JPH1152243A - 手ぶれ補正機能を有するズームレンズ - Google Patents

手ぶれ補正機能を有するズームレンズ

Info

Publication number
JPH1152243A
JPH1152243A JP21497497A JP21497497A JPH1152243A JP H1152243 A JPH1152243 A JP H1152243A JP 21497497 A JP21497497 A JP 21497497A JP 21497497 A JP21497497 A JP 21497497A JP H1152243 A JPH1152243 A JP H1152243A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
camera shake
group
lens
shake correction
positive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21497497A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Konno
賢治 金野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Minolta Co Ltd filed Critical Minolta Co Ltd
Priority to JP21497497A priority Critical patent/JPH1152243A/ja
Priority to US09/130,266 priority patent/US6081390A/en
Publication of JPH1152243A publication Critical patent/JPH1152243A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lenses (AREA)
  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 手ぶれ補正群の移動量が焦点距離によらずに
一定であり、大きな手ぶれが発生した場合でも良好な光
学性能が得られる、コンパクトで高倍率の手ぶれ補正機
能を有するズームレンズを提供する。 【解決手段】 正・正・負の3成分ズームレンズであっ
て、正レンズと負レンズから成る第1群(Gr1)を手ぶれ
補正群として平行偏心mDさせることにより手ぶれ補正を
行う。さらに、ズーミングにおける焦点距離ごとの手ぶ
れ補正群の移動感度を規定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、手ぶれ補正機能を
有するズームレンズに関するものであり、更に詳しく
は、手ぶれ(例えば、カメラの手持ち撮影時の振動)によ
る像のぶれを防ぐことができる、レンズシャッターカメ
ラに好適な手ぶれ補正機能を有するズームレンズに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、写真撮影の失敗の原因は、その殆
どが手ぶれとピンボケであった。ところが、近年、カメ
ラの殆どにオートフォーカス機構が採用されるようにな
り、また、オートフォーカス機構のピント精度が向上す
るに従って、ピンボケによる写真撮影の失敗は殆ど解消
されている。一方、カメラに標準装備されるレンズは、
単焦点レンズからズームレンズへと移行してきている。
その結果、現在では、写真撮影の失敗の原因は手ぶれに
よるものといっても過言ではなく、そのためズームレン
ズには手ぶれ補正機能が不可欠なものとなってきてい
る。
【0003】このような課題に対して、様々なズームレ
ンズが提案されている。例えば、特開平8−10136
2号公報では、正・負・正・正・負の5成分ズームの第
4群を3つに分割して、真ん中のレンズ群を平行偏心さ
せることによって手ぶれ補正を行うズームレンズが提案
されている。特開平6−265827号公報では、正・
正・負の3成分ズームの第2群を前群と後群とに分け
て、後群を平行偏心させることによって手ぶれ補正を行
うズームレンズが提案されている。特開平7−3188
65号公報では、正・負・正・正・負の5成分ズームの
第4群を平行偏心させることによって手ぶれ補正を行う
ズームレンズが提案されている。特開平6−26585
6号公報では、正・負の2成分ズームの第1群を平行偏
心させることによって手ぶれ補正を行うズームレンズが
提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−101362号公報,特開平6−265827号公
報,特開平7−318865号公報で提案されているズ
ームレンズでは、手ぶれ補正群の移動量が焦点距離によ
って異なるため、ズーミング中に焦点距離を検出して手
ぶれ補正駆動量を計算する手段が必要である。このた
