JPH1156413A - 一体成形面ファスナー - Google Patents

一体成形面ファスナー

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JPH1156413A
JPH1156413A JP9223909A JP22390997A JPH1156413A JP H1156413 A JPH1156413 A JP H1156413A JP 9223909 A JP9223909 A JP 9223909A JP 22390997 A JP22390997 A JP 22390997A JP H1156413 A JPH1156413 A JP H1156413A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】連続成形により成形される熱可塑性樹脂からな
る微小な寸法の係合素子にあって、倒伏しがたく十分な
係合力を有すると共に微小なパイル片に対する係合を確
実にする耐久性に富んだ成形面ファスナーを提供する。 【解決手段】前記係合素子(2) は単一の起立部(21)と、
同起立部(21)の上端部から各首部(22)を介して前記起立
部(21)からそれぞれが反対方向に屈曲して略直線的に延
出する係合頭部(23)とを有しており、各係合頭部(23)の
先端部に切欠部(23b) を有し、その係合頭部(23)の頂部
(23a) には同頭部(22)の延出方向と直交して略水平に膨
出する膨出部(23a′) が形成されると共に、各頂部(23
a) の上面が略平坦面をなしており、各係合頭部(22)の
基端から先端にかけてその上下方向の肉厚が漸減されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂を用
い、平板状基板及び多数の係合素子を連続的に一体成形
して得られる面ファスナーに関し、前記係合素子が微小
寸法であっても倒伏しにくく、相手方の微細なパイル片
に確実に係合すると共に、所要の係合力、剥離力及び高
係合率が確保され、更には数回の係脱操作にも十分に耐
え得る、特に紙おしめ、医療用簡易衣料、ナプキン類、
各種作業用簡易衣料、肌着類等に適用するに好適な一体
成形面ファスナーに関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を使って押出しにより平板
状基板と多数のフック片を一体に連続成形する一体成形
タイプの面ファスナーは、例えば米国特許第4,98
4,339号明細書や米国特許第5,441,687号
明細書などに開示されている。そして、近年、この種の
面ファスナーは、例えば工業用資材、車両用或いは室内
用装飾材、日用品等の他にも、紙おしめ類の各種衛生用
品等の止具として多く使われるようになってきている。
従って、その基板表面に形成される係合素子の大きさや
形状も、その用途に合わせた多様な寸法、形状が要求さ
れる。
【0003】ところで、上記米国特許明細書からも理解
できるように、従来のかかる連続的な一体成形タイプの
面ファスナーの製造機では、その型加工の技術的困難性
のため、いずれも織物タイプのような繊細で且つ感触に
優れた形状を得ることが難しいばかりでなく、仮りに微
小な寸法の係合素子の成形が可能になったとしても、従
来の織物タイプの面ファスナーにおけるモノフィラメン
トによるフック片と同様の太さに単に成形された場合に
は極めて強度が低く、到底実用に耐えられない。更に
は、一体成形による前述のフック片構造では、その起立
部の断面形状は単純なものとなり、係合素子の形態寸法
が微小になればなるほど起立部が根元から側方或いは前
後に簡単に倒伏し易くなり、更に加えてフック状係合頭
部が単純な形状と柔軟に過ぎる理由から係合力も低く、
簡単に剥離してしまう。その結果、繰返して使用される
と元の姿勢に戻らなくなることが多くなり、パイル片と
の係合率を短期間に低下させる。従って、所要の剛性及
び係合強度を確保しようとすると、必然的に個々のフッ
ク片自体の寸法を大きくせざるを得ず、剛直となるばか
りでなく、単位面積当りのフック片数(フック片密度)
も少なくなり、結果的に微細な相手方パイル片との係合
は不可能となる。
【0004】そこで、上述の不具合を解消すべく提案さ
れた微小な寸法の係合素子をもつ一体成形面ファスナー
としては、例えばWO94/23610号公表公報、U
SP5,077,870号明細書、或いは特開平2−5
947号公報(USP4,894,060号明細書)や
特開平6−133808号公報に開示された面ファスナ
ーがある。
【0005】前記WO94/23610号公表公報及び
USP5,077,870号明細書に開示された成形面
ファスナーの係合素子は、いずれも前記フック片に代わ
るキノコ状をなしている。フック状係合素子と比較する
と、このタイプの係合素子は相手方のパイル片との係合
力が大きく、その形状を微小化しても所望の係合強度が
確保し易いため、柔軟性が要求される用途には好適であ
る。しかしながら、かかる構造を有する係合素子は、微
小であるか否かに関わらず相手方パイル片との係合時に
複数のパイル片が起立部と係合頭部との接続部である首
部に相変わらず巻き付き、係合離脱時には前記首部にお
いて切断されることが多く、繰り返し使用に耐え難い。
【0006】一方、上記特開平2−5947号公報に開
示された成形面ファスナーは、従来から広く知られた一
般的なフック片構造に包含される形態を有する、所謂J
字状或いはパームツリー状の多数の係合素子が平板状基
板から起立した構成を備えている。しかして、同公報に
開示された成形面ファスナーは、同ファスナーが廉価に
製造できる点を活用し、同時に一般の繊維製のパイル織
物などと比較して廉価に製造される不織布に対する接合
及び剥離が可能であることを利用して、同面ファスナー
を各種の使い捨て下着や紙おむつなどに適用しようとす
るものである。しかして、同成形面ファスナーにあって
は、微小な寸法であるがため単一の係合素子では不織布
のパイル状繊維に対する保持力が得られないことから、
前記係合素子の起立密度をある程度大きくし、微小なパ
イル状繊維との全体的な係合力及び離脱力を確保しよう
としている。
【0007】また、上記特開平6−133808号公報
に開示された成形面ファスナーは、係合素子の正面形状
がT字状若しくは倒立L字状をなしており、その係合頭
部の下面高さ、同頭部の張出長さ、同頭部の上下肉厚、
同頭部の幅、同頭部の投影面積、幅方向に隣合う係合素
子間の間隔などを微小な数値で規定している。これらの
数値は前述の微小形態をもつ係合素子と殆ど変わらない
値となっている。しかして、この成形面ファスナーによ
れば従来と異なる係合素子の形態を採用することで、上
述の通常の形状に近く微細な係合素子をもつ成形面ファ
スナーと比較して、円滑な脱着操作と柔らかな感触とを
確保すると共に、全体として所要の係合力を確保すると
いうものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記係合素
子の寸法を単に微小化すると共にその密度を大きくし、
或いは係合素子の形態を単純な形態に変更するだけで
は、たとえ相手方の不織布との係合率は増加するとして
も、相手方の不織布との接合時における剪断力及び剥離
力が増加するという保証はない。また、係合素子密度を
極端に大きくしても、相手方の不織布に密生する極めて
柔軟な繊維パイル内にフック状係合頭部を侵入させよう
とするとき、同係合頭部が前記ランダムに密生して配さ
れた繊維パイルを倒伏させ、或いは同係合素子自体が倒
伏して、繊維パイル中への係合素子の侵入を不可能に
