JP2602063Y2 - 塩化ビニル製抗菌手袋 - Google Patents

塩化ビニル製抗菌手袋

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JP2602063Y2
JP2602063Y2 JP1993062178U JP6217893U JP2602063Y2 JP 2602063 Y2 JP2602063 Y2 JP 2602063Y2 JP 1993062178 U JP1993062178 U JP 1993062178U JP 6217893 U JP6217893 U JP 6217893U JP 2602063 Y2 JP2602063 Y2 JP 2602063Y2
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glove
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antibacterial
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glove body
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至 堀口
伸一 熊倉
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Okamoto Industries Inc
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Okamoto Industries Inc
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は塩化ビニル製手袋、詳し
くは手袋本体内面に抗菌性被膜を設けた塩化ビニル製の
薄手袋に関する。
【0002】
【従来の技術】診察,手術等において使用されている従
来の医療用(歯科、あるいは一般医療用)の塩化ビニル
製薄手袋にあっては、ウレタン,アクリル,塩化ビニル
のポリマー、それらの共重合体又はブレンドからなる表
面処理剤にて内面処理をしていたものがあるが、手袋内
に抗菌性を付与するものではなかったため、手袋内にお
いて菌類の繁殖を招く虞れがあったものである。特に、
手術等において使用する場合には長時間にわたって装着
したままであるため、手袋内は菌類の繁殖しやすい状況
下となり得るものであった。この現状は、病院内あるい
は保健所内等において各種の菌(大腸菌等)が感染す
る、いわゆる院内感染が社会的にも大きな問題としてと
らえられており、医師,看護婦,病院関係者等の使用者
(手袋装着者)がその菌類の感染媒体となり得ることが
あるため大変重大な問題である。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】本考案は、従来技術の
有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、そ
の目的とするところは、手袋内における菌類の繁殖を防
止し、病院関係者等の使用者が感染媒体となる恐れがな
く院内感染の心配のない塩化ビニル製抗菌手袋の提供に
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案がなした技術的手段は、軟質塩化ビニル樹脂に
て薄膜状に形成された手袋本体の内面に、第四級アンモ
ニウム塩を持つ(メタ)アクリル酸誘導体との共重合物
とポリウレタンとポリ塩化ビニルを含む表面処理剤をコ
ーティングして抗菌性被膜を設けたことである。
【0005】
【実施例】以下、本考案の一実施例を説明する。
【0006】本考案の塩化ビニル製抗菌手袋Aは、この
種の技術分野において周知の形態及び構造のもの、例え
ば陶磁器又は金属で手型状に形成された手袋製造型を所
定の温度に調整した後、塩化ビニル樹脂溶液に1回また
は2回浸漬して、上記製造型に塩化ビニルペーストを付
着させ、引き上げてセミキュアー、冷却して型面に一層
又は二層、あるいは必要によっては数層からなる薄膜状
に手袋本体1が形成され、然る後、上記薄膜状の手袋本
体1を、第四級アンモニウム塩を持つ(メタ)アクリル
酸誘導体との共重合物とポリウレタンとポリ塩化ビニル
を含む表面処理剤に浸漬して手袋本体1の表面(内面)
1a全域あるいは部分的に抗菌性被膜2を積層状に形成
し、離型反転して形成される。
【0007】塩化ビニル樹脂溶液は、塩化ビニルペース
トレジンに可塑剤,安定剤,ゲル化剤,顔料など通常用
いられている各種の添加剤を配合し、粘度4000〜10,000
cpsとした周知の塩化ビニルペーストであり、場合によ
ってはストレートレジンを配合することもある。このよ
うな塩化ビニルぺーストを手袋製造型に付着させてセミ
キュアー,冷却して手袋本体1となる一層若しくは二層
よりなる薄膜層を形成する。
【0008】表面処理剤は、第四級アンモニウム塩を持
つ(メタ)アクリル酸誘導体を例えばアクリルモノマー
(2−ヒドロキシルエチルメタアクリレート、アクリル
酸、ブチルアクリレート、エチルアクリレートなど)に
共重合させた共重合物及びポリウレタンとポリ塩化ビニ
ルを含む、固形分12重量%を含有する粘度が10〜200c
psのエマルジョンタイプのものである。この表面処理剤
に上記手袋本体1の薄膜層を有する手袋製造型を再度浸
漬して薄膜層の上面に該表面処理剤を付着させ、引上
げ、予備乾燥、キュアー、冷却を順次行い、そして反転
離型することにより手袋本体1の内面1aに抗菌性被膜
2を形成する。
【0009】第四級アンモニウム塩を持つ(メタ)アク
リル酸誘導体は、
【化1】 に表される構造式を持つモノマーであり、例えば、メタ
クリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド,メタクリルオキシエチルトリエチルアンモニウムク
ロライド等が挙げられる。上記化1に表される構造式を
持つモノマーを共重合させた共重合物が含まれる表面処
理剤により、第四級アンモニウム塩の抗菌性によって菌
類の繁殖が防げるまた、その含有量は表面処理剤固形分
量の5〜80重量%である。
【0010】また、本考案の抗菌剤は上記第四級アンモ
ニウム塩を持つ(メタ)アクリル酸誘導体を表面処理剤
中のアクリルポリマーと共重合させた、いわゆる(メ
タ)アクリル酸誘導体とアクリルモノマーとの共重合物
である。これは、例えば抗菌剤をブレンドさせたもので
は混合比率を増やすことにより表面処理剤の接着力が低
下し、使用中に剥がれ易くなるという問題があるが、上
記構成とすることにより塩化ビニル性の手袋本体1の内
面との接着性も良く、抗菌性と接着性との両有用性を兼
ね備えたものとなるからである。
【0011】次に、具体的な実施の態様を説明すると、
下記配合(イ)による液温35℃の塩化ビニルペースト
に、型温50℃に調整された手袋製造型を浸漬し、引上
げた後170℃で4分セミキュアーし、型温まで冷却し
て手袋本体1を成膜した。
【0012】[配合(イ)] 塩化ビニルペーストレジン(重合度=1650) 100PHR 可塑剤(フタル酸、ポリエステル) 100PHR 安定剤(Ca−Ba−Zn) 4PHR ゲル化剤(Ca/Si) 4PHR 顔料 1PHR
【0013】そして次に、下記配合(ロ)のエマルジョ
ンタイプの表面処理剤(液温25℃)に、上記成膜され
た手袋本体1の薄膜層を有する手袋製造型を浸漬60c
m/分して引上げ30cm/分、しかる後60〜140
℃で2分予備乾燥、220℃で8分キュアーして型温7
0℃まで冷却後、反転離型して抗菌性被膜2を手袋本体
1の内面1aに所望厚さに成膜して手袋Aを形成した。
尚、その膜厚は任意であり何等限定はされない。
【0014】[配合(ロ)] ポリエステル系ウレタンエマルジョン 175重量部(固形分40%) メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドとエチルメタアクリ レートの共重合体のエマルジョン 50重量部(固形分40%) ポリ塩化ビニルエマルジョン 20重量部(固形分50%) 水 555重量部 ポリエチレンオキサイドノニルフェニルエーテル 5重量部 計 805重量部(固形分12%) ポリマー分 100
【0015】上記形成された手袋Aの抗菌性を試験(本
実施例では大腸菌による試験)し、その評価を下記表1
に示す。 「試験方法」 手袋内面(5cm×5cm)に大腸菌液0.2mlを接
種した後にラップを行った。6時間保存後の生菌類をS
CDLP培地で洗いだし、菌類測定用培地による混釈平
板培養法により、試料1枚当りの生菌類を測定した。
【0016】
【表1】
【0017】さらに、抗菌性被膜2は手袋本体1にピン
ホールが仮にあっても、そのピンホールの目止めとして
作用するため、特に極薄手袋(0.2mm以下)におけ
るピンホールの発生率が減少し(本表面処理極薄手袋
0.2%に対して、未処理極薄手袋2.0%、JIS S 20
42 6.7ピンホール試験)、不良品の発生率が低下するこ
とにもなる。また、上記被膜2を設けたことによりピン
ホール品に対する電気絶縁性が高くなり(ピンホール品
1×104 Ωに対し、15×104 Ω JIS T 9111 5.5ピ
ンホール試験)、従来の未処理極薄手袋(5×104 Ω同
上試験による)あるいは懸濁重合品(∞同上試験によ
る)に比して、ピンホール品との電気絶縁度に差が明確
に現われるため、万が一にもピンホール品が発生したと
してもその選別が容易、かつ確実に行えることにもな
る。
【0018】
【考案の効果】本考案の塩化ビニル製抗菌手袋によれ
ば、第四級アンモニウム塩を持つ(メタ)アクリル酸誘
導体との共重合物とポリウレタンとポリ塩化ビニルを含
む表面処理剤をコーティングして抗菌性被膜を設けたこ
とにより、手袋内における種々の菌の繁殖が防げるため
使用者(装着者)に対して大変衛生的であり、特に、手
術等において長時間にわたって装着したままであって
も、手袋内に菌類が繁殖せず、病院関係者等が感染媒体
となることなく、いわゆる院内感染の恐れもない。ま
た、第四級アンモニウム塩を持つ(メタ)アクリル酸誘
導体をブレンドさせたものではなく、アクリルモノマー
と共重合させたことにより塩化ビニル性の手袋本体の内
面との接着性も良く、使用中に剥がれる心配がない抗菌
性と接着性(被膜の非剥離性)との両有用性を兼ね備え
たものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案手袋の一実施例を一部切り欠いて示す全
体図
【符号の説明】
A:塩化ビニル製抗菌手袋 1:手袋本体 2:抗菌性被膜

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟質塩化ビニル樹脂にて薄膜状に形成され
    た手袋本体の内面に、第四級アンモニウム塩を持つ(メ
    タ)アクリル酸誘導体との共重合物とポリウレタンとポ
    リ塩化ビニルを含む表面処理剤をコーティングして抗菌
    性被膜を設けたことを特徴とする塩化ビニル製抗菌手
    袋。
JP1993062178U 1993-11-18 1993-11-18 塩化ビニル製抗菌手袋 Expired - Lifetime JP2602063Y2 (ja)

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JPH0731819U JPH0731819U (ja) 1995-06-16
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