JP3164521B2 - ウエハースシート及びその製造方法 - Google Patents

ウエハースシート及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウエハースシート
及びその製造方法に関する。本発明は、特に、溶解度の
低い糖アルコール及び/又は溶解度の低い糖を含有する
ウエハースシート及びその製造方法に関する。本発明の
ウエハースシートは、焼型プレートからの離型性が良好
で、焦げ粉が生じず、離型後に歪みが生じることもな
く、しかも、甘味があり、サクサクした歯触りを有して
いるため、風味及び食感ともに優れたものである。
【0002】
【従来の技術】ウエハースシートとは、一般的に、薄い
板状の軽い焼き菓子のことをいい、ウエハーとも呼ばれ
ている。ウエハースシートは、小麦粉、粉乳、卵黄、膨
張剤、塩、香料等(少量の油脂を添加する場合もある)
の原料を混合し、水を加えて生地の濃度を調整し、上下
2枚の焼型プレートに流し込んで、薄板状に焼き上げる
ことにより製造される。ウエハースシートは、アイスク
リーム等の口直しとして添えられることがあるくらい
で、そのまま食すことは稀である。一般的には、油脂と
粉糖からなるクリーム、高濃度の砂糖シロップをゼラチ
ンで固めたゼリー、チョコレートまたはキャラメル等
を、ウエハースシートに1層〜3層にサンドしたものが
市販されている。また、ウエハースシートは消化の良い
菓子であるため、病人や離乳期の幼児の食品として適し
ており、最近では、ウエハースシートやサンドクリーム
にカルシウムを添加した栄養補助食品等も市販されてい
る。
【0003】しかしながら、従来のウエハースシート
は、表1(S.A.Matz & T.D.Matz, Cookie & Cracker Te
ch.180〜183,1987)に示すように、砂糖を配合しておら
ず、しかも、小麦粉の配合量が他の材料に比較して著し
く多いため、甘みがなく、味が淡白な上に、小麦粉臭が
強いものであった。また、食感の面でも、付着性、凝集
性があり、パサパサして歯に付きやすく、必ずしも好ま
しいものではなかった。風味や食感を改善するために、
砂糖やタンパク質を多く配合すると、焼成中に焦げを生
じたり、焼型プレートからのウエハースシートの離型性
が低下する等、機械適性が悪くなり、さらに、焼成後に
ウエハースシートに歪みが生じる等の問題があった。
【0004】
【表1】 ウエハースシートの一般的配合例 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 原材料 配合量(重量%) 小麦粉 100 重曹 0.38 炭酸アンモニウム 0.22 脱脂粉乳 1.8 全脂粉乳 0.5 コーンスターチ 1.7 乾燥卵黄 0.96 食塩 0.32 レシチン 0.13 ココナッツ油 0.8 水 135 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 合 計 241.81 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような現状におい
て、甘味があり、食べたときにサクサクしていて、風
味、食感ともに良好で、しかも、焼型プレートからの離
型性が良好で、焦げ粉が生じず、離型後も歪みが生じる
ことのないウエハースシートが望まれているが、そのよ
うなウエハースシートやその製造方法は未だ知られてい
ない。従って、本発明は、そのまま食べても美味しく、
特に甘味があり、サクサクした歯触りを有し、風味、食
感ともに優れ、しかも、焼型プレートからの離型性が良
好で、焦げ粉を生じず、離型後も歪みが生じないウエハ
ースシートを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、ウエハースシートの原料中に、砂糖に代え
て、溶解度が100以下の糖アルコール及び/又は溶解
度が100以下の糖を2〜10重量%配合することによ
り、上記の課題を解決することができることを見出し、
