JPH11507208A - アポトーシス遺伝子1のヒトインヒビター - Google Patents

アポトーシス遺伝子1のヒトインヒビター

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JPH11507208A
JPH11507208A JP8534017A JP53401796A JPH11507208A JP H11507208 A JPH11507208 A JP H11507208A JP 8534017 A JP8534017 A JP 8534017A JP 53401796 A JP53401796 A JP 53401796A JP H11507208 A JPH11507208 A JP H11507208A
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ウ ヒ,ウェイ
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ヒューマン ジノーム サイエンシーズ,インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 アポトーシスポリペプチドのヒトインヒビターおよびこのようなポリペプチドをコードするDNA(RNA)ならびに組換え技術によりこのようなポリペプチドを産生するための手順を開示する。変性疾患、関節リウマチ、敗血性ショックの治療のために、抗ウイルス防御機構として、ならびに外傷および脳卒中の間の細胞死を防ぐためにこのようなポリペプチドを利用する方法もまた開示する。このようなポリペプチドに対するアンタゴニスト、ならびに細胞発達を促進するため、ウイルス感染を防ぐため、組織分化および発達を促進するため、ならびに組織ホメオスタシスを維持するための治療薬としてのそれらの使用もまた開示する(腫瘍)。hIAP-1タンパク質をコードする核酸配列中の変異を検出するための診断方法もまた開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 アポトーシス遺伝子1のヒトインヒビター 本発明は、新たに同定されたポリヌクレオチド、このようなポリヌクレオチド によりコードされるポリペプチド、このようなポリヌクレオチドおよびポリペプ チドの使用、ならびにこのようなポリヌクレオチドおよびポリペプチドの産生に 関する。より詳細には、本発明のポリペプチドは、アポトーシス遺伝子1のヒト インヒビターであり、本明細書中で以降ときどき「hIAP-1」と呼ぶ。本発明はま た、このようなポリペプチドの作用を阻害することに関する。 プログラムされた細胞死(アポトーシス)は、生物が不要な細胞を排除するプ ロセスである。プログラムされた細胞死は、終末の細胞分化の特定のタイプと考 えられ得る。アポトーシスの間、生物の細胞は集合し、そして細胞表面で活発な 気泡形成を行い(blebbing)、アポトーシス小体を形成し、核膜およびいくつか の内部構造が破壊し、核DNAは酵素によって断片化され、そして最後に細胞が壊 れて破片になる。 初期のアポトーシスの研究は、タンパク質合成をブロックする薬物はアポトー シスを阻止すると規定し、プログラムされた細胞死は特定のタンパク質を必要と すると示唆した。アポトーシスの原因となるタンパク質をコードする遺伝子を見 い出すにあたり1つの重要な助けとなったのは、小さく透明で丸い蠕形動物であ るCaenorhabditis elegansが、胚発生において活性な遺伝子を同定するための貴 重な供給源として、1980年代に出現したことである。この微小な蠕形動物は、た った1,090個の細胞しか有さず、そしてそれゆえ発生生物学者らは、この蠕形動 物が成熟するとき、各細胞の系列を追跡することが可能であった。そして、131 個の胚細胞がプログラムされた細胞死を受けることを見出した。遺伝子のうち、 細胞死遺伝子(death gene)であるced-3およびced-4、ならびにアポトーシスか ら細胞を保護する「抗細胞死」遺伝子であるced-9がC.elegans中に同定された 。 これらの遺伝子に対応する哺乳動物のアナログの探索は、ガンの原因となるオ ンコジーンとして同定された遺伝子bcl-2が、リンパ球と呼ばれる免疫細胞を自 殺から保護し、そしてニューロンをもまた保護することが発見されたことにより 、飛躍的な前進を得た。蠕形動物の保護遺伝子ced-9は、bcl-2に23%相同である ことが見出され、そしてbcl-2遺伝子はC.elegans中のced-9の代わりになり得、 ced-9変異体を細胞死から救った。 さらに、ced-3とインターロイキン-β-変換酵素(ICE)をコードする新しい哺 乳動物の遺伝子との間に一致が見出された。この2つのタンパク質は、アミノ酸 レベルで28%の同一性を共有し、そしてced-3は、ICEのプロテアーゼ活性を担う 活性部位であると考えられている5アミノ酸ストレッチにおいて、ICEタンパク 質と同一である。 アポトーシスは種々の異なる細胞外および細胞内刺激により誘導され得、その うちのいくつかは未知であり、それらは細胞型により異なり得る。しかし、数多 くのレセプターおよび各々の異なる誘導刺激に応答する関連するシグナル伝達経 路は、アポトーシス性細胞死のプログラムを実際に「誘発」する1つ以上の限ら れた数の経路に集中し得る。アポトーシスを誘導し得る刺激の中には、細胞外AT P、アクチノマイシン、および酸素ラジカルがある。アクチノマイシンはRNAの合 成を阻害し、そしてアポトーシスをいくつかの哺乳動物細胞型において誘導する 。これらの細胞型は、ヒト始原子宮上皮細胞およびHL60白血病細胞を含む(Gersc henson,L.E.およびRotello,R.J.,Cold Spring Harbor,Laboratory Press,C old Spring Harbor,New York,175頁、(1991)およびMartin,S.J.ら、Immunol. ,145:1859(1990))。 バキュロウイルスであるCydia pomonella顆粒症ウイルス(CpGV)は、SF-21細胞 (フォールアーミーウォーム(fall army worm)であるSpodoptera frugiperda 由来)中で、変異したバキュロウイルスAcMNPV(これはSF-21細胞中で、CpGV非 存在下でアポトーシスを起こす)によるアポトーシスを阻害し得た。CpGV遺伝子 は配列決定され(Crook,N.E.ら、J.Virol.,67:2168(1993))、そして特徴的なジ ンクフィンガー(zinc finger)様モチーフを有することが見出された。この遺 伝子はアポトーシスのインヒビター(inhibitor of apoptosis)からiapと命名 され、そしてCpGV遺伝子はCp-IAPと呼ばれた。 Cp-IAPポリペプチド中に見出されるジンクフィンガー様モチーフは、ジンクフ ィンガー様モチーフの特定のクラスに属し(Freemont,P.S.ら、Cell,64:483(1 991))、このモチーフは通常ポリペプチドのアミノ末端に見出されるが、他の場 所に存在し得る。例えばIAPポリペプチドの場合、カルボキシル末端に見出され る。IAPモチーフはまた、このモチーフのアミノ末端部分にさらなるCX2Cリピー ト、ならびに中央の領域に余分のアミノ酸残基(CXHX2Cの代わりにCXHX3C)を含 む。このタイプのジンクフィンガー様モチーフを含む約27の公知のタンパク質が あり、4つはバキュロウイルス中に見出される。ジンクフィンガー様モチーフは また、脊椎動物ウイルスによってコードされる数個のタンパク質中にも存在する 。数個の調節タンパク質中にこのモチーフが存在することは、このモチーフを含 むタンパク質の多くが転写調節因子であり得るという仮説を支持するが、これま でのところDNA結合はこのグループの中の1つの特定のメンバーのみについて実 証されている(Tagawaら、J.Biol.Chem.,265:20021(1990))。 Cp-IAPに見出されるジンクフィンガー様モチーフはまた、アポトーシスを調節 する役割を有し得る多くの細胞ポリペプチドの中にも存在する。これらのうちの 数個が、PML、bmi-1、c-cbl、rfp、およびmel-18のようなヒトプロトオンコジー ンによりコードされる。 これらのタンパク質は、正または負のいずれかのアポトーシス制御に関わる。 従って、Cp-IAPは、アポトーシスを制御し、そしてこの特有のジンクフィンガー 様モチーフを含む細胞タンパク質の1クラスに属し得る。本発明のポリペプチド は、保存されたジンクフィンガー様モチーフを含み、そしてこのクラスのタンパ ク質のメンバーとして、推定的に同定されている。 アポトーシスは、細胞発生、抗ウイルス応答、組織分化、発生、組織ホメオス タシス、アルツハイマー病、関節リウマチ、敗血性ショック、パーキンソン病に おいて重要な役割を果たすことが示されおり、脳卒中、外傷、および変性性疾患 の間に、細胞が死ぬメカニズムであり得る。不適切なアポトーシス、すなわち、 細胞が死ぬべきときに死に損ねるとき、腫瘍、腫瘍形成、およびウイルス感染を 招き得る。 本発明の1つの局面によれば、新規の成熟ポリペプチド、ならびに生物学的に 活性で、かつ診断または治療に有用なそのフラグメント、アナログ、および誘導 体が提供される。本発明のポリペプチドはヒト起源である。 本発明の別の局面によれば、本発明のポリペプチドをコードする単離された核 酸分子が提供され、それには、mRNA、DNA、cDNA、ゲノムDNA、ならびにそのアナ ログ、および生物学的に活性で、かつ診断または治療に有用なそのフラグメント および誘導体が含まれる。 本発明のなおさらなる局面によれば、組換え技術によりこのようなポリペプチ ドを産生するためのプロセスが提供される。組換え技術には、核酸配列を含む組 換え原核生物および/または真核生物宿主細胞を、該タンパク質の発現および該 タンパク質のその後の回収を促進する条件下で、培養することが包含される。 本発明のなおさらなる局面によれば、このようなポリペプチド、またはこのよ うなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、治療目的のために、例えば 、腫瘍形成を阻止するため、アルツハイマー病、パーキンソン病、関節リウマチ 、敗血性ショックを処置するため、ならびに脳卒中、外傷、および変性性疾患の 間の細胞死を阻止するために利用するためのプロセスが提供される。 本発明のなおさらなる局面によれば、本発明の核酸配列に特異的にハイブリダ イズするために十分な長さの核酸分子を含む核酸プローブもまた提供される。 本発明のなおさらなる局面によれば、このようなポリペプチドに対する抗体が 提供される。 本発明のなお別の局面によれば、このようなポリペプチドに結合し、そしてそ れを阻害する化合物が提供される。それらの化合物は、例えば、抗ウイルス防御 機構として、細胞発生、組織分化、組織ホメオスタシス、および正常発生を可能 にするために用いられ得る。 