JPH114288A - エコーキャンセラ装置 - Google Patents

エコーキャンセラ装置

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JPH114288A
JPH114288A JP9153428A JP15342897A JPH114288A JP H114288 A JPH114288 A JP H114288A JP 9153428 A JP9153428 A JP 9153428A JP 15342897 A JP15342897 A JP 15342897A JP H114288 A JPH114288 A JP H114288A
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tap
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真資 高田
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04MTELEPHONIC COMMUNICATION
    • H04M9/00Arrangements for interconnection not involving centralised switching
    • H04M9/08Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic
    • H04M9/082Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic using echo cancellers

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 背景雑音成分の性質によらずに適応フィルタ
のタップ係数を適切に更新し、エコー除去特性を一段と
高める。 【解決手段】 本発明のエコーキャンセラ装置は、背景
雑音成分の影響を大きく受けるタップ係数と背景雑音成
分の影響を小さく受けるタップ係数との境界タップ位置
を1又は複数検出する雑音影響タップ境界位置決定手段
と、決定された境界タップ位置の前後で、適応フィルタ
のタップ係数の更新に用いるステップゲインを切り替え
るステップゲイン決定手段とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力音声信号に含
まれているエコー成分を除去するエコーキャンセラ装置
に関し、例えば、エコーキャンセラの後段に背景雑音成
分を除去するノイズキャンセラを備えるものに適用して
好適なものである。本発明のエコーキャンセラ装置は、
例えば、電話端末、テレビ会議装置、自動車ナビゲーシ
ョン装置などの音声入力装置に使用される。
【0002】
【従来の技術】
文献『藤井健作、大賀寿郎著、「音響エコーキャンセラ
に有用な無音声雑音区間における適応タップ係数の更新
継続法」、電子情報通信学会論文誌A、Vol.J78-A、No.
11、pp.1403-1409、1995年11月』 従来、この種のエコーキャンセラ装置として、上記文献
に開示されるものがあった。図2は、この従来の技術の
構成を示すブロック図である。
【0003】図2において、受信信号入力端子100か
ら入力された受信信号は、アナログ/ディジタル変換器
(以下、A/D変換器と呼ぶ)101に入力され、ディ
ジタル信号X(n)に変換される(ここで、パラメータn
はサンプリング順序を表している)。このディジタル受
信信号X(n)は、エコーキャンセラ109に入力される
と共に、ディジタル/アナログ変換器(以下、D/A変
換器と呼ぶ)102に入力される。
【0004】ディジタル受信信号X(n)は、D/A変換
器102においてアナログ信号へと変換されてスピーカ
103へ出力され、スピーカ103から発音出力され
る。この発音出力された音響の一部は、室内空間(エコ
ーパス)を経由し、エコーYとしてマイクロホン104
へ到達する。
【0005】マイクロホン104で捕捉(音響/電気変
換)されて得られた信号は、音響がエコーパスを経由す
ることにより、エコーパスの伝達関数の影響を受けた信
号となっている。マイクロホン104によって得られた
信号には、エコーEだけではなく、背景雑音N、送話者
音声S等の成分が重畳されている。この信号が、A/D
変換器105によってディジタル信号に変換されてエコ
ーキャンセラ109に入力される。
【0006】この従来例の場合、エコーキャンセラ10
9は図示しないダブルトーク検出器を備え、ダブルトー
ク検出器が、マイクロホン104からの入力信号に背景
雑音Nや送話者音声Sの成分が混入しない状態(以下、
シングルトーク状態と呼ぶ)のときのみ、適応フィルタ
114のタップ係数の係数更新動作を行う。このシング
ルトーク状態のときには、A/D変換器105の出力に
は、エコーYに対応したディジタルサンプリング値(エ
コー信号)Y(n)だけが存在している。
【0007】エコーキャンセラ109は、適応フィルタ
114及びエコー打ち消し用加算器106からなり、適
応フィルタ114がエコー信号Y(n)を推定して疑似エ
コー信号Y’(n)を作成してエコー打ち消し用加算器1
06に入力する。そして、エコー打ち消し用加算器10
6において、A/D変換器105からの出力信号Y(n)
から推定した疑似エコー信号Y’(n)を減算してエコー
残差e(n)を作成する。このエコー残差e(n)が、適応フ
ィルタ114にフィードバックされてタップ係数の見直
し、更新が実行される。
【0008】当然に、A/D変換器105からの出力信
号に送話者音声成分があるときも、疑似エコー成分Y’
(n)の除去動作がなされるが、この際のエコー打ち消し
用加算器106の出力信号は、タップ係数の見直し、更
新には利用されない。
【0009】エコーキャンセラ109の適応フィルタ1
14は、係数レジスタ(係数の更新演算構成を含むもの
とする)110、乗算器群111、保持レジスタ112
及び加算器113で構成されている。
【0010】疑似エコー信号Y’(n)は、適応フィルタ
114において、以下のように作成される。
【0011】現在時刻nを含め現在時刻nから過去にさ
かのぼったI(Iは適応フィルタ114のタップ数)個
の受信信号系列X(n-I-1)〜X(n)は保持レジスタ112
に蓄えられる。
【0012】ここで、時刻nで保持レジスタ112に蓄
えられているI個の受信信号系列X(n-I-1)〜X(n)はそ
れぞれ、タップ位置を表すパラメータを用いた表現で
は、Xn(I)〜Xn(1)で表すことができる。タップ位置を
表すパラメータを用いた表現において、括弧内はタップ
位置を表し、添字nは時刻を表している。
【0013】保持レジスタ112に蓄えられたI個の受
信信号系列Xn(I)〜Xn(1)はそれぞれ、その時刻nで係
数レジスタ112に保持されている対応するタップ係数
Hn(I)〜Hn(1)と、乗算器群111を構成している各乗
算器で乗算され、全ての乗算結果が加算器113で加算
