JPH0999876A

JPH0999876A - クローラ走行体

Info

Publication number: JPH0999876A
Application number: JP25774895A
Authority: JP
Inventors: Kenichi Sakai; 謙一酒井
Original assignee: Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
Current assignee: Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
Priority date: 1995-10-04
Filing date: 1995-10-04
Publication date: 1997-04-15
Anticipated expiration: 2015-10-04
Also published as: JP3483678B2

Abstract

(57)【要約】【課題】クローラ本体のガイド突部に駆動力を伝達せ
ずにガイド突部間に駆動輪が噛合する噛合部材を設ける
ことで確実な駆動力伝達ができ、同時にガイド突部の強
度を向上するクローラ走行体を提供する。【解決手段】内周側に左右一対のガイド突部４を突設
した無端帯状のクローラ本体２と、前記ガイド突部４間
に配置されて回転するスプロケット状の駆動輪８とを備
え、該駆動輪８の噛合刃８ａが噛合する噛合部材５をク
ローラ本体２の内周面よりも膨出させて左右ガイド突部
４間に架け渡して備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、農業機械、建設機
械等の作業機械や各種運搬車等に用いられるクローラ走
行体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のクローラ走行体には、特開平６−
２５５５４６号公報に記載のように、ゴム製の無端帯状
クローラ本体の内周側に該クローラ本体と一体成形した
左右対のガイド突部を設け、該ガイド突部間に膨出部を
形成し、クローラ本体を周回させるための駆動輪の外周
に左右外方に突設する駆動ピンを設け、該駆動ピンと左
右ガイド突部とを係合させて動力伝達してクローラ本体
を周回させるようにしたものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述のようなクローラ
走行体は、駆動ピンとガイド突部との係合でクローラ本
体に駆動力を伝達する構成となっており、この構成では
ガイド突部に直接駆動力が加わるためその剛性確保が問
題となる。したがってガイド突部の高さや厚みを増した
り、また上記のクローラ走行体のようにガイド突部間に
膨出部を設けるなどで剛性を高める必要があるが、ガイ
ド突部はクローラ本体と同一の弾性材料（ゴム製）で成
形されていることもあり、駆動ピンとの係合で動力の伝
達ロスが生じ易く十分に駆動力が伝達できないことがあ
り、またガイド突部が破損する可能性がある。

【０００４】そして、上記のようなクローラ走行体で
は、走行中に駆動ピンとガイド突部との間に草、泥土等
が挟まる可能性が高く、このような場合にも確実な駆動
力の伝達ができない恐れがある。そこで本発明は、上記
の問題に鑑みてなされたものであり、ガイド突部に駆動
力を伝達せずにガイド突部間に駆動輪が噛合する噛合部
材を設けることで確実な駆動力伝達ができ、同時にガイ
ド突部の強度を向上するクローラ走行体を提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達成するために以下の技術的手段を講じた。すなわち、
内周側に左右一対のガイド突部４を突設した無端帯状の
クローラ本体２と、左右ガイド突部４間に配置されて回
転するスプロケット状の駆動輪８とを備え、該駆動輪８
の噛合刃８ａが噛合することで駆動力が伝達される噛合
部材５をクローラ本体２の内周面よりも内方に膨出させ
且つ左右ガイド突部４間に架け渡して備えることを特徴
としている。

【０００６】これにより、駆動輪８の噛合刃８ａがガイ
ド突部４間の噛合部材５に噛み合うことでクローラ本体
２に伝達ロスなく確実に駆動力を伝達することができ、
また、草、泥土等が駆動力伝達部分に挟まることもほと
んどない。そして、ガイド突部４の強度を向上して脱輪
防止効果を高めることができる。そして、本発明は、前
記噛合部材５の噛合面５ａと駆動輪８の噛合面８ｂとが
互いに沿った形状に形成することを特徴としており、こ
れにより確実且つ円滑な駆動力伝達が可能となる。

