流れる熱媒の圧力損失を小さく抑えることが
できる。このように、伝熱効率の向上と、圧力損失の低
下という相反する2つの効果を両立させることができる
点が、本実施形態の重要な効果である。勿論、この実施
形態においても、管軸線方向の一定間隔L毎にフィン2
の傾斜角度が反転するから、熱媒の流れを交互に拡散お
よび集中させる作用が得られる。
【0029】[第6実施形態]図12は、本発明に係る
内面溝付伝熱管の第6実施形態を示す内面展開図であ
り、この実施形態では、図1に示したW字状フィン2の
各屈折点に、間隙20を形成したことを新たな特徴とし
ている。このような実施形態によれば、図1の実施形態
の効果を損なうことなく、間隙20によって熱媒の流体
抵抗を減らし、伝熱管1内を流れる熱媒の圧力損失を小
さく抑えることができる。
【0030】[第7実施形態]図13は、本発明に係る
内面溝付伝熱管の第7実施形態を示す内面展開図であ
り、この実施形態では、図8に示した螺旋状フィン2の
長手方向一定間隔毎に間隙20を形成したことを新たな
特徴としている。この場合にも、図8の実施形態の効果
を得ながら、間隙20によって熱媒を適宜逃すことによ
り、伝熱管1内を流れる熱媒の圧力損失を小さく抑える
効果が得られる。
【0031】[第8実施形態]図14は、本発明に係る
内面溝付伝熱管の第8実施形態を示す内面展開図であ
り、この実施形態では、図10に示した「VVV」字型
フィン2の屈折点の一つ置きに、間隙20を形成したこ
とを新たな特徴としている。この場合にも、図10の実
施形態の効果を得ながら、間隙20によって熱媒を適宜
逃すことにより、伝熱管1内を流れる熱媒の圧力損失を
小さく抑える効果が得られる。
【0032】[第9実施形態]図15は、本発明の第9
実施形態を示す内面展開図であり、この実施形態では各
領域でのフィン2の傾斜方向が反転する間隔を、各領域
毎に異ならせたことを新たな特徴としている。すなわ
ち、反転境界に形成される突条6A,6Bの位置が管軸
方向へ相互にずらされている。この場合にも、境界部の
形状は図2、図5、図6および図7に示す構造などいず
れでもよい。
【0033】なお、本発明に係る内面溝付伝熱管は、上
記各実施形態に限定されるものではなく、その他にも種
々の構成が可能である。例えば、伝熱管の外径が大きい
場合には、伝熱管の内周面を7つ以上の領域に区画する
ことも可能であるし、必要であれば各フィン2を展開時
直線状ではなく、展開時円弧状に形成することも可能で
ある。さらに、偶数または奇数領域のフィンのみを管軸
線方向へ反ピッチずらす等の変更を加えてもよいし、各
フィン2の適当な箇所に凹部や切り込みを別途形成して
もよい。
【0034】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明の効果を実証す
る。フィンの平面形状のみが異なる5通りの伝熱管A1
〜A5をそれぞれ形成し、これら伝熱管について、伝熱
効率を比較した。各伝熱管のフィン平面形状は以下の通
りである。 A1:フィン角度が反転しない単純螺旋型 A2:フィン角度が軸線方向300mm毎に反転する螺
旋型(図8) A3:V字状フィンが軸線方向300mm毎に反転する
V字型(図9) A4:W字状フィンが軸線方向300mm毎に反転する
W字型(図1) A5:VVV字状フィンが軸線方向300mm毎に反転す
るVVV字型(図10)
【0035】伝熱管の軸線に対するフィンの傾斜角度は
15゜または−15゜とし、フィン2の寸法は従来品よ
りも細くて高い以下のような寸法にした(図4参照)。 フィンのピッチP:0.36mm フィンの高さH:0.24mm フィンの両側面角度γ:17゜ フィン間の溝幅:0.22mm また、内面溝付伝熱管1の外径は8.0mm、平均肉厚
は0.35mm、材質は銅とした。
【0036】次に、得られた各伝熱管A1〜A5につい
て、図16および図17に示す装置を用いて伝熱性能
(蒸発性能、凝縮性能)を測定した。測定に際しては、
図中「測定部」に各伝熱管をセットし、下記の評価方法
により蒸発性能および凝縮性能を測定した。評価条件は
以下の通りである。
【0037】[評価方法] 対向流二重管方式 水流速:1.5m/s 伝熱管の全長:3.5m 蒸発時飽和温度:5℃ 過熱度3deg 蒸発時飽和温度:45℃ 過冷度5deg 熱媒:フロン「R−22」(商品名)
【0038】上記実験により得られた蒸発性能、凝縮性
能、および圧力損失を、A1型の伝熱管に対する比で表
した結果を図18および図19に示す。これらのグラフ
から明らかなように、単純螺旋型フィンを形成したA1
に比して、軸線方向一定間隔毎にフィンの傾斜角度を反
転させたA2〜A5は、圧力損失は僅かに大きいもの
の、それを補ってあまりあるほどに蒸発性能および凝縮
性能が向上した。また、フィン角度を反転させたものの
中でも、A3,A4,A5の伝熱管は特に優れた凝縮性
能を示した。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る内面
溝付伝熱管によれば、伝熱管内を流れる熱媒がフィンに
沿って進行方向を傾斜され、その過程で熱媒の攪拌が生
じて内面溝付伝熱管と熱媒との熱交換が促進されるう
え、この攪拌過程で内面溝付伝熱管内面の一定部位に熱
