JPH1142057A - 澱粉老化防止用組成物及び澱粉含有食品の老化防止法 - Google Patents

澱粉老化防止用組成物及び澱粉含有食品の老化防止法

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JPH1142057A
JPH1142057A JP9202878A JP20287897A JPH1142057A JP H1142057 A JPH1142057 A JP H1142057A JP 9202878 A JP9202878 A JP 9202878A JP 20287897 A JP20287897 A JP 20287897A JP H1142057 A JPH1142057 A JP H1142057A
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okara
trehalose
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texture
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Hideo Araki
秀雄 荒木
Yukie Yamamoto
幸恵 山本
Yoshiaki Ishizaka
嘉章 石坂
Masaaki Miyabe
正明 宮部
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Fuji Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、澱粉含有食品の味、食感を損なう
ことのない澱粉老化防止用組成物及び澱粉含有食品の老
化防止法を目的とした。 【解決手段】おから含有粒子とトレハロースを含有する
澱粉老化防止用組成物。澱粉含有食品におから含有粒子
とトレハロースを添加することを特徴とする澱粉含有食
品の老化防止法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は老化防止用組成物及
び澱粉含有食品の老化防止法に関する。
【0002】
【従来の技術】澱粉を含有する食品は、主に澱粉が水分
と共に加熱され糊化する性質を利用し、様々な形態があ
る。しかしながら、食品として製造された直後から経時
的な澱粉糊の老化が起こり、食品の硬化、保水力の低
下、離水、消化率の低下等の現象を起こす。そのため
に、経時的な品質劣化、冷凍保存、冷蔵保存、長期保存
や遠隔地への輸送等が困難となる問題が生ずる。また、
昨今、時短、省力化が進む中で、日持ちせず、老化によ
り食感が変わりやすい澱粉含有食品の保存性を上げるた
めに冷凍耐性が望まれている。特に和菓子類の中でも、
たとえば団子類、そば饅頭等の饅頭類、柏餅、豆大福等
の餅類等の朝生菓子類は最も冷解凍が難しいものとされ
ている。
【0003】このような澱粉の老化による劣化を防ぐた
めに様々な試みがなされてきた。例えば、トレハロース
とグリセリン脂肪酸エステル等を添加する方法(特開平
7−79689)、トレハロースを添加する方法(特開
平8−242784)、β−アミラーゼとトレハロース
を添加する方法(特開平9−107899)、β−アミ
ラーゼと糖類を添加する方法(特開平9−10790
0)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法では、たとえば、界面活性剤が味を損なう原因に
なったり、老化防止効果が弱かったり或いは、酵素剤使
用時の温度管理が煩雑だったり、澱粉質由来の本来の食
感が失われる等の問題があり課題として残されていた。
【0005】従って澱粉含有食品に関し、その製造工程
に制限されることなく使用が可能で、風味、食感を損な
うことのない老化防止方法および老化防止剤が強く切望
されていた。
【0006】本発明は、澱粉含有食品の味、食感を損な
うことのない澱粉老化防止用組成物及び澱粉含有食品の
化防止法を目的とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく、鋭意検討を行った結果、澱粉含有食品に
おから含有粒子(大豆やおからの微細磨砕物)とトレハ
ロースを組み合わせて添加することにより、澱粉含有食
品の老化防止に優れた効果を発揮することを見出し本発
明を完成した。
【0008】即ち、本発明は、おから含有粒子とトレハ
ロースを含有する澱粉老化防止用組成物及びおから含有
粒子とトレハロースを添加することを特徴とする澱粉含
有食品の老化防止法である。おから含有粒子の乾燥固形
分100重量部に対してトレハロースは30重量部〜3
00重量部が好ましい。おから含有粒子の平均粒子径は
50ミクロン以下であることが好ましい。おから含有粒