し、通常の面ファスナーにおける係合率と比較すると、
その低下は避けられない。
【0009】そのため、上述の微小形態の係合素子をも
つ成形面ファスナーにあっては、その係合素子形態の微
小化と係合素子密度にも自ずから限界が生じる。因み
に、上記特開平2−5947号公報の記載によれば、前
記係合素子の各部分の寸法を規定してはいるが、その臨
界的意義は明らかでなく、ただ好ましい寸法として、係
合素子密度が70〜100個/cm2 、係合素子高さが
0.8〜1.1mm、ステム部分と係合頭部の肉厚(係
合頭部の延出方向に直交する水平肉厚)が0.46m
m、ステム部分の幅(係合頭部の延出方向の肉厚)が
0.18〜0.30mm、ステム部分から延出する係合
頭部の延出寸法が0.25〜0.37mm又は1mm未
満としている。これらの数値範囲は、その係合素子形状
が通常の形状であるに過ぎず、微小化するための格別の
形態を考慮していないがため、単独の係合素子について
みれば係合時における剪断力及び離脱力が極めて低いこ
とを認識し、総合的な剪断方向及び剥離方向の力を保証
しようとして設定されている。
【0010】ところで、係合素子が通常のJ字状をなす
場合には、前記係合素子の係合頭部が相手方のパイル片
に確実に挿入されるためには、例えば同係合頭部の先端
部下端と同頭部の頂点との間の距離を可能なかぎり小さ
く設定すると共に、同じく係合頭部の先端部下端と基板
の表面との間の距離、並びに隣接するフック片間の距離
を、少なくとも相手方のパイル片の実質的な太さの数倍
に設定する必要がある。そのために、従来の係合素子の
寸法は相手方のパイル片の太さとの関係において決定さ
れ、例えば紙おむつ等に適用されるに好適な、柔軟性に
富み且つ微小な寸法からなる係合素子を成形しようとす
る場合にも、所要の係合力を確保しようとすると同係合
頭部の湾曲を大きく設定せざるを得ず、またフック状係
合頭部の先端部下端と基板表面との間に形成されるパイ
ル片を挿入するに充分で且つ必要最小限の距離が一義的
に決められてしまう。
【0011】このことは、所定の係合率を確保しようと
する場合に、係合素子の高さ及び密度も一義的に決めら
れることから、その高さを更に低く設定することは不可
能であることをも意味する。従って、成形材質とフック
片重量が同一である場合には、係合素子構造を改良しな
いかぎりその係合時の剪断方向及び剥離方向の強度を向
上させることも困難である。しかも、基板表面から直接
立ち上がる係合素子の係合頭部の頂点は曲面をなすた
め、面ファスナー表面の感触を更に滑らかにすることは
不可能であるばかりでなく、その湾曲形状が相手方パイ
ル片のパイル形状を大型化させる原因となり、同パイル
片の小型化を図る場合には同パイル片への係合頭部の侵
入を阻害する。更に、係合素子の全体を単に微小化する
だけでは、面ファスナーの係合時にフック状係合頭部の
全体が押し潰されるようにして前方又は側方へ撓屈し、
相手方パイル片との係合を更に不可能にして、面ファス
ナー全体の係合率を著しく低下させる。
【0012】一方、上記特開平6−133808号公報
に開示された成形面ファスナーにあっても、その形態か
ら単独の係合素子は上記公報に開示された成形面ファス
ナーと比較して相手方のパイル片との係合力が更に低く
なることが予想できる。そのため、係合素子の配列等に
工夫を凝らして、係合力の更なる低下を補おうとしてい
るが、相変わらず上記倒立J字状の係合素子と同様に成
形面ファスナーとしての総合的な係合力を確保しようと
する思想は上記公報に開示された微小形態の成形面ファ
スナーと同様であり、個々の係合素子における係合力の
低下分だけ、そのため総合的な係合力を確保するには前
記要因のほかにも他の多様な要因についても規定してい
く必要がある。
【0013】また、同公報に開示されたT字状或いは倒
立L字状をなす係合素子において、係合頭部の上下肉厚
を基端から先端に向けて漸次肉薄にすることまでを積極
的に意図するものではないが、その係合頭部の先端部を
先細りとすることが好ましいと記載されている。これ
は、その上で係合頭部の突出部の中央部における上下肉
厚を0.08〜0.35mmとすることが好ましいとし
ているに過ぎない。しかしながら、同係合素子には剛性
を増加させるための格別の処理が施されておらず、或い
は形態的にも前述の形態を越える変更がなく、全体的な
剛性を素材自体がもつ剛性に依存している以上は、同公
報にも記載されているように0.08mmよりも薄くす
ることができないことも頷ける。
【0014】また、一般的に前述のように係合素子を微
小化する場合に、面ファスナー全体の柔軟性を確保しよ
うとすると、当然に基板の肉厚も薄くせざるを得ない。
しかしながら、基板の肉厚を極く薄く設定すると、連続
成形時において成形を終了した面ファスナーの係合素子
を型から引き抜くとき、基板が不均一に延びやすく、或
いは引き裂かれ易くなり、安定した成形が不可能とな
る。また、たとえ成形が無事終了したとしても、成形後
の基板は薄くなればなるほどいわゆる波打ち状態が激し
くなり、商品価値がないものとなる。
【0015】本発明は、かかる幾多の課題を解決すべく
なされたものであり、その目的は特に不織布などからな
る微細に密生する繊維パイルにも確実に係合すると共
に、個々の係合素子に所要の係合力、剪断力及び剥離力
を確保させ、同時に面ファスナー表面の感触を良好に
し、基板表面から突出する係合素子の高さを従来のもの
と比較して低くすることができ、押圧力に対する係合素
子の倒伏を防いで相手方のパイル片との高い係合率を確
保しつつ、繰返し荷重に対する耐久性を備えており、同
時に平板状基板の所望の柔軟性と引き裂き強度をも確保
し得る微小で且つ特異な係合素子形態をもつ一体成形面
ファスナーを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段と作用】かかる目的は、本
発明に係る成形面ファスナーの主要な構成は平板状基板
の表面に相手方のパイル片と係脱する微小な多数の係合
素子が一体に成形されてなる合成樹脂製の一体成形面フ
ァスナーであって、前記係合素子は単一の起立部と、同
起立部の上端部から2以上の異なる方向に分岐して立ち
上がる首部と、各首部を介して前記起立部からそれぞれ
が異なる方向に屈曲して延出する係合頭部とを有してな
り、各係合頭部の延出端部が、その延出方向と直交する
横断方向に切欠部を有してなることを特徴とすることに
より達成される。
【0017】各係合頭部の一部に切欠部を有すること
は、係合頭部の柔軟性が前記起立部の柔軟性に比して極
めて大きくし、係合頭部がより微細となって相手方の微
細な繊維パイルとの係合のしやすさを確保すると同時
に、起立部の横断方向の肉厚が係合頭部の横断方向の肉
厚に対して相対的に大きくなることをも意味し、係合時
における押圧力による係合素子の倒伏を防止して、更に
係合のしやすさを向上させる。
【0018】そして、前記切欠部の形成部位は一律では
なく、多様な部位とすることが可能であり、またその形
成箇所も1箇所に限らず複数箇所とすることができる。
通常は、前記切欠部を前記延出方向と直交する横断方向
の一端縁側に形成するが、前記起立部の軸線を挟んで反
対方向に延出する係合頭部の各切欠部を両係合頭部の境
界線を挟んで鏡面対称に配されてもよく、或いは前記起
立部の軸線を挟んで反対方向に延出する係合頭部の各切
欠部を前記軸線に対して点対称に配するようにしてもよ
い。
【0019】更に、前記切欠部を前記係合頭部の延出方
向と直交する横断方向の両端縁側に配してもよく、或い
は前記係合頭部の延出方向と直交する横断方向の中央部
に配されることもある。
