JPH11506627A - ネオプレンコポリマー製の外科医の手袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ある種のネオプレンコポリマーは、特性が改良された外科医の手袋及びスワンツガンツ(Swanz-Ganz)バルーンの製造を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】 ネオプレンコポリマー製の外科医の手袋 発明の分野 本発明は、外科医の手袋及びその製造に用いる組成物に関する。 発明の背景 ある場合において、天然ゴム医用手袋は、ラテックスに対してアレルギー反応 を起こしやすい人においてアレルギー反応を起こすことがある。医学文献のある ものは、診療従事者によって連続的に暴露されるため医学の分野におけるゴム手 袋の使用においてこのアレルギー反応が特に高いことを示唆している。ネオプレ ン、シリコーン及び他のタイプの材料を含むすべての他の合成材料には不快であ るもしくは違和感があるため、天然ゴムからの転換には抵抗があった。 現在市場にあるネオプレン外科用手袋は、使用感がきつく、使用者の手におい て柔軟性がないため人気がない。これらの製品の外科医の使用者は、天然ゴムの 柔らかいかつ柔軟な触感を好む。ネオプレン化合物、及び本発明により開発され た方法は、従来よりも弾性率の低い合成手袋を形成する。本発明は、天然ゴムよ り構成された通常の外科医の手袋と等しいもしくはこれよりも優れた軟らかい触 感を有するネオプレン手袋を形成する。 本発明の利点 本発明のネオプレン手袋は合成エラストマーより製造され、これは天然ラテッ クス手袋の外観及び感覚を有している。これは基本的にアレルギー誘発性ではな く、蛋白質を含まない。これは現在の手 袋製造法を用いて製造してもよい。本発明の手袋は溶剤及びオゾンに対して耐性 を有する。この手袋は従来の潤滑パウダーで処理してもよい。また、この手袋は パウダーを含まないが、良好な離型性及び装着性を維持している。この効果を達 成するため、従来のハロゲン化法を用いてもよい。放射線滅菌を行った後におい てもこの物性は実質的に低下しない。 本発明 本発明は、25〜55％、好ましくは35〜45％の塩素を含む、ネオプレンと2,3-ジ クロロ-1,3- ブタジエンとのコポリマーラテックスより構成された、柔らかい外 科医の手袋もしくは産業用医用手袋である。最も好ましい態様において、このコ ポリマーは40％の塩素を含む。この柔らかい外科医の手袋は、弾性率が低く、結 晶化速度が遅く、湿潤ゲル強度が高く、そしてゲル含量が中程度であることをさ らに特徴とする。 本発明はまた、上記タイプの柔らかい外科医の手袋の製造において有効な組成 物である。この手袋の製造に用いられる組成を以下の表１に示す。 本発明の詳細な説明 ネオプレンコポリマーラテックス 2-クロロ-1,3- ブタジエンと2,3-ジクロロ-3- ブタジエンのコポリマーは30〜 50％、好ましくは35〜45％、最も好ましくは40％の塩素を含む。このポリマーの 弾性率は100 ％において0.6MPaを越えるべきではなく、好ましくは100 ％におい て約0.4MPaである。この値についてのより詳細な説明は、C.H.Gilbert のA SELE CTION GUIDE FOR NEOPRENE LATEXES，1985（NL-020.1(RI)の表IIを参照されたい 。このラテックスは35〜60重量％の固体含量を有していてもよい。本発明におい て有効なコポリマーは結晶化速度が遅く、ゲル含量が中程度であり、湿潤ゲル強 度が高い。これは好ましくはアニオンラテックスである。これらのポリマーにつ いての詳細な情報は、C.H.Gilbert Bulletin and the DuPont Bulletin，NEOPRE NE LATEXES-THEIR PREPARATION AND CHARACTERISTICS，by L.L.Harrell Jr.,198 1（ADH 200.1）を参照することにより得られる。 本発明の実施に用いられる好ましい市販ラテックスは、コードナンバー750 と してDuPontにより製造されている。このアニオンコポ リマーラテックスは40％の塩素含量を有し、上記の好ましい特性をすべて有して いる。このラテックスについての詳細は、C.H.Gilbert Bulletinにみられる。 手袋の厚さ 「外科医の手袋」とは、実験用手袋、指サック、及び医学用のカテーテル上の Swanz-Ganzバルーンのような関連する製品を含む。この手袋はいずれの部位にお いても0.5"未満の平均厚さを有する薄い手袋であることが本発明の重要な特徴で ある。好ましくは、この厚さは0.009"を越えない。本発明により製造される手袋 は0.006"の袖口の厚さ及び0.0075"の指の厚さを有する。 外科医の手袋の製造方法 本発明の手袋は、好ましくは周知の浸漬法を用いて製造される。この方法は、 ほとんどの場合、よく知られており、例えば直線浸漬(straight dipping)及び凝 固浸漬(coagulant dipping)であり、後者の方法は最も頻繁に用いられ、アノー ド(Anode)法又はティーグ(Teague)法を含む。これらの凝固法のいずれも本発明 に用いてよいが、アノード法が最も好ましい。これらの方法の詳細は、NATURAL RUBBER DIPPING TECHNOLOGIES，by R.D.Culp and B.L.Pugh，symposium on Late x as a Barrier Material 1989年４月６日及び７日、メリーランド大学に記載さ れている。