め、コストが高くなるという問題があった。また、特開
平6−265856号公報で提案されているズームレン
ズでは、第1群を平行偏心させているが、2つのズーム
群しかないために2倍程度の変倍しか行うことができ
ず、その結果、更なる高倍率化を達成することができな
いという問題があった。
【0005】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであって、手ぶれ補正群の移動量が焦点距離によ
らずに一定であり、大きな手ぶれが発生した場合でも良
好な光学性能が得られる、コンパクトで高倍率の手ぶれ
補正機能を有するズームレンズを提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明の手ぶれ補正機能を有するズームレンズ
は、少なくとも3つのレンズ群から成り、最も物体側に
位置する第1群が正のパワーを有し、各群の間隔を変化
させることによりズーミングを行うズームレンズであっ
て、少なくとも1枚の正レンズと少なくとも1枚の負レ
ンズとを含む手ぶれ補正群を前記第1群中に有し、その
手ぶれ補正群を平行偏心させることにより手ぶれ補正を
行い、ズーミングにおける任意の位置で以下の条件式を
満足することを特徴とする。 30<f/βr<120 ただし、 f :全系の焦点距離、 βr:手ぶれ補正群よりも像側に位置する全レンズ群の
横倍率 である。
【0007】また、第2の発明の手ぶれ補正機能を有す
るズームレンズは、上記第1の発明の構成において、無
限遠物体から近接物体へのフォーカシングに際し、前記
第1群の像側に隣り合って位置する第2群を物体側に繰
り出すことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施した手ぶれ補
正機能を有するズームレンズを、図面を参照しつつ説明
する。図1〜図4は、第1〜第4の実施の形態のズーム
レンズにそれぞれ対応するレンズ構成図であり、広角端
[W]でのレンズ配置を示している。各レンズ構成図中の
矢印mi(i=1,2,3,...)は、広角端[W]から望遠端[T]へ
のズーミングにおける第i群(Gri)の移動をそれぞれ模式
的に示している。また、各レンズ構成図中、ri(i=1,2,
3,...)が付された面は物体側から数えてi番目の面であ
り、riに*印が付された面は非球面である。di(i=1,2,
3,...)が付された各群間の軸上面間隔は、物体側から数
えてi番目の軸上面間隔のうち、ズーミングにおいて変
化する可変間隔である。なお、図1〜図4中の矢印mDは
手ぶれ補正群の平行偏心(すなわち光軸に対して垂直方
向の移動)を表しており、図2中の矢印mFはフォーカス
群のフォーカス移動を表している。
【0009】第1の実施の形態のズームレンズは、物体
側から順に、正のパワーを有する第1群(Gr1)と、正の
パワーを有する第2群(Gr2)と、負のパワーを有する第
3群(Gr3)と、で構成されている。そして、図1中の矢
印m1〜m3で示すように、広角端[W]から望遠端[T]への
ズーミングに際して、第1群(Gr1)と第2群(Gr2)との間
隔が広くなり、第2群(Gr2)と第3群(Gr3)との間隔が狭
くなるように、各群が移動する。なお、第2群(Gr2)の
最も像側の面と第3群(Gr3)の最も物体側の面との間に
は、第2群(Gr2)と共にズーム移動する絞り(S)が配置さ
れている。
【0010】第2の実施の形態のズームレンズは、物体
側から順に、正のパワーを有する第1群(Gr1)と、正の
パワーを有する第2群(Gr2)と、負のパワーを有する第
3群(Gr3)と、で構成されている。そして、図2中の矢
印m1〜m3で示すように、広角端[W]から望遠端[T]への
ズーミングに際して、第1群(Gr1)と第2群(Gr2)との間
隔が広くなり、第2群(Gr2)と第3群(Gr3)との間隔が狭
くなるように、各群が移動する。なお、第2群(Gr2)中
には、第2群(Gr2)と共にズーム移動する絞り(S)が配置
されている。
【0011】第3の実施の形態のズームレンズは、物体
側から順に、正のパワーを有する第1群(Gr1)と、負の
パワーを有する第2群(Gr2)と、正のパワーを有する第
3群(Gr3)と、負のパワーを有する第4群(Gr4)と、で構
成されている。そして、図3中の矢印m1〜m4で示すよう
に、広角端[W]から望遠端[T]へのズーミングに際し
て、第1群(Gr1)と第2群(Gr2)との間隔が広くなり、第
2群(Gr2)と第3群(Gr3)との間隔が狭くなり、第3群(G
r3)と第4群(Gr4)との間隔が狭くなるように、各群が移
動する。なお、第2群(Gr2)の最も像側の面と第3群(Gr
3)の最も物体側の面との間には、第3群(Gr3)と共にズ
ーム移動する絞り(S)が配置されている。
【0012】第4の実施の形態のズームレンズは、物体
側から順に、正のパワーを有する第1群(Gr1)と、負の
パワーを有する第2群(Gr2)と、正のパワーを有する第
