JPH1148366A - 樹脂アームおよび樹脂アームの製造方法 - Google Patents

樹脂アームおよび樹脂アームの製造方法

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JPH1148366A
JPH1148366A JP9206793A JP20679397A JPH1148366A JP H1148366 A JPH1148366 A JP H1148366A JP 9206793 A JP9206793 A JP 9206793A JP 20679397 A JP20679397 A JP 20679397A JP H1148366 A JPH1148366 A JP H1148366A
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JP
Japan
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mounting portion
resin
shaft portion
polyamide
shaft
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JP9206793A
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Inventor
Takehiko Taguchi
武彦 田口
Rentaro Kato
錬太郎 加藤
Yuichi Ogawa
雄一 小川
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2204/00Indexing codes related to suspensions per se or to auxiliary parts
    • B60G2204/40Auxiliary suspension parts; Adjustment of suspensions
    • B60G2204/41Elastic mounts, e.g. bushings
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2206/00Indexing codes related to the manufacturing of suspensions: constructional features, the materials used, procedures or tools
    • B60G2206/01Constructional features of suspension elements, e.g. arms, dampers, springs
    • B60G2206/10Constructional features of arms
    • B60G2206/11Constructional features of arms the arm being a radius or track or torque or steering rod or stabiliser end link
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
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    • B60G2206/01Constructional features of suspension elements, e.g. arms, dampers, springs
    • B60G2206/70Materials used in suspensions
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    • B60G2206/7101Fiber-reinforced plastics [FRP]

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸方向端部に継手装置の装着部を備えた、合
成樹脂製の高強度な樹脂アームを実現すること。 【解決手段】 軸部12と、装着部14を、互いに別体
部品で構成すると共に、軸部12を、長繊維で補強され
たポリアミド系樹脂製とする一方、装着部14を、2〜
25重量%のポリアミド6成分と98〜75重両%のポ
