JPH1149833A - コンクリート構築物用パテ組成物及びその硬化方法 - Google Patents

コンクリート構築物用パテ組成物及びその硬化方法

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JPH1149833A
JPH1149833A JP9224273A JP22427397A JPH1149833A JP H1149833 A JPH1149833 A JP H1149833A JP 9224273 A JP9224273 A JP 9224273A JP 22427397 A JP22427397 A JP 22427397A JP H1149833 A JPH1149833 A JP H1149833A
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compound
parts
putty
acid
putty composition
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Application number
JP9224273A
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English (en)
Inventor
Tomio Yamamoto
富生 山本
Kazuo Otani
和男 大谷
Hideki Sendai
英毅 千代
Shuichi Sugita
修一 杉田
Hirotoshi Kamata
博稔 鎌田
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Showa Highpolymer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現場で過酸化物触媒などの危険物を取り扱う
ことによる危険や可使時間のトラブルがなく、短時間で
硬化が可能であるパテ組成物及びその硬化方法の提供。 【解決手段】 (A)重合性不飽和化合物:100重量
部、(B)充填材:10〜300重量部及び(C)酸性
化合物と一般式(1)で表される有機ホウ素化合物から
なる重合開始剤を含有するコンクリート構築物用パテ組
成物及びそのパテ組成物の硬化方法。 【化1】(式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、それぞ
れ独立してアルキル基、アリール基、アラルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基、ハロ
ゲン原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換アラ
ルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基または
置換シリル基を示し、Z+ は陽イオンを示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築・土木分野に
おける建築物、構築物のセメントモルタルやコンクリー
ト層上にライニングあるいはコーティングなどを行う際
に使用するコンクリート用パテ組成物及びその硬化方法
に関するものであり、該コンクリート用パテ組成物は光
照射により短時間で硬化が可能であり、かつ光を十分に
照射できない部分も暗反応により硬化が可能である特徴
を有するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリートなどの建築物や構築物表面
に、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂を用
いてライニング施工あるいはコーティングなどをする場
合、コンクリート表面の凹凸を平らにしたりするなどの
目的から不飽和ポリエステル樹脂系パテやビニルエステ
ル樹脂系パテまたはエポキシ樹脂系パテが使用される。
通常これらのパテ組成物は不飽和ポリエステル樹脂系や
ビニルエステル樹脂系などの過酸化物触媒による常温硬
化物系パテや、エポキシ樹脂の硬化物系パテは、施工後
完全に硬化するまで長時間を要するため作業効率が悪
い。しかもこのような常温硬化系組成物は、現場で樹脂
に硬化剤を混合しなければならないため、可使時間の調
整でトラブルが発生したり、過酸化物を取り扱うため爆
発などの危険が伴う。また揮発性を有する反応性モノマ
ー(スチレンモノマーなど)が揮発するため、作業現場
の大気汚染を招き、あるいは樹脂組成物の配合比率の変
化によるプライマー性能の低下、樹脂量の損失と引火な
どの危険を招くなどの問題があった。
【0003】これらの欠点を解決する手段として、パテ
組成物に混合している揮発性モノマーを他の高沸点化合
物に置き換えるなどして現場の環境汚染や硬化性の改良
がなされているが、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエ
ステル樹脂系の過酸化物触媒による常温硬化系やエポキ
シ樹脂の硬化系の完全硬化するまでの時間が長時間要す
るという問題点、現場で過酸化物触媒を取り扱うことに
よる危険や可使時間のトラブルといった問題点は解決で
きないでいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした現状
にかんがみ、現場で過酸化物触媒などの危険物を取り扱
うことによる危険や可使時間のトラブルがなく、短時間
で硬化が可能であるパテ組成物及びその硬化方法を開発
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、 [1](A)重合性不飽和化合物:100重量部、 (B)充填材:10〜300重量部及び (C)酸性化合物と一般式(1)で表される有機ホウ素
化合物からなる重合開始剤を含有するコンクリート構築
物用パテ組成物、
【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、それぞれ独立し
てアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、シリル基、複素環基、ハロゲン原
子、置換アルキル基、置換アリール基、置換アラルキル
基、置換アルケニル基、置換アルキニル基または置換シ
リル基を示し、Z+ は陽イオンを示す) [2](A)重合性不飽和化合物:100重量部、 (B)充填材:10〜300重量部、 (C)酸性化合物及び一般式(1)で表される有機ホウ
素化合物からなる重合開始剤、及び (D)可視光重合開始剤を含有するコンクリート構築物
用パテ組成物、 [3」 可視光重合開始剤がアシルフォスフィンオキシ
ド系化合物である上記[2]記載のパテ組成物、
【0006】[4](A)重合性不飽和化合物:100
重量部、 (B)充填材:10〜300重量部、 (C)酸性化合物、一般式(1)で表される有機ホウ素
化合物及び一般式(2)で表されるヘキサアリールビイ
ミダゾールからなる重合開始剤を含有するコンクリート
構築物用パテ組成物、
【化4】 (式中、L1 、L2 及びL3 はそれぞれ独立にアリール
基あるいは置換アリール基を示す。) [5](A)重合性不飽和化合物:100重量部、 (B)充填材:10〜300重量部、 (C)酸性化合物、一般式(1)で表される有機ホウ素
化合物及び一般式(2)で表されるヘキサアリールビイ
ミダゾールからなる重合開始剤及び (D)可視光重合開始剤を含有するコンクリート構築物
用パテ組成物、
【0007】[6] 重合性不飽和化合物が、不飽和ポ
リエステル樹脂、ビニルエステル樹脂および/またはア
クリル樹脂である上記[1]ないし[5]のいずれかに
記載のパテ組成物、 [7] 充填材が、無機および/または有機のフィラー
である上記[1]ないし [6]のいずれかに記載のパテ組成物、 [8] 酸性化合物が、(無水)マレイン酸、フマル酸
あるいはそれらのハーフエステル、(メタ)アクリル
酸、イタコン酸などの重合性不飽和化合物またはそれら
酸性化合物を含有するオリゴマーあるいはポリマーの少
なくとも一種から選ばれた上記[1]〜[7]のいずれ
かに記載のパテ組成物、 [9] 酸性化合物が、光照射および/または加熱によ
り酸を発生する潜在性酸発生剤である上記[1]〜
[8]のいずれかに記載のパテ組成物、 [10] 潜在性酸発生剤が、有機スルホニウム化合物
である上記[9]に記載のパテ組成物、
