JP2944310B2 - エコーキャンセラ - Google Patents

エコーキャンセラ

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JP2944310B2
JP2944310B2 JP17069092A JP17069092A JP2944310B2 JP 2944310 B2 JP2944310 B2 JP 2944310B2 JP 17069092 A JP17069092 A JP 17069092A JP 17069092 A JP17069092 A JP 17069092A JP 2944310 B2 JP2944310 B2 JP 2944310B2
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエコーキャンセラに関
し、特に、ハンズフリー電話機に適用して好適なもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ハンズフリー電話機においては、近端話
者の位置自由度を高めるようにマイクロホンに無指向性
のものを適用するので、スピーカから発音された遠端話
者の音声がこのマイクロホンで捕捉されることを避ける
ことができず、遠端話者に向かってエコーとして送信さ
れる。このような不都合を避けるために、多くのハンズ
フリー電話機においては、エコーキャンセラが設けられ
ている。
【0003】図2は、従来のエコーキャンセラの一例を
示すものである(特開平3−80628号公報)。な
お、図2は原理的構成を示し、アナログ/デジタル変換
器やデジタル/アナログ変換器等を省略して示してい
る。
【0004】図2において、遠端話者の発声に係る受話
信号Rは、スピーカ104に与えられて発音されると共
に、適応フィルタ101に入力される。スピーカ104
から発音された受話音声(エコー)R2は、無指向性の
主マイクロホン102に回り込み、主マイクロホン10
2で捕捉されて加算器105に被減算入力として与えら
れる。適応フィルタ101は、受話信号Rが入力される
と、そのときのフィルタ係数(エコー経路利得の推定
値)と畳み込み演算してその演算値を擬似エコー信号と
して加算器105の減算入力端子に与える。かくして、
加算器105からは、マイクロホン102による捕捉信
号からエコー成分が除去された信号が出力され、これが
送信されると共に、係数制御回路106に与えられる。
係数制御回路106は、後述するように、適応フィルタ
101の係数の更新が許容されている期間では、加算器
105から出力された信号に基づいて、適応フィルタ1
01の係数を更新させる。
【0005】エコーが問題となるのは受話信号Rを受信
しているときであるが、このような場合としては、受話
信号Rだけを受信している場合と、受話信号を受信して
いると共に近端話者108が音声を発しているいわゆる
ダブルトークの場合とがある。前者の場合には、加算器
105からはエコー成分の除去残り信号が出力されるの
で、フィルタ係数を更新するのに適した場合である。他
方、後者の場合には、加算器105からはエコー成分の
除去残り信号に加えて近端話者に係る送話信号が出力さ
れ、この信号によってフィルタ係数を更新すると主とし
て送話信号の内容に基づいて係数が更新されるため一般
には更新に適さない。
【0006】そのため、ダブルトーク時には、適応フィ
ルタ101の係数の更新を禁止させるための構成が設け
られている。すなわち、指向性を有する副マイクロホン
103及びダブルトーク検出回路107が設けられてい
る。マイクロホン103は、後述する(1) 式〜(4) 式を
満足するように、指向性が定められており、また、設置
位置が定められている。ダブルトーク検出回路107
は、主マイクロホン102の捕捉信号及び副マイクロホ
ン103の捕捉信号からダブルトーク状態を検出し、ダ
ブルトーク状態を検出したときに係数制御回路106に
対して係数更新を禁止させる。
【0007】以下、この従来例におけるダブルトーク状
態の検出原理を説明する。ここで、無指向性マイクロホ
ン102による捕捉信号のうち、受話信号成分、送話信
号成分及びノイズ(背景雑音)成分の入力レベルをそれ
ぞれR2、S2、N2とし、指向性マイクロホン103
による捕捉信号のうち、受話信号成分、送話信号成分及
びノイズ成分の入力レベルをそれぞれR3、S3、N3
として説明する。
【0008】副マイクロホン103の指向性と、両マイ
クロホン102及び103並びにスピーカ104の位置
関係とを適宜選定することにより、次の(1) 式〜(4) 式
を満足させるようにする。すなわち、この従来例は、
(1) 式〜(4) 式が成立していることを前提としている。
【0009】 R2+N2>R3+N3 …(1) S3+N3>S2+N2 …(2) R2>R3 …(3) S3>S2 …(4) 近端話者108だけが音声を発している送話状態におい
ては、各マイクロホン102、103による捕捉信号は
送話信号成分S2、S3とノイズ成分N2、N3とでな
る。従って、送話状態における両マイクロホン102及