リアミド66成分からなる、短繊維で補強されたポリア
ミド共重合体製とし、それら軸部12と装着部14を、
相互に溶着固定して目的とする樹脂アーム10とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、所定の部材間に掛け渡されてそ
れら両部材を連結する連結部材としての合成樹脂製のア
ームとその製造方法に係り、特に、例えば自動車の懸架
装置を構成するサスペンション部材等として好適に用い
られる高強度な樹脂アームとその有利な製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来技術】従来から、所定の部材間に掛け渡されて相
対変位を規制したり駆動力を伝達したりする連結部材の
一種として、長手ロッド形状の軸部の少なくとも一方の
軸方向端部に、ゴムブッシュやボールジョイント,ピロ
ボールブッシュ等の継手装置の装着部が設けられてなる
構造を有するものが知られており、例えば、自動車のサ
スペンション用の各種ロッドやアーム等、或いはパワー
ユニットやデファレンシャルキャリヤとボデーの連結ロ
ッド等として採用されている。
【0003】ところで、このような連結ロッドは、一般
に、鉄系の金属によって形成されているが、近年では、
その大きな重量が問題となってきている。そこで、アル
ミニウム合金製の連結ロッドも提案されているが、コス
ト的な要求を満足することが極めて困難であるために実
用的でない。また、低コスト化と軽量化を達成するため
に、合成樹脂材料によって軸部と装着部を一体成形した
連結ロッドも提案されているが、強度的な要求を満足す
ることが困難であった。なお、合成樹脂製の連結ロッド
における強度特性を改善するために、繊維補強樹脂を採
用することも考えられるが、繊維補強樹脂を用いると成
形性が低下するために製造が難しくなり、特に筒状部や
湾曲部,球殻状部等を有する形状複雑な装着部を安定し
て成形することが極めて難しいといった問題があったの
である。
【0004】
【解決課題】ここにおいて、請求項1乃至5に記載の発
明は、何れも、上述の如き事情を背景として為されたも
のであって、特に、請求項1乃至3に記載の発明は、何
れも、軽量且つ低コストであり、しかも、良好なる製作
性のもとに、高強度特性が安定して発揮される、改良さ
れた構造の樹脂アームを提供することを、目的とする。
【0005】また、請求項4乃至5に記載の発明は、何
れも、軽量でしかも高強度特性が安定して発揮される改
良された構造の樹脂アームを、良好なる製作性のもとに
容易に且つ低コストで製作することの出来る樹脂アーム
の製造方法を提供することを、目的とする。
【0006】
【解決手段】そして、このような課題を解決するため
に、本発明者が、詳細な実験および検討を加えたとこ
ろ、軸部と装着部に対してそれぞれ独立的に着眼して、
それら軸部と装着部に要求される要件を独立的に考慮す
ることによって、全体として一つの連結部材としての樹
脂アームに要求される、上述の如き各種の特性が何れも
高度に達成され得ることを、新たに見い出したのであ
り、かかる新規な技術的着眼に基づいて、請求項1乃至
5に記載の発明が、それぞれ完成されたものである。
【0007】すなわち、請求項1に記載の発明の特徴と
するところは、長手ロッド形状の軸部の少なくとも一方
の軸方向端部に、継手装置の装着部が設けられた樹脂ア
ームにおいて、前記軸部が、繊維補強されたポリアミド
系樹脂によって形成されていると共に、前記装着部が、
2〜25重量%のポリアミド6成分と98〜75重量%
のポリアミド66成分からなる繊維補強されたポリアミ
ド共重合体によって形成されており、該装着部における
含有繊維長が、該軸部における含有繊維長よりも短くさ
れていると共に、それら軸部と装着部が別体部品で構成
されて溶着されている樹脂アームにある。
【0008】このような請求項1に記載の発明に従う構
造とされた樹脂アームにおいては、軸部と装着部が互い
に異なる材質で形成されているのであり、特に、軸方向
荷重による座屈等に対するアームの部材強度に大きな影
響を与えるが、形状が単純で成形が容易な軸部を長繊維
補強樹脂製とする一方、形状が比較的複雑で成形性が問
題となるが、アームの部材強度に与える影響が比較的小
さい装着部を短繊維補強樹脂製としたことによって、優
れた製作性のもとに、全体として大きな強度特性が安定
して発揮されるのである。
【0009】しかも、軸部と装着部が、共にポリアミド