【0008】[11] 上記[1]〜[10]のいずれ
かに記載のパテ組成物に、光照射および/または加熱し
て硬化するパテ組成物の硬化方法、及び [12] 光照射の光源が、可視光および/または近赤
外光領域の波長の光を発する光源である上記[11]記
載のパテ組成物の硬化方法を開発することにより過酸化
物触媒を使用せず安全で、可使時間のトラブルもなく、
短時間で硬化ができかつ光が透過しにくい部分も暗反応
により硬化を可能にし、上記の目的を解決した。またパ
テ組成物を一液タイプまたは一対一で混合可能な安全な
二液混合タイプにできることからも、トラブルなく安全
に作業性をアップさせることができた。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で使用される熱硬化性樹脂
としては、不飽和ポリエステル樹脂及びビニルエステル
樹脂(以下、両樹脂を併せて樹脂等と呼ぶこともある)
のうち、少なくともその一つを使用する。不飽和ポリエ
ステル樹脂の原料の不飽和ポリエステルとしては、公知
の方法により製造されるものでよく、具体的には無水フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフ
タル酸、アジピン酸、セバチン酸等の重合性不飽和結合
を有していない飽和多塩基酸またはその無水物とフマル
酸、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸等の活性
不飽和結合を有する不飽和多塩基酸またはその無水物を
酸成分とし、これとエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2
−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサ
ン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAのエチレ
ンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオ
キサイド付加物等の多価アルコールをアルコール成分と
して反応させて製造されるものである。
【0010】またビニルエステル樹脂(エポキシアクリ
レート系樹脂)の原料のビニルエステルとしては、公知
の方法により製造されるものであり、エポキシ樹脂に不
飽和一塩基酸、例えばアクリル酸またはメタクリル酸を
反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、あ
るいは飽和ジカルボン酸及び/または不飽和ジカルボン
酸と多価アルコールから得られる末端カルボキシル基の
飽和ポリエステルまたは不飽和ポリエステルに、α、β
−不飽和カルボン酸エステル基を有するエポキシ化合物
を成分としてえられる飽和ポリエステルまたは不飽和ポ
リエステルのポリエステル(メタ)アクリレートであ
る。原料としてのエポキシ樹脂としては、ビスフェノー
ルAグリシジルエーテル及びその高分子量同族体、ノボ
ラック型ポリグリシジルエーテル類などが挙げられる。
【0011】末端カルボキシルポリエステルに用いる飽
和ジカルボン酸としては、活性不飽和基を有していない
ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン
酸などが挙げられる。不飽和ジカル酸としては、活性不
飽和基を有しているジカルボン酸、例えばフマル酸、マ
レイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸などが挙げられ
る。多価アルコール成分としては、例えば、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−
プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパ
ンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフ
ェノールAのプロピレンオキサイド付可物などの多価ア
ルコールなどが挙げられる。ビニルエステルの製造に用
いるα,β−不飽和カルボン酸エステル基を含有するエ
ポキシ化合物としては、グリシジルメタクリレートが代
表例として挙げられる。
【0012】樹脂等に用いられる不飽和ポリエステルあ
るいはビニルエステルは、不飽和度の比較的高いものが
好ましく、不飽和基当量(不飽和基1個当たりの分子
量)が100〜800程度のものを用いる。不飽和基当
量100未満のものは合成できない。しかし不飽和基当
量が800を越えると高硬度の硬化物が得られない。
【0013】本発明において使用される不飽和ポリエス
テル樹脂あるいはビニルエステル樹脂は、通常、前記の
不飽和ポリエステルあるいはビニルエステルにスチレン
モノマーなどの反応性モノマーを配合したものである。
本発明の樹脂等に配合される反応性モノマーは、複合材
料を製造する際に繊維材料、顔料、フィラーなどとの混
練性、含浸性を高め、かつ成形製品の硬度、強度、耐薬
品性、耐水性等を向上させるために重要である。反応性
モノマーの配合量としては不飽和ポリエステル及び/ま
たはビニルエステル100重量部に対して10〜250
重量部、好ましくは20〜100重量部配合される。配
合量が10重量部未満では、樹脂等が高粘度のため施工
困難となり、一方250重量部を超える量では、高強度
の製品が得られず、パテ材料として好ましくない。この
場合、スチレンモノマーの一部または全部を、クロルス
チレン、メチルメタクリレート、エチレングリコールジ
メタクリレート等の他の重合性モノマーを本発明の主旨
を損なわぬ範囲で代替し、使用することも可能である。
【0014】本発明において使用される充填材は、無機
質フィラー、有機質フィラーまたはポリマーである。無
機質フィラーとしては、例えば水酸化アルミニウム、炭
酸カルシウム、タルク、クレー、ガラス粉、シリカ、硫
酸バリウム、酸化チタン、セメントなど公知のものが使
用できる。もちろんこれらの無機質フィラーを組み合わ
せて使用することもでき、その使用量は重合性不飽和化
合物100重量部に対して10〜300重量部、好まし
くは50〜200重量部である。無機質充填材が300
重量部より多い場合には粘度が高過ぎて作業性が低下
し、泡の残留が起きやすく強度が低下する。また無機質
充填材が10重量部よりも少ない時は作業性が良好なパ
テ組成物ができない。さらに本発明では、公知の方法で
揺変性を付与してもよく、揺変剤としては、例えばシリ
カパウダー(エアロジルタイプ)、マイカパウダー、炭
酸カルシウムパウダーなどを0.1〜50重量部添加す
る方法などがある。
【0015】本発明に使用される有機ホウ素化合物とし
ては、下記の一般式(1)
【化5】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、それぞれ独立し
てアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、シリル基、複素環基、ハロゲン原
子、置換アルキル基、置換アリール基、置換アリル基、
置換アラルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル
基または置換シリル基を示し、Z+ は陽イオンを示す)
で表される。
【0016】陽イオン「Z+ 」の例としては、可視光及
び近赤外光領域に感光性を有しない4級アンモニウム陽
イオン、4級ピリジニウム陽イオン、キノリニウム陽イ
オン、ジアゾニウム陽イオン、テトラゾニウム陽イオ
ン、ホスホニウム陽イオン、(オキソ)スルホニウム陽
イオン、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウ
ム、カルシウム等の金属陽イオン、フラビリウム、ピラ
ニウム塩等の酸素原子上に陽イオン電荷を持つ(有機)
化合物、トロピニウム、シクロプロピリウム等の炭素陽
イオン、ヨードニウム等のハロゲン陽イオン、砒素、コ
バルト、パラジウム、クロム、チタン、スズ、アンチモ
ン等の金属化合物の陽イオンが挙げられる。
【0017】本発明で使用される酸性化合物としては、
例えば一般にブレンステッド酸として知られている無機
酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸など、あるいは有機酸であ
る酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、アジピン酸、(メ
タ)アクリル酸、安息香酸、フタル酸類などのカルボン
酸類、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ト
リフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸類等が挙げ
られる。またフェノール、アルコール類などの水酸基含
有化合物、各種チオール類などのメルカプト基を有する
化合物及びルイス酸として知られる電子対を受け取って
共有結合を作り得る物質、例えば塩化アルミニウム、塩
化第二スズ、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素などを用いる
ことが出来る。これらの酸については、例えばモリソン
・ボイド著「有機化学」第3版43ページに詳細な説明
がある。またこれ以外にも酸性イオン交換樹脂、カーボ
ンブラック、アルミナなど固体表面に酸性の活性点を有
する物質、あるいは塩化水素、亜硫酸ガスなどの酸性気
体化合物も用いることが出来る。
【0018】これらの酸性化合物の中で、(無水)マレ
イン酸、フマル酸、あるいはそれらのハーフエステル、
(メタ)アクリル酸、イタコン酸などの重合性不飽和基
を有する酸性化合物あるいはそれらの官能基を有するオ
リゴマーあるいはポリマー類などが好んで用いられる。
さらにそのもの自体は酸性物質ではなく、加熱、空気中
の水分、酸素などの作用により分解あるいは反応して酸
性化合物を発生する化合物も本発明の潜在性酸性化合物
に該当する。光照射により分解して酸性化合物を発生す
る物質も知られており、例えば光カチオン重合開始剤と
呼ばれている化合物も本発明の光潜在性酸性化合物に該
当する。光カチオン開始剤は、ジアゾニウム化合物、ス
ルホニウム化合物、ヨードニウム化合物、金属錯体化合
物など様々な化合物が知られており、「機能材料」19
85年10月号5項、「UV・EB硬化技術の応用と市
場」、シーエムシー社1989年発行78ページなどに
詳細な記述がある。これらの潜在性酸性化合物と呼ぶべ
き化合物の中では、入手の容易性、経済性、組成物中の
安定性、操作性などを勘案すると光あるいは熱によって
酸を発生する化合物が望ましい。さらに好ましくは熱に
よっての酸発生であり、特に加熱により分解して酸を発
生する有機スルホニウム化合物が好適である。
【0019】この有機スルホニウム化合物は一般に3個
の置換基(アルキル基、アリール基など)を有するスル
ホニウム陽イオン部分と、対イオンである陰イオンとの
イオン対から構成されるが、化合物の安定性、酸性化合
物の発生能、発生する酸性化合物の酸強度などの観点か
らスルホニウム塩の置換基の、少なくとも1個が(置
換)フェニル基、(置換)ナフチル基などのアリール基
であることが望ましい。例えば好ましい化合物としてト
リフェニルスルホニウム、ジフェニルスルホニウムなど
の陽イオン部分を持つスルホニウム化合物が挙げられ
る。開始剤を配合した樹脂組成物の可使時間(ポットラ
イフ)が十分に必要とされる場合などは、有機ホウ素化
合物と酸性化合物が開始剤の配合時に接触することは好
ましくないので、潜在性酸性化合物としては熱あるいは
光などの刺激によって酸を発生する化合物を用いること
が望ましい。またパテ組成物を有機ホウ素化合物混合液
と酸性化合物混合液の2液タイプにして使用することも
有効な手段である。
【0020】また、有機ホウ素化合物と酸性化合物に可
視光開始剤やヘキサアリールビイミダゾール化合物を組
み合わせて光照射すると、硬化がより促進され著しい効
果が見られる。可視光領域に感光性を有する可視光重合
開始剤としては、例えば山岡など、「表面」、27、
(7)、548(1989)、佐藤など、「第3回ポリ
マー材料フォーラム要旨集」、IBP18(1994)
に記載のカンファキノン、ベンジルトリメチルベンゾイ
ルジフェニルフォスフィンオキサイド、メチルチオキサ
ントン、ジシクロペンタジエニルチタニウム−ジ(ペン
タフルオロフェニル)などの単独の可視光重合開始剤の
他、有機過酸化物/色素系、ジフェニルヨードニウム塩
/色素、イミダゾール/ケト化合物、ヘキサアリールビ
イミダゾール化合物/水素供与性化合物、メルカプトベ
ンゾチアゾール/チオピリリウム塩、金属アレーン/シ
アニン色素など、特公昭45−37377号公報に記載
のヘキサアリールビイミダゾール/ラジカル発生剤など
の公知の複合開始剤系などを挙げることができる。
【0021】また紫外光から可視光領域まで感光性を有
する公知の、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−
2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイ
ド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−メチ
ルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベン
ゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジ
メトキシベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド
などのアシルホスフィン系化合物を使用することもでき
る。例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ルプロパン−1−オン(商品名:Darocur117
3、チバガイギー(株)製)とビス(2,6−ジメトキ
シベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホス
フィンオキサイド(チバガイギー(株)製)を75%/
25%の割合で混合された商品名「イルガキュア170
0(チバガイギー(株)製)、1−ヒドロキシ−シクロ
ヘキシル−フェニルケトン(商品名:「イルガキュア1
84」、チバガイギー(株)製)、とビス(2,6−ジ
メトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチ
ルホスフィンオキサイド(チバガイギー(株)製)を7
5%/25%の割合で混合された商品名「イルガキュア
1800」(チバガイギー(株)製)、50%/50%
の割合で混合された商品名「イルガキュア1850」
(チバガイギー(株)製)、ビス(2,4,6−トリメ
チルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(商
品名「イルガキュア819)、2,4,6−トリメチル
ベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(商品
名:Lucirin TPO BASF(株)製)、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1
−オン(商品名:Darocur1173、チバガイギ
ー(株)製)と2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジ
フェニルホスフィンオキオキサイド(商品名:Luci
rinTPO BASF(株)製)を50%/50%の
割合で混合された商品名:「Darocur4265」
などがある。可視光重合開始剤としては380nm〜7
80nmの波長域に感光性を有する光重合開始剤であれ
ば良く、それらを組み合わせて使用してもよい。
【0022】一般式(2)で表されるヘキサアリールビ
イミダゾール化合物として具体的には、ビス(2,4,
5−トリフェニル)イミダゾール、ビス(2−o−クロ
ロフェニル−4,5−ジフェニル)イミダゾール、ビス
(2−o,p−ジクロロフェニル−4,5−ジフェニ
ル)イミダゾール、ビス(2−o−ブロモフェニル−
4,5−ジフェニル)イミダゾール等が挙げられる。ヘ
キサアリールビミダゾール化合物に関して、詳しくは特
公昭41−3545に記載がある。
【0023】有機ホウ素化合物と(潜在性)酸性化合物
及び/また可視光重合開始剤を組み合わせた重合開始
剤、有機ホウ素化合物と(潜在性)酸性化合物および/
またはヘキサアリールビイミダゾールを組合せた開始剤
の使用量は、樹脂等の種類、量、厚み等によって最適値
が異なるが、一般には樹脂等100重量部に対して0.
