JPH11502323A - ２つの非球面を有する強化眼鏡レンズ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ２つの非球面を有し、その１つ以上の面は頂点において同一の主曲率半径を有する、強化眼鏡レンズが記載されている。本発明の特徴により、１つ以上の面の中位の面屈折値Ｂ_f＝（ｎ−１）／２^*（１／Ｒ₁＋１／Ｒ₂）（式中、Ｒ₁は、面の任意の点における主曲率半径１または２である）は、頂点からの任意の点の定常方位角φにおいて、距離ｈの関数として１つの極限値または値０を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 ２つの非球面を有する強化眼鏡レンズ 技術分野 この発明は、請求の範囲の請求項１における上位概念部分に記載された２つの 非球面を有する強化眼鏡レンズに関するものである。 背景技術 この種の眼鏡レンズは、欧州特許第０ ５６０ ９９９ Ａ１号の実施例７に よって知られている。そこに記載された眼鏡レンズは、回転軸に対称的な１つの 非球面を、したがって頂点において同一の主曲率半径を有する１つの面を有し、 また１つの、いわゆる「非トーリック」を有し、したがっていわゆる「球面効果 」および追加的に非点収査効果を有している。欧州特許第０ ５６０ ９９９ Ａ１号の課題は、本質的に、非点収差を有する眼鏡レンズにおける、像の誤差か ら生じる欠点を減少するとともに、レンズの厚みを減少することにある。 このため、この欧州特許の図５との関連において、より高次の項の影響が、頂 点からの子午線の曲率半径との関連において論じられている。しかし欧州特許第 ０ ５６０ ９９９ Ａ１号の右の図から、上記のより高次の項は、実際の眼鏡 ガラスの面に痕跡を残さないように選ばれていると推測される。 今では近代的でない水滴状に眼鏡レンズが研磨される場合でさえも、頂点から ３５ｍｍを越える距離はレンズ上に生じない。しかし欧州特許第０ ５６０ ９ ９９ Ａ１号の図５から、この欧州特許によれば、高次の項が初めて現れるのは 約４０ｍｍ以下である。 さて本発明により、欧州特許第０ ５６０ ９９９ Ａ１号に開示された上記 の概念に基いて、厚みの減少および像の誤差の減少に関しては最大のポテンシャ ルを得ることはできないことがわかった。 正の屈折力のみを有する非球面眼鏡レンズは、欧州特許第０ ３７９ ９７６ Ｂ１号の記載から知られている。そのレンズの前面は非球面で、目の側の面は 、従来の通り球面またはトーリック面に形成されている。この欧州特許の記載に よ ると、頂点からの距離の増大により、曲率の最初の導入が一度減少し、次に増大 する時は、さらに良好な光学的画像によって、中央の厚みを減少することができ る。しかしこの教示は、光学的効果、すなわち屈折力または屈折値ならびに像の 誤差、特に非点収差と屈折力の誤差を規定するものは、曲率のみではなくて、主 曲率であることを見落としている。 要するに、欧州特許第０ ３７９ ９７６ Ｂ１号記載の子午線の曲率の進行 のための条件を保持することは、技術の状態に対応する面の構成にとって十分で ない。 発明の開示 この発明の基本的課題は、２つの非球面を有する強化眼鏡レンズを提供するこ とである。非球面の１つ以上は、頂点において、同一の主曲率半径を有している 。その際、臨界的厚みの減少、すなわち正の作用を持つレンズの中央の厚みの減 少ならびに負の効果を持つレンズの縁の厚みの減少と像の欠点の減少は、互いに 選ばれた関係にあるのみならず、また２つの量の減少は可能な限り大である。 上記の課題の解決は、請求の範囲１に記載されている。この発明の他の態様は 請求の範囲の請求項２以降に記載されている。 本発明により、２つの非球面を有する強化眼鏡レンズにおいて、臨界的厚みな らびに像の誤差、すなわち特に非点収差および屈折誤差が公知のものよりも強い 場合、次のようにこれを減少することができることがわかった。 