【0020】更に本発明にあって、最も好ましい態様に
よれば前記係合頭部の基端側残部の頂部には同頭部の延
出方向に直交し、少なくとも一方向に略水平に膨出する
膨出部が形成されると共に、各頂部の上面が略平坦面を
なしている。
【0021】また、前記係合頭部の延出方向に直交する
肉厚を前記膨出部を含む頂部の同方向における肉厚の5
0〜70%であることが望ましい。即ち、係合頭部の頂
部はその頂部を除く係合頭部の部分から略水平方向に3
0〜50%を膨出させて前記膨出部を形成することが望
ましい。かかる膨出部の存在は、第1にフック状係合頭
部の頂面をほぼ平坦面とすることを可能にし、頂部のチ
クチクする感触を改善させる機能を発揮し、第2に前記
膨出部を含む係合頭部の頂部の使用樹脂量を同一とする
場合に、基板の表面から係合頭部の下面までの高さを変
更させることなく、頂点までの高さを相対的に低くする
ことを可能にする。従って、係合素子の微小化に寄与す
るばかりでなく、基板の表面に凹陥部を形成することな
く同表面を単なる平面とすることをも可能にする。
【0022】更に、上記膨出部の第3の機能は、係合頭
部に係合した相手方のパイル片が、フック状に湾曲する
略同一の太さをもつ従来の係合頭部に単に引っ掛かるだ
けの機能とは異なり、起立部と前記膨出部との間の首部
に巻付いた状態で引っ掛かり、同係合頭部からパイル片
を外れ難くして、係合力を大幅に増加させるが、この膨
出部は、従来の起立部の上端から全方向に延出する傘状
の係合頭部を有するキノコ型係合素子と異なり、起立部
の片側にだけ延在するため、前述のようにパイル片が略
直線上に延びる係合頭部の左右凹欠部に巻付いた状態で
引っ掛かったとしても、剥離方向に力が作用すると、同
係合頭部が弾性的に起立変形すると同時に同パイル片が
摩擦抵抗を受けながら膨出部の周囲を巡って円滑に移動
し、無理なく外れるため、従来の一般的なフック状の係
合頭部に対する離脱力より大きく、且つキノコ状の係合
頭部に較べると小さな離脱力で円滑に離脱するようにな
る。その結果、係合素子及びパイル片の双方に切損を発
生させず、微小な寸法であるにも関わらず所要の係合力
が確保される。
【0023】また、前記膨出部の存在が係合頭部の延出
形態をも変更し得る。即ち、前述のように膨出部の存在
がパイル片との係合力を増加させるため、起立部の上端
から屈曲して延出する略直線状の係合頭部を、従来の一
般的な下方に向けて湾曲して延びる係合頭部のように、
その先端部が基板に向かうまで湾曲させる必要がなくな
り、係合素子の全体形状を略T字状からY字状の範囲で
様々に変更することをも可能にする。このことは、相手
方のパイル片に対する係合頭部の挿入のし易さを向上さ
せることを意味し、その結果、微小な寸法のパイル片、
例えば通常の不織布構造の一部として密生して立ち上が
る単繊維からなる背の低い微細なパイルにも効果的に挿
入を可能にすることを意味する。
【0024】特に微小な寸法を有する単繊維からなる前
記パイルに対しては、本発明の係合頭部の全体を直線状
に形成するとともに前記首部から屈曲して延びる各係合
頭部の上面と水平面とのなす角度θが0°<θ≦35°
の範囲に、また各係合頭部の下面と水平面とのなす角度
θ′が5°≦θ′≦45°の範囲に設定するとよい。
【0025】また同時に、前記係合頭部の先端部におけ
る上下方向の肉厚を基端部における同方向の肉厚の50
〜90%となるように漸減させることは特に有効であ
る。前記傾斜形態とすることは相手方のパイル片との係
合力を確保しようとしても、従来の通常のJ字状形態を
なす係合素子や単純な倒立L字状をなす係合素子の形態
では不可能である。更に本発明では、前記係合頭部或い
は同頭部の少なくとも膨出部を前記基板及び起立部など
の他の部分よりも高剛性に構成することは、相手方係合
片に対する保持力を更に増加させると共に形態を安定に
するためにも最も好ましい態様である。
【0026】また、前記起立部は基板の表面に垂直に立
ち上がり、同起立部における各係合頭部の延出側の各立
上り端面を前記係合頭部の上記各平坦面の略中央部下方
に位置させる場合には、係合素子に対する押圧時におい
て係合頭部が下方から確実に支持され、同頭部の安易な
変形を防止するため好ましい態様である。因みに、この
種の成形面ファスナーは長尺テープ状に連続製造される
ため、これを一旦巻き取って保管したり、その巻き取っ
た状態で搬送したりされるため、基板表面に起立する係
合素子が大きな力で押圧されて変形しやすいが、前述の
ごとく起立部の各係合頭部の延出側の各立上り端面を前
記係合頭部の上記各平坦面の略中央部下方に位置させる
ことにより、前記押圧力にも充分耐えられるようにな
り、形態の変形を起こしにくくする。
【0027】更に、各首部の対向する背面を前記起立部
の上端中心部から離間方向に傾斜して立ち上がらせると
共に、前記首部の各背面間に形成される空間部の底部位
置を各係合頭部の下面基端同士を結ぶ水平面上にほぼ位
置させる場合には、それぞれ単独の各首部は起立部より
も弾性変形がし易いため、相手方のパイル片に対する係
脱を円滑にさせる。
【0028】また、本発明にあっては前記平板状基板の
表面の所定部位に所望数の凹陥部を形成すると共に、前
記係合素子を同凹陥部の底面から上方に立ち上げる場合
には係合頭部の先端下面と起立部の起端(凹陥部の底
面)との間の距離を従来と同一に設定しても、係合頭部
の先端部下端と凹陥部以外の基板の表面との距離は起立
部の基端からの実際の高さと凹陥部の深さとの差に等し
くなり、基板から立設する係合素子の実際の高さが従来
と同一寸法であるにも関わらず、基板表面に突出する見
掛けの高さは凹陥部の底面深さを差し引いた短い寸法と
なる。
【0029】このように基板表面に前記凹嵌部が形成さ
れることは、見掛けの厚さが従来と同様であっても基板
の柔軟性が著しく改善されることになるばかりでなく、
その成形にあたっても成形終了後の面ファスナーを成形
型から引き剥がすときに、基板が無闇に延びたり、或い
は引き裂かれることなく安定して引き剥がすことを可能
にする。その結果、成形後の製品も基板が波打つような
ことがなくなり、実用に十分耐える高品質の製品が得ら
れる。そして、前記凹陥部の底面からの起立部の高さ
が、同底面からの前記係合頭部の先端部頂点の高さの略
1/5〜9/10とする場合には、構造上から首部が存
在して同係合頭部の柔軟性を増すと共に、基板の凹陥部
以外の表面から突出する起立部の部分が比較的低くなる
ため、それだけ起立部の倒伏をしにくくして係合時にお
ける形態を安定化させる。更に、前記凹陥部は相手方パ
イル片が導入可能な幅を有している。
【0030】本発明において、好ましい係合素子の寸法
形態は、特に前記係合頭部の先端部頂点と基板の表面と
の間の長さが0.2〜1.2mm、同係合頭部の起立部
からの延出長さが0.05〜0.7mm、起立部の高さ
が0〜1.0mmである。これらの数値範囲は本発明の
係合対象である微細な形態を有するパイル片(パイル)
に対する係合が確保されるに充分な基本的な数値範囲で
あり、しかも係脱時における剛直感のない範囲でもあ
る。特に、それらの下限値は通常の不織布における最も
微細な形態をもつ繊維パイルであっても確実に係合を可
能にする値である。
【0031】また、前記平坦面の総面積が基板の表面積
の20〜50%、好ましくは32〜40%に設定される
場合には、相手方パイル片との所要の係合率が確保され
ると共に、本発明の面ファスナーを係合頭部側から触れ
たときのとげとげした感じをなくす。ところで、上述の
寸法形態を有する連続成形面ファスナーを、例えば連続
工程により面ファスナーを紙おむつ等に取り付ける場