本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、溶解度
が100以下の糖アルコール及び/又は溶解度が100
以下の糖を2〜10重量%含有し、焼型プレートからの
離型性が良好で、焦げ粉が生じず、離型後に歪みが生じ
ることもなく、しかも、甘味があり、サクサクした歯触
りを有することを特徴とするウエハースシートである。
本発明はまた、溶解度が100以下の糖アルコール及び
/又は溶解度が100以下の糖を、生地当り2〜10重
量%添加することを特徴とする焼型プレートからの離型
性が良好で、焦げ粉が生じず、離型後に歪みが生じるこ
ともなく、しかも、甘味があり、サクサクした歯触りを
有するウエハースシートの製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明において、ウエハースシートとは、表面が
平滑または網目模様の板状の焼き菓子のことをいい、ウ
エハースとは、ウエハースシートの間に、クリーム、チ
ョコレート、キャラメル、ゼリー等をサンドしたものを
いい、形態は一般に市販されているものとほぼ同様であ
る。
【0008】本発明のウエハースシートは、溶解度が低
い糖アルコール及び/又は溶解度が低い糖を含有するこ
とを特徴とする。糖アルコールとは、糖の分子内に存在
する還元性末端基に水素を付加(水素付加または還元)
してアルコール基(−OH基)とすることにより得られ
る糖質の総称であり、原料となる糖により異なった種類
のものが得られる(例えば、砂糖からソルビトール、マ
ンニトール、麦芽糖からマルチトール、水あめから還元
水あめ、キシロースからキシリトール、乳糖からラクチ
トール、パラチノースからパラチニット等)。尚、本発
明において、「溶解度」とは、20℃における水100
gに対する溶解量(g)をいう。本発明において使用さ
れる溶解度が低い糖アルコールとしては、溶解度が15
0以下のもの、特に100以下のものが好ましい(試験
例3参照)。そのような糖アルコールの例としては、マ
ンニトール(溶解度:18)、パラチニット(溶解度:
24)、エリスリトール(溶解度:60)、マルチトー
ル(溶解度:114)等を挙げることができる。本発明
において使用される溶解度が低い糖としては、特に、溶
解度が100以下のものが好ましく、例えば、乳糖(溶
解度:21)、パラチノース(溶解度:39)、トレハ
ロース(溶解度:69)、マルトース(溶解度:72)
等を挙げることができる。このような糖アルコール及び
糖は、一方または両者を併用することができ、これらの
1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0009】ここで、本発明において使用することがで
きる糖アルコール、糖の溶解度、甘味度、褐変の程度、
吸湿性を、砂糖とともに表2に示す。表2に示すよう
に、砂糖の溶解度は199であり、本発明に用いること
のできる糖アルコールや糖に比べて非常に高い値であ
る。砂糖のように溶解度の高い糖は、食品中で水と結合
する力が強いので、それらを食品に添加して焼成した場
合、糖が水を保持し、水分の蒸発が緩慢となり、焼成後
も水分が均一に蒸発しにくくなる。このため、ウエハー
スシートのような薄い食品は、焼成後にも部分的に歪み
を生じる。さらに、水分の蒸発が緩慢なことから、ウエ
ハースシートの湿潤性が高くなり、焼型に付着し、離型
性が悪く、付着成分由来の焦げ粉を生じることとなる。
従って、砂糖のような溶解度の高い糖に代えて、このよ
うな溶解度の低い糖アルコールや糖を使用すると離型
性、焦げ粉、歪み等の問題を解決することができるので
ある。
【0010】
【表2】
【0011】また、糖アルコール及び/又は糖の添加量
は、生地当り2〜10重量%(以下、「生地当り」を省
略する)、特に5〜10重量%であることが好ましい
が、溶解度が100以上150未満の糖アルコールの場
合には、5重量%以下、特に2〜5重量%とすることが
好ましい。添加量が2重量%未満では、甘味を付与する
ことができず、ウエハースシートの表面に好ましい焼き