すなわち中位の面屈折値 Ｂ_f＝（ｎ−１）／２^*（１／Ｒ₁＋１／Ｒ₂） （式中、Ｒ₁は面の任意の点における主曲率半径１または２である）は、１つ 以上の面を任意の子午線に対する頂点からの距離ｈの関数として、すなわち定常 な方位角φにおいて、１つの極限値およびまたは値０を有する。その際、極限値 ならびに値０が各子午線上に現れるようにすると好ましい。 本発明による上記の構成によって、非常に小さい臨界的厚みの場合においても 、非点収差および屈折の誤差は、中央の範囲において、すなわち頂点から約２０ ミリメートルの範囲において、非常に小さい値にすることができる。この範囲は 、０．１ジオプター以下と推定される。 この範囲に続く、半径３０ミリメートルまでの環状の範囲においてさえも、２ つの誤差の値はごく小さいが、まだ直接に見ることができる。その外側の範囲す なわち半径３０ミリメートル以上の範囲では、まだ直接に見ることが可能である が、間接的に観測するほうが実際的である。 負の屈折力を有する眼鏡レンズにおいて、縁の厚みが臨界的厚みである場合、 ただ１つの非球面を有する従来の眼鏡レンズに対して、この値を３０％にまで減 少することができる。正の屈折力を有するレンズでは、すでに１つの非球面の利 用によって、中央部の厚みを、従来の球面レンズよりも非常に強く減少しており 、中央の厚みを約１０％ほど減少させることができる。 本発明の概念が正の作用をもつ眼鏡レンズにも負の作用をもつものにも適して いることが、驚くべき方法で解明された。本発明の利点は、全部の作用が−１０ ジオプターから＋８ジオプターの範囲に存在する眼鏡レンズにおいて、特に顕著 である。 いかなる場合にも、本発明により与えられた条件が、２つの非球面上の中位の 面屈折値に対して保たれている時は有利である。その際、１つの極限値ならびゼ ロの位置が、面の屈折値の中位に存在すると、さらに有利である。 本発明の眼鏡レンズが純粋に非球面構造である時は、２つの回転対称的な面を 有することができる。１つの円筒状の構造の追加によって、１つの面は非トーリ ック面であり得る。したがって１つの面は、種々の主切片において、種々の効果 をもつことができる。他の面は、回転対称的な面であり得るし、または頂点にお いて同一の主曲率半径を有するが、しかし縁の範囲において主曲率半径の異なる １つの面であり得る。 本発明の眼鏡レンズにおいて、レンズの最大および最小厚み間の差△ｄは、球 面作用ｓｐｈ、非点収差作用ｚｙｌ、屈折指数ｎおよびレンズの直径φの関数ｆ である。ただしｆは △ｄ＝ｆ（ｓｐｈ、ｚｙｌ、ｎ、φ）≦ａ＋ ｂ^*（ｎ−１．５）＋ｃ^*（φ−６６ｍｍ） その際 ａ＝ｆ′（ｓｐｈ、ｚｙｌ）＝ａ１＋ｂ１^*｜ｓｐｈ＋０．５^*ｚｙｌ｜ ｂ＝ｆ″（ｓｐｈ、ｚｙｌ）＝ａ２＋ｂ２^*｜ｓｐｈ＋０．５^*ｚｙｌ｜ ｃ＝ｆ″′（ｓｐｈ、ｚｙｌ）＝ｂ３^*｜ｓｐｈ＋０．５^*ｚｙｌ｜ なお係数は、構造によって異なる。 実用的な係数の例。 ｓｐｈ＋０．５^*ｚｙｌ≦−１．０ジオプター、および ａ１≦−０．３ｍｍ、およびｂ１≦１．２ｍｍ／ジオプター。 その際、次の係数は特に有利である。 ｓｐｈ＋０．５^*ｚｙｌ≦−１．０ジオプター、および ａ１＝−０．４ｍｍ、およびｂ１＝１．１ｍｍ／ジオプター。 また、次の係数の例がある。 ｓｐｈ＋０．５^*ｚｙｌ≧２ジオプター その際、次の係数が有利である。 ａ１≦−０．０５ｍｍ、およびｂ１≦１．０５ｍｍ／ジオプター。 他の例は次の通りである。 ａ１＝−０．２ｍｍ、およびｂ１＝１．０５ｍｍ／ジオプター。 いかなる場合にも、係数ａ１、ｂ２およびｂ３は以下に与えられる。 ａ２＝−２ｍｍ、 ｂ２＝−０．２ｍｍ／ジオプター、 ｂ３＝ ０．０４ｍ。 本発明の次の形態において、非点収差ａｓｔおよび屈折誤差ｒｅｆは、頂点の 約２０ミリメートルの半径において、極めて小さな値であり、これに続く、最大 半径約３０ミリメートルの範囲では、より大きい値であるが、まだ直接に観察で きる程度である。