合、連続して移送されてくる長尺の成形面ファスナーは
所要の長さに順次切断され、同切断片は周面の一部内壁
面に固定吸引部を備えたサクションロールによりその係
合素子の起立面が吸引されて同ロールの回転に伴って周
回移動し、その切断片の周回方向に直交して配された移
送路を移送されてくる紙おむつ本体の所定部位に移され
て紙おむつ本体に順次取り付けられる。従って、切断片
を前記サクションロールの周面に効率的に且つ確実に吸
着して移送する必要があるが、前記基板の表面積に対す
る前記平坦面の総面積が前述のごとく設定される場合に
は、サクションロールに対する吸着が確実なものとな
る。
【0032】これらの成形面ファスナーは以下のように
して連続して製造することが可能である。即ち、押出ノ
ズルから所定の樹脂圧をもって連続的に押出される溶融
樹脂を回転するダイホイールの周面に向けて連続的に導
入し、前記溶融樹脂の一部により前記周面に沿って所定
の肉厚を有する基板を成形すると同時に、前記溶融樹脂
の残部をもってダイホイールの周面に形成された多数の
係合素子素材成形用キャビティに順次充填し、前記平板
状基板に係合素子素材を一体成形して中間製品たる一次
成形面ファスナーを連続的に成形する。前記係合素子成
形用キャビティは、通常、屈曲角度が90°〜180°
をなす略Y字状に屈曲しており、後述する加熱押圧手段
による係合頭部に対する押圧力を付与することにより前
記屈曲角度を減少させると共に膨出部を形成して、本発
明の上記形態を有する係合素子が得られる。
【0033】ここで、本発明にあっては前記係合素子素
材成形用のキャビティ形態に特徴を有している。その形
態は、単純なY字形態をなしているものではなく、側面
から見るとY字形態をなしているが、係合頭部素材が成
形される側である上面から見ると、起立部に続く係合頭
部の成形部分の横断方向の一部が先端にかけてキャビテ
ィを欠落させている。この欠落部は、多様な形成部位と
個数に変更される上述の切欠部を有する係合頭部の各先
端部を成形する。
【0034】本発明の面ファスナーの素材をなす一次形
態を有する前記一次面ファスナーはダイホイールの略半
周面を周回する間に、ダイホイールの内部からの水冷手
段やその他の冷却手段により積極的に冷却されて固化が
促進される。この急冷操作は、一次面ファスナーの結晶
化が進まない間に固化させるためであり、その結果、基
板及び係合素子の全体を柔軟性に富んだものとする。従
って、柔軟性が要求される肌着、紙おむつ、病人用簡易
衣料などの係着具として更に好適なものとなる。
【0035】この固化が終了した基板を引取ローラによ
り引き取るとき、上記係合素子素材成形用キャビティ内
で成形され冷却固化した各係合素子は同キャビティから
直線状に弾性的に変形しながらスムースに引き抜かれ
る。特に、本発明の成形面ファスナーにおける係合素子
素材の各首部の対向する背面を、上述のごとく起立部の
上端中心部から離間方向に傾斜して立ち上がらせる場合
には、首部から延出する係合頭部の前後肉厚が起立部の
同方向の肉厚の略2/3〜1/2以下と細くなるととも
に、その延出方向に直交する横断方向の左右肉厚も一部
が切り欠かかれている分だけ、同方向の起立部の肉厚が
同様に小さくなるため、係合素子を前記キャビティから
更に引き抜きやすくしている。
【0036】こうして成形された一次面ファスナーは、
続く加熱押圧手段を通り前記係合頭部の基部及び先端部
を含めて、その頂部を加熱押圧手段により加熱すると同
時に押圧し、その係合頭部及び首部の部分を僅かに前傾
させる。本発明は、この形態であってもよいが、好まし
くは前記加熱押圧時において前記係合頭部の頂部を軟化
させ、係合頭部の頂部の上面を略平坦面に変形させると
共に同係合頭部の切欠残部を左右方向に拡幅して膨出部
を形成して、平板状の基板表面に上記形態を有する係合
素子が多数起立した本発明の最終製品としての成形面フ
ァスナーを製造する。
【0037】ここで、前記製造例において重要なこと
は、前記加熱押圧手段を通過した上記成形面ファスナー
は格別の冷却手段によって積極的に冷却することをせ
ず、常温で徐冷してから巻き取って製造を終了させるこ
とである。加熱されて軟化変形した係合頭部の頂部を徐
冷固化することにより、同加熱部分における結晶化が進
み、係合頭部とその近傍の加熱部分は起立部に較べて剛
性が高くなる。このときの加熱域、加熱時間及び加熱温
度は、係合素子の寸法や変更形態に応じて適当に制御が
可能である。
【0038】こうして、急冷固化されて結晶化が進まず
優れた柔軟性をもつ一次面ファスナーの基板部分と係合
素子部分とからなる成形面ファスナー素材にあって、前
記係合頭部の部分が他の部分よりも剛性を高め、例えば
係合素子が微小な寸法で極めて柔軟性の高い成形面ファ
スナーであっても、その係合頭部の特に先端部の剛性が
確保されることになり、曲げ強さを向上させて、剪断方
向の抗力は当然のこととして、所要の係合強度及び剥離
強度をもつ本発明の成形面ファスナーが得られる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図示実施例に基づいて具体的に説明する。図1は本発
明の代表的な係合素子の第1実施例である成形面ファス
ナーの一部平面図、図2は同側面図、図3は同係合素子
の形態を示す斜視図である。
【0040】これらの図において、平板状基板1の一表
面には垂直に立ち上がる起立部21の上端から2個に分
岐した首部22を介して緩傾斜して反対方向に立ち上が
りながら直線的に延出する2個の係合頭部23を有する
係合素子2が一体に成形されている。本実施例にあって
は、2個一対の前記係合頭部23は正反対の方向に延出
している例を挙げているが、単一の起立部から多方向に
延出する前記係合頭部の個数は3個以上の場合もあり、
その係合頭部23の延出方向は放射状に拡がる方向に設
定することが、係合素子2の係合方向が特定されないた
め望ましい。
【0041】さて、本実施例では前記係合素子2が形成
される上記基板1の表面部分には、係合素子2が並ぶ方
向に連続する直線状の凹陥部1aが形成され、その凹陥
部1aの底面から所定のピッチで多数の係合素子2がそ
の起立部21を垂直にして起立している。前記凹陥部1
aの側壁と各起立部21の端面は一体となっており、結
果として一列に並んだ各起立部21の間に凹陥部1aが
形成されていることになる。また、図示例によれば前記
同一方向に直線状に並んで係合素子列が形成され、その
係合素子列が多数並列して成形される。前記凹嵌部1a
は前述の形状に限定されるものではなく、係合素子列方
向の凹嵌部1aが互いに完全に独立していてもよい。更
に、同凹嵌部1aを基板1の表面に千鳥状に配すること
もある。
【0042】かかる基本構造を有する本実施例の面ファ
スナーSFでは、図7に拡大して示すごとく係合頭部2
3の先端部頂点Oと起立部21の起端(凹陥部1aの底
面)との間の距離H1 に対し、係合頭部23の先端部頂
点Oと基板1の凹陥部1aを除く表面との距離H1′は実
質的な係合素子2の高さに関係する前記距離H1 と凹陥
部1aの深さd1 との差に等しくなり、基板1から立設
される係合素子2の実際の高さH1 は従来と同一寸法を
有するにも関わらず、基板表面に突出する見掛けの高さ
H1′は凹陥部1aの底面深さd1 を差し引いた短い寸法
となる。このように基板表面に前記凹陥部1aが形成さ
れることは、見掛けの厚さが従来と同様であっても基板
1の柔軟性が著しく改善されることになるばかりでな
く、その成形にあたっても成形終了後の面ファスナーS
Fを成形型から引き剥がすときに、基板1が無闇に伸延
したり、或いは引き裂かれることなく安定して引き剥が
