JPH1135789A - 人造大理石用組成物及びその硬化方法 - Google Patents

人造大理石用組成物及びその硬化方法

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JPH1135789A
JPH1135789A JP23994997A JP23994997A JPH1135789A JP H1135789 A JPH1135789 A JP H1135789A JP 23994997 A JP23994997 A JP 23994997A JP 23994997 A JP23994997 A JP 23994997A JP H1135789 A JPH1135789 A JP H1135789A
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JP
Japan
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substituted
composition
group
artificial marble
parts
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JP23994997A
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English (en)
Inventor
Yukinori Saitou
行令 斉藤
Kazuhiko Oga
一彦 大賀
Shuichi Sugita
修一 杉田
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期にわたる熱水との接触によっても色の変
化を起こさず、注型法で得られる人造大理石と同等以上
の透明感及び表面平滑性を有する製品を、加熱加圧成形
法以上の生産性で得ることが可能な人造大理石用組成物
及びその硬化方法を提供すること。 【解決手段】 従来人造大理石用組成物に用いられてい
る特定の構造の熱重合開始剤と、可視光領域に吸収を有
する特定の構造を持つ光重合開始剤を組み合わせて用い
ることによって上記問題が解決することを見い出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光照射により硬化
が可能な人造大理石用組成物及びその硬化方法に関す
る。更に詳しくは、本発明は顔料などが含まれていて
も、厚みが1.5cm程度でも、短時間かつ低温で光硬
化が可能な人造大理石用組成物及び光照射による硬化方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に人造大理石とは、硬化性樹脂と無
機及び/または有機充填材等を混合し、それを板状など
に成形、硬化したものであって、天然大理石のような透
明感を有する白色、乳白色、若干の着色またはマーブル
模様の色調を備えたものをいう。近年、洗面台や浴槽な
どの住宅機器や装飾品等に用いられる等、その需要が増
大している。人造大理石の詳細については、「強化プラ
スチックス」1995年6月号 181〜184頁に記
載されている。
【0003】従来人造大理石には、硬化性(メタ)アク
リル樹脂をベースとしたものと不飽和ポリエステル樹脂
またはビニルエステル樹脂をベースとしたものがある。
中でも不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹
脂をベースにした人造大理石は、複雑な形状への対応の
しやすさ、耐熱性や外観に優れるなどの特徴から近年需
要の伸びが著しい。
【0004】不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエス
テル樹脂をベースとした人造大理石の製法には、注型法
と加熱加圧成形法がある。
【0005】注型法とは、不飽和ポリエステル樹脂また
はビニルエステル樹脂、充填材、ガラス粉体、及び熱重
合開始剤とを混合した後、型に流し込み、加熱硬化、成
形する方法である(例えば特開平7−33498)。注
型法により製造される人造大理石は、その透明性、表面
の平滑性に優れるという特徴を持つ。しかし重合開始剤
として、過酸化物をはじめとする熱重合開始剤を用いる
ため、硬化時間が約1.0〜1.5時間と長く、生産性
が著しく低いという欠点がある。
【0006】一方加熱加圧成形法とは、注型法と同様の
原料組成物をプレス機を用いて高温高圧下に成形する方
法である。硬化時間が7〜15分と注型法に比べて短
く、生産性が高いことが特徴である(例えば特開平6−
3130)。
【0007】しかし組成物が硬化する際の硬化収縮や、
冷却に伴う熱収縮に起因して、樹脂と充填材の界面の接
着不良が発生したり、得られた製品の透明感が低かった
りする。また、表面平滑性を損ねたり、クラックが入る
などの欠陥が生じることもある。これらの問題点を解決
するため、最近では熱可塑性樹脂を低収縮化剤として添
