JPH1149532A - 低反射ガラス物品およびその製造方法 - Google Patents

低反射ガラス物品およびその製造方法

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JPH1149532A
JPH1149532A JP10149169A JP14916998A JPH1149532A JP H1149532 A JPH1149532 A JP H1149532A JP 10149169 A JP10149169 A JP 10149169A JP 14916998 A JP14916998 A JP 14916998A JP H1149532 A JPH1149532 A JP H1149532A
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JP
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refractive index
layer
film
bismuth
low
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JP10149169A
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English (en)
Inventor
Koichiro Nakamura
浩一郎 中村
Toshifumi Tsujino
敏文 辻野
Koji Yokoi
浩司 横井
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光領域の広い範囲で反射率を低減できる
光学多層膜を被覆した低反射ガラス物品を提供する。 【解決手段】 屈折率が1.47〜1.53の透明ガラ
ス基体上に、2.00〜2.60の屈折率、2〜15の
屈折率分散係数νおよび35〜70nmの光学膜厚を有
する第1層と、1.35〜1.55の屈折率、50以上
の屈折率分散係数νおよび45〜70nmの光学膜厚を
有する第2層と、2.00〜2.60の屈折率、2〜1
5の屈折率分散係数νおよび45〜135nmの光学膜
厚を有する第3層と、1.35〜1.55の屈折率、5
0以上の屈折率分散係数νおよび130〜175nmの
光学膜厚を有する第4層がこの順序で4層積層されてい
ることを特徴とする低反射ガラス物品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低反射ガラス物品、
特に透明ガラス基材の表面に被覆して可視光線の反射防
止機能を付与する低反射ガラス物品およびその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学部品あるいは、民生用OA機器、T
Vのブラウン管やディスプレイ用フィルタなどの表面反
射率を低減して光学的特性を高めるために、これまで多
くの反射防止系が用いられている。これらは(1)表面
凹凸構造、(2)光学薄膜系を利用した方法に大別でき
る。
【0003】表面凹凸構造を利用する方法は光散乱効果
による。これは化学的あるいは物理的な手法で基体表面
に、光の波長と同程度あるいはそれ以下の寸法の凹凸構
造を設け、散乱により見掛け上基体の反射率を下げる方
法である。例えば弗酸によりガラス表面をエッチングす
る方法、過飽和のケイ弗化水素酸液にガラスを浸漬して
表面にポーラスなスケルトン構造を構築する方法、シリ
カなどの超微粒子を表面に塗布する方法、スピノーダル
分解などのミクロな相分離を利用する方法などがある。
【0004】光学薄膜による反射率の低減は光干渉効果
による。 理論的には光学的膜厚nf×d(nf:屈折
率、d:幾何学的膜厚)がλ0/4( λ0:設計の中心
波長)に等しい薄膜系が基体上に形成されたとき、入射
媒質、基体の屈折率をそれぞれn0、nSとし、薄膜系の
光学アドミタンスをYとするとエネルギー反射率Rは数
式1で表わされる。
【0005】
【数1】R=((n0−Y)/(n0+Y))2
【0006】ここで無反射条件はY=n0である。単層
膜の場合、Y=n1 2/nSとなり基体がガラス(nS
1.52)で、入射媒質が空気(n0=1)のとき、薄膜
の屈折率が n1=1.23となる材料を用いた場合に、
λ0における反射率がゼロとなることがわかる。
【0007】2層構成の場合、基体上に1層の薄膜(入
射媒質側から数えて2番目)が積層された場合の薄膜系
(第2層目の薄膜+基体)の合成光学アドミタンスをYs
とすると、この薄膜系(第2層目の薄膜+基体)に第1
層を積層した場合の無反射条件は下記数式2となり、下
記数式2、下記数式3より、下記数式4が得られる。
【0008】
【数2】Ys=n2 2/nS
【数3】n1 2/Ys=n0
【数4】nS/n0=n2 2/n1 2
【0009】すなわちn2/n1=1.23となるような
屈折率の材料を組み合わせればよい。このような2種類
の材料を選んで膜厚を調節することにより、特定の波長
における反射率がゼロとなる反射防止膜が得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記の表面凹凸
構造を利用する方法は、散乱を利用しており本質的に反
射を低下しているわけではない。したがって反射率の低
減に限界があり、また解像度も低下する。また光干渉作
用を利用して反射率を低減する光学薄膜系については、
単層膜の場合には、実際にn1=1.23 を満足し、か
つ実用的に耐久性のある材料は知られておらず、これに
近い屈折率を有するMgF2(nf=1.38)が用いら
れている。この場合には、被膜面の反射率Rは(数式
1)により、R=1.26%までしか低減できないこと
は明らかである。2層構成の場合には、特定波長の反射
率をゼロにすることはできるが、反射率を低減できる波
長域が狭い。このため可視域に中心波長を設計した場
合、青色刺激純度の高い短波長側と赤色刺激純度の高い
長波長側の反射率が高くなるV型反射カーブを描くた
め、用途によっては青/赤の反射色が強すぎて使用でき
なかった。また屈折率を調節して反射色調を改善する
と、(数式4)の無反射条件を満足できないため、反射
率低減効果が充分に発現できなかった。3層以上の光学
多層膜については、反射率がゼロに近い波長領域を大き
くすることができ、同時に反射色が改善できることが知
られている。しかしながら薄膜の形成方法が真空系につ
いては設備が大がかりになる。湿式法については多層膜
であるがゆえに、塗布と乾燥あるいは焼成の工程が複雑
で生産性に劣るという問題があった。
【0011】本発明はこのような課題を解決するために
なされたものであり、可視光領域の広い範囲で反射率を
低減できる光学多層膜を被覆した低反射ガラス物品を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、屈折率が1.