び103の捕捉信号のパワー比Ssendは、次式で表すこ
とができる。
【0010】 Ssend=(S3+N3)/(S2+N2) …(5) 同様に、捕捉信号を成分に分けて考えると、遠端話者だ
けが音声を発している受話状態における両マイクロホン
102及び103の捕捉信号のパワー比Srecは、(6)
式で表すことができ、近端話者108及び遠端話者が共
に音声を発しているダブルトーク状態における両マイク
ロホン102及び103の捕捉信号のパワー比Sdouble
は、(7) 式で表すことができる。
【0011】 Srec =(R3+N3)/R2+N2 …(6) Sdouble=(R3+S3+N3)/(R2+S2+N2) …(7) 送話状態におけるパワー比Ssend、受話状態におけるパ
ワー比Srec 及びダブルトーク状態におけるパワー比S
doubleの大小関係を、上述した(1) 〜(4) 式を利用して
求めると、次式のようになる。
【0012】 Srec <Sdouble<Ssend …(8) 従って、両マイクロホン102及び103の捕捉信号間
のパワー比を求め、このパワー比を2段の閾値と比較す
ることで、3つの状態のいずれかであるかを判定するこ
とができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図2に
示した従来のエコーキャンセラにおいては、ダブルトー
クの検出について以下の欠点を有するものであった。
【0014】(1) ノイズ源が指向性マイクロホンと近端
話者の延長線上に近い位置にある場合等、ノイズが大き
な場合には上述した(1) 式〜(4) 式の前提を満足するこ
とができず、ダブルトーク検出性能が劣化する。
【0015】(2) ノイズが大きい場合には、受話信号が
ない場合でもノイズのみで受話状態であると誤解して適
応フィルタの係数更新をしてしまい、適応フィルタの係
数値を乱してエコー消去量の劣化を引き起こすことがあ
る。
【0016】(3) 両マイクロホンの捕捉信号のパワー間
に差がでるのは一人の近端話者からの音声を1個の指向
性マイクロホンで拾うためである。従って、近端に複数
の話者がいて同時に発声している場合には、ダブルトー
ク検出性能が劣化する。
【0017】(4) 主マイクロホンの他に副マイクロホン
が必要であって、しかも指向性や設置位置等が規定され
ているため、ハンズフリー電話機全体が大型化してしま
う。
【0018】本発明は、以上の点を考慮してなされたも
のであり、ダブルトーク状態を含め各種の通話状態をノ
イズの存在に拘らず高精度に判定することができ、エコ
ーキャンセル精度を向上させることができる小形のエコ
ーキャンセラを提供しようとするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明においては、スピーカからマイクロホンに回
り込んだエコー信号を適応フィルタが形成した擬似エコ
ー信号を用いて加算器が除去する、ハンズフリー電話機
に設けられたエコーキャンセラにおいて、以下の手段を
設けた。
【0020】すなわち、送話信号線上に設けられ、その
信号線上の信号の自己相関に基づいて、ダブルトーク状
態及び送話状態のときに有意な検出信号を出力すると共
に、受話状態及び無音状態のときに非有意な検出信号を
出力する送話音声検出器と、受話信号線上に設けられ、
その信号線上の信号に基づいて、ダブルトーク状態及び
受話状態のときに有意な検出信号を出力すると共に、送
話状態及び無音状態のときに非有意な検出信号を出力す
るに受話音声検出器と、送話音声検出器及び受話音声検
出器からの検出信号に基づいて、通話状態を判定する通
話状態判定器と、判定された通話状態に基づいて、適応
フィルタの係数更新を制御する係数制御部とを設けた。
【0021】ここで、適応フィルタ及び加算器でなるエ
コー除去構成部を多重化し、各エコー除去構成部の適応
フィルタにおける係数を係数制御部が作成した時点が異
なるものとすると共に、各エコー除去構成部から出力さ
れた除去後信号のパワー比較によりダブルトーク状態に
おいて送信信号とする除去後信号を決定するパワー比較
器と、ダブルトーク状態においてパワー比較器が決定し
た除去後信号を送信信号として選択し、受話状態におい
て予め定まっているエコー除去構成部による除去後信号
を送信信号として選択し、送話状態及び無音状態におい
てマイクロホンが捕捉した信号を送信信号として選択す
る送信信号選択手段とを備えることが好ましい。
【0022】この好ましい態様において、受話状態にお
いて出力信号が送信信号として選択される予め定まって
いるエコー除去構成部を除き、各エコー除去構成部にお
ける適応フィルタの係数をダブルトーク状態において固
定させていることがさらに好ましい。
【0023】
【作用】本発明において、送話音声検出器は、送話信号
線上の信号の自己相関に基づいて、ダブルトーク状態及
び送話状態のときに有意な検出信号を出力すると共に、
受話状態及び無音状態のときに非有意な検出信号を出力
し、受話音声検出器は、受話信号線上の信号に基づい
て、ダブルトーク状態及び受話状態のときに有意な検出
信号を出力すると共に、送話状態及び無音状態のときに