3群(Gr3)と、正のパワーを有する第4群(Gr4)と、負の
パワーを有する第5群(Gr5)と、で構成されている。そ
して、図4中の矢印m1〜m5で示すように、広角端[W]か
ら望遠端[T]へのズーミングに際して、第1群(Gr1)と
第2群(Gr2)との間隔が広くなり、第2群(Gr2)と第3群
(Gr3)との間隔が狭くなり、第4群(Gr4)と第5群(Gr5)
との間隔が狭くなるように、各群が移動する。なお、第
2群(Gr2)の最も像側の面と第3群(Gr3)の最も物体側の
面との間には、第3群(Gr3)と共にズーム移動する絞り
(S)が配置されている。
【0013】第1の実施の形態において、各群は物体側
から順に以下のように構成されている。第1群(Gr1)
は、物体側に凸の負メニスカスレンズと、物体側に凸の
正レンズと、で構成されている。第2群(Gr2)は、両凹
の負レンズと、物体側に凸の正レンズと、物体側に凸の
負メニスカスレンズと、両凸の正レンズと、で構成され
ている。第3群(Gr3)は、像側に凸の正レンズと、物体
側に凹の負レンズと、で構成されている。
【0014】第2の実施の形態において、各群は物体側
から順に以下のように構成されている。第1群(Gr1)
は、物体側に凸の負メニスカスレンズと、物体側に凸の
正レンズと、で構成されている。第2群(Gr2)は、両凹
の負レンズと、物体側に凸の正レンズと、物体側に凸の
負メニスカスレンズと、両凸の正レンズと、で構成され
ている。第3群(Gr3)は、像側に凸の正レンズと、物体
側に凹の負レンズと、で構成されている。
【0015】第3の実施の形態において、各群は物体側
から順に以下のように構成されている。第1群(Gr1)
は、物体側に凸の負メニスカスレンズと、物体側に凸の
正レンズと、で構成されている。第2群(Gr2)は、両凹
の負レンズと、物体側に凸の正レンズと、で構成されて
いる。第3群(Gr3)は、物体側に凸の負メニスカスレン
ズと、両凸の正レンズと、で構成されている。第4群(G
r4)は、像側に凸の正レンズと、物体側に凹の負レンズ
と、で構成されている。
【0016】第4の実施の形態において、各群は物体側
から順に以下のように構成されている。第1群(Gr1)
は、物体側に凸の負メニスカスレンズと、物体側に凸の
正レンズと、で構成されている。第2群(Gr2)は、両凹
の負レンズと、物体側に凸の正レンズと、で構成されて
いる。第3群(Gr3)は、両凸の正レンズと、像側に凹の
負レンズと、で構成されている。第4群(Gr4)は、両凸
の正の接合レンズで構成されている。第5群(Gr5)は、
物体側に凹の正レンズと、物体側に凹の負レンズと、で
構成されている。
【0017】第2の実施の形態では、矢印mF(図2)で示
すように第2群(Gr2)を物体側に移動させることによっ
て、無限遠物体から近接物体へのフォーカシングを行う
構成となっている。このように第2群(Gr2)を繰り出す
フォーカシング方式は、他の実施の形態についても適用
可能となっている。
【0018】第1〜第4の実施の形態は、少なくとも3
つのレンズ群から成り、最も物体側に位置する第1群(G
r1)が正のパワーを有し、各群の間隔を変化させること
によりズーミングを行うズームレンズ構成をとってい
る。少なくとも3つのレンズ群の間隔を変化させること
によってズーミングを行うため、少なくとも2つの変倍
群を有している。この場合、変倍によって生じる収差変
動を2つ以上のレンズ群に分担させることができるの
で、ズーム比を非常に大きくすることができ、高倍率ズ
ームを実現することができる。なお、仮にズーム群が2
つであったならば、変倍群を1つ有することになるが、
1つの変倍群で補正できる収差変動には限りがあるた
め、高倍率ズームを実現することはできない。
【0019】第1〜第4の実施の形態は、第1群(Gr1)
を平行偏心させることにより手ぶれ補正を行う点に一つ
の特徴がある。第1群(Gr1)を手ぶれ補正群として用い
ると、第1群(Gr1)よりも像側に位置する全レンズ群{例
えば、第4の実施の形態では第2群(Gr2)〜第5群(Gr
5)}の横倍率の変化が、全系の焦点距離の変化と等しく
なる。このため、手ぶれ補正感度の変化と、像面での手
ぶれ時の像点移動量の変化と、が等しくなる。つまり、
同じ角度の手ぶれが発生した場合に、手ぶれ補正群が光
軸に対して垂直方向に移動することにより手ぶれ補正を
行う移動量(すなわち平行偏心量)が、ズーミング中の焦
点距離によらずに一定となる。これにより、手ぶれ補正
群の移動量を焦点距離によらずに手ぶれ角度のみによっ
て決定することができる。もし、焦点距離によって手ぶ
れ補正群の移動量が変化するならば、手ぶれ補正の駆動
を行う際に、焦点距離を検出する機構と、焦点距離及び
手ぶれ角度から手ぶれ補正群の移動量を計算する手段
と、が必要になる。このため、機構が複雑になりコスト
が高くなる。
【0020】第1〜第4の実施の形態のように、少なく
とも3つのレンズ群から成り、最も物体側に位置する第