47〜1.53の透明ガラス基体上に、2.00〜2.
60の屈折率、2〜15の屈折率分散係数νおよび35
〜70nmの光学膜厚を有する第1層と、1.35〜
1.55の屈折率、50以上の屈折率分散係数νおよび
45〜70nmの光学膜厚を有する第2層と、2.00
〜2.60の屈折率、2〜15の屈折率分散係数νおよ
び45〜135nmの光学膜厚を有する第3層と、1.
35〜1.55の屈折率、50以上の屈折率分散係数ν
および130〜175nmの光学膜厚を有する第4層が
この順序で4層積層されていることを特徴とする低反射
ガラス物品である。
【0013】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、屈折率が1.47〜1.53の透明ガラス基体
上に第1層(高屈折率膜)、第2層(低屈折率膜)、第
3層(高屈折率膜)および第4層(低屈折率膜)がその
順に積層される。ここで屈折率の値は特に断らない限り
550nmの波長の光についての値で定義する。第1層
および第3層の高屈折率膜の屈折率の値の範囲はそれぞ
れ2.00〜2.60であり第2層および第4層の高屈
折率膜の値の範囲はそれぞ1.35〜1.55である。
可視光線領域の反射率を低減するためには、第1層の高
屈折率膜は35〜70nm、第2層の低屈折率膜は45
〜70nm、第3層の高屈折率膜は45〜135nm、
第4層の低屈折率膜は130〜175nmの光学膜厚を
それぞれ有する。
【0014】光の波長の違いによる屈折率の違いの程度
を、次の数式5のように、屈折率分散係数νで定義す
る。
【0015】
【数5】ν=(n590-1)/(n590-n670)
【0016】ここにおいて、n590は波長590nmに
おける屈折率、n670は波長590nmにおける屈折率
を表す。
【0017】そして第1層、第2層、第3層および第4
層の屈折率分散係数νの範囲はそれぞれ2〜12、50
以上、2〜12およびおよび50以上である。各層の屈
折率分散係数νが上記範囲を外れると、小さな可視光線
反射が得られなくなる。これら第1層〜第4層の屈折
率、光学膜厚、および屈折率分散係数νの範囲をまとめ
て表1に示す。このように屈折率、光学膜厚、屈折率分
散係数νを選ぶことにより、0.5%以下、さらに好ま
しくは0.3%以下の可視光線反射率(膜面)を有する
低反射ガラス物品が得られる。
【0018】
【表1】 ================================== 屈折率 光学膜厚(nm) 屈折率分散係数ν −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 第1層 2.00〜2.60 35〜70 2〜15 第2層 1.35〜1.55 45〜70 50以上 第3層 2.00〜2.60 45〜135 2〜15 第4層 1.35〜1.55 130〜175 50以上 ==================================
【0019】本発明に係わる高屈折率膜(第1層および
第3層)は周期律表の第IB族 (Cu、Ag、Au)、
第IIA族(Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra)、第
IIB族(Zn、Cd、Hg)、第IIIA族(Sc、Y、
La、Ac)、第IIIB族(B、Al、Ga、In、T
l)、第IVA族(Ti、Zr、Hf、Th)、第IVB族
(C、Si、Ge、Sn、Pb)、第VA族(V、N
b、Ta、Pa)、第VB族(N、P、As、Sb、B
i)、第VIA族(Cr、Mo、W、U)、第VIB族
(O、S、Se、Te、Po)、第VIIA族(Mn、T
c、Re、Np)、 第VIII族(Fe、Co、Ni、R
u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Pu、Am、C
m)から選ばれた少なくとも1種の元素の酸化物を合計
で50モル%以上含有することが好ましい。これらの中
で、チタン(Ti)、セリウム(Ce)、ビスマス(B
i)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、および
タンタル(Ta)から選ばれた少なくとも1種の金属の
酸化物が好ましく、これらの金属酸化物はそれぞれTi
2、CeO2、Bi23、ZrO2、Nb25、および
Ta25に換算して、合計で、好ましくは70モル%、
より好ましくは80モル%、さらに好ましくは90モル
%含有される。他に含有されることがある成分として
は、ケイ素酸化物、後述の着色成分が挙げられる。
