JPH11505665A - 高圧ハロゲン化金属ランプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、放電スペースを包囲し、気密封止され、外部に通じる電流伝導体に接続される電極が配置される光透過放電管と、希ガス、バッファガス及びハフニウム、ジルコニウム及びタンタルから選択した少なくとも１つのハロゲン化遷移金属を有する放電管内の充填材とを具える高圧ハロゲン化金属ランプに関するものである。本発明によれば、各電極に、ハフニウム、ジルコニウム及びタンタルの炭化物から選択した炭化物を含む電極部分を設ける。プラズマから電極への遷移金属の拡散が著しく抑制されるので、ランプは作動中、非常に良好な演色特性を維持する。

Description

【発明の詳細な説明】 高圧ハロゲン化金属ランプ 本発明は、気密封止された放電スペースを外部に通じる電流導電体に接続され た複数の電極が内部に配置され、画成する光透過放電管と、希ガス、バッファガ ス及びハフニウム、ジルコニウム及びタンタルから選択した少なくとも１つのハ ロゲン化遷移金属を有する放電管内の充填材とを具える高圧ハロゲン化金属ラン プに関するものである。 このような高圧ハロゲン化金属ランプ（ランプとも称する）は、ＥＰ０６２７ ７５９Ａ１により知られている。 この既知のランプにおいては、水銀及び／又はキセノンが例えばバッファガス として使用される。既知のランプの電極は、タングステン棒で構成する。既知の ランプは良好な演色特性を有する。更に既知のランプの発光効率及び輝度は比較 的高い値をとる。 既知のランプの欠点は、動作中にプラズマ内にある遷移金属が電極内に拡散す ることである。その結果、プラスマの組成、従って既知のランプの性能も動作中 に変化する。更に特には、プラズマから遷移金属が消失する結果、このランプの 演色特性が急激に低下する。この拡散の影響は、大部分の遷移金属が電極に拡散 した後も十分な遷移金属がプラズマ内に残留するように、ランプの充填材中のハ ロゲン化遷移金属の量を増すことにより部分的に補償できる。しかしながら、こ のようなハロゲン化遷移金属を大量に含むランプでは、ランプを起動させる再点 弧電圧が、多くの実際の用途に対して好適ではなく、著しく高いことが分かった 。 本発明の目的は、多くの実際の用途に好適であって、メンテナンスが改良され た明細書前文に記載の種類の高圧ハロゲン化金属ランプを提供することにある。 本発明は、このような目的を達成するために、各電極に、ハフニウム、ジルコ ニウム及びタンタルの炭化物から選択した炭化物を含む第１電極部分を設けたこ とを特徴とする。 本発明による高圧放電ランプの動作中に、電極の第１電極部分は放電に直面し ており、放電アークは両電極の第１電極部分間に存在する。本発明による高圧ハ ロゲン化金属ランプにおいては、遷移金属のプラズマからランプの電極への移動 がかなり抑制されることが分かった。この結果、プラズマの組成はほぼ変化せず 、ランプのかなり良好な演色特性はランプの動作中にに亘って維持される。これ は充填材中のハロゲン化遷移金属を比較的僅かにしか含まないランプに対しても 当てはまる。放電管中に含まれるハロゲン化遷移金属の量を３μｍｏｌ／ｃｍ³ 以上としないことが好適であって、その結果ランプの再点弧電圧は比較的低くで きる。 第１電極部分がほぼ純粋な炭化遷移金属で構成された本発明による高圧ハロゲ ン化金属ランプや、第１電極部分が炭化遷移金属に加えてタングステン及び／又 はレニウムをも含む本発明による高圧ハロゲン化金属ランプでは、良好な結果が 得られた。第１電極部分に設けるタングステン及び／又はレニウムの重量百分率 を０乃至３０％の範囲とするのが好適である。 この両電極には、第１電極部分に接続された第２電極部分を設けてもよい。こ のような第２電極部分の組成により、電流導電体と第２電極部分との間の接続は 、電流導電体と第１電極部分とを接続する場合よりも良好に実現できる。第２電 極部分にタングステン棒を設けた高圧ハロゲン化金属ランプでは、好適な結果が 得られた。第１電極部分をタングステン棒の端部に融着するのが好適である。 第１電極部分をほぼ球面状、ほぼ半球面状或いは円筒形とするのが好適である 。 本発明の実施例を更に図面により説明する。 図面において、図１は、本発明による高圧ハロゲン化金属ランプの実施例を示 したものであり、 図２は、図１に示した高圧ハロゲン化金属ランプ内に設けた電極の１つを線図 的に示したのである。 図１において、１は放電スペース２を画成する光透過放電管である。この放電 管１を気密封止によりシールする。第１電極部分３ａ及び３ｂと第２電極部分４ ａ及び４ｂとを具える電極を放電管内に配置し、外部に通ずる導電体５ａ、６ａ 及び５ｂ、６ｂに接続する。電流導電体の各々にはモリブデンフォイル（５ａ及 び５ｂ）とこのモリブデンフォイルに連結された導電ワイヤ（６ａ及び６ｂ）と を設ける。又各電極をモリブデンフォイルの１つに接続する。