媒が集中しても、この熱媒流がフィンの傾斜角度が逆転
している次の領域で再びフィンにより進行方向を変更さ
れ、その過程で再度熱媒の攪拌が行われる。このよう
に、熱媒の流れの向きを強制的に変更して攪拌する作用
が一定距離毎に繰り返されるため、熱交換効率を向上す
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内面溝付伝熱管の第1実施形態の
内面展開図である。
【図2】同実施形態のフィン反転境界部を拡大した斜視
図である。
【図3】同実施形態の電縫工程を示す平面図である。
【図4】同実施形態のフィンの断面拡大図である。
【図5】同実施形態のフィン反転境界部の変形例を拡大
した斜視図である。
【図6】同実施形態のフィン反転境界部の変形例を拡大
した斜視図である。
【図7】同実施形態のフィン反転境界部の変形例を拡大
した斜視図である。
【図8】本発明に係る内面溝付伝熱管の第2実施形態の
内面展開図である。
【図9】本発明に係る内面溝付伝熱管の第3実施形態の
内面展開図である。
【図10】本発明に係る内面溝付伝熱管の第4実施形態
の内面展開図である。
【図11】本発明に係る内面溝付伝熱管の第5実施形態
の内面展開図である。
【図12】本発明に係る内面溝付伝熱管の第6実施形態
の内面展開図である。
【図13】本発明に係る内面溝付伝熱管の第7実施形態
の内面展開図である。
【図14】本発明に係る内面溝付伝熱管の第8実施形態
の内面展開図である。
【図15】本発明に係る内面溝付伝熱管の第9実施形態
の内面展開図である。
【図16】蒸発性能の測定装置を示す概略図である。
【図17】凝縮性能の測定装置を示す概略図である。
【図18】蒸発性能および蒸発時の圧力損失を示すグラ
フである。
【図19】凝縮性能および凝縮時の圧力損失を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1 内面溝付伝熱管 2 フィン 4 溝部 6 突条 8 フィン無し部分 10 溶接線 12 交差部 14 突き合わせ部 20 間隙 α,β,α’,β’ フィンの管軸線に対する傾斜角度 L 反転間隔 R1〜R6 周方向に区切られた領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−158193(JP,A) 特開 平2−78897(JP,A) 特開 平2−37294(JP,A) 実開 平3−71274(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F28F 1/40 F28F 1/42

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属管の内周面に、この金属管の軸線方
    向に対して傾斜したフィンが多数形成された内面溝付伝
    熱管であって、前記金属管の内周面は周方向複数の領域
    に分けられ、各領域には、前記金属管の軸線方向に対し
    て傾斜する方向に延びる多数のフィンがそれぞれ形成さ
    れ、隣り合う各領域に形成されたフィンの傾斜角度は交
    互に正負が逆にされるとともに、前記金属管の軸線方向
    の一定間隔毎に、各領域におけるフィンの傾斜角度は交
    互に正負が逆にされていることを特徴とする内面溝付伝
    熱管。
  2. 【請求項2】 前記フィンはそれぞれ、前記金属管の内
    周面の周方向に連続したジグザグ形状をなしていること
    を特徴とする請求項1記載の内面溝付伝熱管。
  3. 【請求項3】 周方向に隣り合うフィンの間には、間隙
    が形成されていることを特徴とする請求項1または2記
    載の内面溝付伝熱管。
  4. 【請求項4】 前記金属管の軸線方向の一定間隔毎に前
    記フィンの傾斜角度が逆になる箇所には、金属管の周方
    向に延びる突条がそれぞれ形成されていることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の内面溝付伝熱管。
  5. 【請求項5】 金属管の内周面に、この金属管の軸線方
    向に対して傾斜したフィンが多数形成された内面溝付伝
    熱管であって、前記フィンは、前記軸線に対する傾斜角
    度の正負が前記軸線方向の100〜500mm間隔毎に
    逆になるように形成され、さらに、前記フィンの傾斜角
    度が逆になる箇所には、金属管の周方向に延びる突条が
    それぞれ形成されていることを特徴とする内面溝付伝熱
    管。
  6. 【請求項6】 前記フィンはそれぞれ、前記金属管内周
    面の周方向において複数に分割され、周方向に隣接しあ
    うフィン同士の間には間隙が形成されていることを特徴
    とする請求項5記載の内面溝付伝熱管。
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DE19628280A DE19628280C3 (de) 1995-07-14 1996-07-12 Wärmeübertragungsrohr mit einer gerillten Innenfläche
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