子は大豆、脱脂大豆あるいはおからを磨砕したものが好
ましい。澱粉老化防止用組成物を澱粉含有食品中の澱粉
質100重量部に対して乾燥固形分として10重量部〜
100重量部程度添加するのが好ましい。
【0009】
【本発明の実施の形態】本発明のおから含有粒子は、丸
大豆、全粒大豆粉、脱脂大豆等の大豆原料或いはおから
を磨砕したものが適当である。
【0010】これらの磨砕方法は公知の手段を採用する
ことが出来る。例えば、大豆に加水し膨潤化させ、磨砕
することが出来る。又、この磨砕物から豆乳を分離しお
からとすることが出来る。これらは、磨砕処理後、可及
的新鮮なものが適当である。おから含有粒子は、微生物
の増ss殖による汚染が進行しないうちに、迅速に処理
することが適当である。
【0011】本発明のおから含有粒子は、食感のざらつ
きのないものが好ましく、通常、50メッシュ・パス
(300ミクロン以下)、好ましくは100メッシュパ
ス(150ミクロン以下)でも使用できるが、さらに好
ましくは磨砕され平均粒子径が50ミクロン以下が好適
である。特に25ミクロン以下では滑らかのみならず、
ゲル化剤の如き性状を示し、澱粉含有食品をしっとりし
た滑らかなものとすることが出来る。微細なほど好まし
いが、通常5ミクロン未満は機械的に困難な現状にあ
る。
【0012】尚、磨砕する手段は特に限定しないが処理
速度、温度管理、作業性、磨砕処理物の粒度の均一性を
考慮して、マイコロイダー、ホモゲナイザー、コミット
ロール(商品名)、ミクロカッター(商品名)等が適当
である。特に、回転型剪断力を作用させるコミットロー
ル(商品名)等で平均粒子径を100ミクロン以下に微
細化し、次いで摩擦剪断力を作用させる高圧ホモゲナイ
ザー等で平均粒子径を50ミクロン以下に微細化させた
大豆磨砕物やこのようにして得られた微細化した大豆磨
砕物から豆乳を除いた不溶性成分であるおからはざらつ
きがなく、保水性に優れ好適である。豆乳調整工程、豆
腐製造工程或いは大豆蛋白製造工程等で副生するおから
も同様に磨砕したものが好適である。
【0013】又、これらおから含有粒子の色調、風味を
優れたものとするために、原料大豆は脱皮、脱胚軸して
用いることが好適である。
【0014】本発明のおから含有粒子は冷凍、冷蔵保存
したり、糖類添加前後に加熱処理して一般生菌数を低減
させたり、常圧下、減圧下で加熱等を行い濃縮したり、
スプレードライヤー、ミクロンドライヤー、凍結乾燥等
で乾燥させ、さらに窒素シールしたものでも良い。
【0015】本発明のトレハロースは、食品用途に市販
されているものであれば、純度品質、結晶の種類、形
態、由来は特に限定しない。
【0016】また、トレハロースに他の糖質を併用する
こともできる。併用する糖質としては果糖、キシロー
ス、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクト
ース等の単糖類の他、ラクトース、スクロース、トレハ
ルロース、パラチノース、マルトース等の二糖類、ラフ
ィノース等の少糖類、キシリトール、マルチトール、エ
リスリトール、ラクチトール、ソルビトール、マンニト
ール、キシリトール、パラチニット等の糖アルコール、
イソマルトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ガラクトオリゴ
糖、フラクトオリゴ糖、キシリオリゴ糖、還元キシリオ
リゴ糖等のオリゴ糖類の5糖類以下の糖類より成る群か
ら選ばれる1種又は2種類以上の混合物であり、食品用
途に使用されているものであれば、特に限定しない。メ
イラード反応の強弱、甘味度、緩下性、溶解性、経済性
等の特徴を考慮し目的に合う糖を選択し用いることが適
当である。
【0017】本発明の澱粉老化防止用組成物はおから含
有粒子とトレハロースを必須成分とする。
【0018】おから含有粒子の乾燥固形分100重量部
に対してトレハロースを30重量部〜300重量部、好
ましくは40重量部〜300重量部が適当である。澱粉
含有食品に用いる澱粉老化防止用組成物の量にもよる
が、トレハロースが30重量部未満では十分な老化防止
効果が期待できず、300重量部を越えるとトレハロー
スの甘味が強くなり、澱粉含有食品の風味を損なった
り、過剰なトレハロースにより食感を損なう場合があ
る。
【0019】次に、本発明は澱粉含有食品におから含有
粒子とトレハロースを添加することを特徴とする澱粉含
有食品の老化防止法である。換言すれば前記澱粉老化防
止用組成物を澱粉含有食品に用いて澱粉含有食品の老化
を防止する方法である。
【0020】本発明の澱粉老化防止用組成物は、澱粉含
有食品中の澱粉質100重量部に対して乾燥固形分とし
て10重量部〜100重量部添加するのが好ましい。
【0021】また、必要に応じて、澱粉老化防止組成物
に、公知の老化防止剤、食感改良剤等を組み合わせて用
