JP4131947B2 - 冷凍喫食用焼成食品及びそれを用いた組合せ冷菓 - Google Patents
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つまり、特許文献3においては、段落0008から明らかなように、小麦粉中に強力粉を用い、更に卵白や大豆蛋白などの熱凝固性蛋白を用いることにより、生地比重の低下に起因する焼成後の焼け縮みを防止して冷凍下で固くなるのを、防止するものである。
更には、この方法では、生地比重が0.4以下の軽い生地の場合には、元々の生地の気泡含有量によって、ある程度の軟らかい食感を呈するが、しっとりとした柔らかい食感にまで至らず、パサついた食感となる。また、加熱板もしくは加熱型で直接焼成する、パン
ケーキ類(ホットケーキ、クレープ等)、どら焼、和風型焼き物(今川焼、鯛焼き等)、洋風型焼き物(ワッフルなど)などのような生地比重が0.4よりも重い生地に転用した場合には、冷凍下で柔らかい食感とはならないという欠点がある。
また、本発明によれば、鉄板等に油を引かなくても焼き上がった生地が剥離しやすい。従って、凹凸のある加熱型で焼成した場合でも、油を引いたり、型内を清掃することなく、連続して焼成食品を焼成し、型からの取り出しをスムーズに行える。また、手に持った時、油や糖に由来するベタつきがなく喫食でき、手を汚さない。
更には、冷凍下でも非常にしっとりした柔らかい食感となり、これをアイスクリームなどの柔らかい食感の冷菓と組み合わせても、違和感の無い好ましい軟らかさを呈する。
本発明の冷凍喫食用焼成食品は、ブドウ糖と大豆蛋白とを含有する。
この中でも、一般に、焼き色のむらや剥離性の点で問題となる、生地比重が0.4よりも重い生地を加熱板もしくは加熱型を用いて直火加熱してなる焼成食品(例えば、パンケーキ類(ホットケーキ、クレープ等)、どら焼、和風型焼き物(今川焼、鯛焼き等)、洋風型焼き物(ワッフルなど)等)であっても、本発明においては上記問題を生じさせることがないため、好適に採用することができる。
なお、本発明において、加熱板もしくは加熱型を用いて直火加熱とは、板もしくは型自体が直接加熱され、加熱された板もしくは型の熱によって該板上もしくは型内の生地を加熱することを意味する。
上記ブドウ糖としては、精製ブドウ糖、含水結晶ブドウ糖、無水結晶ブドウ糖等が挙げられる。この中でも、DE96%以上のものは、ブドウ糖含有率が高く好適である。なお、本発明においては、上記ブドウ糖以外に、ブドウ糖を含有する糖類を用いてもよい。ブドウ糖含有糖類製品としては、粉末水あめ、液糖等が挙げられる。上記ブドウ糖含有糖類製品を用いる場合、ブドウ糖含有量は、ブドウ糖換算で下記範囲となるようにすればよい。
上記ブドウ糖の含有量は、冷凍喫食用焼成食品全体重量中3〜8重量%であることが重要で、更に好ましくは3.5〜7.5重量%であることが望ましい。また、より好ましくは、対小麦粉比率で、小麦粉100に対して10〜20であることが望ましい。すなわち、この範疇とすることにより、冷凍下での柔らかい食感を呈し、且つ焼き色、剥離性及び生焼け防止の点で良好である。
形態としては、粉末状、粒状、繊維状、濃縮物等が挙げられるが、粒状、繊維状の組織蛋白ではなく、粉末状、濃縮物の大豆蛋白の方が焼成食品生地中への溶解性の点で好適である。
粉末状大豆蛋白製品としては、例えば、日清コスモフーズ(株)製の「ソルピー600」、「サンラバーシリーズ」「ニューフジプロシリーズ」「SUPROシリーズ」「フジプロシリーズ」「フジソフトシリーズ」「大豆蛋白プロテナー200」(フジピュリナプロテイン(株)製)等の水溶性の高い大豆蛋白製品が挙げられる。なお、各種大豆蛋白製品を用いる場合は、大豆蛋白量換算で下記範囲となるようにすればよい。
大豆蛋白の含有量は、冷凍喫食用焼成食品全体重量中0.4重量%以上であることが重要であり、更に好ましくは、0.5〜1重量%であることが望ましい。また、より好ましくは、対小麦粉比率で、小麦粉100に対し2以上であることが望ましい。すなわち、この範疇とすることにより、食感、焼き色及び剥離性の点で良好である。
、油脂等の焼成食品のボディ形成原料及び副原料等が用いられる。なお、これらは焼成食品の種類により、適宜選択して用いればよい。
上記小麦粉は、冷凍喫食用焼成食品全体重量中、好ましくは20〜30重量%、更に好ましくは25〜27重量%であることが、安定なボディを形成する点で望ましい。
また、糖類の含有量は、冷凍喫食用焼成食品の全体重量中、好ましくは19〜22重量%であり、更に好ましくは、対小麦粉比率で、小麦粉100に対して100〜122であることが、食感及び安定なボディを形成させる点で好適である。