本発明のさらに別の局面によれば、開示されたポリヌクレオチドおよびポリペ プチドを、研究目的に使用するためのプロセスが提供される。 本発明のこれらおよび他の局面は、本明細書中の教示から当業者に明らかであ るはずである。 以下の図面は、本発明の実施態様の例示であり、そして請求の範囲に含まれる 本発明の範囲を限定することは意図されない。 図1は、本発明のポリペプチドのcDNA配列、および対応する推定アミノ酸配列 を例示する。ヌクレオチドおよびアミノ酸の標準的な略語が用いられている。配 列決定を、373自動DNAシーケンサー(Applied Biosystems,Inc.)を用いて実施 した。 図2は、hIAP-1の、Cp-IAP(アポトーシスのCydia pomonella顆粒症ウイルス インヒビター)およびOp-IAP(アポトーシスのOrgyia pseudotsugata核多角体病 ウイルスインヒビター)とのアミノ酸配列アラインメントである。 本発明の1つの局面によれば、図1(配列番号2)の推定アミノ酸配列を有す る成熟ポリペプチドまたは1995年5月11日にATCC受託番号第 号として寄託 されたクローンのcDNAによりコードされる成熟ポリペプチドをコードする単離さ れた核酸(ポリヌクレオチド)が提供される。 本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、ヒトjurket細胞株お よびヒト骨巨細胞腫ストローマ細胞から得られ得る。これは、アポトーシス遺伝 子ファミリーのインヒビターに構造的に関連する。これは、438アミノ酸残基の タンパク質をコードするオープンリーディングフレームを含有する。このタンパ ク質は、Op-IAPに対して最も高い程度の相同性を示し、44%の同一性および64% の類似性を全アミノ酸のストレッチにわたって有する。前述のように、この型の 遺伝子に見出される保存されたモチーフは、本発明の遺伝子に保存されている。 本発明のポリヌクレオチドは、RNAの形態またはDNA(このDNAはcDNA、ゲノムD NA、および合成DNAを包含する)の形態であり得る。DNAは二本鎖または一本鎖で あり得、そして一本鎖の場合、コード鎖または非コード(アンチセンス)鎖であ り得る。成熟ポリペプチドをコードするコード配列は、図1(配列番号1)に示 すコード配列または寄託されたクローンのコード配列と同一であり得るか、また はそのコード配列が、遺伝コードの重複または縮重の結果として、図1(配列番 号1)のDNAまたは寄託されたcDNAと同じ成熟ポリペプチドをコードする異なる コード配列であり得る。 図1(配列番号2)の成熟ポリペプチド、または寄託されたcDNAによりコード される成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、以下を含み得るが、 これらに限定されない:成熟ポリペプチドのコード配列のみ;成熟ポリペプチド のコード配列およびさらなるコード配列;成熟ポリペプチドのコード配列(およ び必要に応じてさらなるコード配列)ならびに非コード配列(例えば、イントロ ンあるいは成熟ポリペプチドのコード配列の5'および/または3'非コード配列) 。 従って、用語「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド」は、ポリペプチ ドのコード配列のみを含むポリヌクレオチド、ならびにさらなるコード配列およ び/または非コード配列を含むポリヌクレオチドを包含する。 本発明はさらに、図1(配列番号2)の推定アミノ酸配列を有するポリペプチ ド、または寄託されたクローンのcDNAによりコードされるポリペプチドのフラグ メント、アナログ、および誘導体をコードする本明細書中上記のポリヌクレオチ ドの改変体に関する。ポリヌクレオチドの改変体は、ポリヌクレオチドの天然に 存在する対立遺伝子改変体またはポリヌクレオチドの天然に存在しない改変体で あり得る。 従って、本発明は、図1(配列番号2)に示すものと同じ成熟ポリペプチド、 または寄託されたクローンのcDNAによりコードされる同じ成熟ポリペプチドをコ ードするポリヌクレオチド、およびそのようなポリヌクレオチドの改変体を包含 する。この改変体は、図1(配列番号2)のポリペプチドまたは寄託されたクロ ーンのcDNAによりコードされるポリペプチドのフラグメント、誘導体、またはア ナログをコードする。このようなヌクレオチド改変体は、欠失改変体、置換改変 体、および付加または挿入改変体を含む。 本明細書中上記で示したように、ポリヌクレオチドは、図1(配列番号1)に 示すコード配列、または寄託されたクローンのコード配列の天然に存在する対立 遺伝子改変体であるコード配列を有し得る。当該分野で公知なように、対立遺伝 子改変体は、1つ以上のヌクレオチドの置換、欠失、または付加を有し得るポリ ヌクレオチド配列の別の形態であり、これはコードされるポリペプチドの機能を 実質的に変化させない。 本発明のポリヌクレオチドはまた、本発明のポリペプチドの精製を可能にする マーカー配列にインフレームで融合されたコード配列を有し得る。マーカー配列 は、細菌宿主の場合には、マーカーに融合された成熟ポリペプチドの精製を提供 する、pQE-9ベクターにより供給されるヘキサヒスチジンタグであり得る。ある いは、例えばマーカー配列は、哺乳動物宿主(例えば、COS-7細胞)が使用され る場合は、血球凝集素(HA)タグであり得る。HAタグは、インフルエンザ血球凝 集素タンパク質に由来するエピトープと一致する(Wilson,I.ら、Cell,37:767 (1984))。 本発明はさらに、配列間に少なくとも70%、好ましくは少なくとも90%、およ びより好ましくは少なくとも95%の同一性が存在する場合、本明細書中上記の配 列にハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。本発明は特に、本明細書中 上記のポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリ ヌクレオチドに関する。本明細書中で用いられる用語「ストリンジェントな条件 」は、ハイブリダイゼーションが、配列間に少なくとも95%および好ましくは少 なくとも97%の同一性が存在する場合のみに生じることを意味する。好ましい実 施態様において本明細書中上記のポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌ クレオチドは、図1(配列番号1)のcDNAまたは寄託されたcDNAによりコードさ れる成熟ポリペプチドと実質的に同じ生物学的機能または活性のいずれかを保持 するポリペプチドをコードする。 あるいは、このポリヌクレオチドは、少なくとも20塩基、好ましくは30塩基、 そしてより好ましくは少なくとも50塩基を有し得る。これらは、本発明のポリヌ クレオチドにハイブリダイズし、そして、本明細書上記のように、それに対する 同一性を有し、そして活性を保持してもよいし、または保持しなくてもよい。こ のようなポリヌクレオチドは、例えば、ポリヌクレオチドの回収のために、配列 番号1のポリヌクレオチド、またはその誘導体のプローブとして、あるいは診断 プローブまたはPCRプライマーとして使用され得る。 従って、本発明は、配列番号2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド 、および少なくとも30塩基、そして好ましくは少なくとも50塩基を有するそのフ ラグメントに対して、少なくとも70%の同一性、好ましくは少なくとも90%、そ してより好ましくは少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド、ならび にこのようなポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドに関する。 本明細書中でいう寄託物は、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関す るブダペスト条約の用語の下に維持される。これらの寄託物は、単に当業者に対 して便宜上提供されるのみであり、そして米国特許法第112条の下で寄託が必要 とされることを認めたわけではない。寄託物に含まれるポリヌクレオチドの配列 、ならびにそれによりコードされるポリペプチドのアミノ酸配列は、本明細書中 に参考として援用されており、そして本明細書中の任意の配列の記載とのいかな る矛盾も抑えている。寄託物を製造し、使用し、または販売するためには実施許 諾が必要とされ得、そしてそのような実施許諾は本明細書によって与えられるわ けではない。 本発明はさらに、図1(配列番号2)の推定のアミノ酸配列を有するか、また は寄託されたcDNAによりコードされるアミノ酸配列を有するポリペプチド、なら びにそのようなポリペプチドのフラグメント、アナログ、および誘導体に関する 。 用語「フラグメント」、「誘導体」および「アナログ」は、図1(配列番号2 )のポリペプチドまたは寄託されたcDNAにコードされるポリペプチドをいう場合 は、そのようなポリペプチドと本質的に同じ生物学的機能または活性を保持する ポリペプチドを意味する。従ってアナログは、プロタンパク質部分の切断により 活性化されて活性な成熟ポリペプチドを生じ得るプロタンパク質を包含する。 本発明のポリペプチドは、組換えポリペプチド、天然のポリペプチドまたは合 成ポリペプチドであり得、好ましくは組換えポリペプチドであり得る。 図1(配列番号2)のポリペプチドまたは寄託されたcDNAによりコードされる ポリペプチドのフラグメント、誘導体、またはアナログは、(i)1つ以上のアミ ノ酸残基が保存アミノ酸残基または非保存アミノ酸残基(好ましくは保存アミノ 酸残基)で置換されたものであり、そしてこのような置換アミノ酸残基がその遺 伝コードによりコードされるアミノ酸残基であるかもしれないし、またはそうで はないかもしれないもの、あるいは(ii)1つ以上のアミノ酸残基が置換基を含有 するもの、あるいは(iii)成熟ポリペプチドがポリペプチドの半減期を増加させ る化合物(例えば、ポリエチレングリコール)のような別の化合物に融合されて いるもの、あるいは(iv)成熟ポリペプチドまたはプロタンパク質配列の精製のた めに使用する成熟ポリペプチドに、さらなるアミノ酸が融合されているものであ り得る。このようなフラグメント、誘導体、およびアナログは、本明細書中の教 示から当業者の範囲内にあると考えられる。 本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、好ましくは単離された形態 で提供され、そして好ましくは均質に精製される。 