される。すなわち、加算器113からの出力は、(1)
式に示すように、係数レジスタ112に保持されている
タップ係数Hn(I)〜Hn(1)と、保持レジスタに蓄えられ
ている受信信号系列Xn(I)〜Xn(1)の積和演算結果とな
り、これが疑似エコー信号Y’(n)としてエコー打ち消
し用加算器106に与えられる。なお、(1)式におけ
る総和Σは、mが1〜Iについてである。
【0014】 Y’(n)=ΣHn(m)・Xn(m) …(1) 適応フィルタ114の係数レジスタ110の内容は、上
述したように、送話者音声Sが存在しないときにのみ更
新されるものであり、送信入力信号中に送話者音声成分
があるときには更新は停止されており、その更新が停止
されているタップ係数を用いて疑似エコー信号Y’(n)
を作成する。従って、音声成分がタップ係数に影響を与
えることがなく、そのため、送信入力信号中に送話者音
声成分があるときでも良好な疑似エコー信号Y’(n)が
作成される。
【0015】このような疑似エコー信号Y’(n)を作成
するために用いられるタップ係数Hn(m)(mは1〜I)
は、シングルトーク状態において、以下のような(2)
式〜(4)式に従う手順に従って更新される。ここで、
タップ係数Hn(m)は、J個のサンプルでなるフレーム期
間毎に更新される。
【0016】なお、(2)式〜(4)式における時刻変
数nは、(1)式のサンプル毎に変化する場合と異なっ
て、フレーム毎に変化するものである。また、(3)式
における総和Σは、jがnJ+1〜(n+1)Jについ
てであり、(4)式における最初の総和Σも、jがnJ
+1〜(n+1)Jについてであり、(4)式における
2番目の総和Σは、iが1〜Iについてである。
【0017】 Hn+1(m)=Hn(m)+An(m)/Pn …(2) An(m)=ΣEj・Xj(m) …(3) Pn=Σ[ΣXj(i)・Xj(i)] …(4) ここで、Ejは、サンプル時刻jでの加算器106から
の出力(エコー残差を表している)である。実際上、マ
イクロホン104に入力される音響には、背景雑音Nが
混入しているので、エコー残差Ejにも雑音成分Njが混
入されている。従って、加算器106から出力されたエ
コー残差Ejは、(5)式に示すように、真のエコー残
差ej及び雑音成分Njの和で表され、上述した(3)式
は(6)式に書き直すことができる。る。
【0018】 Ej=ej+Nj …(5) An(m)=ΣEj・Xj(m) =Σ(ej+Nj)・Xj(m) …(6) 通常は、(7)式に示すように、雑音成分Njの平均値
(期待値)は0と仮定しており、その結果、(6)式は
(8)式に置き換えることができる。
【0019】 E[Nj]=0 …(7) An(m)=Σ(ej+Nj)・Xj(m) =Σej・Xj(m) …(8) この(8)式から、加算器106から出力されたエコー
残差Ejを用いてタップ係数を更新しても、更新を繰り
返すことにより、ほぼ真のエコー残差ejに応じたタッ
プ係数の更新が実行できることが分かる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のエコーキャンセラ装置は、雑音成分の統計的性質が
(7)式を満たす場合には、例えば、背景雑音が白色雑
音の場合には、適切にタップ係数を更新することができ
る。
【0021】しかしながら、実用的には、雑音成分が、
フレーム長の制限等から(7)式を満足しないことが多
く、その結果、エコーキャンセラ装置に雑音の悪影響が
出てしまうという課題があった。
【0022】例えば、当該エコーキャンセラ装置が適用
された電話(自動車電話や携帯電話など)が自動車内に
ある場合には、背景雑音として短期的な平均値が0とは
言い難い自動車エンジン音があり、また、当該エコーキ
ャンセラ装置が適用された電話が室内にある場合には、
背景雑音として短期的な平均値が0とは言い難い排気ダ
クト雑音があり、当該エコーキャンセラ装置が適用され
た電話(携帯電話など)が道路上などの屋外で用いられ
た場合には、背景雑音として短期的な平均値が0とは言
い難い群衆ノイズがあり、実際上、雑音成分が(7)式
を満足しないことの方が遙かに多い。
【0023】エコーキャンセラの後段にノイズキャンセ
ラを備え、ノイズキャンセラからの出力信号をエコー残
差の情報として用いて、タップ係数を更新するものがあ
る。この場合には、タップ係数に用いられるエコー残差
における雑音成分は小さくなるが、完全には0にはなら
ない。そのため、雑音成分が(7)式を満足しないこと
によるエコーの除去精度の低下の課題が同様に生じてい
る。
【0024】そのため、背景雑音成分の性質によらず、
適応フィルタのタップ係数を適切に更新できて、エコー
除去特性を一段と高めることができるエコーキャンセラ
装置が望まれている。
【0025】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、第1の本発明は、適応フィルタが発生した疑似エコ
ー信号を送信信号から減算することにより、送信信号に
混入されているエコー成分を除去するエコーキャンセラ
装置において、(1)背景雑音成分の影響を大きく受け
るタップ係数と背景雑音成分の影響を小さく受けるタッ
プ係数との境界タップ位置を1又は複数検出する雑音影
響タップ境界位置決定手段と、(2)決定された境界タ
ップ位置の前後で、適応フィルタのタップ係数の更新に
用いるステップゲインを切り替えるステップゲイン決定
手段とを有することを特徴とする。
【0026】また、第2の本発明は、適応フィルタが発
生した疑似エコー信号を送信信号から減算することによ
り、送信信号に混入されているエコー成分を除去するエ
コーキャンセラ装置において、(1)エコー成分除去後
の送信信号に基づいて、背景雑音成分の多少を検出し、
多少の段階を示す情報を出力する背景雑音成分量検出手
段と、(2)背景雑音成分の多少の段階によって、適応
フィルタのタップ係数の更新に用いるステップゲインを
切り替えるステップゲイン決定手段とを有することを特
徴とする。
【0027】さらに、第3の本発明は、適応フィルタが
発生した疑似エコー信号を送信信号から減算することに
より、送信信号に混入されているエコー成分を除去する
エコーキャンセラ装置において、(1)背景雑音成分の
影響を大きく受けるタップ係数と背景雑音成分の影響を
小さく受けるタップ係数との境界タップ位置を1又は複
数検出する雑音影響タップ境界位置決定手段と、(2)
エコー成分除去後の送信信号に基づいて、背景雑音成分
の多少を検出し、多少の段階を示す情報を出力する背景
雑音成分量検出手段と、(3)雑音影響タップ境界位置
決定手段によって決定された境界タップ位置情報と、背
景雑音成分量検出手段によって検出された背景雑音成分
の多少の段階とに基づいて、適応フィルタのタップ係数
の更新に用いるステップゲインを切り替えるステップゲ
イン決定手段とを有することを特徴とする。
【0028】いずれの本発明も、背景雑音成分の性質に
応じて、適応フィルタのタップ係数の更新に用いるステ