上記卵の含有量は、冷凍喫食用焼成食品全体重量中、好ましくは8〜10.5重量%であり、更に好ましくは、対小麦粉比率で、小麦粉100に対して80〜120であることが、安定なボディを形成させる点、起泡の安定性を得る点で好ましい。
上記油脂の含有量は、冷凍喫食用焼成食品全体重量中、好ましくは20〜29%、
更に好ましくは、対小麦粉比率で、小麦粉100に対して120〜140であることが、起泡の安定性、剥離性、冷凍下での柔らかい食感、常温保管時の保形性を得る点で好ましい。
オールインミックス法の場合は、ブドウ糖と、大豆蛋白と、小麦粉、糖類、卵、油脂等
のボディ形成原料と、適宜副原料とを混合する。なお、固体脂等を用いる場合は、別途加温溶解して添加すればよい。
別立て法、共立て法の場合は、卵白もしくは全卵と糖類を予め混合して、泡立て、その後他の原料を混合する。
シュガーバッター法の場合は、油脂と糖類、卵を攪拌した後、その他の原料を混合する。
また、水分添加量は、ボディ生地全体重量中の水分含量が、オーブン等の間接加熱する焼成食品の場合は、好ましくは10〜40重量%、加熱板もしくは加熱型を用いて直火加熱する焼成食品の場合は、好ましくは30〜35重量%程度となるように調整されることが、良好な食感、安定なボディを得る点で好適である。
混合条件は、焼成食品の種類により適宜決定すればよいが、オーブン等で間接加熱する焼成食品の場合は、生地比重が好ましくは0.3〜0.35程度となるように混合することが望ましい。また、鉄板等の加熱板もしくは加熱型を用いて直火加熱する焼成食品の場合は、生地比重が好ましくは0.4〜0.8、更に好ましくは0.7〜0.8程度となるように混合することが望ましい。上記条件とすることにより、後工程において生地が均一に焼成され、冷凍下でも柔らかな食感となり好適である。
エージング条件としては、焼成食品の種類に応じて適宜設定すればよいが、生地温度が30〜50℃で、15〜60分間とすることが好適である。
焼成方法は、オーブン等での間接加熱や、鉄板、ホットプレート、フライパン等の加熱板もしくは加熱型を用いての直火加熱等が挙げられ、焼成食品の種類に応じて適宜選択すればよい。
焼成条件は、焼成食品の種類に応じて適宜設定すればよいが、間接加熱するタイプのものは、スポンジケーキの場合170℃程度で30分程度、バターケーキの場合165℃程度で1時間程度とすればよい。また、直火加熱するタイプのものは、160℃程度で数十秒〜5分程度とすればよい。
組合せ冷菓の形態としては、冷凍喫食用焼成食品で冷菓を挟む、包む、巻く、冷凍喫食用焼成食品の上に冷菓を載せる、冷菓喫食用焼成食品内部に冷菓を充填する等が挙げられる。
、乳成分の含有量などによってアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓などに分類されるがいずれの規格であってもよい。
また、上記冷菓は、常法によって調製されたものでよい。
まず、予め調製した冷菓喫食用焼成食品と、冷菓とを準備する。次いで、両者を所望の形態に組合せ、冷凍庫で冷凍させる。
まず、表1に示す原料組成のうち、マーガリン及び液体マーガリンを除く全ての原料組成をケーキミキサーで均一になるまで混合して、予め溶解したマーガリン及び液体マーガリンを添加し、生地比重が表1に示すようになるまで更に混合し、ボディ生地を得た。
次いで、上記ボディ生地を、生地温度30〜50℃で30分間エージング後、ワッフル型の鉄板に生地を20g充填し、直火で160℃4分焼成することによりワッフルを調製した。
得られたワッフルを常温になるまで放冷後、市販のアイスクリームを2枚のワッフルで挟み、冷凍庫で−20℃1昼夜保管後、取り出して直ちに専門パネラー20名で喫食し、その評価を行った。
その結果を表1に合わせて示す。
これに対し、比較例品は、外面が焦げ付いて剥離性が悪かったり、生地内部が生焼けであったりした。また、冷凍下での食感が悪く、アイスクリームとの一体感も得ることができなかった。
Claims (3)
- ブドウ糖と大豆蛋白とを含有する冷凍喫食用焼成食品であって、該冷凍喫食用焼成食品が起泡タイプの焼成食品であり、かつ該冷凍喫食用焼成食品全体重量中、ブドウ糖3〜8重量%、大豆蛋白0.4重量%以上を含有してなることを特徴とする冷凍喫食用焼成食品。
- 上記冷凍喫食用焼成食品が、加熱板もしくは加熱型を用いて直火加熱によって焼成される食品である請求項1記載の冷凍喫食用焼成食品。
- 上記請求項1又は2記載の冷凍喫食用焼成食品と冷菓とを組み合わせてなる組合せ冷菓。
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