色がつかない。また、10重量%より多くなると、甘味
が強くなりすぎると同時に、硬くなりすぎて、食感上好
ましくなく、離型後に歪みを生じる。
【0012】尚、マルトースやパラチノース等の糖は、
還元末端を有しているため、焼成時に褐変し、好ましい
焼き色を付与することができるが、エリスリトールやマ
ンニトール等の糖アルコールは、還元末端を有していな
いため、褐変し難く、好ましい焼き色を付与することが
できない。従って、糖アルコールを配合する場合には、
少量のブドウ糖や砂糖を1〜3重量%併用することによ
り、好ましい焼き色を付与することができる。
【0013】本発明のウエハースシートは、溶解度が低
い糖アルコール及び/又は溶解度が低い糖を使用するこ
と以外は、原料についても製造方法についても、特に限
定されず、慣用の原料及び方法を用いて製造することが
できる。以下に、本発明のウエハースシートの製造方法
の例を示す。ウエハースシートの生地は、原料ミキサー
やスラリーミキサーに水を入れ、そこに篩いにかけた粉
類及び膨張剤を混合、溶解し、さらに、溶解度の低い糖
アルコール及び/又は溶解度の低い糖を添加し、さらに
乾燥全卵、食塩等を加え、軽く攪拌した後、最後に、乳
化剤と加熱溶融させた油脂類を加え、攪拌して得ること
ができる。この場合、ミキサーの回転数は100〜20
0rpm、攪拌時間は2〜5分間とすることが好ましい。
卵としては、通常の鶏卵の全卵、卵黄、またはこれらを
乾燥させたものを使用することが好ましく、特に乾燥卵
黄が好ましい。卵の添加量は、1〜5重量%が好まし
い。粉類としては、小麦粉、コーンスターチ、上新粉、
馬鈴薯澱粉等の穀粉を適宜使用することができる。粉類
の添加量は、30〜50重量%の範囲であればよい。油
脂類は、サラダ油、バター、マーガリン、ショートニン
グ等の食用油脂であれば適宜使用することができる。油
脂の添加量は、1重量%以下でよい。また、目的とする
ウエハースシートに応じて、ブドウ糖、砂糖、膨張剤、
乳化剤、食塩等を適宜添加することができる。さらに、
風味の点から、果汁、ココア、高甘味度甘味料、脱脂粉
乳、全脂粉乳、酸味料等を、また、栄養強化の目的か
ら、ビタミン類、ミネラル類、野菜粉末、小麦胚芽、オ
リゴ糖等を、さらに、嗜好性の向上の目的から、色素等
を添加することもできる。また、水は50〜60重量%
添加すればよく、水の一部を牛乳とすることもできる。
牛乳を添加すると、焼成時の褐変反応を促進するため、
好ましい焼き色を付与することができる。また、牛乳の
代りに、粉乳や煉乳等の乳製品を添加してもよい。いず
れも添加量は、1〜2重量%がよく、添加しすぎると、
焼成時に焦げが生じるので、好ましくない。
【0014】次いで、得られたウエハース生地を、送液
ポンプでウエハースオーブン下部加熱プレート上にパイ
プノズルから流し、上部加熱プレートで圧着することに
より焼成することができる。これを冷却して、ウエハー
スシートが得られる。さらに、このようにして得られた
ウエハースシートに、クリーム等をサンドして、3〜5
層とした後、カッティング、包装することにより、ウエ
ハースを得ることができる。
【0015】本発明のウエハースシートは、風味及び食
感が良好であるので、そのまま食してもよく、また、ク
リーム、チョコレート、キャラメル、ゼリー等をサンド
してもよい。また、栄養強化を図るためには、サンドす
るクリーム等やウエハースシートにカルシウム、鉄等の
ミネラル成分や食物繊維等を添加すればよく、さらに、
クリームにはビタミン類、乳酸菌等を適宜添加すること
もできる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。 実施例1 冷水(15℃)140Lを入れた原料ミキサー(TS−
200;高藻鉄工(株)製)に、篩いにかけたベーキン
グパウダー(愛国(株)製)0.5kgと小麦粉(日清
製粉(株)製)85kgを加え、混合、溶解した。これ
にエリスリトール(日研フード(株)製)を生地当り
2、5、8、10、12重量%をそれぞれ添加し、さら
に、乾燥全卵(キューピー(株)製)5kgと食塩0.