本発明のポリペプチドは、配列番号2のポリペプチド(特に成熟ポリペプチド )ならびに配列番号2のポリペプチドと少なくとも70%の類似性(好ましくは70 %の同一性)、そしてより好ましくは配列番号2のポリペプチドおよび一般的に 少なくとも30アミノ酸そしてより好ましくは少なくとも50アミノ酸を含むポリペ プチドのこのような部分を有するこのようなポリペプチドの部分と90%の類似性 (より好ましくは90%の同一性)、そしてさらにより好ましくは配列番号2のポ リペプチドと95%の類似性(さらにより好ましくは95%の同一性)を有するポリ ペプチドを含む。 当該分野に公知であるように、2つのポリペプチドの間の「類似性」は、第2 のポリペプチドの配列に対して、ポリペプチドのアミノ酸配列およびその保存ア ミノ酸置換を比較することにより決定される。 本発明のポリペプチドのフラグメントまたは部分は、ペプチド合成による対応 する全長ポリペプチドを産生するために使用され得る。従って、このフラグメン トは全長ポリペプチドを産生するための中間体として使用され得る。本発明のポ リヌクレオチドのフラグメントまたは部分は、本発明の全長ポリヌクレオチドを 合成するために使用され得る。 用語「単離された」は、物質がその本来の環境(例えば、天然に存在する場合 は、天然の環境)から取り出されていることを意味する。例えば、生きている動 物の中に存在する天然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、単離 されていないが、天然の系において共存する物質の幾らかまたは全てから分離さ れている同一のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されている。このよ うなポリヌクレオチドはベクターの一部であり得、および/またはこのようなポ リヌクレオチドまたはポリペプチドは組成物の一部であり得、そしてそのような ベクターまたは組成物がその天然の環境の一部ではない点で、なお単離され得る 。 用語「遺伝子」は、ポリペプチド鎖の産生に関与するDNAセグメントを意味す る;これは、コード領域に先行する領域および後に続く領域「リーダーおよびト レイラー」ならびに個々のコードセグメント(エクソン)の間に介在する配列( イントロン)を含む。 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含むベクター、本発明のベクター を用いて遺伝子操作される宿主細胞、および組換え技術による本発明のポリペプ チドの産生に関する。 宿主細胞は、本発明のベクター(これは例えば、クローニングベクターまたは 発現ベクターであり得る)を用いて遺伝子操作(形質導入、または形質転換、ま たはトランスフェクト)される。ベクターは、例えば、プラスミド、ウイルス粒 子、ファージなどの形態であり得る。操作された宿主細胞は、プロモーターを活 性化するか、形質転換体を選択するか、またはhIAP-1遺伝子を増幅するために適 切に改変した従来の栄養培地において培養され得る。培養条件(例えば、温度、 pHなど)は、発現のために選択される宿主細胞に以前使用された条件であり、そ して当業者には明らかである。 本発明のポリヌクレオチドは、組換え技術によりポリペプチドを産生するため に用いられ得る。従って、例えば、ポリヌクレオチドは、ポリペプチドを発現す るための種々の発現ベクターのいずれかに含まれ得る。このようなベクターは、 染色体DNA配列、非染色体DNA配列、および合成DNA配列を含む。このようなベク ターは、例えば、SV40の誘導体;細菌性プラスミド;ファージDNA;バキュロウ イルス;酵母プラスミド;プラスミドとファージDNAとの組み合わせ由来のベク ター;ウイルスDNA(例えば、ワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、お よび仮性狂犬病)である。しかし、宿主において複製可能で、かつ存続可能であ る限り、他の任意のベクターも使用され得る。 適切なDNA配列は、種々の手順によりベクターに挿入され得る。一般に、DNA配 列は当該分野で公知の手順により適切な制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入され る。このような手順および他の手順は、当業者の範囲内であると考えられる。 発現ベクター中のDNA配列は、適切な発現制御配列(プロモーター)に作動可 能に連結され、mRNAの合成を指示する。このようなプロモーターの代表的な例と しては、以下が挙げられ得る:LTRまたはSV40プロモーター、E.coli. lacまたはtrp 、λファージPLプロモーター、および原核細胞または真核細胞あるいはその ウイルス内で遺伝子の発現を制御することが知られている他のプロモーター。発 現ベクターはまた、翻訳開始のためのリボソーム結合部位および転写ターミネー ターを含有する。ベクターはまた、発現を増幅するための適切な配列を含有し得 る。 さらに、発現ベクターは、好ましくは、形質転換された宿主細胞の選択のため の表現型特性(例えば、真核細胞培養物についてはジヒドロ葉酸レダクターゼま たはネオマイシン耐性、あるいは、E.coliにおけるテトラサイクリン耐性または アンピシリン耐性)を提供する1つ以上の選択マーカー遺伝子を含有する。 本明細書中上記の適切なDNA配列ならびに適切なプロモーター配列または制御 配列を含有するベクターは、適切な宿主を形質転換して宿主にタンパク質を発現 させるために用いられ得る。 適切な宿主の代表的な例としては、以下が挙げられ得る:細菌細胞(例えば、E.coliStreptomycesSalmonella typhimurium);真菌細胞(例えば酵母); 昆虫細胞(例えば、Drosophila S2およびSpodoptera Sf9);動物細胞(例えば 、CHO、COSまたはBowes黒色腫);アデノウイルス;植物細胞など。適切な宿主 の選択は、本明細書中の教示から当業者の範囲内であると考えられる。 より詳細には、本発明はまた、上記で広範に記載した1つ以上の配列を含む組 換え構築物を包含する。この構築物は、ベクター(例えば、プラスミドベクター またはウイルスベクター)を含み、このベクターの中に本発明の配列が正方向ま たは逆方向に挿入されている。この実施態様の好ましい局面において、構築物は さらに、配列に作動可能に連結された調節配列(例えば、プロモーターを含む) を含む。多数の適切なベクターおよびプロモーターが当業者には公知であり、そ して市販されている。以下のベクターが例として提供される。細菌性:pQE70、p QE60、pQE-9(Qiagen)、pBS、pD10、phagescript、psiX174、pbluescript SK、pb sks、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratagene);ptrc99a、pKK223-3、pKK23 3-3、pDR540、pRIT5(Pharmacia);真核性:pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1、pSG (Stratagene)pSVK3、pBPV、pMSG、pSVL(Pharmacia)。しかし、他の任意のプラス ミドまたはベクターが、それらが宿主において複製可能で、かつ存続可能である 限り、使用され得る。 プロモーター領域は、CAT(クロラムフェニコールトランスフェラーゼ)ベク ターまたは選択マーカーを有する他のベクターを使用して、任意の所望の遺伝子 から選択され得る。2つの適切なベクターは、PKK232-8およびpCM7である。特に よく知られた細菌プロモーターは、lacI、lacZ、T3、T7、gpt、λPR、PLおよびt rpを含む。真核プロモーターは、CMV即時初期型、HSVチミジンキナーゼ、初期SV 40および後期SV40、レトロウイルス由来のLTR、およびマウスメタロチオネイン Iを含む。適切なベクターおよびプロモーターの選択は、十分に当業者のレベル の範囲内である。 さらなる実施態様では、本発明は上記の構築物を含有する宿主細胞に関する。 宿主細胞は、高等真核細胞(例えば、哺乳動物細胞)または下等真核細胞(例え ば、酵母細胞)であり得るか、あるいは宿主細胞は原核細胞(例えば、細菌細胞 )であり得る。構築物の宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランスフェク ション、DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、またはエレクトロポレ ーションにより達成され得る(Davis,L.,Dibner,M.,Battey,I.,Basic Methods in Molecular Biology,(1986))。 宿主細胞中の構築物は、組換え配列によりコードされる遺伝子産物を産生する ために、従来の方法において使用され得る。あるいは、本発明のポリペプチドは 、従来のペプチド合成機により合成的に産生され得る。 成熟タンパク質は、哺乳動物細胞、酵母、細菌、または他の細胞中で適切なプ ロモーターの制御下で発現され得る。無細胞翻訳系もまた、本発明のDNA構築物 に由来するRNAを使用して、このようなタンパク質を産生するために用いられ得 る。原核宿主および真核宿主で使用される適切なクローニングベクターおよび発 現ベクターは、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版 、Cold Spring Harbor,N.Y.,(1989)(この開示は、本明細書中に参考として援用 されている)に記載されている。 本発明のポリペプチドをコードするDNAの高等真核生物による転写は、ベクタ ーにエンハンサー配列を挿入することにより増大される。エンハンサーは、DNA のシス作用エレメントであり、通常は約10〜約300bpであり、これはプロモータ ーに作用してその転写を増大させる。例として、複製起点の後期側bp100〜270の SV40エンハンサー、サイトメガロウイルスの初期プロモーターエンハンサー、複 製起点の後期側のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサー が挙げられる。 一般に、組換え発現ベクターは、宿主細胞の形質転換を可能とする複製起点お よび選択マーカー(例えば、E.coliのアンピシリン耐性遺伝子およびS.cerevisi ae のTRP1遺伝子)、ならびに下流の構造配列の転写を指示する高発現遺伝子由来 のプロモーターを含有する。このようなプロモーターは、特に、解糖酵素(例え ば、3-ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK))、α因子、酸性ホスファターゼ、ま たは熱ショックタンパク質をコードするオペロンに由来し得る。異種構造配列は 、翻訳開始配列および翻訳終止配列と適切な相で組立てられる。必要に応じて、 異種配列は、所望の特徴(例えば、発現された組換え産物の安定化または簡略化 された精製)を与えるN末端同定ペプチドを含む融合タンパク質をコードし得る 。 