系の熱可塑性樹脂で形成されていると共に、装着部がポ
リアミド6成分を特定の割合で含有する材質で構成され
ていることから、別体部品で形成された軸部と装着部
を、容易に且つ良好な強度をもって溶着固定することが
出来るのであり、それ故、良好なる製作性と全体として
の優れた強度特性が、より一層有利に且つ安定して達成
されるのである。特に、本発明に従う構造とされた樹脂
アームにおいては、装着部の材質として、ポリアミド6
成分とポリアミド66成分を特定の重量比で含有するポ
リアミド系樹脂が採用されていることから、装着部の部
材強度と、軸部と装着部の溶着強度を、共に、より高度
に達成することが出来るのである。即ち、装着部の材質
において、ポリアミド6成分の重量比が2重量%より小
さくなると、軸部に対する溶着性が充分に得られ難くな
り、また25重量%より大きくなると、装着部の強度が
充分に得られ難くなるのである。
【0010】なお、軸部の断面形状や大きさ,長さ等の
具体的形状は、特に限定されるものでなく、要求強度や
配設スペース等に応じて適宜に設定されるものである
が、全体として、中実または中空の長手ロッド形状を有
しており、装着部のように筒状部や湾曲部,屈曲部等の
複雑な形状を有していないことから、長繊維含有樹脂材
料によっても、良好なる成形性が確保され得ることとな
る。また、装着部の具体的形状も、特に限定されるもの
でなく、円筒形状や球殻形状等、装着される継手装置の
構造等に応じて決定されるが、補強用含有繊維が短繊維
とされていることから、良好なる成形性が確保され得る
こととなる。なお、継手装置の種類等も、特に限定され
るものでなく、ゴムブッシュ等の弾性継手装置やボール
ジョイントやピロボールジョイント等の球面摺動型継手
装置等、各種の継手装置が採用可能である。
【0011】また、軸部を形成するポリアミド系樹脂と
しては、主鎖にアミド結合を持つ重合体であって、例え
ば、ポリアミド6やポリアミド66,ポリアミド12,
或いはそれらの共重合体や芳香族ナイロン等が、要求さ
れる成形性やコスト性,強度等を考慮して適宜に選択,
採用され得る。また、軸部と装着部の溶着構造として
は、薬品等を用いた溶着や、レーザ等の加熱による溶着
等も可能であるが、例えば、軸部と装着部の何れか一方
の部品を先に成形し、他方の部品の成形型内にセットし
て該他方の部品を成形することにより、該他方の部品の
成形時の熱によって、それら軸部と装着部を溶着せしめ
てなる溶着構造等が、好適に採用される。
【0012】更にまた、装着部および軸部における補強
用の含有繊維材料は、特に限定されるものでなく、要求
される強度等の特性や成形性,コスト性等を考慮して適
宜に決定されるものであり、例えば、ガラス繊維やカー
ボン繊維,アラミド繊維等が補強繊維として採用され得
る。また、装着部および軸部に含有される補強用の繊維
長さも、それぞれ、樹脂アームに要求される強度や形状
および成形方法等を考慮して、適宜に決定されるもので
あって特に限定されるものでないが、好ましくは、請求
項2に記載されているように、前記装着部における含有
繊維長が1mm未満とされる一方、前記軸部における含有
繊維長が1mm以上とされる。これにより、装着部におけ
る成形性と、軸部における強度とが、共に極めて有利に
確保されるのである。なお、装着部における含有繊維長
は、余り短くなり過ぎると、有効な補強効果が得られな
くなるおそれがあることから、0.1mm以上とすること
が望ましい。また、軸部における含有繊維長は、余り長
くなり過ぎると、成形性に悪影響が及ぼされるおそれが
あることから、注入成形の場合には60mm以下とするこ
とが望ましいが、引抜成形を採用する場合には、軸部の
長さよりも長い繊維をリールから引き出しながら成形す
ること等が可能であることから、繊維長を軸部の全長に
亘る長さとすることも可能である。
【0013】更にまた、好ましくは、請求項3に記載さ
れているように、前記軸部における含有繊維が、実質的
に該軸部の長手方向に配列される。これにより、軸部に
おける軸方向荷重に対する強度が、一層有利に且つ安定
して確保され得るのであり、樹脂アームにおける耐荷重
性と信頼性の更なる向上が達成され得る。
【0014】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
に記載の樹脂アームを製造するに際して、前記軸部を、
引抜成形によって形成した後、前記装着部の成形型内に
配設して該装着部を成形することにより、該装着部を、