加し、表面平滑性の維持やクラックの防止を図る試みが
見られる。だが熱可塑性樹脂を添加した場合、製品の透
明性が更に低下し、人造大理石としては注型法で得られ
る透明感とは、ほど遠いものしか得ることができないと
いう欠点がある。更に、加熱加圧成形法の欠点として多
額の設備費が必要である点が挙げられる。
【0008】一方、低温かつ短時間で重合性組成物の硬
化反応を行わせることの出来る、紫外光、可視光等の光
硬化を利用する方法が提案されている(例えば、H.Shre
iber, Plastverarbeiter 33(4)404 198
、特開平2−97503号)。
【0009】人造大理石の製造に光硬化反応を利用する
ことは従来知られていなかったが、本発明者らは既に、
一般式(1)で表されるビスアシルホスフィン系光重合
開始剤を含む人造大理石用組成物及びその硬化方法につ
いての提案を行っている(特願平8−51931)。こ
の提案によると、注型法で得られる人造大理石と同等以
上の透明感及び表面平滑性を有する製品を、加熱加圧成
形法以上の生産性で得ることが可能であるが、組成物が
光透過性が十分でない場合あるいは光照射量が十分でな
い場合など、硬化が十分でなくなり、外見上は全く問題
がなく従来の使用方法では実用上も問題がない場合で
も、近年広範に使用されつつあるいわゆる「24時間風
呂」に代表される従来考えられなかった長期間にわたる
熱水との接触などによって退色、黄変等の色の変化を起
こす場合があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は人造大理石を
製造する際の、上記問題点を解決するものである。すな
わち、本発明によれば、長期にわたる熱水との接触によ
っても色の変化を起こさず、注型法で得られる人造大理
石と同等以上の透明感及び表面平滑性を有する製品を、
加熱加圧成形法以上の生産性で得ることが可能な人造大
理石用組成物及びその硬化方法を提供することが可能で
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は人造大理石
を製造する際の上記問題点を解決すべく検討を重ねた結
果、従来人造大理石用組成物に用いられている特定の構
造の熱重合開始剤と、本発明者らが先に提案した可視光
領域に吸収を有する特定の構造を持つ光重合開始剤を組
み合わせて用いることによって上記問題が解決すること
を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち本発明によると、重合性不飽和化
合物、無機及び/または有機充填材、光重合開始剤であ
る下記一般式(1)のビスアシルホスフィンオキサイド
化合物及び特定の熱重合開始剤を含有することを特徴と
する光硬化性人造大理石組成物、
【0013】一般式(1);
【化2】 (式中、R1 〜R3 はそれぞれ独立してアルキル基、ア
リール基、アリル基、アラルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、複素環基、置換アルキル基、置換アリール
基、置換アリル基、置換アラルキル基、置換アルケニル
基、置換アルキニル基または置換複素環基を示す)
【0014】及び、重合性不飽和化合物、無機及び/ま
たは有機充填材、光重合開始剤である一般式(1)のビ
スアシルホスフィンオキサイド化合物及び熱重合開始剤
を含有することを特徴とする人造大理石用組成物を型枠
に流し込み、400〜500nmの波長を含む光を照射
して硬化させることを特徴とする人造大理石用組成物の
硬化方法を開発することにより上記の目的を達成した。
【0015】本発明で用いられる一般式(1)のビスア
シルホスフィンオキサイド化合物の具体例としては、ビ
ス(2,6−ジクロルベンゾイル)−フェニルホスフィ
ンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−
2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−エトキシフェニ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベン
ゾイル)−4−ビフェニリルホスフィンオキサイド、ビ
ス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−プロピルフェ
ニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベ
ンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−1−ナフチルホスフ
ィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)
−4−クロルフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,4−ジメトキシ
フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロ
ルベンゾイル)−デシルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−オクチルフェニ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベン
ゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサ
イド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−フェニル
ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチル
ベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオ
キサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリ
メトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホス
フィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,
5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニル
ホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフト
イル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイ
ド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−フ
ェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−
ナフトイル)−4−ビフェニリルホスフィンオキサイ
ド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキ
シフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−
1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイ
ド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピ
ルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メトキシ
−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフ
ィンオキサイド、ビス(2−メトキシ−1−ナフトイ
ル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビ
ス(2−メトキシ−1−ナフトイル)−4−ビフェニリ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2−クロル−1−ナフ
トイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサ
イド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,
4,6−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等を
挙げることができる。
【0016】これらの光重合開始剤は、重合性不飽和化
合物総量100重量部に対して0.01〜2.0重量部
の比率で添加される。好ましくは0.01〜0.5重量
部である。さらに好ましくは0.04〜0.2重量部で
ある。これらの開始剤の添加量が、重合性不飽和化合物
総量100重量部に対して0.01重量部より少ない場
合には、硬化が十分に進行せず、硬化物の強度が不足す
るおそれがある。また、これらの開始剤の添加量が重合
性不飽和化合物総量100重量部に対して2.0重量部
より多い場合には、光硬化後に未反応の開始剤が硬化物
中に残存し、硬化物が着色してしまうおそれがある。光
重合開始剤は一種のみでも、また二種以上用いてもかま
わない。
【0017】また本発明で用いられる過酸化物は、下記
一般式(2)で表されるケトンパーオキサイド、下記一
般式(3)で表されるパーオキシケタール、下記一般式
(4)で表されるハイドロパーオキサイド、下記一般式
(5)で表されるジアルキルパーオキサイド、下記一般
式(6)で表されるパーオキシジカーボネートの少なく
とも1種か、あるいは10時間半減期温度が10℃以上
異なる2種以上の過酸化物である。
【0018】一般式(2);
【化3】
【0019】一般式(3);
【化4】
【0020】一般式(4); R8 −O−O−H
【0021】一般式(5); R9 −O−O−R10