1群(Gr1)が正のパワーを有し、各群の間隔を変化させ
ることによりズーミングを行い、第1群(Gr1)で構成さ
れる手ぶれ補正群を平行偏心させることにより手ぶれ補
正を行うズームレンズ構成(以下「特徴的ズーム構成」
という。)においては、ズーミングにおける任意の位置
で以下の条件式(1)を満足することが望ましい。 30<f/βr<120 …(1) ただし、 f :全系の焦点距離、 βr:手ぶれ補正群よりも像側に位置する全レンズ群の
横倍率 である。
【0021】条件式(1)は、焦点距離ごとの手ぶれ補正
群の移動感度を規定している。条件式(1)の上限を超え
ると、手ぶれ補正群の移動量が大きくなりすぎるため、
手ぶれ補正群のレンズ径を大きくしなければならなくな
る。したがって、光学系が大きくなるという問題が生じ
る。条件式(1)の下限を超えると、手ぶれ補正群の移動
量が小さくなりすぎるため、手ぶれ補正群を駆動させる
時に手ぶれ補正群の位置精度を高精度で制御する必要が
生じる。したがって、高い性能の駆動手段及び位置検出
手段が必要になるため、コストが高くなる。
【0022】以下の条件式(1')は、条件式(1)のなかで
も更に望ましい条件範囲を示している。ズーミングにお
ける任意の位置で条件式(1')を満たす構成とすることに
より、更にコンパクトで製造精度の低い、手ぶれ補正機
能を有するズームレンズを得ることができる。 40<f/βr<80 …(1')
【0023】前記特徴的ズーム構成においては、次の条
件式(2)を満足することが望ましい。 0.1<Bfw/Yim<0.25 …(2) ただし、 Bfw:広角端[W]でのバックフォーカス、 Yim:画面対角長 である。
【0024】条件式(2)は、広角端[W]でのレンズバッ
クと画面対角長との比を規定している。条件式(2)の上
限を超えると、広角端[W]でのバックフォーカスが大き
くなりすぎてしまう。通常、レンズシャッターカメラ
は、携帯時には広角端[W]の状態にある。バックフォー
カスが大きくなると、光学系が光軸方向に大きくなって
全長が増大してしまうので、携帯に不便になる。条件式
(2)の下限を超えると、広角端[W]でのバックフォーカ
スが小さくなりすぎてしまう。バックフォーカスが小さ
くなると、最終レンズから像面までの距離が小さくな
る。その結果、最終レンズの径を広げる必要が生じるた
め、光学系が光軸に対して垂直方向に大きくなる。
【0025】以下の条件式(2')は、条件式(2)のなかで
も更に望ましい条件範囲を示している。条件式(2')を満
たす構成とすることにより、レンズシャッターカメラ用
の光学系として、更にコンパクトな手ぶれ補正機能を有
するズームレンズを得ることができる。 0.13<Bfw/Yim<0.21 …(2')
【0026】前記特徴的ズーム構成においては、次の条
件式(3)を満足することが望ましい。 0.6<Lt/ft<1.0 …(3) ただし、 Lt:望遠端[T]での全長、 ft:望遠端[T]での全系の焦点距離 である。
【0027】条件式(3)は、望遠端[T]での望遠比を規
定している。条件式(3)の上限を超えると、望遠端[T]
での望遠比が大きくなりすぎて、コンパクト性に反する
ことになる。条件式(3)の下限を超えると、望遠端[T]
の全長は小さくなるが、各群のパワーを強くする必要が
生じる。その結果、強いパワーで発生する収差の発生を
抑えることが困難になり、良好な光学性能を得ることが
できなくなる。
【0028】以下の条件式(3')は、条件式(3)のなかで
も更に望ましい条件範囲を示している。条件式(3')を満
たす構成とすることにより、レンズシャッターカメラ用
の光学系として、更にコンパクトで高性能な手ぶれ補正
機能を有するズームレンズを得ることができる。 0.7<Lt/ft<0.8 …(3')
【0029】前記特徴的ズーム構成においては、次の条
件式(4)を満足することが望ましい。 4.0<ft/fw2×Yim<9.0 …(4) ただし、 fw:広角端[W]での全系の焦点距離 である。
【0030】条件式(4)は、ズーム比と広角端焦点距離
との比を規定している。一般に広角端[W]での焦点距離
を大きくするほど、ズーム比の増大とともに高倍率化を
達成することができる。条件式(4)の上限を超えると、
ズーム比が大きくなりすぎるために、カメラが大きくな
ってしまう。条件式(4)の下限を超えると、高倍率化を
達成することができなくなったり、高倍率ではあっても
望遠寄りの焦点距離になったりするため、高倍率のレン
ズシャッターカメラ用の光学系としてはそぐわなくな
る。
【0031】手ぶれ時にレンズを偏心させると軸上横色
収差が発生するが、これを抑えるためには、手ぶれ補正
群が色補正されていることが望ましい。そのためには、
手ぶれ補正群に少なくとも1枚の正レンズと少なくとも
1枚の負レンズとが含まれている必要がある。第1〜第
4の実施の形態では、手ぶれ補正群として使用される第
1群(Gr1)が正レンズと負レンズの各1枚で構成されて