その成形と同時に該軸部に溶着する樹脂アームの製造方
法を、特徴とする。
【0015】このような請求項4に記載の発明方法に従
えば、長い補強繊維が含有された樹脂材料を採用するに
際しても、軸部の成形性が有利に確保され得るのであ
り、それ故、高強度の軸部ひいては樹脂アームを良好な
る製作性をもって容易に製造することが出来るのであ
る。しかも、補強繊維含有樹脂材料を引抜成形すること
によって、補強繊維が、引抜方向である軸部の長手方向
に有利に配列せしめられることから、軸部ひいては樹脂
アームにおける軸方向荷重に対する強度が、一層有利に
且つ安定して確保されるのである。なお、軸部を引抜成
形する場合には、軸方向に略一定断面形状とされた軸部
が、好適に採用される。
【0016】しかも、かかる本発明方法に従えば、軸部
材と装着部が共にポリアミド系樹脂材料で形成されるこ
とから、装着部の成形に際して、装着部の成形用樹脂材
料の熱等が軸部材に及ぼされて、軸部材の表面が溶かさ
れることにより、装着部の成形と同時に、別途形成され
た軸部に対して装着部が溶着されて、強固に固着される
こととなり、軸部と装着部を相互に溶着するための特別
な溶着工程や処理等が不要とされて、樹脂アームの製作
性の更なる向上が図られ得るのである。
【0017】また、このような本発明方法においては、
例えば、装着部が取り付けられる軸部の軸方向端部に対
して、セレーションやネジ溝、或いは独立的な若しくは
連続した凹部や凸部等からなる凹凸部を設け、装着部の
成形と同時に、該凹凸部に係止される係止部を設けて、
形状的な固着機構等を構成したり、軸部の軸方向端部の
表面に接着剤を塗布しておくこと等も可能であるが、特
に本発明方法に従えば、軸部と装着部が溶着されること
により、大きな固着強度を安定して得ることが出来るこ
とから、そのような面倒な形状的固着機構や接着処理等
を採用しなくても、充分な固着強度を容易に確保するこ
とが出来るといった利点がある。
【0018】また、装着部の成形後に、別途形成された
継手装置を装着部に組み付けることも可能であるが、特
に、装着部を成形と同時に軸部に固定するに際しては、
例えば、請求項5に記載されているように、前記装着部
の成形型内に、前記継手装置を配設して該装着部を成形
することにより、該継手装置を、かかる装着部の成形と
同時に該装着部に組み付ける樹脂アームの製造方法が、
好適に採用される。このような製造方法に従えば、装着
部に対して継手装置を組み付けるための特別な組付工程
等が不要となることから、継手装置を備えた樹脂アーム
の製作性の向上が図られ得るのである。なお、ゴム弾性
体等を備えたゴムブッシュ等の防振継手が採用される場
合には、請求項5に記載の製造方法に従うことにより、
装着部の形成および該装着部への継手装置の組み付けと
同時に、かかる継手装置を構成するゴム弾性体に対して
予圧縮を加えることも可能であり、継手装置(ゴム弾性
体)の耐久性および組付強度を、有利に得ることが出来
るといった利点もある。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の実施形態について、図面を参
照しつつ、詳細に説明する。
【0020】先ず、図1及び図2には、本発明の一実施
形態としての自動車用サスペンションアーム10が、示
されている。このサスペンションアーム10は、軸部1
2の両端部に一対の装着部としての筒状部14,14が
設けられていると共に、それらの筒状部14,14に対
して、継手装置としてのゴムブッシュ16,16が、そ
れぞれ組み付けられている。そして、かかるサスペンシ
ョンアーム10は、一方のゴムブッシュ16がホイール
側に、他方のゴムブッシュ16がボデー側に、それぞれ
取り付けられることによって、ホイールとボデーの間に
介装されて、ホイールをボデーに対して揺動可能に連結
せしめて懸架装置を構成するようになっている。
【0021】より詳細には、軸部12は、円形断面の長
手ロッド形状を有している。また、筒状部14,14
は、何れも、略大径円筒形状を有していると共に、外周
面上の一箇所において、径方向外方に向かって突出して
開口する有底円筒形状の固着部18が一体形成されてい
る。そして、この固着部18が、軸部12の軸方向端部
32に外挿されて、各筒状部14が、軸部12に対して
固定的に取り付けられている。
【0022】また、ゴムブッシュ16は、図3にも示さ
れているように、小径円筒形状の内筒金具20に対し