ップゲインを切り替えるようにしているので、背景雑音
成分の性質によらずに適応フィルタのタップ係数を適切
に更新でき、エコー除去特性を一段と高めることができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】
(A)第1の実施形態 以下、本発明によるエコーキャンセラ装置の第1の実施
形態を図面を参照しながら詳述する。
【0030】ここで、図1がこの第1の実施形態のエコ
ーキャンセラ装置の全体構成を示すブロック図である。
なお、図1における信号を表す符号は、シングルトーク
状態の信号内容に応じて付与している。
【0031】図1において、第1の実施形態のエコーキ
ャンセラ装置は、受信端子1、A/D変換器2及び6、
D/A変換器3及び8、スピーカ4、マイクロホン5、
送信端子9、ノイズキャンセラ19及びエコーキャンセ
ラ21から構成されている。
【0032】エコーキャンセラ21は、エコー打ち消し
用加算器7、適応フィルタ10、ノイズパワー計算器1
5、ステップゲイン切り替え判定器16、係数絶対値計
算器17、ステップゲイン発生器18及び更新残差選択
器20を有している。適応フィルタ10は、係数レジス
タ11、乗算器群12、保持レジスタ13及び総和用加
算器14からなる。
【0033】A/D変換器2は、受信端子1を介して入
力された対向する装置からの受信信号をディジタル信号
X(n)に変換するものであり、このディジタル受信信号
X(n)をエコーキャンセラ21及びD/A変換器3に出
力する。
【0034】D/A変換器3は、ディジタル受信信号X
(n)を再びアナログ信号に変換してスピーカ4に出力す
るものである。
【0035】スピーカ4は、D/A変換器3からの受信
信号を電気/音響変換して発音出力するものである。ス
ピーカ4から発音出力された音響の一部が、自動車内等
の反響経路(エコーパス)を経てエコーYとなってマイ
クロホン5に到達する。
【0036】マイクロホン5は、基本的には、送話者音
声Sを音響/電気変換するものであるが、当該マイクロ
ホン5に到達した背景雑音NやエコーYなども音響/電
気変換するものである。なお、この第1の実施形態の場
合には、エコーY及び雑音Nだけがマイクロホン5に入
力されたときだけに適応フィルタ10のタップ係数(係
数レジスタ11に保持されている)を更新する。
【0037】A/D変換器6は、マイクロホン5からの
信号をディジタル信号Y(n)に変換してエコーキャンセ
ラ21に与えるものである。
【0038】エコーキャンセラ21は、A/D変換器6
から出力された信号Y(n)に含まれているエコー成分に
対応した疑似エコー信号Y’(n)を作成して、A/D変
換器6から出力された信号Y(n)に含まれているエコー
成分を除去するものである。この除去後の信号e1(n)
は、ノイズキャンセラ19に与えられる。
【0039】ノイズキャンセラ19は、エコーキャンセ
ラ21で除去できなかった背景雑音N(n)を除去するも
のである。ノイズキャンセラ19による背景雑音成分の
除去方法としては、例えば、公知の周波数サブトラクシ
ョン法、帯域分割減衰法、適応フィルタ法などの背景雑
音成分を推定して成分除去する方法であればどのような
方法であっても良い。この第1の実施形態は、ノイズキ
ャンセラ19による背景雑音成分の除去方法自体には特
徴がないので、その詳細な説明は省略する。
【0040】D/A変換器8は、ノイズキャンセラ19
からのディジタル出力信号e2(n)をアナログ信号に変
換して送信端子9を介して対向する装置に向けて出力す
るものである。
【0041】次に、エコーキャンセラ21を構成する各
構成要素の機能について順次説明する。
【0042】適応フィルタ10は、A/D変換器2から
の受信信号X(n)のサンプル系列に基づいて、疑似エコ
ー信号Y’(n)を形成するものである。
【0043】適応フィルタ10における保持レジスタ1
3は、A/D変換器2からの受信信号X(n)を当該適応
フィルタのタップ数分だけ保持するものである。適応フ
ィルタ10における係数レジスタ11は、タップ数分の
タップ係数を保持しているものである。乗算器群12を
構成している各乗算器はそれぞれ、同一タップに係る受
信信号サンプルとタップ係数とを乗算するものである。
適応フィルタ10における総和用加算器14は、各乗算
結果の総和を求めて、疑似エコー信号Y’(n)としてエ
コー打ち消し用加算器7に出力するものである。
【0044】エコー打ち消し用加算器7は、A/D変換
器6から出力された信号Y(n)から、総和用加算器14
から与えられた疑似エコー信号Y’(n)を減算すること
により、A/D変換器6から出力された信号Y(n)に含
まれているエコー成分を除去するものである。
【0045】適応フィルタ10及びエコー打ち消し用加
算器7は、シングルトーク状態だけでなく、常時有効に
機能しているものである。一方、後述するノイズパワー
計算器15、ステップゲイン切り替え判定器16、係数
絶対値計算器17、ステップゲイン発生器18及び更新
残差選択器20は、シングルトーク状態においてのみ、
有効に機能して、適応フィルタ10のタップ係数を更新
させる。
【0046】ノイズパワー計算器15には、エコー打ち
消し用加算器7の出力信号e1(n)が入力される。ノイ
ズパワー計算器15は、エコー打ち消し用加算器7の出
力信号e1(n)に送話者音声の成分S(n)がないときに、
背景雑音成分及びエコー成分の重畳成分のパワー情報N
pを計算するものである。エコー打ち消し用加算器7の
出力信号e1(n)に送話者音声の成分S(n)がないこと
は、図示しないダブルトーク検出器から与えられるよう
になされている。
【0047】ノイズパワー計算器15は、例えば、J個
のサンプルでなるフレーム毎に処理を行うものであり、
(9)式に示すように、エコー打ち消し用加算器7の出
力信号e1(n)の絶対値の平滑演算を行ってパワー情報
Npを得る。(9)式におけるABS(・)は絶対値演
算を示しており、j(1〜J)はフレーム内サンプル番
号を表している。
【0048】 Np(j)=a1・Np(j-1)+ABS(e1(j))・(1−a1) …( 9) ここで、係数a1は平滑の度合いを表す係数であり、通
常0<a1<1の範囲で任意に選択される。例えば、a
1=0.5とする。当然に、0.5以外であっても良
い。また、現フレームの繰り返し演算における初期値N
p(0)は0である。さらに、絶対値演算ABS(e1
(j))に代えて、2乗計算e1(j)・e1(j)を適用する
ようにしても良い。
【0049】ノイズパワー計算器15は、現フレームに
ついての最終サンプルに対する処理が終了したときの計
算値Np(J)をノイズパワー情報とし、現フレームにお
けるノイズパワー情報Np(J)を予め定められている閾
値と比較し、ノイズパワー情報Np(J)より小さいとき
に、ノイズパワー情報Np(J)をステップゲイン切り替
え判定器16に出力する。
【0050】なお、(9)式によってノイズパワー情報
Npを得るのではなく、エコー打ち消し用加算器7の出