【0022】一般式(6);
【化5】 (式中、R4 〜R12は、それぞれ独立してアルキル基、
アリール基、アリル基、アラルキル基、アルケニル基、
アルキニル基、複素環基、置換アルキル基、置換アリー
ル基、置換アリル基、置換アラルキル基、置換アルケニ
ル基、置換アルキニル基または置換複素環基を示す)
【0023】ここでいう10時間半減期温度とは、熱重
合開始剤である過酸化物が、10時間経過後に当初の5
0%が分解するのに必要な温度であり、この値が小さい
ほど低温活性すなわち低い温度で分解が起こり、重合反
応を開始することを意味する。
【0024】10時間半減期温度の異なる2種以上の熱
重合開始剤を用いると、より低温活性の開始剤の分解が
先ず起こり、それに伴って開始される重合反応の反応熱
(重合熱)によって硬化系の温度が上昇し、硬化系に対
して外部から熱エネルギーを多く加えなくとも、より高
温活性の熱重合開始剤の分解反応を生起させることが出
来るので好ましい。また過酸化物の10時間半減期温度
が低すぎると過酸化物保存時の分解、爆発などの危険
性、組成物の安定性、可使時間の制限などの問題があ
り、10時間半減期温度が高すぎると分解に高温が必要
となるのでエネルギーコストあるいは硬化物の物性への
悪影響などが懸念される。したがって過酸化物の10時
間半減期温度は30℃〜170℃の範囲、好ましくは6
0℃〜150℃の範囲である。更に、2種以上の過酸化
物を用いる場合には、上記の理由から10時間半減期温
度の異なる過酸化物を用いることが好ましく、併用の効
果を有効にするためには過酸化物の10時間半減期温度
の差が10℃以上あることが好ましい。
【0025】本発明者らが先に提案した(特願平8−5
1931)、ビスアシルホスフィン系光重合開始剤を人
造大理石の製造に用いる際にも、重合促進剤として過酸
化物を利用することが述べられているが、限定された過
酸化物の例が述べられているにすぎず、具体的な応用例
なども全く記載されていなかった。
【0026】先にも述べたように、従来人造大理石の製
造には過酸化物等の熱重合開始剤を用いて加熱硬化する
方法が一般的であり、その際10時間半減期温度の異な
る熱重合開始剤を併用する手法は知られていた(例えば
特開平4−81448号)。一方、人造大理石の製造に
光硬化を応用する方法はほとんど知られておらず、本発
明者らが先に特願平8−51931で提案した、ビスア
シルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を利用するこ
とで、従来の製造法と同等の物性を有する人造大理石を
優れた生産性で効率よく製造することが可能となった
が、近年の「24時間風呂」等での要求性能である長期
間の熱水との接触に対する耐久性等を満たすためには本
発明者らが先に提案した光重合のみによる方法では十分
でない場合があり、いま一段の改善が必要であった。
【0027】本発明者らは上記課題を解決するために、
従来人造大理石の製造方法として全く知られていなかっ
た、光重合と熱重合を組み合わせる手法について鋭意検
討した結果、特定の光重合開始剤及び特定の熱重合開始
剤を組み合わせることで、光重合反応及び熱重合反応の
双方の特徴を活かした新規な硬化システムを開発し、本
発明に到達した。
【0028】本発明に用いられる重合性不飽和化合物と
しては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹
脂、硬化性(メタ)アクリル樹脂等があげられる。以
下、各樹脂について説明する。本発明で言う不飽和ポリ
エステル樹脂とは、多価アルコール及び不飽和多塩基酸
あるいは飽和多塩基酸とのエステル化反応による縮合生
成物を、必要に応じてスチレンのような重合性モノマー
に溶解したもので、詳しくは「ポリエステル樹脂ハンド
ブック」(日刊工業新聞社 1988年発行 16ペー
ジ)、または「塗料用語辞典」(色材協会編 1993
年発行 343ページ)などに記載されている。
【0029】酸またはその無水物の具体例としては無水
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ
フタル酸、アジピン酸等の活性不飽和結合を有していな
い飽和多塩基酸またはその無水物、フマル酸、無水マレ
イン酸、マレイン酸、イタコン酸等の活性不飽和結合を
有している不飽和多塩基酸またはその無水物、さらに必
要に応じて安息香酸、アビエチン酸、ジシクロペンテニ
ルマレイン酸ハーフエステルのごときモノカルボン酸等
があげられる。また、アルコールの具体例としては、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレン
グリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3
−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタ
ノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等
の多価アルコール等があげられる。
【0030】また、ビニルエステル樹脂とは、エポキシ
アクリレート樹脂とも呼ばれ、一般にグリシジル基(エ
ポキシ基)を有する化合物と、アクリル酸などの重合性
不飽和結合を有するカルボキシ化合物のカルボキシル基
との開環反応により生成する重合性不飽和結合を有する
樹脂を言い、詳しくは「ポリエステル樹脂ハンドブッ
ク」(日刊工業新聞社 1988年発行 336ペー
ジ)、または「塗料用語辞典」(色材協会編 1993
年発行 321ページ)などに記載されている。ビニル
エステル樹脂の原料となるエポキシ樹脂としては、ビス
フェノールAジグリシジルエーテル及びその高分子量同
族体、ノボラック型ポリグリシジルエーテル類等が挙げ
られる。
【0031】また、飽和ジカルボン酸としては、活性不
飽和基を有していないジカルボン酸、例えばフタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、
アジピン酸、セバチン酸等が挙げられる。不飽和ジカル
ボン酸としては、活性不飽和基を有しているジカルボン
酸、例えばフマル酸、マレイン酸、無水フマル酸、イタ
コン酸等が挙げられる。さらに、多価アルコール成分と
しては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2
−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサ
ン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAのエチレ
ンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオ
キサイド付加物等の多価アルコールが挙げられる。α,
β−不飽和カルボン酸エステル基を含有するエポキシ化
合物としては、グリシジルメタクリレートが代表例とし
て挙げられる。
【0032】また、硬化性(メタ)アクリル樹脂とは、
(メタ)アクリル酸誘導体を主成分とする樹脂で、かつ
樹脂中に重合性の(メタ)アクリル基を有する樹脂を言
う。アクリル樹脂について詳しくは「塗料用語辞典」
(色材協会編 1993年発行5ページ)などに記載さ
れている。
【0033】さらに、本発明で用いる硬化性(メタ)ア
クリル樹脂には、重合性(メタ)アクリル基を持たない
アクリル樹脂を重合性のアクリル化合物で希釈、または
これに溶解した混合物(一般にアクリルシラップとも言
う)も含まれる。アクリルシラップに関しては、「塗料
用語辞典」(色材協会編 1993年発行 6ページ)
などに記載されている。
【0034】硬化性(メタ)アクリル樹脂としては、例
えば硬化性(メタ)アクリレートが挙げられ、具体的に
は、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ
メタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート等の(メタ)アクリレートやヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートと少なくとも2つ以上イソシアネ
ート基を有する化合物との反応でできるウレタンアクリ
レート等が挙げられる。
【0035】本発明に使用される充填材としては、無機
系または有機系をとわない。具体的には、水酸化マグネ
シウム、炭酸カルシウム、ガラス、シリカ、アルミナホ
ワイト、水酸化アルミニウム等の無機系充填材、あるい
は人造大理石を粉砕して造った粉体などに代表される有
機系樹脂と無機物の混合充填材等が挙げられる。
【0036】ただし、得られる人造大理石の透明感を損
なわないためには、人造大理石用組成物に使用される硬
化性アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂あるいは不飽和
ポリエステル樹脂等の屈折率に近い屈折率を持つ充填材
を選択することが好ましい。具体的には、硬化性アクリ
ル樹脂の場合にはシリカ、不飽和ポリエステルまたはビ
ニルエステル樹脂の場合にはガラス、水酸化アルミニウ
ムを用いることが好ましい。
【0037】また、充填材の形状としては、粉末、球
状、繊維状、ウイスカー状、鱗片状等の各種形状の有機
物、無機物、或いはそれらの複合物、混合物が挙げられ
る。
【0038】充填材の添加量は、一般に重合性不飽和化
合物総量100重量部に対して1〜1000重量部であ
る。好ましくは10〜500重量部、さらに好ましくは
20〜300重量部である。充填材の添加量が1重量部
より少ないと、硬度等の硬化物の要求物性が不十分であ
ったり、重合時の硬化収縮による内部応力の増加などが
あり、好ましくない。また、充填材の添加量が1000
重量部より多いと、光透過性が低下して硬化反応が十分