非有意な検出信号を出力する。そして、通話状態判定器
は、送話音声検出器及び受話音声検出器からの検出信号
に基づいて、通話状態を判定し、係数制御部は、判定さ
れた通話状態に基づいて、適応フィルタの係数更新を制
御する。
【0024】ここで、送話信号線上の信号としては、送
話信号成分、エコー成分、ノイズ成分の各種の組み合わ
せ信号が考えられるが、送話音声検出器が、送話信号線
上の信号の自己相関に基づいて、検出動作しているため
その検出精度は良好である。なお、受話音声検出器にも
自己相関を用いたものを適用できる。
【0025】上述のように、送話音声検出器及び受話音
声検出器を設けているので、無音状態を単独で検出で
き、無音状態に適した動作をも実行させることができ
る。また、通話状態判定にのみ用いるマイクロホンが不
要となる。
【0026】4個の通話状態に応じて、エコー除去動作
を適切に制御できるように、適応フィルタ及び加算器で
なるエコー除去構成部を多重化し、各エコー除去構成部
の適応フィルタにおける係数を係数制御部が作成した時
点が異なるものとすると共に、各エコー除去構成部から
出力された除去後信号のパワー比較によりダブルトーク
状態において送信信号とする除去後信号を決定するパワ
ー比較器と、ダブルトーク状態においてパワー比較器が
決定した除去後信号を送信信号として選択し、受話状態
において予め定まっているエコー除去構成部による除去
後信号を送信信号として選択し、送話状態及び無音状態
においてマイクロホンが捕捉した信号を送信信号として
選択する送信信号選択手段とを設けることが好ましい。
【0027】ここで、ダブルトーク状態において、過去
の安定した係数を利用できるように、受話状態において
出力信号が送信信号として選択される予め定まっている
エコー除去構成部を除き、各エコー除去構成部における
適応フィルタの係数をダブルトーク状態において固定さ
せることが好ましい。
【0028】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の概念的構成を示
すものである。まず、図1を用いて、実施例の概念的構
成及びその動作を説明する。なお、図1は、実施例の構
成を正確に表したものではなく、その最も大きな特徴が
明らかになるように概念的に示したものである。実施例
の正確な構成については、図4の説明を通じて明らかに
する。
【0029】この実施例も、エコーを除去する基本的構
成及び動作は従来と同様である。すなわち、受話信号
は、スピーカ2に与えられて発音されると共に、適応フ
ィルタ4に入力される。スピーカ2から発音された受話
音声(エコー)yは、無指向性のマイクロホン1に回り
込み、マイクロホン1で捕捉されて加算器3に被減算入
力として与えられる。適応フィルタ4は、受話信号が入
力されると、そのときのフィルタ係数(エコー経路利得
の推定値)と畳み込み演算してその演算値を擬似エコー
信号Yとして加算器3の減算入力端子に与える。かくし
て、加算器3からは、マイクロホン1による捕捉信号か
らエコー成分が除去された信号eが出力され、これが送
信されると共に、係数制御回路6に与えられる。係数制
御回路6は、適応フィルタ4の係数の更新が許容されて
いる期間では、加算器6から出力された信号eに基づい
て、適応フィルタ4の係数を更新させる。
【0030】しかしながら、適応フィルタ4の係数を更
新させるか否かを制御する構成が従来とは異なってい
る。
【0031】すなわち、送話音声検出器8、受話音声検
出器10及び通話状態判定器11が設けられている。送
話音声検出器8は、加算器3からの出力信号eに基づい
て送話信号があるか否かを自己相関を利用して検出して
検出結果を通話状態判定器11に与える。受話音声検出
器10は、受話信号があるか否かを自己相関を利用して
検出して検出結果を通話状態判定器11に与える。通話
状態判定器11は、これら送話音声検出器8及び受話音
声検出器10の検出結果から、通話状態がダブルトーク
状態、送話状態、受話状態及び無音状態のいずれである
かを判定する。そして、受話状態のときに係数制御部6
による係数更新動作を許可し、ダブルトーク状態のとき
に係数制御部6による係数更新動作を許可したり禁止し
たりし、他の状態のときに係数制御部6による係数更新
動作を禁止する。
【0032】因に、従来では、無音状態を単独では判定
できず、受話状態として判定していた。
【0033】送話音声検出器8及び受話音声検出器10
は、上述したように、自己相関を利用して送話信号又は
受話信号の存在を検出するものである。この検出方法に
ついて詳述する。
【0034】サンプリング周期iでの話者信号(送話信
号又は受話信号)をai とすると、サンプリング周期の
j倍だけずらせた場合の自己相関関数S(j)は、次式
によって表される。
【0035】 S(j)=Σ ai ・ai+j /Σ ai・ai …(9) ここで、2個の総和はそれぞれiが1からN(話者信号
ai の考えられる最大ピッチより長い期間に対応する
値)について求める。送話音声検出器8及び受話音声検
出器10は、パラメータjを話者信号の平均的なピッチ