【0020】本発明に係わる低屈折率膜(第2層および
第4層)はシリカを70モル%以上含有することが好ま
しく、より好ましくは80モル%以上含有し、前記高屈
折率膜に含まれる金属酸化物を合計で、好ましくは0〜
30モル%、より好ましくは1〜20モル%含有させ
る。この金属酸化物を含有させることにより、低屈折率
膜の層と高屈折率膜の層の硬化過程における収縮係数が
近いものとなり、クラックや膜剥離が起こりにくくな
る。また低屈折率膜の層と高屈折率膜の層の界面での密
着性を高めることができる。前記高屈折率膜に金属酸化
物が複数種、例えばチタン酸化物とビスマス酸化物の2
種が含まれる場合には、チタン酸化物とビスマス酸化物
を前記高屈折率膜中に含まれる比率とほぼ同じ比率で前
記低屈折率膜に含ませることが好ましい。他に含有され
ていてもよい成分としては、後述の着色成分が挙げられ
る。
【0021】本発明における高屈折率膜(第1層および
第3層)、および低屈折率膜(第2層および第4層)の
光学薄膜の一つの具体的な形態として、酸化チタン、酸
化ビスマスおよび酸化ケイ素を含有する膜を例示でき
る。以下に説明するように、各膜中の酸化ケイ素の割合
が少ない場合には高屈折率膜として、逆に薄膜中の酸化
ケイ素の割合が多い場合には低屈折率膜として用いられ
る。
【0022】酸化チタン、酸化ビスマスおよび酸化ケイ
素を含有する光学薄膜を高屈折率膜として用いる場合に
は、酸化ケイ素の含有量はSiO2 に換算して、30モ
ル%以下であることが好ましく、より好ましい比率は2
0モル%以下であり、さらに好ましい比率は10モル%
以下である。
【0023】本発明の酸化チタン、酸化ビスマスおよび
酸化ケイ素を含有させた高屈折率膜における酸化チタン
と酸化ビスマスの割合は、その膜の屈折率を最大にする
ように選ばれることが好ましい。薄膜中の酸化チタンお
よび酸化ビスマスの含有率は、チタンおよびビスマスの
酸化状態を TiO2およびBi23とそれぞれ仮定する
と、モル比で表して、TiO2とBi23の合計に対す
るBi23の比、Bi23/(TiO2+Bi23)が
1〜96%であることが好ましく、より好ましい比率は
2〜60%であり、さらに好ましい比率は3〜50%で
ある。
【0024】この高屈折率膜中の酸化チタン、酸化ビス
マス、および酸化ケイ素の含有率は、図1に示すよう
に、TiO2−Bi23−SiO2系三元組成においてそ
れぞれTiO2、Bi23、SiO2のモル比を座標点
(TiO2,Bi23,SiO2各モル%)で表わして、
A(69,1,30)、B(99,1,0)、C(5,
95,0)、D(3,67,30)からなる四角形AB
CDの範囲内の比率であることが必要であり、好ましく
は、 E(78,2,20)、F(98,2,0)、G
(40,60,0)、H(32,48,20)からなる
四角形EFGHの範囲内の比率であり、さらに好ましく
はI(87,3,10)、J(97,3,0)、K(5
0,50,0)、L(45,45,10)からなる四角
形IJKLの範囲内の比率である。高屈折率膜中の酸化
チタン、酸化ビスマス、および酸化ケイ素の含有率が四
角形ABCDの範囲内では2.06以上の屈折率を有す
る高屈折率膜が得られ、同様に四角形EFGHの範囲内
では2.18以上の屈折率、四角形IJKLの範囲内で
は2.30以上の屈折率を有する高屈折率膜が得られ
る。このように酸化チタン、酸化ビスマス、および酸化
ケイ素を含有する光学薄膜を高屈折率膜として用いる場
合には、屈折率をそれほど下げなければ、上記成分以外
の成分、例えばセリウム酸化物、ジルコニウム酸化物、
タンタル酸化物、ネオブ酸化物、タングステン酸化物、
アンチモン酸化物等を少量、例えば10%以下含有して
もよい。
【0025】一方、酸化チタン、酸化ビスマスおよび酸
化ケイ素を含有する光学薄膜を本発明における低屈折率
膜として用いる場合には、酸化ケイ素の含有量はSiO
2 のモル%で表わして、70モル%以上であることが好
ましく、より好ましい比率は80モル%以上であり、さ
らに好ましい比率は90モル%以上である。
【0026】この低屈折率膜中の酸化チタン、酸化ビス
マス、および酸化ケイ素の含有率は、図1に示すよう
に、高屈折率膜の場合と同様に表わして、M(0,0,
100)、N(29.5,0.5,70)、O(1.5,
28.5,70) からなる三角形MNOの範囲内の比率
であることが必要であり、M(0,0,100)、P
(19.5,0.5,80)、Q(8,12,80)、か
らなる三角形MPQの範囲内の比率であることが好まし
く、さらに好ましくはM(0,0,100)、R(9.