すことを可能にする。その結果、成形後の製品も基板1
が波打つようなことがなくなり、実用に十分耐える高品
質の製品が得られる。
【0043】また、上述の構成を備えた本実施例の面フ
ァスナーSFの係合素子2と図示せぬ相手方のパイル片
とが係合するとき、パイル片の先端は凹陥部1aに導か
れて係合頭部23の下方に廻り込み、係合素子2の起立
部21の起端部まで案内され、係合頭部23がパイル片
に円滑に挿入されるため、パイル片との係合のし易さは
従来の単なる平坦面を有する基板から立ち上がる係合素
子と何ら差異がない。
【0044】かかる係合素子2にあって、本発明におけ
る第1の特徴をなす構成部分は、図1及び図3に示すよ
うに前記係合頭部23の頂部23aを上面から見たと
き、同係合頭部23の首部側の基部に略2/3の残部を
残した先端部23cにおいて、その延出方向を横断する
略1/2の部分が欠落して切欠部23bとされている点
にある。しかも、図示例では単一の起立部21から首部
22を介して逆方向に延出する前後一対の係合頭部23
の各切欠部23bが、前記起立部21の中心軸線を挟ん
で点対称に形成されている。
【0045】勿論、本発明の係合素子2における前記切
欠部23bの形状、大きさ、形成位置などは適宜変更し
得るものである。因みに、図4に示す変形例によれば、
単一の起立部21から首部22を介して逆方向に延出す
る前後一対の係合頭部23の各切欠部23bは、前記起
立部21から分岐して立ち上がる首部22の分岐線に関
して鏡面対称の位置関係に形成されている。また、係合
頭部23に形成される前記切欠部23bの数も1個に限
らず、2個以上であってもよい。図5は前記切欠部23
bが係合頭部23の延出方向を横断する幅方向の左右両
端縁部を、それぞれ1/3づつ欠落させて形成された例
であり、この場合には係合頭部23の先端部は1/3が
幅方向の中央に残ることになる。
【0046】図6は、更にそれらの変形例を示してお
り、同図によれば前記切欠部23bが係合頭部23の幅
方向の先端部中央に形成されている。このように、本発
明における前記切欠部23bは多様な変形が可能である
ことが理解できよう。
【0047】本発明にあって、係合頭部23の一部に前
述のような切欠部23bを形成することは、例えば相手
方のパイル片と最初に係合する係合頭部23の先端部の
幅寸法が従来の微細な寸法と同一寸法であると仮定する
と、その起立部21、首部22及び係合頭部23の幅方
向の肉厚は従来の略2〜3倍となり、上面からの押圧力
に対しても極めて倒伏しにくくなり、単一の起立部21
からそれぞれ首部22を介して多方向に分岐して直線的
に延出する複数の係合頭部23をもつ本発明の係合素子
形態と相まって、相手方のパイル片に対する係合のしや
すさが増大する。
【0048】すなわち、前述のごとく単一の起立部21
から分岐する複数の係合頭部23を有する係合素子2に
あって、相手方の係合素子であるパイル片との係合態様
には2通りがある。その1は前記パイル片が単一の起立
部21から分岐して延出する単一の係合頭部23と係合
する場合であり、その2はパイル片が単一の起立部21
から分岐して延出する複数の係合頭部23と係合する場
合である。そして、実際の係合時には、前記2つの態様
が混在しており、このときの剥離力及び係合力は、後者
の係合態様に依存する。しかして、本発明の係合素子2
にあっては、いずれの係合態様によっても相手方のパイ
ル片と一たび係合すると、起立部21及び首部22の太
さが係合頭部23の先端部分と比較すると十分に太くな
るため、剪断方向の力に対しては極めて強力な抵抗力を
もつことになる。
【0049】更に、本発明の第2の特徴は、前記係合頭
部23の頂部23aの先端部分を残して大部分が平坦面
Pに形成されることにある。図示例では、その平坦面P
の外郭は卵形をなしている。勿論、この平坦面Pの外郭
形状は前記卵形に限定されるものではなく、例えば矩形
の2個の長辺部分にそれぞれ半長円の長径部分が密接し
た外郭形状や、その類似する形状が挙げられる。この平
坦面Pの総面積は基板1の表面積の20〜50%とする
ことが望ましい。また、前記係合素子2にあって、図
2、図3、図5及び図6に示すように係合頭部23の前
記平坦面Pの部分が幅方向の左右に膨出して膨出部23
a′を形成していることが理解されよう。
【0050】前記平坦面Pとともに、この膨出部23
a′を備えることが本発明の重要な構成部分をなしてい
る。本発明にあって、同膨出部23a′は係合頭部23
の延出方向に直交する肉厚W1 を前記膨出部23a′を
含む前記頂部23aの同方向における肉厚W2 の50〜
70%とすることが望ましい。
【0051】更に、本発明における係合素子2の第3の
特徴をなす構成部分は、上記起立部21から首部22を
介して屈曲して直線的に延出する係合頭部23の側面か
ら見た形態にある。即ち、図7において同係合頭部23
は、その延出基端0′から先端部にかけて上下方向の肉
厚Tを漸次減少させている。そして、この減少率ΔTは
10〜50%であることが好ましい。また、本実施例に
よる首部22から屈曲して延びる各係合頭部23の平坦
面Pと水平面とのなす角度θを0<θ≦35°とし、各
係合頭部23の下面と水平面とのなす角度θ′を5≦
θ′≦45°とすることで、係合頭部の全体が僅かに上
方に傾斜して立ち上がり、直線的に延出していることに
なる。しかも、係合頭部23の上記平坦面Pの傾斜角度
θは同頭部23下面の傾斜角度θ′に比べて相対的に僅
かに小さな値に設定される。このことは、相手方のパイ
ル片が丈が低く微細な形態であっても、同パイル片の中
に侵入しやすくなると共に同パイル片が係合頭部23の
基端部まで円滑に移行させることを可能にすることを意
味する。
【0052】そして、上記実施例による首部22の一部
を含む係合頭部23の全体、或いは少なくとも上記膨出
部23a′を含む頂部23aを、後述するように前記平
板状基板1及び起立部21と比較してより高剛性に構成
して、形態の安定性と相手方パイル片に対する保持力と
をより高めるようにしている。また、前記起立部21の
形態を基板1の表面から垂直に立ち上がせるようにする
と共に、同起立部21における2個の各係合頭部23の
延出側の各立上り端面(側面)の位置を、前記係合頭部
23の平坦面Pの略中央部下方に位置させている。これ
は、基板1の表面に起立する係合素子2の頂部23aに
上方から大きな押圧力がかかったときにも、前述のごと
く起立部21の各係合頭部23の延出側の各立上り端面
を前記係合頭部23の上記各平坦面Pの略中央部下方に
位置させることにより、前記押圧力にも充分耐えられる
ようになり、形態の変形を起こしにくくする。
【0053】更に、上記実施例では2個の各首部22の
相対する背面22aを前記起立部21の上端中心部から
離間方向に傾斜して立ち上げている。図示例では、2個
の首部22の各背面22aにより形成される空間形状が
略V字状をなしているが、例えば略U字状やその類似形
状に形成することもある。そして、前記首部22の各背
面22a間に形成される空間部の底部位置は適宜決める
ことができるが、好ましくは各係合頭部23の下面基端
同士を結ぶ水平面を挟んだ僅かに上方または下方に存在
するような位置に設定する。このように、前記空間部を
深く形成することにより首部22の弾性変形を容易にさ
せることができ、特に相手方パイル片との離脱時におけ
る円滑な操作が確保される。
【0054】図7において、本発明における上記係合素
子2は、その係合頭部23の先端部23cの頂点Oと基
板1の表面との間の高さH1′が0.2〜1.2mm、
同係合頭部23の起立部21からの延出長さL1 が0.