いるため、手ぶれ補正時の軸上横色収差を補正すること
ができる。しかも、色補正に必要な最少枚数のレンズで
手ぶれ補正群が構成されているため、レンズ重量を最小
限に抑えることができて、手ぶれ補正駆動系にかかる負
担が小さくなるというメリットもある。
【0032】上記した観点から、前記特徴的ズーム構成
において、少なくとも1枚の正レンズと少なくとも1枚
の負レンズとを含む手ぶれ補正群を第1群(Gr1)中に有
することが望ましく、更に次の条件式(5)を満足するこ
とが望ましい。条件式(5)を満たすことによって、手ぶ
れ補正時の軸上横色収差の発生を抑えることができる。 νp>νn …(5) ただし、 νp:手ぶれ補正群中の正レンズのアッベ数、 νn:手ぶれ補正群中の負レンズのアッベ数 である。
【0033】手ぶれ補正のためにレンズ群を光軸に対し
て垂直に移動させると、通常状態(偏心前状態)では光
線の通らない所を、手ぶれ補正状態(偏心後状態)では光
線が通ることになる。この光線が有害光線となって、結
像性能を低下させてしまうおそれがある。そのため、手
ぶれ補正群の物体側、手ぶれ補正群中、又は手ぶれ補正
群の像側に固定絞りを設けることによって、手ぶれ補正
時の有害光線を遮断するのが望ましく、これにより、手
ぶれ補正状態においても良好な結像性能を得ることがで
きる。
【0034】なお、第1〜第4の実施の形態を構成して
いる各レンズ群は、入射光線を屈折により偏向させる屈
折型レンズのみで構成されているが、これに限らない。
例えば、回折により入射光線を偏向させる回折型レン
ズ,回折作用と屈折作用との組み合わせで入射光線を偏
向させる屈折・回折ハイブリッド型レンズ等で、各レン
ズ群を構成してもよい。
【0035】
【実施例】以下、本発明に係る手ぶれ補正機能を有する
ズームレンズを、コンストラクションデータ,収差図等
を挙げて、更に具体的に示す。ここで例として挙げる実
施例1〜4は、前述した第1〜第4の実施の形態にそれ
ぞれ対応しており、第1〜第4の実施の形態を表す図1
〜図4は、実施例1〜4の広角端[W]でのレンズ構成を
それぞれ示している。
【0036】各実施例のコンストラクションデータにお
いて、ri(i=1,2,3,...)は物体側から数えてi番目の面の
曲率半径、di(i=1,2,3,...)は物体側から数えてi番目の
軸上面間隔(ここでは偏心前状態について示す。)であ
り、ズーミングによって変化する軸上面間隔(可変間隔)
は、広角端[W]〜中間焦点距離状態[M]〜望遠端[T]で
の各群間の実際の面間隔である。また、Ni(i=1,2,
3,...),νi(i=1,2,3,...)は、物体側から数えてi番目
のレンズのd線に対する屈折率(Nd),アッベ数(νd)
である。各焦点距離状態[W],[M],[T]に対応する全
系の焦点距離f及びFナンバーFNOを、コンストラクシ
ョンデータと併せて示す。
【0037】また、曲率半径riに*印が付された面は、
非球面で構成された面であることを示し、非球面の面形
状を表わす以下の式(AS)で定義されるものとする。非球
面データを各実施例のコンストラクションデータと併せ
て示し、表1〜表4に、各実施例についての条件式の対
応データ及び関連データを示す。 X=(C・Y2)/{1+√(1-ε・Y2・C2)}+Σ(Ai・Yi) …(AS) ただし、式(AS)中、 X :光軸方向の基準面からの変位量、 Y :光軸に対して垂直な方向の高さ、 C :近軸曲率、 ε:2次曲面パラメータ、 Ai:i次の非球面係数 である。
【0038】《実施例1(正・正・負)》
【0039】[第5面(r5)の非球面データ] ε= 1.0000 A4=-0.15537700×10-3 A6= 0.44995300×10-5 A8=-0.34199600×10-6 A10= 0.11214000×10-7 A12=-0.14477500×10-9
【0040】[第8面(r8)の非球面データ] ε= 1.0000 A4= 0.62017400×10-4 A6= 0.82356000×10-5 A8=-0.48991100×10-6 A10= 0.20389700×10-7 A12=-0.31625200×10-9
【0041】[第12面(r12)の非球面データ] ε= 1.0000 A4= 0.71434100×10-4 A6=-0.16501200×10-5 A8= 0.15644200×10-6 A10=-0.58324700×10-8 A12= 0.93172100×10-10
【0042】[第14面(r14)の非球面データ] ε= 1.0000 A4= 0.10155200×10-3 A6=-0.31807400×10-5 A8= 0.38859300×10-7 A10= 0.44125900×10-10 A12=-0.23096100×10-11
【0043】[第15面(r15)の非球面データ] ε= 1.0000 A4= 0.24704400×10-4 A6=-0.28118100×10-5 A8= 0.12278600×10-7 A10= 0.40472500×10-9 A12=-0.41997900×10-11