2kgを加え、最後に加熱溶融させたショートニング
(不二製油(株)製)1kgを加え、回転速度120r
pmで約2分間攪拌して、ウエハース生地を調製した。
次に、得られたウエハース生地を、送液ポンプを用いて
ウエハースオーブン(40型スラット式;高藻鉄工
(株)製)の170℃に加熱した下部加熱プレート上
に、パイプノズルから流し、170℃に加熱した上部加
熱プレートで圧着し、約3分間焼成した。焼成後、ウエ
ハースシートを室温で放冷した。同様にして、エリスリ
トールの代りに砂糖8重量%を添加したものを焼成し、
比較例1とした。また、糖類を添加しないものも同様に
焼成し、比較例2とした。
【0017】試験例1 実施例1で得られたエリスリトールの添加量の異なる各
ウエハースシートについて、冷却後の歪みを測定した。
歪みの測定は、それぞれ焼成した10枚のウエハースシ
ートのうち、任意に選んだ5枚のシートを重ね、高さを
測定した。この作業を5回行い、全体の平均値を算出し
た。歪みのない理想的な1枚2.5mmのウエハースシー
トを5枚重ねた値(12.5mm)を基準値とし、この基
準値に対するウエハースシート5枚の平均値を歪率とし
た。尚、比較例1及び2についても同様に測定を行っ
た。結果を表3に示す。
【0018】
【表3】 歪率測定結果 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 測 定(回) 試 料 1 2 3 4 5 (エリスリトール添加量) 高さ(mm) 平均値 歪率* −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料1(2重量%) 15 16 15 16 15(mm) 15.4(mm) 123(%) 試料2(5重量%) 15 16 16 16 15 15.6 124 試料3(8重量%) 16 16 15 16 15 15.6 124 試料4(10重量%) 16 17 15 16 16 16.0 128 試料5(12重量%) 20 21 19 20 22 20.4 163 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較例1(砂糖8重量%) 25 31 22 38 28 28.8 230 比較例2(糖無添加) 14 15 16 16 15 15.2 121 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− *歪率=ウエハースシート5枚の平均値/ 歪みのないウエハースシート5枚の高さ(12.5mm)
【0019】表3から明らかなように、エリスリトール
を添加した試料1〜5は歪みが非常に小さく、特に、エ
リスリトールの添加量が生地に対して2〜10重量%で
ある試料1〜4は歪みがほとんどなく、歪率は糖を添加
していない比較例2と同程度であった。また、砂糖を添
加した比較例1では、表面にかなり歪みを生じ、歪率も
大きく、焦げ粉も生じ、外観上好ましいものではなかっ
た。これらの結果から、エリスリトール等の糖アルコー
ル類を使用することは、ウエハースシートの焼成後の歪
み防止に非常に有効であることが判明した。さらに、そ
の添加量は、特に、生地当り2〜10重量%が好ましい
ことが判明した。
【0020】試験例2 エリスリトールの添加量を8重量%とし、実施例1と同
様の配合及び方法で得られたウエハースシートを本発明
品1とした。この本発明品1と、実施例1の比較例1及
び比較例2のウエハースシートについて、その嗜好性を
比較するために、官能評価を行なった。官能評価は、2
0人の専門パネラーにより、小麦粉臭、焦げ臭等の風
味、サクサクとした食感等の組織について、好ましい;
2点、やや好ましい;1点、どちらともいえない;0
点、やや好ましくない;−1点、好ましくない;−2点
の5段階評価を行い、その平均値で示した。結果を表4
に示す。
【0021】
【表4】
【0022】表4から明らかなように、エリスリトール
を添加した本発明品は、適度なカラメル風味とサクサク
した歯触りを有しており、風味、組織の点で、糖類を添
加しない比較例2に対し、有意に好まれた。比較例2
は、歯に付き、サクサク感もなかった。尚、本発明品
は、砂糖を添加した比較例1とは、風味及び食感の点で
有意差がなかったが、比較例1では焦げ粉が生じたた
め、外観的に好ましくなかった。
【0023】試験例3 実施例1のエリスリトール添加に代えて、エリスリトー
ル(日研フード(株)製)、トレハロース(林原(株)
製)、マルチトール(林原(株)製)、ラクチトール
(日研化学(株)製)または砂糖を各々5重量%及び1
0重量%添加したこと以外は、実施例1と同様の配合及
び方法により、ウエハースシートを得た。得られた各ウ
エハースシートについて、歪み、焦げ粉を目視で観察し
た。結果を表5に示す。尚、使用した糖アルコール類
び糖類の溶解度は次に示す通りである。エリスリトー
ル;60、トレハロース;69、マルチトール;11
4、ラクチトール;175、砂糖;199。
【0024】