この放電管内の充 填材は、希ガス、バッファガス及び周囲温度では固体であって図１では符号６で 示した若干のＨｆＢｒ₄とを有する。 図１の高圧ハロゲン化金属ランプ内の両電極は、これらの電極の１つに関して 図２に示すような構造をとる。図面から明らかなように第１電極部分をＨｆＣで 構成する一方で、第２電極部分をタングステン棒で構成する。第１電極部分を第 ２電極部分に融着する。第２電極部分をモリブデンフォイルに接続する。 表Ｉは、本発明による高圧ハロゲン化金属ランプ（ランプ２）と、ランプ２と 充填材は同じであるが電極をタングステン棒とした高圧ハロゲン化金属ランプ（ ランプ１）との比較を示したものである。ランプ２の電極には、ほぼ純粋なＨｆ Ｃから成る第１電極部分を設けた。この高圧ハロゲン化金属ランプの放電スペー スの容積を、ほぼ１ｃｍ³とし、電極の寸法を６ｍｍとした。両ランプを、環境 温度でほぼ１００ｍｂａｒのアルゴンと１３４μｍｏｌ／ｃｍ³の水銀及び１． ３４μｍｏｌ／ｃｍ³のＨｆＢｒ₄とで満たした。両ランプをアウターバルブを使 用せずに水平に動作させ、ランプに供給する出力を２５０ワットとした。 表IIは、本発明による高圧ハロゲン化金属ランプ（ランプ４）と、ランプ４と 充填材は同じであるが電極をタングステン棒とした高圧ハロゲン化金属ランプ（ ランプ３）とを比較したものである。このランプ４の電極には、３０ｗｔ．％の タングステンと７０ｗｔ．％のＨｆＣとから成る第１電極部分を設けた。高圧ハ ロゲン化金属ランプの放電スペースの容積をほぼ３．４ｃｍ³とし、電極の寸法 を７ｍｍとした。両ランプを、環境温度でほぼ１００ｍｂａｒのアルゴンと７４ μｍｏｌ／ｃｍ³の水銀、２．４μｍｏｌ／ｃｍ³のＨｆＢｒ₂及び８．４μｍｏ ｌ／ｃｍ³のＳｎとで満たした。両ランプをアウターバルブを使用せずに水平で 動作させ、ランプに供給する出力を５８０ワットとした。 表Ｉ及び表IIによって明らかなように、ランプ１及びランプ３では、Ｈｆがラ ンプの動作中に非常に高速でプラズマから電極内に消失し、これによりこれらラ ンプの演色特性に著しく影響を及ぼす。ＨｆＢｒ₄の含有量を減少させることに より、本発明によるランプと電極がタングステン棒であるランプとの間の演色の 差がひらくことも知られている。ランプ２及びランプ４におけるプラズマ内のＨ ｆの量は、ほぼ一定のレベルのままであり、その結果ランプ２の演色特性が非常 に良好となる。更に、ランプ２及びランプ４の再点弧電圧は、ランプの充填材中 のハロゲン化遷移元素の量が比較的少ないので、許容値をとる。別の実験によっ て、電極がタングステン棒であるランプの場合に、少なくとも９５の演色評価数 Ｒａ８を得るために、（動作温度で）１．５ｂａｒとなるようにＨｆＢｒ₄を充 填する必要があることが分かった。このようなＨｆＢｒ₄の充填量でもプラズマ 内ではほぼ０．２５ｂａｒしか残っておらず、残りは電極内に拡散してしまった 。演色評価数Ｒａ８はランプの動作中高い値のままであったが、再点弧電圧は８ ００Ｖ乃至１０００Ｖであって、これは容認できない程高いものであった。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．放電スペースを包囲し、気密封止され、外部に通じる電流伝導体に接続され る電極が配置される光透過放電管と、希ガス、バッファガス及びハフニウム、ジ ルコニウム及びタンタルから選択した少なくとも１つのハロゲン化遷移金属を有 する放電管内の充填材とを具える高圧ハロゲン化金属ランプにおいて、各電極に 、ハフニウム、ジルコニウム及びタンタルの炭化物から選択した炭化物を含む第 １電極部分を設けたことを特徴とする高圧ハロゲン化金属ランプ。 ２．第１電極がタングステン及び／又はレニウムをも含むことを特徴とする請求 項１に記載の高圧ハロゲン化金属ランプ。 ３．第１電極部分に含まれるタングステン及び／又はレニウムのの重量百分率が ０乃至３０％であることを特徴とする請求項２に記載の高圧ハロゲン化金属ラン プ。 ４．電極に更に、第１電極部分に接続された第２電極部分を設けたことを特徴と する請求項１、２或いは３に記載の高圧ハロゲン化金属ランプ。 ５．第２電極部分をタングステンとしたことを特徴とする請求項４に記載の高圧 ハロゲン化金属ランプ。 ６．第１電極部分をタングステンのバーの端部に融着したことを特徴とする請求 項５に記載の高圧ハロゲン化金属ランプ。 ７．前記第１電極部分をほぼ球面状としたことを特徴とする請求項４、５或いは ６に記載の高圧ハロゲン化金属ランプ。 ８．前記第１電極部分をほぼ半球面状としたことを特徴とする請求項４、５或い は６に記載の高圧ハロゲン化金属ランプ。 ９．前記第１電極部分をほぼ円筒形としたことを特徴とする請求項４、５或いは ６に記載の高圧ハロゲン化金属ランプ。 10．放電管内に具えるハロゲン化遷移金属の量を３μｍｏｌ／ｃｍ³未満とした ことを特徴とする請求項１乃至９のうちの１つ以上に記載の高圧ハロゲン化金属 ランプ。