01〜20重量部、好ましくは0.05〜15重量部で
ある。重合開始剤組成物の使用量が0.01重量部未満
では、重合が不十分になり易く、また20重量部を超え
る量では経済的に不利な上、硬化物の物性低下などが起
こる。樹脂等が酸性化合物をあらかじめ含有する場合に
おいては、不飽和ポリエステル樹脂あるいはビニルエス
テル樹脂に含まれる(無水)マレイン酸、フマル酸、あ
るいはそれらのハーフエステル、(メタ)アクリル酸、
イタコン酸、末端にそれらカルボン酸のカルボキシル基
を有するオリゴマーあるいはポリマーであってもよく、
また樹脂等に任意の酸性化合物を添加した形のものであ
っても良い。この場合、不飽和ポリエステル樹脂または
ビニルエステル樹脂としての酸価が0.1〜100mg
KOH/g、好ましくは5〜50mgKOH/gであ
る。
【0024】重合開始剤中の有機ホウ素化合物と(潜在
性)酸性化合物の組成比は、重量比で0.1/5〜5/
0.1、好ましくは0.5/5〜5/0.5である。有
機ホウ素化合物及び/または潜在性酸性化合物がこの比
率よりも少なすぎる場合は、十分に暗反応ができず、ま
た有機ホウ素化合物及び/または潜在性酸性化合物がこ
の比率よりも多すぎる場合は、経済的に不利な上、硬化
物の物性低下などが起こる。
【0025】また、さらに速硬化にするために有機ホウ
素化合物と酸性化合物に可視光重合開始剤またはヘキサ
アリールビイミダゾールを組み合わせる場合、有機ホウ
素化合物/可視光重合開始剤またはヘキサアリールビイ
ミダゾールの比は、重量比で0.1/5〜5/0.1、
好ましくは0.5/5〜5/0.5である。可視光重合
開始剤またはヘキサアリールビイミダゾールがこの比率
よりも少なすぎる場合はその効果が現れず、多すぎる場
合は経済的に不利な上、可視光下での可使時間(ポット
ライフ)が短くなり、硬化物の物性低下などが起こる。
有機ホウ素化合物と酸性化合物の開始剤成分が少ないと
パテ組成物が十分に暗反応を進めることができない。ま
た、本発明においては、更に硬化の調整のため有機過酸
化物、アゾ化合物などの公知のラジカル発生剤を添加で
きることは言うまでもない。
【0026】本発明では、必要に応じて湿潤したコンク
リート面での接着性向上のため、シランカップリング剤
を添加してもよい。シランカップリング剤としては、必
要に応じてモレキュラーシーブなどの吸湿剤を併用し、
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニ
ツトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランなどを樹脂
100重量部に対して0.1〜2−0重量部添加する方
法がある。特開平6−271373号公報などに詳細な
記載がある。
【0027】本発明において、可視光とは380〜78
0nmの波長領域の光線を示す。本発明の成形方法に使
用される光源としては、380〜780nmの波長領域
の光を出し、且つ熱を発生する光源であればよく、例え
ばメタルハライドランプ、キセノンランプ、近赤外光ラ
ンプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、白熱灯、陽
光ランプ、太陽光等を使用することができる。また、各
種ランプを組み合わせて使用することもできる。また、
より早い硬化速度を得るためにはエネルギー順位の高い
短波長の領域の光が有効であるが、パテ組成物の厚さが
厚い時など完全硬化し難い。この場合には380nm以
上の波長で長波長領域に分布が多く熱がでる光源の光の
照射が有効であり、メタルハライドランプ、ハロゲンラ
ンプ、近赤外光ランプ、赤外ランプ等がある。光照射時
間としては、光源の有効波長、出力、組成物の厚さ、充
填物の量あるいは重合開始剤の配合量などにより異なる
ため、一概に規定できないが、0.01時間以上、好ま
しくは0.05時間以上になるように調整すればよい。
【0028】本発明のコンクリート用パテ組成物及びそ
の硬化方法においては、有機ホウ素化合物と酸性化合物
および/または可視光重合開始剤などを組合せることに
より、重合開始剤を添加した樹脂組成物はポットライフ
も長く可使時間の問題がなく安全で、且つ硬化させたい
時に光照射を行えば可視光の透過する部分は速やかに硬
化し、光の透過し難い部分も有機ホウ素化合物と酸性化
合物の反応で硬化が進み、更に光源からでる穏やかな熱
の作用により、可視光の透過し難い部分も完全硬化でき
るため、トラブルがなく安全に作業性をアップすること
ができる。このため成形体も反応性モノマーの揮発に依
る作業環境の悪化の問題や可使時間の問題が解決でき硬
化することが可能であり、経済性にも優れ、重合に使用
する光も人体に安全な可視光及び熱を発生する光源で十
分である。またパテ組成物の形態が一液タイプまたは一
対一で混合可能な安全な二液混合タイプにできるところ
からも、作業現場でのトラブルなく安全に作業性をアッ
プさせることができる。
【0029】
【実施例】以下に示す実施例、比較例により、本発明の
内容を詳細に説明するが、各例中の「部」、「%」は重
量基準を示す。 (実施例1) (パテの組成)ビニルエステル樹脂[商品名リポキシR
F−304X:昭和高分子(株)製]:100部に、揺
変剤微粒子シリカ[商品名キャボジールTS−720:
米国、キャボット(株)製]:5部、水酸化アルミニウ
ム粉末[商品名ハイジライトHBT−320、昭和電工
(株)製]:130部、ホウ素化合物:テトラ−n−ブ
チルアンモニウム・トリフェニル−n−ボレート[昭和
電工(株)製:以下P3Bと略す]:0.5部をN−メ
チルピロリドン40%溶液として混合したものをパテA
とし、パテA中のP3B:0.5部のN−メチルピロリ
ドン40%を、末端マレイン酸タイプオリゴマー[商品
名MK−1、昭和高分子(株)製]:2.0部に置き換
えた以外はまったく同様な組成のものをパテBとした。 (プライマーの塗布及び硬化条件)常温硬化型プライマ
ー[商品名、CP−819B、昭和高分子(株)製]に
メチルエチルケトンパーオキサイド[商品名パーメック
N、日本油脂(株)製]:1.2部を添加し、30cm
×30cm×6cmのコンクリート歩道板の上面(30
cm×30cm)に刷毛で塗布(0.1kg/m2
し、半日かけて硬化乾燥させた。
【0030】(パテの塗布及び硬化)次に不陸調整のた
めに、パテA及びパテBを50部/50部の割合で混合
したパテ組成物を薄く塗布(0.8kg/m2 )して、
380〜1200nmの波長領域を含む光源である2K
Wメタルハライドランプ[商品名ダイナビーム2、東芝
ライテック(株)製:以下ランプ1と称す。]を使用し
て1mの距離で10分間光照射を行うと表面のタックが
なくなり硬化した。 (FRPライニング)次にカーボン繊維シート[商品名
トウシート、東燃(株)製]2plyに、常温硬化触媒
であるパーメックN[日本油脂(株)製/ナフテン酸コ
バルト(コバルト6%)=1.5部/0.5部を添加し
たビニルエステル樹脂[商品名リポキシR−804、昭
和高分子(株)製]をカーボンコンテントが60vol
%になるように含浸させパテ硬化面上に積層し一日放置
して硬化させた。 (接着性テスト)パテの性能を確認するため、ADHE
SION TESTER elcometerを使用し
て接着面積4.9cm2 で接着強度及びその破壊状況を