5,0.5,90)、S(5,5,90)、からなる三
角形MRSの範囲内の比率である。
【0027】本発明の酸化チタン、酸化ビスマスおよび
酸化ケイ素を含有する光学薄膜を低屈折率膜(第2層お
よび第4層)として用いる場合における各膜中の酸化チ
タンと酸化ビスマスの割合は、積層する高屈折率膜(第
1層および第3層)中の酸化チタンと酸化ビスマスの割
合に近づけることが好ましい。そのようにすることによ
り、焼成時における高屈折率膜と低屈折率膜の熱収縮率
の差が小さくなり、クラックや膜剥離を防止することが
できる。さらに高屈折率膜および低屈折率膜の屈折率の
波長分散が近いものとなり、これらの光学薄膜を用いて
積層してなる低反射ガラスにおける透過光色調、反射光
色調、可視光線反射率などの光学特性が改善される。
【0028】本発明における高屈折率膜および低屈折率
膜の少なくとも一つの層に、着色発色成分を含有させて
もよい。 このような着色発色成分としては、周期律表
の第IB族、 第VIII族 から選ばれた1種あるいは2種
以上からなる金属超微粒子を挙げることができる。この
中でも好ましくはAu、Pt、Pd、Rh、Agなどの
貴金属を例示できる。これらの着色成分金属微粒子は
0.5〜20モル%含有させることが好ましい。
【0029】本発明における高屈折率膜および低屈折率
膜を形成する方法としては、スパッタ法、CVD法、ス
プレー熱分解法で形成することが可能であるが、コスト
の面からゾル−ゲル法による方が望ましい。ゾル−ゲル
法によるコーティングについてはスピンコート法、ディ
ップコート法、フローコート法、ロールコート法、グラ
ビアコート法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法など
が用いられる。
【0030】本発明における高屈折率膜および低屈折率
膜をゾル−ゲル法により、例えば、酸化チタン、酸化ビ
スマスおよび酸化ケイ素を含有する光学薄膜を形成する
場合、そのコーティング液組成物は、チタン化合物、ビ
スマス化合物、ケイ素化合物等の加水分解・縮合可能な
金属化合物を有機溶媒に溶解することにより得られる。
【0031】チタン化合物としてはチタンアルコキシ
ド、チタンアルコキシド塩化物、チタンキレート化物な
どが用いられる。チタンアルコキシドとしてはチタンメ
トキシド、チタンエトキシド、チタンn-プロポキシド、
チタンn-ブトキシド、チタンイソブトキシド、チタンメ
トキシプロポキシド、チタンステアリルオキシド、チタ
ン2-エチルヘキシオキシドなどが例示できる。チタンア
ルコキシド塩化物としてはチタンクロリドトリイソプロ
ポキシド、チタンジクロリドジエトキシドなどが挙げら
れる。チタンキレート化物としては、チタントリイソプ
ロポキサシド(2,4-ペンタンジオネート)、チタンジイ
ソプロポキシド(ビス-2,4-ペンタンジオネート)、チ
タンアリルアセテートトリイソプロポキシド、チタンビ
ス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキシド、 チ
タンジ-n-ブトキシド(ビス-2,4-ペンタンジオネー
ト)などが用いられる。
【0032】ビスマス化合物としては硝酸ビスマス、酢
酸ビスマス、オキシ酢酸ビスマス、酢酸ビスマス、塩化
ビスマス、ビスマスアルコキシド、ビスマスヘキサフル
オロペンタジオネート、ビスマスt-ペントキサイド、ビ
スマステトラメチルヘプタンジオネートなどが用いられ
る。セリウム化合物としては、硝酸セリウム、塩化セリ
ウムなどが用いられる。ケイ素化合物としてはシリコン
アルコキシドをアルコールなどの溶媒に混ぜ、酸性や塩
基性の触媒で加水分解、重合を進めたものが用いられ
る。シリコンアルコキシドとしてはシリコンメトキシ
ド、シリコンエトキシドあるいはそれらのオリゴマー体
が用いられる。酸触媒としては塩酸、硫酸、硝酸、塩化
水素酸、酢酸、しゅう酸、トリクロロ酢酸、トリフルオ
ロ酢酸、リン酸、フッ酸、蟻酸などが用いられる。塩基
性触媒としてはアンモニア、アミン類が用いられる。
【0033】上記高屈折率膜および低屈折率膜の形成に
用いられるコーティング液組成物に用いられる有機溶媒
は、コーティング方法に依存するが、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノー
ル、オクタノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシ
エタノール、2-ブトキシエタノール、セロソルブアセテ
ート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、へキ
シレングリコール、ジエチレングリコール、トリプロピ
レングリコール、ジアセトンアルコールなどが挙げられ
る。コーティング液組成物は上述した溶媒を単独でまた
はコーティング液の粘度、表面張力などを調節するため
に複数用いても構わない。また安定化剤、レベリング
剤、増粘剤などを必要に応じて少量加えても構わない。
溶媒使用量は最終的に得られる高屈折率膜および低屈折