いることが出来る。たとえば、油、油脂、粉末油脂、還
元水飴、タピオカ澱粉等の澱粉、市販の老化防止剤
(「ニューモチエース」、「ソフロンB」等)、鮮度保
持剤(「アクア−60」)等を併用することを妨げな
い。本発明で言う澱粉含有食品は、澱粉を用いる食品あ
るいは本来澱粉を含有している食品、たとえば、米粉、
新粉、餅粉、上新粉、小麦粉、デキストリン、コーンス
ターチ、ポテトスターチ、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、馬
鈴薯澱粉等の澱粉質を使用している食品を挙げることが
出来る。特に餅類、団子類、饅頭類、米飯類、和菓子
類、パン類、麺類、洋菓子類等が挙げられる。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、これにより限定されるものではない。 実施例1 配合を表1にまとめて例示する。なお、以下に示す配合
割合は重量部を意味する。 (製法)脱皮脱胚軸大豆1重量部(以下、部)に水10
部を加え、30〜50℃で60分間以上浸漬して十分に
吸水した脱皮脱胚軸大豆(水分含量40〜55%)1部
に対し、熱水(90℃)3部を加えたものを回転刃型剪
断力により細切するコミットロール(URSCHEL社
製)を用いて2回処理して平均粒子径30〜70ミクロ
ンの粉砕スラリーを得た。
【0023】得られたスラリーを次に高圧ホモゲナイザ
ー(APV社製)で200kg/平方cmで2回処理し
て平均粒子径20〜30ミクロンの大豆磨砕物を得た。
【0024】そして、大豆磨砕物を遠心分離機によって
3000Gで5分間分離して豆乳を除去しおからを得
た。得られた豆乳とおからの重量比は、80に対して2
0であった。大豆磨砕物(乾燥固形分10%)あるいは
おから(乾燥固形分14%)1kgにトレハロース20
0gを添加し、更に撹拌しながら80℃で30分間加熱
処理を行い、冷却後、シールパックに入れ、冷凍保存し
た。 (団子の作製)上新粉500gとトレハロース添加大豆
磨砕物600gを捏ね合わせた。糖類併用の場合は以下
に示す各種糖類を50gを更に加え捏ね合わせた。これ
をちぎってセイロに並べ、蒸し器で40分間蒸す、次い
で、石臼に移して3分間程度軽く搗きまとめ、いったん
水の中で冷ます。再び、石臼に移し、5分間程度搗き上
げる。この生地を棒状に伸ばし、団子形に切り分け、4
個づつ竹串に刺す。その後、−20℃で冷凍し、1週間
後に解凍し評価した。
【0025】同様にトレハロース添加おから600gを
トレハロース添加大豆磨砕物の代わりに加え作製し、評
価した。 比較例1 比較例として上新粉のみで団子作製した。上新粉600
gと温湯420gを粉ね合わせ、実施例1同様に団子を
作製し評価した。
【0026】
【表1】 -------------------------------------------------------------------- 実験No. 1 2 3 4 5 6 比較例1 -------------------------------------------------------------------- 磨砕物 おから おから おから おから 大豆磨 大豆磨 無添加 砕物 砕物 糖 トレハ エリス トレハ エリス キシロ イソマ 無添加 ロース リトー ロース リトー ース ルトオ のみ ル併用 のみ ル併用 併用 リゴ 糖 併用 食感 ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ × 硬さ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ × -------------------------------------------------------------------- 尚、食感、硬さとも、比較例1の冷凍前の食感、硬さを
基準に、◎はほとんど変わらない、○はやや違う、△は
良くない、×は全く駄目を表す。食感は、実際に食べた
時の感触で判断した。硬さは指で押したり、引いたりし
た時の弾力性で判断した。 実施例2 実施例1と同様におからを得てトレハロースの添加量を
振らしたものを作製し、団子を作り評価した。 比較例2 実施例2同様におからのみを加えた団子を作製し評価し
た。 比較例3 比較例1の配合にトレハロースのみを加えた団子を作製
し評価した。
【0027】