細菌での使用に有用な発現ベクターは、機能的なプロモーターと作動可能な読 み取り相で、所望のタンパク質をコードする構造DNA配列を適切な翻訳開始シグ ナルおよび翻訳終止シグナルと共に挿入することにより構築される。ベクターは 、1つ以上の表現型選択マーカー、およびベクターの維持を確実にし、かつ所望 ならば宿主内での増幅を提供するための複製起点を含有する。形質転換のために 適切な原核宿主は、E.coliBacillus subtilisSalmonella typhimurium、な らびにPseudomonas属、Streptomyces属、およびStaphylococcus属内の種々の種 を包含するが、他の種もまた選択対象として用いられ得る。 代表的な、しかし限定しない例として、細菌での使用に有用な発現ベクターは 、周知のクローニングベクターpBR322(ATCC 37017)の遺伝子エレメントを含む市 販のプラスミドに由来する選択マーカーおよび細菌の複製起点を含有し得る。こ のような市販のベクターは、例えば、pKK223-3(Pharmacia Fine Chemicals,Upp sala,Sweden)およびGEM1(Promega Biotec,Madison,WI,USA)を含む。これら のpBR322「骨格」部分は、適切なプロモーターおよび発現されるべき構造配列と 組み合わされる。 適切な宿主株の形質転換および適切な細胞密度への宿主株の増殖に続いて、選 択されたプロモーターは適切な手段(例えば、温度シフトまたは化学的誘導)に より誘導され、そして細胞はさらなる期間培養される。 細胞は、代表的には遠心分離により回収され、物理的手段または化学的手段に より破砕され、そして得られた粗抽出物はさらなる精製のために保持される。 タンパク質の発現において用いられる微生物細胞は、凍結融解サイクル、超音 波処理、機械的破砕、または細胞溶解剤の使用を包含する任意の便利な方法によ り破砕され得る。このような方法は、当業者に周知である。 種々の哺乳動物細胞の培養系もまた、組換えタンパク質を発現するために用い られ得る。哺乳動物発現系の例には、Gluzman,Cell,23: 175(1981)により記載 されるサル腎臓線維芽細胞のCOS-7株、および適合性のベクターを発現し得る他 の細胞株(例えば、C127、3T3、CHO、HeLa、およびBHK細胞株)が含まれる。哺 乳動物発現ベクターは、複製起点、適切なプロモーターおよびエンハンサー、を 含有し、そして任意の必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプラ イスドナー部位およびスプライスアクセプター部位、転写終結配列、および5' フランキング非転写配列もまた含有する。SV40スプライスに由来するDNA配列、 およびポリアデニル化部位は、必要な非転写遺伝子エレメントを提供するために 使用され得る。 このポリペプチドは、以下を包含する方法により組換え細胞培養物から回収さ れ、そして精製され得る:硫安沈殿またはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンま たは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、 疎水的相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒド ロキシアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグラフィー。必 要に応じて、タンパク質の再折りたたみ(refolding)工程が、成熟タンパク質 の配置を完全にするために使用され得る。最終的に、高速液体クロマトグラフィ ー(HPLC)が、最終的な精製工程のために用いられ得る。 本発明のポリペプチドは、天然の精製された産物、または化学合成手順の産物 であり得るか、あるいは原核宿主または真核宿主(例えば、培養物中の細菌、酵 母、高等植物、昆虫、および哺乳動物細胞による)から組換え技術により産生さ れ得る。組換え産生手順に用いられる宿主に依存して、本発明のポリペプチドは 、グリコシル化され得るか、またはグリコシル化され得ない。本発明のポリペプ チドはまた、最初のメチオニンアミノ酸残基を含み得る。 以下に記載されるhIAP-1ポリペプチドおよび阻害性化合物は、本発明に従い、 このようなポリペプチドをインビボで発現することによって利用され得るポリペ プチドであり、これは「遺伝子療法」と呼ばれる。 従って、例えば、患者からの細胞は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオ チド(DNAまたはRNA)を用いてエクソビボで操作され得、次いで、操作された細胞 はポリペプチドで処置される患者に提供される。このような方法は当該分野で周 知であり、本明細書中の教示から明らかである。例えば、細胞は、本発明のポリ ペプチドをコードするRNAを含むレトロウイルスプラスミドベクターの使用によ り操作され得る。 同様に、細胞は、インビボでのポリペプチドの発現のために、例えば、当該分 野で公知の手順によりインビボで操作され得る。例えば、パッケージング細胞は 本発明のポリペプチドをコードするRNAを含むレトロウイルスプラスミドベクタ ーで形質導入され、その結果パッケージング細胞は、目的の遺伝子を含む感染性 ウイルス粒子を産生する。これらの産生細胞は、インビボで細胞を操作するため およびインビボでのポリペプチドの発現のために患者に投与され得る。このよう な方法による本発明のポリペプチドを投与するためのこれらの方法および他の方 法は、本発明の教示により当業者には明らかであるはずである。 本明細書中の上記のレトロウイルスプラスミドベクターが誘導され得るレトロ ウイルスは、モロニーマウス白血病ウイルス、脾壊死ウイルス、レトロウイルス (例えばラウス肉腫ウイルス)、ハーベイ肉腫ウイルス、ニワトリ白血病ウイル ス、テナガザル白血病ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、アデノウイルス、脊髄 増殖肉腫ウイルス、および哺乳動物腫瘍ウイルスを包含するが、これらに限定さ れない。1つの実施態様において、レトロウイルスプラスミドベクターは、モロ ニーマウス白血病ウイルスより誘導される。 ベクターは、1またはそれ以上のプロモーターを含有する。使用され得る適切 なプロモーターは、レトロウイルスLTR;SV40プロモーター;およびMillerら、B iotechniques 、第7巻、9号、980-990(1989)に記載されるヒトサイトメガロ ウイルス(CMV)プロモーター、または任意の他のプロモーター(例えば、ヒスト ン、pol III、およびβ−アクチンプロモーターを包含するが、これらに限定し ない真核細胞プロモーターのような細胞プロモーター)を包含するが、これらに 限定されない。使用され得る他のウイルスプロモーターは、アデノウイルスプロ モーター、チミジンキナーゼ(TK)プロモーター、およびB19パルボウイルスプ ロモーターを包含するが、これらに限定されない。適切なプロモーターの選択は 、本明細書中に含まれる技術より当業者にとって明らかである。 本発明のポリペプチドをコードする核酸配列は、適切なプロモーターの制御下 にある。使用され得る適切なプロモーターは、以下を包含するが、これらに限定 されない:アデノウイルス主要後期プロモーターのようなアデノウイルスプロモ ーター;または、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターのような異種プロ モーター;RSウイルス(respiratory syncytial virus)(RSV)プロモーター;MM Tプロモーターのような誘導性プロモーター;メタロチオネインプロモーター; 熱ショックプロモーター;アルブミンプロモーター;ApoAIプロモーター;ヒト グロブリンプロモーター;ヘルペス単純チミジンキナーゼプロモーターのような ウイルス性チミジンキナーゼプロモーター;レトロウイルスLTR(本明細書中の 上記の修飾したレトロウイルスLTRを包含する);β-アクチンプロモーター;お よびヒト増殖ホルモンプロモーター。プロモーターはまた、ポリペプチドをコー ドする遺伝子を制御する天然のプロモーターであり得る。 レトロウイルスプラスミドベクターは、パッケージング細胞株を形質導入する ために使用され、プロデューサー細胞株を形成する。トランスフェクトされ得る パッケージング細胞の例は、PE501、PA317、ψ-2、ψ-AM、PA12、T19-14X、VT-1 9-17-H2、ψCRE、ψCRIP、GP+E-86、GP+envAm12、および本明細書中で全体で参 考として援用されるMiller、Human Gene Therapy,第1巻、5-14頁(1990)に記 載されるDAN細胞株を包含するが、これらに限定されない。ベクターは、当該分 野で公知の任意の手段によりパッケージング細胞を形質導入し得る。このような 手段は、エレクトロポレーション、リポソームの使用、およびCaPO4沈澱を包含 するが、これらに限定されない。1つの他の方法においては、レトロウイルスプ ラスミドベクターは、リポソーム内にカプセル化され得るか、または脂質と結合 し、次いで宿主に投与され得る。 プロデューサー細胞株は、ポリペプチドをコードする核酸配列(単数または複 数)を包含する感染性レトロウイルスベクター粒子を生じる。次いで、このよう なレトロウイルスベクター粒子は、インビトロまたはインビボのいずれかにおい て真核細胞を形質導入するために使用され得る。形質導入された真核細胞は、ポ リペプチドをコードする核酸配列(単数または複数)を発現する。形質導入され 得る真核細胞は、胚幹細胞、胚癌細胞、および造血幹細胞、肝細胞、線維芽細胞 、筋芽細胞、ケラチノサイト、内皮細胞、ならびに気管支の上皮細胞を包含する が、これらに限定されない。 一旦hIAP-1ポリペプチドが細胞内で遺伝子療法により発現されると、ニューロ ンの異常なアポトーシスに起因する神経変性の疾患、例えばアルツハイマー病お よびパーキンソン病を処置するために利用され得る。 hIAP-1はまた、頭部傷害および脳卒中のような外傷の際、細胞が死ぬのを防ぐ ために利用され得る。 本発明のhIAP-1タンパク質はまた、関節リウマチを導く異常なアポトーシスを 防ぐために利用され得る。 hIAP-1ポリペプチドはまた、異常なアポトーシスから生じる腫瘍形成を防ぐた めに利用され得る。 本発明のなおさらなる局面によれば、このようなポリペプチド、またはこのよ うなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、科学的研究、DNAの合成、 およびDNAベクターの作製に関連するインビトロの目的に利用する方法が提供さ れる。