率膜の膜厚、採用するコーティング方法にも依存する
が、通常は全固形分が1〜20%の範囲内に入るように
使用される。
【0034】上記コーティング液組成物を前記塗布方法
で塗布した後に、乾燥または/および250℃以上の温
度で加熱焼成して、次に更に、その上に次の塗布液を塗
布する工程と乾燥または/および加熱焼成の工程を繰り
返すことにより紫外線熱線反射ガラス物品が完成する。
このようにして得られた被膜は、透明性、耐環境性、耐
擦傷性などの性能に優れ、積層を重ねても、高屈折率膜
の層と低屈折率膜の層の緻密化の過程における熱収縮率
の違いにより生じやすい膜剥離およびクラックの生成を
抑制することができる。
【0035】上記の乾燥または/および250℃以上の
加熱による乾燥/焼成を用いる製造方法に代えて次に述
べる光照射方法を用いることもできる。すなわち、上記
コーティング液組成物を前記塗布方法で塗布したあと、
可視光線よりも波長の短い電磁波を塗膜に照射する工程
を行い、引き続いて次の塗布液を塗布する工程を行うと
いう、塗布−乾燥工程を繰り返す方法である。可視光線
より短い波長を有する電磁波としては、γ線、X線、紫
外線があるが、大面積を有する基体への照射を考慮した
装置上の実用性の点から紫外線照射が好ましい。紫外光
源としてはエキシマランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀
ランプ、メタルハライドランプなどが用いられる。36
5nmを主波長とし254nm、303nmを効率良く
発光する高圧水銀ランプを用いて、10mW/cm2
上、好ましくは50mW/cm2以上、 さらに好ましく
は100mW/cm2以上の照射強度で塗膜に照射する
ことが望ましい。 このような紫外線光源を用いて、1
00mJ/cm2以上、好ましくは500mJ/cm2
上、さらに好ましくは1000mJ/cm2以上の照射
エネルギーを、本発明のコーティング液組成物を用いて
塗布された塗膜面に塗布する。必要な層の数だけ塗布・
紫外線照射を繰り返した後、必要に応じて500〜80
0℃に加熱した炉の中で10秒間〜2分間加熱する。こ
れにより、低温で透明性、耐環境性、耐擦傷性などの性
能に優れ、クラックの生じにくい積層膜を与える。
【0036】また紫外線を照射しながら熱による乾燥お
よび/または焼成を同時に行ってもよい。紫外線照射に
よる乾燥方法と、好ましくは250℃以下の温度での熱
乾燥による乾燥工程を同時に用いることにより、透明
性、耐環境性、耐擦傷性などの性能に優れた塗膜を与
え、積層を重ねても高屈折率膜の層、中間屈折率膜の層
および低屈折率膜の層の緻密化の過程における熱収縮率
の違いにより生じやすい膜剥離およびクラックの生成を
抑制することができる。このように紫外線照射を利用す
ることにより、乾燥工程の高速化がなされ生産性を飛躍
的に向上させることができる。
【0037】本発明におけるガラス基材としては、屈折
率が1.47〜1.53の透明ガラス物品、例えば透明
なソーダライム珪酸塩ガラス組成を有する、無着色のガ
ラス板、緑色、ブロンズ色等に着色され、または紫外
線、または熱線を遮断する性能を有するガラス板等を使
用してもよく、厚みが0.5mm〜5.0mmの自動車
用ガラス板が好ましく用いられ、そのガラス板の片側表
面または両側表面に上記積層膜を適用することができ
る。
【0038】本発明における高屈折率膜、中間屈折率膜
および低屈折率膜の光学膜厚を特定の範囲を選択するこ
とにより、設定波長における反射率を大きく低減するこ
とができるものである。
【0039】
【発明の実施の形態】以下に実施例を示し本発明をより
具体的に説明する。 高屈折率膜形成用溶液組成物(H液)の作製:24.9
gの硝酸ビスマス5水和物(Bi原料)を118.6g
の2−エトキシエタノールに混合し、170.7gのテ
トライソプロポキシチタン(Ti原料)を加え、60℃
で3時間攪拌した。室温に冷却して高屈折率膜形成用溶
液組成物を得た(H液)。 H液の中にはチタンおよび
ビスマスが、それぞれTiO2、Bi23 換算で、9
6、および4各モル%含まれていた。
【0040】低屈折率膜形成用溶液組成物(L液)の作
製:エチルシリケート(コルコート社製「エチルシリケ
ート40」)150gをエチルセロソルブ132gに混
合し、 0.1モル/lの塩酸を18g加え室温で2時
間攪拌した(L1液)。酸化物換算でSiO2 の量が9
0モル%となるようにL1液に上記H液を混ぜ、低屈折
率膜形成用溶液組成物を得た(L液)。L液の中には珪
素、 チタン、およびビスマスが、それぞれSiO2、T
iO2、Bi23換算で、90、9.8、および0.2
各モル%含まれていた。
【0041】[実施例1〜12、比較例1〜8]無着色
透明ソーダライムガラス板(厚み:1.1mm 、可視
光線透過率:91.2%、可視光線反射率(入射光側の
表面のみ。12度入射):4.03%、可視光線反射率
(両表面。12度入射):8.05%、それぞれLab
表色系の色度で表して、透過光色度a=−0.39、b