調べたところ、コンクリート母材破壊でコンクリートを
約5mm程度剥離させた。接着性は良好であり、パテと
しての性能が十分満たされていることを確認した。接着
強度を表1に示した。
【0031】(実施例2) (パテ組成)リポキシRF−304X:100部に揺変
剤微粒子シリカ粉末[商品名エロジール#200、日本
アエロジル(株)製]:5部、炭酸カルシウム[商品名
ソフトン1200、備北粉化工業(株)製]:120部
を混合したものに、P3B:0.5部をN−メチルピロ
リドン40%溶液として混合したもの、光/熱潜在性酸
発生剤[スルホニウム化合物、商品名CI−2624:
日本曹達(株)製]:1.0部、紫外光から可視光領域
まで感光性を有するアシルフォスフィンオキシド系光重
合開始剤[商品名、イルガキュア−1800:チバガイ
ギー(株)製、以下I−1800という]:1.0部を
混合し一液型パテとした。 (プライマーの塗布及び硬化)上記の一液型パテを実施
例1とまったく同様の操作を行った。 (パテの塗布及び硬化)実施例1とまったく同様に一液
型パテを薄く塗布(0.8kg/m2 )して、ランプ1
を使用して1mの距離で5分間光照射を行うと表面のタ
ックがなくなり硬化した。 (FRPライニング)実施例1と同様の試験を行った。 (接着性テスト)実施例1と同様の試験を行ったとこ
ろ、破壊状況はコンクリート母材破壊でコンクリートを
約5〜10mm程度剥離させた。接着性は良好であり、
パテとしての性能が十分満たされていることを確認し
た。接着強度を表1に示す。
【0032】(実施例3) (パテ組成)リポキシRF−304X:100部に、キ
ャボジールTS−720:5部、タルク[商品名タルク
LMR、富士タルク工業(株)製]100部を混合した
ものに、P3B:0.5部をN−メチルピロリドン40
%溶液をMK−1:0.2部、CI−2855:1.0
部に置き換えた以外はまったく同様な組成のものをパテ
Bとした。 (プライマーの塗布及び硬化)上記の一液型パテを実施
例1とまったく同様の操作を行った。 (パテの塗布及び硬化)次に、実施例1と同様にパテA
及びパテBを50部/50部の割合で混合したパテを薄
く塗布(0.8kg/m2 )して、ランプ1を使用して
1mの距離で5分間光照射を行うと表面のタックがなく
なり硬化した。 (FRPライニング)実施例1と同様の試験を行った。 (接着性テスト)実施例1と同様の試験を行ったとこ
ろ、破壊状況はコンクリート母材破壊でコンクリートを
約5〜10mm程度剥離させた。接着性は良好であり、
パテとしての性能が十分満たされていることを確認し
た。接着強度を表1に示す。実施例1と同様の試験を行
ったところ、破壊状況はコンクリート母材破壊でコンク
リートを約5〜10mm程度剥離させた。パテとしての
性能が十分満たされていることを確認した。接着強度を
表1に示す。
【0033】(実施例4) (パテ組成)リポキシRF−304X:100部に、キ
ャボジールTS−720:5部、タルク[商品名タルク
LMR、富士タルク工業(株)製]50部、ハイジライ
トHBT−320:80部を混合したものに、P3B:
0.5部のN−メチルピロリドン40%溶液、ビス(2
−o−クロロフェニル−4,5−ジフェニル)イミダゾ
ール[和光純薬工業(株)製、以下BImと略す]:
1.0部を混合したものをパテAとし、パテA中のP3
B:0.5部のN−メチルピロリドン40%溶液とBI
m:1.0部をMK=1:4.0部に置き換えた以外は
まったく同様な組成のものをパテBとした。 (プライマーの塗布及び硬化)実施例1とまったく同様
の操作を行った。 (パテの塗布及び硬化)次に、実施例1と同様にパテA
及びパテBを50部/50部の割合で混合したパテを薄
く塗布(0.8kg/m2 )して、ランプ1を使用して
1mの距離で5分間光照射を行うと表面のタックがなく
なり硬化した。 (FRPライニング)実施例1と同様の試験を行った。 (接着性テスト)実施例1と同様の試験を行ったとこ
ろ、破壊状況はコンクリート母材破壊でコンクリートを
約5〜10mm程度剥離させた。接着性は良好であり、
パテとしての性能が十分満たされていることを確認し
た。接着強度を表1に示す。
【0034】(実施例5) (パテ組成)リポキシRF−304X:100部に、キ
ャボジールTS−720:5部、ハイジライトHBT−
320:160部を混合したものに、P3B:0.5部
のN−メチルピロリドン40%溶液、BIm:1.0部
を混合したものをパテAとし、パテA中のP3B:0.
5部のN−メチルピロリドン40%溶液とBIm:1.
0部をCI−2855:2.0部、I−1800:1.
0部に置き換えた以外はまったく同様な組成のものをパ
テBとした。 (プライマーの塗布及び硬化)実施例1とまったく同様
の操作を行った。 (パテの塗布及び硬化)次に、実施例1と同様にパテA
及びパテBを50部/50部の割合で混合したパテを薄
く塗布(0.8kg/m2 )して、ランプ1を使用して
1mの距離で5分間光照射を行うと表面のタックがなく
なり硬化した。 (FRPライニング)実施例1と同様の試験を行った。 (接着性テスト)実施例1と同様の試験を行ったとこ
ろ、破壊状況はコンクリート母材破壊でコンクリートを
約5〜10mm程度剥離させた。接着性は良好であり、
パテとしての性能が十分満たされていることを確認し
た。接着強度を表1に示す。
【0035】(比較例1) (パテ組成)実施例1と同様に、リポキシRF−304
X:100部に、キャボジールTS−720:5部、ハ
イジライトHBT−320:160部を混合したもの
に、常温硬化剤[パーメックN(日本油脂(株)製]/
ナフテン酸コバルト1.2/0.5部を混合したものを
常温硬化型パテとした。 (プライマーの塗布及び硬化)実施例1とまったく同様
の操作を行った。 (パテの塗布及び硬化)次に、実施例1と常温硬化型パ
テを薄く塗布(0.8kg/m2 )して、室温に放置し
たところ硬化するのに6時間要した。 (FRPライニング)実施例1と同様の試験を行った。 (接着性テスト)実施例1と同様の試験を行ったとこ
ろ、破壊状況は大部分がコンクリート母材破壊でコンク
リートを約5mm程度剥離させた。しかしパテの硬化に
は長時間を必要とし作業効率が悪かった。接着強度を表
1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】(実施例6)リポキシRF−304X:1
00部に、キャボジールTS−720:5部、ハイジラ
イトHBT−320:160部を混合したものに、P3
B:0.5部のN−メチルピロリドン40%溶液として
混合したもの、CI−2624:1.0部、I−180
0:1.0部を混合し、一液型パテとしたものを、20
cm×20cm×厚さ20mmの枠の中に充填し、ラン
プ1を使用して1mの距離で10分間光照射を行うと厚
さ20mmの裏面も硬化した。硬化したパテの強度を確
認するためJIS K−7208による圧縮試験を行っ
たところ、建築・土木用パテとして十分使用可能な強度
を示した。15分という短時間で厚さ20mmのパテが
十分硬化できることを確認した。結果は表2に示す。
【0038】(比較例2)リポキシRF−304X:1
00部に、キャボジールTS−720:5部、ハイジラ
イトHBT−320:160部を混合したものに、常温
硬化剤パーメックN/ナフテン酸コバルト1.2/0.