例えば、遺伝子および遺伝子産物は、ヒトの疾患のための診断的および治 療的処置を発見するための研究道具として、そしてヒトのアポトーシスのプロセ スに光明を投じるために利用され得る。 全長hIAP-1遺伝子のフラグメントは、cDNAライブラリーのためのハイブリダイ ゼーションプローブとして、全長hIAP-1遺伝子を単離するため、およびhIAP-1遺 伝子に対して高い配列類似性または類似の生物学的活性を有する他の遺伝子を単 離するために用いられ得る。プローブは少なくとも20塩基長、好ましくは少なく とも30塩基長、そして最も好ましくは少なくとも50塩基長である。プローブはま た、全長の転写物に対応するcDNAクローン、ならびに調節領域およびプロモータ ー領域、エキソンおよびイントロンを含む完全なhIAP-1遺伝子を含むゲノムクロ ーンを同定するために用いられ得る。スクリーニングの一例には、hIAP-1遺伝子 のコード領域を、オリゴヌクレオチドプローブを合成するための既知のDNA配列 を用いることによって単離することが含まれる。本発明の遺伝子の配列と相補的 な配列を有する標識されたオリゴヌクレオチドは、ライブラリーのどのメンバー にプローブがハイブリダイズするかを決定するために、ヒトcDNA、ゲノムDNAま たはmRNAのライブラリーをスクリーニングするために用いられる。 本発明はまた、診断薬(diagnostic)としてのhIAP-1遺伝子の使用にも関する 。hIAP-1の変異体の検出は、hIAP-1の発現不良から生じる疾患またはその疾患に 対する感受性の診断を可能にする。 ヒトhIAP-1遺伝子に変異を有する個体は、種々の技術によりDNAレベルで検出 され得る。診断のための核酸は、患者の細胞(例えば、血液、尿、唾液、組織生 検、および剖検物質)より得られ得る。ゲノムDNAは、検出のために直接使用さ れ得るか、または分析前にPCRを用いることにより酵素的に増幅され得る(Saiki ら、Nature、324:163-166(1986))。RNAあるいはcDNAもまた、同じ目的のために 使用され得る。一例として、hIAP-1をコードする核酸に相補的なPCRプライマー が、hIAP-1の変異を同定および分析するのに使用され得る。例えば、欠失および 挿入は、正常な遺伝子型との比較における増幅された産物のサイズの変化により 検出され得る。点変異は、放射性標識されたhIAP-1 RNAまたは、あるいは、放射 性標識されたhIAP-1 アンチセンスDNA配列に、増幅されたDNAをハイブリダイズ させることにより同定され得る。完全に対合した配列は、RNaseA消化または融解 温度の差により、ミスマッチした二重らせんと区別され得る。 参照遺伝子と変異を有する遺伝子との間の配列の違いは、直接DNA配列決定法 により明らかにされ得る。さらに、クローン化されたDNAセグメントは、特定のD NAセグメントを検出するためのプローブとして利用され得る。この方法の感度は 、PCRと組み合わされたときに、非常に増強される。例えば、配列決定プライマ ーは、二本鎖PCR産物または修飾されたPCRによって産生された一本鎖鋳型分子と ともに用いられる。配列決定は、放射性標識されたヌクレオチドと共に従来の方 法により、または蛍光タグ(tag)を用いた自動配列決定手順により行われる。 DNA配列の相違に基づいた遺伝子試験は、変性剤を含むかまたは含まないゲル におけるDNAフラグメントの電気泳動的移動度における変化の検出により達成さ れ得る。小さな配列の欠失および挿入は、高分離能ゲル電気泳動により視覚化さ れ得る。異なる配列のDNAフラグメントは、変性ホルムアミドグラジエントゲル 上で区別され得る。このゲル中で、異なるDNAフラグメントの移動度は、それら の特異的な融解温度または部分的融解温度に従い、異なる位置に、ゲル中に、遅 滞される(例えば、Myersら、Science、230:1242(1985)を参照のこと)。 特定の位置での配列の変化はまた、ヌクレアーゼ保護アッセイ(例えば、RNas e保護およびS1保護または化学的切断法(例えば、Cottonら、PNAS、USA、85:439 7-4401 (1985)))により示され得る。 従って、特定のDNA配列の検出は、例えば、ハイブリダイゼーション、RNase保 護、化学的切断、直接的なDNA配列決定または制限酵素の使用(例えば、制限フ ラグメント長多型(RFLP))、およびゲノムDNAのサザンブロッティングのような 方法により達成され得る。 より慣習的なゲル電気泳動およびDNA配列決定に加えて、変異はまた、インサ イチュ分析により検出され得る。 本発明はまた、種々の組織におけるhIAP-1タンパク質のレベルの変化を検出す るための診断アッセイに関する。なぜなら、正常なコントロール組織サンプルと 比較したこのタンパク質の過剰発現は、異常に高いアポトーシスに関連する状態 の存在を検出し得るからである。宿主に由来するサンプル中のhIAP-1タンパク質 のレベルを検出するために使用されるアッセイは、当業者には周知であり、そし てラジオイムノアッセイ、競合的結合アッセイ、ウエスタンブロット分析、およ び好ましくはELISAアッセイを含む。ELISAアッセイは、最初にhIAP-1抗原に特異 的な抗体、好ましくはモノクローナル抗体を調製することを包含する。さらに、 レポーター抗体がモノクローナル抗体に対して調製される。このレポーター抗体 に対して、検出可能な試薬、例えば、放射能、蛍光、またはこの実施例において は、西洋ワサビペルオキシダーゼ酵素を結合させる。サンプルは、ここで宿主か ら取り出され、そしてサンプル中のタンパク質と結合する固体支持体(例えば、 ポリスチレンディッシュ)上でインキュベートされる。次いで、ディッシュ上の 任意の遊離のタンパク質結合部位は、BSAのような非特異的タンパク質を用いて インキュベートすることにより覆われる。次に、モノクローナル抗体は、ディッ シュ中でインキュベートされる。この間に、モノクローナル抗体は、ポリスチレ ンディッシュに結合された任意のhIAP-1タンパク質と結合する。全ての非結合モ ノクローナル抗体は、緩衝液を用いて洗い出される。西洋ワサビペルオキシダー ゼと結合したレポーター抗体はここで、ディッシュ中に置かれ、hIAP-1と結合し た任意のモノクローナル抗体に対するレポーター抗体の結合を生じる。次いで、 非結合レポーター抗体は、洗い出される。次いで、ペルオキシダーゼ基質が、デ ィッシュに加えられ、そして所定の時間内の発色量は、標準曲線と比較した場合 、患者サンプルの所定の容量中に存在するhIAP-1タンパク質の量の測定値である 。 競合アッセイが、使用され得る。ここで、hIAP-1に特異的な抗体は、固体支持 体に付着し、そして標識hIAP-1および宿主由来のサンプルは、固体支持体上を通 過され、そして固体支持体に結合して検出された標識の量は、サンプル中のhIAP -1の量と相関し得る。 本発明は、hIAP-1によるアポトーシスの阻害をブロックする化合物を同定する ために化合物をスクリーニングする方法を提供する。例えば、SF-21細胞はアポ トーシスを生じる既知の遺伝子、例えば、vAcAnhまたはvP35Z由来のアニヒレー ター(annihilator)変異DNAによってトランスフェクトされる。試験される化合 物およびhIAPは、次いで、細胞内または細胞外のいずれかで細胞と接触される。 次いで調査が、コトランスフェクションの3〜4日後に、これらの細胞について 光学顕微鏡下で行われ、そしてアポトーシス細胞の通常の特徴が検査され、そし て化合物のhIAPの作用を阻止する能力が分析される。 ヒトIAP-1は、細胞内で産生され機能する。従って、任意の阻害化合物は細胞 内で機能しなければならない。これらの化合物は、細胞内で産生される抗体を含 む。例えば、hIAP-1を阻害するとして同定される抗体は、当該分野で公知の手順 、例えば、適切な細胞を、hIAP-1の機能を阻止する一本鎖抗体をコードするDNA で形質転換することによって、一本鎖抗体として細胞内で産生され得る。 別の例は、アンチセンス技術を用いて調製されるアンチセンス構築物である。 アンチセンス技術は、三重らせん形成またはアンチセンスDNAもしくはRNAを介し た遺伝子発現を制御するために用いられ、これらの方法は両方とも、ポリヌクレ オチドがDNAまたはRNAに結合することに基づいている。例えば、本発明の成熟ポ リペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の5'コード部分は、長さが約10〜 40塩基対のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドを設計するために用いられる。D NAオリゴヌクレオチドは、転写に関与する遺伝子の領域に相補的であるように設 計され(三重らせん-Leeら、Nucl.Acids Res.,6:3073(1979); Cooneyら、Scie nce,241:456(1988);およびDervanら、Science,251: 1360(1991)を参照のこと )、それにより、hIAP-1の転写および産生を阻害する。アンチセンスRNAオリゴ ヌクレオチドはインビボでmRNAにハイブリダイズし、そしてmRNA分子のhIAP-1ポ リペプチドへの翻訳をブロックする(アンチセンス-Okano、J.Neurochem.,56: 560(1991); Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Express ion,CRC Press,Boca Raton,FL(1988))。上記のオリゴヌクレオチドはまた、 細胞に送達され得、それによって、アンチセンスRNAまたはDNAが、hIAP-1の産生 を阻害するためにインビボで発現され得る。 別の例は、hIAP-1の変異形態、すなわち変異タンパク質を含み、これはhIAP-1 基質を認識するが、アポトーシスを阻止しないように障害性の機能を有する。 別の例は、細胞膜を通過し得、そしてhIAP-1に結合し、そしてその生物学的活 性を阻止する小分子である。小分子の例は、小ペプチドまたはペプチド様分子を 含むが、それらに限定されない。 これらの化合物は、hIAP-1の作用を阻害し、そして腫瘍を阻止するために利用 され得る。なぜなら、細胞が適切な時期にアポトーシスを受け損ねると、腫瘍形 成が生ずるからである。 hIAP-1の作用はまた、細胞発達の進行のためにこれらの化合物によって阻害さ れ得、アポトーシスがウイルス感染細胞を死滅させ、そして組織の分化および発 達を刺激することを可能にする。これらの化合物はまた、組織ホメオスタシスを 維持するために使用され得る。 これらの化合物は、適切な薬学的キャリアと組み合わせて使用され得る。この ような組成物は治療有効量の化合物、および薬学的に許容可能なキャリアまたは 賦形剤を包含する。このようなキャリアは、生理食塩水、緩衝化生理食塩水、デ キストロース、水、グリセロール、エタノール、およびそれらの組合せを含むが 、これらに限定されない。