半径３０ミリメートル以上の範囲ではまだ間接的に観察するこ とができ、次式で示される。 ａｓｔ＝ａｓｔ（ｓ）≦ａ１１＋ｂ１１^*ｓ、 ｒｅｆ＝ｒｅｆ（ｓ）≦ａ２１＋ｂ２２^*ｓ。 ただしｓは、より強い主切片の作用をもつことを表す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハイマール．ワルター ドイツ連邦共和国．デ−80337．ミュンヘ ン．タルキルシュストラーセ．78．アー (72)発明者 アルテイマー．ヘルムト ドイツ連邦共和国．デ−80469．ミュンヘ ン．ワルドヴェグ．17 (72)発明者 エッセール．グレゴール ドイツ連邦共和国．デ−85540．ハール. ブルンネンストラーセ．１

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．２つの非球面を有し、その面の１つ以上は頂点において同一の主曲率半径 を有する強化眼鏡レンズにおいて、中位の面屈折値、 Ｂ_f＝（ｎ−1）／２^*（１／Ｒ₁＋１／Ｒ₂）（式中、Ｒ₁は面の任意の点にお ける主曲率半径１または２である）は、頂点からの任意の点の定常方位角φにお いて、距離ｈの関数として１つの極限値または値０を有することを特徴とする眼 鏡レンズ。 ２．２つの面の中位の屈折値が、頂点からの距離ｈの関数として、極限値およ びまたは値０を有することを特徴とする請求項１記載の眼鏡レンズ。 ３．２つの面が回転対称的な面であることを特徴とする請求項１または２記載 の眼鏡レンズ。 ４．１つの面が、種々の主切片において異なる作用を有するので、眼鏡レンズ が非点収差作用を有することを特徴とする請求項１または２記載の眼鏡レンズ。 ５．レンズの最大厚み（ｄｍａｘ）と最小厚み（ｄｍｉｎ）間の差ｄが、球状 効果ｓｐｈ、非点収差作用ｚｙｌ、屈折指数ｎおよびガラスの直径φの関数ｆで あることを特徴とする請求項１から４までのいずれか１項記載の眼鏡レンズ。 ６． △ｄ＝ｆ（ｓｐｈ、ｚｙｌ、ｎ、φ）≦ａ＋ｂ^*（ｎ−１．５）＋ ｃ^*（φ−６６ｍｍ） その際 ａ＝ｆ′（ｓｐｈ、ｚｙｌ）＝ａ１＋ｂ１^*［ｓｐｈ＋０．５^*ｚｙｌ］ ｂ＝ｆ″（ｓｐｈ、ｚｙｌ）＝ａ２＋ｂ２^*［ｓｐｈ＋０．５^*ｚｙｌ］ ｃ＝ｆ″′（ｓｐｈ、ｚｙｌ）＝ｂ３^*［ｓｐｈ＋０．５^*ｚｙｌ］ であることを特徴とする請求項５記載の眼鏡レンズ。 ７．ｓｐｈ＋０．５^*ｚｙｌ≦−１．０ジオプターで、その際、 ａ１≦−０．３ｍｍ、およびｂ１≦１．２ｍｍ／ジオプター、 であることを特徴とする請求項６記載の眼鏡レンズ。 ８．ｓｐｈ＋０．５^*ｚｙｌ≦−１．０ジオプターで、その際、 ａ１＝−０．４ｍｍ、およびｂ１＝１．１ｍｍ／ジオプター、 であることを特徴とする請求項６記載の眼鏡レンズ。 ９．ｓｐｈ＋０．５＊ｚｙｌ≧２ジオプターで、その際、 ａ１≦−０．０５ｍｍ、およびｂ１≦１．０５ｍｍ／ジオプター、 であることを特徴とする請求項６記載の眼鏡レンズ。 10．ｓｐｈ＋０．５^*ｚｙｌ≧２ジオプターで、その際 ａ１＝−０．２ｍｍおよびｂ１＝１．０５ｍｍ／ジオプター、 であることを特徴とする請求項９記載の眼鏡レンズ。 11．ａ２＝−２ｍｍ、ｂ２＝−０．２ｍｍ／ジオプター、ｂ３＝０．０４ｍで あることを特徴とする請求項６から１０までのいずれか１項記載の眼鏡レンズ。 12．非点収差ａｓｔ、および屈折誤差ｒｅｆは、頂点のまわりの約２０ミリメ ートルの半径において、極めて小さな値で、これに続く、最大半径約３０ミリメ ートルの範囲では、より大きい値であるが、まだ直接に観察できる程度であり、 半径３０ミリメートル以上の範囲ではまだ間接的に観察することができることを 特徴とする請求項１から１１までのいずれか１項記載の眼鏡レンズ。 13．ａｓｔ＝ａｓｔ（ｓ）≦ａ１１＋ｂ１１^*ｓ、および ｒｅｆ＝ｒｅｆ（ｓ）≦ａ２１＋ｂ２２^*ｓ で、ｓは、より強い主切片の作用を表すことを特徴とする請求項１２記載の眼鏡 レンズ。