力信号e1(n)の絶対値のフレーム内での単純平均によ
って、ノイズパワー情報Npを得るようにしても良い。
【0051】係数絶対値計算器17には、係数レジスタ
11に保持されているタップ係数が与えられる。係数絶
対値計算器17は、ノイズパワー計算器15からの出力
Np(J)をステップゲイン切り替え判定器16に与えら
れているときに、(10)式に示すように、各タップ係
数H(m)(mは1〜Iであってタップ順番を表す;Iはタ
ップ数)の絶対値ah1(m)を求め、その後、(11)
式に示すように、各タップについての絶対値をm個ずつ
用いた平滑値avah1(m)を計算する。
【0052】 ah1(m)=ABS(H(m)) …(10) avah1(m)=δ・ah1(m)+(1−δ)・avah1(m-1) …(11) ここで、avah1の初期値avah1(0)は0であ
る。また、δは平滑の度合いを決定する係数であり、0
<δ<1の範囲で任意に定められるものであり、例え
ば、0.5を適用できる(0.5に限定されるものでは
ない)。また、(11)式に代えて、所望個数mの絶対
値ah1(0)〜ah1(m)の単純平均計算式を適用するよ
うにしても良い。
【0053】このようにして得られた係数絶対値平滑演
算結果avah1(m)は、タップ係数の絶対値の急激な
変化だけを取り除いた特性となる。
【0054】図3は、このことを説明するための信号波
形図である。図3(a)に示すように変化するm番目の
タップ係数H(m)が変化したとき、その絶対値ah1(m)
(=ABS(H(m)))は、図3(b)に示すように変
化し、m−1番目までのタップに係る絶対値ah1(1)
〜ah1(m-1)も利用されたその平滑値avah1(m)
は、図3(c)に示すように、タップ係数の絶対値の急
激な変化だけが取り除かれたものとなる。
【0055】ステップゲイン切り替え判定器16には、
ノイズパワー計算器15からノイズパワー情報Np(J)
が与えられると共に、係数絶対値計算器17から係数絶
対値平滑演算結果avah1(0)〜avah1(I)が与え
られる。
【0056】ステップゲイン切り替え判定器16は、ス
テップゲイン発生器18が、後述するように、1番から
M番のタップに対して第1のステップゲインα1を発生
し、M+1番からI番のタップに対して第2のステップ
ゲインα2を発生するに際して、その境界となるMを、
ノイズパワー情報Np(J)及び係数絶対値平滑演算結果
avah1(0)〜avah1(I)に基づいて決定するもの
である。
【0057】ステップゲイン切り替え判定器16は、具
体的には、タップ順番パラメータmをIから1に向かっ
て変化させながら、(12)式に示すように、係数絶対
値平滑演算結果avah1(m)と、ノイズパワー情報N
p(J)に予め定められたオフセットεを加えた値とを大
小比較し、係数絶対値平滑演算結果avah1(m)が、
ノイズパワー情報Np(J)に予め定められたオフセット
εを加えた値より最初に大きくなったm(=M)を検出
する処理を行う。
【0058】 Np(J)+ε<avah1(m) …(12) ここで、ノイズパワー情報Np(J)に予め定められたオ
フセットεを加えるのは、判定がノイズの変動に過敏に
なるのを防止するためである。
【0059】タップ係数の更新に用いるステップゲイン
を、2段階で切り替えるようにしているのは以下の理由
による。現在時刻のサンプル側に対応している若番側の
1〜M番目のタップ係数は、ノイズパワー情報Np(J)
より大きな振幅を持つ性質を有するため背景雑音の影響
が小さいのでステップゲインを大きくし、より過去のサ
ンプル側のM+1〜I番目のタップ係数はノイズパワー
情報Np(J)の影響が大きいため、ステップゲインを小
にする。
【0060】例えば、1〜M番目のタップ係数に対して
はステップゲインα1を0.7とし、M+1〜I番目の
タップ係数に対してはステップゲインα2を0.125
とする。第1及び第2のステップゲインα1及びα2の
具体的な値は、0から1の範囲の値であればこれに限定
されるものではない。但し、第1のステップゲインα1
を第2のステップゲインα2より大きく選定する。
【0061】ステッブゲイン発生器18には、ステップ
ゲイン切り替え判定器16が判定したステップゲインを
切り替える境界タップ順番情報Mが与えられる。また、
ステッブゲイン発生器18には、ディジタル受信信号X
(n)が与えられると共に、更新残差選択器20から出力
されたエコー残差の情報e3(n)が与えられる。
【0062】ステッブゲイン発生器18は、タップ係数
の更新構成を内蔵しており、境界タップ順番情報Mが指
示するタップ順番に基づいて、1〜Mのタップのタップ
係数更新用のステップゲインαとして第1のステップゲ
インα1を発生すると共に、M+1〜Iのタップのタッ
プ係数更新用のステップゲインαとして第2のステップ
ゲインα2を発生して、タップ係数の更新を、例えば、
(13)式に示すような公知の学習同定法等を用いて行
う。
【0063】なお、(13)式が適用される場合は、更
新残差選択器20がノイズキャンセラ19への入力信号
e1(n)を選択している場合であり、後述するように、
(14)式が適用される場合もある。(14)式は、ノ
イズキャンセラ14の出力信号e2(n)をタップ係数の
更新に利用する場合であり、ノイズキャンセラ19での
処理遅延dを考慮し、タップ係数の更新に用いる信号間
で時間軸上での一致を達成しているものである。
【0064】(13)式又は(14)式において、Hm
(n)は、時刻nでのm(mは1〜I)番目のタップのタ
ップ係数を表し、Xm(n)は、時刻nでのm番目のタップ
のサンプル値を表している。また、(13)式又は(1
4)式における総和Σは、iが1〜Iについてである。
【0065】 Hm(n+1)=Hm(n)+α・Xm(n)・e3(n)/(ΣXi(n)・Xi(n)) 但し、1≦m≦Mのとき α=α1 M+1≦m≦Iのとき α=α2 …(13) Hm(n+1)=Hm(n) +α2・Xm(n-d)・e3(n)/(ΣXi(n-d)・Xi(n-d)) …(14 ) 更新残差選択器20には、ディジタル受信信号X(n)、
ノイズキャンセラ19の出力信号e2(n)、及び、ノイ
ズキャンセラ19への入力信号e1(n)が入力されてい
る。
【0066】更新残差選択器20は、これら信号に基づ
いて、エコー成分の除去状況や背景雑音成分の除去状況
をとらえて(結局、背景雑音成分の多少をとらえてい
る)、ステップゲイン発生器18に与えるエコー残差情
報e3(n)として、ノイズキャンセラ19の出力信号e
2(n)、又は、ノイズキャンセラ19への入力信号e1
(n)を選択すると共に、その選択内容に応じて、(1
3)式又は(14)式のいずれを適用するかもステップ
ゲイン発生器18に指示するものである。
【0067】更新残差選択器20は、具体的には、例え
ば以下のような処理を行う。更新残差選択器20は、受
信信号X(n)とノイズキャンセラ19の出力信号e2(n)
の比からエコー除去量ACOMを求め、また、ノイズキ
ャンセラ19の出力信号e2(n)とノイズキャンセラ1