に進行しなかったり、人造大理石用組成物を型枠に流し
込むときの流動性が極めて悪くなる等、作業性が低下す
るおそれがある。
【0039】また、本発明の組成物には、重合性不飽和
組成物と充填材との混練性、含浸性を高めたり、成形製
品の硬度、強度、耐薬品性、耐水性を調製したりする目
的のために、スチレンモノマーやメチルメタクリレート
等の反応性希釈剤を添加することが出来る。反応性希釈
剤の使用量には特に制限はないが、一般に不飽和ポリエ
ステル樹脂、ビニルエステル樹脂あるいは硬化性アクリ
ル樹脂100重量部に対して0〜250重量部、好まし
くは20〜100重量部である。使用量が、250部を
越えると、硬化物の溶剤等に対する耐薬品性が極端に悪
くなってしまう。
【0040】反応性希釈剤として使用される化合物の具
体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、クロロスチレン等の芳香族モノマー、メ
チルメタクリレート、イソブチル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペン
テニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−
フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー、
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルア
クリルアミド、N−アクリロイルモルホリン等のN−置
換アクリルアミドが挙げられる。
【0041】ただし、充填材と同様の理由から屈折率を
考慮すると、硬化性(メタ)アクリル樹脂の場合には
(メタ)アクリレート、不飽和ポリエステルまたはビニ
ルエステル樹脂の場合にはスチレンが特に好ましい。
【0042】更に、本発明の組成物には各種顔料、一般
に塗料用添加剤等として用いられているレベリング剤、
可塑剤、消泡剤、増粘剤、重合禁止剤、酸化防止剤等を
必要に応じて、生成した硬化物の色相、耐薬品性及び耐
熱水性を損なわない程度に添加することができる。
【0043】本発明の組成物の硬化は一般に次のような
手順で行われる。先ず各種成分を十分に混練して得た人
造大理石用組成物を、気泡が入らないようにガラス繊維
強化プラスチック型枠、シリコーン樹脂型枠、ガラス型
枠等の光を透過しやすい透明性の高い型枠に流し込み、
次いで400〜500nmの波長領域を含む光を照射
し、組成物の硬化反応を行わせる。
【0044】人造大理石の厚さは必要に応じて任意に定
められるが、一般には5mm〜2cmの範囲である。必
要以上に厚すぎると硬化に必要以上の時間を要したり、
場合によっては硬化物の硬化が不十分になるおそれもあ
るので好ましくない。
【0045】光源は、組成物中の開始剤の感光波長領域
に分光分布を有しかつ光反応を生起し得る強度の光照射
が出来るものであればよく、例えばハロゲンランプ、キ
セノンランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ、太
陽光等が使用される。光開始剤の感光波長に適合させる
ために、2種以上の光源を併用してもよい。本発明の人
造大理石の製造方法に必要な光強度は開始剤の感光性
(光感度)、重合性化合物の硬化性、充填剤の種類、
量、造ろうとする人造大理石の厚みなどにより異なる
が、一般には10mJ/cm2 以上、好ましくは100
mJ/cm2 以上の光強度である。光強度が低すぎると
光反応が十分に進行せず、人造大理石硬化物の硬化反応
が不十分であったり、深さ方向の硬化が不均一になった
りするおそれがある。
【0046】光の波長に関しては、400nmより短い
波長の光のみでは安全性に問題があり、また深さ方向の
硬化が不均一になるおそれがある。逆に500nmより
波長の長い光のみでは、開始剤の感光性が全くないか、
極めて感光率が悪いため400〜500nmの波長を含
む光を照射させる必要がある。
【0047】また重合反応を促進するために、人造大理
石用組成物を加温して型に流し込むこともできる。一般
にハロゲンランプ、太陽光など赤外領域にも分光を有す
る光を照射すると熱線の作用により被照射物の品温が上
昇し、硬化反応を促進するので好ましい。
【0048】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明する。た
だし、本発明が以下の実施例に限定されるものではな
い。また以下の説明で断りのない場合は、『部』は重量
部をあらわす。
【0049】(実施例1〜4)ビニルエステル樹脂[商
品名:リポキシRF−302 昭和高分子(株)製]1
00部に、無機充填材である水酸化アルミニウム[商品
名:ハイジライト HBT−320 昭和電工(株)
製]200部、表1記載の光重合開始剤を添加し、攪拌
しながら10分間真空ポンプで脱気した。ガラス板に直
径9mmのスペーサーを挟み、樹脂液を流し込み、1.