その処方物は投与の様式に適合すべきである。 本発明はまた、本発明の薬学的組成物の1つ以上の成分で満たされた1つ以上 の容器を含む薬学的パックまたはキットを提供する。このような容器に関して、 薬剤または生物学的製品の製造、使用、または販売を統制する政府機関により規 定された形式で製品表示され得、この製品表示はヒトへの投与についての製造、 使用、または販売における機関による認可を表す。さらに、この化合物は、他の 治療化合物と併用して用いられ得る。 これらの薬学的組成物は、経口、局所、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、鼻腔 内、または皮内経路によるような便利な様式で投与され得る。薬学的組成物は、 特定の徴候の処置および/または予防に効果的な量で投与される。一般に、薬学 的組成物は少なくとも約10μg/kg体重の量で投与され、そして多くの場合、それ らは1日あたり約8mg/kg体重を超えない量で投与される。最も多くの場合、投 薬量は、1日あたり約10μg/kg体重から約1mg/kg体重であり、投与経路、症状 などが考慮される。 本発明の配列はまた、染色体の同定に有益である。この配列は、個々のヒト染 色体の特定の位置を特異的に標的化し、そしてその位置にハイブリダイズし得る 。さらに、現在は染色体上の特定の部位を同定する必要がある。現在、染色*** 置の標識に利用可能な実際の配列データ(反復多型)に基づいた染色体標識試薬 はほとんどない。本発明によるDNAの染色体へのマッピングは、これらの配列と 疾患に関連する遺伝子とを相関させることにおける重要な第1段階である。 簡潔に述べれば、配列は、cDNAからPCRプライマー(好ましくは15〜25bp)を 調製することにより染色体にマップされ得る。遺伝子の3’非翻訳領域のコンピ ューター解析が、ゲノムDNA内で1より多いエキソンにまたがらない、従って増 幅プロセスを複雑化しないプライマーを迅速に選択するために使用される。次い で、これらのプライマーは、個々のヒト染色体を含む体細胞ハイブリッドのPCR スクリーニングに使用される。プライマーに対応するヒト遺伝子を含むハイブリ ッドのみが増幅フラグメントを生じる。 体細胞ハイブリッドのPCRマッピングは、特定の染色体に特定のDNAを割り当て るための迅速な手順である。同じオリゴヌクレオチドプライマーとともに本発明 を使用して、特定の染色体由来のフラグメントのパネルまたは類似の様式の大き なゲノムクローンのプールを用いて部分的位置決定(sublocalization)が達成さ れ得る。染色体にマップするために同様に使用され得る他のマッピングストラテ ジーは、インサイチュハイブリダイゼーション、標識化フロー選別した(flow-so rted)染色体でのプレスクリーニング、および染色体特異的cDNAライブラリーを 構築するためのハイブリダイゼーションによる前選択を含む。 cDNAクローンの中期染色体スプレッドへの蛍光インサイチュハイブリダイゼー ション(FISH)は、1工程で正確な染色***置を提供するために使用され得る。こ の技術は、50または60塩基という短いcDNAを用いて使用され得る。この技術の総 説としては、Vermaら,Human Chromosomes: a Manual of Basic Techniques,Pe rgamon Press,New York(1988)を参照のこと。 一旦配列が正確な染色***置にマップされると、染色体上での配列の物理的な 位置は遺伝子地図のデータと相関され得る。このようなデータは、例えば、V.M cKusick,Mendelian Inheritance in Man に見出される(Johns Hopkins Univers ity Welch Medical Libraryからオンラインで入手可能である)。次いで、同一の 染色体領域にマップされる遺伝子と疾患との間の関係が、連鎖解析(物理的に隣 接した遺伝子の同時遺伝)により同定される。 次に、罹患個体と非罹患個体との間のcDNA配列またはゲノム配列における差異 を決定する必要がある。変異がいくつかまたはすべての罹患個体に観察されるが 、いかなる正常な個体にも観察されない場合、この変異は疾患の原因因子であり そうである。 物理的マッピング技術および遺伝的マッピング技術の現在の解像度では、疾患 に関連する染色体領域に正確に位置決めされたcDNAは、50と500との間の潜在的 原因遺伝子の1つであり得る。(これは、1メガベースのマッピング解像度、お よび20kbあたり1遺伝子と仮定する。) このポリペプチド、それらのフラグメントもしくは他の誘導体、またはそれら のアナログ、またはそれらを発現する細胞は、それらに対する抗体を産生させる ための免疫原として使用され得る。これらの抗体は、例えば、ポリクローナル抗 体、またはモノクローナル抗体であり得る。本発明はまた、キメラ抗体、単鎖抗 体およびヒト化抗体、ならびにFabフラグメント、またはFab発現ライブラリーの 産物を包含する。当該分野で公知の種々の手順が、このような抗体およびフラグ メントの産生のために使用され得る。 本発明の配列に対応するポリペプチドに対して生成される抗体は、動物へのポ リペプチドの直接注射により、または動物へのポリペプチドの投与により得るこ とができる。この動物は、好ましくは非ヒトである。次いで、このようにして得 られた抗体は、ポリペプチド自体に結合する。このようにして、ポリペプチドの フラグメントのみをコードする配列でさえも、天然のポリペプチド全体に結合す る抗体を生成するために使用され得る。次いで、このような抗体は、そのポリペ プチドを発現する組織からポリペプチドを単離するために使用され得る。 モノクローナル抗体の調製のために、細胞株の連続培養により産生される抗体 を提供する任意の技術が使用され得る。例としては、ハイブリドーマ技術(Kohle rおよびMilstein,1975,Nature,256: 495-497)、トリオーマ技術、ヒトB細胞 ハイブリドーマ技術(Kozborら,1983,Immunology Today 4: 72)、およびヒトモ ノクローナル抗体を産生するためのEBVハイブリドーマ技術(Coleら,1985,Mono clonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,Inc.,77-96頁)が挙げら れる。 単鎖抗体を産生するために記載された技術(米国特許第4,946,778号)を、本発 明の免疫原性ポリペプチド産物に対する単鎖抗体を産生するために適応させ得る 。また、トランスジェニック動物が、本発明の免疫原性のポリペプチド産物に対 するヒト化抗体の発現に使用され得る。 本発明を以下の実施例を参照にしてさらに記載する;しかし、本発明はこのよ うな実施例に限定されないことが理解されるべきである。すべての部または量は 、他に明記しない限り重量基準である。 以下の実施例の理解を容易にするために、現れる頻度の高い所定の方法および /または用語が記載される。 「プラスミド」は、先行する小文字のpおよび/またはそれに続く大文字およ び/または数字により命名される。本明細書中の出発プラスミドは、市販されて いるか、制限無く公的に入手可能であるか、または公開された手順に従って入手 可能なプラスミドから構築され得るかのいずれかである。さらに、記載されるプ ラスミドと等価のプラスミドが当該分野で公知であり、そして当業者には明らか である。 DNAの「消化」は、DNA中の特定の配列でのみ作用する制限酵素でそのDNAを触 媒反応的に切断することをいう。本明細書中で使用される種々の制限酵素は、市 販されており、そしてそれらの反応条件、補因子、および他の必要条件は当業者 に公知のように使用された。プラスミド構築のためのDNAフラグメントを単離す る目的のためには、代表的には5〜50μgのDNAが20〜250単位の酵素で、より大 きな容量中で消化される。特定の制限酵素のための適切な緩衝液および基質量は 、製造者により特定される。37℃での約1時間のインキュベーション時間が通常 使用されるが、しかしこれは供給者の説明書に従って変わり得る。消化後、反応 物をポリアクリルアミドゲルで直接電気泳動して所望のフラグメントを単離する 。 切断フラグメントのサイズ分離は、Goeddel,D.ら,Nucleic Acids Res.,8: 4 057(1980)により記載された8%ポリアクリルアミドゲルを使用して行われる。 「オリゴヌクレオチド」は、1本鎖ポリデオキシヌクレオチドまたは2つの相 補的なポリデオキシヌクレオチド鎖のいずれかをいい、これらは化学的に合成さ れ得る。このような合成オリゴヌクレオチドは、5’リン酸を有さず、従ってキ ナーゼの存在下でリン酸とATPとを添加しなければ別のオリゴヌクレオチドと連 結しない。合成オリゴヌクレオチドは、脱リン酸化されていないフラグメントに 連結する。 「連結」は、2つの2本鎖核酸フラグメントの間でリン酸ジエステル結合を形 成するプロセスをいう(Maniatis,Tら、前出、146頁)。他に提供されていなけれ ば、連結は公知の緩衝液および条件で、およそ等モル量の連結されるべきDNAフ ラグメント0.5μgあたり10単位のT4 DNAリガーゼ(「リガーゼ」)を用いて達成 され得る。 他に記載しない限り、形質転換はGraham,F.およびVan der Eb,A.,Virology, 52:456-457(1973)の方法に記載のように実施された。 実施例1 hIAP-1 の細菌発現および精製 hIAP-1をコードするDNA配列(ATCC受託番号第 号)を、プロセシングされ たhIAP-1遺伝子(−シグナルペプチド配列)の5’および3’末端配列に対応し 、そしてhIAP-1遺伝子の3’のベクター配列に対応するPCRオリゴヌクレオチド プライマーを用いて最初に増幅する。hIAP-1に対応するさらなるヌクレオチドを 、5’および3’配列それぞれに添加する。5’オリゴヌクレオチドプライマー は、配列5’GATCGGATCCATGAGTACTGAAGAAGCCAG 3’(配列番号3)を有し、Bam HI制限酵素部位およびそれに続くプロセシングされたタンパク質の推定の末端ア ミノ酸から開始するhIAP-1コード配列の20ヌクレオチドを含む。3’配列5’GA CTGGATCCTCTTTAAGAGAGAAATGTACG 3’(配列番号4)は、BamHI部位に相補的な 配列を有する。制限酵素部位は、細菌発現ベクターpQE-9(Qiagen、Inc.、Chat sworth、CA)上の制限酵素部位に対応する。pQE-9は、抗生物質耐性(Ampr)、 細菌の複製起点(ori)、IPTG調節可能プロモーターオペレーター(P/O)、リボ ソーム結合部位(RBS)、6-Hisタグ、および制限酵素部位をコードする。次いで 、pQE-9をBamHIで消化し、そして脱リン酸化する。増幅された配列をpQE-9に連 結し、そしてヒスチジンタグおよびRBSをコードする配列とインフレームで挿入 する。