に対応する値を中心とした所定の範囲で変化させて複数
の自己相関関数S(j)を求める。そして、複数の自己
相関関数S(j)の例えば最大値Smax (j)を求め、
この最大値Smax (j)を所定の閾値と大小比較し、最
大値Smax (j)が大きい場合に話者信号(送話信号又
は受話信号)が存在すると判定し、最大値Smax (j)
が小さい場合に話者信号(送話信号又は受話信号)が存
在しないと判定する。
【0036】周知のように、音声信号は周期性を有する
ものであり、その周期と一致した自己相関関数は非常に
大きな値をとる。これに対して、雑音は一般にはランダ
ムであり、パラメータjを変化させて求めた複数の自己
相関関数は共に小さい値をとるものである。従って、自
己相関関数を用いて、雑音と話者信号との区別を行なう
ことができる。
【0037】ここで、送話音声検出器8には、通話状態
や通話状態の切替わり等によって、入力される信号が変
化する。例えば、送話状態からダブルトーク状態に変化
した直後で通話状態判定器11が継続して送話状態と判
定しているときには送話信号に受話信号のエコー成分が
加わった信号が当該検出器8に入力される。送話信号及
び受話信号は共に自己相関が高いものであり、送話信号
に受話信号のエコー成分が加わった信号も多少値が下が
るが、送話信号のパワーが大きいので自己相関はまだま
だ高いものである。また、例えば、無音状態から受話状
態に変化した直後で通話状態判定器11がまだ無音状態
と判定しているときには受話信号のエコー成分が加わっ
た信号が当該検出器8に入力される。エコー経路は厳密
には多数あるため、また、エコー成分と雑音成分とのパ
ワー比も小さいため、受話信号がピッチ性を有するもの
であってもエコー成分の自己相関は小さい。同様な検討
により、送話音声検出器8は、閾値を適宜選定すること
によって、送話状態及びダブルトーク状態において容易
な検出信号を出力することができる。
【0038】さらに、近端話者が複数いて同時に発声し
ている場合でも、その合成音声は周期性を有し、送話音
声検出器8は送話信号の存在を検出することができる。
【0039】他方、受話音声検出器10には、受話信号
が入力されるか又は入力されないかの2個の状態だけで
あるので、判定を容易に行なうことができる。
【0040】上述した係数制御部6が実行するタップ係
数の更新方法には、周知の方法、例えば学習同定法等の
アルゴリズムを適用できる。図3は、受話信号のみがあ
る場合のエコー除去量の変化例を示すものである。な
お、エコー除去量を、10・log(加算器3の入力パ
ワー/加算器3の出力パワー)を定義した例である。無
音状態からの立上げ時からエコー消費量が一定の値v1
を取るようになるまでは周知の学習同定法等のアルゴリ
ズムで逐次処理を行なってタップ係数の更新を行なう。
エコー消費量が一定の値v1付近の値を取るようになっ
た後もタップ係数の更新は1サンプリング周期毎に行な
う。
【0041】図4は、この実施例による加算器3及び適
応フィルタ4の構成部分を詳細に示したものである。図
4において、この実施例の適応フィルタ部分は、2種類
の擬似エコー信号Y1、Y2を同時又は選択的に発生で
きるようになされており、この点もこの実施例の特徴で
ある。
【0042】第1の擬似エコー信号Y1を発生するた
め、遅延素子群55(551〜55(n−1))、係数
乗算器群54(541〜54n)及び加算器群52(5
21〜52(n−1))が設けられている。また、係数
乗算器群54に与える係数の経路を開閉するスイッチ6
3と、第1の擬似エコー信号の出力経路を開閉するスイ
ッチ62が設けられている。
【0043】第2の擬似エコー信号Y2を発生するた
め、遅延素子群55、係数乗算器群53(531〜53
n)及び加算器群51(511〜51(n−1))が設
けられており、遅延素子群55は第1の擬似エコー信号
の発生構成と共通する。また、第2の擬似エコー信号Y
2の発生を停止させるため、スイッチ群56(561〜
56n)が設けられている。
【0044】なお、スイッチ群54、56、スイッチ6
2、63及び後述するスイッチ60、61は、係数制御
部6及び又は後述するパワー比較器59によって制御さ
れるものであり、制御内容については後述する動作説明
で明らかにする。
【0045】遠端話者からの受話信号(受話信号系列デ
ータ)は、縦続接続された1サンプリング周期遅延素子
551〜55(n−1)に入力され、n個のタップから
取り出された1サンプリング周期ずつ異なるタイミング
の各タップデータは、対応する可変係数乗算器541〜
54nに与えられる。各可変係数乗算器541〜54n
は、入力された各タップデータにそのとき設定されてい
る係数を乗算して対応する加算器521〜52(n−
1)に与える。各加算器521〜52(n−1)は縦続
接続されており、加算器群52全体で、係数倍された各
タップデータの総和を求めるようになされており、最終
段の加算器52(n−1)から出力された総和データを
第1の擬似エコー信号Y1としてスイッチ62が閉成し
ているときにエコー除去用加算器58に減算入力として
与える。可変係数乗算器541〜54nの係数は、スイ
