JPH1134942A - ゴムクロ−ラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は車両の走行部に用いられるゴムクロ−
ラに関するもので、特に内周面より突出する駆動用ゴム
突起の改良に係るものである。 【解決手段】無端状ゴム弾性体の外周面にゴムラグを形
成し、内周面に駆動力の伝達或いは転輪との外れ防止に
供されるゴム突起を一定ピッチをもって形成し、かつ当
該ゴム突起におけるゴムクロ−ラの幅方向に向い耐摩耗
性部材を埋入してなるゴムクロ−ラであって、当該耐摩
耗性部材がその中央部と両端部とが異径形状を有するゴ
ムクロ−ラ。１‥ゴム弾性体、２‥ゴム突起、３‥メイ
ンコ−ド、４、５‥バイアスコ−ド、６‥短片状ラグ、
１０‥耐摩耗性部材、１１‥耐摩耗性部材の中央部、１
２、１３‥耐摩耗性部材の両端部。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は車両の走行部に用い
られるゴムクロ−ラに関するものであって、特に内周面
より突出する駆動用ゴム突起の改良に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】車両の走行部に用いられるゴムクロ−ラ
にあって、内駆動型ゴムクロ−ラがあり、これはゴムク
ロ−ラの内周面にその長手方向に向ってゴム突起が一定
ピッチをもって形成されており、かかるゴム突起はスプ
ロケットと係合して駆動力の伝達に供され、或いは転輪
との外れ防止として機能している。

【０００３】特に、正規の係合状態で走行に供される場
合は問題は余り生じないが、ゴムクロ−ラが横方向の力
を受け、転輪等との間で相対的にずれを生じた場合に
は、転輪とゴム突起との間で接触・衝突が繰り返され、
このずれを元の正規の状態に戻そうとする。このため、
ゴム突起の特に両側面が摩耗や破損が生じやすくなる。
このため、ゴム突起の内部に耐摩耗性の樹脂等を埋設す
ることが提案されているが今だ充分な解決を見ていな
い。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来の技術の課題を解決するもので、ゴムクロ−ラの
内周面より突出するゴム突起内に特殊な形状をした耐摩
耗性部材を埋設したものであり、ゴム突起を摩耗、破損
等から保護することを目的としたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は以上の課題を解
決するためになされたものであって、その要旨は、無端
状ゴム弾性体の外周面にゴムラグを形成し、内周面に駆
動力の伝達或いは転輪との外れ防止に供されるゴム突起
を一定ピッチをもって形成し、かつ当該ゴム突起におけ
るゴムクロ−ラの幅方向に向い耐摩耗性部材を埋入して
なるゴムクロ−ラであって、当該耐摩耗性部材がその中
央部と両端部とが異径形状を有することを特徴とするゴ
ムクロ−ラであり、好ましくは、耐摩耗性部材がその中
央部が細径で両端部が太径の形状をなすものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明のゴムクロ−ラにあって、
駆動と外れ防止に供されるゴム突起に特殊な形状の耐摩
耗性部材を埋入したことによって、ゴム突起の摩耗や破
損が低減されることとなり、更に特徴的にはゴム突起中
に埋入されたかかる部材の飛び出しや脱落を防止するこ
ととなったものである。

【０００７】この耐摩耗性部材の飛び出しや脱落の防止
について更に言及すれば、ゴム突起中に埋入される耐摩
耗性部材の形状を全体で同一断面形状とせずに、中央と
その左右両端とてその形状を異ならせることによってゴ
ム突起中よりの飛び出しや脱落を防止したものである。
そして特に好ましい形状としては中央部が細径の棒状と
し、両端を太径の盤状とするのがよい。尚、この細径と
太径は断面丸型、だ円型、角型であってもよく、この他
の形状も採用可能である。

【０００８】そしてゴム突起中に埋入される耐摩耗性部
材は金属製であってもよいが、好ましくは軽量化可能な
合成樹脂製の部材がよく、超高分子量ポリエチレン、６
−６ナイロン等が例示される。

【０００９】このように、埋入される耐摩耗性部材の端
部の方が断面積が大きく形成されたことから転輪との接
触の際にゴム突起としての摩耗は少なく、かつ、中央部
と左右端部との断面形状を異にするためにゴム突起内よ
り飛び出すということはほとんどなくなるものである。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を図面をもって更に詳細に説明
する。図１は本発明のゴムクロ−ラの内周側平面図、図
２は外周側平面図、図３は側面図、図４はＡ−Ａ線での
断面図、図５はＢ−Ｂ線での断面図である。図中、符号
１はゴムクロ−ラを構成する無端状ゴム弾性体であり、
図の上下方向に連続する。そして２はゴム弾性体１の内
周側中央に一定ピッチをもって形成したゴム突起であ
る。３はゴム弾性体１の長手方向に埋入されたメインコ
−ドであり、４、５はこのメインコ−ド３の上下に埋入
されたバイアスコ−ドである。又、６はゴム弾性体１の
外周側に形成された短片状ラグである。