9への入力信号e1(n)の比からノイズ除去量NCAN
Cを求める。
【0068】次に、更新残差選択器20は、ノイズ除去
量NCANCと予め定められている閾値ζとを比較する
と共に、エコー除去量ACOMと予め定められている閾
値λとを比較し、その各比較結果の組み合わせに応じ
て、以下のように、信号の選択動作などを行う。
【0069】(1)NCANC<ζ、かつ、ACOM≧
λのときには、背景雑音成分を除去する前の段階で十分
にレベルが小さくなっているので、ノイズ更新残差選択
器20は、背景雑音成分が小さい状況にあるとみなし
て、ノイズキャンセラ19への入力信号e1(n)をタッ
プ係数の更新に用いるエコー残差情報e3(n)として選
択してステップゲイン発生器18に与えると共に、(1
3)式に従って、タップ係数を更新することを指示す
る。
【0070】なお、このときには、更新残差選択器20
は、ノイズキャンセラ19に対して除去動作を行うこと
を停止させることを指示し、又は、エコーキャンセラ2
1からの出力信号e1(n)を図示しないスイッチを介す
ることでノイズキャンセラ19を迂回してD/A変換器
8に入力させるようにする。
【0071】(2)ACOM<λのときには(NCAN
C<ζであるときも、NCANC≧ζであるときも含
む)、更新残差選択器20は、背景雑音成分が大きいた
めにエコー成分の除去量が小さくなっているとみなし
て、ノイズキャンセラ19の出力信号e2(n)を全ての
タップ係数の更新に用いるエコー残差情報e3(n)とし
て選択してステップゲイン発生器18に与えると共に、
(14)式に従って、タップ係数を更新することを指示
する。
【0072】上述した(14)式において、全てのタッ
プ係数の更新に用いるステップゲインとして小さな値の
第2のステップゲインα2を適用するようにしているの
は、背景雑音成分が多い状況においては、エコー残差情
報e3(n)をタップ係数に反映させる度合いを小さく押
さえるべきであるからである。
【0073】(3)NCANC≧ζ、かつ、ACOM≧
λのときには、更新残差選択器20は、背景雑音成分が
上述した(1)のときと(2)のときの中間程度とみな
して、ステップゲイン切り替え判定器16が決定した境
界までの1番目からM番目のタップ係数の更新用の信号
として、ノイズキャンセラ19への入力信号e1(n)を
タップ係数の更新に用いるエコー残差情報e3(n)とし
て選択してステップゲイン発生器18に与え、(13)
式に従って、タップ係数を更新することを指示すると共
に、M+1番目からI番目のタップ係数の更新用の信号
として、ノイズキャンセラ19の出力信号e2(n)をタ
ップ係数の更新に用いるエコー残差情報e3(n)として
選択してステップゲイン発生器18に与える、(14)
式に従って、タップ係数を更新することを指示する。
【0074】なお、このときに(13)式を適用する場
合のステップゲインは、第1のステップゲインα1に固
定される。
【0075】更新残差選択器20が、いずれの処理モー
ドを決定した場合であっても、第1のステップゲインα
1を選択したときにはタップ係数の更新は収束速度に優
れ、第2のステップゲインα2を選択したときにはタッ
プ係数の更新は雑音の影響を受けにくくなる。すなわ
ち、このエコーキャンセラ21は、耐雑音性にすぐれ、
エコー除去特性の優れたものとなる。
【0076】次に、以上のような機能を有する各構成要
素からなる第1の実施形態のエコーキャンセラ装置の動
作を説明する。
【0077】受信端子1を介して入力された対向する装
置からの受信信号は、A/D変換器2によって、ディジ
タル信号X(n)に変換されてエコーキャンセラ21及び
D/A変換器3に与えられる。このディジタル受信信号
X(n)は、D/A変換器3によって、アナログ信号に変
換されてスピーカ4に与えられ、スピーカ4から発音出
力される。
【0078】スピーカ4から発音出力された音響の一部
は、自動車内等の反響経路(エコーパス)を経てエコー
Yとなってマイクロホン5に到達し、マイクロホン5に
よって、送話者音声Sや背景雑音Nなどと共に電気信号
に変換される。
【0079】マイクロホン5からの信号は、A/D変換
器6によって、ディジタル信号Y(n)に変換されてエコ
ーキャンセラ21に入力され、エコーキャンセラ21
が、ディジタル受信信号X(n)及びそのときのタップ係
数から形成した疑似エコー信号Y’(n)が減算されて、
A/D変換器6から出力された信号Y(n)に含まれてい
るエコー成分が除去される。
【0080】このエコー成分除去後の信号e1(n)は、
ノイズキャンセラ19に与えられ、ノイズキャンセラ1
9によって、エコーキャンセラ21で除去できなかった
背景雑音成分N(n)が除去され、この除去後の送信信号
e2(n)がD/A変換器8によって、アナログ信号に変
換されて、送信端子9から対向する装置に向けて出力さ
れる。
【0081】エコーキャンセラ21の適応フイルタ10
においては、次のようにして、疑似エコー信号Y’(n)
を形成する。
【0082】A/D変換器2からの受信信号X(n)は、
保持レジスタ13に、当該適応フィルタのタップ数分だ
け保持され、一方、タップ係数は、係数レジスタ11に
保持されている。そして、乗算器群12を構成している
各乗算器によって、同一タップに係る受信信号サンプル
とタップ係数とが乗算され、総和用加算器14によっ
て、全ての乗算結果の総和が求められて、疑似エコー信
号Y’(n)が形成され、エコー打ち消し用加算器7に与
えられて、A/D変換器6から出力された信号Y(n)に
含まれているエコー成分が除去される。
【0083】次に、シングルトーク状態において実行さ
れる適応フイルタ10のタップ係数の更新動作について
説明する。
【0084】ノイズパワー計算器15には、エコー打ち
消し用加算器7の出力信号(ノイズキャンセラ19への
入力信号)e1(n)が入力され、このノイズパワー計算
器15によって、ノイズパワー情報Np(J)が計算さ
れ、このノイズパワー情報Np(J)所定閾値より大きい
ときにこのノイズパワー情報Np(n)がステップゲイン
切り替え判定器16に与えられる。
【0085】一方、係数絶対値計算器17には、係数レ
ジスタ11に保持されているタップ係数が与えられ、こ
の係数絶対値計算器17によって、ノイズパワー計算器
15からのノイズパワー情報Np(J)をステップゲイン
切り替え判定器16に与えられているときに、各タップ
係数H(m)の絶対値ah1(m)をタップ順番が若い方から
m(mは1〜I)個ずつ用いたI個の平滑値avah1
(1)〜avah1(I)が計算されてステップゲイン切り替
え判定器16に与えられる。
【0086】ステップゲイン切り替え判定器16におい
て、これら情報Np(J)及びavah1(0)〜avah1
(I)に基づいて、背景雑音成分の影響を受ける度合いが
小さいタップ係数と、背景雑音成分の影響を受ける度合
いが大きいタップ係数とのタップ位置の境界Mが計算さ
れて、ステップゲイン発生器18に与えられる。