【0044】《実施例2(正・正・負)》
【0045】[第5面(r5)の非球面データ] ε= 1.0000 A4=-0.10868285×10-4 A6= 0.28910529×10-6 A8= 0.26449104×10-7 A10=-0.42262135×10-8 A12= 0.98849141×10-10
【0046】[第6面(r6)の非球面データ] ε= 1.0000 A4= 0.47587406×10-4 A6= 0.21473903×10-5 A8=-0.68938651×10-7 A10= 0.69010349×10-9 A12=-0.25157101×10−10
【0047】[第13面(r13)の非球面データ] ε= 2.8526 A4= 0.24384073×10-3 A6= 0.26251544×10-6 A8= 0.87235643×10-7 A10=-0.16829451×10-8 A12= 0.29027360×10-10
【0048】[第14面(r14)の非球面データ] ε= 1.0000 A4= 0.73257789×10-4 A6=-0.11587798×10-5 A8= 0.34424973×10-7 A10=-0.40963738×10-9 A12= 0.21782551×10-11
【0049】《実施例3(正・負・正・負)》
【0050】[第5面(r5)の非球面データ] A6=-0.51450836×10-6 A8= 0.19981466×10-7 A10=-0.42076893×10-9 A12= 0.31528363×10-11
【0051】[第13面(r13)の非球面データ] ε= 1.0000 A4= 0.78349313×10-4 A6=-0.56257891×10-6 A8= 0.35836035×10-7 A10=-0.87032562×10-9 A12= 0.72044529×10-11
【0052】[第14面(r14)の非球面データ] ε= 1.0000 A4= 0.38518931×10-4 A6= 0.11771604×10-5 A8=-0.94765437×10-8 A10= 0.19997586×10-10 A12= 0.20006918×10-12
【0053】[第15面(r15)の非球面データ] ε= 1.0000 A4=-0.29989415×10-5 A6= 0.86176806×10-6 A8=-0.93933529×10-9 A10=-0.58262325×10-10 A12= 0.18420759×10−12
【0054】《実施例4(正・負・正・正・負)》
【0055】[第5面(r5)の非球面データ] ε= 1.0000 A4= 0.90376801×10-4 A6= 0.12111685×10-5 A8=-0.85278455×10-7 A10= 0.10017306×10-8 A12= 0.88277917×10-11
【0056】[第12面(r12)の非球面データ] ε= 1.0000 A4=-0.18935486×10-3 A6= 0.10197060×10-4 A8= 0.28822309×10-6 A10=-0.81242791×10-8 A12=-0.46098802×10-9
【0057】[第13面(r13)の非球面データ] ε= 1.0000 A4= 0.33053025×10-3 A6= 0.15173234×10-4 A8= 0.45613634×10-6 A10= 0.17979169×10-7 A12=-0.98890535×10-9
【0058】[第17面(r17)の非球面データ] ε= 1.0000 A4= 0.13997589×10-4 A6=-0.48813118×10-5 A8=-0.85488854×10-8 A10=-0.23122921×10-9 A12= 0.90778378×10-11
【0059】[第18面(r18)の非球面データ] ε= 1.0000 A4=-0.47085192×10-4 A6=-0.48331952×10-5 A8= 0.13625932×10-7 A10=-0.76087395×10-9 A12=-0.10514686×10−11
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】図5〜図9に、各実施例の偏心前(通常状
態)の収差性能を示す。図5は実施例1の偏心前,無限
遠撮影状態での縦収差図、図6は実施例2の偏心前,無
限遠撮影状態での縦収差図、図7は実施例2の偏心前,
近接撮影状態(撮影距離50cm)での縦収差図、図8は
実施例3の偏心前,無限遠撮影状態での縦収差図、図9
は実施例4の偏心前,無限遠撮影状態での縦収差図であ
る。図5〜図9中、[W]は広角端,[M]は中間焦点距離
状態(ミドル),[T]は望遠端における諸収差(左から順
に、球面収差等,非点収差,歪曲;Y':像高)を示してお