【０００７】また、本発明は、噛合部材５を左右方向の
軸心を有する円筒状に形成することを特徴とし、これに
より、軽量且つ高剛性の噛合部材５を得ることができ、
軽量化、コストダウンを図ることができる。噛合部材５
の側端部が左右ガイド突部４における略外側面にまで至
って埋入されていることを特徴としており、噛合部材５
を設けることでの左右ガイド突部４の強度を更に向上し
ている。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図３に本発明の実施形態にかかる
クローラ走行体を示しており、クローラ走行体１は、駆
動輪８、従動輪（図示略）、転動輪９にゴム等の弾性材
料よりなる無端帯状のクローラ本体２を捲回することに
より構成されており、クローラ本体２の外周面側には周
方向に所定間隔をおいて牽引用のラグ３を突設し、内周
面側には所定間隔をおいて左右一対のガイド突部４を突
設しており、該ガイド突部４及び前記ラグ３は、クロー
ラ本体２と同一材料で一体成形されている。

【０００９】なお、クローラ本体２の内部には、複数条
のスチールコードやキャンバス等よりなり該クローラ本
体２の周方向の伸張を規制する抗張体１０や、金属又は
硬質樹脂等よりなりクローラ本体２の左右方向の曲げ剛
性を高める芯材１１を適宜埋設するようにしてもよい。
前記ガイド突部４は、上記駆動輪８、従動輪、転動輪９
のクローラ本体２に対する左右方向の位置規制をするも
のであり、前記駆動輪８はガイド突部４間に、従動輪、
転動輪９はガイド突部４間又はガイド突部４の左右外側
方を跨ぐように配置されてそれぞれ位置規制がなされて
いる。

【００１０】前記駆動輪８はスプロケット状に形成して
その外周に複数の噛合刃８ａを形成しており、クローラ
本体２側には噛合刃８ａが噛み合って駆動力を伝達する
噛合部材５を左右ガイド突部４の両付根部を繋ぐように
架け渡して設けている。前記噛合部材５は、金属製又は
硬質樹脂製の円筒状のパイプ材にてなり、図２に示すよ
うに前記左右ガイド突部４の略外側面に至るまで噛合部
材５の両端部が埋設されている。そして図１の側面断面
図において、噛合部材５はクローラ本体２の内周面より
膨出するように設けられている。この噛合部材５は、左
右ガイド突部４間を繋ぐことで該ガイド突部４の補強を
しており、噛合部材５の両端部分がガイド突部４の略外
側面に至るまで埋入されていることから、より高い強度
を得ることができ、駆動輪８、転動輪９、従動輪の脱輪
防止機能を高めている。

【００１１】前記噛合部材５の上部外周面の円弧状部分
は駆動輪８との噛合面５ａとなり、駆動輪８の噛合刃８
ａ間の溝部は前記噛合面５ａと当接する円弧形状の噛合
面８ｂとなっていて、両噛合面５ａ、８ｂは互いに沿っ
た形状となされている。従って、噛合部材５の噛合面５
ａと駆動輪８の噛合面８ｂとが円滑な噛み合いを行うよ
うになり、動力伝達能力を向上するとともに、それぞれ
円弧形状をなしているため、噛み合い後の噛合部材５の
噛合面５ａと駆動輪８の噛合面８ｂの離れをもよくする
ことができ、クローラ本体２が円滑な周回をなすように
している。そして、噛合部材５を円筒状のパイプ材にて
形成することで、軽量且つ高剛性の噛合部材５を得るこ
とができ、軽量化、コストダウンを図ることができる。

【００１２】そして、駆動輪８との噛み合いが、硬質材
料（金属、硬質樹脂等）である噛合部材５によるため、
動力の伝達ロスを少なくしている。なお、噛合部材５の
パイプ内部にはクローラ本体２及びガイド突部４と同一
のゴム材料を埋入することで、噛合部材５を強固にガイ
ド突部４間に固着することが可能であり駆動輪８の噛合
刃８ａとの噛み合いの際に噛合部材５が剥離することが
殆どなくなるが、噛合部材５のパイプ内部にゴム材料を
埋入せずに中空状態としてもよく、このようにすれば、
より軽量化を図ることが可能である。

【００１３】そして、上記構成によれば従来における駆
動輪のようにガイド突部４と係合する係合ピンを必要と
しないため、草、泥土等が駆動力伝達部分に挟まること
もほとんどなく動力伝達を円滑なものとし、また、ガイ
ド突部４の破損等をすることがないようにしている。そ
して、ガイド突部４の形状については駆動輪８、転動輪
９、従動輪等の位置規制のみを考慮して成形すればよい
ので、ガイド突部４の成形についての自由度が広がり、
すなわち、駆動輪８等の脱輪防止機能を高めたり、ま
た、コストダウン、軽量化等の変更を容易なものとして
いる。