ッチ63が閉成しているときに(ダブルトーク状態の一
部期間及び受話状態)、係数制御部6によってサンプリ
ング周期毎に更新される。
【0046】連動して開閉動作するスイッチ561〜5
6nが閉成されている状態においては、遅延素子群55
のn個のタップから取り出された1サンプリング周期ず
つ異なるタイミングの各タップデータは、対応するスイ
ッチ561〜56nを介して可変係数乗算器531〜5
3nに与えられる。各可変係数乗算器531〜53n
は、入力された各タップデータにそのとき設定されてい
る係数を乗算して対応する加算器511〜51(n−
1)に与える。各加算器511〜51(n−1)は縦続
接続されており、加算器群51全体で、係数倍された各
タップデータの総和を求めるようになされており、最終
段の加算器51(n−1)から出力された総和データを
第2の擬似エコー信号Y2としてエコー除去用加算器5
7に減算入力として与える。
【0047】ここで、受話状態において、各可変係数乗
算器531〜53nには、第1の擬似エコー信号Y1の
形成用可変係数乗算器541〜54nから係数が転送さ
れるようになされており、この転送周期は、所定時間T
2の2倍の時間である。他の通話状態のときには、各可
変係数乗算器531〜53nは設定された係数を維持す
る。
【0048】図5は、送話音声検出器8の検出応答時間
T1と転送周期を規定する所定時間T2との関係を示す
説明図であり、受話状態から係数更新が行なわれないダ
ブルトーク状態に移行した場合を示している。時点Bで
ダブルトーク状態に変化しても、送話音声検出器8は直
ちには検出できず、多少遅れた時点Aで初めて検出す
る。このような検出応答時間T1(信号内容によって多
少変化する)より長い時間T2に所定時間を定め、受話
状態ではこの2倍の時間2×T2毎に、可変係数乗算器
係数541〜54nに設定されていた係数を可変係数乗
算器531〜53nに設定するように転送動作する。す
なわち、転送動作前の期間T2(k+1)では、期間T2(k
-1)に可変係数乗算器541〜54nから転送された係
数が、可変係数乗算器531〜53nに設定されてい
る。従って、状態切替わり等によって可変係数乗算器5
41〜54nの係数が乱れても可変係数乗算器531〜
53nの係数は安定できる。
【0049】以上のように、2種類の擬似エコー信号Y
1、Y2を発生させるようにしたのは、少なくとも一方
の係数が更新されない通話状態においても、良好な擬似
エコー信号によってエコーを除去させようとしたためで
ある。
【0050】第1の擬似エコー信号Y1が入力されるエ
コー除去用加算器58及び第2の擬似エコー信号Y2が
入力されるエコー除去用加算器57には、マイクロホン
1による捕捉信号Pが被減算入力として与えられ、エコ
ー除去用加算器58又は57は、捕捉信号Pから第1又
は第2の擬似エコー信号Y1、Y2を減算し、その減算
後の信号を第1及び第2の送信候補信号E1及びE2と
して出力する。
【0051】これら第1及び第2の送信候補信号E1及
びE2は、その時点で閉成されているスイッチ60又は
61を介して送信信号になって送信回線及び送話音声検
出器8に与えられる。
【0052】また、第1及び第2の送信候補信号E1及
びE2は、パワー比較器59に与えられる。パワー比較
器59は、第1及び第2の送信候補信号E1及びE2の
平均パワーを求め、第1の送信候補信号の平均パワー
と、第2の送信候補信号の平均パワーにオフセットを加
えた値との大小比較を行ない、その比較結果に応じて、
スイッチ60、61、63の開閉を制御する。なお、パ
ワー比較器59によるスイッチ制御は、通話状態判定器
11の判定結果がダブルトーク状態の場合にのみ有効に
機能するようになされている。
【0053】以下、以上の構成を有する実施例のエコー
キャンセラの動作を、通話状態で場合分けをして説明す
る。
【0054】(A)受話状態 受話信号だけがある受話状態においては、受話音声検出
器10が有意な検出信号を通話状態判定器11に与え、
送話音声検出器8は有意な検出信号を出力しない。
【0055】かくして、通話状態判定器11は受話状態
と判定し、その判定結果を係数制御部6に与える。この
とき、係数制御部6は、スイッチ61〜63を閉成させ
ると共に、スイッチ60及びスイッチ群56を開放させ
る。従って、受話状態では第1の擬似エコー信号Y1だ
けが形成されて加算器58に与えられ、マイクロホン1
からの捕捉信号Pからこの第1の擬似エコー信号Y1を
減算してエコーを除去し、除去後の信号(除去残差だけ
を含む)E1が送信信号として送信される。このような
送信信号E1が与えられた送話音声検出器8は継続して
非有意な検出信号を出力する。
【0056】除去残差だけを含む除去後の信号E1は、
係数制御部6に与えられ、係数制御部6は、可変係数乗
算器541〜54nの係数をサンプリング周期毎に更新
する。また、可変係数乗算器541〜54nの係数は、
所定時間T2の2倍の時間毎に可変係数乗算器531〜
53nに転送されて、可変係数乗算器541〜54nに
過去に設定されていた係数が乗算器531〜53nに設
定される。