て、厚肉円筒形状のゴム弾性体22が外挿状態で取り付
けられた構造とされており、内筒金具20の外周面にゴ
ム弾性体22の内周面が加硫接着された一体加硫成形品
によって構成されている。なお、ゴム弾性体22の軸方
向両端縁部には、大径の鍔部24,24が一体形成され
ていると共に、外周面には、径方向一方向で対向位置す
る部分に、所定幅で軸方向に延びる一対の肉欠部26,
26が設けられている。
【0023】そして、かかるゴムブッシュ16は、筒状
部14に対して内挿状態で組み付けられており、ゴム弾
性体22に対して径方向の圧縮荷重が及ぼされて、ゴム
弾性体22の外周面が筒状部14の内周面に圧接されて
いると共に、両鍔部24,24が、筒状部14の軸方向
両端面に重ね合わされて当接されることにより、中心軸
周りの回転や軸方向の抜け出しが防止されている。ま
た、ゴムブッシュ16の筒状部14への組付状態下、軸
部12の軸方向で対向位置する部分には、肉抜部26,
26が位置せしめられており、ゴムブッシュ16におけ
る径方向ばね比が調節されている。
【0024】ここにおいて、上述の如き軸部12と、各
筒状部14は、何れも、繊維強化樹脂によって形成され
ている。
【0025】特に、軸部12は、筒状部14との溶着性
の他、強度,耐熱性,耐久性,コスト性,成形性等を考
慮して、繊維補強されたポリアミド系樹脂によって形成
されており、例えば、ポリアミド6やポリアミド66,
ポリアミド12,或いはそれらの共重合体や芳香族ナイ
ロン等にガラス繊維等を含有させた繊維強化樹脂などが
好適に採用される。また、かかる軸部12は、好適に
は、かくの如き補強繊維を含有させた溶融樹脂材料を所
定形状のダイスを通して連続的に引き抜くと共に冷却す
る連続引抜成形法(連続引出成形法)によって長材を成
形し、この得られた長材を、適当な長さで切断すること
によって製造される。即ち、このような引抜成形法によ
って製造すると、補強繊維として長繊維を採用しても、
良好なる成形性と安定した特性が有利に確保されるので
あり、しかも、補強繊維が引抜き方向に配列されること
から、軸部12における強度を極めて有利に且つ安定し
て得ることが出来るのである。そして、かかる軸部12
においては、繊維長が1mm以上の長繊維が好適に採用さ
れることとなり、それによって、より優れた強度が実現
され得る。
【0026】一方、筒状部14は、湾曲部や突出部等を
有する複雑な形状を有していることから、例えば成形金
型によって形成された成形キャビティ内に溶融樹脂材料
を充填して冷却固化せしめる射出成形法等によって、有
利に製造され得る。そこにおいて、かかる筒状部14の
材質としては、軸部12との溶着性の他、強度,耐熱
性,耐久性,コスト性,成形性等を考慮して、ポリアミ
ド6成分が2〜25重量%でポリアミド66成分が98
〜75重量%とされたポリアミド共重合体であって、繊
維補強したものが採用されることとなり、特に、軸部1
2の成形材の含有繊維よりも短繊維で補強された樹脂材
が採用される。即ち、短繊維補強された樹脂材を採用す
ることによって、複雑な形状の筒状部14であっても、
射出成形法等によって容易に形成することが出来るので
あり、良好なる成形性と安定した特性が有利に確保され
るのである。そして、かかる筒状部14においては、繊
維長が1mm未満の短繊維が好適に採用されることとな
り、それによって、より優れた成形性が達成され得る。
【0027】また、特に好適には、筒状部14は、その
成形と同時に、軸部12に対して溶着される。それに
は、先ず、軸部12を引抜成形等によって形成すると共
に、ゴムブッシュ16を別途形成し、それらを、図4に
示されているように、筒状部14の成形用金型28に対
して、筒状部14に対する所定の取付位置にセットせし
める。その後、成形用金型28を閉じて、成形キャビテ
ィ30に、筒状部14の成形用樹脂材料を、射出操作等
によって充填せしめて、筒状部14を形成するのであ
る。なお、軸部12を成形用金型28にセットするに際
しては、必要に応じて、軸部12に対する加熱処理が施
される。
【0028】このようにすれば、筒状部14の成形に際
して、成形キャビティ30に充填される筒状部14の加
熱温度や成形用金型28の加熱温度等によって、成形キ
ャビティ30内にセットされた軸部12が加熱されるこ
とにより、軸部12の表面が溶かされ、筒状部14を形
成する溶融樹脂材料によって覆われることとなり、その
結果、軸部12と筒状部14が溶着されて略一体化され