=0.2、透過光彩度((a2+b2)1/2)=0.44、入
射光側の表面のみの反射光色度a=0.08、同b=−
0.31、同反射光彩度((a2+b2)1/2)=0.32、
反射光色度(両表面)a=0.02、同b=−0.4
0、同反射光彩度((a2+b2)1/2)=0.40)をアル
カリ水溶液で20分、次いで超純水中で20分間、それ
ぞれ超音波照射しながら洗浄して基板を得た。
【0042】この基板の片側表面に上記H液をグラビア
コート法で被覆し、160W/cmの高圧水銀ランプを
用いて10cmの距離から15mW/cm2 の照射強度
で30秒間の紫外線照射を行い第1層膜を形成した。続
いて、該第1層膜の上に前記L液を塗布し、上記高圧水
銀ランプを用いてそれぞれ上記と同じ距離・照射強度・
照射時間での紫外線照射を行い第2層を得た。続いて該
第2層の上に、前記H液を塗布し、上記高圧水銀ランプ
を用いて同上の条件で紫外線照射を行い第3層とした。
続いて該第3層の上に、前記L液を塗布し、上記高圧水
銀ランプを用いて同上の条件で紫外線照射を行い第4層
とした。これを720℃に加熱した電気炉中で30秒間
加熱して、基板の一方表面に第1層、第2層、第3層お
よび第4層をその順に積層した低反射ガラス板を得た。
第1層〜第4層のグラビアコート法におけるロール回転
数を変え、光学膜厚の異なる種々の低反射ガラス板を得
た(実施例1〜12、比較例1〜8)。各層の膜組成は
表2の通りであった。
【0043】得られた低反射ガラス板の光学特性につい
ては、 可視光線反射率Rvisと可視光線透過率Tvisは
「JIS Z 8722」に準じ、 また反射率は12
度入射時の反射率で測定した。ここでは膜面側から入射
した光についての膜面(片面)のみの可視光線反射率お
よび膜面側から入射した光についての裏面の反射を含む
両面の可視光線反射率をそれぞれR(S)visおよびR(D)v
isと表記する。屈折率(n)は550nmの波長の光に
対する屈折率値をエリプソメトリにより測定した。屈折
率(n)、数式5で定義した屈折率分散係数(ν)、お
よび光学膜厚(nd)を表3〜表4に示し、膜面のみの
可視光線反射率R(S)visと、Lab表色系の色度で表し
て、膜面側から投射した光についての膜面(片面)のみ
の反射光色度a,b、およびその反射光彩度((a2+
2)1/2))の各値を表5〜表6に示す。そして裏面も
含む両面の可視光線反射率R(D)visと膜面側から投射し
た光についての裏面の反射を含む両面の反射光色度a,
b、およびその反射光彩度((a2+b2)1 /2))の各値を
表7〜表8に示し、それぞれ膜面側から光を投射させた
ときの可視光線透過率Tvis と透過色度a,b、および
透過光彩度((a2+b2)1/2)の各値を表9〜表10に示
す。ガラス基板の両表面に同一の光学薄膜を積層被覆し
た場合の、裏面も含む両表面の可視光線反射率の値は、
膜面側から光入射させた低反射ガラス板(片側表面のみ
に被覆)の膜面での可視光線反射率R(S)visの約2倍で
あった。なお、膜面(片面)のみの可視光線反射率およ
び反射光色度は、ガラス板の裏面(非膜面)を粗面と
し、さらに黒色塗料を塗布硬化して裏面の光反射が生じ
ないようにして測定した。
【0044】実施例1の低反射ガラス板について膜面側
から光を入射させたときの膜面での反射光の分光特性を
図2に示す。図において、450nm、550nmおよ
び580nmの波長の光の反射率はそれぞれ 約0.1
%、約0.15%および0.01%以下であることがわか
る。
【0045】実施例1〜12について表5に示したよう
に、本発明の、膜面側から光入射させた低反射ガラス板
の膜面での可視光線反射率R(S)visは0.12〜0.48
%であって、0.5%以下であり、無処理のガラス基板
の可視光線反射率(入射光側の表面のみ)の4.03%
に比して非常に小さくなっており、可視光反射防止の効
果が大きいことがわかる。それに対して上記各膜の光学
膜厚が範囲外にある比較例1〜8では、表6に示すよう
に膜面側の可視光線反射率R(S)visは0.63〜1.9
0%であり無処理ガラス基板の可視光線反射率(入射光
側の表面のみ)に比して小さくなっているものの実施例
の値よりもかなり大きな値を示している。また比較例6
の膜面側の可視光線反射率 R(S)visは0.63%と比較
的に小さな値を示すが、Lab表色系の色度で表して、
膜面側から投射したときの膜面での光の反射光の彩度
((a2+b2)1/2)) は62.24と大きく、無処理ガラ
ス基板の値0.32から大きく変化しているが、実施例
1〜12の値は1.06〜15.25であって膜面側の
反射光の彩度の変化は比較例ほど大きくない。
【0046】また、裏面も含む両表面の可視光線反射率
R(D)visについても、実施例1〜12では、表7に示す
ように、4.12〜4.47%であり、無処理ガラス基板
の8.05%よりも小さくなっている。また、実施例1
〜12の裏面も含む両表面の反射光の彩度は0.47〜
4.00 の範囲で5.0以下であり、無処理板の値0.