【0057】以上のように、受話状態においては、第1
の擬似エコー信号Y1を用いたエコー除去動作と、係数
更新動作とが繰返し実行される。
【0058】(B)ダブルトーク状態 送話信号と受話信号の両方があるダブルトーク状態にお
いては、受話音声検出器10が有意な検出信号を通話状
態判定器11に与え、送話音声検出器8も有意な検出信
号を通話状態判定器11に与える。マイクロホン1によ
る捕捉信号Pにはエコー成分も含まれているが、送話音
声検出器8は上述したように自己相関関数を利用して検
出動作しているので、有意な検出信号を出力する。
【0059】かくして、通話状態判定器11はダブルト
ーク状態と判定し、その判定結果を係数制御部6に与え
る。係数制御部6は、ダブルトーク状態として判定され
た直後においてはスイッチ63を開放させて係数更新が
なされない状態にすると共に、スイッチ62及びスイッ
チ群56を閉成させて第1及び第2の擬似エコー信号Y
1及びY2を共に加算器58、57に与える状態とさせ
る。なお、ダブルトーク状態においては、スイッチ60
及び61の制御はパワー比較器59に委ねられ、初期状
態を越えるとスイッチ63の制御もパワー比較器59に
委ねられる。
【0060】従って、ダブルトーク状態への切替わり直
後では、マイクロホン1による捕捉信号Pから第1の擬
似エコー信号Y1を減算してエコーを除去した第1の送
信候補信号(除去残差及び送話信号成分でなる)E1
と、マイクロホン1による捕捉信号Pから第2の擬似エ
コー信号Y2を減算してエコーを除去した第2の送信候
補信号(除去残差及び送話信号成分でなる)E2とがパ
ワー比較器59に入力される。パワー比較器59は、第
1の送信候補信号E1の平均パワーと、第2の送信候補
信号E2の平均パワーにオフセットを加えた値との大小
比較を行なう。そして、前者が大きい場合には第1の送
信候補信号E1に含まれている除去残差成分の方が大き
いと判断して、スイッチ60を閉成させ、スイッチ61
を開放させて除去残差成分が小さい方の第2の送信候補
信号E2を送信信号として選択させる。逆に、後者が大
きい場合には第1の送信候補信号E1に含まれている除
去残差成分の方が小さいと判断して、スイッチ61を閉
成させ、スイッチ60を開放させて除去残差成分が小さ
い第1の送信候補信号E1を送信信号として選択させ
る。また、このように第1の送信候補信号E1を選択し
た場合には、スイッチ63を閉成して可変係数乗算器5
41〜54nの係数を更新させる。但し、可変係数乗算
器531〜53nの係数更新は行なわない。
【0061】以上のように、初期状態においてはスイッ
チ63は開放させるが、これ以降はパワー比較器59の
比較結果に応じてスイッチ63は閉成されたり開放され
たりする。
【0062】なお、オフセットを加えて大小判断するの
は、エコー経路のインパルス応答のより最新の推定値に
係る係数が可変係数乗算器541〜54nに設定されて
いるので、第1の擬似エコー信号E1を第2の擬似エコ
ー信号E2より多少優先させるためである。また、第1
の送信候補信号E1はダブルトーク状態では送話信号成
分が中心のものであるが、この信号に基づいて、場合に
よっては可変係数乗算器541〜54nの係数を更新す
るようにしたのは、以下の理由による。ダブルトーク状
態から受話状態への変化で受話状態と判定される以前の
エコー除去特性の改善を瞬時にできるためであり、ま
た、ダブルトーク期間が長くなったような場合には可変
係数乗算器531〜53nや541〜54nの係数が妥
当でなくなってこのように更新させた方がより良好な出
力信号が得られる場合があるためであり、さらに、第1
の送信候補信号E1及び第2の送信候補信号E2を短い
周期で交互に繰返し選択するハウリングを防止するため
である。
【0063】ダブルトーク状態で選択されて形成された
送信信号は、殆どが送話信号であるので、送話音声検出
器8はこの状態中継続して有意な検出信号を出力する。
【0064】以上のように、ダブルトーク状態において
は、第1の擬似エコー信号Y1を用いたエコー除去動作
と、第2の擬似エコー信号Y2を用いたエコー除去動作
とが並行して行なわれ、除去が良好な方を選択して送信
信号にすると共に、係数更新動作をその選択内容に応じ
て制御する。
【0065】(C)送話状態 送話信号だけがある送話状態においては、受話音声検出
器10が非有意な検出信号を通話状態判定器11に与
え、送話音声検出器8が有意な検出信号を通話状態判定
器11に与える。
【0066】かくして、通話状態判定器11は送話状態
と判定し、その判定結果を係数制御部6に与える。この
とき、係数制御部6は、スイッチ61だけを閉成し、他
のスイッチ60、62、63及びスイッチ群56を開放
させる。従って、加算器58に入力される第1の擬似エ
コー信号Y1は0であり、マイクロホン1による捕捉信
号(送話信号だけである)Pは加算器58及びスイッチ
61を介してそのまま送信信号となる。従って、送話音
声検出器8は有意な検出信号を継続して通話状態判定器
11に与える。送話状態においては、受話信号のエコー
成分が存在しないのでエコー除去を行なう必要がない。