5kWハロゲンランプを用いて照射距離30cmで10
分間照射して硬化させ、この硬化物の温度が室温になる
まで水冷し、その後ガラス板からはがし、1日放置後こ
の硬化物の着色の有無及び裏面の平滑性を目視で観察
し、更にこの表面(光照射面)及び裏面(光照射面の裏
側の面)の硬度をバーコール硬度計(硬質)で測定し
た。
【0050】更に煮沸試験については、上記人造大理石
硬化物の裏面を96℃の熱水に接するようにし、250
時間後、500時間後、1000時間後の色差(△E)
を、日本電色工業株式会社製SPECTRO COLO
RI METER SQ−300Hを用いて測定した。
ただし、熱水に接する前の値を基準にして各時間の色差
(△E)を評価した。その結果を表3、表4に示した。
【0051】(比較例1〜5)開始剤の組成を表2の開
始剤に変える以外は、上記実施例と同様に組成物を作製
し、上記実施例と同様、光照射を行い人造大理石用組成
物の光硬化を行った。結果を表3、4に示す。
【0052】(比較例6、7)開始剤の組成を表2の開
始剤と変える以外は、上記実施例と同様に組成物を作製
した。その後80℃の乾燥機に入れ、20分間放置した
後乾燥機から取り出した。結果を表3に示すが、硬化物
の硬度は両面ともバーコール硬度計(硬質)で測れるほ
どの硬度を有していなかったので、煮沸試験を実施する
ことが出来なかった。
【0053】(比較例8)開始剤の組成を表2の開始剤
と変える以外は、上記実施例と同様に組成物を作製し
た。その後厚さ14mmの金型の中に流し込み、115
℃、圧力100トン、加圧時間10分間の条件下プレス
成形を行い、厚さ9mmの平板成形板形状の人造大理石
を得た。1日後実施例と同様の物性測定を行った。その
結果を表3、4に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【発明の効果】本発明、すなわち重合性不飽和化合物、
無機及び/または有機充填材、光重合開始剤である一般
式(1)のビスアシルホスフィンオキサイド化合物及び
特定の熱重合開始剤を含有することを特徴とする人造大
理石用組成物、及び該組成物を型枠に流し込み、400
〜500nmの波長を含む光を照射して硬化させること
を特徴とする硬化方法を用いることにより、従来熱重合
開始剤を用いる注型法で問題となっていた低い生産性
と、プレスによる加熱加圧成形で問題となっていた成型
品の透明感のなさ及び表面平滑性のなさを同時に解決で
きるとともに、近年使用されてきている「24時間風
呂」に対応しての、長期間の耐熱水性を有する人造大理
石を容易に製造することが可能となった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)重合性不飽和化合物、(2)無機
    及び/または有機充填材、(3)一般式(1)で表され
    るビスアシルホスフィンオキサイド化合物、及び(4)
    ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロ
    パーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキ
    シジカーボネートの中から選ばれる少なくとも1種の熱
    重合開始剤、を、含有することを特徴とする人造大理石
    用組成物。 一般式(1); 【化1】 (式中、R1 〜R3 はそれぞれ独立してアルキル基、ア
    リール基、アリル基、アラルキル基、アルケニル基、ア
    ルキニル基、複素環基、置換アルキル基、置換アリール
    基、置換アリル基、置換アラルキル基、置換アルケニル
    基、置換アルキニル基または置換複素環基を示す)
  2. 【請求項2】 (1)重合性不飽和化合物、(2)無機
    及び/または有機充填材、(3)一般式(1)で表され
    るビスアシルホスフィンオキサイド化合物、及び(4)
    10時間半減期温度が10℃以上異なる2種以上の過酸
    化物の組み合わせからなる熱重合開始剤、を、含有する
    ことを特徴とする人造大理石用組成物。
  3. 【請求項3】 有機過酸化物が、パーオキシエステルと
    パーオキシジカーボネートの2種の組み合わせであるこ
    とを特徴とする請求項2の人造大理石用組成物。
  4. 【請求項4】 重合性不飽和化合物を100重量部に対
    し、無機及び/または有機充填材を1〜1000重量
    部、一般式(1)のビスアシルホスフィンオキサイド化
    合物を0.01〜2.0重量部、有機過酸化物を0.1
    〜10.0重量部を含有することを特徴とする請求項1
    〜3に記載の人造大理石用組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載の人造大理石用組成物
    を型枠に流し込んだ後、400〜500nmの波長を含
    む光を照射して硬化させることを特徴とする人造大理石
    用組成物の硬化方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2003099A1 (en) * 2007-06-05 2008-12-17 Aros S.r.l. Composition and method of obtaining an artificial stone material
CN113773452A (zh) * 2021-09-02 2021-12-10 佛山市欧泊石业有限公司 一种人造大理石及其制备方法

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