り、実線(d)はd線に対する収差、破線(SC)は正弦条
件を表しており、破線(DM)と実線(DS)はメリディオ
ナル面とサジタル面でのd線に対する非点収差をそれぞ
れ表わしている。
【0065】図10〜図21に、各実施例の偏心前(通
常状態)及び偏心後(手ぶれ補正状態)の収差性能を示
す。図10〜図21は、各実施例の偏心前後,無限遠撮
影状態,メリディオナル面での横収差図であり、図10
〜図12は実施例1、図13〜図15は実施例2、図1
6〜図18は実施例3、図19〜図21は実施例4にそ
れぞれ対応しており、図10,図13,図16及び図1
9は広角端[W]、図11,図14,図17及び図20は
中間焦点距離状態(ミドル)[M]、図12,図15,図1
8及び図21は望遠端[T]にそれぞれ対応している。ま
た、図10〜図21中、[A]は0.7度の手ぶれ補正状
態{手ぶれ補正群の手ぶれ補正角θ=0.7°(=0.0122173r
ad)の補正状態}における像高Y'=+12,0,-12での横収差図
であり、[B]は通常状態における像高Y'=+12,0での横収
差図である。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、手
ぶれ補正群の移動量が焦点距離によらずに一定であり、
通常状態だけでなく大きな手ぶれが発生した場合でも良
好な光学性能が得られる、コンパクトで高倍率の手ぶれ
補正機能を有するズームレンズを実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態(実施例1)のレンズ構成図。
【図2】第2の実施の形態(実施例2)のレンズ構成図。
【図3】第3の実施の形態(実施例3)のレンズ構成図。
【図4】第4の実施の形態(実施例4)のレンズ構成図。
【図5】実施例1の偏心前,無限遠撮影状態での縦収差
図。
【図6】実施例2の偏心前,無限遠撮影状態での縦収差
図。
【図7】実施例2の偏心前,近接撮影状態(撮影距離5
0cm)での縦収差図。
【図8】実施例3の偏心前,無限遠撮影状態での縦収差
図。
【図9】実施例4の偏心前,無限遠撮影状態での縦収差
図。
【図10】実施例1の偏心前後,広角端,無限遠撮影状
態でのメリディオナル横収差図。
【図11】実施例1の偏心前後,ミドル,無限遠撮影状
態でのメリディオナル横収差図。
【図12】実施例1の偏心前後,望遠端,無限遠撮影状
態でのメリディオナル横収差図。
【図13】実施例2の偏心前後,広角端,無限遠撮影状
態でのメリディオナル横収差図。
【図14】実施例2の偏心前後,ミドル,無限遠撮影状
態でのメリディオナル横収差図。
【図15】実施例2の偏心前後,望遠端,無限遠撮影状
態でのメリディオナル横収差図。
【図16】実施例3の偏心前後,広角端,無限遠撮影状
態でのメリディオナル横収差図。
【図17】実施例3の偏心前後,ミドル,無限遠撮影状
態でのメリディオナル横収差図。
【図18】実施例3の偏心前後,望遠端,無限遠撮影状
態でのメリディオナル横収差図。
【図19】実施例4の偏心前後,広角端,無限遠撮影状
態でのメリディオナル横収差図。
【図20】実施例4の偏心前後,ミドル,無限遠撮影状
態でのメリディオナル横収差図。
【図21】実施例4の偏心前後,望遠端,無限遠撮影状
態でのメリディオナル横収差図。
【符号の説明】
Gr1 …第1群 Gr2 …第2群 Gr3 …第3群 Gr4 …第4群 Gr5 …第5群 S …絞り

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3つのレンズ群から成り、最
    も物体側に位置する第1群が正のパワーを有し、各群の
    間隔を変化させることによりズーミングを行うズームレ
    ンズであって、 少なくとも1枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズ
    とを含む手ぶれ補正群を前記第1群中に有し、その手ぶ
    れ補正群を平行偏心させることにより手ぶれ補正を行
    い、ズーミングにおける任意の位置で以下の条件式を満
    足することを特徴とする手ぶれ補正機能を有するズーム
    レンズ; 30<f/βr<120 ただし、 f :全系の焦点距離、 βr:手ぶれ補正群よりも像側に位置する全レンズ群の
    横倍率 である。
  2. 【請求項2】 無限遠物体から近接物体へのフォーカシ
    ングに際し、前記第1群の像側に隣り合って位置する第
    2群を物体側に繰り出すことを特徴とする請求項1記載
    の手ぶれ補正機能を有するズームレンズ。
JP21497497A 1997-08-07 1997-08-08 手ぶれ補正機能を有するズームレンズ Pending JPH1152243A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21497497A JPH1152243A (ja) 1997-08-08 1997-08-08 手ぶれ補正機能を有するズームレンズ