5部を混合したものを常温硬化型パテとし、20cm2
0cm厚さ20mmの枠の中に充填して室温で1日放置
して硬化させたものと、その後更に120℃で2時間ア
フターキュアしたもののJIS K−7208による圧
縮試験を行ったところ、室温で1日放置させ硬化させた
ものについては、更に120℃で2時間アフターキュア
したものや実施例6に比べて低い強度であった。結果を
表2に示す。
【0039】(比較例3)リポキシRF−304X:1
00部に、キャボジールTS−720:5部、ハイジラ
イトHBT−320:160部を混合したものに、I−
1800:1.0部を混合し、一液型パテとしたものを
実施例6と同様の操作で硬化を試みたが、1時間光照射
をしても裏面は硬化しなかった。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明は、新規なコンクリート構築物用
パテ組成物及びその硬化方法に関するものであり、
(A)重合性不飽和化合物:100重量部、(B)充填
材:10〜300重量部及び(C)酸性化合物と特定の
有機ホウ素化合物を主体とする重合開始剤を含有する光
硬化性のコンクリート構築物用パテ組成物及びその硬化
方法を開発した。従来、建築・土木分野の建築物や構築
物のコンクリートやセメントモルタル層上に、ライニン
グあるいはコーティングなどを行う際に使用するパテ組
成物は、常温硬化系のパテが主流であって、完全硬化す
るまで長時間を要し作業効率が悪く、また現場調合をす
ることが必要なため可使時間の調整が難かしく取扱困難
であるだけでなく、硬化剤として過酸化物などの危険物
を取扱うことが必要であるため爆発や発火の危険が多か
った。これに対し、本発明のパテ組成物は、光照射によ
り極めて短時間で硬化が可能であり、かつ光を十分に照
射が困難な部分においても暗反応による硬化が可能であ
るので、極めて効果的なパテ組成物である。更に該パテ
組成物は硬化した時従来品のパテ組成物に比してその接
着強度は高く、安全で、作業環境の汚染の少ない優れた
新規なパテ組成物である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年11月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で使用される熱硬化性樹脂
としては、不飽和ポリエステル樹脂及びビニルエステル
樹脂(以下、両樹脂を併せて樹脂等と呼ぶこともある)
のうち、少なくともその一つを使用する。本発明に使用
する不飽和ポリエステル樹脂は、多価アルコールと不飽
和多塩基酸(及び必要に応じて飽和多塩基酸)とのエス
テル化反応による縮合生成物(不飽和ポリエステル)
を、スチレンのような重合性モノマーに溶解したもの
で、「ポリエステル樹脂ハンドブック」日刊工業新聞
社、1988年発行または「塗料用語辞典」色材協会
編、1993年発行などに記載されている樹脂である。
またビニルエステル樹脂は、エポキシアクリレート樹脂
とも呼ばれ、一般にグリシジル基(エポキシ基)を有す
る化合物と、アクリル酸などの重合性不飽和結合を有す
るカルボキシル化合物のカルボキシル基との開環反応に
より生成する重合性不飽和結合を持った化合物(ビニル
エステル)であり、「ポリエステル樹脂ハンドブック」
日刊工業新聞社、1988年発行、あるいは「塗料用語
辞典」色材協会編、1993年などに記載されている樹
脂である。これらの樹脂等の原料として使用される不飽
和ポリエステルは、公知の方法により製造されるもので
よく、具体的には無水フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン
酸等の重合性不飽和結合を有していない飽和多塩基酸ま
たはその無水物とフマル酸、無水マレイン酸、マレイン
酸、イタコン酸等の活性不飽和結合を有する不飽和多塩
基酸またはその無水物を酸成分とし、これとエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−
プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパ
ンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフ
ェノールAのプロピレンオキサイド付加物等の多価アル
コールをアルコール成分として反応させて製造されるも
のである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】末端カルボキシルポリエステルに用いる飽
和ジカルボン酸としては、活性不飽和基を有していない
ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン
酸などが挙げられる。不飽和ジカルボン酸としては、活
性不飽和基を有しているジカルボン酸、例えばフマル
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸などが挙
げられる。多価アルコール成分としては、例えば、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,
3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プ
ロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノー
ル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビ
スフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの多
価アルコールなどが挙げられる。ビニルエステルの製造
に用いるα,β−不飽和カルボン酸エステル基を含有す
るエポキシ化合物としては、グリシジルメタクリレート
が代表例として挙げられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】陽イオン「Z+ 」の例としては、4級アン
モニウム陽イオン、4級ピリジニウム陽イオン、キノリ
ニウム陽イオン、ジアゾニウム陽イオン、テトラゾニウ
ム陽イオン、ホスホニウム陽イオン、(オキソ)スルホ
ニウム陽イオン、ナトリウム、カリウム、リチウム、マ
グネシウム、カルシウム等の金属陽イオン、フラビリウ
ム、ピラニウム塩等の酸素原子上に陽イオン電荷を持つ
(有機)化合物、トロピニウム、シクロプロピリウム等
の炭素陽イオン、ヨードニウム等のハロゲン陽イオン、
砒素、コバルト、パラジウム、クロム、チタン、スズ、
アンチモン等の金属化合物の陽イオンが挙げられる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】これらの酸性化合物の中で、(無水)マレ
イン酸、フマル酸、あるいはそれらのハーフエステル、
(メタ)アクリル酸、イタコン酸などの重合性不飽和基
を有する酸性化合物あるいはそれらの官能基を有するオ
リゴマーあるいはポリマー類などが好んで用いられる。
さらにそのもの自体は酸性物質ではなく、加熱、空気中
の水分、酸素などの作用により分解あるいは反応して酸
性化合物を発生する化合物も本発明の酸性化合物に該当
する。光照射により分解して酸性化合物を発生する物質
も知られており、例えば光カチオン重合開始剤と呼ばれ
ている化合物も本発明の酸性化合物に該当する。光カチ
オン開始剤は、ジアゾニウム化合物、スルホニウム化合
物、ヨードニウム化合物、金属錯体化合物など様々な化
合物が知られており、「機能材料」1985年10月号
5ページ、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、シー
エムシー社1989年発行78ページなどに詳細な記述
がある。これらの潜在性酸性化合物と呼ぶべき化合物の
中では、入手の容易性、経済性、組成物中の安定性、操
作性などを勘案すると光あるいは熱によって酸を発生す
る化合物が望ましい。さらに好ましくは熱によって酸を
発生する化合物であり、特に加熱により分解して酸を発
生する有機スルホニウム化合物が好適である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】また紫外光から可視光領域まで感光性を有
する公知の、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−
2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイ
ド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−メチ
ルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベン
ゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジ
メトキシベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド
などのアシルホスフィン系化合物を使用することもでき
る。例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ルプロパン−1−オン(商品名:Darocur117
3、チバガイギー(株)製)とビス(2,6−ジメトキ
シベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホス
フィンオキサイド(チバガイギー(株)製)を75%/
25%の割合で混合された商品名「イルガキュア170
0(チバガイギー(株)製)、1−ヒドロキシ−シクロ
ヘキシル−フェニルケトン(商品名:「イルガキュア1
84」、チバガイギー(株)製)、とビス(2,6−ジ
メトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチ
ルホスフィンオキサイド(チバガイギー(株)製)を7
5%/25%の割合で混合された商品名「イルガキュア
1800」(チバガイギー(株)製)、50%/50%
の割合で混合された商品名「イルガキュア1850」
(チバガイギー(株)製)、ビス(2,4,6−トリメ
チルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(商
品名「イルガキュア819)、2,4,6−トリメチル
ベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(商品
名:Lucirin TPO BASF(株)製)、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1
−オン(商品名:Darocur1173、チバガイギ
ー(株)製)と2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジ
フェニルホスフィンオキサイド(商品名:Luciri
n TPO BASF(株)製)を50%/50%の割
合で混合された商品名:「Darocur4265」な
どがある。可視光重合開始剤としては380nm〜78
0nmの波長域に感光性を有する光重合開始剤であれば
良く、それらを組み合わせて使用してもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】有機ホウ素化合物と(潜在性)酸性化合物
及び必要に応じて可視光重合開始剤を組み合わせた重合
開始剤、あるいはヘキサアリールビイミダゾールを組み
合せた開始剤の使用量は、樹脂等の種類、量、厚み等に
よって最適値が異なるが、一般には樹脂等100重量部
に対して0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜
15重量部である。重合開始剤組成物の使用量が0.0
1重量部未満では、重合が不十分になり易く、また20
重量部を超える量では経済的に不利な上、硬化物の物性
低下などが起こる。樹脂等が酸性化合物をあらかじめ含
有する場合においては、不飽和ポリエステル樹脂あるい
はビニルエステル樹脂に含まれる(無水)マレイン酸、
フマル酸、あるいはそれらのハーフエステル、(メタ)
アクリル酸、イタコン酸、末端にそれらカルボン酸のカ
ルボキシル基を有するオリゴマーあるいはポリマーであ
ってもよく、また樹脂等に任意の酸性化合物を添加した
形のものであっても良い。この場合、不飽和ポリエステ
ル樹脂またはビニルエステル樹脂としての酸価が0.1
〜100mgKOH/g、好ましくは5〜50mgKO
H/gである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】重合開始剤中の有機ホウ素化合物と(潜在
性)酸性化合物の組成比は、重量比で0.1/5〜5/
0.1、好ましくは0.5/5〜5/0.5である。有
機ホウ素化合物と(潜在性)酸性化合物がこの比率より
も少なすぎる場合は、硬化不十分で、また有機ホウ素化
合物及び/または(潜在性)酸性化合物がこの比率より
も多すぎる場合は、経済的に不利な上、硬化物の物性低
下などが起こる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】本発明では、必要に応じて湿潤したコンク
リート面での接着性向上のため、シランカップリング剤
を添加してもよい。シランカップリング剤としては、必
要に応じてモレキュラーシーブなどの吸湿剤を併用し、
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランなどを樹脂
100重量部に対して0.1〜2−0重量部添加する方
法がある。特開平6−271373号公報などに詳細な
記載がある。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】本発明のコンクリート用パテ組成物及びそ
の硬化方法においては、有機ホウ素化合物と酸性化合物
および必要に応じて可視光重合開始剤などを組合せるこ
とにより、重合開始剤を添加した樹脂組成物はポットラ
イフも長く可使時間の問題がなく安全で、且つ硬化させ
たい時に光照射を行えば可視光の透過する部分は速やか
に硬化し、光の透過し難い部分も有機ホウ素化合物と酸
性化合物の反応で硬化が進み、更に光源からでる穏やか
な熱の作用により、可視光の透過し難い部分も完全硬化
できるため、トラブルがなく安全に作業性をアップする
ことができる。このため成形体も反応性モノマーの揮発
に依る作業環境の悪化の問題や可使時間の問題が解決で
き硬化することが可能であり、経済性にも優れ、重合に
使用する光も人体に安全な可視光及び熱を発生する光源
で十分である。またパテ組成物の形態が一液タイプまた
は一対一で混合可能な安全な二液混合タイプにできると
ころからも、作業現場でのトラブルなく安全に作業性を
アップさせることができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【実施例】以下に示す実施例、比較例により、本発明の
内容を詳細に説明するが、各例中の「部」、「%」は重
量基準を示す。(実施例1)(パテの組成)ビニルエス
テル樹脂[商品名リポキシRF−304X:昭和高分子
(株)製]:100部に、揺変剤微粒子シリカ[商品名
キャボジールTS−720:米国、キャボット(株)
製]:5部、水酸化アルミニウム粉末[商品名ハイジラ
イトHBT−320、昭和電工(株)製]:130部、
ホウ素化合物:テトラ−n−ブチルアンモニウム・トリ
フェニル−n−ブチルボレート[昭和電工(株)製:以
下P3Bと略す]:0.5部をN−メチルピロリドン4
0%溶液として混合したものをパテAとし、パテA中の
P3B:0.5部のN−メチルピロリドン40%溶液
を、末端マレイン酸タイプオリゴマー[商品名MK−
1、昭和高分子(株)製]:2.0部に置き換えた以外
はまったく同様な組成のものをパテBとした。(プライ
マーの塗布及び硬化条件)常温硬化型プライマー[商品
名、CP−819B、昭和高分子(株)製]にメチルエ
チルケトンパーオキサイド[商品名パーメックN、日本
油脂(株)製]:1.2部を添加し、30cm×30c
m×6cmのコンクリート歩道板の上面(30cm×3
0cm)に刷毛で塗布(0.1kg/m2 )し、半日か
けて硬化乾燥させた。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】(パテの塗布及び硬化)次に不陸修整のた
めに、パテA及びパテBを50部/50部の割合で混合
したパテ組成物を薄く塗布(0.8kg/m2 )して、
380〜1200nmの波長領域を含む光源である2K
Wメタルハライドランプ[商品名ダイナビーム2、東芝
ライテック(株)製:以下ランプ1と称す。]を使用し
て1mの距離で10分間光照射を行うと表面のタックが
なくなり硬化した。(FRPライニング)次にカーボン
繊維シート[商品名トウシート、東燃(株)製]2pl
yに、常温硬化触媒であるパーメックN[日本油脂
(株)製/ナフテン酸コバルト(コバルト6%)=1.
5部/0.5部を添加したビニルエステル樹脂[商品名
リポキシR−804、昭和高分子(株)製]をカーボン
コンテントが60vol%になるように含浸させパテ硬
化面上に積層し一日放置して硬化させた。(接着性テス
ト)パテの性能を確認するため、ADHESION T
ESTER elcometerを使用して接着面積
4.9cm2 で接着強度及びその破壊状況を調べたとこ
ろ、コンクリート母材破壊でコンクリートを約5mm程
度剥離させた。接着性は良好であり、パテとしての性能
が十分満たされていることを確認した。接着強度を表1
に示した。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】(実施例2)(パテ組成)リポキシRF−
304X:100部に揺変剤微粒子シリカ粉末[商品名
エロジール#200、日本アエロジル(株)製]:5
部、炭酸カルシウム[商品名ソフトン1200、備北粉
化工業(株)製]:120部を混合したものに、P3
B:0.5部をN−メチルピロリドン40%溶液として
混合したもの、光/熱潜在性酸発生剤[スルホニウム化
合物、商品名CI−2624:日本曹達(株)製]:
1.0部、紫外光から可視光領域まで感光性を有するア
シルフォスフィンオキシド系光重合開始剤[商品名、イ
ルガキュア−1800:チバガイギー(株)製、以下I
−1800という]:1.0部を混合し一液型パテとし
た。(プライマーの塗布及び硬化)実施例1とまったく
同様の操作を行った。(パテの塗布及び硬化)実施例1
とまったく同様に一液型パテを薄く塗布(0.8kg/
2 )して、ランプ1を使用して1mの距離で5分間光
照射を行うと表面のタックがなくなり硬化した。(FR
Pライニング)実施例1と同様の試験を行った。(接着
性テスト)実施例1と同様の試験を行ったところ、破壊
状況はコンクリート母材破壊でコンクリートを約5〜1
0mm程度剥離させた。接着性は良好であり、パテとし
ての性能が十分満たされていることを確認した。接着強
度を表1に示す。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】(実施例3)(パテ組成)リポキシRF−
304X:100部に、キャボジールTS−720:5
部、タルク[商品名タルクLMR、富士タルク工業
(株)製]100部を混合したものに、P3B:0.5
部をN−メチルピロリドン40%溶液として混合したも
のをパテAとし、パテA中のP3B:0.5部のN−メ
チルピロリドン溶液をMK−1:0.2部、CI−28
55:1.0部に置き換えた以外はまったく同様な組成
のものをパテBとした。(プライマーの塗布及び硬化)
実施例1とまったく同様の操作を行った。(パテの塗布
及び硬化)次に、実施例1と同様にパテA及びパテBを
50部/50部の割合で混合したパテを薄く塗布(0.