40からの変化は非常に小さい。更に実施例1〜12の
可視光線透過率Tvisは、表9に示すように、92.8〜
93.2%であり、無処理板の可視光線透過率Tvis 9
1.2%よりも高い値を示している。
【0047】
【表2】 ============================ 各層の膜組成(モル%) 層 使用液 SiO2 TiO2 Bi23 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 第1層 H液 0 96 4 実施例1〜12 第2層 L液 90 9.8 0.2 比較例1〜8 第3層 H液 0 96 4 第4層 L液 90 9.8 0.2 ============================
【0048】
【表3】 =================================== 第1層 第2層 第3層 第4層 n ν nd n ν nd n ν nd n ν nd (nm) (nm) (nm) (nm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例 1 2.37 5.19 49 1.49 >100 52 2.37 5.19 90 1.49 >100 149 2 2.37 5.19 37 1.49 >100 52 2.37 5.19 90 1.49 >100 149 3 2.37 5.19 56 1.49 >100 52 2.37 5.19 90 1.49 >100 149 4 2.37 5.19 49 1.49 >100 52 2.37 5.19 66 1.49 >100 149 5 2.37 5.19 49 1.49 >100 46 2.37 5.19 90 1.49 >100 149 6 2.37 5.19 49 1.49 >100 61 2.37 5.19 66 1.49 >100 149 7 2.37 5.19 49 1.49 >100 52 2.37 5.19 97 1.49 >100 149 8 2.37 5.19 49 1.49 >100 52 2.37 5.19 78 1.49 >100 149 9 2.37 5.19 49 1.49 >100 52 2.37 5.19 90 1.49 >100 141 10 2.37 5.19 49 1.49 >100 52 2.37 5.19 90 1.49 >100 156 11 2.37 5.19 49 1.49 >100 52 2.37 5.19 90 1.49 >100 136 12 2.37 5.19 49 1.49 >100 52 2.37 5.19 90 1.49 >100 161 ===================================
【0049】
【表4】 =================================== 第1層 第2層 第3層 第4層 n ν nd n ν nd n ν nd n ν nd (nm) (nm) (nm) (nm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較例 1 2.37 5.19 26 1.49 >100 52 2.37 5.19 90 1.49 >100 149 2 2.37 5.19 73 1.49 >100 52 2.37 5.19 90 1.49 >100 149 3 2.37 5.19 49 1.49 >100 31 2.37 5.19 90 1.49 >100 149 4 2.37 5.19 49 1.49 >100 76 2.37 5.19 90 1.49 >100 149 5 2.37 5.19 49 1.49 >100 52 2.37 5.19 42 1.49 >100 149 6 2.37 5.19 49 1.49 >100 52 2.37 5.19 137 1.49 >100 149 7 2.37 5.19 49 1.49 >100 52 2.37 5.19 90 1.49 >100 126 8 2.37 5.19 49 1.49 >100 52 2.37 5.19 90 1.49 >100 179 ===================================
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】 ========================== 可視光線 反射光色度(膜面) 反射率(膜面) −−−−−−−−−−−−− R(S)vis(%) a b (a2+b2)1/2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較例 1 1.39 10.60 -11.80 15.86 2 1.73 -5.32 -4.66 7.07 3 1.60 2.70 11.06 11.38 4 1.90 5.74 -18.08 18.97 5 1.07 3.97 -27.0 27.29 6 0.63 25.0 -57.0 62.24 7 1.08 5.92 -0.57 5.95 8 1.76 0.37 -10.95 10.96 =========================
【0052】
【表7】 =========================== 可視光線 反射光色度(両面) 反射率(両面) −−−−−−−−−−−−−−−−− R(D)vis(%) a b (a2+b2)1/2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例 1 4.14 0.57 -0.65 0.86 2 4.40 3.00 -2.65 4.00 3 4.32 -0.80 -0.47 0.93 4 4.45 -0.32 -2.53 2.55 5 4.27 0.47 -0.84 0.96 6 4.37 1.22 -2.68 2.94 7 4.12 1.48 -2.07 2.54 8 4.26 -0.31 -0.35 0.47 9 4.25 1.10 -0.11 1.11 10 4.24 0.21 1.68 1.69 11 4.47 1.61 -0.05 1.61 12 4.39 0.08 -2.46 2.46 ============================
【0053】