【0067】ここで、スイッチ61以外の他のスイッチ
が全て開放されているので、係数更新動作は行なわれる
ことがなく、このような他のスイッチの開放によって可
変係数乗算器531〜53n、541〜54nに保持さ
れている係数は雑音や受話信号の影響を受けることなく
保護される。
【0068】以上のように、送話状態においては、エコ
ー除去を行なうことなくマイクロホン1の捕捉信号Pを
そのまま送信信号にすると共に、可変係数乗算器531
〜53n、541〜54nに対する係数更新動作を停止
する。
【0069】(D)無音状態 送話信号も受話信号も存在しない無音状態においては、
受話音声検出器10が非有意な検出信号を通話状態判定
器11に与え、送話音声検出器8も非有意な検出信号を
通話状態判定器11に与える。
【0070】かくして、通話状態判定器11は無音状態
と判定し、その判定結果を係数制御部6に与える。この
とき、係数制御部6は、スイッチ61だけを閉成し、他
のスイッチ60、62、63及びスイッチ群56を開放
させる。すなわち、送話状態と同じ制御を行なう。従っ
て、マイクロホン1による捕捉信号(雑音だけである)
Pは加算器58、スイッチ61を介してそのまま送信信
号となる。従って、送話音声検出器8は非有意な検出信
号を継続して通話状態判定器11に与える。無音状態に
おいても、受話信号のエコー成分が存在しないのでエコ
ー除去を行なう必要がない。この場合も、スイッチ61
以外の他のスイッチが全て開放されているので、係数更
新動作は行なわれることがなく、このような他のスイッ
チの開放によって可変係数乗算器531〜53n、54
1〜54nに保持されている係数は雑音や受話信号の影
響を受けることなく保護される。
【0071】上述した従来では、無音状態と受話状態と
を同じ取扱としていたが(無音状態も受話状態と判定し
ていたが)、この実施例では無音状態を送話状態と同様
に処理している。無音状態及び送話状態は共に、マイク
ロホン1による捕捉信号Pがエコー成分を有しないとい
う共通点があり、従って同様に取り扱うことができる。
受話状態と同様に無音状態を取り扱う場合には、係数が
更新されるという不都合が生じ、この実施例のようにす
ることが好ましい。
【0072】以上のように、無音状態においては、エコ
ー除去を行なうことなくマイクロホン1の捕捉信号Pを
そのまま送信信号にすると共に、可変係数乗算器531
〜53n、541〜54nに対する係数更新動作を停止
する。
【0073】上記実施例によれば、受話音声検出器10
及び送話音声検出器8が自己相関関数を用いて受話信号
又は送話信号の存在を検出し、これらの検出信号によっ
て通話状態判定器11が通話状態を判定するようにした
ので、ノイズの存在に拘らず高精度に通話状態を判定で
き、エコー除去動作を適切に制御できてエコー除去特性
を向上させることができる。
【0074】また、上記実施例によれば、ダブルトーク
状態においては、2種類の擬似エコー信号を用いてエコ
ー除去した2種類の除去後信号から選択して送信信号を
決定するようにしたので、受話状態や送話状態からダブ
ルトーク状態に移行した際やダブルトーク状態中に係数
が乱れたような場合でも、安定な過去の係数を用いた擬
似エコー信号によってエコーを除去でき、この点からも
エコー除去特性を向上させることができる。
【0075】さらに、上記実施例によれば、通話状態の
判定にのみ利用するマイクロホンが不要であり、ハンズ
フリー電話機を小形化できると共に、設けられるマイク
ロホン1の位置自由度も高めることができる。
【0076】さらにまた、上記実施例によれば、無音状
態を他の通話状態と区別して判定すると共に、無音状態
においては、適応フィルタの係数更新を停止するように
したので、従来とは異なって無音状態でのノイズによっ
て徒に係数が更新されることを防止することができる。
【0077】なお、上記実施例においては、適応フィル
タが2重構成のものを示したが、1重構成のものに対し
ても本発明を適用することができ、さらに3重以上の構
成のものに対しても本発明を適用することができる。
【0078】また、上記実施例においては、受話音声検
出器10及び送話音声検出器8が共に自己相関関数を用
いて受話信号又は送話信号の存在を検出するものであっ
たが、入力信号の成分の組み合わせが単純である受話音
声検出器10については自己相関関数を用いないものを
適用しても良い。例えば、入力された信号のパワーを求
めてそのパワーを検出用閾値と比較して検出するもので
あっても良い。
【0079】さらに、上記実施例においては、ダブルト
ーク状態で可変係数乗算器541〜54nの係数を更新
させる場合もあったが、ダブルトーク状態において可変
係数乗算器541〜54nの係数更新を完全に禁止する
ようにしても良い。
【0080】さらにまた、受話状態における可変係数乗
算器541〜54nから可変係数乗算器531〜53n
への係数転送周期は、可変係数乗算器531〜53nに
設定される係数の安定化を確保できるならば上記実施例
のものに限定されない。また、係数制御部6に大容量の
レジスタを設けてこの係数制御部6から転送させるよう