【表5】 糖アルコール及びその添加量による歪み、焦げ粉 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 添加量 5重量% 10重量% −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 歪み 焦げ粉 歪み 焦げ粉 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− エリスリトール 無し 無し 無し 無し トレハロース 無し 無し 無し 無し マルチトール 無し 無し 有り 有り ラクチトール 有り 有り 有り 有り 砂糖 有り 有り 有り 有り −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0025】表5から明らかなように、添加量を5重量
%とした場合、エリスリトール、トレハロース、マルチ
トールを添加して得られたウエハースシートは、歪みを
生じず、焦げ粉もなく、外観上好ましいものであった。
一方、ラクチトールを添加して焼成したウエハースシー
トは、砂糖を添加したものと同様に、シートに歪みと焦
げ粉が生じ、外観上好ましいものではなかった。また、
添加量を10重量%とした場合、エリスリトール、トレ
ハロースを添加して得られたウエハースシートは、歪み
も焦げ粉もなく、外観上好ましいものであったが、マル
チトール、ラクチトールを添加して焼成したウエハース
シートは、砂糖を添加したものと同様に、歪み、焦げ粉
が生じた。これらの結果から、本発明において使用する
糖アルコール類の溶解度は、マルチトールとラクチトー
ルの溶解度の中間の値以下とすること、即ち、150以
下であることが好ましいことが示唆された。
【0026】実施例2 水140L、トレハロース(林原(株)製)10kg、ブド
ウ糖(昭和産業(株)製)0.4kg、乾燥全卵((株)キュ
ーピー製)5kg、ショートニング(不二製油(株)製)1
kg、ベーキングパウダー(愛国(株)製)0.5kg、食塩
0.2kg、小麦粉(日清製粉(株)製)85kgを原料と
し、実施例1と同様の方法でウエハースシートを焼成し
た。次いで、得られたウエハースシートに、コーティン
グマシン(高藻鉄工(株)製)で下記のクリームを塗布し
て3層とし、圧延ローラー(高藻鉄工(株)製)でウエハ
ースシートとクリームを圧着した。これを20×100
cmにカットし、ピロー包装した。ウエハースシートにサ
ンドしたクリームは、ショートニング(不二製油(株)
製)4kgに、粉糖1.25kg、カルシウム(白石カルシ
ウム(株)製)1kg、鉄(富田製薬(株)製)0.3kg、オ
リゴ糖((株)ヤクルト本社製)0.8kg、食物繊維(カ
ルターフーズ(株)製)0.8kg及びビタミン類(日本ロ
シュ(株)製)60mgを混合したものに、湯せんで溶かし
たチョコレートを加え、さらに混合することにより得
た。このようにした得られたウエハースは、焦げ粉、小
麦粉臭もなく、適度なカラメル風味を有しており、風味
が良好で、サクサクしていて食感も良好で、大変好まし
いものであった。
【0027】実施例3 トレハロースの代りにマルトース(日本食品工(株)
製)を10kg添加する以外は、実施例2と同様の配合
及び方法でウエハースシートを焼成した。得られたウエ
ハースシートは、歪みを生じず、焦げ粉もなく、適度な
カラメル風味を有しており、風味が良好で、食感もサク
サクした歯触りを有しており、大変好ましいものであっ
た。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、砂糖に代えて、溶解度
の低い糖アルコール及び/又は溶解度の低い糖を使用す
ることにより、ウエハースシートの焼型プレートからの
離型性が良好で、焦げ粉がなく、離型後も歪みが生じ
ず、しかも、甘味を有し、クリーム等をサンドしなくて
も美味しく、サクサクとした歯触りを有し、風味、食感
ともに優れたウエハースシートを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−370064(JP,A) 特開 平4−144633(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A21D 2/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶解度が100以下の糖アルコール及び
    /又は溶解度が100以下の糖を2〜10重量%含有
    し、焼型プレートからの離型性が良好で、焦げ粉が生じ
    ず、離型後に歪みが生じることもなく、しかも、甘味が
    あり、サクサクした歯触りを有することを特徴とするウ
    エハースシート。
  2. 【請求項2】 溶解度が100以下の糖アルコール及び
    /又は溶解度が100以下の糖を、生地当り2〜10重
    量%添加することを特徴とする焼型プレートからの離型
    性が良好で、焦げ粉が生じず、離型後に歪みが生じるこ
    ともなく、しかも、甘味があり、サクサクした歯触りを
    有するウエハースシートの製造方法。
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