【表8】 ============================ 可視光線 反射光色度(両面) 反射率(両面) −−−−−−−−−−−−−−−− R(D)vis(%) a b (a2+b2)1/2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較例 1 5.29 4.47 -5.80 7.32 2 5.62 -2.83 -2.66 3.88 3 5.49 1.30 -5.78 5.92 4 5.76 2.92 -9.76 10.19 5 5.01 1.65 -11.78 11.89 6 4.58 8.45 -20.10 21.80 7 5.03 2.46 -0.55 2.52 8 5.62 0.12 -5.92 5.92 ===========================
【0054】
【表9】 ========================== 可視光線 透過光色度 透過率 −−−−−−−−−−−−−−− Tvis(%) a b (a2+b2)1/2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例 1 93.2 -0.59 0.18 0.62 2 93.0 -1.05 0.73 1.28 3 93.1 -0.35 0.11 0.37 4 92.9 -0.25 0.45 0.51 5 93.1 -0.50 0.16 0.52 6 93.0 -0.84 0.76 1.13 7 93.2 -0.82 0.55 0.99 8 93.1 -0.32 0.02 0.32 9 93.2 -0.67 0.03 0.67 10 93.1 -0.54 0.43 0.69 11 93.1 -0.77 0.00 0.77 12 92.8 -0.54 0.63 0.83 ==========================
【0055】
【表10】
【0056】
【発明の効果】以上発明の詳細な説明で述べたように、
本発明によれば、0.5%以下の可視光線反射率を有す
る低反射ガラス物品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における高屈折率膜の層および低屈折率
膜の層の好ましい組成を示すグラフ。
【図2】本発明の低反射ガラス物品の一実施例の反射率
分光特性を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02B 1/11 G02B 1/10 A

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率が1.47〜1.53の透明ガラ
    ス基体上に、2.00〜2.60の屈折率、2〜15の
    屈折率分散係数νおよび35〜70nmの光学膜厚を有
    する第1層と、1.35〜1.55の屈折率、50以上
    の屈折率分散係数νおよび45〜70nmの光学膜厚を
    有する第2層と、2.00〜2.60の屈折率、2〜1
    5の屈折率分散係数νおよび45〜135nmの光学膜
    厚を有する第3層と、1.35〜1.55の屈折率、5
    0以上の屈折率分散係数νおよび130〜175nmの
    光学膜厚を有する第4層がこの順序で4層積層されてい
    ることを特徴とする低反射ガラス物品。
  2. 【請求項2】 前記第1層および第3層のそれぞれがチ
    タン、セリウム、ビスマス、ジルコニウム、ニオブ、タ
    ンタルから選ばれた群より選ばれた少なくとも1種から
    なる金属の酸化物を70モル%以上含有し、前記第2層
    および第4層のそれぞれが、シリカを70モル%以上含
    有し、前記高屈折率膜に含まれる酸化物を合計で0〜3
    0モル%含有する請求項1に記載の低反射ガラス物品。
  3. 【請求項3】 前記第1層および第3層のそれぞれが、
    チタン酸化物、ビスマス酸化物、およびケイ素酸化物
    を、TiO2−Bi23−SiO2系三元組成においてそ
    れぞれTiO2、Bi23、SiO2のモル比を座標点
    (TiO2,Bi23,SiO2各モル%)で表わして、
    A(69,1,30)、B(99,1,0)、C(5,
    95,0)、D(3,67,30)からなる四角形AB
    CDの範囲内の比率で含有し、前記第2層および第3層
    のそれぞれが、チタン酸化物、ビスマス酸化物、および
    ケイ素酸化物を、同様に前記座標点で表わして、M
    (0,0,100)、N(29.5,0.5,70)、
    O(1.5,28.5,70) からなる三角形MNOの
    範囲内の比率で含有する請求項1または2に記載の低反
    射ガラス物品。
  4. 【請求項4】 前記透明ガラス基体が0.5〜5.0m
    mの厚みを有するガラス板である請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の低反射ガラス物品。
  5. 【請求項5】 前記第1〜第4層のうち少なくとも1層
    が周期律表の 第IB族、および第VIII族からなる群より
    選ばれた少なくとも1種からなる金属の微粒子を0.5
    〜20モル%含有する請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の低反射ガラス物品。
  6. 【請求項6】 加水分解・縮合可能な金属化合物を有機
    溶媒に溶解してなる反射防止膜形成用液組成物を透明ガ
    ラス基体表面に塗布する工程、その後に前記塗布表面に
    紫外線を照射する工程、およびその塗布された基体表面
    に前記塗布工程および前記紫外線照射工程を3回繰り返
    す工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の低反射
    ガラス物品を製造する方法。
  7. 【請求項7】 前記金属化合物は、チタン原料としての
    チタンアルコキシド、チタンハロゲン化物またはこれら
    のキレート化物から選ばれた化合物、ビスマス原料とし
    ての硝酸ビスマス、オキシ酢酸ビスマス、塩化ビスマ
    ス、ビスマスアルコキシドから選ばれた化合物、セリウ
    ム原料としての硝酸セリウム、塩化セリウムから選ばれ
    た化合物、シリカ原料としてのシリコンアルコキシド、
    そのオリゴマー体、またはこれらの加水分解縮合物から
    選ばれた化合物の少なくとも1種である請求項6に記載
    の低反射ガラス物品の製造方法。
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