US09/130,266 US6081390A (en) 1997-08-07 1998-08-06 Zoom lens system having camera shake compensating function

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21497497A JPH1152243A (ja) 1997-08-08 1997-08-08 手ぶれ補正機能を有するズームレンズ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1152243A true JPH1152243A (ja) 1999-02-26

Family

ID=16664639

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21497497A Pending JPH1152243A (ja) 1997-08-07 1997-08-08 手ぶれ補正機能を有するズームレンズ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1152243A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6519095B1 (en) 2000-01-25 2003-02-11 Olympus Optical Co., Ltd. Zoom lens
JP2007279622A (ja) * 2006-04-12 2007-10-25 Olympus Imaging Corp ズームレンズ及びそれを備えた撮像装置
JP2020173350A (ja) * 2019-04-11 2020-10-22 キヤノン株式会社 結像光学系および撮像装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6519095B1 (en) 2000-01-25 2003-02-11 Olympus Optical Co., Ltd. Zoom lens
JP2007279622A (ja) * 2006-04-12 2007-10-25 Olympus Imaging Corp ズームレンズ及びそれを備えた撮像装置
JP2020173350A (ja) * 2019-04-11 2020-10-22 キヤノン株式会社 結像光学系および撮像装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7187504B2 (en) Zoom lens and image pick up apparatus including the same
JP5332169B2 (ja) ズームレンズと、これを有する光学装置
JP5046747B2 (ja) ズームレンズ及びそれを有する撮像装置
JP4738823B2 (ja) ズームレンズ及びそれを有する撮像装置
JP5056184B2 (ja) ズームレンズ、撮像装置、ズームレンズの変倍方法
EP1881357A1 (en) Vibration-proof telephoto zoom lens having four lens groups
JP4181790B2 (ja) ズームレンズ及びそれを有する光学機器
US20060146417A1 (en) Zoom lens system and image pickup apparatus including the same
JPH1164728A (ja) 手ぶれ補正機能を有するズームレンズ
US7940472B2 (en) Zoom lens and optical apparatus equipped therewith
JPH11202201A (ja) ズームレンズ
US8218238B2 (en) Zoom lens system and image taking apparatus including the same
JPH11202202A (ja) ズームレンズ
JP2004093917A (ja) ズームレンズ
JPH10161024A (ja) 手ぶれ補正機能を有するズームレンズ
JP3184581B2 (ja) ズームレンズ
JPH09218346A (ja) 光学系
JPH11160621A (ja) ズームレンズ
JP4630451B2 (ja) ズームレンズ及びそれを用いた光学機器
JP4585796B2 (ja) ズームレンズ及びそれを有する撮像装置
JP2513481B2 (ja) 変倍レンズ
JP4799210B2 (ja) ズームレンズ系及びそれを備えたカメラシステム
JP2004333572A (ja) 可変焦点距離レンズ系
JPH1152242A (ja) 手ぶれ補正機能を有するズームレンズ
JP4799209B2 (ja) ズームレンズ系及びそれを備えたカメラシステム