【表2】 --------------------------------------------------------- 実験No. 1 2 3 4 5 比較例2 比較例3 --------------------------------------------------------- おから 500 500 500 500 500 500 0 添加量(g) トレハロース 添加量 21 35 70 140 210 0 100 (g) (糖の割合)30 50 100 200 300 0 143 評価 甘味 適当 適当 適当 適当 やや 適当 適当 甘い 食感 ○ ○ ◎ ○ ○ △ △ こしがある 硬さ △ ○ ◎ ◎ ○ △ × やや硬い 軟らかい --------------------------------------------------------- 尚、食感、硬さとも、比較例1の冷凍前の食感、硬さを
基準に、◎はほとんど変わらない、○はやや違う、△は
良くない、×は全く駄目を表す。食感は、実際に食べた
時の感触で判断した。硬さは指で押したり、引いたりし
た時の弾力性で判断した。尚、糖の割合(%)=糖添加
量(g)/(おから添加量500g中の乾燥固形分70
g)×100の式で算出した。 実施例3 製法 脱皮脱胚軸大豆1重量部(以下、部)に水10部を加
え、30〜50℃で60分間以上浸漬して十分に吸水し
た脱皮脱胚軸大豆(水分含量40〜55%)1部に対
し、熱水(90℃)3部を加えたものを回転刃型剪断力
により細切するコミットロール(URSCHEL社製)
を用いて平均粒子径100ミクロン程度になるように大
豆磨砕物(S1)を得た。得られたスラリーを次に高圧
ホモゲナイザー(APV社製)で処理して平均粒子径5
0ミクロン程度の大豆磨砕物(S2)、さらに処理して
平均粒子径20ミクロン程度の大豆磨砕物(S3)を得
た。そして、各々の大豆磨砕物S1、S2、S3を遠心
分離機によって3000Gで5分間分離して豆乳を除去
し、おからを得た。
【0028】
【表3】 ------------------------------------------------------------------- 実験No. 1 2 3 ------------------------------------------------------------------- おからの平均粒子径 20 50 100 (ミクロン) 評価 食感 ◎ ○ × ざらつきあり 硬さ ◎ ◎ △ ------------------------------------------------------------------- 尚、食感、硬さとも、比較例1の冷凍前の食感、硬さを
基準に、◎はほとんど変わらない、○はやや違う、△は
良くない、×は全く駄目を表す。食感は、実際に食べた
時の感触で判断した。硬さは指で押したり、引いたりし
た時の弾力性で判断した。
【0029】尚、おからの粒子径はコールターカウンタ
ー(コールター社製)で分析した。 実施例4 実施例1と同様に、得られたトレハロース添加おから冷
凍品を解凍し、500gを90℃湯煎中で約30分間撹
拌しながら加熱し、50℃程度に冷却後、以下の豆大福
に使用した。 (豆大福の作製方法)糯米600gを1晩水に漬け、水
切り後、セイロに入れ40分間蒸し、餅状(約1kg)
にして、50℃程度に冷却し、おから230gと食塩5
gを加え搗き上げる。次に、甘茹でえんどう豆150g
加えて手で均一に混ぜ合わせ、小豆粒餡を50gずつと
り包餡する。その後、冷凍を行い保存する。2週間後に
解凍し品質を評価した。 比較例4及び5 実施例4でおからさらにはトレハロースをも加えない以
外は同じ作製方法で行った。
【0030】
【表4】 --------------------------------------------------------- 実験No. 1 比較例4 比較例5 --------------------------------------------------------- 磨砕物 おから 無添加 無添加 糖 トレハロース 無添加 トレハロース 評価 食感 ◎ × △ 硬さ ◎ × △ --------------------------------------------------------- 尚、食感、硬さとも、比較例4の冷凍前の食感、硬さを
基準に、◎はほとんど変わらない、○はやや違う、△は
良くない、×は全く駄目を表す。食感は、実際に食べた
時の感触で判断した。硬さは指で押したり、引いたりし
た時の弾力性で判断した。 実施例5 実施例1と同様に、おから(生)を得て、スプレードラ
イヤーにてパウダー状のおから(粉末)にした。これを
用いて蒸し饅頭を作製した。 (蒸し饅頭の作製方法) 実験No.1 上白糖200g、おから(生)200gとトレハロース
40gを加え木べらで均一にし、薄力粉200gと炭酸
アンモニウム6gを加え混合し生地を作製した。次い
で、白並餡を粉の生地で包餡し、10分間蒸した。冷凍
させ1週間後に評価した。 実験No.2 同様に上白糖200g、おから(粉末)30g、トレハ
ロース40g、水170gを加え木べらで均一にし、薄