【0087】一方、更新残差選択器20には、ディジタ
ル受信信号X(n)、ノイズキャンセラ19の出力信号e
2(n)、及び、ノイズキャンセラ19への入力信号e1
(n)が入力されており、更新残差選択器20によって、
エコー除去量ACOM及びノイズ除去量NCANCが計
算された後、エコー除去量ACOM及びノイズ除去量N
CANCに基づいて、背景雑音成分の多少が3段階で判
断される。
【0088】そして、背景雑音成分の多少の判断結果が
少ないという結果のときには、更新残差選択器20によ
って、ノイズキャンセラ19への入力信号e1(n)が選
択されてステップゲイン発生器18に与えられる。
【0089】このとき、ステップゲイン発生器18によ
って、境界タップ位置Mまでの各タップjのタップ係数
については、値が大きい第1のステップゲインα1が適
用されて、受信信号サンプルXm(n)及びノイズキャンセ
ラ19への入力信号e1(n)を利用したタップ係数の更
新処理が実行され、境界タップ位置M以降の各タップm
のタップ係数については、値が小さい第2のステップゲ
インα2が適用されて、受信信号サンプルXj(n)及びノ
イズキャンセラ19への入力信号e1(n)を利用したタ
ップ係数の更新処理が実行される((13)式参照)。
【0090】なお、このときには、更新残差選択器20
によって、ノイズキャンセラ19が有効に機能しないよ
うに制御される。
【0091】また、背景雑音成分の多少の判断結果が多
いという結果のときには、更新残差選択器20によっ
て、ノイズキャンセラ19の出力信号e2(n)が選択さ
れてステップゲイン発生器18に与えられる。
【0092】このとき、ステップゲイン発生器18によ
って、全てのタップのタップ係数について、値が小さい
第2のステップゲインα2が適用されて、ノイズキャン
セラ19の処理遅延を考慮された受信信号サンプルXm
(n-d)及びノイズキャンセラ19の出力信号e2(n)を利
用したタップ係数の更新処理が実行される((14)式
参照)。
【0093】さらに、背景雑音成分の多少の判断結果が
中間という結果のときには、更新残差選択器20によっ
て、境界タップ位置Mまでの各タップmのタップ係数の
更新用として、ノイズキャンセラ19への入力信号e1
(n)が選択されると共に、境界タップ位置M以降の各タ
ップmのタップ係数の更新用として、ノイズキャンセラ
19の出力信号e2(n)が選択されてステップゲイン発
生器18に与えられる。
【0094】このとき、ステップゲイン発生器18によ
って、境界タップ位置Mまでの各タップjのタップ係数
については、値が大きい第1のステップゲインα1が適
用されて、受信信号サンプルXm(n)及びノイズキャンセ
ラ19への入力信号e1(n)を利用したタップ係数の更
新処理が実行され、境界タップ位置M以降の各タップm
のタップ係数については、値が小さい第2のステップゲ
インα2が適用されて、ノイズキャンセラ19の処理遅
延を考慮された受信信号サンプルXm(n-d)及びノイズキ
ャンセラ19の出力信号e2(n)を利用したタップ係数
の更新処理が実行される((13)式及び(14)式参
照)。
【0095】このようにして更新されたタップ係数は、
係数レジスタ11に与えられて再設定される。
【0096】以上のように、第1の実施形態のエコーキ
ャンセラ装置によれば、背景雑音成分の影響を大きく受
けるタップ係数と背景雑音成分の影響を小さく受けるタ
ップ係数との境界タップ位置を検出し、この検出結果に
応じて、ステップゲインを切り替えてタップ係数を更新
するようにしたので、白色雑音や非白色雑音などの背景
雑音成分の統計的な性質などに影響を受けることなく、
タップ係数を適切に更新することができる。
【0097】また、第1の実施形態のエコーキャンセラ
装置によれば、背景雑音成分の多少を検出し、この検出
結果に応じて、ステップゲインやエコー残差情報を切り
替えてタップ係数を更新するようにしたので、この点か
らも、白色雑音や非白色雑音などの背景雑音成分の統計
的な性質などに影響を受けることなく、タップ係数を適
切に更新することができる。
【0098】その結果、第1の実施形態のエコーキャン
セラ装置のエコー除去特性は、優れたものとなる。
【0099】(B)第2の実施形態 次に、本発明によるエコーキャンセラ装置の第2の実施
形態を図面を参照しながら詳述する。
【0100】ここで、図4がこの第2の実施形態のエコ
ーキャンセラ装置の全体構成を示すブロック図であり、
上述した第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分
には同一符号を付して示している。
【0101】この第2の実施形態は、適応フイルタ10
のタップ係数の更新構成が第1の実施形態と異なってい
る。この第2の実施形態は、図4及び図1の比較から明
らかなように、第1の実施形態とは異なって、更新残差
選択器20が設けられておらず、ノイズキャンセラ19
の出力信号e2(n)が常時タップ係数の更新用のエコー
残差情報としてステップゲイン発生器18に与えられて
いる。
【0102】すなわち、この第2の実施形態では、背景
雑音成分の多少を検出してタップ係数の更新方法を切り
替えることを実行せず、背景雑音成分の影響を大きく受
けるタップ係数と背景雑音成分の影響を小さく受けるタ
ップ係数との境界タップ位置を検出し、タップによっ
て、適用するステップゲインの切り替えてタップ係数を
更新するようになされている。
【0103】この第2の実施形態のステップゲイン発生
器18が、実行するタップ係数の更新式は、(15)式
で表すことができる。
【0104】 Hm(n+1)=Hm(n) +α・Xm(n-d)・e2(n)/(ΣXi(n-d)・Xi(n-d)) 但し、1≦m≦Mのとき α=α1 M+1≦m≦Iのとき α=α2 …(15) 以上のような点を除いた第2の実施形態の構成及び動作
は、第1の実施形態と同様であるので、その説明は省略
する。
【0105】第2の実施形態によっても、背景雑音成分
の影響を大きく受けるタップ係数と背景雑音成分の影響
を小さく受けるタップ係数との境界タップ位置を検出
し、これらの検出結果に応じて、タップによってステッ
プゲインを切り替えてタップ係数を更新するようにした
ので、白色雑音や非白色雑音などの背景雑音成分の統計
的な性質などに影響を受けることなく、タップ係数を適
切に更新することができる。
【0106】これに加えて、第2の実施形態によれば、
更新残差選択器20が不要であるので、当該エコーキャ
ンセラ装置がハードウェアによる場合であれば構成を簡
単なものとでき、ソフトウェアによる場合であればエコ
ー除去やタップ係数の更新処理の高速化を達成すること
ができる。ここで、ノイズキャンセラ19の処理遅延が
問題にならない場合には、タップ係数の更新に利用する
過去の受信信号サンプルの保持構成や保持処理などが簡
単になり、上記効果は特に大きなものとなる。
【0107】(C)第3の実施形態 次に、本発明によるエコーキャンセラ装置の第3の実施
形態を、図面を参照しながら、簡単に説明する。