05〜0.7mm、起立部21の高さH2 が0〜1.0
mmである。ここで、前記起立部21の高さH2 は基板
1の表面に形成される凹陥部1aを除く表面から係合頭
部23の先端部頂点Oまでの寸法をいい、基板1が前記
凹陥部1aを有する場合には、前記起立部21の高さH
2 が0mmのとき凹陥部1aの内部に同凹陥部1aの深
さd1 に相当する起立部21が存在することになる。ま
た、基板1に凹陥部1aが形成されていない場合には、
前記起立部21の高さH2 が0mmとは前記起立部21
は全く存在せず、基板1の表面から複数個の首部22を
介して複数個の係合頭部23が緩傾斜で直接立ち上がっ
ていることになる。
【0055】図1〜図3に示した代表的な本発明の係合
素子2の具体的な寸法について述べると、係合頭部23
の先端部頂点Oと基板1の表面との間の高さH1′が
0.297mm(凹陥部1aの底面からの高さH1は
0.348mm)、同係合頭部23の起立部21からの
延出長さL1 が0.152mm、起立部21の基板表面
からの高さH2 が0.125mmである。そして、係合
頭部23に形成される上記切欠部23bの幅W3 の寸法
は0.17mm、先端部23cの突出方向の長さL3 は
0.076mmである。また、前記係合頭部23の平坦
面Pの上記傾斜角θは13.3°、下端面の傾斜角度
θ′は13.6°であり、膨出部23a′を含む頂部2
3aの基端部における左右肉厚W2 は0.526mm、
起立部21、首部22及び頂部23aを除く係合頭部2
3の同方向の各肉厚W1 は0.30mm、左右膨出部2
3a′の各膨出長さL2 は0.044mm、係合頭部2
3の上記平坦面Pの総面積は基板1の表面積の35%で
あって、係合素子21の密度は140〜150個/cm
2 である。これらの数値は最も好適な例を示すものであ
るに過ぎず、その値は相手方のパイル片との関係におい
て多様に変更され得るものであって、前記数値に限定さ
れないことは当然である。
【0056】上記膨出部23a′の存在は、従来の単純
な倒立J字状、L字状或いはT字状の係合素子には期待
できなかった以下の様々な有用な機能を生み出す。その
機能の一つに、係合頭部23の頂面を既述したとおりほ
ぼ平坦面Pとすることを可能にし、頂部23aのチクチ
クする感触を改善させる機能を発揮する。
【0057】その2は、前記膨出部23a′を含む係合
頭部23の頂部23aの使用樹脂量が同一である場合
に、基板1の表面から係合頭部23の下面までの高さを
変更させることなく、頂点までの高さを相対的に低くす
ることを可能にする。従って、係合素子2の微小化に寄
与するばかりでなく、図1〜図3に示すように基板1の
表面に凹陥部1aを形成することなしに、同表面を単な
る平坦面とすることをも可能にする。
【0058】その機能の3として、前記膨出部23a′
の存在は係合頭部23に係合した相手方のパイル片が、
フック状に湾曲する略同一の太さをもつ従来の係合頭部
に単に引っ掛かるだけの機能とは異なり、起立部21の
上端部と前記膨出部23a′との間に形成される首部2
2に巻付いた状態で引っ掛かり、同係合頭部23から相
手方パイル片を外れ難くして、係合力を大幅に増加させ
る。しかも、この膨出部23a′は、従来の起立部の上
端から全方向に延出する傘状の係合頭部を有するキノコ
型係合素子と異なり、係合頭部が起立部21から分岐し
て放射状に延在するため、図示例において前述のように
パイル片が略直線上に延びる各係合頭部23の首部22
に巻付いた状態で引っ掛かったとしても、剥離方向に力
が作用すると、同係合頭部23が首部22を介して弾性
的に起立変形すると同時に前記パイル片が僅かな摩擦抵
抗を受けながら膨出部23a′の周囲を巡って円滑に移
動し、無理なく外れるため、従来の単純な形状からなる
上記係合頭部に対する離脱力より充分に大きく、且つキ
ノコ状の係合頭部に較べると小さな離脱力で円滑に離脱
するようになる。その結果、係合素子2及びパイル片の
双方に切損を発生させず、微小な寸法であるにも関わら
ず所要の係合力が確保される。
【0059】更に、驚くべきことに前記膨出部23a′
が係合頭部の延出形態をも既述したごとく変更し得るよ
うにしたことにある。即ち、前述のように膨出部23
a′の存在がパイル片との係合力を増加させるため、起
立部21の上端から屈曲して緩やかに上傾斜しながら直
線的に延出する係合頭部23とすることを可能にする。
このことは、相手方のパイル片に対する係合頭部23の
挿入のし易さを向上させることを意味し、その結果、微
小な寸法のパイル片、例えば通常の不織布構造の一部と
して密生して立ち上がる単繊維からなる背の低い微小な
パイルにも効果的に挿入を可能にすることを意味する。
【0060】なお、上記実施例では同列にある各係合素
子2と隣合う列に配される係合素子2とを真横にくるよ
うに配置しているが、列間の係合素子2の配列は、例え
ば千鳥状に配置することも可能であり、この場合には平
板状基材1の係合素子列に直交する方向の亀裂が確実に
防止される。
【0061】こうした構成を有する本発明の成形面ファ
スナーは、上記米国特許第4,984,339号明細
書、米国特許第5,441,687号明細書などに開示
されている装置を利用することによって連続的に製造す
ることが可能である。
【0062】図8は本発明の上記面ファスナーSFを連
続成形するための製造機の概略構成の一例を示してい
る。この図中、符号6は射出ノズルであり、該ノズル6
の先端の曲面は後述するダイホイール5と略同一の曲率
をもつ円弧面6aを有し、同射出ノズル6は前記ダイホ
イール5の曲面に対して成形しようとする上記基板1の
肉厚に相当する間隙を形成して対設されている。この射
出ノズル6はT形ダイからなり、先端円弧面の中央部に
形成された樹脂射出口6cからは所定の樹指圧と一定の
流量をもって溶融樹脂4がシート状に連続的に射出され
る。本実施例によれば、射出ノズル6は中央に1個の溶
融樹脂流路6bを有している。
【0063】前記ダイホイール5の基本構造は上記米国
特許明細書に開示された構造に僅かな変更を加えたもの
であるため、ここではその構造について簡単な説明に止
める。前記ダイホイール5は内部冷却手段である水冷ジ
ャケット7aを有する中空ドラム状をなしており、その
軸線に沿って多数のドーナッツ状板材が積層固定されて
図8に示すごときダイホイール5を構成し、その周面が
成形面ファスナーSFの一部成形面としての機能を有し
ており、上述のように上記射出ノズル6の先端円弧面6
aとの間に上記間隙をもたせると共に、ダイホイール5
の軸線を前記射出口6cに平行に設置している。上記係
合素子2を成形するために、前記ダイホイール5の周面
にはダイホイール内部で略Y字状に屈曲する多数の係合
素子素材成形用キャビティ51からなる複数の列が回転
軸線方向に沿って所定の間隔をおいて形成されている。
その各キャビティ51の列間には周方向に沿って図示せ
ぬリング状の凹溝部が形成されている。この凹溝部は前
記起立部21及び係合頭部23の側面に存在する基板1
の上面の一部を成形するためのキャビティを構成する。
【0064】前記係合素子素材成形用キャビティ51の
構成例を図9に示す。同図に示す例では、2枚のドーナ
ッツ状板材5a,5bの周面にそれぞれ略Y字状の切り
欠き51a,51bが形成されている。ただし、それぞ
れの切り欠き51a,51bは左右が対称に配される
が、同一形状を呈している。その形状は、略Y字状をな
しているが、その一方の分岐枝部分51b′の先端部が
他の分岐枝部分51a′よりも短く設定された形状とさ
れている。これらの形状をもつ2枚のドーナッツ状板材
5a,5bの軸線を一致させるとともに、前記切り欠き
51a,51bの根幹部分51″,51″を一致させ、
前記分岐枝部分51a′及び51b′が互いに向かい合
うように重ね合わせ、その表裏両面にそれぞれ図示せぬ
切り欠きが形成されていない別のドーナッツ状板材を重
ねて、係合素子素材成形用キャビティ51を形成する。
図10に、かかる形状を有する係合素子素材成形用キャ
ビティ51により成形される係合素子素材2′の形態を
示す。かかる形態をもつ係合素子素材2′に後述する加
熱押圧工程を通すと、図1〜図3に示した形態を備えた
本発明の係合素子2が得られる。
【0065】図9に示す例では、前記分岐枝部分51
a′及び51b′の傾斜角度を同一としている例である
が、前記分岐枝部分51a′及び51b′の傾斜角度を
異ならせてもよい。すなわち、分岐枝部分51a′より
も短く設定された一方の分岐枝部分51b′の立ち上が
り傾斜角度を、分岐枝部分51a′のそれよりも急傾斜
とするとともに、同分岐枝部分51a′の先端部の空間
を僅かに大きく設定する。こうした形状の係合素子素材
成形用キャビティ51からは、図11に示すような形態
の係合素子素材2′が成形される。図12は、図11に
示す形態を有する係合素子素材2′に前記加熱押圧工程