る。しかも、筒状部14の成形用樹脂材料の成形キャビ
ティ30への充填圧と冷却固化に際しての収縮圧に基づ
いて、軸部12の外周面に対する筒状部14(固着部1
8)の嵌着効果も発揮されることとなり、より強固な固
着力が発揮される。
【0029】すなわち、軸部12の材質が、ポリアミド
系樹脂とされている一方、筒状部14の材質が、ポリア
ミド6成分が2〜25重量%でポリアミド66成分が9
8〜75重量%とされたポリアミド共重合体とされてい
ることにより、筒状部14の部材強度を確保しつつ、筒
状部14を軸部12に対して容易に且つ有利に溶着する
ことが出来るのであり、それによって、大きな固着強度
が安定して発揮されるのである。なお、筒状部14の材
質において、ポリアミド6成分の重量比が2重量%より
小さくなると、筒状部14の軸部12に対する溶着性が
充分に得られ難くなり、また25重量%より大きくなる
と、筒状部14の強度が充分に得られ難くなる。
【0030】因みに、本発明に従う材質とされた筒状部
14の軸部12に対する溶着強度を確認するために、各
種の材質からなるテストピースを用いた溶着強度評価の
実験を行った結果を、下記〔表1〕に示す。かかる実験
に際しては、予め単独形成した一次成形樹脂材をセット
した成形キャビティに樹脂材料を射出充填して二次成形
樹脂材を形成することにより、二次成形樹脂材の形成と
同時に、一次成形樹脂材と二次成形樹脂材を、1inch2
の面積の平坦面で溶着したテストピースを得、かかるテ
ストピースについて、一次成形樹脂材と二次成形樹脂材
を溶着面に沿った離隔方向に引っ張ることによって溶着
強度を測定した。なお、表1中に示された測定結果の数
値単位は、[kgf/inch2] である。また、表1中、材質:
Aは、ガラス繊維を30重量%含有させたポリアミド6
の繊維補強樹脂であり、材質:Bは、ガラス繊維を30
重量%含有させたポリアミド66の繊維補強樹脂、材
質:Cは、15重量%のポリアミド6と85重量%のポ
リアミド66の共重合体からなる、ガラス繊維を30重
量%含有させた繊維補強樹脂である。かかる表1に示さ
れた実験結果からも、一次成形樹脂材および二次成形樹
脂材の何れの場合においても、ポリアミド6とポリアミ
ド66の特定の共重合体(材質:C)を採用することに
よって、ポリアミド6の単独重合体を採用した場合に比
して大幅な溶着強度の低下を伴うことなく、ポリアミド
6の単独重合体よりも充分に大きな強度特性を有する製
品が実現可能であることが認められ、中でも特に、二次
成形樹脂材として、かかる共重合体(材質:C)を採用
することによって、一次成形樹脂材の材質に拘わらず、
大きな溶着強度を一層有利に得ることの出来ることが、
認められる。なお、上記材質:Cからなる共重合体の強
度等の特性が、ポリアミド6の単独重合体よりも充分に
優れていることは、本発明者らの実験等によって確認さ
れているところである。
【0031】
【表1】
【0032】また、上述の如き製造方法を採用すれば、
筒状部14の成形に際して、成形用樹脂材料の成形キャ
ビティ30への充填圧と冷却固化に際しての収縮圧によ
り、ゴム弾性体22の外周面に径方向の予圧縮が加えら
れることから、ゴムブッシュ16が筒状部14に対し
て、良好なる保持力をもって組み付けられる。
【0033】それ故、上述の如き製造方法に従えば、軸
部12と筒状部14を固着するための形状加工や接着処
理等の特別な工程や処理を必要とすることなく、筒状部
14の成形と同時に、筒状部14に対して、別形成され
た軸部12を強固に溶着固定することが出来るのであ
り、また、それと同時に、特別な工程を必要とすること
なく、ゴムブッシュ16を筒状部14に対して適当な予
圧縮をもって組み付けることが出来るのである。
【0034】そして、このようにして得られたサスペン
ションアーム10においては、軸部12と筒状部14の
何れもが、合成樹脂製とされていることから、極めて軽
量且つ安価であり、しかも、長繊維補強樹脂で形成され
た軸部12によって、大きな強度が有利に確保され得る
と共に、筒状部14が、軸部12とは別部品として、短
繊維補強樹脂で形成されていることから、良好なる強度
と製作性が確保され得るのであり、しかも、軸部12と
筒状部14が溶着によって強固に固着されていることか
ら、軸方向の引張荷重等に対しても、極めて優れた強度
を得ることが出来るのである。
【0035】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、か