力粉200gと炭酸アンモニウム6gを加え混合し生地
を作製した。次いで、白並餡を粉の生地で包餡し、10
分間蒸した。冷凍させ1週間後に解凍し評価した。 比較例6 実施例5の実験No.2でおから、トレハロースを加え
ない以外は同じ作製方法で行った。
【0031】
【表5】 --------------------------------------------------- 実験No. 1 2 比較例6 --------------------------------------------------- 磨砕物 生 粉末 無添加 糖 トレハロース トレハロース 無添加 評価 食感 ◎ ◎ × 硬さ ◎ ◎ × --------------------------------------------------- 尚、食感、硬さとも、比較例6の冷凍前の食感、硬さを
基準に、◎はほとんど変わらない、○はやや違う、△は
良くない、×は全く駄目を表す。食感は、実際に食べた
時の感触で判断した。硬さは指で押したり、引いたりし
た時の弾力性で判断した。 実施例6 カステラの作製方法 全卵1kgに上白糖700g、水飴100g、蜂蜜10
0g、トレハロース100gを加えてミキシングを行
う。八分立てになった段階で、水200g、パウダー状
おから80g、薄力粉450gを加えミキサーで低速で
混ぜ合わせる。この生地を木枠に流して180℃で焼成
する。焼成後、切り分けて−20℃で冷凍する。冷凍保
存2ヶ月後解凍し、評価した。 比較例7 実施例6でおから及びトレハロースを加えない以外は同
じ作製方法で行った。 比較例8 実施例6でおからを加えず、トレハロースを100gを
加えて同じ作製方法で行った。
【0032】
【表6】 ------------------------------------------------------ 実験No. 1 比較例7 比較例8 ------------------------------------------------------ 磨砕物 おから 無添加 無添加 糖 トレハロース 無添加 トレハロース 評価 食感 ○ × ○ 硬さ ◎ × △ ------------------------------------------------------ 尚、食感、硬さとも、比較例7の冷凍前の食感、硬さを
基準に、◎はほとんど変わらない、○はやや違う、△は
良くない、×は全く駄目を表す。食感は、実際に食べた
時の感触で判断した。硬さは指で押したり、引いたりし
た時の弾力性で判断した。 実施例7 (うどんの作製方法)うどん用小麦粉500gに対し
て、パウダー状おから40g、トレハロース15g、水
600g、食塩10gを加え混練り後、次いで製麺して
生うどんを作製した。このようにして作製された生うど
んを約10分間茹でて、すぐに冷水につけ水を切った
後、−50℃で急速凍結した。1ヶ月保存後、解凍し試
食し評価した。 比較例9 実施例4でおから及びトレハロースを加えない以外は同
じ作製方法で行った。 比較例10 実施例4でおからを加えず、トレハロースを15gを加
えて同じ作製方法で行った。
【0033】
【表7】 ----------------------------------------------------------- 実験No. 1 比較例9 比較例10 ----------------------------------------------------------- 磨砕物 おから 無添加 無添加 糖 トレハロース 無添加 トレハロース 評価 食感 ◎ × △ 硬さ ◎ × △ ----------------------------------------------------------- 尚、食感、硬さとも、比較例9の冷凍前の食感、硬さを
基準に、◎はほとんど変わらない、○はやや違う、△は
良くない、×は全く駄目を表す。食感は、実際に食べた
時の感触で判断した。硬さは指で押したり、引いたりし
た時の弾力性で判断した。 実施例8 実施例1と同様に、おから(生)を得て、これを用いて
人形焼きを作製した。 (人形焼きの作製方法)おから100gに、トレハロー
ス5g、上白糖360gを練り合わせる。次に、重炭酸
ナトリウム2.5g、重炭酸アンモニウム0.5gを全卵
420gに溶解させて徐々に加えて練り、加える途中
で、グルコノデルタラクトンを3g加える。次いで、み
りん25g、ソルビトール20g、水飴20g、菜種油
25g、パーム油70gを順次加えながら混合後、小麦
粉245gを加え、練り合わせる。人形型に生地を流し
込み、小倉餡を入れ、更に生地をその上に流し込み、型
のフタをして両面を焼く。焼き上がり後、脱酸素剤入り
の個装にし、20℃で1週間保存後、開封して試食し評