を通したときに得られる係合素子2の形態を示す。
【0066】図1〜図3に示した形態の係合素子2と、
図12に示した形態の係合素子2とを比較すると、後者
の膨出部23a′の方が前者のそれよりも大きく膨出し
ていることが理解できる。このように、係合頭部23に
形成される切欠部23b及び膨出部23a′は前記係合
素子素材成形用キャビティ51の形状を変更することに
より、多様に変更することが可能である。
【0067】上述の構成を備えたダイホイール5は、図
示せぬ公知の駆動装置により図8に矢印で示す方向に駆
動回転する。前記ダイホイール5の下方に冷却水槽7b
が設置されており、前記ダイホイール5の略下半部が同
冷却水槽7bの内部に浸漬されている。この冷却水槽7
bの上斜め前方には前後一対の引取ロール10,11が
設置されると共に、成形される本発明の最終製品である
成形面ファスナーSFの素材をなす一次成形面ファスナ
ーSF′の耳部を切除するための切断手段を備えた図示
せぬトリミング装置が設置されている。また、同トリミ
ング装置の前方には、上記係合頭部23の膨出部23
a′を形成するための上下一対のロール9a,9bが設
置されている。
【0068】上部ロール9aは内部に図示せぬ加熱源を
有し、その表面温度は使用樹脂材料が軟化する温度に設
定されている。また、同上部ロール9aの周面の下端
は、前記一次面ファスナーSF′の係合頭部23′が通
過する平面より僅かに低い位置となるように配されてい
る。このときの位置設定は、本発明に係る上記係合素子
2の係合頭部23における頂部23aから左右に膨出す
る膨出部23a′の予定寸法により決まる。一方、前記
上部ロール9aの下方に対向して配される前記下部ロー
ル9bの上面は前記一次面ファスナーSF′の基板1の
下面が移動する平面上に位置して設置される。前記上部
ロール9aの軸支位置は図示せぬ高さ調整手段により調
整が可能とされており、また同加熱ロール9aの加熱温
度も樹脂の材質により適宜調整が可能とされている。こ
れらの上下ロール9a,9bは同調して積極的に駆動回
転させてもよいが、少なくとも上部ロール9aは図示せ
ぬ電動モータ等の駆動源と連結され駆動回転する。ま
た、前記下部ロール9bに代えて上面が摩擦の少ない平
滑な面を有する台板であってもよい。
【0069】以上の構成を備えた成形面ファスナーの製
造機によって本発明の面ファスナーSFを成形するに
は、射出ノズル6から所定の樹指圧をもって連続的に射
出される溶融樹脂4を回転するダイホイール5との間に
形成された間隙に連続的に導入すると、前記溶融樹脂4
の一部が前記間隙を充填させて基板1を成形すると同時
に、ダイホイール5の周面に形成された上記係合素子素
材用キャビティ51に順次充填され、前記ダイホイール
5の回転と共に基板1の表面に多数の係合素子素材2′
が一体に成形された一次成形面ファスナーSF′を連続
的に成形する。
【0070】ダイホイール5の周面で本発明の面ファス
ナーSFの素材をなす一次形態を有する一次面ファスナ
ーSF′がダイホイール5の略半周面をガイドロール1
3により案内されて周回し、その間に一次面ファスナー
SF′はダイホイール5の内部から水冷ジャケット7a
により積極的に冷却されると同時に、低温(略15℃)
の冷却水が循環する冷却水槽7bの内部を通過して急激
に冷却されて固化が促進される。この急激な冷却によ
り、一次面ファスナーSF′の結晶が進まない間に固化
されるため、基板1及び係合素子2の全体が柔軟性に富
んだものとなる。
【0071】この固化が終了した基板1を引取ローラ1
0,11により引き取るとき、略Y字状をなす上記係合
素子素材用キャビティ51内で成形され冷却固化した各
係合素子素材2′は同キャビティ51から直線状に弾性
変形しながらスムースに引き抜かれる。このとき、同係
合素子素材2′は原形に戻ろうとするが完全には復元さ
れず、その係合頭部23′の形態は上記係合素子素材用
キャビティ51の略Y字状より起立部21′から屈曲す
る係合頭部23′の屈曲角度が僅かに立ち上がった形状
となる。
【0072】本発明の成形面ファスナーSFの中間製で
ある一次面ファスナーSF′を前記ダイホイール5から
引き剥がすために、上述のごとく同調して反対方向に回
転する上下一対の引取ロール10,11が使われる。こ
の引取ローラ10,11の周面は平滑面であってもよい
が、その周面に軟質ウレタンなどからなる弾性層を形成
すれば係合素子2を妄りに損傷させることがないため好
都合である。
【0073】こうして成形された一次面ファスナーS
F′は、図示せぬトリミング装置により幅方向の左右に
存在する耳部が切除されたのち、上下ロール9a,9b
の間を通過する。このロール9a,9bの間を通過する
とき、係合素子2の係合頭部23′の頂点は上部加熱ロ
ール9aにより加熱されると同時に加圧されるため、そ
の基端から先端部にかけて多少前方に倒伏すると同時に
その頂点から軟化しながら変形し、頂面が略平坦面Pと
なると共に左右方向に拡幅された膨出部23a′が形成
され、本発明の係合素子2の形態が得られる。前記頂部
平坦面Pは、成形条件によっては以後の冷却によって僅
かに中央が凹んだ形態となる場合もある。
【0074】前記上下ロール9a,9bの間を通過した
本発明に係る成形面ファスナーSFには格別の冷却手段
を適用せず、常温で徐冷したのち巻き取って製造を終了
する。このとき、係合素子2の頂部を加熱により軟化さ
せると同時に押圧して上述の如く頂面が略平坦で且つ左
右に膨出部23a′を有する形態の係合素子2を急冷す
ることなく徐冷することに重要な意味がある。即ち、加
熱されて軟化状態とされ、押圧により変形された係合頭
部23の頂部23aは、徐々に冷却固化されることによ
り同加熱部分における結晶化が進み、係合頭部23の剛
性が起立部21や基板1のそれよりも高くなる。
【0075】このことは、急冷固化により優れた柔軟性
を備えた一次面ファスナーSF′の基板1と係合素子2
のうち、前記係合頭部23だけが他の部分よりも剛性が
高くなるため、例えば微小な寸法で極めて柔軟性の高い
成形面ファスナーSFの係合素子2であっても、その係
合頭部23の剛性が確保されることにより、相手方パイ
ル片に対する剥離方向の保持力が確保されることを意味
する。本発明のように柔軟性と微小な係合素子形態との
両特性をもつ成形面ファスナーSFにあっても、感触に
優れ、所要の係合力も確保された極めて形態の安定した
ものとなり、しかも数回の繰り返し使用にも十分に耐え
得る高品質の製品となる。
【0076】以上の説明では、本発明の係合素子2が逆
方向に分岐して延出する2個の係合頭部23をもつ形態
例を挙げているが、前記係合頭部23の分岐して延出す
る数は2個に限定されずに、例えば図13に示すごとく
単一の起立部21から4個の係合頭部23が十字架状に
分岐して延出した形態を採ることもある。
【0077】
【発明の効果】以上、詳細に説明した如く本発明の上記
形態を有する微細な寸法形態の係合素子をもつ成形面フ
ァスナーによれば、各係合素子の単一の起立部から分岐
する複数の首部を介して多方向に延出する複数の各係合
頭部が、先端部に切欠部を有しているため、先端部は他
の部分よりも更に微細化され、相手方のパイル片が例え
ば通常の不織布表面に表出する微小なパイル片であって
も、同パイル内に進入しやすくなり、一方で前記係合頭
部の先端部が微小化しても、他の部分は相対的に所要の
強度を確保するに十分な寸法を有することになるため、
係合素子全体としての倒伏をしにくくしている。
【0078】更に、本発明にあっては、前記係合頭部の
頂面がほぼ平坦に形成されその各頂部が左右に膨出して
いると共に、各係合頭部の上下肉厚が先端に向けて漸減
した特有な形態をもつため、係合頭部の感触が向上し、
また同係合頭部の起立部に対する屈曲角度を90°以上
に傾斜して立ち上げることができ、この場合には先端に
向けて上下肉厚を漸減させることとが相まって前記係合
頭部が微細な相手方パイル片に侵入しやすくなり、同時
に前記係合頭部の左右に膨出部が形成されているため、
相手方パイル片との係合時に剥離方向の力が作用し始め
ると前記膨出部がパイル片の抜けを阻止するように機能
し、所要の係合保持力で係合するようになる。その結
果、相手方のパイル片が微小なものであっても、形態を
損なうことなく確実に係合保持され、しかも剥離方向の
力が加えられると、同係合頭部が変形しながら首部を剥
離方向に撓ませてパイル片を前記膨出部の周縁に沿って
所要の摩擦力をもって離脱方向に円滑に移動させ、同係
合頭部からパイル片が容易に外すことができるようにな
る。
【0079】即ち、本発明の上記形態を有する係合素子
によれば、手触りに優れるばかりでなく、たとえ微細な
パイル片に対しても係合が確実になされると共に、係合
したパイル片に対して所要の保持力が確保でき、しかも
従来のキノコ型係合素子と異なり、起立部と係合頭部と
の間の首部にパイル片が絡みつく、いわゆる首吊り状態