8kg/m2 )して、ランプ1を使用して1mの距離で
5分間光照射を行うと表面のタックがなくなり硬化し
た。(FRPライニング)実施例1と同様の試験を行っ
た。(接着性テスト)実施例1と同様の試験を行ったと
ころ、破壊状況はコンクリート母材破壊でコンクリート
を約5〜10mm程度剥離させた。接着性は良好であ
り、パテとしての性能が十分満たされていることを確認
した。接着強度を表1に示す。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】(実施例4)(パテ組成)リポキシRF−
304X:100部に、キャボジールTS−720:5
部、タルク[商品名タルクLMR、富士タルク工業
(株)製]50部、ハイジライトHBT−320:80
部を混合したものに、P3B:0.5部のN−メチルピ
ロリドン40%溶液、ビス(2−o−クロロフェニル−
4,5−ジフェニル)イミダゾール[和光純薬工業
(株)製、以下BImと略す]:1.0部を混合したも
のをパテAとし、パテA中のP3B:0.5部のN−メ
チルピロリドン40%溶液とBIm:1.0部をMK−
1:4.0部に置き換えた以外はまったく同様な組成の
ものをパテBとした。(プライマーの塗布及び硬化)実
施例1とまったく同様の操作を行った。(パテの塗布及
び硬化)次に、実施例1と同様にパテA及びパテBを5
0部/50部の割合で混合したパテを薄く塗布(0.8
kg/m2 )して、ランプ1を使用して1mの距離で5
分間光照射を行うと表面のタックがなくなり硬化した。
(FRPライニング)実施例1と同様の試験を行った。
(接着性テスト)実施例1と同様の試験を行ったとこ
ろ、破壊状況はコンクリート母材破壊でコンクリートを
約5〜10mm程度剥離させた。接着性は良好であり、
パテとしての性能が十分満たされていることを確認し
た。接着強度を表1に示す。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】
【表1】 C:コンクリート母材破壊
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】(比較例2)リポキシRF−304X:1
00部に、キャボジールTS−720:5部、ハイジラ
イトHBT−320:160部を混合したものに、常温
硬化剤パーメックN/ナフテン酸コバルト1.2/0.
5部を混合したものを常温硬化型パテとし、20cm×
20cm×厚さ20mmの枠の中に充填して室温で1日
放置して硬化させたものと、その後更に120℃で2時
間アフターキュアしたもののJISK−7208による
圧縮試験を行ったところ、室温で1日放置させ硬化させ
たものについては、更に120℃で2時間アフターキュ
アしたものや実施例6に比べて低い強度であった。結果
を表2に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉田 修一 千葉県千葉市緑区大野台1−1−1 昭和 電工株式会社総合研究所内 (72)発明者 鎌田 博稔 千葉県千葉市緑区大野台1−1−1 昭和 電工株式会社総合研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)重合性不飽和化合物:100重量
    部、 (B)充填材:10〜300重量部及び (C)酸性化合物と一般式(1)で表される有機ホウ素
    化合物からなる重合開始剤を含有することを特徴とする
    コンクリート構築物用パテ組成物。 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、それぞれ独立し
    てアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル
    基、アルキニル基、シリル基、複素環基、ハロゲン原
    子、置換アルキル基、置換アリール基、置換アラルキル
    基、置換アルケニル基、置換アルキニル基または置換シ
    リル基を示し、Z+ は陽イオンを示す)
  2. 【請求項2】 (A)重合性不飽和化合物:100重量
    部、 (B)充填材:10〜300重量部、 (C)酸性化合物及び一般式(1)で表される有機ホウ
    素化合物からなる重合開始剤、及び (D)可視光重合開始剤を含有することを特徴とするコ
    ンクリート構築物用パテ組成物。
  3. 【請求項3】 可視光重合開始剤がアシルフォスフィン
    オキシド系化合物である請求項2記載のパテ組成物。
  4. 【請求項4】 (A)重合性不飽和化合物:100重量
    部、 (B)充填材:10〜300重量部、 (C)酸性化合物、一般式(1)で表される有機ホウ素
    化合物及び一般式(2)で表されるヘキサアリールビイ
    ミダゾールからなる重合開始剤を含有することを特徴と
    するコンクリート構築物用パテ組成物。 【化2】 (式中、L1 、L2 及びL3 はそれぞれ独立にアリール
    基あるいは置換アリール基を示す。)
  5. 【請求項5】 (A)重合性不飽和化合物:100重量
    部、 (B)充填材:10〜300重量部、 (C)酸性化合物、一般式(1)で表される有機ホウ素
    化合物及び一般式(2)で表されるヘキサアリールビイ
    ミダゾールからなる重合開始剤及び (D)可視光重合開始剤を含有することを特徴とするコ
    ンクリート構築物用パテ組成物。
  6. 【請求項6】 重合性不飽和化合物が、不飽和ポリエス
    テル樹脂、ビニルエステル樹脂および/またはアクリル
    樹脂である請求項1ないし5のいずれかに記載のパテ組
    成物。
  7. 【請求項7】 充填材が、無機および/または有機のフ
    ィラーである請求項1ないし6のいずれかに記載のパテ
    組成物。
  8. 【請求項8】 酸性化合物が、(無水)マレイン酸、フ
    マル酸あるいはそれらのハーフエステル、(メタ)アク
    リル酸、イタコン酸などの重合性不飽和化合物またはそ
    れら酸性化合物を含有するオリゴマーあるいはポリマー
    の少なくとも一種から選ばれた請求項1〜7のいずれか
    に記載のパテ組成物。
  9. 【請求項9】 酸性化合物が、光照射および/または加
    熱により酸を発生する潜在性酸発生剤である請求項1〜
    8のいずれかに記載のパテ組成物。
  10. 【請求項10】 潜在性酸発生剤が、有機スルホニウム
    化合物である請求項9に記載のパテ組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載のパ
    テ組成物に、光照射および/または加熱して硬化するこ
    とを特徴とするパテ組成物の硬化方法。
  12. 【請求項12】 光照射の光源が、可視光および/また
    は近赤外光領域の波長の光を発する光源である請求項1
    1記載のパテ組成物の硬化方法。
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