価した。 比較例11 実施例8でおから及びトレハロースを加えず、小麦粉を
350gにした以外は同じ作製方法で行った。 比較例12 実施例8でトレハロースを加えない以外は、同じ作製方
法で行った。
【0034】
【表8】 ----------------------------------------------------------- 実験No. 1 比較例11 比較例12 ----------------------------------------------------------- 磨砕物 おから 無添加 おから 糖 トレハロース 無添加 無添加 評価 食感 ◎ × ○ 硬さ ◎ × △ ----------------------------------------------------------- 尚、食感、硬さとも、比較例11の保存前の食感、硬さ
を基準に、◎はほとんど変わらない、○はやや違う、△
は良くない、×は全く駄目を表す。食感は、実際に食べ
た時の感触で判断した。硬さは指で押したり、引いたり
した時の弾力性で判断した。 実施例9 実施例1と同様に、おから(生)を得て、これを用いて
きんつばの種を作製した。 (きんつばの作製方法)白玉粉100重量部に、水20
0重量部を加え混合した。次いでおから300重量部、
トレハロース15重量部、上白糖100重量部、食塩2
重量部、卵白60重量部を加え混合した。次に、小麦粉
290重量部、水400重量部を加え、練り合わせた。
小倉羊羹(4cm×2cm×18cm)を2cm幅に切
り出し、種を容器に流し、小倉羊羹に一面づつつけなが
ら、順次、6面を平鍋で焼く。これを脱酸素剤入りの個
装にし、20℃で1週間保存後、開封して試食し評価し
た。 比較例13 実施例9でおから及びトレハロースを加えず、小麦粉を
33重量部gにした以外は実施例9同じ作製方法で行っ
た。 比較例14 実施例9でトレハロースを加えない以外は、実施例9と
同じ作製方法で行った。
【0035】
【表9】 ----------------------------------------------------------- 実験No. 1 比較例13 比較例14 ----------------------------------------------------------- 磨砕物 おから 無添加 おから 糖 トレハロース 無添加 無添加 評価 食感 ◎ × ○ 硬さ ◎ × △ 生地の剥離 なし あり なし ----------------------------------------------------------- 尚、食感、硬さとも、比較例11の保存前の食感、硬さ
を基準に、◎はほとんど変わらない、○はやや違う、△
は良くない、×は全く駄目を表す。食感は、実際に食べ
た時の感触で判断した。硬さは指で押したり、引いたり
した時の弾力性で判断した。生地の剥離とは、餡に生地
の付きが悪くなり、分離することの有無で判断した。こ
れが起こると商品価値が低下する。
【0036】
【発明の効果】本発明の澱粉老化防止用組成物は、従来
の老化防止剤に比べ、相乗的な効果により優れた効果を
持つ特徴があり、それを用いて作製した澱粉含有食品
は、澱粉質由来の本来の風味・食感を失うことなくべた
つきの少ない、こしのある優れた品質を備えているもの
とすることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A23L 1/16 A23L 1/16 A 1/20 1/20 A (72)発明者 宮部 正明 大阪府泉佐野市住吉町1番地 不二製油株 式会社阪南工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】おから含有粒子とトレハロースを含有する
    澱粉老化防止用組成物。
  2. 【請求項2】おから含有粒子の乾燥固形分100重量部
    に対してトレハロースが30重量部〜300重量部であ
    る請求項1の老化防止用組成物。
  3. 【請求項3】おから含有粒子の平均粒子径が50ミクロ
    ン以下である請求項1又は請求項2の老化防止用組成
    物。
  4. 【請求項4】おから含有粒子が大豆、脱脂大豆あるいは
    おからを磨砕したものである請求項3の老化防止用組成
    物。
  5. 【請求項5】澱粉含有食品におから含有粒子とトレハロ
    ースを添加することを特徴とする澱粉含有食品の老化防
    止法。
  6. 【請求項6】おから含有粒子とトレハロースの合計量が
    澱粉含有食品中の澱粉質100重量部に対して乾燥固形
    分として10重量部〜100重量部である請求項5の老
    化防止法。
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