ネオプレンラテックス浸漬を記載している他の文献は、NEOPRENE LAT EX AND ITS APPLICATION WITH EMPHASIS ON THE MANUFACTURE OF DIPPED GOODS ，by O.H.Gilbert and H.E.Berkheimer，ACS spring Meeting，Rubber Division ，Montreal，Quebec，1987年５月27日である。 ネオプレンラテックスの浸漬を記載している他の文献は、NEOPRENE LATEXES A ND THEIR APPLICATIONS，F.L.McMillan，ACS，Rubber Division，Tronto，Ontar io，Canada，1991年５月21〜24日である 。この文献は、ネオプレンラテックスの配合に用いる種々の成分及びその機能を 記載している。この文献はさらに、以下のようにアノード浸漬法を記載している 。「アノード法において、型(form)を凝固剤に浸漬し、引き上げ、そして回転さ せて凝固剤を均一に付着させる。一部乾燥させた後、凝固剤フィルムは粘稠にな り、型をラテックス化合物中にゆっくりかつ着実に浸漬し、十分な時間保持して 所望の厚さにフィルムを付着させる。次いで、安定な速度で、型上に湿った化合 物の外層の流れが最小となるようゆっくりと引き上げる。」「直線浸漬と同様に 、引き上げた後の型の回転はフィルムを滑らかにする。浸漬された化合物はこの 湿ったフィルムを硬化させるために他の凝固剤に浸漬する。付着の速度は最初は とても速いが、滞留時間と共に急速に低下するため及び工程全体を何度も繰り返 すため、厚いフィルムを形成する場合、多段階浸漬を用いることはそれほど費用 がかからず、速い。」 実施例 表１に示すタイプの組成及びアノード浸漬法を用いて、外科医の手袋を製造し 、市販のネオプレン手袋に対して試験を行った。この試験の結果を表２及び３に 示す。 また、放射線滅菌が本発明の手袋の物性を実質的に損わないことを示すため、 表４を示す。 同様の組成を用いて、Swanz-Ganzバルーンを製造した。このバルーンは標準圧 力試験に合格した。 本発明の前記特定の態様の記載は、説明のために示したものである。これは本 発明を限定するものではなく、多くの変形が可能である。この態様は本発明の原 則を説明するものであり、当業者は特定の用途に応じて変形させて本発明を利用 できるであろう。本発明の範囲は添付する請求の範囲により規定される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，Ｂ Ｙ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ， ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，Ｍ Ｄ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ， ＴＭ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 バーンズ，ジム アメリカ合衆国，ニュージャージー 08536，プレーンズボロ，フランクリン ドライブ 41 (72)発明者 カルプ，ラス アメリカ合衆国，アラバマ 36303，ドゥ ーザン，オークリッジ レーン 3617

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. ネオプレンと2,3-ジクロロ-1,3- ブタジエンとのコポリマーであって、25 〜55％の塩素を含むコポリマーのラテックスより構成された柔らかい外科医の手 袋。 2. 前記コポリマーが35〜45％の塩素を含む、請求項１記載の柔らかい外科医 の手袋。 3. 前記コポリマーが40％の塩素を含む、請求項１記載の柔らかい外科医の手 袋。 4. 弾性率が低く、結晶化速度が遅く、湿潤ゲル強度が高く、かつゲル含量が 中程度であることをさらに特徴とする、請求項１記載の柔らかい外科医の手袋。 5. ネオプレンと2,3-ジクロロ-1,3- ブタジエンとのコポリマーであって、25 〜55％の塩素を含むコポリマーのラテックスより構成されたスワンツガンツ(Swa nz-Ganz)バルーン。 6. 前記コポリマーが35〜45％の塩素を含む、請求項５記載のスワンツガンツ (Swanz-Ganz)バルーン。 7. 前記コポリマーが40％の塩素を含む、請求項５記載のスワンツガンツ(Swa nz-Ganz)バルーン。 8. 弾性率が低く、結晶化速度が遅く、湿潤ゲル強度が高く、かつゲル含量が 中程度であることをさらに特徴とする、請求項５記載のスワンツガンツ(Swanz-G anz)バルーン。 9. 以下の成分を以下の量含む、請求項１記載の柔らかい外科医の手袋の製造 に有効な組成物。 成分 ゴム100部 に対する部 ネオプレンコポリマーラテックス 100.00 可塑剤Ｉ安定剤 0.25〜10.00 乳化剤Ｉ安定剤 0.25〜10.00 オゾン亀裂防止剤Ｉ可塑剤 0.25〜10.00 ｐＨ安定剤金属イオン封鎖剤 0.10〜1.50 ｐＨ安定剤 0.10〜1.50 加硫活性剤 0.25〜20.00 架橋剤 0.10〜3.00 加硫促進剤 0.25〜4.00 抗酸化剤 0.10〜3.00 （ゴム付香剤） 0.001〜1.0 湿潤剤Ｉ乳化剤 0.001〜1.0 脱泡剤 0.001〜2.0 ゴム軟化剤 0.0〜50.0