次いで、連結混合物を用いて、E .coli M15/rep4株(Qiagen,Inc)をSambro ok,J.ら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual,Cold Spring Laboratory Press,(1989)に記載の手順により形質転換する。M15/rep4は、lacIリプレッサ ーを発現し、そしてカナマイシン耐性(Kanr)をもまた付与するプラスミドpREP 4の複数のコピーを含有する。形質転換体をLBプレート上で増殖する能力により 同定し、そしてアンピシリン/カナマイシン耐性コロニーを選択する。プラスミ ドDNAを単離して、そして制限酵素分析により確認する。所望の構築物を含有す るクローンを、Amp(100μg/ml)およびKan(25μg/ml)の両方を補充したLB培 地における液体培養で一晩(O/N)増殖させる。O/N培養物を用いて1:100〜1:250 の比で大きな培養物に接種する。細胞を、600の光学密度(O.D.600)が0.4と0.6 との間になるまで増殖させる。次いで、IPTG(「イソプロピル-B-D-チオガラク トピラノシド」)を加えて1mMの最終濃度にする。IPTGはlacIリプレッサーを不 活性化することによってP/Oの解放(clearing)を誘導し、遺伝子発現の増加を 導く。細胞をさらに3〜4時間増殖させる。次いで、細胞を遠心分離により収集 する。この細胞ペレットをカオトロピック薬剤6MグアニジンHCl中で可溶化する 。明澄化の後、6-Hisタグ(Hochuli,Eら、J.Chromatography 411:177-184(1984) )を含有するタンパク質による緊密な結合を可能にする条件下でのニッケル-キ レート(Nickel-Chelate)カラムにおけるクロマトグラフィーによって、この溶液 から可溶化hIAP-1タンパク質を精製する。hIAP-1(50%純粋)を6MグアニジンHCl( pH5.0)中でカラムから溶出し、そして再生のために3MグアニジンHCl、100mMリ ン酸ナトリウム、10mMグルタチオン(還元型)、および2mMグルタチオン(酸化 型)に調整した。この溶液中での12時間のインキュベーションの後、タンパク質 を10mMリン酸ナトリウムに対して透析する。 実施例2 バキュロウイルス発現系を用いるhIAP-1のクローニングおよび発現 全長のhIAP-1タンパク質をコードするDNA配列(ATCC受託番号第 号)を、 遺伝子の5’および3’末端配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマー を用いて増幅する: 号5)を有し、そしてBglII制限酵素部位(太字)、続いて、hIAP-1遺伝子(翻 訳の開始コドン「ATG」は下線が付いている)のすぐ後ろにある真核細胞中での 翻訳の開始のための効果的なシグナルに類似する25ヌクレオチド(Kozak,M.,J .Mol.Biol.,196:947-950(1987))を含む。 6)を有し、そして制限エンドヌクレアーゼBglIIの切断部位およびhIAP-1遺伝 子の3’非翻訳配列に相補的な19ヌクレオチドを含む。増幅配列を、市販のキッ ト(「Geneclean」BIO 101 Inc.,La Jolla,Ca.)を用いて、1%アガロースゲ ルから単離する。次いで、フラグメントをエンドヌクレアーゼBglIIで消化し、 次いで再び1%アガロースゲルにおいて精製する。このフラグメントをF2と称す る。 ベクターpRG1(pVL941ベクターの改変体、下記)をバキュロウイルス発現系を 用いるhIAP-1タンパク質の発現のために用いる(総説について、Summers,M.D. およびSmith,G.E.1987,Amanual of methods for baculovirus vectors and i nsect cell culture procedures,Texas Agricultural Experimental Station B ulletin No.1555を参照のこと)。この発現ベクターは、Autographa californi ca核多角体病ウイルス(AcMNPV)の強力なポリヘドリンプロモーター、それに続 く制限エンドヌクレアーゼBamHIの認識部位を含む。シミアンウイルス(SV)40 のポリアデニル化部位を、効率的なポリアデニル化のために用いる。組換えウイ ルスを容易に選択するために、E.coli由来のβガラクトシダーゼ遺伝子をポリ ヘドリンプロモーターと同方向に挿入し、その後ポリヘドリン遺伝子のポリアデ ニル化シグナルに続ける。ポリヘドリン配列を、同時トランスフェクト野生型ウ イルスDNAの細胞媒介性相同組換えのためにウイルス配列に両端で隣接させる。 多くの他のバキュロウイルスベクターが、pRG1の代わりに用いられ得る(例えば 、pAc373、pVL941、およびpAcIM1(Luckow,V.A.およびSummers,M.D.、Virology ,170:31-39))。 プラスミドを制限酵素BamHIで消化し、そして当該分野で公知の手順により仔 ウシ腸ホスファターゼを用いて脱リン酸化する。次いで、DNAを市販のキット( 「Genecleanl」BIO 101 Inc.,La Jolla,Ca.)を用いて、1%アガロースゲル から単離する。このベクターDNAをV2と称する。 フラグメントF2および脱リン酸化プラスミドV2を、T4 DNAリガーゼを用いて連 結する。次いで、E.coli HB101細胞を形質転換し、そしてPCRを用いて、hIAP-1 遺伝子を正しい向きに有するプラスミド(pBac hIAP-1)を含む細菌を同定する 。クローン化フラグメントの配列を、DNA配列決定により確認する。 5μgのプラスミドpBac hIAP-1を、リポフェクション法(Felgnerら Proc.N atl.Acad.Sci.USA,84:7413-7417(1987))を用いて、1.0μgの市販の線状化 したバキュロウイルス(「BaculoGoldTMbaculovirus DNA」,Pharmingen,San D iego,CA.)とともに同時トランスフェクトする。 1μgのBaculoGoldTMウイルスDNAおよび5μgのプラスミドpBac hIAP-1を、50 μlの無血清グレース培地(Life Technologies Inc.,Gaithersburg,MD)を含 むマイクロタイタープレートの無菌ウェル中で混合する。その後、10μlのリポ フェクチンおよび90μlのグレース培地を添加し、混合し、そして室温にて15分 間 インキュベートする。次いで、そのトランスフェクション混合物を、血清非含有 グレース培地1mlを有する35mm組織培養プレート内に播種されたSf9昆虫細胞(A TCC CRL 1711)に滴下する。プレートを振とうさせ、新たに加えられた溶液を混 合する。次いでプレートを、27℃で5時間インキュベートする。5時間後、トラ ンスフェクション溶液をプレートから除去し、そして10%ウシ胎児血清を補充し た1mlのグレース昆虫培地を添加する。プレートをインキュベーターに戻し、そ して27℃で4日間培養を続ける。 4日後、上清を回収し、そしてSummersおよびSmith(前出)による記載と同様 にプラークアッセイを行う。改変法として、青く染色されたプラークの容易な単 離を可能にする、「Blue Gal」(Life Technologies Inc.,Gaithersburg)を有 するアガロースゲルを用いる。(「プラークアッセイ」の詳細な記述はまた、Li fe Technologies Inc.、Gaithersburgにより配布される昆虫細胞培養およびバキ ュロウイルス学のための使用者ガイド(9〜10頁)においても見い出され得る) 。 ウイルスの系列希釈物を細胞に加えた4日後、青く染色されたプラークをエッ ペンドルフピペットのチップで採取する。次いで、組換えウイルスを含む寒天を 、200μlのグレース培地を含むエッペンドルフチューブに再懸濁する。寒天を、 簡単な遠心分離により除去し、そして組換えバキュロウイルスを含む上清を用い て、35mmディッシュに播種されたSf9細胞に感染させる。4日後、これらの培養 ディッシュの上清を回収し、次いで4℃で保存する。 Sf9細胞を、10%熱失活化FBSを補充したグレース培地中で増殖させる。細胞を 、感染多重度(MOI)2で組換えバキュロウイルスV-hIAP-1に感染させる。6時 間後、その培地を除去し、そしてメチオニンおよびシステインを除いたSF900 II 培地(Life Technologies Inc.,Gaithersburg,MD)に置き換える。42時間後、 5μCiの35S-メチオニンおよび5μCiの35Sシステイン(Amersham)を添加す る。細胞を、さらに16時間インキュベートし、その後細胞を遠心分離により採集 し、そして標識されたタンパク質をSDS-PAGEおよびオートラジオグラフィーによ り可視化する。 実施例3 COS 細胞における組換えhIAP-1の発現 発現プラスミドhIAP-1 HAは、以下を含むベクターpcDNAI/Amp(Invitrogen) に由来する:1)SV40複製起点、2)アンピシリン耐性遺伝子、3)E.coli複 製起点、4)ポリリンカー領域、SV40イントロン、およびポリアデニル化部位が 続くCMVプロモーター。hIAP-1前駆体全体およびその3’末端にインフレームで 融合されたHAタグをコードするDNAフラグメントを、ベクターのポリリンカー領 域にクローン化する。それゆえ、組換えタンパク質発現は、CMVプロモーター下 で支配される。HAタグは、以前に記載されたようなインフルエンザ赤血球凝集素 タンパク質由来のエピトープに対応する(I.Wilson、H.Niman、R.Heighten、 A Cherenson、M.Connolly、およびR.Lerner、1984,Cell 37,767(1984))。 標的タンパク質へのHAタグの融合は、HAエピトープを認識する抗体での組換えタ ンパク質の容易な検出を可能にする。 プラスミド構築ストラテジーを以下に記載する: hIAP-1をコードするDNA配列(ATCC受託番号第 号)を、以下の2つのプラ イマーを用いてPCRにより構築する:5’プライマー5’GCAGATCTGCAATGAGTACTG AAGAAGCC 3’(配列番号7)は、BglII部位とそれに続いて開始コドンから始ま るhIAP-1コード配列の21ヌクレオチドを含む;3’配列5’GCAGATCTTCAAGCGTAG TCTGGGACGTCGTATGGGTAAGAGAGAAATGTACGAACAGT 3’(配列番号8)は、BglII部 位、翻訳停止コドン、HAタグおよびhIAP-1コード配列の最後の21ヌクレオチド( 停止コドンは含まない)に相補的な配列を含む。それゆえ、PCR産物は、BglII部 位、hIAP-1コード配列、続いてインフレームで融合されたHAタグ、HAタグに隣接 する翻訳終止停止コドン、およびBglII部位を含む。