【0108】ここで、図5がこの第3の実施形態のエコ
ーキャンセラ装置の全体構成を示すブロック図であり、
上述した第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分
には同一符号を付して示している。
【0109】この第3の実施形態は、適応フイルタ10
のタップ係数の更新構成が第1及び第2の実施形態と異
なっている。この第3の実施形態は、ノイズキャンセラ
19を備えないエコーキャンセラ装置に本発明を適用し
た例であり、図5及び図1の比較から明らかなように、
第1の実施形態とは異なって、ノイズキャンセラ19及
び更新残差選択器20が設けられておらず、エコーキャ
ンセラ21からの出力信号e1(n)が常時タップ係数の
更新用のエコー残差情報としてステップゲイン発生器1
8に与えられている。
【0110】すなわち、この第3の実施形態では、背景
雑音成分の多少を検出してタップ係数の更新方法を切り
替えることを実行せず、背景雑音成分の影響を大きく受
けるタップ係数と背景雑音成分の影響を小さく受けるタ
ップ係数との境界タップ位置を検出し、タップによっ
て、適用するステップゲインの切り替えてタップ係数を
更新するようになされている。また、タップ係数の更新
用のエコー残差情報として、常時、用いられるようにな
されている。
【0111】この第3の実施形態のステップゲイン発生
器18が、実行するタップ係数の更新式は、(16)式
で表すことができる。
【0112】 Hm(n+1)=Hm(n)+α・Xm(n)・e1(n)/(ΣXi(n)・Xi(n)) 但し、1≦m≦Mのとき α=α1 M+1≦m≦Iのとき α=α2 …(16) 以上のような点を除いた第3の実施形態の構成及び動作
は、第1の実施形態と同様であるので、その説明は省略
する。
【0113】第3の実施形態によっても、背景雑音成分
の影響を大きく受けるタップ係数と背景雑音成分の影響
を小さく受けるタップ係数との境界タップ位置を検出
し、これらの検出結果に応じて、タップによってステッ
プゲインを切り替えてタップ係数を更新するようにした
ので、白色雑音や非白色雑音などの背景雑音成分の統計
的な性質などに影響を受けることなく、タップ係数を適
切に更新することができる。
【0114】これに加えて、第3の実施形態によれば、
更新残差選択器20及びノイズキャンセラ19が不要で
あるので、全体構成を簡単にでき、又は、全体の処理を
簡単なものとすることができる。
【0115】(D)他の実施形態 上記各実施形態の説明においても、種々変形実施形態に
ついて言及したが、さらに、以下のような変形実施形態
を挙げることができる。
【0116】上記各実施形態においては、2種類のステ
ップゲインを切り替えるものを示したが、ノイズパワー
情報との比較閾値を複数設けて、3種類以上のステップ
ゲインを切り替えるようにしても良い。
【0117】また、上記各実施形態においては、適応フ
イルタのタップ係数の更新方法が学習同定法に従うもの
であったが、他のアルゴリズムに従うものであっても良
い。すなわち、他のアルゴリズムであっても、1回の更
新毎に(1ステップ処理)、その時点の信号を反映させ
るステップゲインを必要としており、また、エコー成分
の除去残りであるエコー残差の情報をフィードバックさ
せる必要があるので、本発明を適用することができる。
【0118】さらに、上記各実施形態においては、ノイ
ズパワー計算器15及び係数絶対値計算器17が絶対値
演算を利用しているものを示したが、絶対値演算に代え
て、2乗演算を適用するようにしても良い。
【0119】さらにまた、上記第1の実施形態において
は、背景雑音成分の多少によって場合分けされた3種類
のタップ係数の更新方法でも、2種類のステップゲイン
のいずれかを用いるものであったが、背景雑音成分の多
少によって場合分けされた3種類のタップ係数の更新方
法で、適用するステップゲインを切り替えるようにして
も良い。例えば、背景雑音成分が少ない場合にはα1及
びα2のいずれかを適用し、背景雑音成分が多い場合に
はα3を適用し、背景雑音成分が中間程度の場合にはα
4及びα5のいずれかを適用するようにしても良い。
【0120】また、上記第1の実施形態においては、背
景雑音成分の多少を3段階に分けるものを示したが、2
段階又は4段階以上に分けるようにしても良い。さら
に、背景雑音成分の多少の判断方法も、上記第1の実施
形態に記載のものに限定されない。例えば、エコー除去
量の算出にノイズキャンセラ19の出力信号e2(n)を
利用するようにしても良く、また、除去量も2信号間の
比ではなく2信号の絶対値の差分で定めるようにしても
良い。
【0121】さらに、上記第1の実施形態においては、
タップによってステップゲインを切り替えることと、背
景雑音成分の多少によってステップゲインを切り替える
こととを併用したものを示したが、背景雑音成分の多少
によってステップゲインを切り替えることだけを行うよ
うにしても良い。
【0122】
【発明の効果】第1の本発明のエコーキャンセラ装置に
よれば、背景雑音成分の影響を大きく受けるタップ係数
と背景雑音成分の影響を小さく受けるタップ係数との境
界タップ位置を1又は複数検出する雑音影響タップ境界
位置決定手段と、決定された境界タップ位置の前後で、
適応フィルタのタップ係数の更新に用いるステップゲイ
ンを切り替えるステップゲイン決定手段とを有するの
で、背景雑音成分の性質によらずに適応フィルタのタッ
プ係数を適切に更新でき、エコー除去特性を一段と高め
ることができる。
【0123】また、第2の本発明のエコーキャンセラ装
置によれば、エコー成分除去後の送信信号に基づいて、
背景雑音成分の多少を検出し、多少の段階を示す情報を
出力する背景雑音成分量検出手段と、背景雑音成分の多
少の段階によって、適応フィルタのタップ係数の更新に
用いるステップゲインを切り替えるステップゲイン決定
手段とを有するので、背景雑音成分の性質によらずに適
応フィルタのタップ係数を適切に更新でき、エコー除去
特性を一段と高めることができる。
【0124】さらに、第3の本発明のエコーキャンセラ
装置によれば、背景雑音成分の影響を大きく受けるタッ
プ係数と背景雑音成分の影響を小さく受けるタップ係数
との境界タップ位置を1又は複数検出する雑音影響タッ
プ境界位置決定手段と、エコー成分除去後の送信信号に
基づいて、背景雑音成分の多少を検出し、多少の段階を
示す情報を出力する背景雑音成分量検出手段と、雑音影
響タップ境界位置決定手段によって決定された境界タッ
プ位置情報と、背景雑音成分量検出手段によって検出さ
れた背景雑音成分の多少の段階とに基づいて、適応フィ
ルタのタップ係数の更新に用いるステップゲインを切り
替えるステップゲイン決定手段とを有するので、背景雑
音成分の性質によらずに適応フィルタのタップ係数を適
切に更新でき、エコー除去特性を一段と高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】従来の構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態の係数絶対値計算器及びステッ