が発生せず、従ってパイル片及び係合素子が損傷するこ
となく所要の剥離強度を確保しつつ円滑な離脱が可能と
なり、耐久性が増す。
【0080】また、特に成形後に急冷して成形固化され
る一次面ファスナーの係合頭部に加熱押圧手段を適用し
たのち徐冷により固化させて係合頭部の左右膨出部を形
成する場合には、成形面ファスナーの柔軟性が確保され
ると同時に、同係合頭部が他の構成部分よりも剛性が高
くなるため、係合した相手方のパイル片の保持力を更に
優れたものとし、しかも形態の安定性が確保される。
【0081】また、平板状基板の表面積に対する前記係
合頭部の平坦面の総面積の割合を従来の其よりも大きく
設定する場合には、手触りの更なる改善がなされると共
に、本発明の成形面ファスナーをおむつ等に取り付ける
工程において、例えば吸引搬送がより確実に行えるよう
になる。
【0082】更に、前記係合素子の起立部の各係合頭部
の延出側端面を同係合頭部の上記平坦面の略中央部の下
方に位置させる場合には、係合頭部を下方から確実に支
持されるようになり、係合頭部に対する強い押圧力にも
変形せず、相手方パイル片との係合率の低下を招くこと
がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形面ファスナーの第1構造例を
示す部分平面図である。
【図2】同側面図である。
【図3】同部分拡大斜視図である。
【図4】前記成形面ファスナーの第2構造例を示す部分
平面図である。
【図5】同成形面ファスナーの他の係合素子の形状例を
示す斜視図である。
【図6】同成形面ファスナーの更に他の係合素子の形状
例を示す斜視図である。
【図7】前記係合素子の代表的な形状を拡大して示す説
明図である。
【図8】前記成形面ファスナーの製造工程を概略で示す
工程説明図である。
【図9】同成形面ファスナーの係合素子素材を成形する
ためのキャビティ構造を示す部分斜視図である。
【図10】同キャビティにより成形される係合素子素材
の形態例を示す部分斜視図である。
【図11】他の係合素子素材の形態例を示す部分斜視図
である。
【図12】同係合素子素材から得られる係合素子の最終
形態例を示す部分斜視図である。
【図13】更に他の係合素子の最終形態例を示す部分斜
視図である。
【符号の説明】
1 平板状基板 1a 凹陥部 2 係合素子 2′ (一次面ファスナーにおける)係合
素子素材 21 起立部 22 首部 23 係合頭部 23′ (一次面ファスナーにおける)係合
頭部素材 23a 頂部 23a′ 膨出部 23b 切欠部 23c 先端部 5 ダイホイール 5a,5b ドーナッツ状板材 51 係合素子素材用キャビティ 51″ 根幹部分 51a,51b 分岐枝部分 6 押出ノズル 6a 円弧面 6b 樹脂流路 6c 樹脂射出口 7 冷却手段 7a 冷却水ジャケット 7b 冷却水槽 9a 上部加熱ロール 9b 下部ロール 10,11 引取ロール 13 ガイドロール SF 成形面ファスナー SF′ 一次面ファスナー

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状基板(1) の表面に相手方のパイル
    片と係脱する微小な多数の係合素子(2) が一体に成形さ
    れてなる合成樹脂製の一体成形面ファスナーであって、 前記係合素子(2) は単一の起立部(21)と、同起立部(21)
    の上端部から2以上の異なる方向に放射状に分岐して立
    ち上がる首部(22)と、各首部(22)を介して前記起立部(2
    1)からそれぞれが前記異なる方向に屈曲して略直線的に
    延出する係合頭部(23)とを有してなり、 各係合頭部(23)の延出端部が、その延出方向と直交する
    横断方向に切欠部 (23b)を有してなることを特徴とする
    一体成形面ファスナー。
  2. 【請求項2】 前記切欠部 (23b)が前記延出方向と直交
    する横断方向の一端縁側である請求項1記載の一体成形
    面ファスナー。
  3. 【請求項3】 前記起立部(21)の軸線を挟んで反対方向
    に延出する係合頭部(23)の各切欠部 (23b)が前記首部(2
    2)の境界線を挟んで鏡面対称に配されてなる請求項2記
    載の一体成形面ファスナー。
  4. 【請求項4】 前記起立部(21)の軸線を挟んで反対方向
    に延出する係合頭部(23)の各切欠部 (23b)が前記軸線に
    対して点対称に配されてなる請求項2記載の一体成形面
    ファスナー。
  5. 【請求項5】 前記切欠部 (23b)が前記係合頭部(23)の
    延出方向と直交する横断方向の両端縁側に配されてなる
    請求項1記載の一体成形面ファスナー。
  6. 【請求項6】 前記切欠部 (23b)が前記係合頭部(23)の
    延出方向と直交する横断方向の中央部に配されてなる請
    求項1記載の一体成形面ファスナー。
  7. 【請求項7】 前記係合頭部(23)の頂部(23a) には同頭
    部(23)の延出方向に直交し、少なくとも一方向に略水平
    に膨出する膨出部(23a′) が形成されると共に、各頂部
    (23a) の上面が略平坦面をなしている請求項1〜7のい
    ずれかに記載の一体成形面ファスナー。
  8. 【請求項8】 前記係合頭部(23)が前記起立部(21)より
    高剛性に構成されてなる請求項7記載の一体成形面ファ
    スナー。
  9. 【請求項9】 前記係合頭部(23)の少なくとも膨出部(2
    3a′) を含む頂部(23a) が係合素子(2) の他の構成部分
    より高剛性に構成されてなる請求項7記載の一体成形面
    ファスナー。
  10. 【請求項10】前記起立部(21)は基板(1) の表面に垂直
    に立ち上がり、同起立部(21)における各係合頭部(23)の
    延出側の各立上り端面が前記係合頭部(23)の頂部(23a)
    の略中央部下方に位置してなる請求項7記載の一体成形
    面ファスナー。
  11. 【請求項11】各首部(22)の対向する背面(22a) は前記
    起立部(21)の上端中心部から離間方向に傾斜して立ち上
    がってなる請求項7記載の一体成形面ファスナー。
  12. 【請求項12】前記首部(22)の各背面(22a) 間に形成さ
    れる空間部の底部位置が各係合頭部(23)の下面基端同士
    を結ぶ交差部にほぼ位置してなる請求項7記載の一体成
    形面ファスナー。
  13. 【請求項13】前記平板状基板(1) の表面の所定部位に
    所望数の凹陥部(1a)を有し、前記係合素子(2) が同凹陥
    部(1a)の底面から上方に立ち上ってなる請求項1又は7
    記載の一体成形面ファスナー。
  14. 【請求項14】前記凹陥部(1a)は相手方パイル片(3) が
    導入可能な幅を有してなる請求項13記載の一体成形面
    ファスナー。
  15. 【請求項15】前記凹陥部(1a)の底面からの起立部(21)
    の高さが、同底面からの前記係合頭部(23)の先端頂点の
    高さの1/5〜9/10である請求項13記載の一体成
    形面ファスナー。
  16. 【請求項16】前記係合頭部(23)の先端部頂点と基板
    (1) の表面との間の高さが0.2〜1.2mm、各係合
    頭部(23)の起立部(21)からの延出長さ(L) が0.05〜
    0.7mm、起立部(21)の高さが0〜1.0mmである
    請求項7記載の一体成形面ファスナー。
  17. 【請求項17】各頂部(23a) の前記平坦面の総面積が基
    板(1) の表面積の20〜50%である請求項7記載の一
    体成形面ファスナー。
  18. 【請求項18】前記係合頭部(23)の延出方向に直交する
    幅方向の肉厚が前記膨出部(23a′) を含む前記頂部(23
    a) の同方向における肉厚の50〜70%である請求項
    7記載の一体成形面ファスナー。
  19. 【請求項19】前記首部(22)から屈曲して延びる各係合
    頭部(23)の上面と水平面とのなす角度θが0<θ≦35
    °の範囲にあり、各係合頭部(23)の下面と水平面とのな
    す角度θ′が5≦θ′≦45°の範囲にある請求項7記
    載の一体成形面ファスナー。
  20. 【請求項20】前記係合頭部(23)の先端部における上下
    方向の肉厚が基端部における同方向の肉厚の50〜90
    %である請求項7記載の一体成形面ファスナー。
  21. 【請求項21】前記切欠部(23b) が前記係合頭部(23)の
    前記起立部(21)からの延出長さ(L) の略1/2である請
    求項7記載の一体成形面ファスナー。
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