PCRで増幅されたDNAフラグ メントをBglIIにより消化し、そしてBamHI制限酵素で消化したベクターpcDNA1/A mpを連結する。連結混合物を、E.coli XL-1-Blue株(Stratagene Cloning Syst ems,La Jolla,CA)に形質転換し、形質転換された培養物をアンピシリン培地プ レートに播種し、そして耐性コロニーを選択する。プラスミドDNAを形質転換体 から単離し、そして正しいフラグメントの存在について制限分析により試験する 。組換えhIAP-1の発現のために、COS細胞を、DEAE-DEXTRAN法(J.Sambrook、E .Fritsch、T.Maniatis、Molecular Cloning: A Laboratory Manual,Cold Spr ing Laboratory Press,(1989))により発現ベクターでトランスフェクトする。hIA P-1 HAタンパク質の発現を、放射標識および免疫沈降法(E.Harlow,D.Lane, Antibodies: A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,(1 988))により検出する。細胞を、トランスフェクションの2日後、35S-システイ ンで8時間標識する。次いで培養培地を回収し、そして細胞を界面活性剤(RIPA 緩衝液(150mM NaCl、1% NP-40、0.1% SDS、1% NP-40、0.5% DOC、50mM Tr is(pH7.5))(Wilson,I.ら、同上 37:767(1984))で溶解する。細胞溶解物および 培養培地の両方を、HA特異的モノクローナル抗体を用いて沈降させる。沈降した タンパク質を15% SDS-PAGEゲルで分析する。 実施例6 遺伝子治療を介するhIAP-1の発現 線維芽細胞を皮膚バイオプシーにより被験体から得る。得られる組織を組織培 養培地に置き、そして小片に分離する。組織の小片を、各フラスコに約10片ずつ 、組織培養フラスコの湿った表面上に置く。このフラスコを逆さにし、堅く密封 して室温で一晩放置する。室温で24時間後、このフラスコを逆さにし、そして組 織の小片をフラスコの底に固定したままで、新鮮な培地(例えば、10%FBS、ペ ニシリンおよびストレプトマイシン含有Ham's F12培地)を添加する。次いで、 これを37℃で約1週間インキュベートする。このとき、新鮮な培地を添加し、そ して続いて、2、3日毎に培地を交換する。さらなる2週間の培養後、線維芽細 胞の単層が出現する。この単層をトリプシン処理し、そしてより大きなフラスコ へスケールアップする。 モロニーマウス肉腫ウイルスの長末端反復の側面に配置されるpMV-7(Kirschme ier,P.T.ら、DNA,7:219-25(1988))を、EcoRIおよびHindIIIで消化し、そして続 いてウシ腸ホスファターゼで処理する。線状化ベクターをアガロースゲル上で分 画し、そしてガラスビーズを用いて精製する。 本発明のポリペプチドをコードするcDNAを、それぞれ5’および3’末端配列 に対応するPCRプライマーを用いて増幅する。5’プライマーはEcoRI部位を含有 し、そして3’プライマーはHindIII部位を含有する。等量のモロニーマウス肉 腫ウイルス線状化骨格とEcoRIおよびHidIIIフラグメントとを、T4 DNAリガーゼ の存在下に共に加える。得られる混合物を2つのフラグメントの連結に適切な条 件下で維持する。この連結混合物を用いて細菌HB101を形質転換し、次いで、こ れを、ベクターが適切に挿入された目的の遺伝子を有することを確認する目的の ために、カナマイシン含有アガー上に播種する。 両種性pA317またはGP+am12パッケージング細胞を、10%ウシ血清(CS)、ペニシ リンおよびストレプトマイシン含有ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中でコン フルエントな密度まで組織培養で増殖させる。次いで、遺伝子を含有するMSVベ クターを培地に添加し、そしてパッケージング細胞をベクターで形質導入する。 このパッケージング細胞は、ここより、遺伝子を含有する感染性ウイルス粒子を 産生する(ここで、このパッケージング細胞をプロデューサー細胞と呼ぶ)。 形質導入されたプロデューサー細胞に新鮮な培地を添加し、そして続いて、こ の培地をコンフルエントなプロデューサー細胞の10cmプレートから回収する。感 染性ウイルス粒子を含有する消費された培地を、ミリポアフィルターを通して濾 過して分離した(detached)プロデューサー細胞を取り除き、次いでこの培地を 、線維芽細胞を感染させるために使用する。培地を線維芽細胞のサブコンフルエ ントなプレートから取り除き、そしてプロデューサー細胞由来培地に素早く置き 換える。この培地を除去し、そして新鮮な培地に置き換える。ウイルスの力価が 高い場合、実質的にすべての線維芽細胞が感染し、そして選択の必要はない。ウ イルス力価が非常に低い場合、neoまたはhisのような選択マーカーを有するレト ロウイルスベクターを使用する必要がある。 次いで、単独でまたはサイトデックス(cytodex)3マイクロキャリアビーズ上 でコンフルエントに増殖した後のいずれかで、操作された線維芽細胞を宿主に注 入する。この線維芽細胞は、ここで、タンパク質産物を産生する。 本発明の多数の改変および種々の変化は上記の教示を考慮すると可能であり、 従って、添付の請求の範囲内にあり、本発明は、特に記載した以外の別の方法で も実施され得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 5/00 C12P 21/02 C C12P 21/02 G01N 33/50 T G01N 33/50 P C12N 5/00 // A61K 38/55 ADU A61K 37/64 ADU (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 ハドソン,ピーター エル. アメリカ合衆国 メリーランド 20874, ジャーマンタウン,ハイストリーム ドラ イブ 19041 (72)発明者 ローゼン,クレイグ エイ. アメリカ合衆国 メリーランド 20882, レイトンズビル,ローリング ヒル レー ン 22400

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.単離されたポリヌクレオチドであって; (a)配列番号2に示すアミノ酸1〜アミノ酸438を含有するポリペプチドをコー ドするポリヌクレオチド; (b)(a)のポリヌクレオチドにハイブリダイズし得、そして該ポリヌクレオチド と少なくとも70%同一であるポリヌクレオチド;および (c)(a)または(b)のポリヌクレオチドのポリヌクレオチドフラグメント、 からなる群から選択されるメンバーを含む、単離されたポリヌクレオチド。 2.前記ポリヌクレオチドがDNAである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。 3.前記ポリヌクレオチドがRNAである、請求項1に記載のポリヌクレオチド。 4.前記ポリヌクレオチドがゲノムDNAである、請求項1に記載のポリヌクレオ チド。 5.配列番号2のアミノ酸1〜アミノ酸438を含むポリペプチドをコードする、 請求項2に記載のポリヌクレオチド。 6.単離されたポリヌクレオチドであって; (a)ATCC受託番号第 号に含まれるDNAにより発現されるアミノ酸配列を有 する成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド; (b)ATCC受託番号第 号に含まれるDNAにより発現されるアミノ酸配列を有 するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド; (c)(a)のポリヌクレオチドにハイブリダイズし得、そして該ポリヌクレオチド と少なくとも70%同一であるポリヌクレオチド;および (d)(a)、(b)、または(c)のポリヌクレオチドのポリヌクレオチドフラグメント 、 からなる群から選択されるメンバーを含む、単離されたポリヌクレオチド。 7.配列番号1に示す配列のヌクレオチド1からヌクレオチド1435までを含む請 求項1に記載のポリヌクレオチド。 8.配列番号1に示す配列のヌクレオチド10からヌクレオチド1323までを含む請 求項1に記載のポリヌクレオチド。 9.請求項2に記載のDNAを含有するベクター。 10.請求項9に記載のベクターで遺伝子操作された宿主細胞。 11.ポリペプチドを産生するためのプロセスであって、請求項10に記載の宿 主細胞から前記DNAによってコードされるポリペプチドを発現させる工程を包含 する、プロセス。 12.ポリペプチドを発現し得る細胞を産生するためのプロセスであって、細胞 を請求項9に記載のベクターで遺伝子操作する工程を包含する、プロセス。 13.ポリペプチドであって、 (i)配列番号2の推定アミノ酸配列を有するポリペプチド、ならびにそのフラ グメント、アナログ、および誘導体;ならびに (ii)ATCC受託番号第 号のcDNAによりコードされるポリペプチド、ならび に該ポリペプチドのフラグメント、アナログ、および誘導体 からなる群から選択される、ポリペプチド。 14.配列番号2のアミノ酸1〜アミノ酸438を含む、請求項13に記載のポリ ペプチド。 15.請求項13に記載のポリペプチドの活性化を阻害する化合物。 16.hIAPを必要とする患者の処置方法であって、治療有効量の請求項14に記 載のポリペプチドを患者に投与する工程を包含する、方法。 17.前記治療有効量の前記ポリペプチドが、該ポリペプチドをコードするDNA を前記患者に提供し、そしてインビボで該ポリペプチドを発現させることによっ て投与される、請求項16に記載の方法。 18.hIAPの阻害を必要とする患者の処置方法であって、治療有効量の請求項1 5に記載の化合物を該患者に投与する工程を包含する、方法。 19.請求項13に記載のポリペプチドの過少発現に関連する疾患または該疾病 に対する感受性を診断するためのプロセスであって: 該ポリペプチドをコードする核酸配列中の変異を決定する工程 を包含する、プロセス。 20.宿主由来のサンプル中の請求項13に記載のポリペプチドの存在について 分析する工程を包含する、診断プロセス。 21.請求項14に記載のポリペプチドに対するアンタゴニストとして効果的で ある化合物を同定するためのプロセスであって: hIAP-1をコードする核酸配列で細胞をトランスフェクトする工程; スクリーニングされるべき化合物と、該細胞を接触させる工程;および 該細胞がアポトーシスを受けるかどうかを決定する工程、 を包含する、プロセス。
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