プゲイン切り替え判定器の機能を説明する信号波形図で
ある。
【図4】第2の実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図5】第3の実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
7…エコー打ち消し用加算器、10…適応フィルタ、1
1…係数レジスタ、12…乗算器群、13…保持レジス
タ、14…総和用加算器、15…ノイズパワー計算器、
16…ステップゲイン切り替え判定器、17…係数絶対
値計算器、18…ステップゲイン発生器、19…ノイズ
キャンセラ、20…更新残差選択器、21…エコーキャ
ンセラ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 適応フィルタが発生した疑似エコー信号
    を送信信号から減算することにより、送信信号に混入さ
    れているエコー成分を除去するエコーキャンセラ装置に
    おいて、 背景雑音成分の影響を大きく受けるタップ係数と背景雑
    音成分の影響を小さく受けるタップ係数との境界タップ
    位置を1又は複数検出する雑音影響タップ境界位置決定
    手段と、 決定された境界タップ位置の前後で、上記適応フィルタ
    のタップ係数の更新に用いるステップゲインを切り替え
    るステップゲイン決定手段とを有することを特徴とする
    エコーキャンセラ装置。
  2. 【請求項2】 上記雑音影響タップ境界位置決定手段
    が、 各タップ係数の絶対値又は2乗を演算した後、最も若い
    番号のタップ側からのm(mは1からタップ数までのそ
    れぞれの数)個の演算結果の単純平均値又は平滑演算値
    を求める係数情報計算部と、 エコー成分除去後の送信信号に基づいて、背景雑音成分
    のパワー情報を得るノイズパワー計算部と、 上記係数情報計算部によるタップ数個の単純平均値又は
    平滑演算値、及び、上記ノイズパワー計算部による背景
    雑音成分のパワー情報に基づいて、背景雑音成分の影響
    を大きく受けるタップ係数と背景雑音成分の影響を小さ
    く受けるタップ係数との境界タップ位置を決定する境界
    決定部とからなることを特徴とする請求項1に記載のエ
    コーキャンセラ装置。
  3. 【請求項3】 適応フィルタが発生した疑似エコー信号
    を送信信号から減算することにより、送信信号に混入さ
    れているエコー成分を除去するエコーキャンセラ装置に
    おいて、 エコー成分除去後の送信信号に基づいて、背景雑音成分
    の多少を検出し、多少の段階を示す情報を出力する背景
    雑音成分量検出手段と、 背景雑音成分の多少の段階によって、上記適応フィルタ
    のタップ係数の更新に用いるステップゲインを切り替え
    るステップゲイン決定手段とを有することを特徴とする
    エコーキャンセラ装置。
  4. 【請求項4】 エコー成分除去後の信号に含まれている
    背景雑音成分を除去するノイズキャンセラ手段と、 背景雑音成分の多少の段階によって、上記適応フィルタ
    の更新に利用するエコー残差情報として、上記ノイズキ
    ャンセラ手段への入力信号又は上記ノイズキャンセラ手
    段からの出力信号を選択する残差選択手段とをさらに有
    することを特徴とする請求項3に記載のエコーキャンセ
    ラ装置。
  5. 【請求項5】 適応フィルタが発生した疑似エコー信号
    を送信信号から減算することにより、送信信号に混入さ
    れているエコー成分を除去するエコーキャンセラ装置に
    おいて、 背景雑音成分の影響を大きく受けるタップ係数と背景雑
    音成分の影響を小さく受けるタップ係数との境界タップ
    位置を1又は複数検出する雑音影響タップ境界位置決定
    手段と、 エコー成分除去後の送信信号に基づいて、背景雑音成分
    の多少を検出し、多少の段階を示す情報を出力する背景
    雑音成分量検出手段と、 上記雑音影響タップ境界位置決定手段によって決定され
    た境界タップ位置情報と、上記背景雑音成分量検出手段
    によって検出された背景雑音成分の多少の段階とに基づ
    いて、上記適応フィルタのタップ係数の更新に用いるス
    テップゲインを切り替えるステップゲイン決定手段とを
    有することを特徴とするエコーキャンセラ装置。
  6. 【請求項6】 上記雑音影響タップ境界位置決定手段
    が、 各タップ係数の絶対値又は2乗を演算した後、最も若い
    番号のタップ側からのm(mは1からタップ数までのそ
    れぞれの数)個の演算結果の単純平均値又は平滑演算値
    を求める係数情報計算部と、 エコー成分除去後の送信信号に基づいて、背景雑音成分
    のパワー情報を得るノイズパワー計算部と、 上記係数情報計算部によるタップ数個の単純平均値又は
    平滑演算値、及び、上記ノイズパワー計算部による背景
    雑音成分のパワー情報に基づいて、背景雑音成分の影響
    を大きく受けるタップ係数と背景雑音成分の影響を小さ
    く受けるタップ係数との境界タップ位置を決定する境界
    決定部とからなることを特徴とする請求項5に記載のエ
    コーキャンセラ装置。
  7. 【請求項7】 エコー成分除去後の信号に含まれている
    背景雑音成分を除去するノイズキャンセラ手段と、 背景雑音成分の多少の段階によって、上記適応フィルタ
    の更新に利用するエコー残差情報として、上記ノイズキ
    ャンセラ手段への入力信号又は上記ノイズキャンセラ手
    段からの出力信号を選択する残差選択手段とをさらに有
    することを特徴とする請求項5又は6に記載のエコーキ
    ャンセラ装置。
  8. 【請求項8】 上記背景雑音成分量検出手段が背景雑音
    成分の多少を3段階で検出するものであり、 少ない段階のときに、上記残差選択手段が、上記ノイズ
    キャンセラ手段への入力信号を選択すると共に、上記ス
    テップゲイン決定手段が、決定された境界タップ位置の
    前後で、上記適応フィルタのタップ係数の更新に用いる
    ステップゲインを切り替え、 多い段階のときに、上記残差選択手段が、上記ノイズキ
    ャンセラ手段からの出力信号を選択すると共に、上記ス
    テップゲイン決定手段が、上記適応フィルタのタップ係
    数の更新に用いるステップゲインとして全タップに共通
    のステップゲインを決定し、 中間段階のときに、上記残差選択手段が、上記ノイズキ
    ャンセラ手段からの出力信号を選択すると共に、上記適
    応フィルタのタップ係数の更新に用いるステップゲイン
    を切り替えることを特徴とする請求項7に記載のエコー
    キャンセラ装置。
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