【００１４】図４は本発明の他の実施形態を示してお
り、（ａ）は、噛合部材５を第１実施形態のパイプ材に
代えて中実丸棒を用いたものであって、これにより第１
実施形態のものに比して重量は若干増えるものの強度を
向上している。（ｂ）は、噛合部材５を断面半円弧形状
に形成したもので、（ｃ）は、断面山型形状に形成した
ものであり、それぞれ図４（ｂ），（ｃ）に示すもの
は、噛合部材５の内側にクローラ本体２及びガイド突部
４と同一のゴム材料が埋入してクローラ本体２及びガイ
ド突部４との接着を強固にしており、噛合部材５の剥離
を防止している。

【００１５】上記他の実施形態においても、噛合部材５
によりガイド突部４の強度増大を図り脱輪防止機能を高
めており、更に、駆動輪８からの動力の伝達ロスがない
ようにして確実にクローラ本体２に伝えることができ
る。そして、特に図４（ａ），（ｂ）に示すものについ
ては、駆動輪８の噛合面８ｂと噛合部材５の噛合面５ａ
とが互いに沿った円弧状とすることができ、第１の実施
形態と同様に円滑な動力伝達を可能とする。

【００１６】なお、本発明は、上記実施形態の他、噛合
部材５を角筒状、角柱状に形成する等適宜設計変更可能
である。また、上記実施形態では、噛合部材５の両側端
部を左右ガイド突部４の略外側面に至るまで埋入してい
るが、噛合部材５の長さを短くして左右ガイド突部４の
左右略中途部（図５参照）或いは内側面近傍まで埋入す
るようにしてもよい。

【００１７】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、左右一
対のガイド突部間に、駆動輪の刃が噛合する噛合部材を
備えているため、駆動輪の刃がガイド突部間の噛合部材
に噛み合うことでクローラ本体に確実に伝達ロスなく駆
動力を伝達することができ、草、泥土等が駆動力伝達部
分に挟まることもほとんどない。また、ガイド突部の強
度を向上している（請求項１）。

【００１８】そして、本発明は、噛合部材の噛合面と駆
動輪の噛合面とが互いに沿った形状としているため、円
滑な駆動力伝達が可能となる（請求項２）。また、本発
明は、噛合部材を円筒状に形成することで軽量且つ高剛
性の噛合部材を得ることができ、軽量化、コストダウン
を図ることができる（請求項３）。そして、本発明は、
噛合部材の側端部が左右ガイド突部４における略外側面
にまで至って埋入されているため、噛合部材を設けるこ
とでの左右ガイド突部の強度を更に向上している（請求
項４）。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態を示し、図２におけるＡ−Ａ
矢示図である。

【図２】本発明の実施形態を示すクローラの正面断面図
である。

【図３】クローラ走行体を示す側面図である。

【図４】他の実施形態を示す側面断面図である。

【図５】他の実施形態を示す正面断面図である。

【符号の説明】

１クローラ走行体２クローラ本体４ガイド突部５噛合部材５ａ噛合面８駆動輪８ａ噛合刃８ｂ噛合面

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】内周側に左右一対のガイド突部（４）を
突設した無端帯状のクローラ本体（２）と、左右ガイド
突部（４）間に配置されて回転するスプロケット状の駆
動輪（８）とを備え、該駆動輪（８）の噛合刃（８ａ）
が噛合することで駆動力が伝達される噛合部材（５）を
クローラ本体（２）の内周面よりも内方に膨出させ且つ
左右ガイド突部（４）間に架け渡して備えることを特徴
とするクローラ走行体。
【請求項２】前記噛合部材（５）の噛合面（５ａ）と
駆動輪（８）の噛合面（８ｂ）とを互いに沿った形状に
形成することを特徴とする請求項１に記載のクローラ走
行体。
【請求項３】噛合部材（５）を左右方向の軸心を有す
る円筒状に形成することを特徴とする請求項１又は２に
記載のクローラ走行体。
【請求項４】噛合部材（５）の側端部が左右ガイド突
部（４）における略外側面にまで至って埋入されている
ことを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載のクロ
ーラ走行体。