にしても良く、この場合には転送周期を1サンプリング
周期(但し転送される係数はかなり前のもの)にもする
ことができる。
【0081】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、送話信
号線上に設けられ、その信号線上の信号の自己相関に基
づいて、ダブルトーク状態及び送話状態のときに有意な
検出信号を出力すると共に、受話状態及び無音状態のと
きに非有意な検出信号を出力する送話音声検出器と、受
話信号線上に設けられ、その信号線上の信号に基づい
て、ダブルトーク状態及び受話状態のときに有意な検出
信号を出力すると共に、送話状態及び無音状態のときに
非有意な検出信号を出力するに受話音声検出器と、送話
音声検出器及び受話音声検出器からの検出信号に基づい
て、通話状態を判定する通話状態判定器と、判定された
通話状態に基づいて、適応フィルタの係数更新を制御す
る係数制御部とを備えたので、ダブルトーク状態を含め
各種の通話状態をノイズの存在に拘らず高精度に判定す
ることができ、エコーキャンセル精度を向上させること
ができる小形のエコーキャンセラを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の概念的全体構成を示すブロック図であ
る。
【図2】従来の構成を示すブロック図である。
【図3】実施例の係数更新方法の説明に供する図であ
る。
【図4】実施例の適応フィルタ及び加算器回りの詳細構
成を示すブロック図である。
【図5】実施例の送話信号の検出応答時間と両係数間の
時間差との説明図である。
【符号の説明】
1…マイクロホン、2…スピーカ、3、57、58…加
算器、4…適応フィルタ、6…係数制御部、8…送話音
声検出器、10…受話音声検出器、11…通話状態判定
器、51、52…加算器群、53、54…可変係数乗算
器群、55…遅延素子群、56…スイッチ群、59…パ
ワー比較器、60〜63…スイッチ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−27325(JP,A) 特開 平3−80628(JP,A) 特開 平6−14100(JP,A) 特開 昭62−24726(JP,A) 特開 平1−126839(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04B 1/76 - 3/44 H04B 3/50 - 3/60 H04B 7/005 - 7/015 H04M 1/00 H04M 1/24 H04M 1/58 - 1/62 H04M 1/66 - 1/78

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピーカからマイクロホンに回り込んだ
    エコー信号を適応フィルタが形成した擬似エコー信号を
    用いて加算器が除去する、ハンズフリー電話機に設けら
    れたエコーキャンセラにおいて、 送話信号線上に設けられ、その信号線上の信号の自己相
    関に基づいて、ダブルトーク状態及び送話状態のときに
    有意な検出信号を出力すると共に、受話状態及び無音状
    態のときに非有意な検出信号を出力する送話音声検出器
    と、 受話信号線上に設けられ、その信号線上の信号に基づい
    て、ダブルトーク状態及び受話状態のときに有意な検出
    信号を出力すると共に、送話状態及び無音状態のときに
    非有意な検出信号を出力するに受話音声検出器と、 上記送話音声検出器及び上記受話音声検出器からの検出
    信号に基づいて、通話状態を判定する通話状態判定器
    と、 判定された通話状態に基づいて、上記適応フィルタの係
    数更新を制御する係数制御部とを備えたことを特徴とす
    るエコーキャンセラ。
  2. 【請求項2】 上記適応フィルタ及び上記加算器でなる
    エコー除去構成部を多重化し、上記各エコー除去構成部
    の適応フィルタにおける係数を上記係数制御部が作成し
    た時点が異なるものとすると共に、 上記各エコー除去構成部から出力された除去後信号のパ
    ワー比較によりダブルトーク状態において送信信号とす
    る除去後信号を決定するパワー比較器と、 ダブルトーク状態において上記パワー比較器が決定した
    除去後信号を送信信号として選択し、受話状態において
    予め定まっているエコー除去構成部による除去後信号を
    送信信号として選択し、送話状態及び無音状態において
    上記マイクロホンが捕捉した信号を送信信号として選択
    する送信信号選択手段とを備えたことを特徴とする請求
    項1に記載のエコーキャンセラ。
  3. 【請求項3】 受話状態において出力信号が送信信号と
    して選択される予め定まっている上記エコー除去構成部
    を除き、上記各エコー除去構成部における適応フィルタ
    の係数をダブルトーク状態において固定させていること
    を特徴とした請求項2に記載のエコーキャンセラ。
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