かる実施形態における具体的構造乃至は具体的説明によ
って、何等、限定的に解釈されるものではなく、当業者
の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた
態様において実施され得るものであり、また、そのよう
な実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れ
も、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言う
までもない。
【0036】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、請求項
1乃至3に記載の発明に従う構造とされた樹脂アームに
おいては、軸部と装着部の何れもが繊維補強された合成
樹脂材で形成されていることから、全体として、軽量且
つ安価で、優れた性能が安定して発揮されるのであり、
特に、長繊維補強されたポリアミド系樹脂からなる軸部
と、短繊維補強された特定のポリアミド系共重合体から
なる装着部が採用されて、軸部と装着部が溶着固定され
ていることから、それら軸部と装着部の固着強度が充分
に確保されて、耐荷重性能に優れた樹脂アームが、有利
に実現されるのである。
【0037】また、請求項4乃至5に記載の発明方法に
従えば、何れも、請求項1に記載の発明に従う構造とさ
れた樹脂アームを有利に製造することが出来るのであ
り、特に、軸部を引抜成形することによって、長繊維が
軸部の長手方向に有利に配列され得ることから、より優
れた強度が安定して発揮されると共に、軸部と装着部の
溶着が、特別な工程を必要とすることなく、装着部の形
成と同時に有利に為されるといった利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのサスペンションア
ームを示す、一部切欠き平面図である。
【図2】図1に示されたサスペンションアームの要部の
縦断面図である。
【図3】図1に示されたサスペンションアームを構成す
るゴムブッシュを、図1における III−III 断面に相当
する切断面で示す縦断面図である。
【図4】図1に示されたサスペンションアームの製造工
程を説明するための説明図である。
【符号の説明】
10 サスペンションアーム 12 軸部 14 筒状部 16 ゴムブッシュ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手ロッド形状の軸部の少なくとも一方
    の軸方向端部に、継手装置の装着部が設けられた樹脂ア
    ームにおいて、 前記軸部が、繊維補強されたポリアミド系樹脂によって
    形成されていると共に、前記装着部が、2〜25重量%
    のポリアミド6成分と98〜75重量%のポリアミド6
    6成分からなる繊維補強されたポリアミド共重合体によ
    って形成されており、該装着部における含有繊維長が、
    該軸部における含有繊維長よりも短くされていると共
    に、それら軸部と装着部が別体部品で構成されて溶着さ
    れていることを特徴とする樹脂アーム。
  2. 【請求項2】 前記装着部における含有繊維長が1mm未
    満とされている一方、前記軸部における含有繊維長が1
    mm以上とされている請求項1に記載の樹脂アーム。
  3. 【請求項3】 前記軸部における含有繊維が、実質的に
    該軸部の長手方向に配列されている請求項1又は2に記
    載の樹脂アーム。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の樹脂アームを製造する
    に際して、 前記軸部を、引抜成形によって形成した後、前記装着部
    の成形型内に配設して該装着部を成形することにより、
    該装着部を、その成形と同時に該軸部に溶着することを
    特徴とする樹脂アームの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記装着部の成形型内に、前記継手装置
    を配設して該装着部を成形することにより、該継手装置
    を、かかる装着部の成形と同時に該装着部に組み付ける
    請求項4に記載の樹脂アームの製造方法。
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