【００１１】さて、前記ゴム突起２中にはゴムクロ−ラ
の幅方向に向けて耐摩耗性部材１０が埋入されており、
図６はこの部材１０の側面図、図７はＣ−Ｃ線での断面
図である。即ち、この耐摩耗性部材１０は中央部１１が
細径（１０ｍｍ）の丸棒状をなし、その左右両端が太径
（１５ｍｍ）の円盤状（厚さ１０ｍｍ）１２、１３をな
したものであり、その全長は６０ｍｍである。

【００１２】又、ゴム突起２の形状はゴムクロ−ラの幅
方向の長さが６０ｍｍであり、この耐摩耗性部材１０は
ゴム突起２に埋入されてその両端部の円盤部１２、１３
の外表面が露程しているものである。尚、ゴム突起２の
高さは３０ｍｍである。耐摩耗性部材１０にあって、図
３からも分るように耐摩耗性部材１０の左右端１２、１
３が中央部１１と異なる形状、即ち、この例では中央部
１１の丸棒よりも左右端１２、１３が太径とされた円盤
部としてあることにより、これがゴム突起２内に埋入さ
れた際に転輪との接触があったとしても、耐摩耗性部材
１０が押されてゴム突起２中より飛び出してしまうこと
もなくなり、結果としてゴムクロ−ラの耐久性もアップ
することになる。

【００１３】この点、部材１０が単に同一の断面を有す
る丸棒であれば転輪の接触によってゴムとの接着が剥離
して反対側に飛び出してしまうこともあったが、本発明
はかかる欠点を解消しゴム突起の摩耗を最後まで阻止す
ることができることとなったのである。

【００１４】耐摩耗性部材のゴム突起への埋入法の一例
としては、予めゴム突起部位を未加硫ゴムにてプリプレ
ス成形し、これをゴムクロ−ラ成形モ−ルドのゴム突起
を形成する凹部内にセットし、これに耐摩耗性部材を埋
め込み、次いでゴムクロ−ラの基体となる未加硫ゴムを
モ−ルド内に充填して全体を加硫すればよい。勿論、ゴ
ムクロ−ラ成形モ−ルドのゴム突起を形成する凹部内に
耐摩耗性部材をセットし、これに未加硫ゴムを充填して
加硫成形することも可能である。

【００１５】尚、耐摩耗性部材の形状は実施例に限定さ
れることはなく、中央部と左右端部が異形であればよ
く、中央部の方が太い場合もあるが好ましくは左右端部
が中央部より断面形状が大きければよい。

【００１６】

【発明の効果】本発明は以上の通りでありゴム突起内に
特殊な形状を有する耐摩耗性部材を埋入することによっ
てゴム突起の摩耗、破損を防ぎ、かつその部材の飛び出
しをも阻止したものであってその利用価値は高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明のゴムクロ−ラの内周面側平面図
である。

【図２】図２は図１のゴムクロ−ラの外周側平面図であ
る。

【図３】図３は図１のゴムクロ−ラの側面図である。

【図４】図４は図１のＡ−Ａ線での断面図である。

【図５】図５は図１のＢ−Ｂ線での断面図である。

【図６】図６は耐摩耗性部材の側面図である。

【図７】図７は図６のＣ−Ｃ線での断面図である。

【符号の説明】

１‥‥無端状ゴム弾性体、 ２‥‥ゴム突起、 ３‥‥メインコ−ド、 ４、５‥‥バイアスコ−ド、 ６‥‥短片状ラグ、 １０‥‥耐摩耗性部材、 １１‥‥耐摩耗性部材の中央部、 １２、１３‥‥耐摩耗性部材の両端部。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無端状ゴム弾性体の外周面にゴムラグを
   形成し、内周面に駆動力の伝達或いは転輪との外れ防止
   に供されるゴム突起を一定ピッチをもって形成し、かつ
   当該ゴム突起におけるゴムクロ−ラの幅方向に向い耐摩
   耗性部材を埋入してなるゴムクロ−ラであって、当該耐
   摩耗性部材がその中央部と両端部とが異径形状を有する
   ことを特徴とするゴムクロ−ラ。
2. 【請求項２】 耐摩耗性部材がその中央部が細径で両端
   部が太径の形状をなす請求項第１項記載のゴムクロ−
   ラ。